JP2001073666A - 地山固結工法及びトンネル掘削工法 - Google Patents
地山固結工法及びトンネル掘削工法Info
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- JP2001073666A JP2001073666A JP2000195641A JP2000195641A JP2001073666A JP 2001073666 A JP2001073666 A JP 2001073666A JP 2000195641 A JP2000195641 A JP 2000195641A JP 2000195641 A JP2000195641 A JP 2000195641A JP 2001073666 A JP2001073666 A JP 2001073666A
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Links
Landscapes
- Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
- Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 注入作業が連続的に実施できで、短時間で均
一なトンネル改良ができる注入管及び注入工法の提供。 【解決手段】 注入管3の一端にキャップ6を取り付
け、長手方向に等間隔で注入孔4を開け、注入孔4を覆
うようにして袋体5を形成する。さらに、袋体5の中間
部に、注入孔4を開ける。この注入管3を、地山1に穿
孔した長孔2に挿入し、注入材を注入管3に圧送し、地
山1を改良する。注入材はセメント系注入材が好まし
く、トンネル掘削工法はトンネル先受け工法が好まし
い。
一なトンネル改良ができる注入管及び注入工法の提供。 【解決手段】 注入管3の一端にキャップ6を取り付
け、長手方向に等間隔で注入孔4を開け、注入孔4を覆
うようにして袋体5を形成する。さらに、袋体5の中間
部に、注入孔4を開ける。この注入管3を、地山1に穿
孔した長孔2に挿入し、注入材を注入管3に圧送し、地
山1を改良する。注入材はセメント系注入材が好まし
く、トンネル掘削工法はトンネル先受け工法が好まし
い。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、注入材を用いて地
山を固結、安定化させることによりトンネル掘削時の崩
落、を防止し、地山からの漏水や湧水を遮断することを
目的とする地山固結工法に関する。
山を固結、安定化させることによりトンネル掘削時の崩
落、を防止し、地山からの漏水や湧水を遮断することを
目的とする地山固結工法に関する。
【0002】
【従来の技術】地形や地質等の地山条件が不安定な地域
のトンネル施工において、吹付けコンクリート、ロック
ボルト、及び鋼製支保工等の通常の支保パターンでは対
処できない場合、切羽の安定性やトンネルの安全性を確
保し、周辺環境を保全するために、地山条件の改善を図
っている。
のトンネル施工において、吹付けコンクリート、ロック
ボルト、及び鋼製支保工等の通常の支保パターンでは対
処できない場合、切羽の安定性やトンネルの安全性を確
保し、周辺環境を保全するために、地山条件の改善を図
っている。
【0003】トンネル先受け工法とは、トンネル掘削時
に地山の緩み等で崩落等の危険性が予測される場合、よ
り安全且つ円滑に施工を行うために実施されるものであ
る。
に地山の緩み等で崩落等の危険性が予測される場合、よ
り安全且つ円滑に施工を行うために実施されるものであ
る。
【0004】トンネル先受け工法としては、トンネル天
端部の地山崩落を防止するために、掘削断面の上部に自
穿孔ボルトを多数打ち込み、又は、削孔後に中空ボルト
を挿入した後に、ボルト周辺の地山を強固にし、ボルト
と地山との付着性を確保するために、膨張性の薬液やセ
メント系注入材を地山に注入する注入工法や、長尺鋼管
をトンネル掘削断面上部に沿ってア−チ状に多数配置
し、この鋼管内から膨張性の薬液やセメント系注入材を
地山中に注入する注入工法等が挙げられる。
端部の地山崩落を防止するために、掘削断面の上部に自
穿孔ボルトを多数打ち込み、又は、削孔後に中空ボルト
を挿入した後に、ボルト周辺の地山を強固にし、ボルト
と地山との付着性を確保するために、膨張性の薬液やセ
メント系注入材を地山に注入する注入工法や、長尺鋼管
をトンネル掘削断面上部に沿ってア−チ状に多数配置
し、この鋼管内から膨張性の薬液やセメント系注入材を
地山中に注入する注入工法等が挙げられる。
【0005】トンネル先受け工法の一例としては、鋼管
の注入孔より注入材を注入する際、隔壁形成管を用いて
袋体内に予め注入材を注入して注入管内に複数の隔壁を
形成し、隔壁により区切られた各々の空間毎に注入材の
吐出管を配置し、注入孔より注入材を吐出管を通して各
々の空間内に注入する工法が挙げられる(特公平7−9
88号公報)。
の注入孔より注入材を注入する際、隔壁形成管を用いて
袋体内に予め注入材を注入して注入管内に複数の隔壁を
形成し、隔壁により区切られた各々の空間毎に注入材の
吐出管を配置し、注入孔より注入材を吐出管を通して各
々の空間内に注入する工法が挙げられる(特公平7−9
88号公報)。
【0006】これらのトンネル先受け工法に使用される
注入材としては、溶液系注入材、セメント系注入材、及
び水ガラス系注入材が挙げられる。
注入材としては、溶液系注入材、セメント系注入材、及
び水ガラス系注入材が挙げられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のトンネル先受け工法は、注入時に注入材が頻繁に長孔
と注入孔の隙間から地山表面へ漏れてしまい、充分な改
良効果が得られなく、場合によっては、作業が複雑とな
るため完全な工法とは言えなかった。
のトンネル先受け工法は、注入時に注入材が頻繁に長孔
と注入孔の隙間から地山表面へ漏れてしまい、充分な改
良効果が得られなく、場合によっては、作業が複雑とな
るため完全な工法とは言えなかった。
【0008】特公平7−988号公報による、長尺鋼管
を用いたトンネル先受け工法では、注入作業を行う前
に、隔壁形成管、袋体、及び吐出管を注入管内部に設置
しなければならず、特に注入管が長尺になる程その配置
個数が増加するために、隔壁形成管、袋体、及び吐出管
を設置した注入管の製作に時間・費用がかかり、さら
に、これらの吐出管が注入管の注入孔に配置されるため
に、注入管の製作が複雑になってしまうという課題があ
った。又、注入作業においては、隔壁形成管から注入材
を注入し、次に隔壁により区切られた空間へ注入材を注
入するといった工程を順次行わなければならず、連続的
な注入作業ができないという課題があった。
を用いたトンネル先受け工法では、注入作業を行う前
に、隔壁形成管、袋体、及び吐出管を注入管内部に設置
しなければならず、特に注入管が長尺になる程その配置
個数が増加するために、隔壁形成管、袋体、及び吐出管
を設置した注入管の製作に時間・費用がかかり、さら
に、これらの吐出管が注入管の注入孔に配置されるため
に、注入管の製作が複雑になってしまうという課題があ
った。又、注入作業においては、隔壁形成管から注入材
を注入し、次に隔壁により区切られた空間へ注入材を注
入するといった工程を順次行わなければならず、連続的
な注入作業ができないという課題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする問題点】本発明者は鋭意検討
した結果、長尺鋼管を用いたトンネル先受け工法での注
入作業の煩雑化の課題を解消し、優れた固結改良効果が
得られる地山固結工法を見出し、本発明に到達した。
した結果、長尺鋼管を用いたトンネル先受け工法での注
入作業の煩雑化の課題を解消し、優れた固結改良効果が
得られる地山固結工法を見出し、本発明に到達した。
【0010】
【問題を解決するための手段】即ち、本発明は、複数の
注入孔を有してなり、かつ、複数の袋体が一部の注入孔
を覆うようにして配置してなる注入管を地山に挿入した
後、注入管より注入材を注入してなることを特徴とする
地山固結工法であり、複数の注入孔を有してなり、か
つ、複数の袋体が一部の注入孔を覆うようにして配置し
てなる注入管を地山に挿入した後、注入管より袋体に流
体を注入して袋体を膨らませることによりパッカ−を形
成させるとともに、注入材を地山中に注入して注入管を
地山に固定してなることを特徴とする地山固結工法であ
り、注入材がセメント系注入材である該地山固結工法で
ある。そして、トンネルの掘削に先立ち、複数の注入孔
を有してなり、かつ、複数の袋体が一部の注入孔を覆う
ようにして配置してなる注入管を、地山のトンネル掘削
予定面より挿入した後、注入管より注入材を注入して地
山を固結させ、その後該トンネルを掘削してなることを
特徴とするトンネル掘削工法であり、トンネルの掘削に
先立ち、複数の注入孔を有してなり、かつ、複数の袋体
が一部の注入孔を覆うようにして配置してなる注入管を
地山のトンネル掘削予定面より挿入した後、注入管より
袋体に流体を注入して袋体を膨らませることによりパッ
カ−を形成させるとともに、注入材を地山中に注入して
地山を固結させ、その後該トンネルを掘削してなること
を特徴とするトンネル掘削工法であり、注入材がセメン
ト系注入材である該トンネル掘削工法であり、トンネル
掘削工法がトンネル先受け工法である該トンネル掘削工
法である。
注入孔を有してなり、かつ、複数の袋体が一部の注入孔
を覆うようにして配置してなる注入管を地山に挿入した
後、注入管より注入材を注入してなることを特徴とする
地山固結工法であり、複数の注入孔を有してなり、か
つ、複数の袋体が一部の注入孔を覆うようにして配置し
てなる注入管を地山に挿入した後、注入管より袋体に流
体を注入して袋体を膨らませることによりパッカ−を形
成させるとともに、注入材を地山中に注入して注入管を
地山に固定してなることを特徴とする地山固結工法であ
り、注入材がセメント系注入材である該地山固結工法で
ある。そして、トンネルの掘削に先立ち、複数の注入孔
を有してなり、かつ、複数の袋体が一部の注入孔を覆う
ようにして配置してなる注入管を、地山のトンネル掘削
予定面より挿入した後、注入管より注入材を注入して地
山を固結させ、その後該トンネルを掘削してなることを
特徴とするトンネル掘削工法であり、トンネルの掘削に
先立ち、複数の注入孔を有してなり、かつ、複数の袋体
が一部の注入孔を覆うようにして配置してなる注入管を
地山のトンネル掘削予定面より挿入した後、注入管より
袋体に流体を注入して袋体を膨らませることによりパッ
カ−を形成させるとともに、注入材を地山中に注入して
地山を固結させ、その後該トンネルを掘削してなること
を特徴とするトンネル掘削工法であり、注入材がセメン
ト系注入材である該トンネル掘削工法であり、トンネル
掘削工法がトンネル先受け工法である該トンネル掘削工
法である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を注入工法の順序に
従って説明する(図1参照)。
従って説明する(図1参照)。
【0012】本発明は、地山にトンネルを堀削する場合
の掘削予定面(掘削予定面にはその周辺部も含むものと
する)、特に上半周辺部を固結、安定化させることで、
掘削時の崩落、湧水等を防止し、安全に掘削作業を行え
ることを目的とする地山固結工法及びトンネル掘削工法
である。
の掘削予定面(掘削予定面にはその周辺部も含むものと
する)、特に上半周辺部を固結、安定化させることで、
掘削時の崩落、湧水等を防止し、安全に掘削作業を行え
ることを目的とする地山固結工法及びトンネル掘削工法
である。
【0013】本発明では、対象とする地山により注入形
態は変化するものの、れき質土、砂質土、及び粘性土等
何れの土質からなる地山でも対応できる。
態は変化するものの、れき質土、砂質土、及び粘性土等
何れの土質からなる地山でも対応できる。
【0014】本発明では、まず地山1に長孔2を穿孔す
る。特にトンネル先受け工法において、トンネルを堀削
する場合には、トンネル掘削時に地山が崩落しないよう
掘削予定面の上半周辺部をア−チ状に固結させる必要が
ある。そのため、長孔2は、掘削予定面の上半周辺部に
穿孔することが好ましい。
る。特にトンネル先受け工法において、トンネルを堀削
する場合には、トンネル掘削時に地山が崩落しないよう
掘削予定面の上半周辺部をア−チ状に固結させる必要が
ある。そのため、長孔2は、掘削予定面の上半周辺部に
穿孔することが好ましい。
【0015】次に、本発明の注入管3を長孔2に挿入す
る。
る。
【0016】注入管3は長手方向に対して垂直に多数の
注入孔4を開けており、この注入孔4の数カ所を覆うよ
うに、袋体5を取り付ける。
注入孔4を開けており、この注入孔4の数カ所を覆うよ
うに、袋体5を取り付ける。
【0017】注入管3の材質としては、塩ビ製や鋼製等
何れの材質でも使用できるが、再掘削しやすく、注入孔
4の加工性、長孔2への挿入性、及び運搬等の取り扱い
易さの点で、塩ビ製が好ましい。
何れの材質でも使用できるが、再掘削しやすく、注入孔
4の加工性、長孔2への挿入性、及び運搬等の取り扱い
易さの点で、塩ビ製が好ましい。
【0018】注入管3の大きさや寸法については、注入
管3の長さや長孔2の径の大きさによって変化するが、
特に制限はない。
管3の長さや長孔2の径の大きさによって変化するが、
特に制限はない。
【0019】袋体5の材質としては、布、ゴム、ポリエ
チレン、ナイロン、及びビニル袋等殆どの材質が使用で
きるが、長孔2に注入管3を挿入する際、傷等で袋体が
破損する危険性が少ない点で、布が好ましい。布の中で
は、防水性向上の点で、ゴムラテックス等で内面を防水
加工したものや、布の内側にビニルシートをセットした
ものが好ましい。
チレン、ナイロン、及びビニル袋等殆どの材質が使用で
きるが、長孔2に注入管3を挿入する際、傷等で袋体が
破損する危険性が少ない点で、布が好ましい。布の中で
は、防水性向上の点で、ゴムラテックス等で内面を防水
加工したものや、布の内側にビニルシートをセットした
ものが好ましい。
【0020】袋体5の大きさについては、長孔2内と注
入管3の間の空間を埋める大きさがあれば良い。
入管3の間の空間を埋める大きさがあれば良い。
【0021】袋体5の形状は、加工し易く、かつ、容易
にパッカーを形成する点で、袋体5を膨らませた時にパ
ッカーがドーナツ状になるものが好ましい。
にパッカーを形成する点で、袋体5を膨らませた時にパ
ッカーがドーナツ状になるものが好ましい。
【0022】袋体5は、注入管3に取り付け、この袋体
5の両端部を紐で縛るか又は接着剤やホ−スバンド等で
固定するかして、両端部から注入材が漏れないようにす
る。これらの中では、注入管3への取り付けが容易で、
防水性が向上する点で、両端をホ−スバンドで固定する
方法が好ましい。なお、袋体5を膨らませた時にドーナ
ツ状のパッカーを形成させるには、円筒形状のシートの
端部を接着剤等で接着して環状にしたシートを注入管3
に固定し、袋体5を膨らませるとよい。
5の両端部を紐で縛るか又は接着剤やホ−スバンド等で
固定するかして、両端部から注入材が漏れないようにす
る。これらの中では、注入管3への取り付けが容易で、
防水性が向上する点で、両端をホ−スバンドで固定する
方法が好ましい。なお、袋体5を膨らませた時にドーナ
ツ状のパッカーを形成させるには、円筒形状のシートの
端部を接着剤等で接着して環状にしたシートを注入管3
に固定し、袋体5を膨らませるとよい。
【0023】袋体5どうしの間隔は、特に限定はしない
が、袋体5の仕切の間隔を狭くすることにより地山を改
良できるので、1m以下が好ましい。
が、袋体5の仕切の間隔を狭くすることにより地山を改
良できるので、1m以下が好ましい。
【0024】袋体5どうしの間隔を長くすると、地山が
粒度や透水性の異なった層が互層になって形成している
場合に、地山を均一に改良できないおそれがある。
粒度や透水性の異なった層が互層になって形成している
場合に、地山を均一に改良できないおそれがある。
【0025】注入管3の先端部には袋体5を付けても構
わないが、注入管3先端部の地山を改良できる点で、注
入管3の先端部には袋体5を付けず、キャップ6を取り
付けることが好ましい。注入管3の先端部に袋体5を付
けると、注入材が膨らんだ袋体5に遮られて長孔2先端
部へ注入しにくくなるおそれがある。
わないが、注入管3先端部の地山を改良できる点で、注
入管3の先端部には袋体5を付けず、キャップ6を取り
付けることが好ましい。注入管3の先端部に袋体5を付
けると、注入材が膨らんだ袋体5に遮られて長孔2先端
部へ注入しにくくなるおそれがある。
【0026】このように作製した注入管3を長孔2に挿
入した後、注入材を注入し、注入作業を開始する。
入した後、注入材を注入し、注入作業を開始する。
【0027】注入材は、トンネルを堀削する場合に、ト
ンネル掘削時に地山が崩落しないよう掘削予定面の上半
周辺部をア−チ状に固結させる必要がある。そのため、
注入材としては、トンネル掘削時に地山が崩落しない程
度の高い強度を有する点で、セメント系注入材が好まし
い。セメント系注入材中のセメントとしては、各種のポ
ルトランドセメント、微粉末セメント、及び超微粉末セ
メント等の何れも使用できる。さらに、注入材の硬化時
間を分単位と短くすることにより地山固結の対象範囲外
へ注入材が逸流するのを防げるので、地山固結の対象範
囲を限定でき、かつ、地山固結の対象範囲外へ注入材が
注入されないことにより注入材の注入量を少なくできる
ので、作業効率が良くなる点で、セメント系注入材にセ
メント系急硬材を併用してもよい。
ンネル掘削時に地山が崩落しないよう掘削予定面の上半
周辺部をア−チ状に固結させる必要がある。そのため、
注入材としては、トンネル掘削時に地山が崩落しない程
度の高い強度を有する点で、セメント系注入材が好まし
い。セメント系注入材中のセメントとしては、各種のポ
ルトランドセメント、微粉末セメント、及び超微粉末セ
メント等の何れも使用できる。さらに、注入材の硬化時
間を分単位と短くすることにより地山固結の対象範囲外
へ注入材が逸流するのを防げるので、地山固結の対象範
囲を限定でき、かつ、地山固結の対象範囲外へ注入材が
注入されないことにより注入材の注入量を少なくできる
ので、作業効率が良くなる点で、セメント系注入材にセ
メント系急硬材を併用してもよい。
【0028】注入材の水セメント比(W/C)は、地山
が崩落しない程度の強度を確保する必要があるので、初
期強度発現性が大きい点で、W/Cが50〜600%で
あることが好ましく、50〜200%であることがより
好ましい。但し、セメント系注入材にセメント系急硬材
を併用した場合、W/Cのセメントには、セメント系急
硬材の固形分も含む。
が崩落しない程度の強度を確保する必要があるので、初
期強度発現性が大きい点で、W/Cが50〜600%で
あることが好ましく、50〜200%であることがより
好ましい。但し、セメント系注入材にセメント系急硬材
を併用した場合、W/Cのセメントには、セメント系急
硬材の固形分も含む。
【0029】硬化時間の短い注入材については、注入管
3に開けた注入孔4の径を大きくすることにより使用で
きる。二剤型注入材については、注入管3を二本並列に
することにより使用できる。
3に開けた注入孔4の径を大きくすることにより使用で
きる。二剤型注入材については、注入管3を二本並列に
することにより使用できる。
【0030】注入材の注入圧力条件は、袋体5の材質に
より異なるが、袋体5をパッカ−として形成できる圧力
条件下であればよく、0.1MPa以上が好ましい。
より異なるが、袋体5をパッカ−として形成できる圧力
条件下であればよく、0.1MPa以上が好ましい。
【0031】注入材を注入管3から注入することによ
り、まず袋体5が充満して風船状に膨らみ、パッカ−を
形成し、長孔2内部に複数の空間を形成させる。さらに
注入を続けることで、注入管3に開けた多数の注入孔4
より注入材がパッカ−間の空間に充填し、その後地山1
に均等に注入する。袋体5が先にパッカーを形成させる
ために、袋体5に覆われた注入孔4につき、地山1に注
入材を注入させる注入孔4より孔径を大きくしてもよ
く、又、袋体5に覆われた注入孔4の個数につき、地山
1に注入材を注入させる注入孔4より多くしてもよい。
り、まず袋体5が充満して風船状に膨らみ、パッカ−を
形成し、長孔2内部に複数の空間を形成させる。さらに
注入を続けることで、注入管3に開けた多数の注入孔4
より注入材がパッカ−間の空間に充填し、その後地山1
に均等に注入する。袋体5が先にパッカーを形成させる
ために、袋体5に覆われた注入孔4につき、地山1に注
入材を注入させる注入孔4より孔径を大きくしてもよ
く、又、袋体5に覆われた注入孔4の個数につき、地山
1に注入材を注入させる注入孔4より多くしてもよい。
【0032】別の実施形態として、最初に水等の非硬化
性の流体を注入して袋体5を膨らませ、次いで注入材を
注入してもよい。
性の流体を注入して袋体5を膨らませ、次いで注入材を
注入してもよい。
【0033】又、地山により長孔2が崩れやすい脆い地
山については、外管との併用や、シ−ルグラウト材の実
施により問題なく施工できるが、作業が容易な点で、外
管を使用しないことが好ましい。
山については、外管との併用や、シ−ルグラウト材の実
施により問題なく施工できるが、作業が容易な点で、外
管を使用しないことが好ましい。
【0034】本発明では、地山を固結した後、トンネル
を堀削するものである。トンネル堀削の際、注入管3を
地山に固定したまま掘削してもよい。
を堀削するものである。トンネル堀削の際、注入管3を
地山に固定したまま掘削してもよい。
【0035】
【実施例】注入管3や注入工法につき、図1に示す。
【0036】(注入管3の作成)長さ6m、呼び名25
Aの塩ビ製パイプからなる注入管3の一端にキャップ6
を取り付けた。この塩ビ製パイプの長手方向に等間隔で
0.6m毎に、φ2mmの注入孔4を、塩ビ製パイプの
外周面にクロス状で4個ずつ(パイプの反対側にある注
入孔4は図示せず)開けた。注入孔4を覆うようにし
て、ゴムラテックスの塗布により防水加工した円筒型状
の布を9個取り付け、両端をホ−スバンドでしっかりと
固定し、袋体5を形成した(図1では袋体5を3個のみ
例示)。さらに、袋体5により形成される空間の中間部
に、φ2mmの注入孔4を2個ずつ開けた(パイプの反
対側にある注入孔4は図示せず)。このようにして注入
管3を作製した。
Aの塩ビ製パイプからなる注入管3の一端にキャップ6
を取り付けた。この塩ビ製パイプの長手方向に等間隔で
0.6m毎に、φ2mmの注入孔4を、塩ビ製パイプの
外周面にクロス状で4個ずつ(パイプの反対側にある注
入孔4は図示せず)開けた。注入孔4を覆うようにし
て、ゴムラテックスの塗布により防水加工した円筒型状
の布を9個取り付け、両端をホ−スバンドでしっかりと
固定し、袋体5を形成した(図1では袋体5を3個のみ
例示)。さらに、袋体5により形成される空間の中間部
に、φ2mmの注入孔4を2個ずつ開けた(パイプの反
対側にある注入孔4は図示せず)。このようにして注入
管3を作製した。
【0037】(実施例1)ボーリングマシンを用い水平
方向にφ100mm程度、長さ6mの長孔2を地山1に
穿孔した。この長孔2に上記の注入管3を挿入した後、
注入材を圧送し、注入を実施した。注入材としては、超
微粉末セメントと分散剤からなるセメント系注入材とセ
メント系急硬材を併用したものを使用した。なお、注入
材の濃度は、W/C=166%となるように調製した。
注入条件は、吐出量30リットル/分、吐出圧力1.0
MPaとし、600リットルの注入材を注入管3に注入
した。注入中は長孔2と注入管3の隙間から地山表面へ
の注入材漏れは全く発生しなかった。明らかに地山1と
パッカ−が一体化したと判断できた。注入後、注入管3
周りを掘削し地山1の改良具合を観察した結果、注入管
3の位置に関係なく注入管3周りにしっかりと注入材が
均一に固結し、周りの土砂を巻き込んで固化していた。
方向にφ100mm程度、長さ6mの長孔2を地山1に
穿孔した。この長孔2に上記の注入管3を挿入した後、
注入材を圧送し、注入を実施した。注入材としては、超
微粉末セメントと分散剤からなるセメント系注入材とセ
メント系急硬材を併用したものを使用した。なお、注入
材の濃度は、W/C=166%となるように調製した。
注入条件は、吐出量30リットル/分、吐出圧力1.0
MPaとし、600リットルの注入材を注入管3に注入
した。注入中は長孔2と注入管3の隙間から地山表面へ
の注入材漏れは全く発生しなかった。明らかに地山1と
パッカ−が一体化したと判断できた。注入後、注入管3
周りを掘削し地山1の改良具合を観察した結果、注入管
3の位置に関係なく注入管3周りにしっかりと注入材が
均一に固結し、周りの土砂を巻き込んで固化していた。
【0038】(実施例2)最初に、水を圧送して袋体5
を膨らませ、パッカーを形成させた後、注入材を圧送、
注入したこと以外は、実施例1と同様に実施した。その
結果、実施例1と同様に長孔2と注入管3の隙間から地
山表面への注入材漏れは全く発生せず、掘削観察結果も
注入管3周りにしっかりと注入材が均一に固結し、周り
の土砂を巻き込んで固化していた。
を膨らませ、パッカーを形成させた後、注入材を圧送、
注入したこと以外は、実施例1と同様に実施した。その
結果、実施例1と同様に長孔2と注入管3の隙間から地
山表面への注入材漏れは全く発生せず、掘削観察結果も
注入管3周りにしっかりと注入材が均一に固結し、周り
の土砂を巻き込んで固化していた。
【0039】(実施例3)トンネルの掘削に先立ち、ボ
ーリングマシンを用い水平方向にφ100mm程度、長
さ6mの長孔2を地山1のトンネル掘削予定面の上半周
辺部に複数個穿孔した。この複数個の長孔2に上記の注
入管3を1本づつ挿入し、注入材を圧送し、注入を実施
した。注入材としては、実施例1で使用したセメント系
注入材とセメント系急硬材を併用したものを用いた。注
入条件は、吐出量30リットル/分、吐出圧力1.0M
Paとし、注入管1本当たり600リットルの注入材を
注入管3に注入した。注入してから1時間後、トンネル
掘削予定面をトンネル掘削した。その結果、トンネルが
崩落することがなく、湧水もなく、掘削作業も容易であ
った。
ーリングマシンを用い水平方向にφ100mm程度、長
さ6mの長孔2を地山1のトンネル掘削予定面の上半周
辺部に複数個穿孔した。この複数個の長孔2に上記の注
入管3を1本づつ挿入し、注入材を圧送し、注入を実施
した。注入材としては、実施例1で使用したセメント系
注入材とセメント系急硬材を併用したものを用いた。注
入条件は、吐出量30リットル/分、吐出圧力1.0M
Paとし、注入管1本当たり600リットルの注入材を
注入管3に注入した。注入してから1時間後、トンネル
掘削予定面をトンネル掘削した。その結果、トンネルが
崩落することがなく、湧水もなく、掘削作業も容易であ
った。
【0040】(比較例1)注入管3に袋体5を取り付け
なかったこと以外は、実施例3と同様に実施した。注入
中は、長孔2と注入管3の隙間から地山表面への注入材
漏れが多量に発生した。注入後、注入管3の下部を掘削
し、地山1の改良具合を観察した結果、注入管3の周り
に極少量の注入材が固結していたが、土砂は全く固化し
ていなかった。このため、トンネル掘削中に注入管下部
の地山が大きく崩れ落ち、地山改良効果が認められなか
った。
なかったこと以外は、実施例3と同様に実施した。注入
中は、長孔2と注入管3の隙間から地山表面への注入材
漏れが多量に発生した。注入後、注入管3の下部を掘削
し、地山1の改良具合を観察した結果、注入管3の周り
に極少量の注入材が固結していたが、土砂は全く固化し
ていなかった。このため、トンネル掘削中に注入管下部
の地山が大きく崩れ落ち、地山改良効果が認められなか
った。
【0041】
【発明の効果】本発明の注入管を用いることにより、注
入作業が連続的かつ容易に実施できるので、短時間で均
一な地山改良を行うことができる。さらに、本発明の注
入管は遮水層の形成や安定化掘削等の地山改良を目的と
するものであり、アンカー効果を有する程強固に注入管
を固定するものではないので、地山改良後に再度掘削す
る際に、地山中に固定された注入管毎破壊して容易に掘
削できるという利点を有する。又、注入管は簡素な構成
のために、作製が容易であり、その産業上の利用性は極
めて大きい。さらに、地山が粒度や透水性の異なった層
が互層になって形成しても、地山を均一に改良できる。
そして、トンネル掘削による地山の緩みや地表面の変形
を防止し、安全な掘削ができる。
入作業が連続的かつ容易に実施できるので、短時間で均
一な地山改良を行うことができる。さらに、本発明の注
入管は遮水層の形成や安定化掘削等の地山改良を目的と
するものであり、アンカー効果を有する程強固に注入管
を固定するものではないので、地山改良後に再度掘削す
る際に、地山中に固定された注入管毎破壊して容易に掘
削できるという利点を有する。又、注入管は簡素な構成
のために、作製が容易であり、その産業上の利用性は極
めて大きい。さらに、地山が粒度や透水性の異なった層
が互層になって形成しても、地山を均一に改良できる。
そして、トンネル掘削による地山の緩みや地表面の変形
を防止し、安全な掘削ができる。
【図1】長孔に挿入し、パッカーを形成した注入管の部
分断面図である。
分断面図である。
1 地山 2 長孔 3 注入管 4 注入孔 5 袋体 6 キャップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川内 敏夫 東京都千代田区有楽町1丁目4番1号 電 気化学工業株式会社内 Fターム(参考) 2D040 AA04 AB01 BB09 CA01 CA02 CB03 DC02 2D054 AC15
Claims (7)
- 【請求項1】 複数の注入孔を有してなり、かつ、複数
の袋体が一部の注入孔を覆うようにして配置してなる注
入管を地山に挿入した後、注入管より注入材を注入して
なることを特徴とする地山固結工法。 - 【請求項2】 複数の注入孔を有してなり、かつ、複数
の袋体が一部の注入孔を覆うようにして配置してなる注
入管を地山に挿入した後、注入管より袋体に流体を注入
して袋体を膨らませることによりパッカ−を形成させる
とともに、注入材を地山中に注入して注入管を地山に固
定してなることを特徴とする地山固結工法。 - 【請求項3】 注入材がセメント系注入材である請求項
1又は2記載の地山固結工法。 - 【請求項4】 トンネルの掘削に先立ち、複数の注入孔
を有してなり、かつ、複数の袋体が一部の注入孔を覆う
ようにして配置してなる注入管を、地山のトンネル掘削
予定面より挿入した後、注入管より注入材を注入して地
山を固結させ、その後該トンネルを掘削してなることを
特徴とするトンネル掘削工法。 - 【請求項5】 トンネルの掘削に先立ち、複数の注入孔
を有してなり、かつ、複数の袋体が一部の注入孔を覆う
ようにして配置してなる注入管を地山のトンネル掘削予
定面より挿入した後、注入管より袋体に流体を注入して
袋体を膨らませることによりパッカ−を形成させるとと
もに、注入材を地山中に注入して地山を固結させ、その
後該トンネルを掘削してなることを特徴とするトンネル
掘削工法。 - 【請求項6】 注入材がセメント系注入材である請求項
4又は5記載のトンネル掘削工法。 - 【請求項7】 トンネル掘削工法がトンネル先受け工法
である請求項4〜6のうちの1項記載のトンネル掘削工
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000195641A JP2001073666A (ja) | 1999-07-01 | 2000-06-29 | 地山固結工法及びトンネル掘削工法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18825799 | 1999-07-01 | ||
JP11-188257 | 1999-07-01 | ||
JP2000195641A JP2001073666A (ja) | 1999-07-01 | 2000-06-29 | 地山固結工法及びトンネル掘削工法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001073666A true JP2001073666A (ja) | 2001-03-21 |
Family
ID=26504817
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000195641A Pending JP2001073666A (ja) | 1999-07-01 | 2000-06-29 | 地山固結工法及びトンネル掘削工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001073666A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108755699A (zh) * | 2018-06-07 | 2018-11-06 | 上海勘察设计研究院(集团)有限公司 | 一种基坑周边土体的变形控制方法及装置 |
-
2000
- 2000-06-29 JP JP2000195641A patent/JP2001073666A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108755699A (zh) * | 2018-06-07 | 2018-11-06 | 上海勘察设计研究院(集团)有限公司 | 一种基坑周边土体的变形控制方法及装置 |
CN108755699B (zh) * | 2018-06-07 | 2020-10-30 | 上海勘察设计研究院(集团)有限公司 | 一种基坑周边土体的变形控制方法及装置 |
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