JP2001074497A - 静電容量センサ装置及び電動式パワーウインドウ装置の安全装置 - Google Patents

静電容量センサ装置及び電動式パワーウインドウ装置の安全装置

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JP2001074497A
JP2001074497A JP25119699A JP25119699A JP2001074497A JP 2001074497 A JP2001074497 A JP 2001074497A JP 25119699 A JP25119699 A JP 25119699A JP 25119699 A JP25119699 A JP 25119699A JP 2001074497 A JP2001074497 A JP 2001074497A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経年変化や環境変化の影響により、検出感度
が劣化する可能性がある。 【解決手段】 電極近傍空間の静電特性の変化を、第1
及び第2の可変遅延回路における相対的な出力位相の変
化として検出する位相遅延型の静電容量センサ装置にお
いて、電気的制御信号によって可変抵抗手段の可変端子
の抵抗タップ位置を制御可能とし、制御回路によって、
第1及び第2の可変遅延回路を構成する積分回路の積分
時間を制御可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動式パワーウイ
ンドウ装置の安全装置(人体等挟み込み防止装置)に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】電動式パワーウインドウ装置の安全装置
は、ウインドウガラスの閉動作時における指や腕、頭等
の人体の一部がウインドウ枠(ウインドウ枠のない、い
わゆるサッシュレスドアの車両においては全閉時のウイ
ンドウ上縁部に近接の車室内ルーフ部)とウインドウガ
ラスとの間に挟まれる事故を防止する挟み込み防止機能
の実現を目的とするもので、これまで種々の方式が開示
されている。
【0003】これら開示されている方式を原理的に大別
すると、 パワーウインドウモータの駆動電流をモニタし、挟み
込み発生時の電流波形の異常(正常動作域での過負荷電
流の発生)を検出して該モータの作動をキャンセルする
タイプ パワーウインドウモータの回転状態をパルス列として
モニタし、挟み込み発生時の回転パルスの異常(正常動
作域でのパルス列の異常の発生)を検出して該モータの
作動をキャンセルするタイプ ウインドウガラスの上縁部に接するウインドウ枠のガ
ラスランチャンネル部分にタッチセンサを設け、ウイン
ドウガラスの閉動作時に指や腕、頭等の人体の一部が挟
まれたことをタッチセンサが検出して該モータの作動を
キャンセルするタイプ ウインドウガラスの上縁部にタッチセンサを設け、ウ
インドウガラスの閉動作時に指や腕、頭等の人体の一部
がタッチセンサに触れたことを検出して該モータの作動
をキャンセルするタイプ等がある。
【0004】具体的な開示例としては、前記のタイプ
には特開平6−335284号公報、前記のタイプに
は特開平5−321530号公報、前記のタイプには
実開昭61−104221号公報、前記のタイプには
特開昭60−119883号公報等がある。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、従来構
造の安全装置のうち、とのタイプはいずれも指や
腕、頭等の人体の一部がウインドウ枠とウインドウガラ
スとの間に実際に挟まれてパワーウインドウモータが少
なからず過負荷状態になってから狭圧されるのを防止す
るものであり、安全制御を行うタイミングをいかに速く
したところで該モータを差動させるリレーの動作ディレ
イ、該モータのイナーシャ、該モータ出力の電源電圧依
存性等、除去できない応答遅れがあるため、挟まれた人
に苦痛や不快感を与えることは避けられず、安全装置と
してその目的を完全に達成することは困難と言わざるを
得なかった。
【0006】加えて、このとのタイプを大量生産の
各種の車に適用しようとすると、車種によりウインドウ
の大きさ、建付けの違い等から該モータへの負荷条件が
同じでないため、車種ごとに安全制御の条件出し設計と
実機による評価又はシミュレーションが必要で、開発に
多大な労力が必要であった。
【0007】また、のタイプは、ウインドウ枠に配置
されたタッチセンサに接触したことをもって安全制御を
行うものであり、タッチセンサへの接触が実際に挟まれ
ての接触とすると、サイドバイザが設けられている場合
には、挟まれている部位がウインドウ枠のタッチセンサ
に接触する前に該サイドバイザに強く挟まれてしまい、
やのタイプと同様、安全動作が機能する前に挟まれ
た人に苦痛を与えるおそれがあり、安全装置としては必
ずしも十分なものでなかった。
【0008】特に、のタイプの開示例の場合には、ガ
ラスランの内部に導電材を埋め込んで静電容量型センサ
を構成し、人体等の接触を該センサが検出して該モータ
の作動をキャンセルする構造であり、ガラスランの構造
が複雑で、コストの掛かるものであると共に、ここで開
示されている該静電容量型センサは容量検出用発信器と
基本周波数発信器の2つの発信器の周波数の差を検出す
る構造のため、2つの発信器の発信周波数のバラツキや
温度特性の違い及び経年変化によるガラスランの材質変
化やひび割れによる静電容量のドリフト等が発生し、動
作の安定性に掛けるものであった。
【0009】また、のタイプは、ウインドウガラスの
上縁部に設置されたタッチセンサに接触したことをもっ
て安全制御を行うものであり、前記、及びのタイ
プに比べて安全装置としては好適である。しかしなが
ら、該タッチセンサはウインドウガラスの上縁部に電極
を焼き付け、その上に加圧導電ゴムを配置し、更にこれ
らを透明シリコンゴムで封止コーティングする構造であ
り、センサのウインドウガラスへの加工が必要でその形
成が複雑であると共に、センサ出力の取り出しにもガラ
スコーティング配線が必要とされる。
【0010】さらに、のタイプは、タッチセンサの検
出エリアをウインドウガラスの挟み込みが予想される上
縁部全領域に対応させるには該タッチセンサをウインド
ウガラスの上縁部にそって複数配置する必要がある等、
コストのかかるものでもあった。
【0011】本発明は、かかる技術上の課題を考慮して
なされたもので、ウインドウガラスの閉動作中に、ウイ
ンドウ枠(ウインドウ枠のない、いわゆるサッシュレス
ドアの車両においては全閉時のウインドウ上縁部に近接
の車室内ルーフ部)近傍に又はドアウインドウガラス自
体に人体等導電性のある物体の接近を検出した場合に
は、非接触のうちに(実際に挟まれる前に)パワーウイ
ンドウモータの作動をキャンセルして挟み込みの発生を
未然に防止できる、安価で、安定で、高感度で、大量生
産が可能な、全ての車種に一様に適用できる安全装置の
実現を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】(A)かかる課題を解決
するため、請求項1に記載の発明にあっては、電極近傍
空間の静電特性の変化を電気信号の位相変化として検出
する位相遅延型の静電容量センサ装置において、以下の
手段を備えるようにする。すなわち、(1) 観測領域近傍
に配置される2対の電極と、(2) 基準パルスを発生する
パルス発生回路と、(3) 基準パルスを入力する可変端子
の抵抗タップ位置が、電気的制御信号の印加によってア
ナログ的又はデジタル的に変位可能であり、当該可変端
子に入力された基準パルスを2つの固定端子へ分岐して
出力する可変抵抗手段と、(4) 2対の電極のうち接続さ
れる1対の電極と、可変抵抗手段の2つの固定端子のう
ちの1つであって、接続される固定端子と可変端子との
間の抵抗分とで構成される積分回路によってパルス発生
回路で発生された基準パルスを積分し、位相遅れタイミ
ングパルスを出力する第1及び第2の可変遅延回路と、
(5) 第1及び第2の可変遅延回路から出力される位相遅
れタイミングパルスの位相関係の相対的変化を弁別する
位相弁別回路と、(6) 可変抵抗手段の可変端子の抵抗タ
ップ位置を制御する電気的制御信号を出力する制御手段
とを備えるようにする。このように、請求項1に記載の
発明においては、電気的制御信号によって可変抵抗手段
の可変端子の抵抗タップ位置を制御可能とし、制御回路
によって、第1及び第2の可変遅延回路を構成する積分
回路(1対の電極と固定端子と可変端子との間の抵抗分
とで構成される。)の積分時間(容量値と抵抗値とで定
まる。)を制御可能な構成としたことにより、経年変化
や環境変化の影響によらず常に、第1及び第2の可変遅
延回路の相対的な位相関係を最適な状態に維持すること
ができる。かくして、一対の電極近傍空間に生じる静電
特性の変化を常に一定の検出感度にて検出できる。
【0013】(B)また、請求項2に記載の発明にあっ
ては、電極近傍空間の静電特性の変化を電気信号の位相
変化として検出する位相遅延型の静電容量センサ装置に
おいて、以下の手段を備えるようにする。すなわち、
(1) 観測領域近傍に配置される2対の電極と、(2) 基準
パルスを発生するパルス発生回路と、(3) 基準パルスを
分周して出力する分周回路と、(4)分周回路より分周出
力を入力する可変端子の抵抗タップ位置が、電気的制御
信号の印加によってアナログ的又はデジタル的に変位可
能であり、当該可変端子に入力された基準パルスを2つ
の固定端子へ分岐して出力する可変抵抗手段と、(5)分
周回路の分周過程で発生する中間パルスを入力とし、当
該中間パルスを基にスイッチ制御信号を生成するスイッ
チ制御回路と、(6) スイッチ制御信号を基にスイッチ素
子を高頻度で接断し、分周回路より入力される分周出力
の後段回路への印加を制御する第1及び第2のスイッチ
回路と、(7) 2対の電極のうち接続される1対の電極
と、第1又は第2のスイッチ回路を介して接続される可
変抵抗手段の2つの固定端子のうちの1つであって、接
続される固定端子と可変端子との間の抵抗分とで構成さ
れる積分回路によってパルス発生回路で発生された基準
パルスを積分し、位相遅れタイミングパルスを出力する
第1及び第2の可変遅延回路と、(8) 第1及び第2の可
変遅延回路から出力される位相遅れタイミングパルスの
位相関係の相対的変化を弁別する位相弁別回路と、(9)
可変抵抗手段の可変端子の抵抗タップ位置を制御する電
気的制御信号を出力する制御手段とを備えるようにす
る。このように、請求項2に記載の発明においては、電
気的制御信号によって可変抵抗手段の可変端子の抵抗タ
ップ位置を制御可能とし、制御回路によって、第1及び
第2の可変遅延回路を構成する積分回路(1対の電極と
固定端子と可変端子との間の抵抗分とで構成される。)
の積分時間(容量値と抵抗値とで定まる。)を制御可能
な構成としたことにより、経年変化や環境変化の影響に
よらず常に、第1及び第2の可変遅延回路の相対的な位
相関係を最適な状態に維持することができるのに加え、
第1及び第2の可変遅延回路への分周出力の印加を第1
及び第2のスイッチ回路によって高頻度で接断できるよ
うにしたことにより、積分時間に要する時間を数倍に拡
大でき、その分、検出感度を向上させることができる。
かくして、一対の電極近傍空間に生じる静電特性の変化
を常に高い検出感度にて検出できる。
【0014】(C)なお、請求項1又は2に記載の発明
における制御手段は、第1及び第2の可変遅延回路から
出力される各位相遅れタイミングパルスを入力し、その
遅延時間差に基づいて可変抵抗手段の可変端子の抵抗タ
ップ位置を切り替え制御するものであることが望まし
い。
【0015】(D)また、請求項3に記載の発明におけ
る制御手段は、遅延時間差を一定時間毎計測し、当該遅
延時間差が目標範囲に入るようにフィードバック制御す
るものであることが更に望ましい。
【0016】(E)また、請求項4に記載の発明におけ
る制御手段は、遅延時間差の目標範囲に対する隔たりが
大きい場合、可変抵抗手段に指示する抵抗タップ位置の
変移量を大きくし、遅延時間差の目標範囲に対する隔た
りが小さい場合、可変抵抗手段に指示する抵抗タップ位
置の変移量を小さくするものであることが更に望まし
い。
【0017】(F)また、請求項6に記載の発明にあっ
ては、電極近傍空間の静電特性の変化を電気信号の位相
変化として検出する位相遅延型の静電容量センサ装置に
おいて、以下の手段を備えるようにする。すなわち、
(1) 観測領域近傍に配置される2対の電極と、(2) 基準
パルスを発生するパルス発生回路と、(3) 基準パルスを
分周して出力する分周回路と、(4)分周回路の分周過程
で発生する中間パルスを入力とし、当該中間パルスを基
にスイッチ制御信号を生成するスイッチ制御回路と、
(5) スイッチ制御信号を基にスイッチ素子を高頻度で接
断し、分周回路より入力される分周出力の後段回路への
印加を制御する第1及び第2のスイッチ回路と、(6) 2
対の電極のうち接続される1対の電極と、第1及び第2
のスイッチ回路のうち対応する出力に接続される抵抗分
とで構成される積分回路によって前記分周回路で発生さ
れた分周パルスを積分し、位相遅れタイミングパルスを
出力する第1及び第2の可変遅延回路と、(7) 第1及び
第2の可変遅延回路から出力される位相遅れタイミング
パルスの位相関係の相対的変化を弁別する位相弁別回路
とを備えるようにする。このように、請求項6に記載の
発明においては、第1及び第2の可変遅延回路への分周
出力の印加を第1及び第2のスイッチ回路によって高頻
度で接断できるようにしたことにより、積分時間に要す
る時間を数倍に拡大でき、その分、検出感度を向上させ
ることができる。かくして、一対の電極近傍空間に生じ
る静電特性の変化を常に高い検出感度にて検出できる。
【0018】(G)また、請求項7に記載の発明におい
ては、電気的にウインドウガラスを開閉駆動する電動式
パワーウインドウ装置に搭載され、前記ウインドウガラ
ス閉動作時における異物の挟み込みを防止する安全装置
において、請求項1〜6のいずれかに記載の静電容量セ
ンサ装置を検知手段として備えるようにする。かかる構
成とすることにより、検出感度が高く信頼性に優れた安
全性の高い電動式パワーウインドウ装置の安全装置を実
現できる。
【0019】
【発明の実施の形態】(A)電動式パワーウインドウ装
置の全体構成 以下、本発明に係るパワーウインドウ装置の安全装置の
実施形態例を、図面を参照しつつ説明する。まず、当該
安全装置を備える電動式パワーウインドウ装置の機能ブ
ロック構成を、図2を用いて説明する。
【0020】図2に示すように、電動式パワーウインド
ウ装置は、位相遅延型静電容量センサ1と、制御回路2
と、パワーウインドウ・スイッチ(SW)操作部3と、
パワーウインドウ駆動回路4と、モータ5とで構成され
る。
【0021】このうち、位相遅延型静電容量センサ1
は、対をなす複数の容量センサの出力位相の関係を基に
容量センサ近傍に生じた静電特性を変化させる事象(水
や人体等の比誘電率の大きな物体の接近)を検出するた
めの手段であり、本願明細書において提案する安全装置
の中核をなす部分である。なお、当該位相遅延型静電容
量センサ1の詳細については後述する。
【0022】制御回路2は、位相遅延型静電容量センサ
1の出力とパワーウインドウSW層サブ3の出力に基づ
いて、パワーウインドウの開閉動作を制御するための手
段であり、前述の位相遅延型静電容量センサ1との協調
動作により安全装置を構成する。制御回路2は、位相遅
延型静電容量センサ1の出力から挟み込み等の事象の発
生を検出した場合、閉動作のキャンセル(停止)の他、
回避動作(モータ5の所定量だけ逆回転させる動作)を
実行する。もっとも、かかる安全装置としての回避動作
については、既に様々な動作が考えられているためそれ
らを用いることが可能である。
【0023】パワーウインドウSW操作部3は、ユーザ
がパワーウインドウに求める動作(オートアップ、オー
トダウンなど)をその操作に応じて受け付ける入力手段
である。パワーウインドウ駆動回路4は、制御回路2か
らの制御信号に応じてモータに与える電流を制御する手
段である。モータ5は、実際にパワーウインドウを駆動
するの必要な外力を与える動力源である。
【0024】(B)安全装置の第1の実施形態例 以下、位相遅延型静電容量センサ1と制御回路2で構成
される安全装置の第1の実施形態例を説明する。
【0025】(B−1)安全装置の構成 図1に、第1の実施形態に係る安全装置の機能ブロック
構成例を示す。本実施形態に係る安全装置は、容量セン
サ11、12と、パルス発生回路13と、遅延量調整回
路14、15と、可変遅延回路16、17、18、19
と、位相弁別回路20、21と、切替制御回路22と、
切替回路23、24と、制御回路2とで構成される。
【0026】(a)容量センサ11、12 容量センサ11、12は、パワーウインドウの閉動作時
における比誘電率の高い物体(人体等)の挟み込みのお
それを静電容量の変化として検出するための手段であ
り、具体的には一対のセンサ電極が対向するように配置
されたコンデンサからなる。図3及び図4は、この容量
センサ11、12のパワーウインドウへの取り付け例を
表している。
【0027】ここで、図3は、導電性フィルム状に形成
した一対のセンサ電極をウインドウ枠上縁部に沿うよう
に貼り付けた例である。図では、ウインドウ枠上縁部を
2つの領域に分割し、その前部に可変容量センサ11を
後部に可変容量センサ12を配している。また、図4
は、透明な導電性フィルム状に形成した一対のセンサ電
極をウインドウガラスの上縁部に沿うように貼り付けた
例である。図では、ウインドウガラスの上縁部を2つの
領域に分割し、その前部に可変容量センサ11を後部に
可変容量センサ12を配している。なお、図3及び図4
ともに、センサ電極11及び12の前後の相対的な位置
関係は入れ替わっていても良い。
【0028】(b)パルス発生回路13 パルス発生回路13は、可変容量センサ11及び12間
で生じた相対的な静電容量の変化を電気的に検出するの
に必要なパルスを発生するための手段である。具体的に
は、図5及び図6に示すように、シュミットインバータ
13A、抵抗13B、コンデンサ13Cを発振回路を構
成するように接続してなる。なお、図5は図1に対応す
る具体的な回路図であり、図6は遅延量調整回路14、
15の具体的な回路構成を表した概略構成図である。
【0029】(c)遅延量調整回路14、15 遅延量調整回路14及び15は、敏感な検出感度の作り
込みと、その検出感度の経年変化や環境変化(温度、湿
度等)の自動調整(トリミング)とを可能とするために
設ける手段である。具体的には、図6に示すように、抵
抗の可変端子の位置が制御信号の印加に応じてステップ
的に変位する多段階制御型の電子ボリューム14A、1
5Aによって構成される。
【0030】電子ボリウム14A、15Aは、2本の固
定端子(−)及び(+)と1本の可変端子の他に電気信
号により抵抗分割位置を変移させる2本の制御端子(+
/−方向制御端子14B、15Bとステップ変移端子1
4C、15C)とから構成されており、マイクロコンピ
ュータでなる制御回路2から与えられる制御信号に基づ
いて、対応する可変遅延回路16、17又は18、19
への抵抗値の配分を変更できるようになっている。
【0031】なお、この実施形態では、電子ボリューム
14A、15Aとして可変端子の位置が制御信号の印加
に応じてステップ的(ディジタル的)に変移するものを
用いるが、アナログ的に変移するものを適用することも
できる。
【0032】(d)制御回路2 制御回路2は、検出感度の調整制御を行うマイクロコン
ピュータで補正処理を実行するためのプログラムメモ
リ、データメモリ、タイマ、カウンタ等を内蔵してな
り、各部と以下の信号線a〜fで接続されている。
【0033】信号線aは、可変遅延回路4、5の遅延動
作のスタートタイミングを制御回路2に知らせるための
信号線(以下「asig」という。)である。この信号
線aを介してパルス発生回路13の出力が与えられる。
信号線bは、可変遅延回路16及び18における各遅延
出力のタイミングを制御回路2に知らせるための信号線
(以下「bsig」とう。)である。信号線cは、可変
遅延回路17及び19における各遅延出力のタイミング
を制御回路2に知らせるための信号線(以下「csi
g」という。)である。信号線dは、位相弁別回路20
及び21の各検出出力を制御回路2に知らせるための信
号線である。
【0034】信号線e及びfは、感度を常に一定に保つ
ための調整信号を遅延調整回路14及び15に与えるた
めの出力制御線である。因みに、信号線eは、遅延調整
回路14及び15内の電子ボリウム14A及び15Aの
変移方向を指定する出力制御線(+/−)であり、制御
回路2からの出力が「H」レベルのとき(+)方向への
変移を、「L」レベルのとき(−)方向への変移を指定
する。また、信号線fは、電子ボリウム14A及び15
Aのステップ変移量を制御する出力制御線(inc)で
あり、1発のパルス信号の出力毎に信号線eで指定した
方向に1ステップ変移する。従って、2ステップ移動の
場合は、2発のパルス信号を連続出力する。
【0035】(e)可変遅延回路16、17、18、1
9 可変遅延回路16、17は、可変容量センサ12への比
誘電率の高い物体(人体等)の接近を検出するための回
路であり、可変遅延回路18及び19は、可変容量セン
サ11への比誘電率の高い物体(人体等)の接近を検出
するための回路である。
【0036】ここで、可変遅延回路16、17は、積分
回路(可変容量センサ11、12と、抵抗16A、17
A及び調整量調整回路14で割り当てられた抵抗分とか
らなる)と、シュミットインバータ16B、17Bとで
構成されており、可変容量センサ11及び12における
静電容量値に応じた量だけパルス発生回路13の出力パ
ルスを遅延し出力する。
【0037】一方、可変遅延回路18、19は、積分回
路(可変容量センサ12、11と、抵抗18A、19A
及び調整量調整回路15で割り当てられた抵抗分とから
なる)と、シュミットインバータ18B、19Bとで構
成されており、可変容量センサ11及び12における静
電容量値に応じた量だけパルス発生回路13の出力パル
スを遅延し出力する。
【0038】なお、可変遅延回路16、18の積分時間
(遅延量)は、それぞれ対応する可変遅延回路16、1
9の積分時間(遅延量)に対してわずかに大きく設定さ
れている。これは比誘電率の高い物体(人体等)の可変
容量センサ11又は12への接近によって、接近された
可変容量センサに接続される可変遅延回路の積分時間
(遅延量)の大きくなり、対をなす可変遅延回路の出力
パルス間で位相関係の逆転が生じるのを比誘電率の高い
物体(人体等)の接近として検出するためである。
【0039】従って、検出感度を高くするには、対をな
す可変遅延回路16及び17間並びに18及び19間で
の通常状態における積分時間(遅延量)の大小関係(可
変遅延回路16の積分時間>可変遅延回路17の積分時
間、かつ可変遅延回路18の積分時間>可変遅延回路1
9の積分時間)を維持しつつ、積分時間(遅延量)がで
きる限り近接していることが求められる。
【0040】また、経年変化や環境変化による部品特性
や定数のドリフトによる検出感度の低下や誤検出のおそ
れをなくすためには、どのような環境下でも上述の条件
が満たされる必要がある。
【0041】そのため、本実施形態においては、遅延量
調整回路14及び15によって対をなす可変遅延回路1
6、17及び18及び19に割り当てる抵抗分を個別に
自動調整する構成を採用している。
【0042】(f)位相弁別回路20、21 位相弁別回路20、21は、対をなす可変遅延回路間
(16及び17間、18及び19間)での出力パルスの
位相関係を弁別するための手段である。位相弁別回路2
0は、可変遅延回路17の出力パルスの位相が可変遅延
回路16の出力パルスの位相に比べて遅くなる場合、す
なわち、可変容量センサ12への比誘電率の高い物体
(人体等)の接近による位相関係の逆転検出時、「H」
レベルの出力dを出力する。一方、位相弁別回路21
は、可変遅延回路19の出力パルスの位相が可変遅延回
路18の出力パルスの位相に比べて遅くなる場合、すな
わち、可変容量センサ11への比誘電率の高い物体(人
体等)の接近による位相関係の逆転検出時、「H」レベ
ルの出力dを出力する。
【0043】なお、位相弁別回路20、21は、可変遅
延回路16、18の出力パルスをD入力、可変遅延回路
17、19からの出力パルスをクロック入力とするD型
フリップフロップ20A、21Aと、ノイズ除去回路
(抵抗20B、21B、コンデンサ20C、21C、シ
ュミットトリガ20D、21D)と、出力バッファ回路
(トランジスタ20E、21E、抵抗20F、21F)
とで構成される。
【0044】(g)切替制御回路22 切替制御回路22は、可変容量センサ11、12を、対
をなす可変遅延回路16、17又は可変遅延回路19、
18に交互に接続するための手段である。ここで、切替
制御回路22は、パルス発生回路13の出力パルスを1
/2分周する1/2分周回路22Aと、その反転出力を
生成するインバータとで構成される。
【0045】なお、切替制御回路22には、1/2分周
回路22Aの出力が「H」レベルであり、かつ、パルス
発生回路13の出力パルスが「L」レベルである場合、
可変容量センサ11、12に蓄積された電荷を放電さ
せ、可変遅延回路18、19による次の検出動作に入る
ための準備をするインバータと、1/2分周回路22A
の出力が「L」レベルであり、かつ、パルス発生回路1
3の出力パルスが「L」レベルである場合、可変容量セ
ンサ11、12に蓄積された電荷を放電させ、可変遅延
回路16、17による次の検出動作に入るための準備を
するインバータも設けられている。
【0046】(h)切替回路23、24 切替回路23、24は、切替制御回路22から与えられ
る制御信号に応じて可変容量センサ11、12を接続す
る可変遅延回路の組(16、17又は18、19)を切
り替えるための手段である。この切替回路23、24
は、接続中点に可変容量センサ11、12がそれぞれ接
続されてなる一対のアナログスイッチ23A、23B、
24A、24Bでなる。
【0047】ここで、アナログスイッチ23A、24A
は、切替制御回路22の出力が「H」レベルのとき閉動
作し、切替制御回路22の出力が「L」レベルのとき開
動作する。一方、アナログスイッチ23B、24Bは、
切替制御回路22の出力が「H」レベルのとき開動作
し、切替制御回路22の出力が「L」レベルのとき閉動
作する。
【0048】(B−2)安全装置の動作 続いて、本実施形態に係る安全装置の動作を、各状態ご
と場合分けして説明する。
【0049】(a)通常時の動作 まず、図7及び図8を用い、容量センサ11及び12の
いずれの近傍にも比誘電率の高い物体が存在しない場合
の動作を説明する。なお、対をなす可変遅延回路16、
18間における積分時間(遅延量)は遅延量調整回路1
4によって適切な状態に調整されているものとする。同
様に、対をなす可変遅延回路18、19間における積分
時間(遅延量)も遅延量調整回路15によって適切な状
態に調整されているものとする。
【0050】さて、パルス発生回路13において発生さ
れた出力パルスS1は、遅延量調整回路14、15及び
切替制御回路22に与えられる。このうち、切替制御回
路22に与えられた出力パルスS1は1/2分周され、
切替制御信号S2として切替回路23、24に与えられ
る。
【0051】ここで、出力パルスS1の立ち上がりタイ
ミングで図7及び図8に示すように切替制御回路22の
切替制御信号S2が「H」レベルの期間、切替回路2
3、24のアナログスイッチ23A、24Aが閉動作
し、容量センサ11、12を可変遅延回路16、17に
接続する。
【0052】このとき、出力パルスS1が「H」レベル
である間、図7(C)、(D)や図8(C)、(D)に
示すように、各遅延回路の出力S3、S4は積分時間
(遅延量)に応じた波形で立ち上がる。
【0053】なお、可変遅延回路16の積分時間(遅延
量)は、可変遅延回路17の積分時間(遅延量)に対し
て大きく設定されているので、可変遅延回路16側の遅
延回路の出力S3の立ち上がり位相は、可変遅延回路1
7側の遅延回路の出力S4の立ち上がり位相に比べ僅か
ながら遅れる。
【0054】このため、図7(G)、(H)に示すよう
に、可変遅延回路16側のシュミットトリガ16Bの出
力S7は、可変遅延回路17側のシュミットトリガ17
Bの出力S8に比べ位相が僅かながら遅れることにな
る。これら2つの出力S7、S8は、ともに位相弁別回
路20に与えられる。ここで、出力S7はD型フリップ
フロップ20AのD入力端子に、出力S8はD型フリッ
プフロップ20Aのクロック入力端子に与えられる。
【0055】ここで、クロック入力端子に与えられる出
力S8が立ち上がるタイミングは、前述のように、出力
S7が立ち上がるタイミングよりも前であるため、位相
弁別回路20からは「L」レベルの出力S11が制御回
路2に出力される。
【0056】次に、切替制御信号S2が「H」レベルの
まま出力パルスS1が「L」レベルに立ち下がると、切
替制御回路22は、インバータ回路を用いて容量センサ
11、12に蓄積された電荷を放電制御し、可変遅延回
路18、19による次の検出動作に移るための準備状態
に入る。
【0057】かかる後、出力パルスS1が再び立ち上が
ると、今度は、切替制御信号S2が「L」レベルに切り
替わり、容量センサ11、12を可変遅延回路19、1
8に接続する状態に切り替わる。このとき、アナログス
イッチ23B、24Bが閉動作する。
【0058】そして今度は、出力パルスS1が「L」レ
ベルである間、図7(E)、(F)や図8(E)、
(F)に示すように、各遅延回路の出力S5、S6は積
分時間(遅延量)に応じた波形で立ち上がる。
【0059】勿論、可変遅延回路18の積分時間(遅延
量)は、可変遅延回路19の積分時間(遅延量)に対し
て大きく設定されているので、可変遅延回路18側の遅
延回路の出力S5の立ち上がり位相は、可変遅延回路1
9側の遅延回路の出力S6の立ち上がり位相に比べ僅か
ながら遅れる。
【0060】このため、可変遅延回路18側のシュミッ
トトリガ18Bの出力S9は、可変遅延回路19側のシ
ュミットトリガ19Bの出力S10に比べ位相が僅かな
がら遅れることになる。これら2つの出力S9、S10
は、ともに位相弁別回路21に与えられる。ここで、出
力S9はD型フリップフロップ21AのD入力端子に、
出力S10はD型フリップフロップ21Aのクロック入
力端子に与えられる。
【0061】ここで、クロック入力端子に与えられる出
力S10が立ち上がるタイミングは、前述のように、出
力S9が立ち上がるタイミングよりも前であるため、位
相弁別回路21からはやはり「L」レベルの出力S12
が制御回路2に出力される。
【0062】このように、位相弁別回路20及び21の
出力S11、S12が共に「L」レベルとなるのが、通
常動作時であり、この入力結果を基に制御回路2は、比
誘電率の高い物体がパワーウインドウガラス上縁付近又
はウインドウ枠の上縁付近に存在しないことを確認す
る。
【0063】なお、切替制御信号S2が「L」レベルの
まま出力パルスS1が「L」レベルに立ち下がると、切
替制御回路22は、インバータ回路を用いて容量センサ
11、12に蓄積された電荷を放電制御し、可変遅延回
路16、17による次の検出動作に移るための準備状態
に入る。
【0064】(b)容量センサ12の近傍に比誘電率の
高い物体が接近した時の動作 続いて、容量センサ12の近傍に比誘電率の高い物体が
接近した時の動作を、図7を用いて説明する。なお、当
該場合の動作は、図7のうち右半分部分の信号波形が相
当する。また、この場合も基本的な動作については通常
動作時と同様であり、切替制御信号S2によって容量セ
ンサ11、12に接続される可変遅延回路の対が交番で
切り替えられ、それぞれ出力パルスS1が「H」レベル
のときに位相関係の検出が行われる。
【0065】違いは、比誘電率の高い物体が接近したこ
とによって容量センサ12の静電容量が大きくなり、可
変遅延回路17側の積分時間(遅延量)と可変遅延回路
16側の積分時間(遅延量)との間に逆転現象が生じる
ことである。すなわち、図7(C)、(D)のようにな
る。
【0066】この結果、図7(G)、(H)に示すよう
に、可変遅延回路17側のシュミットトリガ17Bの出
力S8は、可変遅延回路16側のシュミットトリガ16
Bの出力S7に比べ位相が僅かながら遅れることにな
り、クロック入力端子に与えられる出力S8が立ち上が
りタイミングで、先に立ち上がった出力S7がラッチさ
れ、位相弁別回路20からは「H」レベルの出力S11
が制御回路2に出力される状態になる。
【0067】一方、可変遅延回路18側の積分時間(遅
延量)と可変遅延回路19側の積分時間(遅延量)との
関係については、容量センサ12が可変遅延回路18側
に接続されているため、むしろ積分時間(遅延量)の差
は拡大する。すなわち、図7(E)、(F)のようにな
る。従って、位相弁別回路21からは、通常動作時と同
様、「L」レベルの出力S12が制御回路2に出力され
る状態になる。
【0068】このように、位相弁別回路20の出力S1
1が「H」レベルであり、かつ、位相弁別回路21の出
力S12が「L」レベルのとき、制御回路2は、パワー
ウインドウガラス上縁付近又はウインドウ枠の上縁付近
のうち容量センサ12の近傍に比誘電率の高い物体が存
在することを確認する。なお、制御回路2は、当該確認
の後、当該物体の挟み込み回避をパワーウインドウ駆動
回路4に命じることになる。
【0069】(c)容量センサ11の近傍に比誘電率の
高い物体が接近した時の動作 一方、容量センサ11の近傍に比誘電率の高い物体が接
近した時の動作を、図8を用いて説明する。なお、当該
場合の動作は、図8のうち右半分部分の信号波形が相当
する。また、この場合も基本的な動作については通常動
作時と同様である。
【0070】違いは、比誘電率の高い物体が接近したこ
とによって容量センサ11の静電容量が大きくなり、可
変遅延回路19側の積分時間(遅延量)と可変遅延回路
18側の積分時間(遅延量)との間に逆転現象が生じる
ことである。すなわち、図7(E)、(F)のようにな
る。
【0071】この結果、図7(I)、(J)に示すよう
に、可変遅延回路19側のシュミットトリガ19Bの出
力S10は、可変遅延回路18側のシュミットトリガ1
8Bの出力S9に比べ位相が僅かながら遅れることにな
り、クロック入力端子に与えられる出力S10が立ち上
がりタイミングで、先に立ち上がった出力S9がラッチ
され、位相弁別回路21からは「H」レベルの出力S1
2が制御回路2に出力される状態になる。
【0072】一方、可変遅延回路16側の積分時間(遅
延量)と可変遅延回路17側の積分時間(遅延量)との
関係については、容量センサ11が可変遅延回路16側
に接続されているため、むしろ積分時間(遅延量)の差
は拡大する。すなわち、図7(C)、(D)のようにな
る。従って、位相弁別回路20からは、通常動作時と同
様、「L」レベルの出力S11が制御回路2に出力され
る状態になる。
【0073】このように、位相弁別回路20の出力S1
1が「L」レベルであり、かつ、位相弁別回路21の出
力S12が「H」レベルのとき、制御回路2は、パワー
ウインドウガラス上縁付近又はウインドウ枠の上縁付近
のうち容量センサ11の近傍に比誘電率の高い物体が存
在することを確認する。なお、制御回路2は、当該確認
の後、当該物体の挟み込み回避をパワーウインドウ駆動
回路4に命じることになる。
【0074】なお、位相弁別回路20及び21の出力S
11、S12が共に「H」レベルのとき、制御回路2
は、比誘電率の高い物体がパワーウインドウガラス上縁
付近又はウインドウ枠の上縁付近に存在するとして、や
はり当該物体の挟み込み回避をパワーウインドウ駆動回
路4に命じることになる。
【0075】(d)自動調整(トリミング)動作 以上が、対をなす可変遅延回路16、17間及び可変遅
延回路18、19間における積分時間(遅延量)が適切
な状態に保たれている場合の動作内容である。しかし、
製造直後やセッティング直後における可変遅延回路1
6、17間及び可変遅延回路18、19間の相対的な積
分時間(遅延量)は、部品定数のバラツキ等の影響で最
適な状態になっていない。このため、従来は、一台一台
個別に相対的な積分時間(遅延量)を調整(トリミン
グ)する必要があった。
【0076】また、当初は最適な状態に調整されていて
も、部品には経年変化や環境変化(温度、湿度等)の影
響があり、安全装置を構成する部品の特性や定数がドリ
フトして相対的な積分時間(遅延量)の関係が変化して
しまう。この結果、検出感度が低下するおそれが生じ
る。
【0077】そこで、本実施形態における安全装置で
は、位相遅延型静電容量センサ1に生じる相対的な積分
時間(遅延量)のずれを制御回路2によって監視し、安
全装置としての動作を開始する前に自動的にずれ量の補
正を実行する。
【0078】このため、制御回路2は、パルス発生回路
13の出力パルスS1を信号線aを介して直接入力し、
当該asigの立ち上がりタイミングを検出することに
より、可変遅延回路16、17及び18、19の積分時
間(遅延量)の計測開始のスタートタイミングとする。
【0079】また、制御回路2は、可変遅延回路16、
17及び18、19の各遅延出力S7、S8及びS9、
S10を分岐して入力し、スタートタイミングからのそ
れぞれの遅延時間の差(位相差)を弁別するための検出
対象とする(bsig及びcsig)。
【0080】さらに、制御回路2は、位相弁別回路2
0、21の出力S11、S12も検出出力dとして割込
入力端子に入力(ipt)し、その割込処理の中で本来
のセンサ出力の判定処理を実行する。
【0081】以下、安全装置の自動調整(トリミング)
動作を、図9、図10に示すフローチャートに従って説
明する。なお、当該処理動作は、制御回路2にて実行さ
れる。制御回路2は、パワーオンリセット時に当該プロ
グラムを読み込んで処理を開始する。
【0082】まず、制御回路2は、ステップS1におい
て各種の設定を初期設定し、続くステップS2におい
て、電子ボリュームを予め定められている初期位置に設
定制御する。かかる設定動作後、制御回路2は、信号線
aに現れる信号波形の変化より、パルス発生回路13の
出力パルスS1が「L」から「H」に立ち上がるタイミ
ングを検出する。具体的には、ステップS3の実行時に
出力パルスS1が「L」から「H」に立ち上がるかの判
定を行う。
【0083】ここで、制御回路2は、肯定結果が得られ
た場合、ステップS4に進んで遅延タイマをスタートさ
せる。これに対し、制御回路2は、否定結果が得られた
場合、ステップS5に進んで信号線cに現れる信号(可
変遅延回路16及び17について相対関係を調整する場
合には可変遅延回路17の出力S8、可変遅延回路18
及び19について相対関係を調整する場合には可変遅延
回路19の出力S10)が「H」レベルか否か判定す
る。この判定は、現判定タイミングが、出力パルスS1
の立ち上がりタイミングに対して前か後かを判定するた
めに行われる。
【0084】すなわち、肯定結果が得られた場合には、
出力パルスS1の立ち上がり後であって、既に遅延タイ
マがスタートしている状態であることを判定できるのに
対し、否定結果が得られた場合には、出力パルスS1の
立ち上がり前であって、未だ遅延タイマがスタートして
いない状態であることが判定できる。
【0085】ここでは、ステップS5で否定結果が得ら
れたものとする。この場合は、未だ所定の計測タイミン
グが到来していないことを意味するので、制御回路2
は、ステップS6にて回路内に内蔵されている遅延タイ
マの値をクリアしてから前述のステップS3に戻り、前
述の動作を実行する。
【0086】さて、所定の計測タイミングが到来し(出
力パルスS1が「L」から「H」に立ち上がり)、遅延
タイマの計測が開始すると、制御回路2はステップ7に
進み、現タイミングが信号線bに現れる信号波形が
「L」から「H」に立ち上がるタイミングか否かを判定
する。
【0087】ここで、制御回路2は、肯定結果が得られ
た場合、ステップS8に進んで出力パルスS1の立ち上
がりから信号線bに現れる信号波形(可変遅延回路16
及び17について相対関係を調整する場合には可変遅延
回路16の出力S7、可変遅延回路18及び19につい
て相対関係を調整する場合には可変遅延回路18の出力
S9)が「L」から「H」に立ち上がるまでに要した遅
延時間Tabを計算する。
【0088】制御回路2は、ステップS7で否定結果を
得た場合又はステップS8の計算が終了した場合、ステ
ップS9に進み、前述ステップS7のの場合と同様に、
現タイミングが信号線cに現れる信号波形が「L」から
「H」に立ち上がるタイミングか否かを判定する。
【0089】そして、制御回路2は、肯定結果が得られ
た場合、ステップS10に進んで出力パルスS1の立ち
上がりから信号線cに現れる信号波形(可変遅延回路1
6及び17について相対関係を調整する場合には可変遅
延回路17の出力S8、可変遅延回路18及び19につ
いて相対関係を調整する場合には可変遅延回路19の出
力S10)が「L」から「H」に立ち上がるまでに要し
た遅延時間Tacを計算する。
【0090】なお、これら信号線b及びcに現れる信号
波形の立ち上がりの検出処理は、どちらが先であっても
良く、両方の遅延出力(立ち上がり)を認識するまで監
視を継続する。
【0091】上述のように、ステップS9で否定結果を
得た場合又はステップ10の計算処理を終了した場合、
制御回路2は、ステップS11に進み、信号線bの信号
レベル及び信号線cの信号レベルの両方が「H」レベル
か判定する。これは、遅延時間TabとTacの計測が
共に終了したかを判定する処理である。
【0092】ここで、制御回路2は、否定結果が得られ
た場合には、再びステップS3の処理に戻っり、遅延時
間Tab及びTacの双方が求められるまで前述の処理
を繰り返す。
【0093】やがて、ステップS11において肯定結果
が得られ、現調整対象である一対の可変調整回路16、
17又は18、19についての遅延時間Tab及びTa
cの双方が求められたことが確認されると、制御回路2
はステップS12に進んで遅延タイマをクリアした後、
各遅延時間Tab及びTacの時間差をTbcとして計
算する。なお、計算結果は、制御回路2によってデータ
メモリにセーブされる。
【0094】このように時間差Tbcが計算されると、
制御回路2は、ノイズ等の影響による当該時間差のバラ
ツキ誤差を押さえるため、ステップS14において、当
該時間差Tbcがn回計算されたか否かを判定する。そ
して、当該ステップS14で否定結果が得られる場合、
制御回路2は、再びステップS3からの処理を実行する
ための帰還ループに入るべく、ステップS16に移行
し、帰還タイミングの調整を行う。
【0095】すなわち、ステップS16にて、制御回路
2は、遅延時間Tab、Tacの計測に適したタイミン
グになるまで(出力パルスS1が「L」レベルとなるま
で)ステップS3への帰還タイミングを待機する。
【0096】やがて、n個の時間差Tbcが計算され、
ステップS14で肯定結果が得られると、制御回路2
は、ステップS15に進み、これらn個の時間差Tbc
1〜Tbcnの平均値Tbc(av)を計算する。これら
の波形関係を図11に示す。
【0097】このように、時間差の平均値Tbc(av)
が求まると、制御回路2は、計算された平均値Tbc
(av)の値に基づいて、遅延量調整回路14における遅
延時間の調整量が適切か否か、不適切な場合にはどちら
の方向にどれだけ電子ボリューム14A又は15Aを変
移すべきかを判定する。
【0098】ここでの判断の内容と電子ボリウム14A
又は15Aへの補正動作は、計算された平均値Tbc
(av)の値に応じて、下記のように分類される。なお、
この関係を図12に示す。
【0099】 Tbc(av)≦0のとき →(+)方向へ2ステップ補正 0<Tbc(av)≦目標領域下限値のとき →(+)方向へ1ステップ補正 目標領域下限値<Tbc(av)≦目標領域上限値の
とき →補正なし 目標領域上限値<Tbc(av)≦目標領域オーバ1
値のとき →(−)方向へ1ステップ補正 目標領域オーバ1値<Tbc(av)≦目標領域オーバ
2値のとき →(−)方向へ2ステップ補正
【0100】制御回路2によるかかる補正動作は、図1
2からも判るように、Tbc(av)を常に目標領域内に
保つように作用するフィードバック制御であり、しかも
1組と目標領域とのはずれ量を計算した上で、はずれ量
が大きくなるに従って迅速に目標領域内にフィードバッ
クするように、はずれ量の程度に応じてフィードバック
の強さを変えるように働く。また、制御回路2によるか
かる補正動作は、フィードバック制御のレスポンス速度
を検出対象物質の接近速度に対して十分遅くする。
【0101】なお、制御回路2は、前述の処理をステッ
プS17〜S24の処理として実行するが、当該処理を
常時行うのではなく、ステップS25の判定により、一
定時間毎定期的に実行する。以上により、実際に比誘電
率の大きな物体の接近があった場合には、当該補正制御
に影響を受けることなく、高感度にその接近を検出する
ことができる。
【0102】(B−3)実施形態例における効果 以上のように、位相遅延型静電容量センサ1の構成を上
述の構成とすることにより、位相遅延型静電容量センサ
1を構成する部品の特性のバラツキや経年変化、環境変
化等に対して人手による感度調整(トリミング)を不要
とでき、しかも安定かつ高い検出感度を有する、メイン
テナンスフリーの位相遅延型静電容量センサを実現でき
る。
【0103】また、容量センサ11及び12をパワーウ
インドウのウインドウ枠又はウインドウガラス上縁部に
配設し、ウインドウガラスの(自動)閉動作中における
容量センサ11及び12の静電容量の変化を検出するこ
とで人体等の比誘電率の高い物体の挟み込み防止機能を
備えた電動式パワーウインドウ装置の安全装置に、電子
ボリューム14A及び15Aを採用した前述の位相遅延
型静電容量センサ1を適用したことにより、経年変化や
環境変化にかかわらず、常に高感度かつ安定した挟み込
み防止の検出を実現できる。かくして、より安全性の高
いパワーウインドウ装置を実現できる。
【0104】(C)安全装置の第2の実施形態例 以下、位相遅延型静電容量センサ1'と制御回路2'で構
成される安全装置の第2の実施形態例を説明する。
【0105】(C−1)安全装置の構成 図13に、第2の実施形態に係る安全装置の機能ブロッ
ク構成例を示す。なお、図13は、図1と同一部分に同
一符号を、対応部分に対応符号を付して示したものであ
る。本実施形態に係る安全装置は、容量センサ11、1
2と、パルス発生回路13'と、可変遅延回路16、1
7、18、19と、位相弁別回路20、21と、切替制
御回路22と、切替回路23、24と、分周回路25
と、オフセット調整回路26、27と、スイッチ制御回
路28と、スイッチ回路29、30、31、32と、制
御回路2'とで構成される。
【0106】以下、第1の実施形態と異なる構成要素に
ついてのみ個別に説明する。
【0107】(a)パルス発生回路13' パルス発生回路13'は、図14に示すように、その基
本構成は第1の実施形態で説明したパルス発生回路13
と同様の構成でなる。違いは、パルス発生回路13から
出力されるパルスの周波数に対し、1000倍以上の高
周波パルスを生起する点である。
【0108】(b)分周回路25 分周回路25は、パルス発生回路13'の出力パルスS
11(図15(A))を入力し、第1の実施形態例で説
明したパルス発生回路13の出力パルスと同等の周波数
を有する分周パルスS16(図15(F))をその出力
とする回路である。なお、分周回路25は、分周過程の
中間パルス(2分周、4分周、8分周)S12(図15
(B))、S13(図15(C))、S14(図15
(D))を、出力端子Q1、Q2、Q3の各端子より出
力するように構成されている。
【0109】(c)オフセット調整回路26、27 オフセット調整回路26、27は、対をなす可変遅延回
路16、17間及び可変遅延回路18、19間における
積分時間(遅延量)のオフセット分を調整するために設
けられている手段であって、その内部は一般的な可変抵
抗26A、27Aから構成される。
【0110】なお、オフセット調整回路26、27は、
第1の実施形態における遅延量調整回路14、15に対
応するものであり、経年変化や環境変化に対する安定性
を高める上では、第1の実施形態例で説明した遅延量調
整回路14、15を適用することが望ましい。
【0111】(d)スイッチ制御回路28 スイッチ制御回路28は、分周回路25が分周過程で生
成する中間パルスS12、S13、S14を入力し、ス
イッチ回路29、30、31、32をオンオフ制御する
制御パルスS15(図15(E))を生成する回路であ
る。この実施形態の場合、スイッチ制御回路28は、論
理積(アンド)回路28Aで構成されている。従って、
スイッチ制御回路28から出力される制御パルスS15
は、出力パルスS11のパルスが8回立ち上がるたびに
1回の割合で「H」レベルに立ち上がる。
【0112】(e)スイッチ回路29、30、31、3
2 スイッチ回路29、30、31、32は、前述の制御パ
ルスS15を入力し、制御パルスS15が「H」レベル
の間だけ、スイッチを閉動作する手段である。すなわ
ち、出力パルスS11の8パルスに1回、分周パルスS
16を可変遅延回路1、17、18、19に印加する構
成でなる。このため、可変遅延回路1、17、18、1
9を構成する積分回路の出力波形は、図15(H)のよ
うな階段波形となる。
【0113】(C−2)安全装置の動作 続いて、本実施形態に係る安全装置の動作を、各状態ご
と場合分けして説明する。
【0114】(a)通常時の動作 まず、図16及び図17を用い、容量センサ11及び1
2のいずれの近傍にも比誘電率の高い物体が存在しない
場合の動作を説明する。なお、対をなす可変遅延回路1
6、18間における積分時間(遅延量)はオフセット調
整回路26によって適切な状態に調整されているものと
する。同様に、対をなす可変遅延回路18、19間にお
ける積分時間(遅延量)もオフセット調整回路27によ
って適切な状態に調整されているものとする。
【0115】さて、本実施形態におけるパルス発生回路
13'であるが、当該回路を構成するコンデンサ13C'
及び抵抗13B'は、第1の実施形態におけるパルス発
生回路13を構成するコンデンサ13C及び抵抗13B
に比べて十分小さい値に定められている。このため、パ
ルス発生回路13'から出力される出力パルスS11の
パルス周期は、パルス発生回路1のそれに比べて100
0倍以上の高周波出力となる。
【0116】かかる高周波出力パルスS11が分周回路
25に入力される。分周回路25は多段フリップフロッ
プ回路構成でなり、第1の実施形態例におけるパルス発
生回路13の出力パルスとほぼ同等の低周波まで分周し
た分周パルスS16を、オフセット調整回路26及び2
7並びに切替制御回路22に与える。
【0117】ここで、切替制御回路22は、第1の実施
形態例の場合と同様に動作し、分周パルスS16を1/
2分周した切替制御信号S17を切替回路23、24に
与える。かくして、分周パルスS16の立ち上がりタイ
ミングで図16及び図17に示すように切替制御回路2
2の切替制御信号S17が「H」レベルの期間、切替回
路23、24のアナログスイッチ23A、24Aが閉動
作し、容量センサ11、12を可変遅延回路16、17
に接続する。
【0118】従って、本実施形態の場合にも、分周パル
スS16が「H」レベルである間、図16(C)、
(D)や図17(C)、(D)に示すように、可変遅延
回路16、17の各遅延回路の出力S18、S19は積
分時間(遅延量)に応じた波形で立ち上がることにな
り、その立ち上がり位相のわずかな違いが位相弁別回路
20にて検出されることになる。
【0119】ただし、本実施形態例の場合には、図15
を用いて説明したように、可変遅延回路16、17に対
する分周パルスS16の印加は、パルス発生回路13'
の高周波出力パルスS11の8周期に1回だけの間欠的
なものとなる。
【0120】このため、本実施形態における可変遅延回
路16、17の積分波形は、図15(H)に示すよう
に、スイッチ制御回路28の間欠的な制御パルスS15
が付勢されている時には充電特性を示す一方、スイッチ
制御回路28の間欠的な制御パルスS15が付勢されて
いない時には充電ホールド状態を維持するように積分特
性が変化する。
【0121】このことは、従来のようにスイッチ制御を
しない場合における可変遅延回路16、17の積分時間
軸(図15(G))を8倍に拡伸したことに相当し、従
来回路における可変遅延回路16、17のわずかな遅延
出力タイミングの違いを8倍に拡大して位相関係の検出
を行うことが可能となる。すなわち、検出感度を向上す
ることができる。なおこのことは、従来回路における可
変遅延回路17、18の積分時定数を8倍にしたことと
同等の効果を上げたことになる。
【0122】かくして、位相弁別回路20からは、8倍
の精度にて可変遅延回路16、17の各出力の位相関係
が弁別され、この場合には「L」レベルの出力S26が
制御回路2に出力されることになる。
【0123】なお、切替制御信号S2が「H」レベルの
まま出力パルスS1が「L」レベルに立ち下がると、切
替制御回路22によって容量センサ11、12に蓄積さ
れた電荷は放電され、可変遅延回路18、19による次
の検出動作に移ることになる。
【0124】次に、分周パルスS16が再び立ち上がる
と、今度は、切替制御信号S17が「L」レベルに切り
替わり、容量センサ11、12は可変遅延回路19、1
8に接続される状態に切り替わる。この後の動作は、図
16(E)、(F)や図17(E)、(F)に示すよう
に、可変遅延回路19、18に現れる積分波形が階段状
となることを除いて第1の実施形態と同じようになる。
【0125】(b)容量センサ12の近傍に比誘電率の
高い物体が接近した時の動作 この場合は、図16のうち右半分部分の信号波形に示す
ように、比誘電率の高い物体が接近したことによって容
量センサ12の静電容量が大きくなり、可変遅延回路1
7側の積分時間(遅延量)と可変遅延回路16側の積分
時間(遅延量)との間に逆転現象が生じる一方、可変遅
延回路19側の積分時間(遅延量)と可変遅延回路18
側の積分時間(遅延量)については積分時間差が一層拡
大する現象が生じる。
【0126】そして、本実施形態例では、この可変遅延
回路17側の積分時間(遅延量)と可変遅延回路16側
の積分時間(遅延量)との間の逆転現象を従来回路の8
倍の精度で検出することになる。
【0127】この結果、制御回路2は、パワーウインド
ウガラス上縁付近又はウインドウ枠の上縁付近のうち容
量センサ12の近傍に比誘電率の高い物体が存在するこ
とを確認し、当該物体の挟み込み回避をパワーウインド
ウ駆動回路4に命じることになる。
【0128】(c)容量センサ11の近傍に比誘電率の
高い物体が接近した時の動作 この場合は、図17のうち右半分部分の信号波形に示す
ように、比誘電率の高い物体が接近したことによって容
量センサ11の静電容量が大きくなり、可変遅延回路1
9側の積分時間(遅延量)と可変遅延回路18側の積分
時間(遅延量)との間に逆転現象が生じる一方、可変遅
延回路16側の積分時間(遅延量)と可変遅延回路17
側の積分時間(遅延量)については積分時間差が一層拡
大する現象が生じる。
【0129】そして、本実施形態例では、この可変遅延
回路19側の積分時間(遅延量)と可変遅延回路18側
の積分時間(遅延量)との間の逆転現象を従来回路の8
倍の精度で検出することになる。
【0130】この結果、制御回路2は、パワーウインド
ウガラス上縁付近又はウインドウ枠の上縁付近のうち容
量センサ11の近傍に比誘電率の高い物体が存在するこ
とを確認し、当該物体の挟み込み回避をパワーウインド
ウ駆動回路4に命じることになる。
【0131】(C−3)実施形態例における効果 以上のように、位相遅延型静電容量センサ1'の構成を
上述の構成とすることにより、従来に比べて検出感度の
非常に高い位相遅延形静電容量式センサを実現できるこ
とになる。
【0132】また、容量センサ11及び12をパワーウ
インドウのウインドウ枠又はウインドウガラス上縁部に
配設し、ウインドウガラスの(自動)閉動作中における
容量センサ11及び12の静電容量の変化を検出するこ
とで人体等の比誘電率の高い物体の挟み込み防止機能を
備えた電動式パワーウインドウ装置の安全装置に、前述
の位相遅延型静電容量センサ1を適用したことにより、
高感度かつ安定した挟み込み防止の検出を実現できる。
かくして、より安全性の高いパワーウインドウ装置を実
現できる。
【0133】(D)他の実施形態 上述の第1及び第2の実施形態例におけるいては、容量
センサを2つ用いる場合について述べたが、3つ以上用
いる場合にも適用し得る。
【0134】上述の第2の実施形態例においては、パル
ス発生回路13'における出力パルスの周波数を第1の
実施形態例におけるパルス発生回路13の出力パルスに
対し1000倍以上とするものとしたが、必要に応じて
より倍率の小さいものを用いても良い。
【0135】上述の第2の実施形態例においては、分周
回路25からスイッチ制御回路28に対して出力する中
間パルスを、2分周、4分周、8分周の3種類の信号と
する場合について述べたが、16分周以上の中間パルス
を与えるようにしても良い。また、中間パルスの組み合
せについても自由に選定し得る。
【0136】上述の第1及び第2の実施形態におてい
は、容量センサ11への比誘電率の高い物体の接近検出
用及び容量センサ12への比誘電率の高い物体の接近検
出用として2系統の処理回路(遅延量調整回路、可変遅
延回路、位相弁別回路(第1の実施形態)、オフセット
調整回路、スイッチ回路、可変遅延回路、位相弁別回路
(第2の実施形態))を用意する場合について述べた
が、かかる処理回路としては1系統のみを用意し、容量
センサ11及び12のかかる処理回路への接続関係を交
番で切り替えるようにしても良い。
【0137】上述の第1及び第2の実施形態例において
は、位相遅延型静電容量センサ1又は1'をパワーウイ
ンドウの安全装置に適用する場合について述べたが、適
用装置はこれに限らず、各種開閉(スライド動作を含
む。)機構を備える装置における安全装置に広く適用で
きる。
【0138】上述の第2の実施形態の説明中においても
述べたが、第1の実施形態における自動調整(トリミン
グ)機能を第2の実施形態と組み合せた構成とすれば、
経年変化や環境変化に対して安定で、かつ、検出感度の
非常に高い安全性の高い安全装置(位相遅延型静電容量
センサ装置)を実現できる。
【0139】
【発明の効果】(A)上述のように請求項1に記載の発
明によれば、電極近傍空間の静電特性の変化を電気信号
の位相変化として検出する位相遅延型の静電容量センサ
装置において、電気的制御信号によって可変抵抗手段の
可変端子の抵抗タップ位置を制御可能とし、制御回路に
よって、第1及び第2の可変遅延回路を構成する積分回
路の積分時間を制御可能な構成としたことにより、経年
変化や環境変化の影響によらず常に、第1及び第2の可
変遅延回路の相対的な位相関係を最適な状態に維持する
ことができ、一対の電極近傍空間に生じる静電特性の変
化を常に一定の検出感度にて検出できる。
【0140】(B)また、上述のように請求項2に記載
の発明によれば、電極近傍空間の静電特性の変化を電気
信号の位相変化として検出する位相遅延型の静電容量セ
ンサ装置において、電気的制御信号によって可変抵抗手
段の可変端子の抵抗タップ位置を制御可能とし、制御回
路によって、第1及び第2の可変遅延回路を構成する積
分回路の積分時間を制御可能な構成としたのに加え、第
1及び第2の可変遅延回路への分周出力の印加を第1及
び第2のスイッチ回路によって高頻度で接断できるよう
にしたことにより、経年変化や環境変化の影響によらず
常に、第1及び第2の可変遅延回路の相対的な位相関係
を最適な状態に維持することができると共に、積分時間
に要する時間を数倍に拡大して検出感度を向上させるこ
とができる。
【0141】(C)また、上述のように請求項3に記載
の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明における
制御手段として、第1及び第2の可変遅延回路から出力
される各位相遅れタイミングパルスを入力し、その遅延
時間差に基づいて可変抵抗手段の可変端子の抵抗タップ
位置を切り替え制御するものを用いることにより、経年
変化や環境変化の影響によって第1及び第2の可変遅延
回路に生じる遅延時間差の相対変化を確実に打ち消すこ
とができる。
【0142】(D)また、請求項4に記載の発明によれ
ば、請求項3に記載の発明における制御手段として、遅
延時間差を一定時間毎計測し、当該遅延時間差が目標範
囲に入るようにフィードバック制御するものを用いるこ
とにより、相対的な遅延時間差を常に一定に保つことが
できる。
【0143】(E)また、請求項5に記載の発明によれ
ば、請求項4に記載の発明における制御手段として、遅
延時間差の目標範囲に対する隔たりが大きい場合、可変
抵抗手段に指示する抵抗タップ位置の変移量を大きく
し、遅延時間差の目標範囲に対する隔たりが小さい場
合、可変抵抗手段に指示する抵抗タップ位置の変移量を
小さくするものを用いることにより、遅延時間差を短時
間のうちに目標範囲内に修正可能とできる。
【0144】(F)また、上述のように請求項6に記載
の発明によれば、電極近傍空間の静電特性の変化を電気
信号の位相変化として検出する位相遅延型の静電容量セ
ンサ装置において、第1及び第2の可変遅延回路への分
周出力の印加を第1及び第2のスイッチ回路によって高
頻度で接断できるようにしたことにより、積分時間に要
する時間を数倍に拡大でき、その分、検出感度を向上さ
せることができる。
【0145】(G)また、上述のように請求項7に記載
の発明によれば、電気的にウインドウガラスを開閉駆動
する電動式パワーウインドウ装置に搭載され、前記ウイ
ンドウガラス閉動作時における異物の挟み込みを防止す
る安全装置において、請求項1〜6のいずれかに記載の
静電容量センサ装置を検知手段として備えることによ
り、検出感度が高く信頼性に優れた安全性の高い電動式
パワーウインドウ装置の安全装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動式パワーウインドウ装置の安全装置(第1
の実施形態)を示す機能ブロック図である。
【図2】電動式パワーウインドウ装置の概略構成を示す
機能ブロック図である。
【図3】容量センサのパワーウインドウへの取り付け例
(その1)を示す図である。
【図4】容量センサのパワーウインドウへの取り付け例
(その2)を示す図である。
【図5】電動式パワーウインドウ装置の安全装置(第1
の実施形態)を示す回路構成図である。
【図6】遅延量調整回路とその周辺回路の回路構成図で
ある。
【図7】通常時及び容量センサ12に比誘電率の高い物
体が接近した時の信号波形を示す図である。
【図8】通常時及び容量センサ11に比誘電率の高い物
体が接近した時の信号波形を示す図である。
【図9】自動調整(トリミング)動作実行プログラムを
示すフローチャート図(その1)である。
【図10】自動調整(トリミング)動作実行プログラム
を示すフローチャート図(その2)である。
【図11】オフセット量の調整原理を示す図である。
【図12】検出量と調整量との関係を表した図である。
【図13】電動式パワーウインドウ装置の安全装置(第
2の実施形態)を示す機能ブロック図である。
【図14】電動式パワーウインドウ装置の安全装置(第
2の実施形態)を示す回路構成図である。
【図15】パルス発生回路の出力パルスと各部の信号波
形の関係を示す図である。
【図16】通常時及び容量センサ12に比誘電率の高い
物体が接近した時の信号波形を示す図である。
【図17】通常時及び容量センサ11に比誘電率の高い
物体が接近した時の信号波形を示す図である。
【符号の説明】
1、1'…位相遅延型静電容量センサ、2、2'…制御回
路、3…パワーウインドウ・スイッチ(SW)操作部
3、4…パワーウインドウ駆動回路、5…モータ、1
1、12…容量センサ、13、13'…パルス発生回
路、14、15…遅延量調整回路、16、17、18、
19…可変遅延回路、20、21…位相弁別回路、22
…切替制御回路、23、24…切替回路、25…分周回
路、26、27…オフセット調整回路、28…スイッチ
制御回路、29、30、31、32…スイッチ回路。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極近傍空間の静電特性の変化を電気信
    号の位相変化として検出する位相遅延型の静電容量セン
    サ装置において、 観測領域近傍に配置される2対の電極と、 基準パルスを発生するパルス発生回路と、 前記基準パルスを入力する可変端子の抵抗タップ位置
    が、電気的制御信号の印加によってアナログ的又はデジ
    タル的に変位可能であり、当該可変端子に入力された基
    準パルスを2つの固定端子へ分岐して出力する可変抵抗
    手段と、 前記2対の電極のうち接続される1対の電極と、前記可
    変抵抗手段の2つの固定端子のうちの1つであって、接
    続される固定端子と前記可変端子との間の抵抗分とで構
    成される積分回路によって前記パルス発生回路で発生さ
    れた基準パルスを積分し、位相遅れタイミングパルスを
    出力する第1及び第2の可変遅延回路と、 前記第1及び第2の可変遅延回路から出力される位相遅
    れタイミングパルスの位相関係の相対的変化を弁別する
    位相弁別回路と、 前記可変抵抗手段の可変端子の抵抗タップ位置を制御す
    る電気的制御信号を出力する制御手段とを備えることを
    特徴とする静電容量センサ装置。
  2. 【請求項2】 電極近傍空間の静電特性の変化を電気信
    号の位相変化として検出する位相遅延型の静電容量セン
    サ装置において、 観測領域近傍に配置される2対の電極と、 基準パルスを発生するパルス発生回路と、 前記基準パルスを分周して出力する分周回路と、 前記分周回路より分周出力を入力する可変端子の抵抗タ
    ップ位置が、電気的制御信号の印加によってアナログ的
    又はデジタル的に変位可能であり、当該可変端子に入力
    された基準パルスを2つの固定端子へ分岐して出力する
    可変抵抗手段と、 前記分周回路の分周過程で発生する中間パルスを入力と
    し、当該中間パルスを基にスイッチ制御信号を生成する
    スイッチ制御回路と、 前記スイッチ制御信号を基にスイッチ素子を高頻度で接
    断し、前記分周回路より入力される分周出力の後段回路
    への印加を制御する第1及び第2のスイッチ回路と、 前記2対の電極のうち接続される1対の電極と、前記第
    1又は第2のスイッチ回路を介して接続される前記可変
    抵抗手段の2つの固定端子のうちの1つであって、接続
    される固定端子と前記可変端子との間の抵抗分とで構成
    される積分回路によって前記パルス発生回路で発生され
    た基準パルスを積分し、位相遅れタイミングパルスを出
    力する第1及び第2の可変遅延回路と、 前記第1及び第2の可変遅延回路から出力される位相遅
    れタイミングパルスの位相関係の相対的変化を弁別する
    位相弁別回路と、 前記可変抵抗手段の可変端子の抵抗タップ位置を制御す
    る電気的制御信号を出力する制御手段とを備えることを
    特徴とする静電容量センサ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の静電容量センサ
    装置において、 前記制御手段は、前記第1及び第2の可変遅延回路から
    出力される各位相遅れタイミングパルスを入力し、その
    遅延時間差に基づいて前記可変抵抗手段の可変端子の抵
    抗タップ位置を切り替え制御することを特徴とする静電
    容量センサ装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の静電容量センサ装置に
    おいて、 前記制御手段は、前記遅延時間差を一定時間毎計測し、
    当該遅延時間差が目標範囲に入るようにフィードバック
    制御することを特徴とする静電容量センサ装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の静電容量センサ装置に
    おいて、 前記制御手段は、前記遅延時間差の目標範囲に対する隔
    たりが大きい場合、前記可変抵抗手段に指示する抵抗タ
    ップ位置の変移量を大きくし、前記遅延時間差の目標範
    囲に対する隔たりが小さい場合、前記可変抵抗手段に指
    示する抵抗タップ位置の変移量を小さくすることを特徴
    とする静電容量センサ装置。
  6. 【請求項6】 電極近傍空間の静電特性の変化を電気信
    号の位相変化として検出する位相遅延型の静電容量セン
    サ装置において、 観測領域近傍に配置される2対の電極と、 基準パルスを発生するパルス発生回路と、 前記基準パルスを分周して出力する分周回路と、 前記分周回路の分周過程で発生する中間パルスを入力と
    し、当該中間パルスを基にスイッチ制御信号を生成する
    スイッチ制御回路と、 前記スイッチ制御信号を基にスイッチ素子を高頻度で接
    断し、前記分周回路より入力される分周出力の後段回路
    への印加を制御する第1及び第2のスイッチ回路と、 前記2対の電極のうち接続される1対の電極と、前記第
    1及び第2のスイッチ回路のうち対応する出力に接続さ
    れる抵抗分とで構成される積分回路によって前記分周回
    路で発生された分周パルスを積分し、位相遅れタイミン
    グパルスを出力する第1及び第2の可変遅延回路と、 前記第1及び第2の可変遅延回路から出力される位相遅
    れタイミングパルスの位相関係の相対的変化を弁別する
    位相弁別回路とを備えることを特徴とする静電容量セン
    サ装置。
  7. 【請求項7】 電気的にウインドウガラスを開閉駆動す
    る電動式パワーウインドウ装置に搭載され、前記ウイン
    ドウガラス閉動作時における異物の挟み込みを防止する
    安全装置において、 請求項1〜6のいずれかに記載の静電容量センサ装置を
    検知手段として備えることを特徴とする静電容量センサ
    装置。
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