JP2001073968A - 偏心スラスト軸受 - Google Patents

偏心スラスト軸受

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JP2001073968A
JP2001073968A JP25293499A JP25293499A JP2001073968A JP 2001073968 A JP2001073968 A JP 2001073968A JP 25293499 A JP25293499 A JP 25293499A JP 25293499 A JP25293499 A JP 25293499A JP 2001073968 A JP2001073968 A JP 2001073968A
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roller
thrust bearing
race
eccentric thrust
eccentric
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Yoshitsugu Fujiwara
良承 藤原
Masamichi Shibata
正道 柴田
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2360/00Engines or pumps
    • F16C2360/42Pumps with cylinders or pistons

Landscapes

  • Rolling Contact Bearings (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)
  • Support Of The Bearing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】転動体としてころを使用して、負荷容量の要求
に併せて転動体の配備個数を増加させることができる偏
心スラスト軸受を提供する。 【解決手段】旋回スクロール部材3と、圧縮機フレーム
5との間に介装される偏心スラスト軸受であって、旋回
スクロール部材3と圧縮機フレーム5それぞれの内面間
に配設される第1、第2のころユニット9,10と、各
ころユニットに挟まれて配設される中間レース11とを
有し、ころユニットは、それぞれ、保持器12,14と
これに保持されるころ群13,15とを有し、ころユニ
ットそれぞれのころ群は、旋回スクロール部材3の旋回
平面においてx軸とy軸それぞれの方位に沿ってほぼ直
線的に転動する形態で配列されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏心旋回運動する
旋回部材と、この旋回部材に対して軸方向に離されて対
向配設される固定部材との間に介装される偏心スラスト
軸受に係り、より詳しくは、例えばスクロール圧縮機に
使用されて、旋回スクロール部材を支持する偏心スラス
ト軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】スクロール圧縮機に使用されるこの種の
軸受では、旋回スクロール部材に取り付けられるレース
と、この旋回スクロール部材と対向する固定部材側に取
り付けられるレースと、両レース間の円周上の数箇所の
領域に介装される転動体とを有している。
【0003】両レースそれぞれの前記領域には平面視円
形の所要深さの軌道溝が形成されている。
【0004】そして、前記転動体は、両レースそれぞれ
の軌道溝間に介装され、旋回スクロール部材の偏心回転
に伴って、両軌道溝の内周壁に沿って旋回転がり動作す
るようになっている。
【0005】したがって、これら各軌道溝それぞれは、
旋回スクロール部材の転動体の旋回転がり動作を確保す
るために、転動体の外径よりも大きい溝径が必要とな
る。
【0006】このような転動体としては、これまでの偏
心スラスト軸受においては、ボール、両円錐ころ等が使
用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような軸受では転
動体の個数に比例してその負荷容量は大きくなり耐久性
は向上する。そのため、その負荷容量を大きくするに
は、レースの円周上に配備する転動体の個数を増加させ
るとよい。
【0008】ところで、転動体は軌道溝内に配備する必
要があり、またこの軌道溝の溝径は転動体の外径の数倍
の大きさとなり、かつ、隣り合う軌道溝どうしは互いに
離隔して形成する必要があることから、レースの円周上
における軌道溝の形成個数も、レースの大きさの割りに
は限定された少数となる。
【0009】したがって、従来の軸受構造では、転動体
がボールや両円錐ころ等のいずれであっても負荷容量の
要求に併せて転動体の配備個数を増加させるには、レー
スのサイズを大きくすることで、軌道溝の形成個数を増
大させることで対処できると考えられる。
【0010】しかしながら、旋回スクロール部材のサイ
ズが限定されており、レースのサイズも必然的に限定さ
れてしまう結果、レースの限定サイズを超過する負荷容
量の増大要求に応じられない。また、レースのサイズを
むやみに大きくして偏心スラスト軸受の全体サイズが大
型重量化することは、旋回スクロール部材を駆動するモ
ータの駆動負荷の増大につながり好ましくない。
【0011】なお、従来の軸受に使用される転動体がボ
ールの場合では、軌道溝内で点接触状態で旋回運動する
ものであるから、転動体それ自体の負荷容量は小さいた
めに、前記転動体の配備個数の限定少数と共に、前記負
荷容量そのものが小さいものとなり、大きな負荷容量が
要求される旋回スクロール部材支持用の軸受としては適
さない。
【0012】また、転動体がボールの場合では、軌道溝
内で点接触状態で旋回運動するものである場合、負荷を
受ける面積が一点に集中するから、軌道溝内で摩耗、焼
き付けを起こしやすいものとなり、耐久性に劣り構造上
の信頼性に乏しい。
【0013】本発明は、偏心スラスト軸受において、偏
心スラスト軸受の全体サイズが大型重量化することな
く、また旋回スクロール部材を駆動するモータの駆動負
荷の増大につながることなく、負荷容量の要求に併せて
転動体の配備個数を増加させることができるようにする
ことを共通の解決課題としている。
【0014】本発明はまた、偏心スラスト軸受におい
て、大きな負荷容量が要求される旋回部材の支持用の軸
受として適したものとし、さらには、転動体が、軌道溝
内で摩耗、焼き付けを起こしにくいものとして、その優
れた耐久性でもって、長期短期を問わず、構造上の信頼
性を備えることを他の解決課題としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明第1の偏心スラス
ト軸受においては、偏心旋回運動する旋回部材と、この
旋回部材に対して軸方向に離されて対向配設される固定
部材との間に介装される偏心スラスト軸受であって、前
記旋回部材と固定部材それぞれの内面間において前記旋
回部材の旋回軸と同一方向に沿って隣り合わせに配設さ
れる複数のころユニットと、前記各ころユニットに挟ま
れて配設される中間レースとを有し、前記ころユニット
は、それぞれ、保持器とこれに保持されるころ群とを有
し、前記ころユニットそれぞれのころ群は、前記旋回部
材の旋回平面において互いに異なる複数の方位に沿って
ほぼ直線的に転動する形態で配列されていることを特徴
としている。
【0016】好ましくは、前記ころユニットは、第1お
よび第2のころユニットの2組構成とされ、第1および
第2のころユニットそれぞれのころ群は、それぞれの転
動方位が互いに直交する形態で配列されている。
【0017】好ましくは、前記ころユニットは、第1、
第2および第3のころユニットの少なくとも3組構成と
され、第1および第2のころユニットそれぞれのころ群
は、それぞれの転動方位が互いに直交する形態で配列さ
れているとともに、第3のころユニットのころ群は、そ
の転動方位が前記第1および第2のころユニットのころ
群それぞれの転動方位の中間となる形態で配列されてい
る。
【0018】好ましくは、少なくとも前記旋回部材の内
面に環状のレース(取付レース)が取り付けられてい
る。
【0019】好ましくは、前記旋回部材の内面がレース
とされている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0021】図1ないし図4は、本発明の実施の形態に
係り、図1は、本発明の実施の形態1の偏心スラスト軸
受を使用したスクロール圧縮機の断面図、図2は、図1
の偏心スラスト軸受の要部拡大断面図、図3は、図2の
偏心スラスト軸受の分解正面図、図4は、図2の偏心ス
ラスト軸受の各ころユニットそれぞれに使用される各保
持器の平面図である。
【0022】これらの図において、1は、スクロール圧
縮機の全体を示している。スクロール圧縮機1において
は、モータ軸等の回転軸2の軸端に該回転軸2から偏心
した軸部2aが連結される。モータの偏心出力軸は、回
転軸2とこの軸部2aとで構成されている。
【0023】旋回部材としての旋回スクロール部材3
は、軸部2aに連結され、前記回転軸2が旋回軸となっ
てその回りを偏心旋回運動させられる。
【0024】固定スクロール部材4は、旋回スクロール
部材3に対向されている。
【0025】旋回スクロール部材3と固定スクロール部
材4それぞれは、互いの対向面側に螺旋状隔壁3a,4
aを備えている。
【0026】両螺旋状隔壁3a,4aは、噛み合わされ
ることで、これらの間に圧縮室Pが構成されるようにな
っている。
【0027】このような構成のスクロール圧縮機1は、
旋回スクロール部材3が偏心旋回運動させられることで
前記圧縮室Pの容積が変化させられ、これによって、圧
縮室P内の流体の圧縮が行われるようになっている。
【0028】ここで、固定スクロール部材4は、圧縮機
フレーム5の上端の環状突出部5a上に固定されてい
る。また、旋回スクロール部材3と圧縮機フレーム5そ
れぞれの間には、旋回スクロール部材3の偏心旋回運動
を支持する偏心スラスト軸受6が配設されている。
【0029】なお、ここで、旋回スクロール部材3は、
旋回部材となり、圧縮機フレーム5は、固定部材となる
が、固定部材は、圧縮機フレーム5だけに限定されて解
釈されるものではなく、圧縮機フレーム5と固定スクロ
ール部材4とが一体化されて、全体が固定スクロール部
材4と称される場合には、固定スクロール部材4も含め
て固定部材といっても構わない。
【0030】偏心スラスト軸受6は、部材側レース7,
8と、第1、第2のころユニット9,10と、中間レー
ス11とを有している。
【0031】両部材側レース7,8は、共に環状であ
り、旋回スクロール部材3と圧縮機フレーム5それぞれ
の内面のレース装着部3b、5bに装着されている。
【0032】両ころユニット9,10は、旋回スクロー
ル部材3と圧縮機フレーム5それぞれの内面間において
旋回スクロール部材3の旋回軸と同一方向に沿って隣り
合わせに配設されている。
【0033】中間レース11は、各ころユニット9,1
0間に挟まれて配設されている。
【0034】第1のころユニット9は、環状の保持器1
2と、この保持器12に保持される複数のころからなる
ころ群13とを有している。
【0035】第2のころユニット10も、環状の保持器
14と、この保持器14に保持される複数のころからな
るころ群15とを有している。
【0036】これら部材側レース7,8、中間レース1
1、保持器12,14は、いずれも、例えば鋼板素材か
らプレス加工により成形された環状の薄板部材で構成さ
れている。
【0037】両部材側レース7,8は、それぞれ、外周
側と内周側それぞれの端縁にころ脱落防止フランジ1
6,17を有している。
【0038】第1のころユニット9における保持器12
は、当該保持器中央を座標原点とする軸方向に対し直交
するxy二次元座標平面内においてころ群13の転動方
位を例えばx軸方向とする矩形形状のころ収容ポケット
18が、複数、形成されている。
【0039】第2のころユニット10における保持器1
4は、当該保持器中央を座標原点とする軸方向に対し直
交するxy二次元座標平面内においてころ群15の転動
方位を、ころ群13の転動方位と直交する方位例えばy
軸方向とする矩形形状のころ収容ポケット19が、複
数、形成されている。
【0040】したがって、第1のころユニット9の保持
器12の各ポケット18それぞれに保持されるころ群1
3は、x軸方向に転動するが、y軸方向には転動しな
い。
【0041】また、第2のころユニット10の保持器1
4の各ポケット19それぞれに保持されるころ群15
は、y軸方向に転動するが、x軸方向には転動しない。
【0042】このような第1、第2のころユニット9,
10それぞれのころ群13,15は、旋回スクロール部
材3の旋回平面において転動方位が、互いに異なる、つ
まり、実施の形態では互いに直交し、それぞれの転動方
位に沿ってほぼ直線的に転動する形態で配列されている
ことになる。
【0043】上記構造の偏心スラスト軸受6の動作を説
明する。
【0044】旋回スクロール部材3の旋回運動は、x軸
方向の偏心移動とy軸方向の偏心移動とを合成した移動
形態で表される。
【0045】そして、旋回スクロール部材3のx軸方向
の偏心移動によって、第1のころユニット9におけるこ
ろ群13はx軸方向に転動する。
【0046】一方、旋回スクロール部材3のy軸方向の
偏心移動によってころ群13は転動しないのでころ群1
3と中間レース11との接触面に摩擦が作用し、これに
よって中間レース11はy軸方向に偏心移動させられ
る。これに伴って、第2のころユニット10におけるこ
ろ群15は、y軸方向に転動する。
【0047】その結果、第1、第2のころユニット9,
10それぞれのころ群13、15はそれぞれ、旋回スク
ロール部材3の偏心旋回運動によって、x軸方向とy軸
方向とに転動する結果、旋回スクロール部材3を支持す
ることができる。
【0048】ところで、上記第1、第2のころユニット
9,10においては、保持器12,14それぞれのポケ
ット18,19に対してころ群13,15を若干、隙間
を介して収容しているので、ころ群13,15は、それ
ぞれ、ポケット18,19それぞれ内において、若干の
傾きが許容されている。
【0049】それゆえ、第1、第2のころユニット9,
10それぞれのころ群13,15は、上述したように、
x軸、y軸方向に沿って転動する他に、旋回スクロール
部材3がx軸、y軸方向に対して若干傾いて偏心移動す
るときに、ころ群13,15それぞれが若干傾いた姿勢
となって、転動することになる。
【0050】そのため、旋回スクロール部材3がx軸方
向からy軸方向へ、またy軸方向からx軸方向へ偏心移
動する過程でも、第1、第2のころユニット9,10
が、転がり案内して旋回スクロール部材3の偏心移動を
サポートすることになるので、旋回スクロール部材3の
動きが、円滑になる。
【0051】以上の実施の形態の偏心スラスト軸受6の
場合、転動体がころであり、ボールのような転動体では
ないので、旋回スクロール部材3とは線接触となり、従
来よりも負荷容量を増大させられる。
【0052】また、実施の形態の偏心スラスト軸受6の
場合、転動体がころであるのでボールのような転動体と
比較して、負荷を受ける面積が一点に集中せず線上に集
中するものとなるから、転動体の転動によるレースの摩
耗、焼き付けを大幅に軽減させられる結果、耐久性が向
上して構造的に信頼性ある軸受となる。
【0053】さらに、実施の形態の偏心スラスト軸受6
と従来の偏心スラスト軸受それぞれにおけるころユニッ
トに保持できる転動体の個数について比較する。
【0054】従来の偏心スラスト軸受の場合、転動体は
レースの軌道溝内に配備する必要があり、また、この軌
道溝の溝径は転動体の外径の数倍の大きさとなり、か
つ、隣り合う軌道溝どうしは互いに離隔して形成する必
要があることから、レースの円周上における軌道溝の形
成個数も、レースの大きさの割りには限定された少数と
なる。したがって、転動体の個数も、保持器の面積とは
無関係に、レースの軌道溝の個数に対応した個数に限定
されてしまう結果、少ないものとなる。
【0055】これに対し、実施の形態の偏心スラスト軸
受6の場合、部材側レース7,8の円周上に上記軌道溝
を形成する必要がなく、部材側レース7,8のすべての
面上でころ群13,15それぞれと接触させてよいの
で、各保持器12,14それぞれにはその面積が許す限
りころ収容ポケット18,19を形成して対応するころ
群13,15を保持させることができるから、ころの数
を大幅に増加させることができる。これによって、実施
の形態の偏心スラスト軸受6では、ころを従来より大幅
に増加配備できるので負荷容量を増大させることができ
る。
【0056】なお、本発明は上述の実施の形態に限定さ
れるものではなく種々の変形ないしは応用が可能であ
り、本発明はこのような変形ないしは応用も含む。
【0057】(1)、まず、旋回スクロール部材3のス
ラスト荷重を受ける場合、旋回スクロール部材3の旋回
運動の全方位において転動するボールを備えた従来の偏
心スラスト軸受で受ける場合、滑りが無い分、ボールと
旋回スクロール部材(部材側レース)との間の摩擦、摩
耗が少なくて済み、好ましいが上述した課題がある。
【0058】そして、上述した実施の形態1の偏心スラ
スト軸受6のように、x軸とy軸の2軸方位において転
動するころ群13,15を備えた軸受の場合、ころ群1
3,15そのものは、旋回スクロール部材3の旋回運動
の全方位において転動しないが、旋回運動の方向成分を
前記x軸とy軸との2軸に分け、x軸方向については第
1のころユニット9におけるころ群13が転動し、y軸
方向については第2のころユニット10におけるころ群
15が転動し、この際、第1のころ群13はy軸方向
に、ころ群15はx軸方向にそれぞれ転動しないが、滑
りを伴うものではない。これは、ころ群13が滑ろうと
するところ群15が転動し、ころ群15が滑ろうとする
ところ群13が転動するからである。
【0059】しかしながら、これは上述したようにころ
群13,15と中間レース11との間の摩擦作用で滑り
を防止しているから、摩擦作用が小さいと、多少の滑り
を伴う。
【0060】そこで、この滑りを軽減して旋回スクロー
ル部材3の偏心旋回運動をより円滑にするために、ころ
ユニットを、第1、第2のころユニット9,10からな
る2組構成ではなく、3組以上の構成としても構わな
い。
【0061】例えば図5および図6で示すように、ころ
ユニットを第1、第2および第3のころユニット9,1
0,20の3組構成とし、各ころユニット9,10,2
0間に2つの中間レース11a,11bを挟んで構成し
ても構わない。
【0062】ここで図5は、本発明の実施の形態2に係
る偏心スラスト軸受を備えたスクロール圧縮機の断面図
であり、図6は、図5で示される偏心スラスト軸受にお
いて各ころユニットそれぞれの保持器の平面図である。
【0063】一方の中間レース11aは、第1、第3の
ころユニット9,20間に挟まれ、他方の中間レース1
1bは、第3、第2のころユニット20,10間に挟ま
れている。
【0064】第3のころユニット20は、保持器21
と、これに保持されるころ群22とを備えている。保持
器21は、当該保持器中央を座標原点とする軸方向に対
し直交するxy二次元座標平面内においてころ群22の
転動方位を例えばx軸方向とy軸方向の中間方向(45
度方向)とする矩形形状のころ収容ポケット23が、複
数、形成されている。
【0065】この場合、第3のころユニット23の保持
器21におけるころ収容ポケット23の形成は、図6
(a)では、ころ群22の転動方位が左上がり45度方
向(上記座標系の第2、第4象限内)となり、図6
(b)では、ころ群22の転動方位が右上がり45度方
向(上記座標系の第1、第3象限内)となる。
【0066】第1のころユニット9におけるころ群13
の転動方位は、x軸方向であり、第2のころユニット1
0におけるころ群15の転動方位はy軸方向であり、第
3のころユニット20におけるころ群22の転動方位は
x軸方向とy軸方向との中間方位(原点から見込む角度
がx軸方向から45度方向)である。
【0067】このような中間方位に転動するころ群22
を備えた第3のころユニット20を具備すると、旋回ス
クロール部材3の旋回運動の方向成分はx軸方向、y軸
方向、中間方向の3軸に分けられ、各ころ群13,1
5,22の滑りが軽減される。
【0068】(2)、前記(1)では、ころユニットが
3組であったが、図7および図8で示すように、4組で
あっても構わない。ここで、図7は、本発明の実施の形
態3に係る偏心スラスト軸受を備えたスクロール圧縮機
の断面図であり、図8(A)〜(D)は、図7で示され
る偏心スラスト軸受において各ころユニットそれぞれの
保持器の平面図である。
【0069】ころユニットが実施の形態2のようにころ
ユニット9,10,20の3組構成の場合では、xy直
交二次元座標系を(a)x軸方向、y軸方向および第
1、第3象限内の45度方向か、(b)x軸方向、y軸
方向および第2、第4象限内の45度方向かに限定され
ているので、方位的には(a)の場合では第2、第4象
限内の方向、(b)の場合では第1、第3象限内の方向
が欠落しており、多少の滑りが依然として伴う。
【0070】そこで、ころユニットを実施の形態3のよ
うに第1ないし第3のころユニット9,10,20に加
えて,第4のころユニット24の4組構成とした場合で
は、x軸方向、y軸方向、第1、第3象限内の45度方
向および第2、第4象限内の45度方向がすべてカバー
されることとなり、滑りが大幅に軽減されて好ましい。
なお、25は第4のころユニット24の保持器であり、
26はこの保持器25に保持されるころ群であり、27
は、保持器25に形成されているころ収容ポケットであ
る。
【0071】つまり、第1のころユニット9、第3のこ
ろユニット20、第2のころユニット10、第4のころ
ユニット24をこの順序で配設する。そして、第1のこ
ろユニット9はx軸方向、第3のころユニット20は右
上がり45度方向、第2のころユニット10はy軸方
向、第4のころユニット24は左上がり45度方向にそ
れぞれころが転動する。
【0072】(3)、上述の各実施の形態1,2,3の
偏心スラスト軸受は部材側レース7,8を備えている
が、この部材側レース7,8を省略してもより簡易かつ
安価な構造にしても構わない。例えば図9で示すよう
に、旋回スクロール部材3と圧縮機フレーム5それぞれ
の内面をレース構造28,29にしても構わない。ここ
で、図9は、本発明の実施の形態4に係る偏心スラスト
軸受を備えたスクロール圧縮機の断面図である。
【0073】なお、図9に示されるころユニットを実施
の形態2あるいは実施の形態3のように3つ以上の複数
とし、これら各ころユニット間に中間レースが挟まれる
ようにしても構わない。
【0074】(4)なお、上述の中間レースに対し径方
向への移動規制を積極的にしても構わない。
【0075】まず、この移動規制について図10を参照
して説明する。図10は、図1に対応するものであり、
中間レースの径方向への移動規制の説明に供する偏心ス
ラスト軸受の要部拡大断面図である。図10において、
3dは、旋回スクロール部材3の中央下部の筒部3cの
外周面に形成された環状の規制ガイドである。この規制
ガイド3dを中間レース11に対し径方向に対向させ
る。これによって、中間レース11の径方向への所要量
以上の移動が規制される。
【0076】また、他の移動規制について図11および
図12を参照して説明する。図11は、図1に対応する
ものであり、中間レースの径方向への移動規制の説明に
供する偏心スラスト軸受の要部拡大断面図、図12は、
図11の中間レース11と部材側レース8との平面図で
ある。図11および図12において、8aは、部材側レ
ース8に形成された軸方向の規制ピンであり、11a
は、中間レース11に形成した円形の貫通孔11aであ
る。この規制ピン8aを貫通孔11aに挿入する。これ
によって中間レース11の径方向への所要量以上の移動
が規制される。なお、この場合、保持器14には前記規
制ピン8aが挿入される不図示の貫通孔が形成されてい
る。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、旋回部材と固定部材そ
れぞれの内面間において前記旋回部材の旋回軸と同一方
向に沿って隣り合わせに複数のころユニットを配設し、
各ころユニット間に中間レースを介装し、各ころユニッ
トそれぞれのころ群は、旋回部材の旋回平面において互
いに異なる複数の方位に沿ってほぼ直線的に転動する形
態で配列したから、偏心スラスト軸受の全体サイズが大
型重量化することなく、また、旋回スクロール部材を駆
動するモータの駆動負荷の増大につながることなく、負
荷容量の要求に併せて転動体の配備個数を増加させるこ
とができる。
【0078】また、本発明によれば、転動体としてころ
を使用するので、転動体がボールの場合とくらべて、旋
回部材との間での接触面積が大きくなり、大きな負荷容
量が要求される旋回部材の支持用の軸受として適したも
のとなるるさらに、本発明によれば、転動体がころであ
るので、ボールとは異なり荷重集中が緩和される結果、
旋回部材とか固定部材、レースとの間で互いに摩耗、焼
き付けが起こりにくくなり耐久性が向上し、もって、長
期短期を問わず、構造上の信頼性を備えたものとなる。
【0079】なお、上記本発明において、ころユニット
を、第1および第2のころユニットの2組構成とし、第
1および第2のころユニットそれぞれのころ群の転動方
位を、互いに直交する形態とすると、最小数のころユニ
ットにて、つまり製作コストが安価に済みかつサイズも
大型化することのない形態でもって最も有効に前記作用
効果を発揮しつつ旋回部材を支持することができる。
【0080】なお、上記本発明において、ころユニット
を、第1、第2および第3のころユニットの少なくとも
3組構成とし、第1および第2のころユニットそれぞれ
のころ群の転動方位を互いに直交するような形態で配列
するとともに、第3のころユニットのころ群の転動方位
を前記第1および第2のころユニットそれぞれのころ群
の転動方位の中間となるような形態で配列すると、各こ
ろユニットにおけるころ群の滑りを軽減できて好まし
い。
【0081】なお、上記本発明において、旋回部材の内
面をレースとすると、通常のレースを装着する場合より
も構造が簡易となり製作コストが安価に済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の偏心スラスト軸受を使
用したスクロール圧縮機の断面図
【図2】図1の偏心スラスト軸受の拡大断面図
【図3】図1の偏心スラスト軸受の分解斜視図
【図4】図1の偏心スラスト軸受のころユニットが備え
る保持器の平面図
【図5】本発明の実施の形態2の偏心スラスト軸受を使
用したスクロール圧縮機の断面図
【図6】図5の偏心スラスト軸受のころユニットが備え
る保持器の平面図
【図7】本発明の実施の形態3の偏心スラスト軸受を使
用したスクロール圧縮機の断面図
【図8】図7の偏心スラスト軸受のころユニットが備え
る保持器の平面図
【図9】本発明の実施の形態4の偏心スラスト軸受を使
用したスクロール圧縮機の断面図
【図10】図1に対応するもので中間レースの径方向へ
の移動規制の説明に供する偏心スラスト軸受の要部拡大
断面図
【図11】図1に対応するもので中間レースの径方向へ
の他の移動規制の説明に供する偏心スラスト軸受の要部
拡大断面図
【図12】図11の中間レースと部材側レースとの縮小
平面図
【符号の説明】
1 スクロール圧縮機 2 回転軸 3 旋回スクロール部材 4 固定スクロール部材 5 圧縮機フレーム 6 偏心スラスト軸受 7,8 部材側レース 9,10,20,24 ころユニット 11 中間レース 12,14,21,25 保持器 13,15,22,26 ころ群 28 旋回スクロール部材3の内面レース 29 圧縮機フレーム5の内面レース
フロントページの続き Fターム(参考) 3H039 AA03 AA12 BB05 BB08 CC02 CC08 CC10 CC23 3J012 AB20 BB02 BB05 EB20 FB11 HB04 3J101 AA13 AA24 AA27 AA32 AA53 AA61 AA62 AA75 BA35 BA44 BA47 BA50 BA57 DA09 EA02 FA31 FA60 GA29

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】偏心旋回運動する旋回部材と、この旋回部
    材に対して軸方向に離されて対向配設される固定部材と
    の間に介装される偏心スラスト軸受であって、 前記旋回部材と固定部材それぞれの内面間において前記
    旋回部材の旋回軸と同一方向に沿って隣り合わせに配設
    される複数のころユニットと、 前記各ころユニットに挟まれて配設される中間レース
    と、 を有し、 前記ころユニットは、それぞれ、保持器とこれに保持さ
    れるころ群とを有し、 前記ころユニットそれぞれのころ群は、前記旋回部材の
    旋回平面において互いに異なる複数の方位に沿ってほぼ
    直線的に転動する形態で配列されている、 ことを特徴とする偏心スラスト軸受。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の偏心スラスト軸受におい
    て、 前記ころユニットは、第1および第2のころユニットの
    2組構成とされ、 第1および第2のころユニットそれぞれのころ群は、そ
    れぞれの転動方位が互いに直交する形態で配列されてい
    る、ことを特徴とする偏心スラスト軸受。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の偏心スラスト軸受におい
    て、 前記ころユニットは、第1、第2および第3のころユニ
    ットの少なくとも3組構成とされ、 第1および第2のころユニットそれぞれのころ群は、そ
    れぞれの転動方位が互いに直交する形態で配列されてい
    るとともに、 第3のころユニットのころ群は、その転動方位が前記第
    1および第2のころユニットのころ群それぞれの転動方
    位の中間となる形態で配列されている、ことを特徴とす
    る偏心スラスト軸受。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3いずれかに記載の偏心ス
    ラスト軸受において、 少なくとも前記旋回部材の内面に環状のレース(取付レ
    ース)が取り付けられている、ことを特徴とする偏心ス
    ラスト軸受。
  5. 【請求項5】請求項1ないし3いずれかに記載の偏心ス
    ラスト軸受において、 前記旋回部材の内面がレースとされている、ことを特徴
    とする偏心スラスト軸受。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100694292B1 (ko) * 2006-11-10 2007-03-14 학교법인 두원학원 스러스트 베어링을 구비한 스크롤 압축기
CN113043028A (zh) * 2021-04-19 2021-06-29 四川兴事发门窗有限责任公司 一种承重导向装置

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