JP2001074181A - 可とう伸縮継手及びその製造方法 - Google Patents

可とう伸縮継手及びその製造方法

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JP2001074181A
JP2001074181A JP25316199A JP25316199A JP2001074181A JP 2001074181 A JP2001074181 A JP 2001074181A JP 25316199 A JP25316199 A JP 25316199A JP 25316199 A JP25316199 A JP 25316199A JP 2001074181 A JP2001074181 A JP 2001074181A
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reinforced
pipe
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flexible
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JP25316199A
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English (en)
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Kenji Noda
憲治 野田
Shizuo Yokobori
志津雄 横堀
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Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長繊維の引き抜けによる補強力の低下や、繊
維補強層の露出による劣化が生じにくく、しかも比較的
簡易な工程で製造できる可とう伸縮継手、及びその製造
方法を提供する。 【解決手段】 軟質材料を主体としてなる被補強管Pの
両端部に硬質材料よりなる硬質管2の端部を内嵌して接
合する工程と、前記被補強管Pの外周面に繊維補強層を
形成する工程と、その繊維補強層の外周面に被覆層を形
成する工程とを有する可とう伸縮継手の製造方法におい
て、前記被補強管Pを回転させつつ、その被補強管Pの
軸方向の運動成分が一定幅の運動範囲で反転するように
長繊維3aの送り出し位置10を移動させながら、長繊
維3aをらせん状に交互に巻き付けて前記繊維補強層を
形成した後、その繊維補強層の全体を被覆する被覆層を
形成することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長繊維をらせん状
に配置した繊維補強層を内部に有し、軟質材料を主体と
してなる可とう伸縮管と、その可とう伸縮管の両端部に
端部が内嵌されて接合された硬質材料よりなる硬質管と
を備える可とう伸縮継手、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、可とう伸縮管を長繊維で補強
する方法として、長繊維をらせん状に配置した繊維補強
層を可とう伸縮管の内部の層として設ける方法が存在し
た。そして、らせん状に長繊維を配置することにより、
可とう伸縮性を維持しつつ内圧補強が有効に行えること
が知られている。このような繊維補強層を形成する方法
としては、比較的短い可とう伸縮管に個々に繊維補強層
を形成する方法と、長尺の可とう伸縮管を連続的に製造
する際に繊維補強層を連続的に形成する方法とが存在す
る。なお、何れの方法においても、繊維補強層の外周面
を被覆する表面層(又は被覆層)が通常設けられる。
【0003】前者の方法は、例えばゴム製の可とう伸縮
継手を製造する際に利用され、複数列に配列した長繊維
を未加硫ゴムで被覆してテープ状にしたものを、未加硫
の内層ゴムホースにらせん状に巻き付けて下層の繊維補
強層を形成した後、その上層に長繊維が交差するように
前記テープ状物をらせん状に巻き付けて積層する方法が
知られている。
【0004】また、後者の方法は、例えば軟質樹脂ホー
スを製造する際に利用され、溶融押出機より原料が帯状
に押出されて、芯材にらせん状に巻き取られて管状に形
成された軟質樹脂ホースに対して、その周囲に長繊維を
送り出すボビンを複数配置した回転体を2基設け、前記
ホースの回転速度と一定の速度差が生じるように、それ
らの回転体を逆方向に回転させることで、バイアス状に
交差した2層の繊維補強層を形成する方法が知られてい
る。そして、このようにして製造されたホースを可とう
伸縮継手に使用する場合、短尺に切断して使用するた
め、ホース端面には、繊維補強層が露出した状態となっ
ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記前
者の方法では、繊維補強層が多数の長繊維で形成され、
各長繊維の端部が母材(マトリックス)との接着力だけ
で補強に寄与しているため、長繊維の引き抜けによる補
強力の低下が生じ易いという問題があった。このため、
長繊維の端部の抜け止め加工が必要となり、また、前記
テープ状物の形成や積層の工程が複雑で時間を要すると
いう問題もあった。
【0006】一方、上記後者の方法では、連続的な製造
により工程時間が短縮できるものの、長繊維の引き抜け
による補強力の低下は上記と同様であり、また、繊維補
強層を形成するための装置(ブレーダー)が高価である
という問題があった。更に、ホース端面に繊維補強層が
露出するため、その部分からの水等が侵入し、これによ
る強度劣化が生じる場合もあった。
【0007】そこで、本発明の目的は、長繊維の引き抜
けによる補強力の低下や、繊維補強層の露出による劣化
が生じにくく、しかも比較的簡易な工程で製造できる可
とう伸縮継手、及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記の如き
本発明により達成できる。
【0009】即ち、本発明の可とう伸縮継手は、長繊維
をらせん状に配置した繊維補強層を内部に有し、軟質材
料を主体としてなる可とう伸縮管と、その可とう伸縮管
の両端部に端部が内嵌されて接合された硬質材料よりな
る硬質管とを備える可とう伸縮継手において、前記繊維
補強層は、前記長繊維をらせん状に巻き付け配置する際
に、巻き付けの軸方向を両端で反転して、らせん状に配
置される長繊維が上下で交差するように交互に巻き付け
積層してあると共に、前記繊維補強層の両端部は、前記
可とう伸縮管の端面より内側にて前記硬質管の端部の外
周に沿って配置されていることを特徴とする。
【0010】上記において、前記硬質管の端部の外周に
沿って配置される長繊維の補強角が静止角より大きいこ
とが好ましい。
【0011】また、前記可とう伸縮管の軟質材料がポリ
オレフィン系熱可塑性エラストマーであり、前記硬質管
の硬質材料がポリオレフィン樹脂であることが好まし
い。
【0012】一方、本発明の製造方法は、軟質材料を主
体としてなる被補強管の両端部に硬質材料よりなる硬質
管の端部を内嵌して接合する工程と、前記被補強管の外
周面に繊維補強層を形成する工程と、その繊維補強層の
外周面に被覆層を形成する工程とを有する可とう伸縮継
手の製造方法において、前記被補強管を回転させつつ、
その被補強管の軸方向の運動成分が一定幅の運動範囲で
反転するように長繊維の送り出し位置を移動させなが
ら、長繊維をらせん状に交互に巻き付けて前記繊維補強
層を形成した後、その繊維補強層の全体を被覆する被覆
層を形成することを特徴とする。
【0013】上記において、前記被補強管を略一定の速
度で回転させつつ、前記長繊維の送り出し位置を略円周
の軌跡にて略一定の角速度で移動させることが好まし
い。
【0014】[作用効果]本発明の可とう伸縮継手によ
ると、長繊維をらせん状に巻き付け配置する際に、巻き
付けの軸方向を両端で反転して、上下に配置される長繊
維を連続させているため、長繊維の反転部が母材との接
着力だけでなく、アンカー効果により補強に寄与するの
で、長繊維の引き抜けによる補強力の低下が生じにく
い。また、らせん状に配置される長繊維が上下で交差す
るように交互に巻き付け積層してあるため、比較的簡易
な工程で繊維補強でき、しかも1本又は少数本の長繊維
により、補強の繊維密度を適当に調整して、所望の補強
強度を得ることができる。更に、繊維補強層の両端部
が、可とう伸縮管の端面より内側にて硬質管の端部の外
周に沿って配置されているため、繊維補強層の露出によ
る劣化が生じにくく、また、硬質管の端部の締め付け力
を補強することができる。その結果、長繊維の引き抜け
による補強力の低下や、繊維補強層の露出による劣化が
生じにくく、しかも比較的簡易な工程で製造できる可と
う伸縮継手を提供することができた。
【0015】前記硬質管の端部の外周に沿って配置され
る長繊維の補強角が静止角(約55°)より大きい場
合、内圧の上昇時に当該長繊維が硬質管の締め付け力と
して作用するため、同時に生じる硬質管の引き抜け力に
対して接合部の離反を有効に防止することができる。
【0016】また、前記可とう伸縮管の軟質材料がポリ
オレフィン系熱可塑性エラストマーであり、前記硬質管
の硬質材料がポリオレフィン樹脂である場合、両者は熱
融着による強固な接合が可能であり、また、リサイクル
にも有利であり、燃焼時に有害成分も発生しにくい。更
に、当該硬質管は、近年、主流となりつつあるポリエチ
レン配管と、EF工法やバッドジョイント工法等による
接合が可能となるため、施工面でも有利である。
【0017】一方、本発明の製造方法によると、被補強
管を回転させつつ、その軸方向の運動成分が一定幅の運
動範囲で反転するように長繊維の送り出し位置を移動さ
せながら、長繊維をらせん状に交互に巻き付けて繊維補
強層を形成した後、その全体を被覆する被覆層を形成す
るため、上記の如き作用により長繊維の引き抜けによる
補強力の低下や、繊維補強層の露出による劣化が生じに
くい可とう伸縮継手を比較的簡易な工程で製造すること
ができる。
【0018】前記被補強管を略一定の速度で回転させつ
つ、前記長繊維の送り出し位置を略円周の軌跡にて略一
定の角速度で移動させる場合、送り出し位置を移動させ
る際の被補強管の軸方向の移動速度が、両端部で比較的
小さいため、両端部で長繊維の補強角を大きくすること
ができ、内圧の上昇時に長繊維が硬質管の締め付け力と
して作用し易いようにすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら、本発明の製造方法、可とう伸
縮継手の順で説明する。
【0020】(本発明の製造方法)本発明の製造方法
は、図1に示すような可とう伸縮継手を製造する方法で
あって、軟質材料を主体としてなる被補強管Pの両端部
1aに硬質材料よりなる硬質管2の端部2aを内嵌して
接合する工程と、被補強管Pの外周面に繊維補強層3を
形成する工程と、その繊維補強層3の外周面に被覆層4
を形成する工程とを有するものである。なお、被補強管
Pは、可とう伸縮管1から被覆層4と繊維補強層3とを
除いた部分であり、外周面に被補強部を有する(図2参
照)。
【0021】被補強管に使用される軟質材料としては、
軟質の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴムなど
が何れも使用できるが、加工性等の観点より、軟質の熱
可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーが好ましく、特に熱
可塑性エラストマーが好ましい。熱可塑性エラストマー
としては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポ
リスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリジエン系熱可
塑性エラストマー等が挙げられるが、中でも、ポリオレ
フィン系熱可塑性エラストマーが特に好ましい。
【0022】ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
(以下、「TPO」という)としては、ハードセグメン
トとしてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等
のポリオレフィンを含有し、ソフトセグメントとしてエ
チレン・プロピレン(EPDM)等のゴムを含有するブ
レンド体等が挙げられる。そして、ブレンド方式の相違
により、単純ブレンド型TPO、インプラント化TP
O、動的加硫型TPO等が存在し、通常、ハードセグメ
ント成分中にソフトセグメント成分が分散したブレンド
構造になっている。
【0023】このようなTPOは、各種商品が市販され
ており、例えばオレフレックス(日本ポリオレフィン
製)、ミラストマー(三井化学製)、住友TPE(住友
化学工業製)、サントプレン(AESジャパン製)、レ
オストマー(理研ビニル工業製)、アクティマー(理研
ビニル工業製)などが挙げられる。なお、TPOは、J
IS A硬さで40〜80°のものが好ましい。
【0024】また、被補強管を構成する軟質材料は、硬
質材料で補強されていてもよく、らせん状の硬質樹脂や
鋼材(コイルスプリング)、単数もしくは複数のリング
状又は筒状の硬質樹脂や鋼材、又は樹脂製、ガラス製等
の短繊維等が、補強材として使用可能である。
【0025】一方、硬質管2を構成する硬質材料として
は、樹脂材料、金属材料などが何れも使用できるが、上
記軟質材料が熱可塑性エラストマー又は軟質の熱可塑性
樹脂の場合は、熱可塑性樹脂が好ましく、上記軟質材料
がゴムの場合は、樹脂材料又は金属材料が使用される。
ポリエチレン配管の継手に用いる場合、硬質材料として
はポリオレフィンが好ましい。
【0026】ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリブテン等が挙げられるが、TPO
との接合力を高くする観点より、TPOのハードセグメ
ントと同種の材料を使用するのが好ましい。特に、ポリ
エチレン配管の可とう継手として使用される場合、ポリ
オレフィンがポリエチレン又はポリプロピレンであり、
TPOのハードセグメントがポリエチレン及び/又はポ
リプロピレン、ソフトセグメントがEPDMのものを使
用するのが最も好ましい。
【0027】硬質管2の端部2aの接合工程は、繊維補
強層3の形成工程と被覆層4の形成工程の前後又は中間
の何れの時期に行ってもよいが、加工の容易性の観点よ
り、繊維補強層3の形成工程に先立って行うのが好まし
い。接合方法としては、硬質管2の材料と被補強管の材
料の組合せに応じて、熱融着、接着剤による接着、架橋
接着などの公知の方法により、適宜行うことができる。
【0028】硬質管2の端部2aを内嵌は、図1に示す
ように、硬質管2の内周面と可とう伸縮管1の内周面と
が段差を有しない状態とするのが好ましいが、可とう伸
縮管1の形状等はこれに限定されるものではない。例え
ば、硬質管2の内周面と段差を有するものや、可とう伸
縮管1が直管で形成されていてもよい。なお、図1に示
す被補強管Pは、長さの異なる2本の直管が接合されて
形成されているが、内周面の切削等により形成してもよ
い。
【0029】本発明の製造方法は、上記の繊維補強層3
の形成工程において、図2(a)に示すように、被補強
管Pを周方向に回転させつつ、その被補強管Pの軸方向
の運動成分が一定幅の運動範囲で反転するように長繊維
3aの送り出し位置10を移動させながら、長繊維3a
をらせん状に交互に巻き付けて繊維補強層3を形成する
ことを特徴とする。これにより、図2(b)に示すよう
に、被補強管Pの外周面に長繊維3aがらせん状に配置
され、長繊維3aが上下で交差するように交互に巻き付
け積層される。なお、図2(b)は、1本の長繊維3a
を使用し、送り出し位置10を等速度で往復移動する最
も単純な場合の例を示すものである。
【0030】この図2(b)の例からも分かるように、
本発明の製造方法において、被補強管Pの回転速度と送
り出し位置10の移動速度とを略一定に維持する限り、
長繊維3aをらせん状に等間隔で配置することができ、
周方向に対して均一な繊維補強を行うことができる。つ
まり、送り出し位置10の往復移動が1周期(1往復)
する間に、長繊維3aの巻き付け位置が被補強管Pの周
方向に一定間隔ずつズレることにより、等間隔で長繊維
3aが配置される。これは、送り出し位置10を等速度
で回転させる場合(図3参照)も同様であり、被補強管
Pの周方向に長繊維3aが等間隔でズレて配置される。
【0031】本実施形態では、図3(a)に示すよう
に、被補強管Pを略一定の速度で回転させつつ、長繊維
3aの送り出し位置10を略円周の軌跡にて略一定の角
速度で移動させる場合を例示する。なお、「略」円周の
軌跡とは、ボビン11との関係で軌跡が厳密な円周から
多少ずれる状態を意味する。
【0032】長繊維3aはボビン11に十分な長さで巻
かれており、ボビン11は従属テンションが長繊維3a
にかかるように、一定の制動力下で従動回転するよう
に、回転ホイール12に軸支されている。この制動力を
調整することにより、巻き付けのテンションを制御する
ことができる。回転ホイール12は、モータ15の回転
がギヤボックス14を介して回転軸13に伝達すること
で、略一定の速度で回転する。回転ホイール12の回転
速度は、モータ15の回転速度により制御することがで
きる。
【0033】そして、図3(b)に示すように、回転ホ
イール12の回転により、長繊維3aの送り出し位置1
0が、略円周の軌跡にて位置P1〜P9に順次繰り返し
移動すると、被補強管Pの軸方向の運動成分が一定幅の
運動範囲(位置P1と位置P5との間)で反転する。そ
の際、長繊維3aの被補強管Pにおける巻き取り位置
は、図3(b)に示すように、送り出し位置10の軸方
向の運動より、やや遅れて軸方向に運動しながら(この
ため長繊維3aは軸方向に垂直な方向より傾斜してい
る)、長繊維3aが被補強管Pに巻き取られる。この
時、送り出し位置10の軸方向の移動速度が、移動の両
端部(位置P1と位置P5)で比較的小さいため、繊維
補強層3の両端部で長繊維3aの補強角(管軸方向に対
する補強繊維の接線の傾斜角)を大きく(最大90°)
することができる。このように長繊維3aの補強角が8
0°を超えると、硬質管2の締め付け力に対する補強効
果が特に大きくなる。なお、被補強管Pと回転ホイール
12との距離が小さい程、上記の如き巻き取りの遅れが
小さくなり、その結果、巻き取り形成された繊維補強層
3の幅が大きくなる。
【0034】本発明では、長繊維3aを被補強管Pに巻
き取る際、表面における長繊維3aの位置ズレが生じな
いようにするのが好ましく、被補強管Pの表面が溶融又
は軟化した状態で巻き取りを行う方法や、長繊維3aを
粘着性材料で被覆したものを使用する方法等が好適に採
用できる。溶融状態で巻き取りを行うと、長繊維3aが
表面に埋入され、長繊維3aの融着による補強効果やア
ンカー効果がより好適に得られる。
【0035】なお、長繊維3aとしては、軟質樹脂やゴ
ム等の補強に使用されるものが何れも使用可能である。
例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン、全
芳香族ポリアミド(商品名ケブラー等)等の繊維が使用
できるが、リサイクルのし易さの観点より、ポリオレフ
ィン繊維が好ましい。なお、使用する繊維はモノフィラ
メント、マルチフィラメントの何れでもよいが、撚り合
わせたマルチフィラメントが好ましい。
【0036】また、芯−鞘構造を有する繊維を用いても
よく、特に、芯材料として融点が比較的高い樹脂、鞘材
料として融点が比較的低い樹脂を使用することで、熱融
着がより好適に行えるようにした熱融着繊維が好ましく
使用される。なかでも、芯材料がポリプロピレン、鞘材
料がポリエチレンのオレフィン系熱融着繊維が、TPO
との熱融着性の点で好ましく、三菱レーヨン等より市販
されているものが使用可能である。
【0037】次に、上記の繊維補強層3の全体を被覆す
る被覆層4を形成する。被覆層4を構成する材料として
は、被補強管Pの軟質材料と同様のものが使用可能であ
る。被覆層4による被覆は、単に繊維補強層3を被覆す
るだけでもよいが、繊維補強層3による補強効果を高め
る上で、繊維補強層3の長繊維3aの隙間を介して、被
覆層4の内周面と被補強管Pの外周面とを、熱融着、接
着等により接合する方法や、加硫接合する方法などが好
ましい。
【0038】具体的にはシート状又はテープ状の被覆層
形成材料を用いて、繊維補強層3の外周面の全体を被覆
した後、加熱モールド内で外側から加熱する方法等が挙
げられる。
【0039】(製造方法の別実施形態) (1)上記実施形態では、図3に示す装置を用いて、長
繊維3aの送り出し位置10を、略円周の軌跡にて移動
させつつ巻き付けを行う例を示したが、単純な往復直線
動により、長繊維3aの送り出し位置10を移動させつ
つ巻き付けを行ってもよい。
【0040】その場合、例えば図4(a)に示すよう
に、トラバースシャフトやボールリバーサーと呼ばれ
る、2本の交差するらせん溝16aを設けたシャフト1
6を回転させつつ、ガイド16bで作動部16cの回転
を抑止することで、シャフト16の回転運動を往復動に
変換する機構を利用して、モータ15の回転をボビン1
1の往復直線動に変換する方法が採用できる。また、図
4(b)に示すように、ラックピニオンを有する機構1
7等を用いて、モータ15の定期的に繰り返される正逆
の回転をボビン11の往復直線動に変換する方法が採用
できる。
【0041】(2)上記実施形態では、1つのボビンを
用いて繊維補強層を形成する例を示したが、少数のボビ
ンを用いて、少数の長繊維により補強された繊維補強層
を形成してもよい。但し、長繊維の本数を増やし過ぎる
と、その端部での引き抜けの問題が生じるようになり、
また装置等も複雑になるため、長繊維の本数が少ない程
好ましい。従って、本数の上限は5本程度である。
【0042】(本発明の可とう伸縮継手)本発明の可と
う伸縮継手は、図1に示すように、長繊維をらせん状に
配置した繊維補強層3を内部に有し、軟質材料を主体と
してなる可とう伸縮管1と、その可とう伸縮管1の両端
部1aに端部2aが内嵌されて接合された硬質材料より
なる硬質管2とを備える。このような可とう伸縮継手に
おいて、図2に示すように、繊維補強層3は、長繊維3
aをらせん状に巻き付け配置する際に、巻き付けの軸方
向を両端で反転して、らせん状に配置される長繊維3a
が上下で交差するように交互に巻き付け積層してあると
共に、繊維補強層3の両端部は、可とう伸縮管の端面よ
り内側にて硬質管2の端部2aの外周に沿って配置され
ている。当該可とう伸縮継手は、本発明の製造方法によ
り好適に製造することができる。
【0043】本発明の可とう伸縮継手は、前述のよう
に、硬質管2の端部2aの外周に沿って配置される長繊
維3aの補強角が静止角より大きいことが好ましいが、
硬質管2の中間に設けられる繊維補強層3の長繊維3a
の補強角は、静止角に略等しいことが好ましい。このよ
うな場所による補強角の変更は、長繊維3aの送り出し
位置10の移動速度の被補強管Pの軸方向成分を変化さ
せることで、行い得るが、図3(a)に示す方法によっ
て、端部の補強角より中央部の補強角をより小さくする
こと、簡易にそれと類似のものを得ることができる。
【0044】本発明の可とう伸縮継手は、繊維補強層3
を可とう伸縮管1の内部に有するが、長繊維3aをらせ
ん状に巻き付け配置する際に、長繊維3aを埋入させる
ことで、被覆層を別途形成することなく、内部への配置
が可能である。その場合、前述のように被補強管Pの表
面を溶融させた状態で長繊維3aをらせん状に巻き付け
るのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可とう伸縮継手の一例を示す一部断面
で表示した正面図
【図2】本発明の製造方法を説明するための図であり、
(a)は巻き取り状態を示す斜視図、(b)は巻き取り
後の被補強管の正面図
【図3】本発明の製造方法の一例を説明するための図で
あり、(a)は巻き取り状態を示す斜視図、(b)は巻
き取りの経過を示す仮想上面図
【図4】別実施形態の製造方法を説明するための斜視図
【符号の説明】
1 可とう伸縮管 1a 可とう伸縮管の端部 2 硬質管 2a 硬質管の端部 3 繊維補強層 3a 長繊維 4 被覆層 10 長繊維の送り出し位置 P 被補強管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H104 JA07 JA08 JB01 LB28 LB37 LC02 LC11 LC14 LG02 MA01 3H111 AA01 AA02 BA15 CA53 CB04 CB23 CC13 CC19 DA26 DB03 EA17 4F213 AA03 AA45 AD12 AD16 AD18 AG03 AH11 AR07 AR09 WA14 WA17 WA43 WB01 WC02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長繊維をらせん状に配置した繊維補強層
    を内部に有し、軟質材料を主体としてなる可とう伸縮管
    と、その可とう伸縮管の両端部に端部が内嵌されて接合
    された硬質材料よりなる硬質管とを備える可とう伸縮継
    手において、 前記繊維補強層は、前記長繊維をらせん状に巻き付け配
    置する際に、巻き付けの軸方向を両端で反転して、らせ
    ん状に配置される長繊維が上下で交差するように交互に
    巻き付け積層してあると共に、 前記繊維補強層の両端部は、前記可とう伸縮管の端面よ
    り内側にて前記硬質管の端部の外周に沿って配置されて
    いることを特徴とする可とう伸縮継手。
  2. 【請求項2】 前記硬質管の端部の外周に沿って配置さ
    れる長繊維の補強角が静止角より大きい請求項1記載の
    可とう伸縮継手。
  3. 【請求項3】 前記可とう伸縮管の軟質材料がポリオレ
    フィン系熱可塑性エラストマーであり、前記硬質管の硬
    質材料がポリオレフィン樹脂である請求項1又は2に記
    載の可とう伸縮継手。
  4. 【請求項4】 軟質材料を主体としてなる被補強管の両
    端部に硬質材料よりなる硬質管の端部を内嵌して接合す
    る工程と、前記被補強管の外周面に繊維補強層を形成す
    る工程と、その繊維補強層の外周面に被覆層を形成する
    工程とを有する可とう伸縮継手の製造方法において、 前記被補強管を回転させつつ、その被補強管の軸方向の
    運動成分が一定幅の運動範囲で反転するように長繊維の
    送り出し位置を移動させながら、長繊維をらせん状に交
    互に巻き付けて前記繊維補強層を形成した後、その繊維
    補強層の全体を被覆する被覆層を形成することを特徴と
    する可とう伸縮継手の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記被補強管を略一定の速度で回転させ
    つつ、前記長繊維の送り出し位置を略円周の軌跡にて略
    一定の角速度で移動させる請求項4記載の可とう伸縮継
    手の製造方法。
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