JP2001076882A - 有機el素子およびその製法ならびに表示装置 - Google Patents
有機el素子およびその製法ならびに表示装置Info
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Abstract
層に温度によるダメージを与えないように、かつ、電極
と有機層などとの間の電荷注入のバリアが大きくなりす
ぎないで、電流効率を向上させることができる構造の有
機EL素子を提供する。さらに、この両面が透明な有機
EL素子を用いて、一方側でその光をモニターしてフィ
ードバックし、優れた表示特性の表示装置を提供する。 【解決手段】 本発明の有機EL素子は、基板1上に光
透過性の第1の電極2が設けられ、その第1の電極2の
上に少なくとも発光層4を有する有機層7が設けられて
いる。そして、その有機層7の上に光透過性の第2の電
極9が設けられ、少なくとも第2の電極9は酸化インジ
ウムからなっている。また、本発明の表示装置は、有機
EL素子10からの光により有機EL素子10を駆動す
る光フィードバック回路が、基板1側に設けられてい
る。
Description
ロルミネッセント(EL)を利用した有機EL素子およ
びその製法ならびにそれを用いた表示装置に関する。さ
らに詳しくは、電極形成の際に有機層にダメージを与え
ることなく、両面に透明電極を用い、両面から光を取り
出すことができるようにし、光フィードバック回路を形
成することができる有機EL素子およびその製法ならび
にそれを用いた表示装置に関する。
示されるような構造になっている。すなわち、図4にお
いて、ガラスなどの透明基板31上に、ITOなどから
なる陽極電極32が設けられ、その上に正孔輸送層3
3、EL発光層34、電子輸送層35などからなる有機
層37、およびMg、Li、Caなどの仕事関数の小さ
い金属からなる陰極電極39が設けられることにより形
成されている。ITO膜は、一般に抵抗の小さい膜とし
て成膜するには、300℃程度の高温で成膜することが
望ましい。しかし、正孔輸送層33、EL発光層34、
電子輸送層35などの有機層材料を成膜した後は、有機
層材料が劣化するため、100℃程度以上に上昇するこ
とができない。さらに、陽極電極32の仕事関数と有機
層材料の価電子レベルとの間、および陰極電極39と有
機層材料の伝導レベルとの間でギャップが大きすぎる
と、電荷の注入性が低下し、何でもよいというわけには
いかない。
示されるように、陽極電極32を基板31側に設け、基
板31としてガラスなどの透明な基板を用い、有機層3
7の上に設けられる電極39を陰極として、前述のよう
に、仕事関数の小さい金属電極が用いられ、ガラス基板
31の裏面側に光を取り出す構造に形成されている。
ーフェース エンジニアリング イン プリパレーショ
ン オブ オーガニック サーフェスエミッティング
ダイオード(Interface engineering in preparation o
f organic surface-emittingdiodes)」(アプライドフ
ィジックスレター(Applied Physics Letters)第74巻
第21号、1999年5月24日、3209〜3211
頁)にも記載されているように、高解像度の表示装置に
用いるためには、陰極電極を透明にして表面発光型にす
ることが要求され、種々の研究がなされている。そし
て、同文献においては、有機層の上にCuPcを介して
ITO膜を設けたり、電子輸送層であるAlqとCuP
cとの間、またはCuPcとITOとの間にLi膜を設
ける構造が開示されている。CuPcは、ITOを成膜
する際に有機層へのスパッタダメージを防止するため
に、LiはAlqとCuPcとの間の電子注入バリアを
減ずるために設けられている。
有機EL素子は、基板上に陽極電極を形成し、その上に
有機層が設けられ、最表面の陰極電極は、MgAgなど
の光を通さない金属電極か、Li、CuPcなどを介し
て、ITO膜により形成する構造になっている。しか
し、表面側の電極にITO膜を用いると、ITOは30
0℃程度の高温で成膜しないと充分に抵抗値の低い膜を
得にくく、そのような高温で成膜すると、その下に積層
される有機層が、前述のスパッタダメージとは別に、温
度によるダメージを受け、膜質が低下して電気的特性が
劣化するという問題がある。
TOを積層しようとすると、全く異なる蒸発源による成
膜を繰り返さなければならず、非常に工数増となり、コ
ストアップの原因になるという問題がある。
らず、両面が透明電極により形成されることにより、シ
ースルーの表示装置を形成したりすることができるた
め、その応用用途が広がる。そのため、製造上の問題が
なく、しかも電極の仕事関数と有機層のバンドレベルと
の間で整合がとれるような状態で、両電極が透明電極の
有機EL素子が期待されている。
になされたもので、両電極を透明電極により形成しなが
ら、有機層に温度によるダメージを与えないように、か
つ、電極と有機層などとの間の電荷注入のバリアが大き
くなりすぎないで、電流効率を向上させることができる
構造の有機EL素子を提供することを目的とする。
電極としながら、その製造工程が簡単で、安価に製造す
ることができる有機EL素子の製法を提供することにあ
る。
の光をモニターし、その光により発光しつづける自己保
持回路を形成したり、有機EL素子の輝度を所望の輝度
にすることができる光フィードバック回路を、簡単な構
成で外部からの光や隣接する画素からの光による影響を
受けないで構成することができる構造の表示装置を提供
することにある。
は、基板と、該基板上に設けられる光透過性の第1の電
極と、該第1の電極の上に設けられる少なくともEL発
光層を有する有機層と、該有機層の上に設けられる光透
過性の第2の電極とからなり、少なくとも前記第2の電
極が酸化インジウムからなっている。
ムは100℃以下の低温で低抵抗な導電膜を成膜するこ
とができるため、有機層にダメージを与えることなく成
膜することができ、高特性の有機EL素子を得ることが
できる。さらに両電極が光透過性の材料からなっている
ため、両面から光を取り出すことができ、一方の側の光
をモニター用専用としてEL素子にフィードバックする
ことができ、各素子の輝度を一定にしたり、自己保持回
路を容易に形成することができる。
電極材料の仕事関数と前記有機層の価電子レベルまたは
伝導レベルとの間のギャップを調整する光透過性金属層
が設けられることにより、有機層の価電子レベルまたは
伝導レベルと酸化インジウムの仕事関数とのギャップを
小さくすることができ、動作電圧を下げることができる
ため好ましい。
陽極電極として前記基板上にITO膜により形成され、
該陽極電極上に前記有機層が設けられ、該有機層上にイ
ンジウム薄膜層を介して酸化インジウム膜からなる第2
の電極が陰極電極として形成されたり、前記第1の電極
が陰極電極として前記基板上に酸化インジウム膜により
形成され、該陰極電極上にインジウム薄膜を介して前記
有機層が設けられ、該有機層上に仕事関数が5eV以上
の金属薄膜層を介して酸化インジウム膜からなる第2の
電極が陽極電極として形成される。
該基板上に設けられ、光透過性導電膜からなる第1の電
極、少なくともEL発光層を有する有機層、および光透
過性導電膜からなる第2の電極を有する有機EL素子
と、前記基板に設けられ、前記有機EL素子からの光を
受光する受光素子を有し、該受光素子の出力により前記
有機EL素子を駆動する光フィードバック回路とからな
っている。
をマトリクス状に配列して表示装置を構成する場合で
も、各画素ごとに自己保持回路や輝度調整回路を構成し
ながら、基板が非透光性であるため、特別な遮光壁など
を設けることなく、外部からの光や隣接する画素からの
光の影響を受けにくくすることができる。その結果、高
密度な画素で、階調表示なども簡単に行うことができ、
表示特性の優れた繊細な表示画面を形成することができ
る。
基板上に前記有機EL素子がマトリクス状に形成され、
かつ、前記光フィードバック回路が前記有機EL素子ご
とに前記半導体基板に設けられることにより、各画素ご
との光フィードバック回路を非透光性の基板内に容易に
形成することができる。
前記有機EL素子と直列に接続される駆動用トランジス
タを前記受光素子と兼用して自己保持回路を構成するこ
とができる。
第1の電極を形成し、該第1の電極上に少なくともEL
発光層を有する有機層を積層し、該有機層上に光透過性
の金属層を介して光透過性の第2の電極を形成する場合
に、前記有機層を積層した後、インジウムメタルを蒸発
させてインジウム層を光が透過するように成膜し、つい
でインジウムメタルを蒸発させながら酸素を導入して酸
化インジウム膜を成膜することにより前記第2の電極を
形成することが、同じ材料源を用いながら、有機層をま
ずインジウムメタルにより保護すると共に、引き続き酸
素を導入するだけで、酸化インジウムを形成することが
できるため、とくに好ましい。しかも、インジウムメタ
ルにより有機層が保護されるため、酸素を導入しても、
有機層がダメージを受けることがない。
よびその製法、ならびにそれを用いた表示装置につい
て、図面を参照しながら説明をする。
の断面説明図が図1に示されるように、基板1上に光透
過性の第1の電極2が設けられ、その第1の電極2の上
に少なくともEL発光層4を有する有機層7が設けられ
ている。そして、その有機層7の上に光透過性の第2の
電極9が設けられ、少なくとも第2の電極9は酸化イン
ジウムからなっている。
透過性の基板を用いることもできるし、シリコン基板な
どの半導体基板を用いることにより、後述するような発
光量をモニターする受光素子を設けたり、EL素子を駆
動する駆動回路を容易に形成することができ、マトリク
ス状にEL素子を並べて表示装置を構成する場合にとく
に便利である。
陽極電極を構成しており、基板1上に蒸着などにより設
けられるITO(Indium Tin Oxide)からなっている。
ITOの仕事関数は、4.6eVであり、有機層7の正
孔輸送層3の価電子レベルとの整合がとれており好まし
い。しかも、有機層を積層する前の基板上に設けること
ができるため、高い温度で成膜することができ、抵抗値
の小さい透明電極を形成することができる。しかし、陰
極電極を基板側に形成する場合には、ITOは電子輸送
層の伝導レベルとの整合がとれないため好ましくない。
この場合、後述する第2の電極9のように、酸化インジ
ウム(In2O3)を陰極電極として用い、電子注入層ま
たは電子輸送層との間にインジウムメタル層を挿入する
ことが好ましい。
陰極電極を構成しており、有機層7が形成された後に設
けられるため、100℃以上の温度で成膜することがで
きず、1500Å程度の厚さの酸化インジウム(たとえ
ばIn2O3)からなっている。酸化インジウムは、室温
から高々100℃までの温度でInの蒸発およびプラズ
マ酸素などの酸素の供給により成膜することができる。
そのため、有機層7を成膜した後の第2の電極9として
は、酸化インジウムを使用することにより、有機層7の
温度によるダメージを防止することができる。しかし、
In2O3の仕事関数は、4.38eVで、後述する電子
注入層または電子輸送層の伝導レベルとの整合が充分で
はないため、In(仕事関数:4.09eV)メタル層
8を介することが好ましい。このInメタル層8は、あ
まり厚くすると光を透過しなくなり、逆にInメタル層
8は、仕事関数を下げて電子の注入をしやすくすればよ
く、数Åから100Å程度の厚さ設けられればよい。
関数としてはITOが好ましいが、すでに有機層7が積
層されているため、前述のように300℃程度にしてI
TO膜を形成することができず、同様に酸化インジウム
を用いる必要がある。この場合、正孔輸送層の価電子レ
ベルとの整合をとるため、Au(仕事関数:5.1e
V)、Ni(仕事関数:5.15eV)、Pt(仕事関
数:5.64eV)などの仕事関数が5eV以上と大き
いメタル層を介して設けることが動作電圧を下げるため
に好ましい。この金属メタル層の厚さも、前述と同様に
数Åから100Å程度設ければ、光を透過すると共に、
仕事関数の調整をすることができる。
えばNPDからなる正孔輸送層3が600Å程度、キナ
クリドンまたはクマリンを1重量%程度ドープしたAl
qからなるEL発光層4を300Å程度、Alqからな
る電子輸送層5を300Å程度、LiFからなる電子注
入層6を5Å程度積層することにより形成されている。
有機層7は、この例に限らず、最低限EL発光層4を有
しておればよい。しかし、前述のように多層構造にする
ことにより、電荷(キャリア)の注入性などを向上させ
ることができるため、好ましい。たとえば正孔輸送層3
が用いられることにより、直接陽極電極からEL発光層
4へ注入されるよりも、注入性が向上する。また、EL
発光層4と正孔輸送層との伝導レベルの差より、電子は
EL発光層にたまりやすい状態になっている。通常、有
機EL素子では、電子が少数キャリアになっているた
め、この電子の障壁は発光効率の向上に効果的である。
本明細書では、有機層7は電荷(電子または正孔)輸送
層や電荷注入層などを含む層を意味し、これらのいずれ
かに無機物が含まれる場合もある。
への正孔注入性の向上のため、イオン化エネルギーがあ
る程度小さく、EL発光層4への電子の閉じ込め(エネ
ルギー障壁)が可能であることが求められており、アミ
ン系の材料が用いられる。また、図には示されていない
が、正孔輸送層3と陽極電極2との間に正孔注入層を設
け、正孔輸送層3へのキャリアの注入性をさらに向上さ
せることも行われる。この場合も、陽極電極2からの正
孔の注入性を向上させるため、イオン化エネルギーの小
さい材料が用いられ、代表例として、アミン系やフタロ
シアニン系が用いられる。
選択されるが、たとえば青色系の材料として、DSA系
などの材料が用いられ、緑色の発光材料として、Alq
などが用いられる。このEL発光層4は、有機物蛍光材
料をドーピングすることにより、ドーピング材料固有の
発光色を得ることができ、また発光効率や安定性を向上
させることができる。このドーピングは、発光材料に対
して数重量(wt)%程度で行われる。
注入性を向上させるためのもので、代表例としてAlq
が用いられる。この層があまり厚くなると、発光層では
なくこの層で発光するため、あまり厚くはしない。図1
に示される例では、この電子輸送層5と陰極電極9との
間に電子注入層6が設けられている。
2μm程度の厚さにITO膜が設けられたITO付きガ
ラス板1を酸素プラズマ処理して、表面を活性化させ
る。そして、真空蒸着法により、NPDからなる正孔輸
送層3を600Å程度、キナクリドンを1wt%程度ド
ーピングしたAlqからなる発光層4を300Å程度、
Alqからなる電子輸送層5を300Å程度、LiFか
らなる電子注入層6を5Å程度、それぞれ順次積層す
る。その後、真空蒸着装置で、Inメタルを蒸発させて
In層7を成膜し、10Å程度の厚さ成膜した状態で、
Inの蒸発を続けながら酸素とRFパワーを導入し、プ
ラズマ化した酸素を供給する。その結果、In層7上に
Inが酸化した酸化インジウムIn2O3が成膜される。
この酸化インジウムからなる陰極電極9を1500Å程
度成膜することにより、図1に示される構造の有機EL
素子が得られる。
陽極電極はITOにより、また表面側の陰極電極は酸化
インジウムからなっているため、両面が透明電極からな
り、どちらの面側にも光を取り出すことができる。しか
も有機層を形成した後の第2の電極が、酸化インジウム
により形成されているため、100℃以下の低温で成膜
することができ、有機層へのダメージを与えることがな
い。その結果、発光効率が高く両面に光を出すことがで
きる有機EL素子が得られる。
成膜は、従来と同様に蒸着法により行われるが、陰極電
極9の形成を、Inメタルを蒸発させながら酸素を供給
することにより行っているため、電子注入層または電子
輸送層6との仕事関数を調整する透明金属層7であるI
nメタル層の成膜と連続して酸素の供給を追加するだけ
で連続して形成することができる。このInメタル層
は、仕事関数の点から好ましいが、酸化インジウムを成
膜する際の酸素から有機層7を保護する役割も果たし、
同じ材料系で陰極電極9を形成することができるため、
非常に製造工程が簡単になる。
両面が透明電極により形成されているため、有機EL素
子の光によるフィードバック回路を設けて、一方からの
光をモニター用として有機EL素子の発光量が一定にな
るような駆動回路を設けることもできるし、その光によ
り有機EL素子を駆動する自己保持回路などを形成した
表示装置を構成することもできる。この場合、支持基板
に光を透過しない非透光性基板を用いることにより、外
部からの光を遮断したり、隣接する画素からの光を遮断
する遮光膜などを設けることなく、密集する画素を有す
る表示装置においても、各画素のみでの光フィードバッ
ク回路を構成することができる。とくにシリコン基板な
どの半導体基板を用いることにより、その基板に直接光
をモニターする受光素子やフィードバック回路を形成す
ることができるためとくに好ましい。このような不透明
基板を支持基板として用いても、その反対面が透明電極
により形成されているため、表示面とすることができ
る。
用して自己保持回路を形成した表示装置の概念的な断面
説明図である。すなわち、n形のシリコン基板11にp
形の拡散領域によりベース領域12が形成され、さらに
n形拡散領域が形成されてエミッタ領域13が形成され
ることにより、駆動用トランジスタ15が形成されてい
る。このトランジスタのエミッタ領域13上に、前述の
有機EL素子10が形成され、第1の電極(陽極電極)
2、有機層7、第2の電極(陰極電極)9が順次積層さ
れている。トランジスタ15のエミッタ13と第1の電
極2とが電気的に接続されているため、図2(b)に等
価回路図で示されるような、駆動用トランジスタ15と
有機EL素子10とが直列に接続された構造になってい
る。
いるコントロール電極(ベース電極)14に駆動用トラ
ンジスタ15をオンさせる信号が入ることにより、有機
EL素子10に電圧が印加され発光する。この駆動用ト
ランジスタ15は、またホトトランジスタにもなる。そ
のため、図2(b)に示されるように、駆動用トランジ
スタ15により有機EL素子10が一旦発光すると、そ
の光のエネルギーhνが駆動用トランジスタ15を駆動
し発光を続ける。そして、コントロール電極14に駆動
用トランジスタ15をオフする信号が入力されると有機
EL素子10もオフになり、発光しなくなるため、光に
よる駆動もなく非発光を続ける。すなわち、ホトトラン
ジスタ15の信号により有機EL素子10を駆動するよ
うに構成することにより、有機EL素子10を発光させ
る場合には、その発光を続けさせ、発光させないときは
非発光を続けさせる保持回路を構成することができる。
ック回路を形成する例であったが、シリコン基板に限ら
ず、他の半導体基板、または他の基板に薄膜半導体素子
を形成したり、個別半導体素子をマウントして受光素子
やフィードバック回路を組み込んで形成してもよい。し
かし、前述のように、非透光性の基板、とくに半導体基
板を用いることが、マトリクス状に有機EL素子を配列
する表示装置では、その集積度を上げて、簡単に形成す
ることができるため好ましい。また、有機EL素子の電
極は、基板側が陽極電極である必要はなく、前述の材料
関係が保たれれば、基板側に陰極電極が形成されてもよ
い。
子の基板側に進む光を利用して、基板に光フィードバッ
クを構成することができ、この有機EL素子をマトリク
ス状に配列して各画素を構成する表示装置とし、デュー
ティ駆動をする場合でも、一旦信号を与えれば、その信
号の発光または非発光を持続するため、外部信号を印加
するインターバルを長く取ることができる。しかもその
間隔においても、自己保持回路により発光を続けるた
め、つぎの駆動までの時間分を考慮した強い発光をする
必要がなく、低い動作電圧で駆動することができる。す
なわち、たとえば1/1000のデューティで駆動する
場合、瞬間的に視認する輝度の1000倍の輝度(明る
さ)で光らせる必要があるが、自己保持回路が形成され
ることにより、瞬間最大輝度を上げなくても所望の視認
輝度が得られる。
ができると共に、非常に画素数の多い大型の表示装置に
なっても、輝度を落すことなく鮮明な表示をすることが
できる。さらに、アナログ的に入力信号を調整すること
ができ、階調表示をすることもできる。すなわち、保持
回路が設けられていないと、デューティ比1/120の
線順次走査が限度で、画素数の多い表示装置では分割し
て別々に駆動回路を形成しなければならないが、本発明
によればこのような制限はない。
路を有する他の表示装置の例で、裏面側の光をモニター
用として利用し、製造工程などによりばらつく有機EL
素子の発光量を一定にする例の回路構成説明図である。
すなわち、図3において、有機EL素子10は、その駆
動用MOSトランジスタ21を介して駆動電源Vccとア
ースとの間に接続され、駆動用トランジスタ21のゲー
トGに印加される駆動信号に応じて有機EL素子を駆動
する電力が制御される構造になっている。
受光素子2により検出した発光量とを比較して両者が等
しくするような信号として駆動用MOSトランジスタ3
1を制御する。すなわち、図3に示されるように、基板
側に設けられる受光素子22によるモニター光の出力電
流を、スイッチ素子23を介して取り出せるようにし、
抵抗Rにより変換した電圧と、入力信号(設定電圧)V
sとを比較回路24により比較し、入力信号Vsのレベル
と異なる場合には、同じレベルにするように、比較回路
24から駆動信号をMOSトランジスタ21のゲートG
に印加する。
および受光素子22などがマトリクス状に配列され、デ
ューティ駆動することができるようにされると共に、そ
の外部信号により駆動される時間に発光量をモニター
し、駆動信号を調整することができるように、スイッチ
素子23が設けられている。そのため、駆動用MOSト
ランジスタ21に印加する駆動信号とモニター用受光素
子22の出力電流を取り出すスイッチを同時にオン・オ
フする連動のスイッチ素子23で構成されている。そし
て、制御端子25によりその画素の選択が制御され、比
較回路24は、各画素に共通の1個で構成できるように
なっている。なお、図3において、26は電圧保持用の
コンデンサで、デューティ駆動する場合でも、つぎの駆
動信号までの間電圧を保持し、発光を続けられるように
するものである。
と、たとえば有機EL素子などをマトリクス状に配列
し、画素数の多い表示装置を構成する場合に、製造上の
バラツキなどにより各画素で輝度のバラツキが生じて
も、その駆動電圧を調整して全ての画素で同じ輝度にな
るように各画素ごとの輝度を調整することができる。あ
るいは、階調表示をする場合、所望の画素の輝度を大き
くしたり小さくするような場合でも、予め設定した駆動
電圧を入力信号としてその電圧に相当する輝度で光らす
ことができ、階調表示をアナログ的に制御することがで
きる。
極側に酸化インジウムを用いているため、有機層にダメ
ージを与えることなく両面の電極を透明電極により形成
することができる。
ば、酸化インジウム膜を成膜する場合に、Inメタルを
蒸発させながら酸素を導入して酸化させて成膜するた
め、有機層のバンドギャップとの関係で仕事関数を調整
するInメタルを介在させながら連続的に成膜すること
ができる。そのため、工数がかからず、非常に簡単にI
nメタル層と酸化インジウム膜を積層することができ
る。さらにInメタルを蒸発させることにより、酸化イ
ンジウムを蒸発させるより、均一に蒸発させることがで
き、安定した酸化膜を形成することができる。
透明電極により形成された有機EL素子を用いて光フィ
ードバック回路が形成されているため、自己保持回路や
輝度調整回路を構成することができ、画素数が非常に多
い、大きな表示装置をデューティ駆動することができ、
鮮明な画像を表示することができる。さらに、各画素の
輝度を均一に調整したり、各画素の輝度を変えて階調表
示をしたりすることができ、非常に繊細な画像表示をす
ることができる。
説明図である。
路の一例である自己保持回路の例を示す説明図である。
路の一例である各画素の発光部の輝度を調整する回路の
例を示す説明図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 基板と、該基板上に設けられる光透過性
の第1の電極と、該第1の電極の上に設けられる少なく
ともEL発光層を有する有機層と、該有機層の上に設け
られる光透過性の第2の電極とからなり、少なくとも前
記第2の電極が酸化インジウムからなる有機EL素子。 - 【請求項2】 前記第2の電極と前記有機層との間に、
該電極材料の仕事関数と前記有機層の価電子レベルまた
は伝導レベルとの間のギャップを調整する光透過性金属
層が設けられてなる請求項1記載の有機EL素子。 - 【請求項3】 前記第1の電極が陽極電極として前記基
板上にITO膜により形成され、該陽極電極上に前記有
機層が設けられ、該有機層上にインジウム薄膜層を介し
て酸化インジウム膜からなる第2の電極が陰極電極とし
て形成されてなる請求項1または2記載の有機EL素
子。 - 【請求項4】 前記第1の電極が陰極電極として前記基
板上に酸化インジウム膜により形成され、該陰極電極上
にインジウム薄膜を介して前記有機層が設けられ、該有
機層上に仕事関数が5eV以上の金属薄膜層を介して酸
化インジウム膜からなる第2の電極が陽極電極として形
成されてなる請求項1または2記載の有機EL素子。 - 【請求項5】 非透光性の基板と、該基板上に設けら
れ、光透過性導電膜からなる第1の電極、少なくともE
L発光層を有する有機層、および光透過性導電膜からな
る第2の電極を有する有機EL素子と、前記基板に設け
られ、前記有機EL素子からの光を受光する受光素子を
有し、該受光素子の出力により前記有機EL素子を駆動
する光フィードバック回路とからなる表示装置。 - 【請求項6】 前記基板が半導体基板からなり、該半導
体基板上に前記有機EL素子がマトリクス状に形成さ
れ、かつ、前記受光素子および光フィードバック回路が
前記有機EL素子ごとに前記半導体基板に作り込まれて
なる請求項5記載の表示装置。 - 【請求項7】 前記光フィードバック回路が、前記有機
EL素子と直列に接続される駆動用トランジスタを前記
受光素子と兼用して自己保持回路を構成する請求項5、
6または7記載の表示装置。 - 【請求項8】 基板上に第1の電極を形成し、該第1の
電極上に少なくともEL発光層を有する有機層を積層
し、該有機層上に光透過性の金属層を介して光透過性の
第2の電極を形成する有機EL素子の製法であって、前
記有機層を積層した後、インジウムメタルを蒸発させて
インジウム層を光が透過するように成膜し、ついでイン
ジウムメタルを蒸発させながら酸素を導入して酸化イン
ジウム膜を成膜することにより前記第2の電極を形成す
る有機EL素子の製法。
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