JP2001077112A - 積層体,積層体の製造方法及び半導体素子 - Google Patents

積層体,積層体の製造方法及び半導体素子

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JP2001077112A
JP2001077112A JP2000205038A JP2000205038A JP2001077112A JP 2001077112 A JP2001077112 A JP 2001077112A JP 2000205038 A JP2000205038 A JP 2000205038A JP 2000205038 A JP2000205038 A JP 2000205038A JP 2001077112 A JP2001077112 A JP 2001077112A
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aln
film
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crystal
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Koji Nishikawa
孝司 西川
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体素子の微細化,高集積化に対応しうる
比誘電率の高いかつ絶縁特性の良好な膜の形成方法及び
これを利用した半導体素子を提供する。 【解決手段】 Si基板1を酸処理などによって洗浄
し、加熱して表面の付着物を除去する。次に、Si基板
1の表面にプラズマ化された窒素を供給して、ラジカル
窒素のサーファクタント効果により、Si基板1の表面
上に、Si結晶とは格子整合していないAlN結晶層8
0を形成する。AlN結晶層80の格子間距離は、Al
N結晶体本来の格子定数にほぼ一致するので、Si基板
1と格子整合している場合のように、Al結晶層80に
は、Si基板1との格子定数の相違に起因する歪みが内
在することがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶層の上にIII
族元素の窒化物膜を積層してなる積層体、その製造方法
及びこの積層体を利用した半導体素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、Si基板上に形成されるCMOS
デバイスにおいては、デバイスを構成するMOSトラン
ジスタ等の素子の微細化、各素子の高集積化の進展には
著しいものがある。このような微細化,高集積化の進展
に伴い、MOSトランジスタなどの要素であるゲート絶
縁膜の単位面積当たりの容量値の向上の要請が強まって
いる。これは、省電力の目的でMOSデバイスの各素子
を動作させるための電源電圧が低電圧化されている一方
で、従来と変わらない素子動作に必要な電荷を確保しよ
うとすると、ゲート絶縁膜の単位面積当たりの容量値を
高くする必要があるからである。
【0003】このゲート絶縁膜の容量値を高くするに
は、大きく分けて2つの途がある。第1の方法はゲート
絶縁膜を薄膜化する方法であり、第2の方法はゲート絶
縁膜をより高誘電率を有する材料によって構成する方法
である。すなわち、ゲート絶縁膜の高性能化に関しては
薄膜化と高誘電率化の二つのアプローチがある。
【0004】ここで、ゲート絶縁膜の薄膜化に関して
は、Si基板の熱酸化を更に高精度に行なうことによっ
て達成しようとするための工夫が特に数多くなされてい
る。Si基板の熱酸化によって二酸化珪素(SiO2
絶縁膜を形成する方法は、酸化膜の形成が容易であるこ
と、この酸化膜が低い界面準位密度,高い耐電圧特性,
小さい電流リークなどというゲート絶縁膜としては非常
に優れた特性を有していること、酸化膜の形成プロセス
が素子の微細化,高集積化にも十分対応できることなど
の利点を有しているので、現在Si基板上に形成される
CMOSトランジスタにおいては、熱酸化法以外にゲー
ト絶縁膜の製造方法として実用化されている方法はない
といっても過言ではない。従って、今後のゲート絶縁膜
の高性能化についても、このSiO2 膜をいかに薄膜化
するかについて検討しているものが多い。例えば、今後
のSi系トランジスタ開発の将来展望を調査した「THE
NATIONAL TECHNOLOGY ROADMAP FOR SEMICONDUCTORS (TH
E SEMICONDUCTOR INDUSTRYASSOSIATION in the U.S.A.)
74頁 Table 22 」(第1の文献)に開示されているよ
うに、西暦1997年に4〜5nmであったゲート絶縁
膜の厚みが、2001年には2〜3nmになると予想さ
れている。そして、SiO2 膜の薄膜化の要望に応える
ための検討として、例えば熱酸化の方法に急熱急冷の短
時間酸化を用いたものに関する「信学技報(THECNICAL R
EPORT OF IEICE.) ED98-9, SDM98-9 (1998-04) 15 頁」
(第2の文献)に開示されている方法がある。この文献
中の方法によると、形成されたSiO2 膜の膜厚は1.
5nmである。
【0005】また、ゲート絶縁膜を形成する材料を高誘
電率化する方法の例として、「APPLIED PHYSICS LETTER
S 72, 2835 (1998) 」(第3の文献)に開示されている
方法がある。この文献の方法では、ゲート絶縁膜として
SiO2 単層膜のみを用いるのでは無く、SiO2 /T
25 /SiO2 の積層膜(3層膜)を用いている。
このように積層された状態でTa25 の比誘電率が2
0〜25と大きいことを利用して単位面積当たりの蓄積
電荷量を高めつつ、高誘電率材料の絶縁膜をSi基板に
接触させると両者間の界面に高い密度で界面準位が導入
されるのを回避すべく、Siの直接熱酸化によって形成
された極薄のSiO2 層を両者の間に介在させているの
である。
【0006】また、以上とは別な要請から、SiO2
外の材料によりゲート絶縁膜を構成しようとする試みも
ある。例えば「特願平1−64789」(第4の文献)
に開示されている方法では、X線露光などで高エネルギ
ー放射線が照射された時のゲート絶縁膜の耐性を高める
ために、SiO2 に代えてイットリア安定化立方晶ジル
コニア(以下、YSZと略記する)によりゲート絶縁膜
を構成している。SiO2 やTa25 が一般的にはア
モルファス状態であるのに対して、ここで用いられてい
るYSZは結晶性を有する。
【0007】さらに別な要請から、SiO2 以外の材料
によりゲート絶縁膜を構成しようとする試みがある。例
えば「JAPAN JOURNAL OF APPLIED PHYSICS 35, 4987,
(1996)」(第5の文献)に開示されている方法では、電
界効果型トランジスタのゲート絶縁膜として、強誘電性
を持つ薄膜を用いてメモリー効果のあるトランジスタを
実現することのための検討を行なっている。ここでは、
特に強誘電性を持つPbZr1-x Tix3 (PZT)
の薄膜をゲート絶縁膜として用いている。しかしなが
ら、このPZT膜は直接Si基板上に形成することが困
難であるので、PZT膜とSi基板との間にCeO2
どの他の材料からなる絶縁膜を介在させている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各
文献におけるSiO2 膜の薄膜化や新たなゲート絶縁膜
材料の開発には、以下に示すような幾つかの問題点があ
る。
【0009】第1の文献においては、2006年にゲー
ト膜厚1.5〜2nmが達成されると予想されている
が、それ以降、SIO2 膜の厚みを1.5nmよりも薄
くすることが実現可能であるとは考えられておらず、ま
た、それ以外の解決策も考えられていない。すなわち、
SiO2 膜を1.5nm以下に薄膜化した状態でデバイ
スのゲート絶縁膜として用いることは不可能であると考
えられている。1.5nmより薄い膜厚を有するSiO
2 膜においては、膜中を直接トンネル電流が流れてしま
うためと考えられている。このような直接トンネル電流
の発生はDRAMのメモリセルトランジスタにおいて特
に重大な問題となる。よって、直接トンネル電流が発生
しない膜厚で、所望の電荷を確保するためには、より高
い誘電率を持ち、かつ諸特性(界面準位の密度が小さい
ことなど)がSiO2 膜並みである新規なゲート絶縁膜
材料が要望されている。
【0010】第2の文献においては、1.5nmの極め
て薄いSiO2 膜が形成されており、破壊耐圧、リーク
特性、高周波特性などの特性は良好であることが報告さ
れているが、一方、信頼性に関して重大な欠点が存在す
る。すなわち、極薄のSiO 2 膜をゲート絶縁膜として
用いた場合、ゲート電極からの不純物(ボロンなど)の
突き抜けの発生が顕著になるのである。例えば第2の文
献中には、PMOSFETにおいて多結晶シリコンから
なるゲート電極をゲート絶縁膜上に設けた場合、ドーパ
ントとして用いているボロン(B)がゲート電極中から
SiO2 膜を通ってSi基板中へと突き抜けてしまう様
子が報告されている。
【0011】第3の文献においては、耐圧向上を得るた
めに導入した3層膜の構造により、SiO2 換算厚みを
2.3nmにしうることが報告されているが、その界面
準位密度は、2.3nmの膜厚を有するSiO2 膜の3
倍もある。
【0012】第4の文献においては、YSZからなるゲ
ート絶縁膜を形成しているが、YSZは自動車エンジン
の酸素センサーに用いられるほど、分子やイオンを通し
やすい性質を有しているので、イオン伝導などの寄与に
よってゲート電極とチャネルの間でリーク電流が発生し
やすい。すなわち、高い耐圧や信頼性を有するゲート絶
縁膜を得ることが難しい。
【0013】第5の文献においては、強誘電体膜である
PZT膜を形成する前に、CeO2膜からなるバッファ
層を形成する必要がある。PZT以外の強誘電体材料に
おいても、Bi,Pb,Ta,Sr,Baなどの重金属
を含むものが多いので、これらの金属がSi基板中へ拡
散してチャネルの電気特性に悪影響を与えるおそれが大
きい。同文献におけるSECONDARY ION MASS SPECTROMETR
Y (SIMS)測定の結果でも、PbがSi基板中まで
拡散していることが報告されている。加えて、これらの
強誘電体材料が複合材料の酸化物であることから、強誘
電体膜とSi基板との界面にSiO2 領域が形成される
可能性が大きい。両者間の界面にSiO 2 領域が形成さ
れると、MOSトランジスタ構造におけるゲート電極に
印加される電圧の大部分が誘電率の低いSiO2 領域に
印加されることが多く、強誘電体膜自体にかかる実効電
圧が低くなって、効率よくスイッチングが行われないな
どの問題もある。
【0014】本発明の目的は、上述のようなすでに報告
されているゲート絶縁膜材料とは異なる優れた特性を発
揮しうる材料をゲート絶縁膜材料として用いることによ
り、素子の微細化,高集積化の進展に十分対応しうる膜
の製造方法及びこれを用いた半導体素子を提供すること
にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の積層体は、結晶
層を有する基板と、上記結晶層の主面の上にエピタキシ
ャル成長され、上記結晶層の方位に倣った方位で上記結
晶層とは格子非整合な結晶格子を有し上記結晶層よりも
原子同士の結合力が大きい結晶性化合物膜とを備えてい
る。
【0016】これにより、結晶性化合物膜と下地の結晶
層との間で結晶格子の位置が正確に一致している必要が
ないことから、結晶性化合物膜中には下地の結晶層との
格子整合に起因する歪みが生じない。したがって、歪み
に起因する界面準位などの少ない窒化物膜などの結晶性
化合物膜が得られる。したがって、例えば窒化物膜をゲ
ート絶縁膜として用いた特性の優れたMIS型トランジ
スタや、窒化物膜上にさらに結晶性の強誘電体膜を設け
たMFIS型トランジスタや、窒化物膜を容量絶縁膜と
するキャパシタなど、積層体を各種デバイスに応用する
ことが可能となる。
【0017】上記結晶性化合物膜がIII 族元素の窒化物
膜である場合に、III 族元素の窒化物膜は特に結晶化し
やすく原子同士の結合力が大きいことから、格子非整合
な結晶膜が容易に得られる。
【0018】上記結晶層がSi結晶層であり、上記Si
結晶層の主面が(111)面である場合に、特に、結晶
層上に格子非整合な状態で窒化物膜などの結晶性化合物
膜を設けることが容易となる。
【0019】その場合、上記結晶性化合物膜がAlN膜
である場合に、下地の結晶層の方位についての情報を維
持しつつ格子非整合な状態が確実に得られる。
【0020】本発明の第1の積層体の製造方法は、基板
の結晶層の主面の上に、III 族元素の原子層及びN原子
層のうちいずれか一方の原子層を形成する工程(a)
と、上記一方の原子層の上に、III 族元素の原子層及び
N原子層のうちの他方の原子層を形成する工程(b)と
を交互に繰り返すことにより、結晶性のIII 族元素の窒
化物膜を上記結晶層の上にエピタキシャル成長させる方
法である。
【0021】この方法により、下地の結晶層の情報を受
け継いだ結晶性の窒化物膜が形成され、高い結晶性によ
る高い比誘電率などの優れた特性を発揮できると共に、
この結晶性の窒化物膜の上に、他の結晶性の膜を形成す
ることが可能になるので、優れた特性を有する各種デバ
イスのプロセスに組み入れることができる。
【0022】上記工程(a)では、N原子層を形成し、
上記工程(b)では、III 族元素の原子層を形成するこ
とにより、上記基板の主面の結晶格子とは非整合な結晶
格子位置に結晶性のIII 族元素の窒化物膜を上記結晶層
の上にエピタキシャル成長させることにより、N原子が
結晶層の主面に付着したときのサーファクタント効果を
利用して、下地の結晶層の方位に関する情報を受け継ぎ
つつ、格子は下地の結晶層の格子とは整合していない結
晶性の窒化物膜が形成される。
【0023】上記結晶層は,Si結晶層であり、上記S
i結晶層の主面は(111)面である場合に、もっとも
大きいサーファクタント効果が得られる。
【0024】上記工程(b)では、Al原子層を形成す
ることにより、上記窒化物膜としてAlN膜が形成さ
れ、AlN膜が容易に結晶体を形成すると共に高い比誘
電率を有することを利用して、上述の作用効果を顕著に
発揮することができる。
【0025】上記N原子層の堆積は、窒素ガスをプラズ
マ化してなるラジカル窒素を上記結晶層の主面上に供給
する分子線エピタキシ法(MBE法)により行なわれる
ことにより、活性化されたラジカル窒素が下地の結晶層
の主面に付着したときに、高いサーファクタント効果が
発揮される。
【0026】上記窒素ガスのプラズマ化を、プラズマセ
ルを用いて行なうことにより、プラズマ化されたラジカ
ル窒素の供給の制御を容易かつ正確に行なうことができ
る。
【0027】本発明の第2の積層体の製造方法は、基板
のSi結晶層の主面を窒素,水素,硫黄及びマグネシウ
ムのうちいずれか1つを含む雰囲気中に曝し、Si結晶
層の主面上のダングリングボンドを終端させる工程
(a)と、上記Si結晶層の上に、結晶性のAlN層を
形成する工程(b)とを備えている。
【0028】この方法により、下地となるSi結晶層の
表面におけるダングリングボンドが終端された状態でA
lN層が形成されるので、界面準位密度の小さい劣化特
性などの優れたAlN膜が得られる。
【0029】上記工程(b)の前に、上記Si結晶層の
表面部を窒化して窒化珪素層を形成する工程をさらに備
え、上記工程(b)では、上記窒化珪素層の上に結晶性
のAlN層を形成することにより、Si結晶層の表面に
おけるダングリングボンドをより確実に終端させること
ができる。
【0030】上記工程(b)では、上記AlN膜に酸
素,水素及び硫黄のうち少なくともいずれか1つを添加
することにより、上記AlN層内における上記Si結晶
層との格子不整合に起因する歪みを緩和することが好ま
しい。
【0031】本発明の半導体素子は、半導体層を有する
基板と、上記半導体層の上に設けられ、AlN層を有す
る絶縁膜と、上記絶縁膜の上に設けられた導体からなる
電極とを備えている。
【0032】これにより、熱酸化法により形成されたシ
リコン酸化膜よりも誘電率の高いAlN層を有する絶縁
膜全体の単位面積当たりの容量値が高くなる。また、結
晶性を有する緻密なAlN層内には、欠陥や界面準位が
ほとんどないので、シリコン酸化膜と同等の良好な信頼
性を発揮することができる。そして、この絶縁膜を電界
効果トランジスタのゲート絶縁膜や、MISキャパシタ
の容量絶縁膜として用いることが可能となる。
【0033】上記AlN層が、上記半導体層の上にエピ
タキシャルに成長された単結晶層であることが好まし
い。
【0034】上記半導体層がSi結晶層であり、上記半
導体層の主面位が(111)面である場合には、上記A
lN層が稠密六方晶となり、その主面が(0001)面
となる。
【0035】上記半導体層がSi結晶層であり、上記半
導体層の主面位が(100)面である場合には、上記A
lN層が立方晶となり、その主面が(100)面とな
る。
【0036】上記半導体層の表面におけるダングリング
ボンドがアルミニウム,窒素,水素,硫黄及びマグネシ
ウムのうちいずれか1つによって終端されていることに
より、上記AlN層と半導体層との間の界面における界
面準位の密度を低減することができる。
【0037】上記絶縁膜をゲート絶縁膜とし、かつ、上
記AlN層と上記半導体層の間に介在する窒化珪素層を
さらに設けることにより、下地のSi基板の結晶性をそ
のまま保持しつつ、窒化珪素層の存在によって半導体基
板の表面におけるダングリングボンドがさらに低減し、
半導体基板との界面における界面準位の密度が極めて小
さくなる。また、窒化珪素層により、AlN層を通して
半導体基板側へ不純物が拡散するのを抑制することもで
きる。
【0038】上記半導体素子において、上記絶縁膜をゲ
ート絶縁膜とし、かつ、上記AlN層の上に形成されA
lNよりも高い誘電率を有する誘電体材料及び強誘電性
を有する材料のうち少なくともいずれか1つにより構成
される誘電体層をさらに設けることにより、半導体素子
が電界効果トランジスタの構造を有している場合には、
例えばMFISFETとして機能する半導体素子が得ら
れる。その場合、結晶性の高いAlN層の上に誘電体層
を設けることにより、結晶性の高い正方晶の誘電体層が
得られる。したがって、より誘電率の高い高誘電体膜
や、より残留分極保持特性のよい強誘電体膜が得られる
ことになる。
【0039】上記半導体素子において、上記絶縁膜をゲ
ート絶縁膜とし、かつ、上記AlN膜の上に形成された
AlNよりも高い誘電率を有する誘電体材料及び強誘電
性を有する材料のうち少なくともいずれか1つにより構
成される誘電体層をさらに設け、上記誘電体層の上側及
び下側のうち少なくともいずれか一方に結晶性を有する
導電性膜が設けられている場合には、例えばMFMIS
FETとして機能する半導体素子が得られる。
【0040】上記半導体素子において、上記AlN層
に、酸素,水素,硫黄のうち少なくともいずれか1つを
含ませて、上記AlN層内における上記半導体基板との
格子不整合に起因する歪みを緩和することにより、経時
劣化の少ない絶縁膜を有し信頼性の高い半導体素子が得
られる。
【0041】上記半導体素子において、上記AlN層の
半導体基板との格子不整合を拡大させて、上記AlN層
の誘電率を高めることもできる。
【0042】
【発明の実施の形態】−AlNの基本特性について− 本発明の実施形態について説明する前に、本発明におい
てゲート絶縁膜などの新たな材料として用いるAlN膜
の基本特性について説明する。
【0043】図7は、Siに対するAlN及びSiO2
のエネルギーバンドのバンド不連続値を比較するための
バンド図である。
【0044】同図に示されるように、SiO2 のバンド
ギャップ(伝導帯−価電子帯のエネルギーレベルの差,
つまり禁止帯の幅)は約9eVである。そして、SiO
2 の価電子帯端とSiの価電子帯端との間には約−4.
7eVのバンド不連続が存在する。また、SiO2 の伝
導帯端とSiの伝導帯端との間には約3.2eVのバン
ド不連続が存在する。一方、AlNのバンドギャップは
約6.4eVである。そして、AlNの価電子帯端とS
iの価電子帯端との間には約−3.0eVのバンド不連
続が存在する。また、AlNの伝導帯端とSiの伝導帯
端との間には約2.1eVのバンド不連続が存在する。
すなわち、AlNとSiとの間のバンド不連続値は、S
iO2 とSiとの間のバンド不連続値の64%(価電子
帯側),66%(伝導帯側)である。
【0045】しかも、AlN膜中には、キャリアを発生
する不純物や欠陥が極くわずかしか存在しないことこと
から、高い絶縁性を保持することができる。また、Al
NはSiとの界面におけるSiのダングリングボンドが
少ないことから、Siとの界面における界面準位密度も
極めて低い。
【0046】これらのことは、Siとこれに対向する導
体部材との間にAlN膜を介在させることによって、A
lN膜をゲート絶縁膜やその他の障壁層として十分利用
することができることを示している。
【0047】また、Si結晶はダイヤモンド構造を有
し、AlN結晶は閃亜鉛鉱型の結晶構造に類似したウル
ツ鉱型の結晶構造を有している。立方晶の一種である閃
亜鉛鉱型の結晶構造はダイヤモンド型構造における同一
種の原子を1つ置きに異種原子に置き換えた構造である
ので、ダイヤモンド型結晶体の上に閃亜鉛鉱型結晶体を
エピタキシャル成長させるのは容易である。一方、六方
晶の一種であるウルツ鉱型結晶体をダイヤモンド型結晶
体の上にエピタキシャル成長させるのは一般的には困難
である。しかし、ウルツ鉱型結晶構造と閃亜鉛型結晶構
造とは、(111)面においては原子の配置位置が同じ
である。すなわち、主面が(111)面であるSi基板
(以下、(111)Si基板という)上には、Si基板
上に六方晶のウルツ鉱型のAlN層がエピタキシャル成
長する。このことは従来より知られている。
【0048】−格子整合型AlN層の形成− ここで、発明者は、第1に、AlN結晶体が十分薄い場
合には、主面が(100)面であるSi基板(以下、
(100)Si基板という)上に、立方晶の閃亜鉛鉱型
の結晶構造を有する(100)AlN層が形成されるこ
とに着目した。AlN層は、本来のウルツ鉱型結晶体で
ある場合にはもちろんのこと、閃亜鉛型結晶体である場
合にも高い結晶性を有する。
【0049】そして、AlNを成長させるときの条件
や、Si基板の面方位を適切に選ぶことにより、単結晶
シリコン層の上に結晶性の高いAlN膜をエピタキシャ
ル成長させることができる。
【0050】一方、AlNの比誘電率は9であり、熱酸
化により形成されたSiO2 の比誘電率3.9に比べて
大幅に大きい。そのために、AlNをゲート絶縁膜など
の材料として用いることにより、単位面積当たりの容量
値を大幅に向上させることができ、また、同じ容量値を
得るためにSiO2 膜ほど薄膜化する必要がない。つま
り、キャリアの直接トンネルリークを抑制しつつ、蓄積
電荷量の向上を図ることが可能であるので、半導体素子
の微細化,高集積化の進展にも十分対応することができ
る。
【0051】なお、Si基板上へのIII 族窒化物結晶薄
膜の形成に関しては、第6の文献“T. Lei and T. D. M
oustakas J. Appl. Phys. 71, 4934 (1992) ”、および
第7の文献“A. Watanabe, T. Takeuchi, K. Hirosawa,
H. Amano, K. Hiramatsu and I. Akasaki, J. Crystal
Growth, 128, 391, (1993)”がある。
【0052】しかし、いずれの文献においても、AlN
膜をGaN膜を形成する前のバッファ層として用いるも
のであり、ゲート絶縁膜などの素子の要素として用いる
ための工夫はみられない。
【0053】−格子非整合型AlN層の形成− 発明者は、第2に、ある条件下においては、Si基板の
上に格子が非整合な状態でAlN単結晶などの窒化物の
膜がエピタキシャル成長することを見いだした。このと
きのエピタキシャル成長のメカニズムはまだ十分解明さ
れているわけではないが、いわゆる表面活性剤(サーフ
ァクタント)効果が関与しているものと考えられる。サ
ーファクタント効果とは、例えば第8の文献“日本物理
学会誌Vol.53(1998) p.244-250”に記載されているよう
に、下地結晶層に付着したサーファクタント原子によ
り、下地結晶層とエピタキシャル成長層との間の界面エ
ネルギーが低減される現象をいう。同文献に記載されて
いるように、一般に、薄膜の成長様式は、下記の3通り
に分類される。
【0054】a.下地上に層状に成長するFrank-van de
r Merwe 成長(F−M成長) これは、エピタキシャル成長する物質が下地結晶層の上
に1層ずつ順に成長する様式であり、結晶性化合物膜の
成長に好ましい様式といえる。
【0055】b.下地上に第1層目から島状に成長する
Volmer-Weber成長(V−W成長) これは、エピタキシャル成長する物質が成長の初期から
下地層の上に3次元的に、つまり、島状に成長する様式
である。
【0056】c.下地上に当初は層状に成長した後島状
に成長するStranski-Krastanov成長(S−K成長) これは、成長の初期には、エピタキシャル成長する物質
が下地上に1層毎に成長するが、ある膜厚を越えたとこ
ろから3次元の成長が始まる様式である。
【0057】ここで、下地結晶層,エピタキシャル成長
する物質の単位面積あたりの表面エネルギーをそれぞれ
σs ,σg とし、両者間の単位面積あたりの界面エネル
ギーをσinとすると、一般的には、下記関係式(1)又
は(2) σs <σin+σg 島状成長 (1) σs >σin+σg 層状成長 (2) のうちいずれか一方が成り立っている。
【0058】ここで、サーファクタントは、関係式
(1)が成り立っている下地結晶層−エピタキシャル成
長層とがある場合に、両者間の界面エネルギーσinを低
減することにより、関係式(2)が成り立つようにし
て、成長様式を島状成長から層状成長へと変化させるよ
うに作用する。
【0059】また、成長初期に層状成長するような場合
には、さらに2種類の成長様式に分けられる。1つは、
エピタキシャル成長層と下地結晶層との相互作用が小さ
く、エピタキシャル成長層が下地結晶層表面の原子配列
の影響をほとんど受けずにエピタキシャル成長層自身の
格子定数をもって(つまり格子非整合に)成長する場合
である。この場合には、層厚に関係なく歪みのない状態
で層状成長を続けるはずである。もう1つは、エピタキ
シャル成長層と下地結晶層との相互作用が大きく、エピ
タキシャル成長層が下地結晶層表面の格子に整合して成
長する場合である。この場合には、エピタキシャル層の
成長につれて歪みが蓄積されるので、ある膜厚以上にな
ると、島状成長に変化することになる。
【0060】同文献には、Si基板上に、サーファクタ
ントとしてAuを付着させることにより、Si基板上に
Ge膜を成長させる場合の臨界膜厚(格子整合による歪
みが転移の発生によって緩和されるときの膜厚)を増大
させる効果を得たことが開示されている。また、第9の
文献“個体物理 Vol.29 No.6 (1994) p.559-564”に
は、Si/Ge/Siのヘテロエピタキシャル成長にお
いて、Sbをサーファクタントとして用いることが開示
されている。
【0061】ここで、本発明者は、Si基板上にAlN
層を成長させる場合に、AlN層の構成元素である窒素
原子Nがサーファクタントして機能することを見いだ
し、サーファクタント効果に加えて、ある条件を与える
ことにより、下地の結晶層とはほぼ完全に格子非整合な
状態で結晶性化合物膜をエピタキシャル成長させうるこ
とを実証した。そして、これを利用して、後述する実施
形態に記載するように、格子整合による歪みのない誘電
体膜や半導体膜を設けうることを見いだした。
【0062】(第1の実施形態)本発明の第1の実施形
態においては、分子線エピタキシ(MBE)装置を使っ
た分子線エピタキシ法による基本的なAlN膜の製造方
法について説明する。図1(a)〜(d)は、第1の実
施形態におけるAlN膜の形成手順を示す断面図であ
る。
【0063】なお、Si基板へのAlN絶縁膜の形成
は、後述するように、MBE装置以外の装置を用いても
可能である。
【0064】まず、図1(a)に示す工程において、素
子を作製するためのSi基板1の洗浄を行なった後、S
i基板1を弗化水素(HF)や弗化アンモニウム(NH
4 F)を含む液に浸漬し、水洗,乾燥してから直ちに結
晶成長のためのMBE装置内に導入する。この時、Si
基板表面は水素(H)原子や極薄のSiO2 アモルファ
ス層で被覆されている。Si基板1の主面は(100)
面であることが望ましいが、(111)面や他の高次の
面、あるいはそれらを数度オフさせた面であってもよ
い。MBE装置内においては、100〜400℃の範囲
までSi基板1を昇温することにより、Si基板1の表
面に残る水分や吸着ガスを除去する。
【0065】その後、さらにSi基板1を昇温して80
0〜900℃の範囲の温度に保持する。この時、Si基
板1の表面を被覆していたH原子や薄いSiO2 アモル
ファス層が脱離し、図1(a)に示すごとくダングリン
グボンド2が残される。
【0066】そして、図1(d)に示す工程において、
MBE成長法により、Al原子層を形成するための原料
と、N原子層を形成するための原料とを交互に供給し
て、Al原子層とN原子層とを1原子層ずつ交互に積層
していくことにより、数10層のAlN結晶層7が形成
される。
【0067】ここで、図1(a)から図1(d)に移行
する過程において、Si基板1とAlN結晶層7とが結
合している界面領域の原子の種類によって2通りの構造
が形成される可能性がある。
【0068】上述のように、AlN結晶層7の(10
0)面および(111)面においては、いずれもAl原
子3だけで構成される面と、N原子4だけで構成される
面とが交互に現れる。したがって、図1(b)に示すよ
うに、AlN結晶層7内に、Si基板1の表面のSi原
子とAl原子3とが互いに結合している界面領域5aが
形成される場合と、図1(c)に示すように、AlN結
晶層7内に、Si基板1の表面のSi原子とN原子4と
が互いに結合している界面領域5bが形成される場合と
がある。図1(b)に示す状態と図(b)に示す状態と
のうちいずれが発生するかは、MBE成長においてAl
原子層形成用原料を先に供給するか、N原子層形成用原
料を先に供給するかによって定まる。
【0069】AlN結晶層7の特性は、AlN結晶層7
が図1(b)に示す界面領域5aを有する場合と図1
(c)に示す界面領域5bを有する場合とで全く等価で
はないが、いずれの場合であってもAlN結晶層7が結
晶性のよい構造を有している点では一致している。
【0070】ただし、Si基板1内にp型不純物として
機能するAl原子が侵入することは好ましくないので、
図1(c)に示す状態のほうが好ましい場合が多い。つ
まり、N原子層を形成するための原料ガスを先に供給す
るほうが好ましい場合が多いといえる。
【0071】(第2の実施形態)第2の実施形態におい
ては、分子線エピタキシ(MBE)装置を使った分子線
エピタキシ法による基本的なAlN膜の形成方法の別例
について説明する。図2(a)〜(g)は、本実施形態
におけるAlN膜の形成工程を示す断面図である。
【0072】まず、第1の実施形態における最初の処理
と同様に、素子を作製するためのSi基板1の洗浄を行
なった後、Si基板1を弗化水素(HF)や弗化アンモ
ニウム(NH4 F)を含む液に浸漬し、水洗,乾燥して
から直ちに結晶成長のためのMBE装置内に導入する。
この時、Si基板表面は水素(H)原子や極薄のSiO
2 アモルファス層で被覆されている。Si基板1の主面
は(100)面であることが望ましいが、(111)面
や他の高次の面、あるいはそれらを数度オフさせた面で
あってもよい。MBE装置内においては、100〜40
0℃の範囲までSi基板1を昇温することにより、Si
基板1の表面に残る水分や吸着ガスを除去する。
【0073】ここで、第1の実施形態においては、その
後、さらにSi基板1を昇温して800〜900℃の範
囲の温度に保持することにより、Si基板の上にダング
リングボンドを残してその上にAlN結晶層を形成した
が、本実施形態においては、Si基板1の表面に終端原
子を残してその上にAlN結晶層を形成する。
【0074】図2(a)に示すように、Si基板1の表
面が水素原子10によって覆われている場合には、その
後の基板温度の昇温を500℃付近までにとどめる。
【0075】そして、図2(d)に示すように、水素原
子10をそのまま残して、これをダングリングボンドの
終端原子12として保持する。
【0076】一方、Si基板1の表面がSiO2 アモル
ファス層や他の化学種や薄膜によって覆われている場合
には、Si基板1をさらに800〜900℃の範囲の温
度に保持する。この時、表面を被覆していた他の化学種
や薄いSiO2 アモルファス層がSi基板1の表面から
脱離する。すると、図2(b)に示すように、Si基板
1の表面上にダングリングボンド2が残される。そこ
で、図2(c)に示すように、終端用化学種11をSi
基板1上のダングリングボンド2に供給する。
【0077】その結果、図2(d)に示すように、この
化学種11を終端原子12として残して、ダングリング
ボンド2を終端させる。このときに用いる終端用化学種
11としては、水素(H),Mg,硫黄(S),窒素
(N),アルミニウム(Al)などのうちのいずれか1
つが選ばれる。
【0078】以上のように、いずれにしても、Si基板
1の表面上のダングリングボンドを終端原子12によっ
て終端させてから、AlNのエピタキシャル成長処理を
行なう。
【0079】そして、図2(g)に示す工程において、
AlN結晶層7が形成される。ここで、図2(d)から
図2(g)に移行する過程において、第1の実施形態に
おいて説明したように、MBE成長を行なう際に最初に
供給する原料ガスの種類のよってAlN結晶層7の界面
領域の最下端の原子がAlかNかが定まるのであるが、
Si基板1の表面上の終端原子12の種類によって、最
下端にAl原子3が付着しやすいかN原子4が付着しや
すいかが変わることがある。
【0080】そして、AlN結晶層7の(100)面お
よび(111)面においては、いずれもAl原子3だけ
で構成される面と、N原子4だけで構成される面とが交
互に現れる。したがって、図2(e)に示すように、A
lN結晶層7内に、Si基板1の表面の終端原子12と
Al原子3とが互いに結合している界面領域5aが形成
される場合と、図2(f)に示すように、AlN結晶層
7内に、Si基板1の表面の終端原子12とN原子4と
が互いに結合している界面領域5bが形成される場合と
がある。AlN結晶層7の特性は、AlN結晶層7が図
2(e)に示す界面領域5aを有する場合と図2(f)
に示す界面領域5bを有する場合とで全く等価ではない
が、いずれの場合であっても、AlN結晶層7が結晶性
のよい構造を有している。
【0081】ただし、本実施形態においても、Si基板
1内にp型不純物として機能するAl原子が侵入するこ
とは好ましくないので、図2(f)に示す状態のほうが
好ましい場合が多い。つまり、N原子層を形成するため
の原料を先に供給するほうが好ましい場合が多いといえ
る。
【0082】本実施形態の方法によると、図2(d)に
示す工程において、Si基板1の表面におけるダングリ
ングボンドを終端原子12によって終端させてから、A
lN結晶の成長処理を行なうので、第1の実施形態の方
法に比べ、形成されたAlN結晶層7内における界面準
位の密度をより確実に低減できる効果がある。
【0083】また、本実施形態においては、AlN結晶
層5とSi基板1との間に、終端原子12からなる1原
子層が介在した状態となるので、終端原子12を構成す
る化学種を適宜選択することによって、Al原子のSi
基板1への侵入をより効果的に抑制することができる利
点がある。
【0084】(第3の実施形態)第3の実施形態におい
ては、例えばMFISFETなどとして機能する3端子
もしくは4端子型電界効果型トランジスタのゲート絶縁
膜として、AlN結晶層に別の結晶層を積層したものを
用いる際の積層膜の形成方法について説明する。図3
(a)〜(c)は、第3の実施形態におけるAlN膜及
び誘電体薄膜の積層膜を形成する工程を示す断面図であ
る。
【0085】まず、図3(a),(b)に示す工程にお
いては、上述の第1又は第2の実施形態の形成工程を利
用して、Si基板1の上にAlN結晶層7を形成する。
【0086】その後、図3(c)に示す工程おいて、A
lN結晶層7の上に、結晶性を有する誘電体薄膜8を形
成する。この誘電体薄膜8を構成する誘電体材料として
は、少なくともその比誘電率(εr )が直接酸化のSi
2 膜の比誘電率3.9よりも大きな値を持つものを用
いることが望ましい。さらに、この誘電体薄膜8の上に
ゲート電極用ポリシリコン膜9を形成する。
【0087】この誘電体薄膜8を構成する材料は、高い
結晶性を持つことが望ましいがアモルファスでも良い。
高い結晶性を有する誘電体薄膜8を形成したい場合に
は、(111)Si基板上では六方晶(ウルツ鉱型構
造)の(0001)面がSi基板の(111)面と整合
するので、六方晶構造を有する誘電体材料を用いるほう
が好ましい。また、(100)Si基板上では立方晶
(閃亜鉛型構造)の(100)面がSi基板の(10
0)面と整合するので、立方晶構造を有する誘電体材料
を用いるほうが好ましい。ただし、誘電体薄膜が極めて
薄い場合には、Si基板1の結晶構造をそのままもつこ
とができるので、必ずしも以上の組み合わせに限定され
るものではない。
【0088】また、誘電体薄膜8が結晶性を有する場合
には、その格子定数がAlN結晶層7の格子定数か、あ
るいはSi基板1の格子定数に近いことが望ましい。具
体的に、誘電体薄膜8を構成する誘電体材料の例として
は、例えばSiとの格子不整合率が−0.37%である
CeO2 や、Siとの格子不整合率が−5.4%である
ZrO2 、あるいはそれらの混晶などが考えられる。
【0089】また、誘電体薄膜8を構成する誘電体材料
として、例えばAlNとの格子不整合率が−4.5%で
あるMgOなどを用いてもよい。
【0090】以上のような材料によって誘電薄膜8を構
成することにより、AlN結晶層7と誘電体薄膜8とを
併せた積層体全体の比誘電率εr をSiO2 膜の比誘電
率の2倍以上にすることができる。すなわち、AlN結
晶層7と誘電体薄膜8とを併せた積層体全体をゲート絶
縁膜として用いることにより、単位面積当たりの容量値
の高いゲート絶縁膜を実現することができる。
【0091】また、この誘電体薄膜8には、単に誘電率
が大きいだけでは無く、強誘電性を持った結晶性薄膜を
用いてもよい。その場合、強誘電体材料として、例えば
チタン酸バリウム(BaTiO3 ),PZT(PbZr
3 −PbTiO3 ),PLZT(Pb,La,Zr,
Tiを含む酸化物)などがある。この場合、結晶性の高
いAlN結晶層7の上に強誘電体材料を形成することに
よって、この強誘電性を持つ誘電体薄膜8の結晶性を、
アモルファス構造を有する薄膜上に誘電体薄膜8を形成
する場合に比べて格段に高くすることができる。その結
果、高い結晶性と強誘電性とを有する誘電体薄膜8の誘
電率を格段に高くすることができ、AlN結晶層7と誘
電体薄膜8とからなる積層体全体の比誘電率(εr )も
大幅に高くなる。
【0092】その際、高い結晶性を有するAlN結晶層
7は、誘電率がAlNよりも高い又は強誘電性を有する
誘電体薄膜8をSi基板1上に積層する際のバッファ層
として機能する。
【0093】そして、AlN結晶層7は高い結晶性を有
しており緻密なので、重金属などを含む高誘電体材料又
は強誘電体材料からなる誘電体薄膜8からの不純物の拡
散を抑制することができるとともに、AlN結晶層7自
体の誘電率が高いことからゲート電極に印加した電圧が
バッファ層であるAlN結晶層7にかかる割合をバッフ
ァ層としてSiO2 膜を用いた場合に比べて、1/2以
下に低減することができる。
【0094】また、AlN結晶層7が高い結晶性を有す
ることから、AlN結晶層7の上に形成される誘電体薄
膜8も、AlN結晶層7の結晶性を反映して高度に配向
あるいは結晶化するので、より高い誘電率を発揮し、あ
るいはより安定な残留分極保持特性を実現することがで
きる。
【0095】(第4の実施形態)第4の実施形態におい
ては、MFMISFET等として機能する3端子もしく
は4端子型電界効果型トランジスタのゲート絶縁膜とし
て、AlN結晶の上下に別の結晶層を積層したものを用
いる際の積層膜の形成方法について説明する。図4
(a)〜(e)は、第4の実施形態におけるAlN結晶
層,結晶性誘電体薄膜,導電性薄膜,強誘電体膜の積層
膜を形成する工程を示す断面図である。
【0096】まず、図4(a),(b)に示す工程にお
いては、上述の第1又は第2の実施形態の形成工程を利
用して、Si基板1の上にAlN結晶層7を形成する。
【0097】その後、図4(c)に示す工程おいて、A
lN結晶層7の上に、結晶性を有する第1の導電性薄膜
21を形成する。結晶性を有する第1の導電性薄膜21
を構成する材料としては例えばCoSi2 などが考えら
れる。
【0098】その後、図4(d)に示す工程において、
第1の導電性薄膜21の上に高誘電性もしくは強誘電性
材料からなる結晶性誘電体薄膜22を形成する。結晶性
誘電体薄膜22を構成する材料としては、例えばチタン
酸バリウム(BaTiO3 ),PZT(PbZrO3
PbTiO3 ),PLZT(Pb,La,Zr,Tiを
含む酸化物)などがある。
【0099】次に、図4(e)に示す工程において、結
晶性誘電体薄膜22の上に第2の導電性薄膜23を形成
する。結晶性を有する第2の導電性薄膜23を構成する
材料としては例えばCoSi2 などが考えられる。
【0100】ここで、第1の導電性薄膜21および第2
の導電性薄膜23は、結晶性誘電体薄膜22の上下に設
けられているが、上方又は下方のうちいずれか一方のみ
に設けてもよい。
【0101】本実施形態の積層膜をパターニングして、
ゲート構造をソース・ドレイン領域とを形成することに
より、結晶性誘電体薄膜22を不揮発性半導体記憶装置
の浮遊ゲート電極として機能させることが可能になる。
そして、結晶性誘電体薄膜22に蓄積された電荷を、第
1の導電性薄膜21あるいは第2の導電性薄膜23ある
いはその両方との間で移動させることにより、データの
消去や書き込みを行なうことができる。
【0102】(第5の実施形態)第5の実施形態におい
ては、例えばMFISFETなどとして機能する3端子
もしくは4端子型電界効果型トランジスタのゲート絶縁
膜として、AlN結晶層に別の非結晶層を積層したもの
を用いる際の積層膜の形成方法について説明する。図5
(a)〜(c)は、第5の実施形態におけるAlN膜及
び非結晶層の積層膜を形成する工程を示す断面図であ
る。
【0103】まず、図5(a)に示す工程において、素
子を作製するためのSi基板1の洗浄を行なった後、S
i基板1を弗化水素(HF)や弗化アンモニウム(NH
4 F)を含む液に浸漬し、水洗,乾燥してから直ちに窒
化と,MBE成長を行なうための装置内に導入する。こ
の時、Si基板表面は水素(H)原子や極薄のSiO 2
アモルファス層で被覆されている。Si基板1の主面は
(100)面であることが望ましいが、(111)面や
他の高次の面、あるいはそれらを数度オフさせた面であ
ってもよい。装置内においては、100〜400℃の範
囲までSi基板1を昇温することにより、Si基板1の
表面に残る水分や吸着ガスを除去する。
【0104】その後、さらにSi基板1を昇温して80
0〜900℃の範囲の温度に保持する。この時、Si基
板1の表面を被覆していたH原子や薄いSiO2 アモル
ファス層が脱離する。
【0105】そして、図5(b)に示す工程において、
乾燥させたNH3 ガスあるいはN2Oガス、あるいはラ
ジカル活性化した窒素ガスをSi基板1上に供給し、S
i基板1の表面のSiを窒化して、Si34 などの窒
化珪素化合物からなる非結晶性のシリコン窒化層25を
形成する。その場合、清浄・平滑なSi基板表面に高周
波セルやヘリコンプラズマセルによって発生された窒素
分子・原子励起種を照射するか、あるいは高い熱を与え
られて活性化したアンモニア、あるいはその派生分子・
イオンを照射することによって直接Siを窒化して得ら
れている。この層は1分子〜数分子層の極めて薄い層
で、アモルファス化せず、高い周期性を維持した層であ
ることが望ましい。
【0106】その後、図5(c)に示す工程において、
MBE成長法により、結晶性のAlN薄膜26を積層す
る。この時、AlN薄膜26の下地となるシリコン窒化
層25は非結晶性を有するが、その膜厚が非常に薄く、
かつ、新たな窒化膜をCVDなどにより堆積するのでは
なくSi基板1を窒化させて形成していることから、シ
リコン窒化層25にはSi基板1の結晶構造に関する規
則性が保持されている。そのため、シリコン窒化層25
の上に形成されるAlN薄膜26も、Si基板1内の結
晶構造に倣ってほぼエピタキシャル成長といえる状態で
形成されることになり、高い結晶性を実現することが可
能である。
【0107】そして、シリコン窒化層25が存在するこ
とにより、Si基板1の表面のダングリングボンドが窒
素によって終端されることになり、界面準位の密度が極
めて小さくなる。すなわち、AlN薄膜26とシリコン
窒化層25との積層膜を電界効果トランジスタのゲート
絶縁膜として用いることにより、高い誘電率と高い耐性
とを有するゲート絶縁膜が得られることになる。
【0108】(第6の実施形態)第6の実施形態におい
ては、AlN膜とSi基板との格子不整合に起因するA
lN膜中の歪みを緩和するための方法について説明す
る。本実施形態においては、上記第1〜第5の実施形態
における工程を応用して説明するので、工程を示す図は
省略する。
【0109】本実施形態においても、上記各実施形態に
おけると同様に、素子を作製するためのSi基板の洗浄
を行なった後、Si基板を弗化水素(HF)や弗化アン
モニウム(NH4 F)を含む液に浸漬し、水洗,乾燥し
てから直ちに結晶成長のためのMBE装置内に導入す
る。この時、Si基板表面は水素(H)原子や極薄のS
iO2 アモルファス層で被覆されている。Si基板の主
面は(100)面であることが望ましいが、(111)
面や他の高次の面、あるいはそれらを数度オフさせた面
であってもよい。MBE装置内においてSi基板を昇温
することにより、Si基板1の表面に残る水分や吸着ガ
スを除去する。その後、さらにSi基板を昇温して、S
i基板1の表面を被覆していたH原子や薄いSiO2
モルファス層を脱離させる。
【0110】その後、第1〜第5の実施形態において説
明したように、Si基板上に直接あるいは薄い窒化膜を
介してAlN膜を形成する。その際、上記第1〜第5の
実施形態において説明したMBE成長において、酸素,
水素,硫黄などを不純物としてAlN結晶層7(又はA
lN薄膜26)内に連続的に添加する。酸素あるいは水
素はMBE装置中に配設されているガスバルブ又はガス
セルから供給される。その際、それぞれの分子のまま供
給することも可能であり、高周波を印加したラジカル,
イオン又は原子の状態で活性化して供給することも可能
である。また、硫黄は一般的なK−セルを用いて供給す
ることも可能であり、バルブクラッキングセルなどを用
いてクラッキングされた状態で供給することも可能であ
る。
【0111】以上の添加元素は、単独又は2種以上が混
合されて添加される。また、これらの元素の添加量はド
ーパントレベルであって、1×1015cm-3〜1×10
20cm-3の範囲でよい。
【0112】以上の添加物を含むAlN層を、各種トラ
ンジスタのゲート絶縁膜として用いても、これらの添加
物は電気特性を悪化させる原因となる電流のリークには
寄与することがなく、ゲート絶縁膜の絶縁特性を悪化さ
せることはない。
【0113】そして、特に上述の不純物が1×1015
-3〜1×1020cm-3の範囲でAlN層に添加するこ
とにより、Si基板とは格子定数が異なるAlN層に生
じる格子不整合に起因する歪みを緩和することができ
る。その結果、AlN層における転位などの結晶欠陥の
導入が抑制され、AlN層の結晶性が向上する。このよ
うに歪みが緩和されているために、時間の経過によって
生じうる特性の劣化や、加熱過程を経ることによる劣化
の進行を抑制することができ、AlN層をゲート絶縁膜
又はゲート絶縁膜の一部として構成される半導体素子の
信頼性を向上させることができる。
【0114】また、以上のAlN層の歪みを緩和する方
法とは逆に、Si基板の主面を(100)面から傾け
て、AlN層内の歪みを増大させることにより、AlN
層の誘電率を向上させることも可能である。
【0115】(第7の実施形態)本実施形態において
は、上記第1,第2,第3,第5の実施形態に示す方法
で形成されたAlN層(AlN結晶層7又はAlN薄膜
26)(又はAlN層と他の薄膜との積層膜)からなる
ゲート絶縁膜を有する半導体素子の1つである電界効果
トランジスタの構造について説明する。図6は、第7の
実施形態における電界効果トランジスタの断面図であ
る。
【0116】同図に示すように、Si基板51の上には
素子分離用絶縁膜であるLOCOS膜52が形成されて
いる。そして、Si基板51のLOCOS膜52によっ
て囲まれる活性領域上には、AlN層のみ又はAlN層
と他の薄膜とからなるゲート絶縁膜53と、低抵抗のポ
リシリコン層54a及びシリサイド層45bからなるゲ
ート電極54と、ゲート電極54の両側面上に形成され
たシリコン酸化膜からなる絶縁体サイドウォール55と
が設けられている。また、Si基板1内において、ゲー
ト絶縁膜53の直下方に位置する領域(チャネル領域)
を挟む低濃度ソース・ドレイン領域(LDD領域)56
と、低濃度ソース・ドレイン領域56の外側に形成され
た高濃度ソース・ドレイン領域57とが設けられてい
る。この低濃度ソース・ドレイン領域56及び高濃度ソ
ース・ドレイン領域57中の不純物は、当該電界効果ト
ランジスタがpチャネル型である場合にはp型不純物
(ボロンなど)であり、当該電界効果トランジスタがn
チャネル型である場合にはn形不純物(ヒ素,リンな
ど)である。
【0117】上述のように、3端子又は4端子電界効果
トランジスタにおいて、ゲート絶縁膜を結晶性の高いA
lN層(又はAlN層と他の薄膜との積層膜)によって
構成することにより、ゲート絶縁膜の単位面積当たりの
容量値を熱酸化法によって形成されるSiO2 膜に比べ
て大幅に向上させることができる。したがって、AlN
層を有するゲート絶縁膜の場合、同じ容量値を有する場
合にはSiO2 膜よりも膜厚を大きくすることができる
ので、ゲート絶縁膜におけるキャリアの直接トンネルに
よるリークがほとんど生じない。また、AlNが大きな
バンド不連続量を持つことと、AlN層中にキャリアを
発生する不純物や欠陥が極わずかしか存在しないことか
ら高い絶縁性を保つことができる。
【0118】さらに、AlNとSiとの結晶構造の類似
性及び格子定数の近似性により、結晶性のSi基板上に
は結晶性のAlN層が結晶成長されるので、Si基板と
の界面領域におけるダングリングボンドの発生を抑制す
ることができ、界面準位の密度も直接酸化により形成さ
れたSiO2 膜と同等あるいはそれ以下に抑制すること
ができる。
【0119】(第1〜第7の実施形態の変形例)上記各
実施形態においては、AlN層(AlN結晶層7又はA
lN薄膜26)をMBE法により形成したが、化学気化
堆積(Chemical Vaporization Deposition:CVD)
法、有機金属気相成長(Metal Organic Vapor Phase Ep
itaxy:MOVPE)法、ハイドライド気相成長(Hydri
de Vapor Phase Epitaxy:HVPE)法、スパッタ法な
どによっても、結晶性を有するAlN層を形成すること
が可能である。
【0120】また、上記各実施形態においては、AlN
層をMOSトランジスタのゲート絶縁膜として用いた
が、AlN層をMISキャパシタ又はMIMキャパシタ
の容量絶縁膜として用いることも可能である。
【0121】さらに、Si基板だけでなくGaAs基板
上に高い結晶性を有するAlN層を成長させることが可
能である。
【0122】(第8の実施形態)本実施形態において
は、Si基板の上に、窒素原子Nをサーファクタントと
して用いることにより、格子非整合な状態でAlN結晶
層をエピタキシャル成長させた例について説明する。
【0123】図8は、本実施形態において用いたMBE
装置60の構成を概略的に示す断面図である。同図に示
すように、MBE装置60は、真空容器61と、真空容
器61内を真空状態に維持するための真空ポンプ62
と、真空容器61の一部に取り付けられたプラズマ化セ
ル64及びK−セル65と、それぞれプラズマ化セル6
4,K−セル65からのエピタキシャル物質の放出を制
御するためのシャッター66,67とを備えている。上
記プラズマ化セル65は、窒素をプラズマ化してなるラ
ジカル窒素を真空容器61内に放出するように構成され
ており、上記K−セル65は、Al原子を真空容器61
内に放出するように構成されている。そして、このMB
E装置60は、真空容器63内に配置された被加工物で
ある基板63の上に、プラズマ化セル64,K−セル6
5(クヌードセンセル)から放出されたラジカル窒素と
Al原子とを1層ずつ交互に成長させることにより、A
lN結晶層をエピタキシャル成長させるように構成され
ている。
【0124】図9は、上記プラズマ化セル64の構成を
示す断面図である。同図に示すように、プラズマ化セル
64は、機械的にセルを保持するためのケース70と、
ケース70内に配置されたPBN(Pyrolytic Boron Nit
ride)ルツボ71と、PBNルツボ71の周囲に巻き付
けられたコイル72とを備えている。そして、PBNル
ツボ71の先端にはラジカル化した窒素の供給のための
開口が設けられ、PBNルツボ71の底部にはN2 ガス
を供給するためのガス導入管73が開口している。ガス
導入管73は、バルブ74を介してN2 ガス供給装置
(ボンベなど)に接続されている。なお、ガス導入管7
3には、N2 ガスの流量制御のためのマスフローメータ
75が取り付けられていることが多い。
【0125】このMBE装置60は、PBNルツボ71
の周囲に巻き付けられたコイル72に高周波電力を印加
することにより、PBNルツボ71内に導入されたN2
ガスをプラズマ化して、ラジカル窒素を基板63上に供
給するように構成されている。なお、K−セル65にお
いては、Al材料が加熱されることにより、気化したA
l原子が放出される。
【0126】図10は、AlN結晶層をエピタキシャル
成長させる際の,プラズマ化セル64のシャッター66
及びK−セル65のシャッター67の開閉のタイミング
を示す図である。まず、あるタイミングt1でプラズマ
化セル64のシャッター66を開いてラジカル窒素を放
出し、その後、タイミングt2でK−セル65のシャッ
ター67を開いてAl原子を放出する。ここで、タイミ
ングt1とタイミングt2との時間差Δtは約3min
であり、この時間Δtの間に、ラジカル窒素がSi基板
面を覆って、その後の格子非整合な状態でのエピタキシ
ャル成長に対するサーファクタントとして機能すること
になる。そして、その後は、いずれのシャッター66,
67を開いて、ラジカル窒素とAl原子とを連続的に放
出するが、基板上にはN層とAl層とが1モノレイヤー
ずつ交互に形成され、AlN結晶層がエピタキシャル成
長することになる。なお、シャッター66,67の開閉
を、それぞれN層,Al層が1モノレイヤーずつ形成さ
れる時間間隔で、交互にオンオフさせることにより、さ
らに正確にN層とAl層とを交互に1層ずつ形成するこ
とができる。
【0127】図11(a)〜(c)は、本実施形態にお
けるAlN結晶層のエピタキシャル成長過程示す図であ
る。まず、図11(a)に示すように、Si基板1を超
高真空雰囲気中で加熱して、Si基板1の主面を清浄化
すると、その表面にはダングリングボンド2が形成され
る。このとき、Si基板1の主面は、Siのダイヤモン
ド構造の(111)面の単位胞の周期を単位「1」とす
ると、7×7の大きさの周期構造(7×7再構成構造)
を有している。
【0128】次に、図11(b)に示すように、まず、
プラズマ化セル64のシャッター66を開くことによ
り、Si基板1の主面上にラジカル窒素(N)が供給さ
れ、Si基板1の主面上にN層が形成される。その後、
K−セル64のシャッター67を開くことにより、N層
の上にl層が形成される。このとき、本実施形態におけ
るAlN結晶層のエピタキシャル成長の機構を第1の実
施形態に対応させてみると、実施形態1のごとく、Si
基板1のSi単結晶面の最上部に形成されるダングリン
グボンドに1:1に対応してN原子4が付着するのでは
なく、ダングリングボンに加えてそれ以外のSi結晶格
子内にもN原子4が入り込むものと考えられる。そし
て、最初のN層のN原子4に次層のAl原子が結合して
1モノレイヤーのAl層が形成される。
【0129】その後、図11(c)に示すように、交互
にN層とAl層とが1モノレイヤーずつ形成されてAl
N結晶層80が形成されるが、このAlN結晶層80の
格子間距離は下地のSi基板1の格子間距離とはエピタ
キシャル成長の開始当初から整合してない。つまり、A
lN結晶本来の格子定数にほぼ一致した格子間距離を維
持しつつ、エピタキシャル成長が続けられることにな
る。
【0130】図12は、本実施形態におけるSi基板と
AlN結晶層との積層体の縦断面におけるTEM像を示
す図である。同図に示すように、Si基板とAlN結晶
層との境界部において、Si基板の4格子に対してAl
N結晶層の5格子が接しており、下地のSi基板の結晶
格子とは非整合な結晶格子を有するAlN結晶層がエピ
タキシャル成長していることがわかる。
【0131】図13は、本実施形態においてエピタキシ
ャル成長されたAlN結晶層の電子線回折像を示す図で
ある。同図に示すように、AlN結晶層の(0001)
面パターンが得られている。すなわち、(111)面を
主面とするSi基板の上に、(0001)面を主面とす
る良好な結晶性を有するAlN結晶層が得られているこ
とがわかる。しかも、下地のSi基板の(111)面と
AlN結晶層の(0001)面とは、共に稠密面であ
り、結晶学上両者は実質的に同一の面である。このこと
から、AlN結晶層は下地のSi基板の結晶方位に関す
る情報を受け継いで成長しながら、下地のSi基板との
界面においてSiの結晶格子とは非整合につまり自己の
本来の結晶構造にほぼ一致させた結晶格子位置にエピタ
キシャル成長したものといえる。
【0132】一方、上記第8,第9の文献に記載されて
いる技術では、理論的には、サーファクタント効果を利
用することにより格子非整合の状態でエピタキシャル成
長させうる可能性は暗示されているものの、現実に得ら
れているサーファクタント効果を利用したエピタキシャ
ル成長においては、格子整合している領域が存在してい
て、歪みが緩和される臨界膜厚が存在していることが記
載されている。つまり、単に、サーファクタント効果を
利用しただけでは、必ずしも本実施形態のようなほぼ完
全な格子非整合状態でのエピタキシャル成長が実現しな
いものと考えられる。以下、本実施形態のエピタキシャ
ル成長が実現したことの合理的な理由について論ずる。
【0133】このようなほぼ完全な格子非整合状態でエ
ピタキシャル成長する単結晶層が得られる理由は、上述
のようにサーファクタント効果によるものと推定される
が、その場合、さらには、Al原子とN原子との結合力
がSi原子同士の結合力に比べて強いことが格子非整合
のエピタキシャル成長を可能ならしめているものと推定
される。つまり、サーファクタント効果に加えて、エピ
タキシャル成長される原子同士の結合力が下地結晶層に
おける原子同士の結合力よりも強いことにより、下地の
結晶格子の影響を排してその結晶本来の格子定数を維持
しつつエピタキシャル成長しうるものと考えるのが合理
的である。本実施形態の場合、AlN結晶体の弾性定数
が、C11=345,C12=125,C13=120,C3
3=394,C44=118であり、Si結晶体の弾性定
数が、C11=165.7,C12=50.6,C44=7
9.4である。したがって、AlN結晶層の原子同士の
結合力がSi基板の原子同士の結合力よりもかなり大き
く、このような原子同士の結合力の相違も関与して、本
実施形態の格子非整合によるエピタキシャル成長技術が
実現したものと考えられる。
【0134】このように、下地の結晶層よりも原子同士
の結合力が大きい成長層であることが格子非整合のエピ
タキシャル成長を可能ならしめていることを考慮する
と、本発明の格子非整合によってエピタキシャル成長が
可能な結晶膜は、本実施形態のようなAlN結晶層のみ
に限定されるものではないことがわかる。本実施形態に
おいては、下地の結晶層の上にエピタキシャル成長させ
る窒化物膜としてAlN結晶層を用いたが、例えば、G
aN結晶体の弾性定数は、C11=296,C12=13
0,C13=158,C33=267,C44=24.1であ
り、Si結晶体の弾性定数に比べるとかなり大きいこと
がわかる。一般に、窒化物は原子同士の結合力が大きい
ことが知られており、その中でもIII 属元素の窒化物
(AlN,GaN,AlGaN,BN,InNなど)は
良好な結晶体を形成することが知られている。したがっ
て、N原子のサーファクタント効果を利用しつつ、各種
窒化物膜を当該窒化物膜よりも原子同士の結合力の小さ
い結晶層の上に形成することにより、格子非整合な状態
でのエピタキシャル成長を行なわせることができる。
【0135】また、窒素以外のサーファクタント効果を
有する元素を構成要素とする化合物結晶層であっても、
当該化合物結晶層よりも原子同士の結合力の小さい下地
結晶層の上に、本実施形態と同様の方法でエピタキシャ
ル成長させることにより、下地結晶層は格子非整合な状
態でありながら下地結晶層の結晶方位に関する情報を受
け継いだエピタキシャル成長層を得ることができる。
【0136】
【発明の効果】本発明の積層体又はその製造方法によれ
ば、結晶層の主面の上に、結晶層の方位に倣った方位で
結晶層とは格子非整合な結晶格子を有し、結晶層よりも
原子同士の結合力が大きい結晶性化合物膜を設けたの
で、歪みに起因する界面準位などの少ない窒化物膜など
の結晶性化合物膜が得られ、この化合物膜を利用して、
特性の優れたMIS型トランジスタ、MFIS型トラン
ジスタ、キャパシタなどのデバイスを提供することがで
きる。
【0137】本発明の半導体素子によれば、半導体基板
上に絶縁膜と導体電極とを設け、絶縁膜の少なくとも一
部をAlN結晶層により形成することにより、欠陥や界
面準位がほとんどなくシリコン酸化膜と同等の良好な信
頼性を有し誘電率の高い結晶性のAlN結晶層を利用し
て、絶縁膜全体の単位面積当たりの容量値の向上を図る
ことができ、よって、微細化,高集積化の進展に対応し
うる半導体素子の提供を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、第1の実施形態に係るAl
N結晶層の形成工程を示す断面図である。
【図2】(a)〜(g)は、第2の実施形態に係るAl
N結晶層の形成工程を示す断面図である。
【図3】(a)〜(c)は、第3の実施形態に係るMF
ISFETなどに使用されるAlN結晶層,誘電体薄膜
及びゲート用ポリシリコン膜の形成工程を示す断面図で
ある。
【図4】(a)〜(e)は、第4の実施形態に係るMF
MISFETなどに使用されるAlN結晶層,結晶性誘
電体薄膜及び第1,第2の導電性薄膜の形成工程を示す
断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、第5の実施形態に係るMI
SFETなどに使用されるシリコン窒化層,AlN薄膜
及びポリシリコン膜の形成工程を示す断面図である。
【図6】第7の実施形態に係るMISFETの構造を示
す断面図である。
【図7】Si結晶,SiO2 誘電体及びAlN結晶のエ
ネルギーバンドを示すバンド図である。
【図8】第8の実施形態において用いたMBE装置の構
成を概略的に示す断面図である。
【図9】プラズマ化セルの構成を示す断面図である。
【図10】第8の実施形態におけるAlN結晶層をエピ
タキシャル成長させる際のプラズマ化セル,K−セルの
シャッターの開閉のタイミングを示す図である。
【図11】(a)〜(c)は、第8の実施形態における
AlN結晶層のエピタキシャル成長過程を示す図であ
る。
【図12】第8の実施形態におけるSi基板とAlN結
晶層との積層体の縦断面におけるTEM像を示す図であ
る。
【図13】第8の実施形態においてエピタキシャル成長
されたAlN結晶層の電子線回折像を示す図である。
【符号の説明】
1 Si基板 2 ダングリングボンド 3 Al原子 4 N原子 5 界面領域 7 AlN結晶層 8 誘電体薄膜 9 ポリシリコン膜 10 水素原子 11 終端用化学種 12 終端原子 21 第1の導電性薄膜 22 結晶性誘電体薄膜 23 第2の導電性薄膜 25 シリコン窒化層 26 AlN薄膜 51 Si基板 52 LOCOS膜 53 ゲート絶縁膜 54 ゲート電極 54a 低抵抗ポリシリコン層 54b シリサイド層 55 絶縁体サイドウォール 56 低濃度ソース・ドレイン領域 57 高濃度ソース・ドレイン領域 60 MBE装置 61 真空容器 62 真空ポンプ 63 基板 64 プラズマ化セル 65 K−セル 66,67 シャッター 70 ケース 71 PBNルツボ 72 コイル 73 ガス導入管 74 バルブ 75 マスフローメータ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/822 H01L 27/10 444A 27/105 29/78 301G 29/78 371 21/8247 29/788 29/792

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶層を有する基板と、 上記結晶層の主面の上にエピタキシャル成長され、上記
    結晶層の方位に倣った方位で上記結晶層とは格子非整合
    な結晶格子を有し上記結晶層よりも原子同士の結合力が
    大きい結晶性化合物膜とを備えている積層体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の積層体において、 上記結晶性化合物膜は、III 族元素の窒化物膜であるこ
    とを特徴とする積層体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の積層体において、 上記結晶層はSi結晶層であり、上記Si結晶層の主面
    は(111)面であることを特徴とする積層体。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の積層体において、 上記結晶性化合物膜は、AlN膜であることを特徴とす
    る積層体。
  5. 【請求項5】 基板の結晶層の主面の上に、III 族元素
    の原子層及びN原子層のうちいずれか一方の原子層を形
    成する工程(a)と、 上記一方の原子層の上に、III 族元素の原子層及びN原
    子層のうちの他方の原子層を形成する工程(b)とを交
    互に繰り返すことにより、結晶性のIII 族元素の窒化物
    膜を上記結晶層の上にエピタキシャル成長させることを
    特徴とする積層体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の積層体の製造方法におい
    て、 上記工程(a)では、N原子層を形成し、 上記工程(b)では、III 族元素の原子層を形成するこ
    とにより、上記基板の主面の結晶格子とは非整合な結晶
    格子を有する結晶性のIII 族元素の窒化物膜を上記結晶
    層の上にエピタキシャル成長させることを特徴とする積
    層体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の積層体の製造方法におい
    て、 上記結晶層は,Si結晶層であり、 上記Si結晶層の主面は(111)面であることを特徴
    とする積層体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の積層体の製造方法におい
    て、 上記工程(b)では、Al原子層を形成することによ
    り、上記窒化物膜としてAlN膜を形成することを特徴
    とする積層体の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8のうちいずれか1つに記載
    の積層体の製造方法において、 上記N原子層の堆積は、窒素ガスをプラズマ化してなる
    ラジカル窒素を上記結晶層の主面上に供給する分子線エ
    ピタキシ法(MBE法)により行なわれることを特徴と
    する積層体の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項11記載の積層体の製造方法に
    おいて、 上記窒素ガスのプラズマ化は、プラズマセルを用いて行
    なわれることを特徴とする積層体の製造方法。
  11. 【請求項11】 基板のSi結晶層の主面を窒素,水
    素,硫黄及びマグネシウムのうちいずれか1つを含む雰
    囲気中に曝し、半導体基板の主面上のダングリングボン
    ドを終端させる工程(a)と、 上記Si結晶層の上に、結晶性のAlN層を形成する工
    程(b)とを備えている積層体の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の積層体の製造方法に
    おいて、 上記工程(b)の前に、上記Si結晶層の主面部を窒化
    して窒化珪素層を形成する工程をさらに備え、 上記工程(b)では、上記窒化珪素層の上に結晶性のA
    lN層を形成することを特徴とする積層体の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項12又は13記載の積層体の製
    造方法において、 上記工程(b)では、上記AlN膜に酸素,水素及び硫
    黄のうち少なくともいずれか1つを添加することによ
    り、上記AlN層内における上記Si結晶層との格子不
    整合に起因する歪みを緩和することを特徴とする積層体
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 半導体層を有する基板と、 上記半導体層の上に設けられ、AlN層を有する絶縁膜
    と、 上記ゲート絶縁膜の上に設けられた導体からなる電極と
    を備えている半導体素子。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の半導体素子におい
    て、 上記AlN層は、上記半導体層の上にエピタキシャルに
    成長された単結晶層であることを特徴とする半導体素
    子。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の半導体素子におい
    て、 上記半導体層はSi結晶層であり、 上記半導体層の主面は(111)面であり、 上記AlN層は稠密六方晶で、その主面は(0001)
    面であることを特徴とする半導体素子。
  17. 【請求項17】 請求項15記載の半導体素子におい
    て、 上記半導体層はSi結晶層であり、 上記半導体層の主面は(100)面であり、 上記AlN層は立方晶で、その主面は(100)面であ
    ることを特徴とする半導体素子。
  18. 【請求項18】 請求項14記載の半導体素子におい
    て、 上記半導体層の表面におけるダングリングボンドがアル
    ミニウム,窒素,水素,硫黄及びマグネシウムのうちい
    ずれか1つによって終端されていることを特徴とする半
    導体素子。
  19. 【請求項19】 請求項14〜18のうちいずれか1つ
    に記載の半導体素子において、 上記絶縁膜はゲート絶縁膜であり、かつ、上記AlN層
    と上記半導体層との間に介在する窒化珪素層をさらに備
    えていることを特徴とする半導体素子。
  20. 【請求項20】 請求項14〜18のうちいずれか1つ
    に記載の半導体素子において、 上記絶縁膜はゲート絶縁膜であり、かつ、上記AlN層
    の上に形成されたAlNよりも高い誘電率を有する誘電
    体材料及び強誘電性を有する材料のうち少なくともいず
    れか1つにより構成される誘電体層をさらに有すること
    を特徴とする半導体素子。
  21. 【請求項21】 請求項14〜18のうちいずれか1つ
    に記載の半導体素子において、 上記絶縁膜はゲート絶縁膜であり、かつ、上記AlN膜
    の上に形成されたAlNよりも高い誘電率を有する誘電
    体材料及び強誘電性を有する材料のうち少なくともいず
    れか1つにより構成される誘電体層をさらに有し、 上記誘電体層の上側及び下側のうち少なくともいずれか
    一方には、結晶性を有する導電性膜が設けられているこ
    とを特徴とする半導体素子。
  22. 【請求項22】 請求項14記載の半導体素子におい
    て、 上記AlN層には、酸素,水素,硫黄のうち少なくとも
    いずれか1つが含まれており、上記AlN層内における
    上記半導体層との格子不整合に起因する歪みが緩和され
    ていることを特徴とする半導体素子。
  23. 【請求項23】 請求項14記載の半導体素子におい
    て、 上記AlN層における上記半導体層との格子不整合が拡
    大されて、上記AlN層の誘電率が高められていること
    を特徴とする半導体素子。
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