JP2001076617A - 放電管およびこの放電管を照明光源とした液晶表示装置 - Google Patents

放電管およびこの放電管を照明光源とした液晶表示装置

Info

Publication number
JP2001076617A
JP2001076617A JP24549599A JP24549599A JP2001076617A JP 2001076617 A JP2001076617 A JP 2001076617A JP 24549599 A JP24549599 A JP 24549599A JP 24549599 A JP24549599 A JP 24549599A JP 2001076617 A JP2001076617 A JP 2001076617A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tube
electrode
discharge
cup
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24549599A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyuki Omura
和之 大村
Yoshinobu Shiratori
喜信 白鳥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Hitachi Electronic Devices Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Electronic Devices Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Hitachi Electronic Devices Co Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP24549599A priority Critical patent/JP2001076617A/ja
Publication of JP2001076617A publication Critical patent/JP2001076617A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】放電始動時間を短縮して、電源投入に対して即
座に点灯可能とし、かつ安定な放電を維持できる放電管
を提供する。 【解決手段】カップ状とした電極2の内壁に当該電極材
料の金属ヒゥーム、あるいは仕事関数が小なる金属また
はその酸化物の薄膜を形成しておき、エージング工程で
この薄膜を外套管1の電極近傍内壁に加熱蒸散させてス
パッタ膜10を形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電管とこの放電
管を照明装置の光源として用いた液晶表示装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】各種の照明装置のなかで、低消費電力、
高輝度、あるいは小サイズの光源として放電管が多用さ
れている。放電管のうち、蛍光体を内壁に塗布したガラ
ス等の透明絶縁材料からなる外套管内に不活性ガスと水
銀を封入した低圧放電管は蛍光灯として広く知られてい
る。この種の低圧放電管には、熱電子を用いる熱陰極型
と冷電子を用いる冷陰極型とがある。
【0003】例えば、液晶表示装置の照明装置の光源に
は、上記冷電子を放出して蛍光体を励起して発光させる
冷陰極蛍光管(CFL)が採用されている。一般に、冷
電子を放出する電極はニッケル等の金属材料が用いられ
る。このような電極はスパッタ性があるため、動作中に
消散し、消耗する。したがって、冷陰極蛍光管の電極
は、ある程度の大きさが必要とされる。一方、電極サイ
ズが大きくなるとその表面積も大きくなって単位面積あ
たりの電流密度が低下し、放電時(特に、製品出荷前に
おけるエージング(Aging)時)における電極材料
の外套管内壁へのスパッタ量が少なくなる。
【0004】この種の冷陰極蛍光管では、その放電開始
時間(放電始動時間)の短縮が要求されており、特に暗
黒中での放電始動に要する時間に遅れが生じるという問
題があった。電極(一般に、ニッケル)の一部を外套管
の内壁にスパッタさせると、このスパッタ膜から誘発さ
れる電子が放電始動時間を短縮するという効果が知られ
ていた。カップ状電極を利用する場合、その電極の外径
(特に開口部の外径)を外套管の内径に対して小さくす
ると、その電極材料の外套管内壁へのスパッタが促進さ
れる。しかし、電極材料のスパッタは電極自体を摩耗さ
せるため、電極の寿命を縮める。また、エージング工程
によりスパッタ膜を形成しても、これによる放電始動時
間の短縮は充分とはいえなかった。
【0005】この放電始動時間の遅れを改善するために
は、外套管内部(特に、電極に近接した部分)に放電を
誘発する物質を置くことが有効である。そのため、従来
は、(1)電子放射性の高い金属化合物、例えばクロム
酸セシウム等のセシウム化合物等を電極の表面に付着さ
せる。(2)上記セシウム化合物等の電子放射性の高い
金属化合物を水銀放出物質と混合したものを用い、製造
工程における水銀放出加熱時に管内に上記セシウム化合
物等の電子放射性の高い金属化合物を管内に放散させ
る。(3)電極に高電流(例えば、電極外径が1.7m
mでは、8〜15mA程度)を流して電極を加熱し、当
該電極材料の一部を消散させて外套管の電極近傍内壁に
スパッタ膜を形成する。(4)蛍光体膜内にアルミナを
添加する。などの方法を採用していた。
【0006】なお、この種の冷陰極蛍光管に関する従来
技術を開示したものとしては、例えば特開平9−283
006号公報を、また冷陰極蛍光管を照明装置の光源と
して用いた液晶表示装置に関しては、例えば特開平9−
113908号公報を挙げることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術におい
ては、電極の表面に電子放射性の高い金属化合物を付着
させるための工程が必要となり、放電管の製造工程数の
増大を招き、またセシウム化合物等の塗膜では放電始動
時間にバラツキが多く、この放電始動時間を製品で均一
にすることが困難であることが知られている。
【0008】さらに、電極の消耗を考慮して電極サイズ
を大きくした場合には、その表面積が大きくなるに伴
い、単位面積あたりの電流値が小さくなって、電極の近
傍にスパッタ膜が形成され難いことも認識されている。
【0009】一方、この種の放電管では、その管内真空
度を高めるためにその製造工程中でゲッタ処理が行われ
る。この場合のゲッタとしては、放電管内に水銀を注入
する機能を兼ね備えたものが採用される。
【0010】放電管等の内部真空度を向上する手段とし
てのゲッタは、金属容器内にゲッタ物質を装填してあ
り、これを一般には当該放電管の外套管の内部に設置
し、真空引き後に加熱を行ってゲッタ処理(ゲッタ飛ば
し)を行うようにしているが、液晶表示装置の照明装置
に用いる冷陰極蛍光管のような、例えば外径が2mm以
下の放電管では、ゲッタ容器を収容するスペースが極め
て少なく、また完成後の外套管内にゲッタ容器を残すよ
うなことは好ましくない。そのため、近年は、このゲッ
タ(ゲッタ物質と水銀化合物を装填したゲッタ容器)を
放電管の外套管を封じ切る前段階で当該外套管の延長部
分内に設置して水銀の放出とゲッタ処理を行う、所謂外
部ゲッタ方式が採用されている。
【0011】しかし、この外部ゲッタ方式は、放電管の
主放電領域から離れた場所でゲッタを加熱して活性化す
るため、放電管の内部に補足し切れない不純物が残留
し、これが、所謂スネーキング現象と称する不安定な放
電状態を引き起こす原因となっている。
【0012】本発明は、上記従来技術における諸問題を
解消することにあり、その目的は、冷陰極蛍光管に代表
される冷電子を用いる放電管における放電始動時間を短
縮して、電源投入に対して即座(暗黒中の放電始動が5
00mS(ミリ秒)以下)に点灯可能とし、かつ安定な
放電を維持できる放電管と、この放電管を光源とした液
晶表示装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、放電管の外套管内における電極の近傍に
金属材料を主成分とするスパッタ膜を形成し、電極に印
加される電圧で生成される冷電子による放電を誘発し、
放電始動時間を短縮させたものである。
【0014】また、本発明では、電極面積を大きくする
ために、当該電極をカップ状とし、その内壁に上記金属
材料を含む薄膜を形成しておき、エージング工程でこの
金属材料を含む薄膜を外套管の電極近傍内壁に加熱蒸散
させてスパッタ膜を形成させるようにした。
【0015】以下、本発明の代表的な構成を記述する
と、下記のとおりである。すなわち、 (1):外套管の放電領域側に開口部を有し、この開口
部と反対側端に有する底部外壁に上記外套管の外側から
電力を導入するための導入線を溶接したカップ状電極を
上記外套管の両端内部に具備した放電管であって、前記
外套管の前記カップ状電極の近傍内壁に金属またはその
化合物を主成分とするスパッタ膜を有することを特徴と
する。このスパッタ膜は、例えばカップ状電極を外套管
の外からこの管内へ電流を供給する導入線(電流リー
ド)に溶接する際に生じる金属ヒゥーム(Fume)を
カップ状電極の内側の表面に付着させ、これを放電(特
にエージング時の放電)により、外套管内壁にスパッタ
させて形成する。また、別の方法としては、カップ状電
極の内側の表面に電極材料よりスパッタし易い金属又は
金属化合物(例えば、酸化物)を塗布し、または塗布後
に焼付け、これをスパッタして外套管内壁に付着させ
る。いずれの場合も、カップ状電極の内側の表面には一
見して電極表面とは異なる膜が形成される。例えば、ニ
ッケル(Ni)製の電極の溶接により生じた金属ヒゥー
ムが電極表面に堆積した場合、当該金属ヒゥームがニッ
ケルを主成分とするものであっても、当該堆積物は電極
表面が黒く変質した様相を呈する。この堆積物は、ニッ
ケル金属又はその酸化物の微粒子が凝集したように見え
ることもある。
【0016】カップ状電極の内側表面に当該電極材料の
溶接により生じた金属ヒゥームの膜を形成した場合も、
電極材料以外の金属又は金属化合物の膜を形成した場合
も、これらの膜は放電管のエージング時にスパッタさ
れ、外套管の内壁にスパッタ膜を形成する。このように
形成されたスパッタ膜は、上記放電管を液晶表示装置の
光源ユニット(バックライト等の照明装置)に組み込ん
だ時点で、放電の始動を助長する。これらのスパッタ膜
による放電始動助長の効果は、電極材料自体がスパッタ
されて形成された外套管内壁のスパッタ膜のそれより大
きい。また、金属ヒゥーム、電極材料以外の金属及び金
属化合物のいずれかによりカップ状電極の内側表面に形
成された膜は、エージング後も部分的に当該内側表面上
に残り、これにより覆われた電極表面をスパッタによる
摩耗から保護する。その理由は、当該電極表面において
放電は生じるものの、これによるスパッタは上記金属ヒ
ゥーム、上記電極材料以外の金属又は金属化合物の膜に
対して主に生じることにある。電極材料以外の金属又は
金属化合物(例えば、金属酸化物)を用いる場合、これ
らを構成する金属は電極材料を構成する金属材料より仕
事関数が小さいものを選ぶとよい。
【0017】仕事関数が小である金属の例としては、カ
リウム、ナトリウム、セシウム、モリブデン、などがあ
る。このスパッタ膜を形成したことにより、電極に電圧
を印加したときにこのスパッタ膜から電子の放出が誘発
され、電極自体から生成する電子と共に速やかに放電が
開始される。
【0018】電極をカップ状としたことにより、電極面
積が大きくなる分、電流密度が低下するため、電極の消
耗が抑制され、放電管の長寿命化が達成される。電極を
導入線に接続する(溶接する)観点でも、カップ型の電
極は円筒型の電極に比べて加工上有利である。
【0019】(2):内面に蛍光体層を塗布した透明絶
縁材料からなる外套管と、この外套管の放電領域側に開
口部を有して、この開口部と反対側端に有する底部外面
に上記外套管の外側から電力を導入するための導入線を
溶接したカップ状電極を上記外套管の両端内部に具備し
た放電管であって、前記外套管の外部に貫通した前記導
入線が、当該外套管の熱膨張係数に近似する金属材料で
構成され、前記外套管の前記カップ状電極の近傍内壁に
おける前記蛍光体層の上に、電極材料の金属ヒゥーム、
あるいは電極材料と異なる仕事関数が小なる金属または
その化合物を主成分とするスパッタ膜を有することを特
徴とする。
【0020】放電管の内面には、電極間での放電で水銀
蒸気が発する紫外線を可視光線領域の波長に変換するた
めの蛍光体が塗布されており、電極表面に堆積した電極
材料の金属ヒゥーム、または電極表面に塗布された電極
材料と異なる金属またはその化合物の膜はエージング工
程で加熱された電極表面から蒸散し、この蛍光体層の上
にスパッタされる。
【0021】カップ状の電極は、その開口部が放電管の
放電領域側に向き、底部外壁に外套管の熱膨張係数と近
似した金属材料で構成された導入線がレーザ溶接されて
いる。
【0022】この導入線の材料は、コバルト−ニッケル
−鉄合金(所謂、コバール(商品名))が好適であり、
外套管の外部に貫通した部分でニッケル線と溶接され
る。
【0023】(3):(2)における前記蛍光体層内に
アルミナが添加されていることを特徴とする。
【0024】蛍光体層内に添加されたアルミナは、スパ
ッタ膜を構成する金属の電子放出を助長する機能を有し
ており、この構成としたことで、より短時間での放電始
動が可能となる。
【0025】(4):(1)〜(3)における前記スパ
ッタ膜が、前記カップ状電極の内壁に付着させた電極材
料の金属ヒゥーム、或いは電極材料よりスパッタされ易
い金属材料またはその酸化物の層をスパッタ源として形
成されたことを特徴とする。
【0026】電極は一端に開口部をもち、他端に底部を
有する筒状(カップ状)とされ、他端の外側(カップ底
部の裏側)にて導入線と溶接されて組み立てられる。カ
ップ状電極と導入線とは、前者の一端の開口部から他端
の底部に向けたレーザの照射により溶接される。前記ス
パッタ膜を電極材料の金属ヒュームで形成する場合は、
前記レーザ照射によりカップ状電極の底部の一部を蒸発
させ、これをカップ内壁(円筒部の内側表面)に付着さ
せて金属ヒューム膜を形成した後、エージングにより当
該金属ヒゥーム膜の一部をスパッタする。
【0027】前記スパッタ膜を電極材料と異なる金属又
はその酸化物で形成する場合は、電極の組立て前に、当
該カップ状電極の中に、例えば電極材料より仕事関数が
小なる金属材料またはその酸化物を溶剤、分散媒等に分
散させたものを適宜のディスペンサを用いて滴下し、あ
るいは装入し、所要量を内壁にも付着させる。
【0028】その後、溶剤、分散媒等が蒸発または消散
してカップ状電極の主に内壁に固形の金属層が形成され
る。
【0029】このカップ状電極の底部外壁に導入線をレ
ーザ光を用いて溶接する。レーザ光はカップ状電極の開
口部側からその底部内壁に照射され、当該底部外壁に押
接させた導入線を溶接する。溶接の条件や前記金属層の
材料と前記電極材料との組合わせによっては、上記底部
に形成される金属層を上記内壁に形成されるそれより薄
くすることが望ましい。
【0030】電極材料のヒゥーム膜をカップ状電極の内
壁に形成する場合は、その分、レーザ光の出力を大きく
設定する必要が合ったが、電極材料とは異なる金属膜を
予め当該電極内壁に形成する場合は、その必要がなくな
る。従って、後者の場合、レーザ光の出力が低い分、前
記底部に形成された金属膜が前記溶接組み立ての障害と
なる可能性が出てくる。勿論、前記金属層が前記溶接工
程の支障とならない場合は、レーザ光の出力を上げて前
記金属層自体から金属ヒゥームを発生させてもよい。
【0031】このとき、カップ電極の開口部から底部内
壁に照射されるレーザ光により当該底部にあり上記金属
層を蒸散させる。蒸散した当該金属はカップ電極の内壁
に付着して層、所謂金属ヒゥームを形成する。この状態
とした電極を外套管に封止する。そして、エージング工
程での加熱により電極内部から外套管内に蒸散し、電極
の近傍にスパッタ膜を形成する。
【0032】(5):液晶パネルと、この液晶パネルの
背面または前面に設置した照明装置とからなり、上記照
明装置の光源が上記(3)または(4)の何れかに記載
の放電管を具備したことを特徴とする。
【0033】照明装置を備えた液晶表示装置には、液晶
パネルの背面に照明装置を設置する所謂バックライト方
式と、液晶パネルの前面に設置する所謂フロントライト
方式がある。フロントライト方式は、主として携帯端末
等の小型の液晶表示装置に多く採用されている。
【0034】一方、バックライト方式はノート型パソコ
ンや、ディスクトップパソコンのモニターにも使用され
るようになっており、液晶パネルの大サイズ化に伴い、
その照明装置として複数の冷陰極蛍光管(放電管)が用
いられる。限られたスペースに設置されるこの種の放電
管には、細管化、高輝度化が求められると共に、電源投
入時に即座に点灯することが要求される。
【0035】本発明の上記(3)あるいは(4)の構成
とした放電管を液晶表示装置の照明装置の光源として用
いたことで、放電始動時間が短縮され、かつ安定した放
電を持続できる。
【0036】本発明は、上記の各構成、および後述する
実施例の構成に限定されるものではなく、本発明の技術
思想を逸脱することなく、種々の変更が可能である。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、実施例の図面を参照して詳細に説明する。以下の実
施例では、外套管に耐熱ガラス材料を用いた液晶表示装
置の照明装置に用いるための放電管(冷陰極蛍光灯)に
本発明を適用した場合を例として説明する。
【0038】図1は本発明の1実施例を説明する放電管
の要部断面図である。この放電管は外套管であるガラス
管1の両端内部に電極2を収容してある。図1では一端
部のみを示してある。
【0039】ガラス管1の内面には蛍光体層9が塗布さ
れており、電極2はカップ状で、その一端にある開口部
は主放電領域(両電極の間の領域:以下、単に放電領
域)に向き、底部の外壁にはガラスの熱膨張率に近似す
る金属であるニッケル−コバルト−鉄合金の導入線3が
レーザ溶接されている。溶接部を符号6で示す。
【0040】この導入線3はガラスビーズ5に支持さ
れ、ガラス管1の内外を気密状態で貫通している。ガラ
スビーズ5はガラス管1の端部に溶着してガラス管1を
封じ切りし、外部に突出した導入線3にはニッケル線4
が溶接部7で溶接されている。ニッケル線4は図示しな
い電源回路(一般にインバータ)に接続されて、電極2
に点灯電力を供給する。そして、ガラス管1の内壁で、
電極2の近傍にはスパッタ膜10が形成されている。本
実施例の第1形態では、スパッタ膜10を電極材料、即
ちニッケル(Ni)の金属ヒゥームで形成する。また、
この第2形態ではスパッタ膜10をニッケルより仕事関
数の低いセシウム(Cs)で形成する。いずれの場合に
おいても、このスパッタ膜10は電界の印加で容易に冷
電子を放出する性質を持つ。
【0041】本実施例により、ガラス管1の内壁の形成
したスパッタ膜10により、放電始動時間が短縮され、
かつ電極を中空を持つカップ状としたことで動作中に電
極が消耗しても、充分な寿命を保証でき、安定した放電
を維持できる。
【0042】図2は本発明の1実施例のスパッタ膜形成
工程を説明する要部断面図であり、図1と同一符号は同
一部分に相当する。カップ状の電極2の内壁には金属膜
8を有しており、放電管のエージング工程でこの金属膜
8が矢印で示したようにガラス管1の内壁にスパッタさ
れる。この金属膜は、本実施例の第1形態において当該
カップ状電極2の底部外面に導入線3を溶接する際に発
生する当該電極材料の金属ヒゥームを堆積させて形成さ
れる。また、本実施例の第2形態では、上記レーザ溶接
工程の前後に当該カップ状電極の内壁に塗布されるセシ
ウム又はその化合物からなる。いずれの形態において
も、上記金属層8は金属のみならずその化合物(例え
ば、酸化物)を含み得るが、本実施例においては、この
ような場合も含めて参照番号8で図示される層を「金属
層」と呼ぶ。このスパッタされた金属膜はガラス管の内
壁に塗布された蛍光体層9の上に形成されている。
【0043】なお、ガラス管1の内壁の全域に蛍光体9
は塗布されていない場合には、蛍光体の無い部分のガラ
ス管内壁に直接スパッタされる。蛍光体層を有しない形
式の放電管の場合も同様である。
【0044】次に、本発明の放電管の製造工程の一例を
説明する。この放電管は、完成管のサイズよりも長尺の
細いガラス管を用いて製造される。
【0045】図3は本発明の放電管を製造する工程の説
明図であり、長尺のガラス管の一端に一方の電極を封止
し、他端側の所定の長さ部分を残した製品サイズとなる
部分に他方の電極を仮り止めした状態を示す断面図であ
る。なお、(a)は縦断面図、(b)における(A)
(B)(C)はそれぞれ(a)のA−A線、B−B線、
C−C線に沿った横断面を示す。ガラス管1の内壁には
蛍光体層9が予め塗布されている。
【0046】図中、一方の電極2と他方の電極2’は同
じものであり、先ず一方の電極2の導入線3を貫通さ
せ、導入線の端部に給電線4を溶接したガラスビーズ5
をガラス管1の一端に挿入し、バーナ等を用いて当該ガ
ラスビーズ5とガラス管1とを溶融して封着(封止)す
る。
【0047】ガラス管1の他端側(排気側)から他方の
電極2’を挿入する。他方の電極2’は導入線3’を貫
通させてその端部に給電線4’を溶接したガラスビーズ
5’を排気側からガラス管1の内部に挿入し、バーナ等
を用いて当該ガラスビーズ5’とガラス管1とを(b)
の(C)に示したように、その一部のみを加熱軟化させ
て仮止しておく。以下の工程は図4を参照して説明す
る。
【0048】図4は本発明の放電管を製造する図3に続
く工程の説明図である。図3で他方の電極2’を仮止し
た後、当該他端側からガラス管1の内部にゲッタ11を
挿入する。ゲッタ11は金属容器内に既知のゲッタ材
(例えば、ジルコンアルミ)と水銀化合物(例えば、チ
タン水銀)の混合物を装填してある。ゲッタ11を挿入
後、図示しない排気装置を用いてガラス管1の内部を真
空引きする。
【0049】図4の(a)に示したように、真空引きし
たガラス管1内に不活性ガスとしてネオン−アルゴン
(Ne−Ar)ガスを充填する。不活性ガスを充填した
後、ゲッタ11の後方(電極2’と反対側)をバーナ加
熱等で溶融し、封着してゲッタ収納部分1aを残し、排
気側部分1bを除去する(チップオフ)。
【0050】次に、同図(b)に示したように、誘導加
熱コイル14等を用い、ゲッタ11を外部から加熱して
ゲッタを活性化させると共にチタン水銀から分解される
水銀を仮止めした部分を通して放電領域内に放出させ
る。ゲッタはガス中に残留した不純物を吸着し、また水
銀は当該放電領域内に滞留する。
【0051】そして、仮止めしておいた電極2’をその
ガラスビーズ5’とガラス管1をバーナ等の加熱で完全
に溶着させる(同図(c))。これにより、ゲッタ収納
部分1aが製品となるガラス管1の内部から分離され
る。
【0052】最後に、同図(d)に示したように、溶着
した電極2’の部分でガラス管1からゲッタ収納部分1
aを分離する。その後、エージング工程に渡され、前記
した電極の内壁に形成されている仕事関数が小なる金属
材料またはその酸化物の層をスパッタ源としてガラス管
1の電極近傍内壁に当該金属のスパッタ膜を形成する。
【0053】図5は本発明の放電管を構成する電極の構
造と構成過程の説明図である。先ず、ニッケル−コバル
ト−鉄合金からなる導入線3の一端側に給電線4を溶接
する(同図(a))。この溶接には、突き合わせ溶接法
や抵抗溶接法を採用する。次いで、導入線3にガラス・
パイプをはめ、加熱溶融させてガラスビーズ5に成形す
る(同図(b))。ガラス・パイプは、上記ニッケル−
コバルト−鉄合金に近い熱膨張率を有する硼珪酸ガラス
(硬質ガラス)製のものを用いる。
【0054】次に、カップ状電極2の底部外面に導入線
3の他端をレーザ溶接して電極組立を形成する(同図
(c))。本実施例の第2形態の場合、この電極2の内
壁には後述する方法で仕事関数が小なる金属材料または
その酸化物の層が形成されている。
【0055】本実施例で用いるカップ状電極と外套管の
寸法的な関係を図6(a)の断面図を用いて説明する。
【0056】本実施例では、ガラス管1の内径R2に対
し、カップ状電極2の円筒部の外径R1を、エージング
時のカップ内での放電がカップ外周に回らない程度の大
きさに設定する。R1が小さいと、カップ状電極2内の
放電がその外周に及び、カップ状電極2の外周にて当該
電極表面がスパッタされる。このスパッタされた電極材
料は、当該カップ状電極2の外周に対向する領域aとし
て図6(a)に示されるガラス管1の内壁に付着する。
電極材料自体がガラス管1の内壁にスパッタ膜を形成す
ると、ガラス管内に封入された水銀を捕獲し、化合物
(ニッケル電極の場合、ニッケル−水銀の化合物)を形
成する。ガラス管1内に封入された放電管の発光動作に
寄与する水銀の量は、その内壁上の電極材料のスパッタ
膜に捕獲された分減少し、放電管の光源としての性能を
損なう。
【0057】カップ状電極2の円筒部の外径R1をある
程度大きくすると、カップ状電極2内部の放電に比べ
て、その外周の放電は弱まり、領域aにおけるガラス管
1内壁における電極材料のスパッタ膜の形成は、その弊
害が無視できる程度に抑えられる。このような条件を満
たす上記R1とR2の比率は、放電管製品の保証値(エ
ージング条件)と動作定格値として定められる電流値に
依存する。例えば、保証電流値を8mA、定格電流値を
6mAとした場合、R2=2mmに対して、R1は1.
6mm以上、望ましくは1.7mm以上となる。換言す
れば、カップ状電極2の円筒部(特に開口部)の外径R
1は、ガラス管1の内径の80%以上、望ましくは85
%以上に設定することになる。一方、カップ状電極2の
円筒部の外径R1の上限は、これをガラス管1に組み込
む加工精度に依存し、上記R2=2mmのガラス管1を
用いる本実施例の場合、R1は1.8mm以下(R2の
90%以下)に設定することになった。なお、カップ状
電極2の円筒部の外径R1のガラス管1の内径R2に対
する比率の下限は、これを利用する放電管の保証電流値
や定格電流値が低くなるほど下がる。
【0058】この様なカップ状電極2の寸法に係らず、
その内壁に図6(a)に示される金属層8が形成されて
ない場合、当該内壁の電極材料のスパッタにより領域b
のガラス管1の内壁にスパッタ膜が形成される。領域b
のスパッタ膜は、放電管の累積点灯時間に応じてカップ
状電極2の開口から発光領域(放電領域)の中心側に延
びていく。この電極材料からなるスパッタ膜も領域aの
それと同様、ガラス管1中の水銀を捕獲する。
【0059】本発明の実施例の第1形態では、図6
(b)に示すように電極2と導入線3の溶接時にて、レ
ーザ光13の出力を高くし、カップ状電極2の底部の一
部を蒸発させる。これにより、カップ状電極2を形成す
るニッケル金属は、ニッケルの金属ヒュームという微粒
子6’となり、カップ状電極2の円筒部の内壁に堆積す
る。こうして形成された金属膜8は、カップ状電極2の
底部(溶接前)と同じ当該円筒部の内壁表面が黒く変質
したように見える。また、その表面には微粒子が凝集し
たような微細な凹凸が認められる。
【0060】このようにして形成された金属層8は、放
電管のエージング及びその後の点灯動作中に、カップ状
電極2の内壁表面に代わってスパッタ源となり、図6
(a)の如くスパッタ膜10を領域bのガラス管1の内
壁表面に形成していく。スパッタ膜10は、放電管の累
積点灯時間に応じてカップ状電極2の開口から発光領域
の中心側に延びていく。このとき、ガラス管1の内壁表
面には、領域a,bに関わらず電極材料のスパッタ膜が
形成されることもあるが、金属層8のスパッタが優勢の
ため、その量は無視できる程度に抑えられる。
【0061】これにより、上述の水銀捕獲が抑制された
状態で、冷電子の放出が促される。
【0062】図7は本実施例の第2形態としてカップ状
の電極の内部に仕事関数が小なる金属材料またはその酸
化物の層を形成する前処理工程の説明図である。ここで
は、クロム酸セシウムを有機溶剤(酢酸ブチル)に分散
させた溶液8aをディスペンサ12を用いて電極2の内
部に注入する。注入後、有機溶剤は蒸散し、クロム酸セ
シウム8bが電極の底部(一部は内壁にも)に残留す
る。なお、適当なディスペンサがあれば、クロム酸セシ
ウムを粉末状態で電極2の内部に装入することもでき
る。
【0063】図8は電極内に注入した仕事関数が小なる
金属材料またはその酸化物を用いて当該電極の内壁に当
該金属材料またはその酸化物の膜を形成する工程の1つ
の例の説明図である。
【0064】同図(a)は図7で注入したクロム酸セシ
ウム8bの残留状態の説明図である。この電極2の底部
外面2Aに導入線3の先端を当接し、当該電極2の開口
部側からレーザ光13を照射する(同図(b))。
【0065】レーザ光13は、電極2の底部の残留して
いるクロム酸セシウム8bを溶解して蒸散させつつ当該
底部を溶融し、底部外面2Aに当接している導入線3を
も溶融して両者を溶接する。レーザ光13の照射で蒸散
したクロム酸セシウム8bは、電極2の内壁に膜8を形
成する(同図(c))。
【0066】このように、図6(b)や図8(b)に示
す溶接工程により組み立てた電極2を図3、図4で説明
したように、ガラス管1内に挿入する。
【0067】そして、図4の(d)に示したように、ガ
ラス管1の両端に電極を封入したものをエージング工程
に渡す。このエージング工程で、電極2(または電極
2’)の内壁に付着した仕事関数が小なる金属酸化物で
あるクロム酸セシウム膜8が蒸発してガラス管1の電極
近傍内壁にスパッタ膜を形成する。
【0068】図9は本発明による放電管の製造工程例を
説明する流れ図で、図3乃至図8での説明をまとめたも
のである。すなわち、図3に示したように、ガラス管の
排気側の電極を仮り止めし(S−1)た後、図4での説
明のようにゲッタを挿入する(S−2)。
【0069】その後、ガラス管1の内部を真空に引き
(S−3)、不活性ガスとしてネオン−アルゴンガスを
充填し(S−4)、排気側のガラス管の端部を封着する
(S−5)。
【0070】そして、ゲッタを加熱してゲッタ材を活性
化すると共に、水銀を放出させ(S−6)、排気側の電
極部分の本シール(本封着)を行い(S−7)、最後に
ゲッタ収納部分のガラス管を分離する(S−8)。これ
により、図1に示した放電管が得られる。
【0071】ところで、上記した外部ゲッタ方式では、
ゲッタが放電管の主放電領域から離れた場所に置かれて
いるために、当該主放電領域の全域において残留する不
純物が充分に吸着されない恐れがある。不純物が残留し
ていると、放電管内の軸方向(長手方向)に沿って不規
則な放電不良(所謂、スネーキング現象)が発生するこ
とがある。
【0072】放電管の製造工程は図9で説明した手順か
らなるが、上記の放電不良を回避するために、本発明で
は、次のような処理を行う。
【0073】図10は本発明による放電管の製造工程の
他の例を説明する流れ図であり、図9のステップ6とス
テップ7の間に高温放置工程を設けたものである。
【0074】すなわち、ゲッタ加熱と水銀放出を行う工
程(S−6)の後、高温で長時間の放置を行う工程、
「高温放置」工程(S−6’)を設ける。この工程での
温度は400°C以上(好ましくは400乃至450°
C、これはゲッタの活性化温度と同等である)、放置時
間は4時間以上とする。なお、温度の上限は構成部材、
特に外套管を構成するガラス材の軟化温度以下に制限さ
れることは言うまでもない。また、放置時間が4時間以
上とは少なくとも4時間の意味である。
【0075】この高温放置工程を経ることにより、上記
したスネーキング現象などの残留不純物に起因する放電
不良を回避することができる。実際の試作では、この高
温放置工程を経たものではスネーキング現象の発生は皆
無であった。
【0076】次に、本発明の放電管を照明装置に用いた
液晶表示装置の構成例を説明する。図11は本発明によ
る液晶表示装置の実施例の全体構成を説明する展開斜視
図であって、液晶表示装置(液晶パネル、回路基板、バ
ックライト、その他の構成部材を一体化した液晶表示モ
ジュール:MDLと称する)の具体的構造を説明するも
のである。
【0077】図11において、SHDは金属板からなる
シールドケース(メタルフレームとも言う)、WDは表
示窓、INS1〜3は絶縁シート、PCB1〜3は回路
基板(PCB1はドレイン側回路基板:映像信号線駆動
用回路基板、PCB2はゲート側回路基板、PCB3は
インターフェース回路基板)、JN1〜3は回路基板P
CB1〜3同士を電気的に接続するジョイナ、TCP
1,TCP2はテープキャリアパッケージ、PNLは液
晶パネル、GCはゴムクッション、ILSは遮光スペー
サ、PRSはプリズムシート、SPSは拡散シート、G
LBは導光板、RFPは反射板、MCAは一体化成形に
より形成された下側ケース(モールドフレーム)、MO
はMCAの開口、LPは線状ランプ(前記実施例におけ
る放電管に相当:冷陰極蛍光管)、LPCはランプケー
ブル、GBは線状ランプLPを支持するゴムブッシュ、
BATは両面粘着テープ、BLは線状ランプや導光板等
からなるバックライト(背面照明装置)を示し、図示の
配置関係で拡散板部材を積み重ねて液晶表示モジュール
MDLが組立てられる。
【0078】液晶表示モジュールMDLは、下側ケース
MCAとシールドケースSHDの2種の収納・保持部材
を有し、絶縁シートINS1〜3、回路基板PCB1〜
3、液晶パネルPNLを収納固定した金属製のシールド
ケースSHDと、線状ランプLP、導光板GLB、プリ
ズムシートPRS等からなる背面照明装置すなわちバッ
クライトBLを収納した下側ケースMCAとを合体させ
てなる。
【0079】映像信号線駆動用回路基板PCB1には液
晶パネルPNLの各画素を駆動するための集積回路チッ
プが搭載され、またインターフェース回路基板PCB3
には外部ホストからの映像信号の受入れ、タイミング信
号等の制御信号を受け入れる集積回路チップ、およびタ
イミングを加工してクロック信号を生成するタイミング
コンバータTCON等が搭載される。
【0080】上記タイミングコンバータで生成されたク
ロック信号はインターフェース回路基板PCB3および
映像信号線駆動用回路基板PCB1に敷設されたクロッ
ク信号ラインCLLを介して映像信号線駆動用回路基板
PCB1に搭載された集積回路チップに供給される。
【0081】インターフェース回路基板PCB3および
映像信号線駆動用回路基板PCB1は多層配線基板であ
り、上記クロック信号ラインCLLはインターフェース
回路基板PCB3および映像信号線駆動用回路基板PC
B1の内層配線として形成される。
【0082】なお、液晶パネルPNLにはTFTを駆動
するためのドレイン側回路基板PCB1、ゲート側回路
基板PCB2およびインターフェース回路基板PCB3
がテープキャリアパッケージTCP1,TCP2で接続
され、各回路基板間はジョイナJN1,2,3で接続さ
れている。バックライトBLはランプケーブルLPCを
介して図示しないインバータ電源から給電される。
【0083】図12は本発明による液晶表示装置を実装
したノートパソコンの一例を示す外観図である。このノ
ートパソコンの表示部に実装する液晶表示装置を構成す
るバックライトには、前記実施例で説明した放電管が実
装されている。
【0084】図13は本発明による液晶表示装置の他の
実施例の説明図であり、直下形バックライトを有する液
晶表示装置に本発明を適用したものである。本実施例の
液晶表示装置は、液晶パネルの背面直下に複数の線状ラ
ンプLP(前記実施例における放電管に相当:冷陰極蛍
光管)を配列したランプ列と、ランプ列の背面に設置し
た反射板RFP、および液晶表示素子との間に光拡散板
SPSを介挿したものである。
【0085】図14は図13に示したような直下型の照
明装置を用いた本発明による液晶表示装置の他の例を示
すディスクトップ型モニターの外観図である。このモニ
ターの表示部に実装する液晶表示装置を構成する液晶パ
ネルPNLの背面には、本発明による放電管が実装され
ている。
【0086】本発明による放電管は、従来の放電管の寿
命が0.5万乃至2万時間であるのに比較し、1万乃至
5万時間、またはそれ以上の長寿命かつ安定な放電を維
持することができる。
【0087】本発明による放電管は、上記したようなノ
ートパソコンやディスクトップ型モニター以外に、その
他の機器の表示デバイス用照明装置の光源として使用で
きることは言うまでもない。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電極の表面積の大きなカップ状電極を採用し、外套管の
電極近傍内壁に電極材料の金属ヒゥーム、あるいは電極
材料と異なる金属材料またはその酸化物のスパッタ膜を
形成したことにより、冷電子の放出促進による放電始動
時間の短縮が可能であると共に、電極表面のスパッタに
よる摩耗を抑えた放電不良の無い長寿命の放電管を得る
ことができる。
【0089】また、この放電管を照明装置の光源に用い
た液晶表示装置では、高品質の画像を長時間に渡って保
証可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を説明する放電管の要部断面
図である。
【図2】本発明の1実施例のスパッタ膜形成工程を説明
する要部断面図である。
【図3】本発明の放電管を製造する工程の説明図であ
る。
【図4】本発明の放電管を製造する図3に続く工程の説
明図である。
【図5】本発明の放電管を構成する電極の構造と構成過
程の説明図である。
【図6】本発明の放電管を構成するガラス管とこれに挿
入されるカップ状電極との関係の説明図である。
【図7】カップ状の電極の内部に仕事関数が小なる金属
材料またはその酸化物の層を形成する前処理工程の説明
図である。
【図8】電極内に注入した仕事関数が小なる金属材料ま
たはその酸化物を用いて当該電極の内壁に当該金属材料
またはその酸化物の膜を形成する工程の説明図である。
【図9】本発明による放電管の製造工程例を説明する流
れ図である。
【図10】本発明による放電管の製造工程の他の例を説
明する流れ図である。
【図11】本発明による液晶表示装置の実施例の全体構
成を説明する展開斜視図である。
【図12】本発明による液晶表示装置を実装したノート
パソコンの一例を示す外観図である。
【図13】本発明による液晶表示装置の他の実施例の説
明図である。
【図14】図13に示したような直下型の照明装置を用
いた本発明による液晶表示装置の他の例を示すディスク
トップ型モニターの外観図である。
【符号の説明】
1 外套管(ガラス管) 2 電極(カップ状電極) 3 導入線 4 給電線 5 ガラスビーズ(封止栓) 6,7 溶接部 8 電極材料の金属ヒゥームの堆積膜あるいは低仕事関
数金属材料またはその酸化物の膜 9 蛍光体層 10 スパッタ膜 11 ゲッタ 12 ディスペンサ 13 レーザ光 14 加熱コイル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白鳥 喜信 千葉県茂原市早野3350番地 日立エレクト ロニックデバイシズ株式会社内 Fターム(参考) 5C028 BB01 BB08 5C043 AA15 AA20 BB04 CC09 CD01 DD27 EA11 EB11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外套管の放電領域側に開口部を有し、この
    開口部と反対側端に有する底部外壁に上記外套管の外側
    から電力を導入するための導入線を溶接したカップ状電
    極を上記外套管の両端内部に具備した放電管であって、 前記外套管の前記カップ状電極の近傍内壁に金属を主成
    分とするスパッタ膜を有することを特徴とする放電管。
  2. 【請求項2】内面に蛍光体層を塗布した透明絶縁材料か
    らなる外套管と、この外套管の放電領域側に開口部を有
    して、この開口部と反対側端に有する底部外面に上記外
    套管の外側から電力を導入するための導入線を溶接した
    カップ状電極を上記外套管の両端内部に具備した放電管
    であって、 前記外套管の外部に貫通した前記導入線が、当該外套管
    の熱膨張係数に近似する金属材料で構成され、 前記外套管の前記カップ状電極の近傍内壁における前記
    蛍光体層の上に、金属を主成分とするスパッタ膜を有す
    ることを特徴とする放電管。
  3. 【請求項3】前記蛍光体層内にアルミナが添加されてい
    ることを特徴とする請求項2記載の放電管。
  4. 【請求項4】前記スパッタ膜が、前記カップ状電極の内
    壁に付着させた金属またはその酸化物の層をスパッタ源
    として形成されたものであることを特徴とする請求項1
    〜3の何れかに記載の放電管。
  5. 【請求項5】液晶パネルと、この液晶パネルの背面また
    は前面に設置した照明装置とからなり、上記照明装置の
    光源が請求項3または4の何れかに記載の放電管を具備
    したことを特徴とする液晶表示装置。
JP24549599A 1999-08-31 1999-08-31 放電管およびこの放電管を照明光源とした液晶表示装置 Pending JP2001076617A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24549599A JP2001076617A (ja) 1999-08-31 1999-08-31 放電管およびこの放電管を照明光源とした液晶表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24549599A JP2001076617A (ja) 1999-08-31 1999-08-31 放電管およびこの放電管を照明光源とした液晶表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001076617A true JP2001076617A (ja) 2001-03-23

Family

ID=17134527

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24549599A Pending JP2001076617A (ja) 1999-08-31 1999-08-31 放電管およびこの放電管を照明光源とした液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001076617A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002334655A (ja) * 2001-05-07 2002-11-22 Sanken Electric Co Ltd 放電管の製造方法及び放電管
WO2002095792A1 (fr) * 2001-05-17 2002-11-28 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Lampe a decharge cathodique froide et son procede de fabrication
WO2006098234A1 (ja) * 2005-03-15 2006-09-21 Neomax Materials Co., Ltd. 放電電極の溶接方法、その方法によって溶接された放電電極及びその放電電極を備えた蛍光放電管
JP2006351460A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Matsushita Electric Ind Co Ltd 冷陰極蛍光ランプおよびバックライトユニット
JP2007165146A (ja) * 2005-12-14 2007-06-28 Hitachi Displays Ltd 冷陰極蛍光管及びこの冷陰極蛍光管を用いた液晶表示装置
JP2007227027A (ja) * 2006-02-21 2007-09-06 Harison Toshiba Lighting Corp 冷陰極蛍光ランプ及びバックライト装置
US7358675B2 (en) 2002-07-19 2008-04-15 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Low-pressure discharge lamp and back light device using same
JP2009277662A (ja) * 2005-05-25 2009-11-26 Sumitomo Electric Ind Ltd 電極材料
GB2475536A (en) * 2009-11-23 2011-05-25 Heraeus Noblelight Ltd A flash lamp, a corresponding method of manufacture and apparatus for the same

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002334655A (ja) * 2001-05-07 2002-11-22 Sanken Electric Co Ltd 放電管の製造方法及び放電管
WO2002095792A1 (fr) * 2001-05-17 2002-11-28 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Lampe a decharge cathodique froide et son procede de fabrication
CN100377289C (zh) * 2001-05-17 2008-03-26 松下电器产业株式会社 冷阴极放电灯及其制造方法
US7358675B2 (en) 2002-07-19 2008-04-15 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Low-pressure discharge lamp and back light device using same
US7683550B2 (en) 2002-07-19 2010-03-23 Panasonic Corporation Low-pressure discharge lamp and back light device using the same
WO2006098234A1 (ja) * 2005-03-15 2006-09-21 Neomax Materials Co., Ltd. 放電電極の溶接方法、その方法によって溶接された放電電極及びその放電電極を備えた蛍光放電管
JP5019390B2 (ja) * 2005-03-15 2012-09-05 株式会社Neomaxマテリアル 放電電極の溶接方法、その方法によって溶接された放電電極及びその放電電極を備えた蛍光放電管
JP4634516B2 (ja) * 2005-05-25 2011-02-16 住友電気工業株式会社 電極材料
JP2009277662A (ja) * 2005-05-25 2009-11-26 Sumitomo Electric Ind Ltd 電極材料
JP2006351460A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Matsushita Electric Ind Co Ltd 冷陰極蛍光ランプおよびバックライトユニット
JP2007165146A (ja) * 2005-12-14 2007-06-28 Hitachi Displays Ltd 冷陰極蛍光管及びこの冷陰極蛍光管を用いた液晶表示装置
US7701531B2 (en) 2005-12-14 2010-04-20 Hitachi Displays, Ltd. Cold-cathode fluorescent lamp for LCD having cup-shaped electrodes inside mantle tube with a non-sputtered transparent conductive film of a predetermined thickness formed on inside surface of mantle tube near each open end of the cup-shaped electrodes
JP4678775B2 (ja) * 2005-12-14 2011-04-27 株式会社 日立ディスプレイズ 冷陰極蛍光管及びこの冷陰極蛍光管を用いた液晶表示装置
JP4643466B2 (ja) * 2006-02-21 2011-03-02 ハリソン東芝ライティング株式会社 冷陰極蛍光ランプ及びバックライト装置
JP2007227027A (ja) * 2006-02-21 2007-09-06 Harison Toshiba Lighting Corp 冷陰極蛍光ランプ及びバックライト装置
GB2475536A (en) * 2009-11-23 2011-05-25 Heraeus Noblelight Ltd A flash lamp, a corresponding method of manufacture and apparatus for the same
US8922119B2 (en) 2009-11-23 2014-12-30 Heraeus Noblelight Ltd. Flash lamp, a corresponding method of manufacture and apparatus for the same
US9177747B2 (en) 2009-11-23 2015-11-03 Heraeus Noblelight Gmbh Flash lamp, a corresponding method of manufacture and apparatus for the same
GB2475536B (en) * 2009-11-23 2016-05-18 Heraeus Noblelight Ltd A flash lamp, a corresponding method of manufacture and apparatus for the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006140121A (ja) 平板蛍光ランプ及びこれを有する液晶表示装置
US5783912A (en) Electrodeless fluorescent lamp having feedthrough for direct connection to internal EMI shield and for supporting an amalgam
TWI299177B (en) Outer electrode type discharge lamp with removal of outer electrode light leak
JP2001076617A (ja) 放電管およびこの放電管を照明光源とした液晶表示装置
US7053554B2 (en) Bulb-shaped fluorescent lamp and illumination device
JP4276005B2 (ja) 冷陰極蛍光管及びこの冷陰極蛍光管を用いた液晶表示装置
JP2007305559A (ja) コネクタ装置及びそれを用いたバックライト組立体
KR20080055942A (ko) 냉음극 형광램프, 백라이트 유닛 및 액정표시장치
JP4678775B2 (ja) 冷陰極蛍光管及びこの冷陰極蛍光管を用いた液晶表示装置
KR20070076197A (ko) 외부 전극 램프 및 그 제조 방법과 그를 이용한 액정 표시장치
JP2007157565A (ja) 点灯装置、バックライトユニットおよび液晶テレビ
JP2004171953A (ja) 放電管およびこの放電管を用いた液晶表示装置
JP2007226982A (ja) 冷陰極蛍光ランプ、点灯装置、バックライトユニットおよび液晶ディスプレイ装置
KR200399912Y1 (ko) 냉음극 형광램프 및 그 구동 장치
KR100602569B1 (ko) 백라이트용 램프, 그것의 제조 방법 및, 그것을 구비한백라이트
JP2004265663A (ja) 放電ランプ
US7800712B2 (en) Cold cathode fluorescent lamp and liquid crystal display device
JP2006093072A (ja) 平板蛍光ランプ及びこれを有する液晶表示装置
JP2871499B2 (ja) 冷陰極蛍光ランプの製造方法
JP2007157564A (ja) 点灯装置、バックライトユニットおよび液晶テレビ
JP2008066101A (ja) 液晶表示装置及びその照明装置
JP2000215849A (ja) 冷陰極蛍光ランプ
JP2004335245A (ja) 放電管の製法
JPH1083793A (ja) 高圧放電ランプおよび照明装置
JPH0475229A (ja) 放電ランプの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041019

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050201

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050621