JP2001073448A - 耐力壁の配置方法 - Google Patents
耐力壁の配置方法Info
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Abstract
力壁を配置する方法を提案する。 【解決手段】予め建物の外壁及び間仕切り壁を含む平面
形状を設定すると共に各階層に於ける各方向毎の必要耐
力壁数を設定する。配置パターン作成工程では、設定さ
れた平面形状及び各方向の必要耐力壁数に基づいて外壁
及び、又は間仕切り壁に対する耐力壁の複数の配置パタ
ーンを作成する。点数付け工程では、配置パターン作成
工程で作成された全ての配置パターンに対し、各方向毎
に、予め設定された柱隣接度,平面的分散度,立面的分
散度に基づいて点数付けを行うことで、各配置パターン
毎に点数を付ける。配置決定工程では、点数付け工程に
於いて最高点を付与された各方向毎の配置パターンに基
づいて各階層毎に耐力壁の配置を決定する。
Description
る各階層毎の外壁及び、又は間仕切り壁に耐力壁を適正
に配置することが出来る耐力壁の配置方法に関するもの
である。
する地震や風等の水平力を想定すると共に屋根や壁或い
は床等の構造要素の重量や重心点を計算し、この計算結
果に基づいて各方向の壁に耐力壁を適数配置することが
行われている。この計算は煩雑であり、コンピュータを
利用して部分的な演算を実行し得るものの、耐力壁の配
置等は設計者が適宜割り付けている。
割り付けを含めた構造設計の支援を行うことが提案され
ている。例えば、特開平9-302765号公報に開示された技
術は、コンピュータの画面上で住宅の外壁ラインと屋根
の仕様に関するデータを入力することにより、コンピュ
ータに横,縦方向の耐力壁の目安数と重心の位置を算出
させてこの結果を画面上に表示させ、この表示を参照し
ながら外壁ラインに沿って耐力壁を入力した後、入力し
た耐力壁によって必要強度を付与できるか否かを判定さ
せて結果を画面に表示させ、判定により必要強度を付与
できないと判明したとき、耐力壁の配置の修正を行って
再度強度判定を行うものである。この技術では、目的の
住宅に於ける外壁に耐力壁を配置して強度の判定を行う
ことが出来るため、構造計画の支援方法として有利であ
る。
耐力壁の入力位置(配置位置)が住宅の外壁に限定され
ているため、必然的に耐力壁を外壁に集中配置せざるを
得ず、外壁に設ける開口部の位置や大きさに制約が生じ
る場合がある。また住宅全体としての耐力壁の不足や配
置の偏りが生じて構造計画上の必要強度が得られず、目
的の平面計画を断念せざるを得ない場合も発生し得る。
の平面形状や各方向毎の耐力壁の数に基づき、外壁及び
間仕切り壁の任意位置に耐力壁を配置したパターンを設
定して各パターン毎に評価点を付与し、付与された評価
点に基づいて耐力壁を配置することで、熟練度の低い者
であっても耐力壁の適正配置を実現することが出来る耐
力壁の配置方法を提供することにある。
に本発明に係る耐力壁の配置方法は、予め建物の各階層
毎の外壁及び間仕切り壁を含む平面形状を設定すると共
に各階層に於ける各方向毎の必要耐力壁数を設定し、設
定された各方向の耐力壁を各階層の外壁及び、又は間仕
切り壁に配置する耐力壁の配置方法であって、各階層毎
に設定された平面形状及び各方向の必要耐力壁数に基づ
いて外壁及び、又は間仕切り壁に対する耐力壁の複数の
配置パターンを作成する配置パターン作成工程と、前記
配置パターン作成工程で作成された全ての配置パターン
に対し、各方向毎に、予め設定された柱隣接度,平面的
分散度,立面的分散度に基づいて点数付けを行う点数付
け工程と、前記点数付け工程に於いて最高点を付与され
た各方向毎の配置パターンに基づいて各階層毎に耐力壁
の配置を決定する配置決定工程とを含むことを特徴とす
るものである。
平面形状を設定することによって、各階層毎の外壁や間
仕切り壁の位置が設定される。そして前記外壁及び、又
は間仕切り壁が耐力壁を配置し得る部位として認識され
る。目的の建物の各階層毎の平面形状が設定されたと
き、各方向に必要な耐力壁の数を設定する方法は特に限
定するものではない。即ち、目的の建物が設定されたと
き、熟練した技術者では経験的に耐力壁の数を設定する
ことが可能である。また目的の建物の重量を計算し或い
は想定し、地震時に各方向に対し作用する水平力を計算
して各方向毎の必要耐力壁数を設定することも出来る。
的の建物に対し予め設定された各階層毎の平面形状と各
階層,各方向毎の必要耐力壁数に基づいて、必要数の耐
力壁を外壁及び間仕切り壁に対し任意に配置した多数の
配置パターンを作成することが出来る。このとき、耐力
壁の外壁及び間仕切り壁に対する配置は、窓や出入口等
の開口部を除く耐力壁を配置し得る部位に機械的に行わ
れるものであり、作成された個々の配置パターンは単な
る可能性を示すものにすぎない。従って、配置パターン
作成工程では、多数の配置パターンが作成される。
工程で作成された多数の配置パターンに対し、夫々、配
置された耐力壁が構造上必要な柱に接しているか否かに
着目した柱隣接度、同一の壁内に複数の耐力壁が配置さ
れている場合に隣接する耐力壁から離れているか否かに
着目した平面的分散度、同一壁線上であって下層階に配
置された耐力壁から離れているか否かに着目した立面的
分散度、に基づいて点数付けを行い、各耐力壁に付与さ
れた点数を合計して個々の配置パターン毎の点数を計算
する。
いて最高点を付与された配置パターンを抽出し、抽出さ
れた配置パターンに基づいて、予め設定された平面形状
に対し耐力壁を配置する。
階層の平面形状と各階層毎に且つ各方向毎に必要な耐力
壁の数とを設定することによって、建物の径面形状を規
定する外壁及び又は間仕切り壁に対し合理的に耐力壁を
配置することが出来る。
ての耐力壁の配置パターンを想定し、想定された全ての
配置パターンに対し同一の観点から点数を付与して優劣
を判定するので、熟練した設計者或いは設計者でなくと
も同一の配置パターンを得ることとなり、設計者の違い
による構造性能のバラツキを発生することがない。
ましい実施形態について図を用いて説明する。図1は本
実施例に係る耐力壁の配置方法の手順を説明するフロー
チャートである。図2は1階の平面形状を示すと共に外
壁線,間仕切り壁線,グリッドを示す図である。図3は
2階の平面形状を示すと共に外壁線,間仕切り壁線,グ
リッドを示す図である。図4は屋根伏図である。図5は
1階に必要な耐力壁をY方向(南北方向、図に於ける上
下方向)に配置した配置パターンの例を示す図である。
図6は予め1階に耐力壁線を設定すると共に各耐力壁線
に耐力壁を割り付けた状態を示す図である。図7は柱隣
接度を説明する図である。図8は平面的分散度を説明す
る図である。図9は立体的分散度を説明する図である。
図10は目的の建物の1階及び2階の平面形状を示す図で
ある。
って、図10により建物の例を説明する。図に於いて、目
的の建物は1階Aと2階Bとからなる2階建て住宅とし
て構成されている。各階A,Bには、建物の外部を構成
する外壁1、及び建物の内部に設けた間仕切り壁2が構
成されており、これらの壁1,2によって建物内部の間
取りが構成されている。また1階Aには床面を構成する
玄関ポーチ3が構成され、2階Bには同様に床面を構成
するベランダ4が構成されている。このような平面形状
は、目的の建物に居住する家族構成等の条件に対応して
設定される。
耐力壁を配置する場合、該建物に作用する水平力に影響
される。このため、建物の平面形状が設定された後、該
建物を構成する各階層毎の重量を算出し、算出された重
量(垂直荷重)に応じて各階層毎に且つ各方向毎に地震
時に作用する水平力が算出される。従って、地震時に作
用する水平力は2階Bよりも1階Aの方が大きい。
荷重のデータ及び他の構造設計に必要なデータを記憶さ
せておき、設計に際し、作用する水平力に対し最適な耐
力壁を選択するように構成することが可能である。
荷重が設定されているため、建物に作用する水平荷重が
設定されたとき、この水平荷重と許容荷重とから、設計
者が容易に各方向毎の必要耐力壁数を算出することが可
能である。このように、各階層毎及び各方向毎の耐力壁
の数はコンピュータを利用して設定することが可能であ
り、また手計算によって設定することも可能である。
実施例に係る耐力壁の配置方法を説明し、合わせて各ス
テップに対応して外壁或いは間仕切り壁に対する耐力壁
の配置手順について図2〜図9により説明する。
に且つ各方向毎に設定される。このため、本実施例に係
る耐力壁の配置方法も建物の例えば南北方向(Y方向)
及び東西方向に実行され、各階層毎に且つ各方向に対す
る耐力壁の配置が終了して完成することになる。しか
し、耐力壁の配置手順は各方向共に同一であり、説明が
煩雑になる虞があるため、以下の実施例では、建物の1
階Aに於ける南北方向(Y方向)に対する耐力壁の配置
手順について説明し、東西方向、及び2階Bに対する配
置手順の説明を省略するものとする。
者或いは営業技術者が手作業で進行させることが可能で
ある。しかし、多数の配置パターンを作成する作業や、
作成された配置パターン毎に点数付けする作業は単調な
ものであり、コンピュータを利用するのが有利である。
このため、本実施例では必要な情報をコンピュータに入
力して所定のプログラムに従って演算し、これにより、
各階層毎に且つ各方向毎に形成された外壁1,間仕切り
壁2に合理的に耐力壁5を配置し得るように構成してい
る。
設定が必須となる。このため、ステップS1では、建物
の形状を入力する。即ち、図2に示す1階Aの外壁1
(外壁線1),間仕切り壁2を入力し、同様に図3に示
す2階Bの外壁線1,間仕切り壁2を入力する。このと
き、外壁1,間仕切り壁2に形成される窓や扉等の開口
部、及び浴槽やシンク,押し入れ等の建具の位置も入力
する。そして本実施例では、入力した外壁1,間仕切り
壁2に於ける開口部を除く全ての部位を耐力壁を配置し
得る部位(設置可能部)とし、この設置可能部に耐力壁
を配置することとしている。
た長方形或いは矩形のグリッドAg1〜Ag6,Bg1
〜Bg6を設定して夫々の頂点の位置を入力する。前記
頂点の位置は、各階層毎に左下の位置を原点Oとした座
標値で設定される。
されるため、上記の如く各階層A,Bの平面形状を構成
する外壁1と間仕切り壁2の位置が設定されれば良く、
更に点数付け工程で利用する各グリッドの頂点の位置が
設定されていれば良い。尚、各階層毎に設定するグリッ
ドAg1〜Ag6,Bg1〜Bg6は後述する点数付け
工程に於いて柱隣接度の点数付けを行う際に利用される
ものであるが、この点数付け工程では必ずしもグリッド
Ag1〜Ag6,Bg1〜Bg6を必要とせず、従っ
て、本発明に於いて前記各グリッドを設定することが必
須ではない。
建物の重量を算出することが必要である。このため、ス
テップS1では、1階Aの平面形状を構成する躯体の輪
郭線6,玄関ポーチ3を含む床面外周線7を入力し、同
様に2階Bの平面形状を構成する躯体の輪郭線6,ベラ
ンダ4を含む床面外周線7を入力し、更に、図4に示す
屋根Cの形状を入力する。また建物の重量を計算する上
で必要となる床の仕様(例えば目的の建物が個建住宅で
ある場合の一般床か集合住宅である場合の重量床か、更
に床を構成する材料や厚さ等),屋根の仕様(例えば屋
根材が瓦か石綿セメント板か、等),耐火被覆の有無、
及び他の条件を入力する。
ピュータでは、1階A,2階B,屋根Cの各階層の重量
を演算し、且つ建物の躯体を構成する梁や柱の仕様等を
演算することが可能である。
毎に、及び各方向毎に、必要な耐力壁5の数を入力す
る。この必要耐力壁数は、コンピュータに記憶させたプ
ログラムに従ってステップS1で演算した結果から演算
して入力しても良く、またコンピュータを操作する技術
者が入力しても良い。
壁5の許容荷重が判明している場合、建物の重量が判明
したとき、該重量と地震力による計数との積によって建
物に作用する水平力の値が判明する。従って、前記水平
力を耐力壁5の許容荷重で割ることで必要耐力壁数を計
算することが可能である。このような計算をコンピュー
タが行うか、或いは技術者が行うかについては何ら限定
するものではない。
要な耐力壁5の数として6が入力されたとし、この6個
の耐力壁をY方向の複数の外壁1,間仕切り壁2に配置
するものとする。
を外壁1,間仕切り壁2に配置して複数の配置パターン
を作成する配置パターン作成工程となるものである。ス
テップS3に於いて、ステップS1で入力された平面形
状及びステップS2で入力された必要耐力壁数に基づい
て、耐力壁5を外壁1,間仕切り壁2に配置する場合、
外壁1,間仕切り壁2に於ける耐力壁を設置し得る部位
(設置可能部)が入力された必要耐力壁数よりも多い場
合、個々の設置可能部に対し任意に耐力壁を配置した複
数の配置パターンが作成される。
るY方向の耐力壁5の配置パターンのいくつかの例を示
している。例えば、同図(a)は、耐力壁5を原点O側
の外壁1,間仕切り壁2に集中的に配置したものであ
り、グリッドAg1に4個の耐力壁5が配置されるもの
の、グリッドAg3には全く配置されていないという配
置パターンである。
リッドAg1〜Ag6に分散して配置したものであり、
3個の耐力壁5を外壁1に配置し、同様に3個の耐力壁
5を間仕切り壁2に配置した配置パターンである。また
同図(c)は5個の耐力壁5を外壁1に配置し、1個の
耐力壁5を間仕切り壁2に配置した配置パターンであ
る。更に、同図(d)は全ての耐力壁5を原点Oから最
も離隔した部位に集中して配置した配置パターンであ
る。
の配置パターン作成工程で作成されたものであり、上記
例以外に、外壁1,間仕切り壁2に於ける耐力壁5の設
置可能部の数と必要耐力壁数とに対応した数の配置パタ
ーンが作成される。従って、耐力壁の設置可能部の数が
多くなると非常に多くの配置パターンが作成されること
になる。このため、後述する点数付け工程に於いて、作
成された個々の配置パターンに対して点数付けを行う際
の作業量が増加することとなる。
れば、配置パターンの数が如何に多くなっても大きな問
題ではない。しかし、実際上処理能力が無限のコンピュ
ータは存在しないため、配置パターンを作成するに際
し、設計技術者や営業技術者或いは他の技術者等(技術
者)が介在してやることで、配置パターンの数を削減す
ることが好ましい。この場合、耐力壁5を配置するため
の耐力壁線Y1〜Y4のみを指定する介在の仕方と、耐
力壁線Y1〜Y4及び夫々の耐力壁線Y1〜Y4に配置
すべき耐力壁の数を指定する介在の仕方がある。
外壁1,間仕切り壁2の中から耐力壁5を配置すべき複
数の耐力壁線Y1〜Y4を指定(図6参照)した場合に
ついて説明する。
S2で入力された建物の形状や予め算出されたY方向に
作用する水平力と、予め記憶されている標準的な耐力壁
5の許容荷重とに基づいて、Y方向に必要な耐力壁5の
目安枚数(Ny)を算出する。このとき、耐力壁5の目
安枚数は必ずしも整数ではなく、小数点以下の数値が算
出されることがある。
耐力壁5の目安数を算出する。このとき、例えば、指定
された各耐力壁線Y1〜Y4の負担面積及び上階の耐力
壁線との位置関係、床面に作用する剪断力等の条件を考
慮する。この結果、各耐力壁線Y1〜Y4に配置すべき
耐力壁5の目安数が設定される。この数値に基づいて技
術者が例えば小数点以下の数値を繰り上げたり、切り捨
てるような調整を行うことで各耐力壁線Y1〜Y4に耐
力壁5を分配することが可能である。
置すべき耐力壁5の数が決定されたということであっ
て、各耐力線Y1〜Y4に於ける何れの位置に配置する
かが決定されるものではない。しかし、配置パターンの
数を大幅に削減することが可能である。
を構成するY方向の外壁1,間仕切り壁2の中から耐力
壁5を配置すべき複数の耐力壁線Y1〜Y4を指定する
と共に、各耐力壁線Y1〜Y4に配置すべき耐力壁5の
数を指定した場合について説明する。この場合であって
も、配置パターンの数を大幅に削減することが可能であ
る。
々耐力壁線Y1,Y2,Y4を指定すると共に間仕切り
壁2に耐力壁線Y3を指定し、耐力壁線Y1,Y4には
2個の耐力壁5を指定すると共にY2,Y3に1個の耐
力壁5を指定した場合、耐力壁線Y1上には2個の設置
可能部が形成されるのみであって全く自由度がないこと
になり、耐力壁線Y1に対する耐力壁5の配置は一義的
に決まり、耐力壁線Y2には1個の設置可能部が形成さ
れるため、該耐力壁線Y2に対する耐力壁5の配置も一
義的に決まり、耐力壁線Y3は2個の設置可能部を有す
るため、2個の配置パターンが形成され、耐力壁線Y4
には5個の設置可能部が形成されるため、10個の配置
パターンが形成される。従って、全体では20個の配置
パターンが形成されることとなり、耐力壁5を任意の状
態で外壁1,間仕切り壁2に形成された全ての設置可能
部に配置して得た配置パターンの数を大幅に削減するこ
とが可能である。
定し、或いは耐力壁線Y1〜Y4を指定すると共に各耐
力壁線Y1〜Y4に配置すべき耐力壁の数を指定して配
置パターンを作成した場合であっても、得られた配置パ
ターンは、前述した外壁1,間仕切り壁2に於ける耐力
壁の設置可能部に対し入力された必要数の耐力壁を任意
に配置して作成した配置パターンに含まれるのであっ
て、両者は何ら異なるものではない。
ップS3で得た全ての配置パターンに対し、表1の項目
に基づいて点数付けを行い、付与された点数を合計して
個々の配置パターン毎の総点数とする。
ッドの頂点に配置された柱に接しているか否かによる点
数であり、図7に示すように、耐力壁線Y4に2個の耐
力壁5a,5bを配置したとき、個々の耐力壁5a,5
bは各グリッドAg3,Ag6の頂点に配置された柱10
に接している場合40点が付与され、また頂点の柱10に
接していない場合であっても構造上必要な柱(図示しな
いキャンティ持ち出し梁下の柱、或いは図2のポーチ3
の部分に示す外壁の出隅部の柱11)に接する場合30点
が付与され、前記以外は0点が付与される。従って、図
7の場合、耐力壁5aはグリッドAg3の頂点の柱10に
接しているため40点が付与されるが、耐力壁5bはグ
リッドAg6の頂点の柱10とも、他の構造上必要な柱10
とも接していないため0点が付与される。そして図7の
合計点は40点となる。
伴う平面形状に於ける偏心の少なさ、捩じり剛性の高さ
を評価するものである。同一の耐力壁線Y4に複数の耐
力壁5a,5bが配置される場合、例えば図8(a)〜
(c)に示すように耐力壁線Y4に2個の耐力壁5a,
5bが配置された場合、耐力壁5a,5bの距離の絶対
値(HP)の10%が点数として付与される。同図
(a)に示すように、2個の耐力壁5a,5bが隣接し
て配置されている場合、耐力壁5の幅寸法が座標値の絶
対値(HP)となる。また同図(b)は耐力壁5aの位
置が変化せずに耐力壁5bがグリッドAg3のY方向の
寸法まで離隔している。このため、付与される点数は同
図(a)の場合よりも大きい値となる。更に、同図
(c)は耐力壁5bが耐力壁線Y4に於ける端部まで離
隔している。このため、三者のなかでは最も大きい点数
が付与される。
して設定されるものであり、この値が如何なる数値であ
るかは限定するものではない。例えば本実施例では、61
0mmを1HPとして設定している。従って、例えば図8
(c)に示すように、耐力壁5bが耐力壁線Y4に於け
る端部まで離隔しており、耐力壁5a,5bの距離が54
00mm離隔していたとすると、絶対値(HP)は5400÷61
0=8.8となり、この絶対値(HP)の10%(0.88)が
点数として付与される。
置された場合、例えば図8(d)に示す耐力壁線Y3に
配置された耐力壁5cの平面的分散度は、隣接する耐力
壁線に配置された耐力壁5の平均座標値の絶対値(H
P)の10%が点数として付与される。この場合、隣接
する耐力壁線とは目的の耐力壁線Y3よりも原点O側の
耐力壁線Y2であり、該耐力壁線Y2に配置された耐力
壁5eの座標値(線12で示す)からの離隔距離の10%
が点数として付与されることとなる。
いは基礎の応力を小さくすることを評価するものであ
る。この立面的分散度は上階の点数付けを行う際に利用
するものであり、図9に示すように、上階に配置された
耐力壁5fが下階に配置された耐力壁5gからの離隔距
離に応じて点数が付与される。従って、1階Aの点数付
けでは利用されることがない。
に配置された耐力壁5fが下階(1階A)に配置された
耐力壁5gから離隔している場合、即ち、耐力壁5fと
5gが一致した位置にない場合100点が付与され、同
図(b),(c)に示すように、上階に配置された耐力
壁5fの始点又は終点が下階の耐力壁5gの始点又は終
点と一致する場合20点が付与され、更に、上階の耐力
壁5fと下階の耐力壁5gとが全く一致した場合0点が
付与される。
い、付与された全ての点数を加算することで個々の配置
パターンの最終得点を計算し、これにより、全ての配置
パターン毎に点数付けを行うことが可能である。
あり、ステップS4に於いて点数付けされた配置パター
ンの中から、最高点が付与された配置パターン(例えば
図5(c))を選択して該配置パターンに基づいて外壁
1及び間仕切り壁2に対する耐力壁5の配置を決定す
る。
で配置された耐力壁の位置に基づいて構造計算を行う。
即ち、目的の建物の構造設計を実施する際に必要である
耐力壁5以外の部材の生成し、モデル化、荷重生成、こ
れに伴う応力の解析、前記部材の断面検定等の一貫処理
を行う。
力壁5に対して作用する水平力と許容荷重との関係を個
々の耐力壁5毎に計算することで行われる。そして過度
の水平力が作用し、或いは作用する水平力が極端に少な
いような耐力壁5が存在する場合、現在の耐力壁5の配
置が否定される。
て配置された耐力壁5の位置に支障がある場合、ステッ
プS7に移行して、個々の耐力壁5が略均等な水平力を
負担し得るように耐力壁5を追加し或いは移動させて再
配置を行う。そして、耐力壁5を再配置した後、ステッ
プS6に戻り、該ステップS6に於いて再配置された耐
力壁5の位置に基づいて再度構造計算を行う。
於いて構造計算を満足するまで繰り返し、ステップS6
に於ける構造計算の結果が満足し得る値となったとき、
一連の手順を終了し、耐力壁の配置方法が終了する。
つ南北方向に沿った方向(Y方向)の外壁1,間仕切り
壁2に複数の耐力壁5を配置する場合のみについて説明
したが、前記方向と交差する方向(東西方向)に対して
耐力壁5を配置する方法も、2階Bの各方向に耐力壁5
を配置する方法も何ら変わることはなく、全く同一の手
順を経ることで、合理的に配置することが可能である。
壁5が合理的に配置されているとして判定されたとき、
該耐力壁5以外の部材に対する判定を行うことが好まし
い。この判定は、例えば各耐力壁線Y1〜Y4に配置さ
れた耐力壁5に水平力が作用したとき、各耐力壁線Y1
〜Y4を構成する個々の梁に作用する応力を判定し、過
度の応力が作用する梁が存在する場合、部材の配置が否
定される。この結果、耐力壁5以外の部材の再配置を行
う。この作業は、全ての部材に対して行われる。
材に対する判定の結果、これらの部材が合理的に配置さ
れているとして判定されると、目的の建物に対する構造
設計が終了する。
耐力壁の配置方法では、予め建物の外壁及び間仕切り壁
を含む平面形状を設定すると共に各階層に於ける各方向
毎の必要耐力壁数を設定し、配置パターン作成工程に於
いて、設定された平面形状及び各方向の必要耐力壁数に
基づいて外壁及び、又は間仕切り壁に対する耐力壁の複
数の配置パターンを作成することが出来る。また点数付
け工程に於いて、配置パターン作成工程で作成された全
ての配置パターンに対し、各方向毎に、予め設定された
柱隣接度,平面的分散度,立面的分散度に基づいて点数
付けを行うことで、各配置パターン毎に点数を付け、こ
れらの総点数を比較することが出来る。そして配置決定
工程に於いて、点数付け工程に於いて最高点を付与され
た各方向毎の配置パターンに基づいて各階層毎に耐力壁
の配置を決定することで、複数の耐力壁を合理的に配置
することが出来る。
ず、間仕切り壁を含んで配置しなければ設計し得ないよ
うな建物、例えばアパート等の規模が大きい建物,店舗
等の採光上或いは用途上外壁部に充分な量の耐力壁を配
置し得ないような建物であっても、容易に且つ合理的に
耐力壁の配置を行うことが出来る。
するフローチャートである。
壁線,グリッドを示す図である。
壁線,グリッドを示す図である。
於ける上下方向)に配置した配置パターンの例を示す図
である。
線に耐力壁を割り付けた状態を示す図である。
である。
Claims (1)
- 【請求項1】 予め建物の各階層毎の外壁及び間仕切り
壁を含む平面形状を設定すると共に各階層に於ける各方
向毎の必要耐力壁数を設定し、設定された各方向の耐力
壁を各階層の外壁及び、又は間仕切り壁に配置する耐力
壁の配置方法であって、 各階層毎に設定された平面形状及び各方向の必要耐力壁
数に基づいて外壁及び、又は間仕切り壁に対する耐力壁
の複数の配置パターンを作成する配置パターン作成工程
と、 前記配置パターン作成工程で作成された全ての配置パタ
ーンに対し、各方向毎に、予め設定された柱隣接度,平
面的分散度,立面的分散度に基づいて点数付けを行う点
数付け工程と、 前記点数付け工程に於いて最高点を付与された各方向毎
の配置パターンに基づいて各階層毎に耐力壁の配置を決
定する配置決定工程と、を含むことを特徴とする耐力壁
の配置方法。
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JP2014070436A (ja) * | 2012-09-28 | 2014-04-21 | Asahi Kasei Homes Co | 架構決定方法、及び、鉄骨造建物 |
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-
1999
- 1999-09-03 JP JP24980999A patent/JP4215350B2/ja not_active Expired - Lifetime
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