JP2001075333A - カラー画像形成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワンショットカラー方式のカラー画像形成装
置において、感光体からカラートナーを回収して、色バ
ランスを崩すことなく再度利用できるようにすること。 【解決手段】 現像剤収納部には、カラートナー回収手
段により、感光体から回収されたカラートナーを移送す
るトナー搬送パイプと、各色のカラートナーを補給する
トナータンクが連結されている。また、現像剤収納部の
中には、各色のカラートナーの割合を検出する割合検出
器が備えられている。トナータンクからは、割合検出器
の出力に応じて、現像剤収納部内の各色のカラートナー
の割合が所定の割合になるようにカラートナーを補給す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式を用
いたカラー画像形成装置に係り、更に詳しくは、一回の
露光でカラー画像に対応する静電潜像を形成する、ワン
ショットカラー方式によるカラー画像形成装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】コンピューターの情報処理能力の向上に
対応して、周辺機器の機能向上が強く要求されている。
この中で、処理された情報を、印刷の形で人間に伝える
プリンターにおいては、より複雑な情報を的確、直感的
に表現するため、プリントのカラー化が要求されてい
る。

【０００３】このような要求に対して、電子写真方式を
用いたカラー画像形成方法が提案されており、この中の
一つの方式であるマルチプロセス方式が実用化されてい
る。マルチプロセス方式の電子写真カラープロセスは以
下の通りである。カラートナーとしてシアン、マゼン
タ、イエロー、ブラックを準備する。その上で、まず電
子写真感光体の表面にシアンに対応する静電潜像を形成
し、シアントナー像を形成する。次に、この電子写真感
光体表面のシアントナーを転写ドラムに転写する。マゼ
ンタ、イエロー、ブラックについても、同様の工程で各
色のトナー像を転写ドラム上に重ねて形成する。転写ド
ラム上に４色のカラートナーの転写が終了したら、紙に
カラートナー像を転写し、定着してカラー画像を得る。

【０００４】しかし、このマルチプロセス方式では、１
ページ分のカラートナー像を形成後、一括して紙に転写
するので、用紙の長さの周を持つ、直径の大きな転写ド
ラムが必要であり、装置が大型になる欠点がある。ま
た、転写ドラムがカラートナーの種類の数に対応した回
数（上記の例では４回）回転するので、プリント速度が
遅いという欠点がある。また、カラートナー像を転写ド
ラムに重ねる時、位置ずれが生じると画像品質が著しく
低下するので、高精度な機械的な位置合わせ機構が必要
となり、装置が重く、高価になる欠点がある。

【０００５】これらの問題点に対して、種々の解決策が
提案がされているが、その一つに電子写真方式を用いた
ワンショットカラー方式がある。この方式については、
たとえば、特公昭４０ー２８４９７号公報、特公昭５５
ー２７３４１号公報、特開昭６３ー２８５５６６号公報
にそのプロセスが開示されている。ワンショットカラー
方式では、まず帯電された感光体の表面に、複数色のカ
ラートナーを一層に付着させる。カラートナーは、互い
に異なる色を透過するカラートナーを混合したものであ
る。次にカラートナー越しにカラー光で露光する。カラ
ートナーに該カラートナーを透過する色の光が露光され
た時は、カラートナーの下の感光体の電荷は消失するの
で、このカラートナーが感光体から受ける静電気力は低
下する。一方、カラートナーが透過する色以外の色の光
が露光されたカラートナーの下の感光体の電荷は消失し
ないから、このカラートナーが感光体から受ける静電気
力は低下しない。カラートナーの受ける静電気力の差を
利用して、用紙の上にカラー画像を形成できる。すなわ
ち、一回の露光と転写により、カラー画像を形成するこ
とができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、ワンシ
ョットカラー方式はマルチカラー方式に比べて、種々の
利点がある。しかし、ワンショットカラー方式では、感
光体の上に一層に形成されたカラートナーは、画像形成
の終了後、廃棄される。従って、画像形成に寄与しない
部分のトナーは、無駄になるのでランニングコストが高
くなる欠点がある。本発明の目的は上記問題点を解決
し、ランニングコストが安く、しかも色バランスのよい
カラー画像を形成できるカラー画像形成装置を提供する
ことにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明のカラー画像形成
装置は上記目的を達成するために、先に感光体上からカ
ラー画像形成に寄与しない感光体上のカラートナーを露
光し、カラー画像形成に寄与しないカラートナーを回収
し、その後、感光体上のカラー画像形成に寄与するカラ
ートナーを露光し、感光体上に画像の静電潜像を形成
し、そしてこの静電潜像に応じて感光体上のカラートナ
ーを記録部材上に転写してカラー画像を得ることを特徴
としている。

【０００８】転写されるカラー画像により、回収される
カラートナーの比率は異なる。そこで、本発明のカラー
画像形成装置は回収されたカラートナーを現像剤収納部
に移送する移送手段を備え、混合するに各色のカラート
ナーの割合を検出する手段を設けてもよい。このように
常に割合を検出しながらカラートナーを補給するように
し、常に一定の色バランスを保つことができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】現像剤収納部には、複数色のカラ
ートナーが混合されて収納される。これらカラートナー
を帯電器で帯電された感光体の表面に、トナー塗布器で
カラートナー層を形成する。そして画像形成用紙に転写
されて画像となるカラートナー以外の、非画像部分のカ
ラートナーの下の感光体の表面電位が低下するように、
カラートナー層を通してカラー露光器で感光体を露光し
て静電潜像を形成する。

【００１０】このカラー露光器としては、赤色フィルタ
ー、緑色フィルター、青色フィルターを有する液晶画素
を有するカラー液晶シャッターを用いることができる。
露光するデータに従って、液晶画素の透過率を制御す
る。露光した光の色を透過するカラートナーが接する部
分の感光体の表面には露光の光が到達するので、感光体
の表面電位が低下し、そのカラートナーが感光体から受
ける静電引力が低下する。一方露光した光の色を透過し
ないカラートナーが接する部分の感光体の表面には露光
の光が到達しないので、感光体の表面電位は低下せず、
そのカラートナーが感光体から受ける静電引力は低下し
ない。このように、カラートナーを介して感光体をカラ
ーの光で露光することで、カラーのプリント画像に必要
な静電潜像を感光体の表面に形成し、カラートナーが受
ける静電引力を、カラーのプリント画像に依存して強弱
させることができる。

【００１１】感光体に引かれる静電引力が低下した、非
画像部分のカラートナーをトナー回収器で回収し、カラ
ートナーを移送する移送手段として、カラートナーをト
ナー搬送パイプによって、トナー塗布器の現像剤収納部
に搬送する。

【００１２】

【実施例】図１は本発明に基づくカラープリンターの構
成を示している。以下、図１に従って、本実施例の構成
と共に装置の動作について説明する。図１において、帯
電器１６は感光体１７の表面を帯電する装置であり、カ
ラートナーを付着させる前の段階に置かれる。トナー塗
布器１は、シアントナーを収納するシアントナータンク
３、イエロートナーを収納するイエロートナータンク
４、マゼンタトナーを収納するマゼンタトナータンク５
は、それぞれトナー補給口を介して現像剤収納部２に接
続されている。現像剤収納部には、シアン、イエロー、
マゼンタのカラートナーが混合されて収納されている。
本実施例では、着色剤を含むスチレンアクリルの１０μ
ｍφの球体の表面を導電性コートしてカラートナーとし
た。このトナー塗布器１で帯電器１６で帯電された感光
体の表面に、シアン、イエロー、マゼンタの各カラート
ナーが混合された、厚みが一層のカラートナー層１８を
形成する。

【００１３】そして画像形成用紙に転写されて画像とな
るカラートナー以外の、非画像部分のカラートナーの下
の感光体の表面電位が低下するように、カラートナー層
を通してカラー露光器２２で感光体を露光して静電潜像
を形成する。

【００１４】感光体に引かれる静電引力が低下した、非
画像部分のカラートナーをトナー回収器２３により感光
体から剥離する。トナー回収器２３は誘電体ローラー２
４で静電引力が低下したカラートナーを引き付け、ロー
ラーに付着したカラートナーをブレード２５でかき落と
す。回収したカラートナー２６を、トナー搬送パイプ２
７で、トナー塗布器１の現像剤収納部２に搬送する。

【００１５】次に、感光体１７上に残っている画像部分
のカラートナーを露光する。白色の除電露光器２８で感
光体１７を全面露光して、感光体１７に残っている画像
部分のカラートナーの下の感光体１７の表面電位を低下
させ、カラートナーの受ける静電引力を低下させる。感
光体１７上のカラートナーを、転写器１１で記録部材と
して画像形成用紙１９に転写する。転写されずに感光体
の上に残ったカラートナー２０をクリーナー２９で回収
し、搬送パイプ４０でトナー塗布器１の現像剤収納部２
に搬送する。

【００１６】トナー回収器２３およびクリーナー２９で
回収されたカラートナーは移送手段のトナー搬送パイプ
２７、４０で、トナー塗布器１の現像剤収納部２に移送
し、再度使用する。図示してないが、搬送パイプ内に設
けたスクリューを回転して、カラートナーを搬送する。

【００１７】回収されたカラートナーの各色の割合は、
プリントされたカラー画像に依存するので一定ではない
ため、回収されたカラートナーが戻ってくる現像剤収納
部内のカラートナーの各色の割合が、プリント枚数とと
もに変化する。各色のカラートナーの割合を検出する割
合検出器９を、現像剤収納部２の中に配設する。

【００１８】割合検出器９の構成を図２に示す。赤色を
発光する発光体として赤色ＬＥＤ９ー１、緑色を発光す
る発光体として緑色ＬＥＤ９ー２、青色を発光する発光
体として青色ＬＥＤ９ー３と受光器９ー４を対向して配
置した。ＬＥＤと受光器の間を、各色が混合されたカラ
ートナーが移動する。シアントナーは、赤色を吸収し、
イエロートナーは青色を吸収し、マゼンタトナーは緑色
を吸収するので、赤色ＬＥＤを点灯し、受光器の出力電
圧を測定することで、シアントナーの量に関するデータ
を得ることができる。同様に、緑色ＬＥＤを点灯し、受
光器の出力電圧を測定することで、マゼンタトナーの量
に関するデータを、青色ＬＥＤを点灯し、受光器の出力
電圧を測定することで、イエロートナーの量に関するデ
ータを得ることができる。

【００１９】それぞれの色のカラートナーの量に関する
データを比較すると、各色のカラートナーの割合が算出
できる。各色のカラートナーの割合が一定になるよう調
整し、各色のトナータンクのカラートナーをトナー補給
口を介して、現像剤収納部に補給する。トナー補給口
は、ローラーの軸に平行方向の溝をローラーの表面に設
け、ローラーを回転させて、カラートナーをトナータン
クから現像剤収納部に移動させる。

【００２０】各色のカラートナーの割合は、一層化され
たカラートナー１８の、画像を形成する部分以外の部分
に、割合検出用のカラー光を照射し、カラートナーを透
過して、感光体で反射されて戻った光の強度を測定して
も、各色のカラートナーの割合を求めることができる。
また、感光体の上での割合検出用の照射光の強度が、感
光体の表面電位にほとんど影響を与えないよう十分小さ
い場合には、感光体の画像を形成する部分に、割合検出
用の光を照射してもよい。

【００２１】トナー塗布器の他の構成を図３に示す。画
像形成に寄与しなっかたカラートナーは、移送手段であ
る搬送パイプ３３にてトナー回収器から搬送され、搬送
パイプの出力口３２にて、現像剤収納部２の第一の収納
室３０に送り込まれる。回収されたカラートナーは、透
過波長が異なるカラートナーの割合が設定値からずれて
いるので、各色のカラートナーの割合が一定となるよ
う、シアントナーを収納するシアントナータンク３、イ
エロートナーを収納するイエロートナータンク４、マゼ
ンタトナーを収納するマゼンタトナータンク５に収納さ
れた各カラートナーをトナー補給口６、７、８を介し
て、第一の収納室３０に補給する。第一の収納室３０内
にある各色のカラートナーの割合は、第一の収納室３０
に配置した割合検出器９にて検出する。

【００２２】各色のカラートナーの割合が設定値になる
よう調整されたカラートナーは、第一の収納室３０と第
二の収納室３１の間に設けられた補給口３４を介して第
二の収納室３１に補給され、第二の収納室３１に収納さ
れるカラートナーの量を一定に蓄える。第二の収納室３
１の開口部は、感光体１７に向き合い、感光体の上にカ
ラートナを供給する。

【００２３】

【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
ワンショットカラー方式のカラー画像形成装置は、画像
形成に寄与しないカラートナーを回収して再び用いるの
で、無駄にするカラートナーの量が非常に減少し、ラン
ニングコストが安くなる。また、トナー塗布器の中に設
けた現像剤収納部には、各カラートナーの比率を検出す
る割合検出器を備えているので、回収したトナーを混合
して色バランスが崩れることがない。

【００２４】更に、本発明のカラー画像形成装置は、上
記の構成を大きな装置にすることなく設置できるので、
ワンショットカラー方式の特徴の一つである小型である
特徴を保持できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるカラー画像形成装置の実施例の構
成図である。

【図２】本発明装置の構成要素である割合検出器の一実
施例の構成図である。

【図３】本発明によるカラー画像形成装置の実施例の構
成図である。

【符号の説明】

１ トナー塗布器 ２ 現像剤収納部 ３、４、５ トナータンク ９ 割合検出器 １７ 感光体 １８ カラートナー層 １９ 画像記録用紙 ２２ カラー露光器 ２３ トナー回収器 ２７、４０ トナー搬送パイプ ２９ クリーナー

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 それぞれ固有の波長帯の光を透過する複
   数色のカラートナーを現像剤収納部に収納して混合し、
   感光体の表面に混合されたカラートナーの層を形成し、
   前記カラートナーの層をカラー画像データに従って露光
   し、前記感光体上に画像の静電潜像を形成し、該静電潜
   像に応じて感光体上のカラートナーを記録部材上に転写
   してカラー画像を得るカラー画像形成装置において、 前記感光体上からカラー画像形成に寄与しない感光体上
   のカラートナーを露光し、カラー画像形成に寄与しない
   カラートナーを回収し、その後、感光体上のカラー画像
   形成に寄与するカラートナーを露光し、感光体上に画像
   の静電潜像を形成し、前記静電潜像に応じて感光体上の
   カラートナーを記録部材上に転写してカラー画像を得る
   ことを特徴とするカラー画像形成装置。
2. 【請求項２】 前記回収されたカラートナーを前記現像
   剤収納部に移送する移送手段を備えたことを特徴とする
   請求項１に記載のカラー画像形成装置。
3. 【請求項３】 現像剤収納部は回収されたカラートナー
   の移送する移送手段とカラートナーの補給する補給手段
   に連結し、複数色のカラートナーの割合を調整する手段
   を有する第一の収納室と、該第一の収納室からカラート
   ナーを取り込み、一定量のカラートナーを蓄えるととも
   に、感光体へのカラートナーの供給口を有する第二の収
   納室とを備えたことを特徴とする請求項１記載のカラー
   画像形成装置。