JP2001073457A - 補強部材 - Google Patents
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Abstract
部材を提案する。 【解決手段】鉄骨構造物の補強部材として、鉄骨構造部
側の補強鋼材と、引張り部材側の補強鋼材とに、それぞ
れ同心円状の凹凸を有するすべり抑制加工面を形成して
インロー方式で互いに嵌め合せた状態で締付け手段によ
って締め付ける。
Description
特に例えば鉄骨構造物において使用されるすじかい補強
部材等の補強部材に適用して好適なものである。
は、例えば図20に鉄骨枠構造物1について示すよう
に、互いに平行な一対のはり鋼材2A及び2B間に、所
定の間隔で複数のわたり鋼材3が渡され、わたり鋼材3
の両端がはり鋼材2A及び2Bに固定されていることに
より、複数の枠構造部4が順次はり鋼材2A及び2Bの
延長方向に配列されるように形成され、各枠構造部4の
互いに対向する隅部間に、すじかい補強部材5が取り付
けられ、このすじかい補強部材5が各枠構造部4の変形
に対する補強手段として作用するような構成のものが用
いられている。
の対向する隅部に固定されるブレース部材6と、互いに
斜めに対向するブレース部材6間に連結された引張り部
材7とによって構成され、引張り部材7は枠構造部4の
四隅部分を内側に引っ張ることにより、例えば地震発生
時に、枠構造部4のはり鋼材2A及び2B、並びにわた
り鋼材3が互いにずれる方向に振動しようとしたとき、
これを引張り部材7の引張力によって防止することによ
り枠構造部4の耐振力を高めることができる。
鉄骨枠構造物1が大規模になると、地震発生時にすじか
い補強部材5にかかる荷重が大きくなるので、各部の強
度を大きくする必要があり、特に、引張り部材7を枠構
造部4の四隅に固定するブレース部材6が十分な強度を
もつ必要がある。
外側縁8A及び8Bを枠構造部4のはり鋼材2A又は2
B及びわたり鋼材3に、溶接固定される板状鋼材(これ
をブレスシートと呼ぶ)8と、例えば棒状鋼材でなる引
張り部材7の両端に溶接された板状の接続鋼材(これを
ブレース板と呼ぶ)9とを有し、ブレスシート8及びブ
レース板9に穿設された2つのボルト孔10A及び10
Bをボルトによって締め付けることによりブレース板9
をブレスシート8に支圧接合する。ここで支圧接合は、
ボルトがボルト穴10A及び10Bの内面に対接するこ
とにより、ブレース板9及びブレスシート8間のすべり
を止める接合の仕方をいう。
かかる荷重は、ブレース板9からボルト孔10A及び1
0Bを挿通するボルトを通してブレスシート8に伝えら
れる。
レース板9をブレスシート8に固定するために用いるボ
ルトの本数を少なくとも2本以上にして、当該2本以上
のボルトの締付力ないし耐せん断力によってブレース板
9及びブレスシート8を強力に一体化する方法が採用さ
れている。
に示すように、ボルト孔10A及び10Bの配列方向D
1と引張り部材7の引張り方向D2とが一致せずに、引
張り部材7がボルト孔の配列方向D1とは違う方向に引
っ張られると、ブレース板9が前側のボルト孔10Aを
挿通するボルトを中心として、引張り方向D2に合う方
向に旋回することにより、後側のボルト孔10Bが図2
3に示すように、建設時にブレース板9をブレスシート
8に取り付けたときの取付け位置10B1から、ブレー
ス板9の旋回によるずれた位置10B2にずれるような
現象が起こる。
ボルトには、ブレース板9がブレスシート8からずれる
方向に動くために、ブレース板9のボルト孔10Bの縁
によりボルトにせん断力が作用し、これによりボルトの
せん断又はボルト孔10Bの縁の型崩れが生ずることに
より、ブレース板9及びブレスシート8間の結合力が低
下する結果が起こる。
ば、地震発生時に、ブレース板9及びブレスシート8間
の結合力が低下することにより、枠構造部4に対するす
じかい補強部材5の機能が低下し、これにより枠構造部
4の耐振性が弱まるおそれがある。
で、補強部材としての機能の低下を簡易な構成によって
防止できるようにした補強部材を提案しようとするもの
である。
めの本発明においては、引張り部材22の両端に、当該
引張り部材22を鉄骨構造物1に接合する接合部材23
を有し、鉄骨構造物1からの引張り荷重を引張り部材2
2によって支持する補強部材21において、接合部材2
3は、鉄骨構造物1側に固定される板状の第1の接合鋼
材24と、引張り部材22側に固定される板状の第2の
接合鋼材25と、第1及び第2の接合鋼材24及び25
の厚みを貫通するようにそれぞれ穿設された第1及び第
2の挿通孔24A及び25Bを挿通した状態で、第1及
び第2の接合鋼材24及び25を締め付ける締付け部材
(31、32)とを具え、第1の接合鋼材24は、一面
又は両面に、同心円状の凹凸を有する第1のすべり抑制
加工面24Bを有すると共に、第2の接合鋼材25は、
第1の接合鋼材24側の一面に、同心円状の凹凸を有す
る第2のすべり抑制加工面25Cを有し、第1及び第2
の接合鋼材24及び25を、第1及び第2のすべり抑制
加工面24B及び25Cの凹凸を互いに嵌め合わせるよ
うに噛み合わせた状態で、重ね合わせて、第1及び第2
の挿通孔24A及び25Bを挿通した締付け部材(3
1、32)によって締め付けることにより一体に接合す
るようにする。
鋼材24及び25が接触する面に、同心円状凹凸を有す
るすべり抑制加工面24B及び25Cを形成すると共
に、これらをインロー方式で互いに嵌め合うように噛み
合った状態で接合するようにしたことにより、第1及び
第2の接合鋼材24及び25を十分大きな接合耐力をも
つ状態で接合できる。
施の形態を詳述する。
す図1において、鉄骨枠構造物1の各枠構造部4におい
て、対向する隅部間に2本のすじかい補強部材21が取
り付けられている。
引張り部材22の両端をブレース部材23を介して枠構
造部4の対向する隅部に結合される。
ように、ブレース板25の先端部に形成された円板状接
合部25Aをブレスシート24に重ね合わせた状態で、
ボルト31及びナット32によって締め付けることによ
り、一体に接合した構成を有する。
する面には、図4に示すように、ボルト孔24Aの周り
に、同心円状凹凸を有するすべり抑制加工面24Bが形
成されている。
合部25Aのブレスシート24と接触する面には、図5
に示すように、ボルト孔25Bの周囲に、同心円状凹凸
を有するすべり抑制加工面25Cが形成され、円板状接
合部25Aがブレスシート24に重ね合わされたとき、
図6に示すように、ブレスシート24のすべり抑制加工
面24Bの凹凸面と、円板状接合部25Aのすべり抑制
加工面25Cの凹凸面とが、丁度嵌め合うように噛み合
った状態で接合できるようになされている(この接合方
法をインロー(In a raw)方式の接合方法と呼ぶ)。
のすべり抑制加工面24B及びブレース板25のすべり
抑制加工面25Cは、それぞれ図7(A)及び図8
(A)に示すような転造工具TO1及びTO2による転
造加工によって形成される。
に、ブレスシート24のボルト孔24Aの中心点を回転
中心軸PO1が通るようにブレスシート24に位置合せ
された状態で、回転中心軸PO1を中心として一対の転
造ダイス33L及び33Rをブレスシート24に対して
大きい荷重で押しつけながら転造させる。
(A)に示すように、先端部において、円錐傾斜面34
に、1つのリング状山部35Aと、これを挟む2つのリ
ング状溝部35Bとをもつ転造刃36を有し、その回転
中心軸PO2R及びPO2Lを回転中心軸PO1に対し
て所定の角度で対称に位置決めするように、転造ダイス
33L及び33Rをダイスホルダ(図示せず)に保持す
ることにより、円錐傾斜面34が丁度ブレスシート24
の表面に沿うように延長した状態で、山部35A及び溝
部35Bを押し付けることができるようになされてい
る。
O1を中心に回転すると、転造ダイス33L及び33R
の転造刃36がブレスシート24のボルト孔24Aの周
囲に喰い込むように転造することにより、ボルト孔24
Aの周囲に、その山部35A及び溝部35Bの表面形状
とほぼ同じ形状の凹凸が転造加工される。
7(B)及び図7(C)に示すように、転造刃36の山
部35Aに対応する溝37Aと、転造刃36の溝部35
Bに対応する山37Bを同心円状に形成してなるすべり
抑制加工面24Bが形成される。
び図9(A)に対応させて示す図8(A)〜(C)及び
図9(B)において、対応する部分の符号に添え字Xを
付して示すように、転造ダイス33LX及び33RXの
転造刃36Xの形状が異なることを除いて他は、ブレス
シート24を加工する場合と同様にして、ブレース板2
5を転造工具TO2によって転造加工する。
36Xは、図9(B)に示すように、ブレスシート24
を加工するための転造ダイス33L及び33Rの転造刃
36との対応関係において、転造刃36の1つの山部3
5Aと対応する形状をもつ1つの谷部35BXを有する
と共に、その両側に2つの谷部35Bに対応する形状を
もつ2つの山部35AXを有する。
ス33LX及び33RXによってブレース板25を転造
加工したとき、ブレース板25のボルト孔25Aの周囲
には、図8(B)及び(C)に示すように、ボルト孔2
5Aを中心として、ブレスシート24の山37Bと同じ
同心位置に溝37AXを有すると共に、ブレスシート2
4の溝37Aと同じ同心位置に山37BXを有する、同
心円状凹凸でなるすべり抑制加工面25Cが形成され
る。
ース板25のボルト孔24A及び25Aの周囲に形成さ
れた凹凸は、互いに山が溝に嵌まり合う同心位置及び形
状を有することにより、ブレスシート24をブレース板
25に重ね合せた状態において、ボルト孔24A及び2
5Aを挿通するボルト31にナット32を締め付けたと
き、ブレスシート24及びブレース板25のすべり抑制
加工面24B及び25Cが互いにインロー方式で接合さ
れる。
びナット32の内側面には、図10に示すように、すべ
り抑制加工面24B及び25Cに対応する内側部分に中
空部31A及び32Aが形成されている。
付け対象となるブレスシート24又はブレース板25と
の対接部分が、外側に拡がると共に、外周縁の形状が円
形の鍔部31Cを有する。
スシート24又はブレース板25に接触する内側面に、
外側に拡がりかつ外周縁の形状が円形の鍔部32Bを有
し、これによりブレスシート24及びブレース板25を
ボルト31の頭部31B及びナット32によって締め付
けたとき、鍔部31C及び32Bが締付け対象となるブ
レスシート24及びブレース板25に対接した状態にお
いて、頭部31B及びナット32の中空部31A及び3
2Aが締付け対象に当接していないことにより、さらに
ボルト31に対してナット32を締め込むことができ
る。
を締め込むと、鍔部31C及び32Bが外側位置におい
てブレスシート24及びブレース板25を抑え込むこと
により、当該ボルト31及びナット32によるブレスシ
ート24及びブレース板25を変形させることなく締付
けることができる。
11に示すように、中空部32A及び31Aをもたない
ものを適用したときには、ブレスシート24及びブレー
ス板25のうち、ボルト31及びナット32によって締
め付けられた部分の外周部分が、外側に変形してブレス
シート24及びブレース板25間に隙間45ができ、そ
の間に水滴が入って錆が出るようなおそれがあるが、図
10のように構成すれば、かかるおそれを防止し得る。
じかい補強部材21を取り付ける際には(図1)、鉄骨
枠構造物1の各枠構造部4において、その四隅にブレス
シート24の外側の取付け側面23A及び23B(図
2、図4)を溶接した後、引張り部材22の両端に溶接
されたブレース板25(図2、図5)を、そのボルト孔
25Bをブレスシート24のボルト孔24Aに位置合わ
せした状態で、ボルト31を挿通させてナット32を締
め付ける。
工面25Cがブレスシート24のすべり抑制加工面24
Bに同心状態に重ね合せられて締め付けられることによ
り、すべり抑制加工面25Cがすべり抑制加工面24B
にインロー方式で互いに嵌め合うように噛み合った状態
で固定される(図3)。
21を枠構造部4に取り付ける際には、引張り部材22
に挿入された長さ調整部材40(例えば割枠型又はパイ
プ型ターンバックルを用いる)(図1)を回転すること
によって、その両端にねじ込まれた引張り部材22の長
さを調整し、これにより、引張り部材22がその長手方
向に枠構造部4の四隅の部分を内側に引っ張った緊張状
態を保持するようにし、その結果すじかい補強部材21
を補強動作させる。
い補強部材21を取り付けた状態において、地震が発生
してはり鋼材2A及び2B、並びにわたり鋼材3が歪む
ような振動動作をしようとすると、引張り部材21が図
3において矢印aで示すように引張り部材21の延長方
向に引っ張られる。
びボルト孔の周囲に形成されたすべり抑制加工面25C
によってブレスシート24に接合されていることによ
り、引張り方向aがずれてもその方向の力に適合するよ
うに、すべり抑制加工面の同心円状凹凸に沿う方向に、
回動すると共に、ブレスシート24のすべり抑制加工面
24Bとブレース板25のすべり抑制加工面25Cとの
噛み合いによって引張力に対してブレスシート24及び
ブレース板25を、互いにすべらせないように、保持す
る。
Cの凹凸が、インロー方式によって互いに嵌め合うよう
に噛み合っていることにより、引張り部材22から印加
される瞬時的な引張力がかなり大きくなっても、これに
耐え得るような保持力をブレース部材23が発揮する。
5のすべり抑制加工面24B及び25Cは、転造ダイス
33L、33R及び33LX、33RXによって転造さ
れてボルト孔の周囲に同心円状に続く山37B、37B
X及び溝37A、37AXをもつように構成されている
ことにより(図7、図8)、当該山37B、37BX及
び溝37A、37AXが塑性加工により得られる大きな
強度をもつことになるので、当該山37B、37BX及
び溝37A、37AXの強度に応じてブレスシート24
及びブレース板25間にすべりを生じさせないようにす
る大きな保持力が得られる。
レース板25の接合部分の形状を、図2及び図5に示す
ように、ボルト孔25Bを中心として周囲に比較的長く
円形に広がる円板状接合部25Aを設けるようにしたこ
とにより、引張り部材22から荷重が大きくなってもブ
レース板25に亀裂が入るおそれを有効に防止できる。
たように、長方形状のブレース板9を用いた場合には、
引張り部材7に過大な荷重が付与されれば、ボルト孔1
0A、10Bからブレース板9の縁までの距離が短いた
めに、ボルト孔10A、10Bを中心に亀裂が入るおそ
れがある。
32Bの内側に中空部31A及び32Aを有する構成の
ボルト31及びナット32を用いて、ブレスシート24
及びブレース板25を締め付けるようにしたことによ
り、ブレスシート24及びブレース板25を変形させる
ことなく接合することができる。
示す。
(B)に示すように、板状の試料鋼材T1及びT2の先
端部を互いに接触させた状態において、当該先端部に穿
設したボルト穴H1及びH2にボルトB1を挿通してナ
ットB2によって締め付けた後、試料鋼材T1及びT2
に矢印a1及びa2で示す方向に荷重を付与して、ボル
トB1及びナットB2を締め付けることにより得た試料
鋼材T1及びT2間の接合耐力を測定した。
は、ボルト径がM22(直径22〔mm〕)の一本の高力ボ
ルト(熱処理された特殊鋼を用いているボルト)を、締
付トルク5600で締め付けることにより試料鋼材T1及び
T2を接合した。
は、それぞれ図7及び図8について上述した同心円状の
すべり抑制加工面24B及び25Cが転造されており、
当該すべり抑制加工面24B及び25Cをインロー方式
で嵌め合せた状態で接合した。
わち接合耐力は、 172.0〔KN〕及び207.5〔KN〕であっ
た。
4B及び25Cを形成しない試料鋼材T1及びT2につ
いて、すべり試験をしたもので、このときの接合耐力は
35.5〔KN〕及び39.0〔KN〕であった。
べり抑制加工面24B、25Cを転造加工した場合に
は、試料番号1及び2の場合のようにすべり抑制加工面
24B及び25Cを形成しない場合と比較して、平均値
で、5.09倍もの格段的に大きなすべり耐力が得られるこ
とを確認できた。
て中ボルト(熱処理をしていない鋼を用いたボルト)を
用いて締付トルク4800で締め付けた場合には、 168.0
〔KN〕及び 208.0〔KN〕の接合耐力が得られた。
いない中ボルトを用いた場合であっても、すべり抑制加
工面24B及び25Cを形成しない場合と比較して、平
均値で5.04倍の接合耐力を得ることができることを確認
できた。
料について、ボルト径がM22より細いM16(直径16
〔mm〕)の高力ボルトを用いると共に、試料鋼材T1及
びT2のすべり抑制加工面24B及び25Cを締付トル
ク3000で締め付けた場合の接合耐力は、 180.0〔KN〕及
び 177.1〔KN〕であった。
いて、中ボルトを用いて締付トルク1550で締め付けた場
合の接合耐力は、 157.0〔KN〕及び 134.2〔KN〕であっ
た。
〔mm〕に細くしても、試料番号1及び2の場合と比較し
て、平均で、4.79倍の接合耐力が得られた。
ついて、試料鋼材T1及びT2の接合面にすべり抑制加
工面24B及び25Cを形成せずに、2本の高力ボルト
で、締付トルク5600で締め付けて接合耐力試験をしたと
ころ、接合耐力は65.2〔KN〕及び79.4〔KN〕であった。
25Cをもたない場合に、ボルトを2本用いて接合した
場合には、ボルトが1本の場合(試料番号1及び2)と
比較して接合耐力が約2倍になるが、このボルトが2本
の場合(試料番号7及び8)と比較しても、すべり抑制
加工面24B及び25Cをもっている場合(試料番号3
及び4、5及び69及び10、並びに11及び12)の
方が、接合耐力が2.01〜2.62倍だけ大きいことを確認で
きた。
け手段として、図10に示すように、ボルト31及びナ
ット32の鍔部31C及び32Bの内側に中空部31A
及び32Aを設けるようにした場合について述べたが、
締付け手段としてはこれに限らず、中空部31A及び3
2Aをもたないボルト及びナットや、リベットなどの他
の手段を用いるようにしても良い。
B及び25Cがインロー方式で噛み合うことにより得ら
れる接合効果を得ることができる。
に示すように、ブレース板25として先端に円板状接合
部25Aを有するものを適用したが、その形状は円板状
以外の種々の形状を用いることができる。
7及び図8について上述したように、一対の転造ダイス
33L、33R及び33LX、33RXによってブレス
シート24及びブレース板25を転造加工するようにし
た場合について述べたが、転造工具としてはこれに限ら
ず、種々の構成のものを用いることができ、要するに、
同心円状凹凸を有するすべり抑制加工面24B及び25
Cを形成できるものであれば良い。
り抑制加工面24B及び25Cを有するブレスシート2
4及びブレース板25の表面を錆取り処理や、メッキ加
工処理を施したものを用いるようにしても、上述の場合
と同様の効果を得ることができる。
ート24及びブレース板25として、1つのボルト孔2
4A及び25Bの周囲にすべり抑制加工面25B及び2
5Cを形成するようにした場合について述べたが、これ
に代え、図15及び図16に示すように、すべり抑制加
工面24B及び25C内に2つのボルト孔24D及び2
4F、並びに25D及び25Fを設け、図14に示すよ
うに、これらの2つのボルト孔をそれぞれ挿通する2本
のボルトによってブレスシート24及びブレース板25
を接合するようにしても良い。
B及び25Cがインロー方式によって互いに嵌め合うよ
うに噛み合っていることにより、大きな接合耐力を得る
ことができると共に、締め付けるために用いるボルトと
して、図4及び図5の場合と比較して細い直径のもの
(従って安価に入手できるもの)を用いることができ
る。
代え、図17及び図18に示すように、ブレースシート
24又はブレース板25のうちの一方、例えばブレース
板25のボルト孔25D及び25Fとして、同心円状凹
凸の円周に沿う方向に、円弧状に延長する形状のものを
適用しても良く、このようにして、すべり抑制加工面2
4B及び25Cの接合耐力によってブレスシート24及
びブレース板25を接合することができる。因に、2本
のボルトは、ブレスシート24のすべり抑制加工面24
Bとブレース板25のすべり抑制加工面25Cとを、イ
ンロー方式で嵌め合うようにかみ合わせて接合した状態
を保持する作用をするもので、ボルト穴に対接して支圧
接合する必要はない。
ト24又はブレース板25の一方、例えばブレース板2
5のボルト孔25D及び25Fを円弧状にすれば、図2
2及び図23について上述したように、引張り部材7に
対する引張り方向D2がブレスシート24のボルト孔の
配列方向D1からずれた場合にも、ブレース板25の円
板状接合部25Aがすべり抑制加工面25Cの凹凸に沿
って円周方向に回動できることにより、インロー方式で
噛み合った接合状態を、異常を生じさせることなく、安
定に維持できる。この分、枠構造部4に対するすじかい
補強部材21の取付け作業を一段と楽にできる。
ので、この場合のブレスシート24は、両面のボルト穴
24Aの周辺部にすべり抑制加工面24Bを有する。
のすべり抑制加工面24Bは、ブレース板25に形成さ
れたすべり抑制加工面25Cにインロー方式で嵌め合っ
ているのに対して、ブレスシート24のブレース板25
側とは反対側のすべり抑制加工面24Bは、ワッシャ4
0のブレスシート24側の表面に形成されているすべり
抑制加工面41にインロー方式で嵌め合っている。
板25は、ボルト31に対してナット32を締め付ける
ことにより、ワッシャ40を介して、すべり抑制加工面
24B及び25Cがインロー方式で噛み合った状態で、
接合することができる。
ト24の両面にすべり抑制加工面24Bを形成するよう
にしたことにより、ブレース板25をブレスシート24
のいずれの表面にも接合することができ、これによりす
じかい補強部材21を鉄骨枠構造物1(図1)の枠構造
部4に取り付ける際に、当該取付け作業を一段と容易に
できる。
隅に溶接固定する際に、図17のブレスシートを用いれ
ば、ブレスシート24の裏表を気づかうことなく四隅の
各位置に溶接すれば良く、その結果ブレスシート24の
いずれの面がブレース板25側に来ても、当該ブレース
板25側に来た面に形成されたすべり抑制加工面24B
にブレース板25のすべり抑制加工面25Cを嵌め合わ
せることができ、かくして取付け作業を一段と容易にで
きる。
〔mm〕に細くし、かつボルトを高力ボルトから中ボルト
に換えても、試料番号1及び2の場合と比較して、平均
で、3.90倍の接合耐力が得られた。
として、第1及び第2の接合鋼材が対接する面に、同心
円状凹凸を有するすべり抑制加工面を形成すると共に、
これらをインロー方式で互いに嵌め合うように噛み合わ
せた状態で接合するようにしたことにより、第1及び第
2の接合鋼材を十分大きな接合耐力をもつ状態で接合で
きるような補強部材を実現できる。
示す正面図である。
である。
3R)を用いてすべり抑制加工面24Bをブレスシート
24上に加工する際の加工処理動作の説明に供する略線
図である。
(33RX)を用いてすべり抑制加工面25Cを加工す
る際の加工処理動作の説明に供する略線図である。
3R)及び33LX(33RX)を示す側面図である。
を示す断面図である。
断面図である。
面図である。
る。
る。
平面図である。
ース板を示す平面図である。
示す側断面図である。
る。
る正面図である。
ある。
わたり鋼材、4……枠構造部、5、21……すじかい補
強部材、6、23……ブレース部材、7、22……引張
り部材、8、24……ブレスシート、9、25……ブレ
ース板、10A、10B、24A、25B……ボルト
孔、24B、25C……すべり抑制加工面、33L(3
3R)、33LX(33RX)……転造ダイス、31、
32……転造工具、36……転造刃。
Claims (3)
- 【請求項1】引張り部材の両端に、当該引張り部材を鉄
骨構造物に接合する接合部材を有し、鉄骨構造物からの
引張り荷重を上記引張り部材によって支持する補強部材
において、 上記接合部材は、 上記鉄骨構造物側に固定される板状の第1の接合鋼材
と、上記引張り部材側に固定される板状の第2の接合鋼
材と、 上記第1及び第2の接合鋼材の厚みを貫通するようにそ
れぞれ穿設された第1及び第2の挿通孔を挿通した状態
で、上記第1及び第2の接合鋼材を締め付ける締付け部
材とを具え、 上記第1の接合鋼材は、一面又は両面に、同心円状の凹
凸を有する第1のすべり抑制加工面を有すると共に、上
記第2の接合鋼材は、上記第1の接合鋼材側の一面に、
同心円状の凹凸を有する第2のすべり抑制加工面を有
し、 上記第1及び第2の接合鋼材を、上記第1及び第2のす
べり抑制加工面の上記凹凸を互いに嵌め合わせるように
噛み合わせた状態で、重ね合わせて、上記第1及び第2
の挿通孔を挿通した上記締付け部材によって締め付ける
ことにより一体に接合することを特徴とする補強部材。 - 【請求項2】引張り部材の両端に、当該引張り部材を鉄
骨構造物に接合する接合部材を有し、鉄骨構造物からの
引張り荷重を上記引張り部材によって支持する補強部材
において、 上記接合部材は、 上記鉄骨構造物側に固定される板状の第1の接合鋼材
と、上記引張り部材側に固定される板状の第2の接合鋼
材と、 上記第1及び第2の接合鋼材の厚みを貫通するようにそ
れぞれ穿設された第1及び第2の挿通孔を挿通した状態
で、上記第1及び第2の接合鋼材を締め付ける締付け部
材とを具え、 上記第1の接合鋼材は、一面又は両面に、上記締付け部
材を挿通させる上記第1の挿通孔の周囲に同心円状の凹
凸を有する第1のすべり抑制加工面を有すると共に、上
記第2の接合鋼材は上記締付け部材を挿通させる上記第
2の挿通孔の周囲に同心円状の凹凸を有する第2のすべ
り抑制加工面を有し、 上記第1及び第2の接合鋼材を、上記第1及び第2のす
べり抑制加工面の上記凹凸を互いに嵌め合わせるように
噛み合わせた状態で、重ね合わせて、上記第1及び第2
の挿通孔を挿通した上記締付け部材によって締め付ける
ことにより一体に接合することを特徴とする補強部材。 - 【請求項3】上記締付け部材は、重ね合わせた上記第1
及び第2の接合鋼材と対接する面において、上記挿通孔
側に内側に中空部を形成するように、外側縁周部に鍔部
を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の補強
部材。
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BR9908244-6A BR9908244A (pt) | 1998-12-25 | 1999-12-20 | Métodos e aparelhos para processamento de superfìcies unidas e para união de elementos de aço, elementos de aço, e de reforço de amarração, aparelho de estrutura de armação, e, ferramenta de processamento |
CA002320380A CA2320380A1 (en) | 1998-12-25 | 1999-12-20 | Method of joining steel products, method of processing junction surfaces of steel products, and reinforcing member |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013103596A (ja) * | 2011-11-14 | 2013-05-30 | Hitachi Ltd | 鉄道車両 |
-
1999
- 1999-09-08 JP JP25475099A patent/JP3590961B2/ja not_active Expired - Fee Related
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