JP2003155827A - 将来増築住宅 - Google Patents

将来増築住宅

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JP2003155827A
JP2003155827A JP2002285954A JP2002285954A JP2003155827A JP 2003155827 A JP2003155827 A JP 2003155827A JP 2002285954 A JP2002285954 A JP 2002285954A JP 2002285954 A JP2002285954 A JP 2002285954A JP 2003155827 A JP2003155827 A JP 2003155827A
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extension
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floor
plan
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Michio Baba
三千雄 馬場
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】将来の増築を想定した建物を実現するための基
礎構造や架構構造及び耐力要素を配置して増築前の建物
を建築することで、実際の増築工事を行う際の工事期間
の短縮化をはかると共に可及的に少ない費用での工事を
実現する。 【解決手段】将来増築住宅は、予め上階に向けた増築後
の階層及び間取りを想定し、該増築後の階層及び間取り
に基づいて基礎構造及び骨組構造並びに耐力要素を含む
構造計算を行い、前記構造計算の結果得られた予め想定
された増築後の階層及び間取りを実現するのに必要な基
礎断面,柱断面及び耐力壁の構造と位置を増築前の建物
の階層に対応する部分にそのまま設計条件として取り込
んで増築前の建物を設計することにより、風や地震時に
作用する水平力に対抗し、且つ増築前の建物の基礎構造
や骨組構造及び既に配置された耐力壁の位置には手を加
えることなく、増築前の建物の既設部分に増築部分を接
続する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、戸建住宅や集合住
宅等の中低層住宅を建築するに際し、将来の増築を見込
んで増築前の建物を建築することで、実際の増築を容易
に行えるようにした将来増築住宅に関するものである。 【0002】 【従来の技術】住宅等の中低層住宅は、現在の家族構成
と、家族を構成する個人の嗜好等の条件に応じて異なる
間取りを必要とするのが一般的である。このため、住宅
を建築する場合、現在の家族構成に基づいて設計し、こ
の設計の中に比較的近い将来に確実に実現するであろう
ことを見越して設計される。即ち、現在の家族構成に於
いて子供が未就学児童であれば、近い将来に必要となる
であろう個室等を予め建築しておくことが一般的に行わ
れている。 【0003】また子供の成長に伴って、当初建築した個
室を広くする必要が生じたり、夫婦の部屋や居間等の居
室を広くする必要が生じることがあり、このような必要
が生じたとき、これらの要求に増築して対応するのが一
般的である。 【0004】更に、子供が新たな家庭を持った後、この
家族が独立するのか、或いは同居するのかは大きな問題
であるが、何れの場合であってもその時点で必要に応じ
た増築を行うのが一般的である。即ち、子供の家族が同
居するような場合には、現在の住宅を2世代住宅として
機能し得るように増築することが一般的に行われてお
り、また別居するような場合には、現在の住宅を集合住
宅として機能し得るように増改築することも行われてい
る。 【0005】住宅の増築を行う場合、依頼内容に応じて
個別に構造計算等を行い、安全を確認している。特に、
基礎断面や柱,梁等の架構及び耐力要素の配置が増築部
分のみでは充分でない場合、既存の基礎や架構等の一部
を取り壊して補強することが行われている。特に、1階
を水平方向に増築する場合には、新たな建物を建築する
のと大きな変化はなく、工事期間,コスト共に大幅に増
加することは少ない。しかし、上階を増築する場合、既
存の基礎,架構や耐力要素の量では不足するのが一般的
であり、これらの既存部分を補強した後、増築工事にか
かるのが一般的である。 【0006】予め増築することを想定して建築する場
合、新築時に増築後のスペースを確保すると共に該スペ
ースを居住空間として耐えうる仕様で構成しておき、増
築前の段階では前記スペースをバルコニーとして利用す
ることが行われている(例えば特許文献1)。 【0007】 【特許文献1】特開平10−195986号公報 【0008】 【発明が解決しようとする課題】上記の如く、現在の住
宅建築では将来の増築、特に上階に向けた増築、又は2
階以上に於ける水平方向に向けた増築に対応し得るよう
に設計及び建築されることはない。このため、増築の要
求が生じたときに基礎や架構の構造を検討し、この検討
結果に基づいて既存の基礎や架構を一部取り壊して補強
を行い、その後、必要な増築工事を行っている。従っ
て、工事が大がかりとなり、これに伴って工事期間が長
くなり、且つ費用も増大せざるを得ないという問題があ
る。 【0009】また特許文献1に開示されるように、集合
住宅のように個々の住宅部分の面積や容積が変更し得な
いような場合には、将来の増築を見越して当初から最終
目的を満足する大きな建物を建築するのが有効である。
しかし中低層住宅の場合、当初から増築後の住宅を建築
したのでは、初期投資が大きく、この投資が将来無駄に
なる虞もあるという問題もある。 【0010】本発明の目的は、将来の増築を想定した建
物を実現するための基礎構造や架構構造及び耐力要素を
配置して増築前の建物を建築することで、実際の増築工
事を行う際の工事期間の短縮化をはかると共に可及的に
少ない費用での工事を実現することが出来る将来増築住
宅を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る将来増築住宅は、予め上階に向けた増築
後の階層及び間取りを想定し、該増築後の階層及び間取
りに基づいて基礎構造及び骨組構造並びに耐力要素を含
む構造計算を行い、前記構造計算の結果得られた予め想
定された増築後の階層及び間取りを実現するのに必要な
基礎断面,柱断面及び耐力壁の構造と位置を増築前の建
物の階層に対応する部分にそのまま設計条件として取り
込んで増築前の建物を設計することにより、風や地震時
に作用する水平力に対抗し、且つ増築前の建物の基礎構
造や骨組構造及び既に配置された耐力壁の位置には手を
加えることなく、増築前の建物の既設部分に増築部分を
接続し得るように構成したものである。 【0012】上記将来増築住宅では、予め、上階に向け
た増築後の階層や間取りを設定してこのレイアウトに基
づいた基礎構造及び骨組構造,耐力要素の構造及び配置
を含む構造計算を行うことで、増築後の建物に対する適
正な基礎構造,骨組構造の設定及び耐力要素の配置を行
うことが出来る。そして、前記構造計算の結果得られた
増築後の階層及び間取りを実現するのに必要な基礎断
面,柱断面及び耐力壁の構造と位置を取り込んで増築前
の建物を設計することで、新たに設計された増築前の建
物を将来増築を実施する際に必要な基礎構造,骨組構造
として構成し、且つ耐力壁も同様に将来の増築を実施す
るのに必要な部位に配置することが出来る。 【0013】従って、新築時に上記の如くして設計され
た増築前の建物を建築しておくことで、増築が必要にな
った時点で予め想定済の増築を実施する際に、基礎構造
や骨組構造及び既に配置された耐力壁の位置等には手を
加えることなく、単に外壁や屋根を部分的に取り壊して
骨組みを露出させ、この骨組みに対し、増築に必要な柱
や梁を加えていくことで、増築を実現することが出来
る。このため、工事期間の短縮化をはかり、且つ増築時
の費用を可及的に軽減することが出来る。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、上記将来増築住宅の設計方
法の好ましい実施形態について図を用いて説明する。図
1は本発明に係る将来増築住宅の増築後の建物の例を示
す図である。図2は本発明に係る将来増築住宅の増築前
の建物の例を示す図である。図3は将来増築住宅の設計
手順を示すフローチャートである。図4は増築後の建物
の1階の間取りを示す平面図である。図5は増築後の建
物の2階の間取りを示す平面図である。図6は増築後の
建物の3階の間取りを示す平面図である。図7は増築後
の建物の屋根の平面図である。図8は増築後の建物の1
階床伏図及び基礎伏図である。図9は増築後の建物の2
階の床伏図及び梁伏図である。図10は増築後の建物の3
階の床伏図及び梁伏図である。図11は増築後の建物の屋
根の屋根伏図及び梁伏図である。図12は増築前の建物の
1階の間取りを示す平面図である。図13は増築前の建物
の2階の間取りを示す平面図である。図14は増築前の建
物の屋根の平面図である。図15は増築前の建物の1階床
伏図及び基礎伏図である。図16は増築前の建物の2階の
床伏図及び梁伏図である。図17は増築前の建物の屋根の
屋根伏図及び梁伏図である。図18は判定結果を出力する
際の出力例を示す図である。図19は設計装置のブロック
図である。 【0015】本発明の将来増築住宅は、例えば、現在の
家族構成では図2に示すような2階建ての建物を建築す
ることで充分な居住空間を確保することが可能である
が、将来(近い将来か遠い将来かを問うものではない)
実現するであろう周辺環境の変化や家族構成の変化を見
越した生活設計を行い、この生活設計を実現し得るよう
な建物(図1参照、以下「増築後の建物」という)を想
定すると共に、想定した増築後の建物と現在建築すべき
建物(以下「増築前の建物」という)との差の領域を増
築分とし、増築前の建物を建築する際に、増築後の建物
に対応する基礎構造や柱,梁を含む架構構造及び耐力要
素の構造を配置を取り込んでおくようにしたものであ
る。このように、予め増築後の建物に対応する基礎断面
や柱断面更に耐力壁の構造と配置を取り込んでおくこと
で、増築を行う際に、増築前の建物に対する補強工事は
全く不要であり、外壁や屋根の一部分を取り外して新た
な柱や梁等を接続することが可能である。従って、工事
期間の短縮化をはかり且つ費用を最小限に押さえること
が可能である。 【0016】例えば、図2に示す増築前の建物は、1階
部分Aと2階部分Bとからなり、1階には玄関1,台所
2,居間3,和室4,浴室5,階段6,手洗い7が夫々
配置されており、2階には主寝室8,2つの子供部屋
9,ベランダ10が配置されている。この例の住宅は、家
族構成が夫婦と子供2人からなる一般的な世帯が充分な
居住空間を持って生活することが可能である。 【0017】図1(a)に示す増築後の建物の例は3階
建てであり、周辺環境が高密度化し、これに伴って1階
Aを商業スペースとして機能させることを想定したもの
である。そして、この例では、1階に設けた台所や居間
を商業スペース11に転用し、これらの台所2,居間3を
3階Cに設けている。また1階Aから3階Cにエレベー
ター12が設置されている。このため、図1に示す増築前
の建物では、1階Aに設けた玄関1と、2階Bに設けた
子供部屋9の近傍に予めエレベーター12の設置スペース
13が設けられており、玄関1の式台として、或いは子供
部屋9の納戸として利用されている。 【0018】図2(b)に示す増築後の建物の他の例は
3階建てであり、周辺環境の密集化に伴う日照の確保を
目的として3階部分に広いサロン風の台所2兼居間3を
設けたものである。この例では、1階Aと2階Bの間取
りの変更はなく、1階Aから3階Cにエレべーター12を
設置している。 【0019】上記の如く、増築後の建物として3階建て
を想定した場合、2階建ての増築前の建物に於ける基
礎,2階の柱や梁に掛かる荷重条件と、増築後の3階建
ての建物に於けるは基礎,2階,3階の柱や梁に掛かる
荷重条件とでは大幅に異なる。また高さが変化し、且つ
重量が変化することにより、風や地震時に作用する水平
力も変化し、この力に対向する耐力壁の構造や配置量も
大幅に変化する。 【0020】上記の如く、増築後の建物として3階建て
を想定した場合、2階建ての増築前の建物に於ける基
礎,2階の柱や梁に掛かる荷重条件と、増築後の3階建
ての建物に於ける基礎,2階,3階の柱や梁に掛かる荷
重条件とでは大幅に異なる。また高さが変化し、且つ重
量が変化することにより、風や地震時に作用する水平力
も変化し、この力に対抗する耐力壁の構造や配置量も大
幅に変化する。 【0021】このため、本発明の将来増築住宅では、予
め想定された増築後の建物に基づいて基礎構造,柱,梁
を含む架構構造,耐力要素の構造(量を含む)と配置を
含む構造計算を行い、この結果得られた基礎断面,柱断
面,耐力壁を取り込んで増築前の建物に対する構造計算
を行い、増築前の建物に対する構造計算結果が、増築後
の建物に対する基礎断面,柱断面,耐力壁の条件では適
合しないとき、改めて増築後の建物に対する基礎断面,
柱断面,耐力壁の量や配置を変更して繰り返し構造計算
を行い、この結果、増築前の建物に対する構造計算が増
築後の建物に対する構造計算と適合したとき、増築前の
建物を増築後の建物の基礎断面,柱断面,耐力壁を取り
込んで設計することで、増築前の建物の強度を満足する
と共に増築後の建物に於ける既存部分の強度を満足する
ことが可能である。 【0022】ここで、将来増築住宅を設計する方法、及
び該設計方法を好ましく実施することが可能な設計装置
について説明する。 【0023】先ず、設計装置40の構成について図19によ
り説明する。図に於いて、設計支援装置40は、制御部41
と、入力部42と、出力部43とを有して構成されており、
制御部41と入力部42及び出力部43がインターフェース44
を介して接続されている。 【0024】制御部41は、演算部41aと、入力部42から
入力された目的の住宅に対応させたデータや演算結果の
データを一時記憶する一時記憶部41bと、予め増築住宅
設計手順のプログラムや判定手順が書き込まれたプログ
ラム記憶部42cと、目的の建物の間取りを設定する際の
構成要素、例えば、玄関や台所、或いは居間,和室等の
個別の機能を満足させるための要素や各種断面形状を持
った基礎のデータ,各種断面形状を持った柱のデータ,
各種形状を持った耐力要素のデータ等を記憶させた構成
要素記憶部41dと、構造計算を実行するためのプログラ
ムが書き込まれた計算プログラム記憶部41eと、増築後
の建物の構造計算を行う増築後建物演算部41fと、増築
前の建物の構造計算を行う増築前建物演算部41gとを有
して構成されている。 【0025】制御部41は、演算部41aと、入力部42から
入力された目的の住宅に対応させたデータや演算結果の
データを一時記憶する一時記憶部41bと、予め増築住宅
設計手順のプログラムや判定手順が書き込まれたプログ
ラム記憶部41cと、目的の建物の間取りを設定する際の
構成要素、例えば、玄関や台所、或いは居間、和室等の
個別の機能を満足させるための要素や各種断面形状を持
った基礎のデータ,各種断面形状を持った柱のデータ,
各種形状を持った耐力要素のデータ等の記憶させた構成
要素記憶部41dと、構造計算を実行するためのプログラ
ムが書き込まれた計算プログラム記憶部41eと、増築後
の建物の構造計算を行う増築後建物演算部41fと、増築
前の建物の構造計算を行う増築前建物演算部41gとを有
して構成されている。 【0026】入力部42はキーボード42aやマウス42b及
びスキャナー42c等の入力手段を有して構成され、また
出力部43はディスプレイ43a及びプリンター43bを有し
て構成されている。 【0027】上記の如く構成された設計装置40では、増
築後の建物、増築前の建物の間取りを設定するのに必要
な情報、例えば土地の面積や地型等、増築後の建物の構
造計算を行うのに必要な情報、例えば地耐力や単位面積
当たりの積載荷重等からなる増築後の建物及び増築前の
建物を設計するのに必要な全データを入力部42から入力
して制御部41の一時記憶部41bに記憶させ、その後、地
型をディスプレイ43aに表示しつつ建物の外形を決定
し、更に、構成要素記憶部41dから間取りを構成する要
素を読み出して建物の形状に当てはめて行くことで、各
階の間取りを設定することが可能である。 【0028】また各階の間取りを設定した後、増築後建
物演算部41fでは計算プログラム記憶部41eに記憶され
た構造計算のプログラムに従って地盤の耐力情報及び風
や地震力による力の作用を解析して構造計算を実施す
る。この過程で、オペレーターはディスプレイ43aを確
認しつつ、基礎構造を設定し、各階の柱や梁を含む架構
を設定し、更に各階の壁面に耐力壁を配置する作業を進
行させることが可能である。 【0029】上記の如くして設定された増築後の建物か
ら増築に対応した部分を除いた増築前の建物の間取りを
設定し、増築前建物演算部41gでは計算プログラム記憶
部41eに記憶された構造計算のプログラムに従って地盤
の耐力情報及び風や地震力による力の作用を解析して構
造計算を実施することが可能である。 【0030】そして、設定された各階の間取り、及び基
礎伏図、柱位置や梁伏図、耐力壁の配置等をプリンター
43bによって出力し、後述する図4〜図17を得ることが
可能である。 【0031】またプログラム記憶部41cに書き込まれた
判定手順を読み出し、該判定手順に従って増築後の建物
に対応した構造計算の結果に対し、増築前の建物に対応
した構造計算の結果が適合するか否かを演算部41aで判
定し、後述する図18の判定結果を得ることが可能であ
る。 【0032】上記の如く構成された設計装置40を用いる
ことで、増築住宅の設計方法を実行することが可能であ
り、例えば、客先で顧客と共に検討しつつより良い住宅
を提供することが可能となる。 【0033】次に、図3のフローチャート及び図4〜図
18を用いて本発明に係る将来増築住宅を設計する際の手
順について説明する。 【0034】先ず、ステップS1では増築後の建物及び
増築前の建物を設計するのに必要な土地の面積や地型
等、及び地耐力や単位面積当たりの積載荷重等の全デー
タを入力手段42によって入力する。 【0035】ステップS2では、入力された全データの
中から増築後の建物の間取りを設定するのに必要なCA
Dデータを選択し、増築後の建物の間取りを設定する。
本発明に於いて、増築前の建物の間取りと増築後の建物
の間取りとの間に共通性を持たせるか否かは特に限定す
るものではない。しかし、より多くの共通性を持つこと
で、増築時の費用を削減することが可能である。このた
め、同時にステップS8で増築前の建物の間取りを設定
する。 【0036】例えば、本実施例では、増築後の建物及び
増築前の建物共に2世代住宅としており、将来を3世代
が同居したときを仮定しており、このとき3階Cを増築
して2つの部屋を増加させたものである。そして増築後
の建物は、図4に示す1階Aの間取り,図5に示す2階
Bの間取り,図6に示す3階Cの間取り,図7に示す屋
根Dの構造のように設定している。即ち、1階Aには玄
関1,台所2兼居間3,和室4,浴室5,階段6,手洗
い7,ベランダ10が配置され、2階Bには台所2兼居間
3,2つの和室4,2つの階段6,手洗い7が配置さ
れ、3階Cには階段6,2つの部屋13が配置されてい
る。また屋根Dは図7に示すように切妻屋根として構成
している。 【0037】上記の如き各階の間取りはディスプレイ43
aに表示され、必要に応じてプリンター43bによって図
面として出力される。尚、以下の各図は全てディスプレ
イ43aの表示内容と同一の内容であり、全てプリンター
43bによって出力したものである。 【0038】上記の如く想定された増築後の建物に対
し、実際に建築する増築前の建物は2階建ての建物とし
て設定されている。この増築前の建物は、1階Aは図12
に示すように、増築後の建物の1階Aの間取りと同一で
あり、玄関1,台所2兼居間3,和室4,浴室5,階段
6,手洗い7,ベランダ10が配置されている。また2階
Bの間取りも、図13に示すように増築後の建物に於ける
2階Bの間取りと同一であり、台所2兼居間3,2つの
和室4,2つの階段6,手洗い7が配置されている。し
かし、2階Bには3階への階段6が不要であり、この階
段6に対応する部分には納戸14が形成されている。屋根
Dは図14に示すように切妻屋根として構成されている。 【0039】次に、ステップS3では、上記の如き階層
と間取りを持った増築後の建物について基礎構造,柱や
梁からなる架構構造、及び耐力要素の構造と配置位置を
決定するための構造計算を行うのに必要なデータを抽出
する。同様にステップS9に於いて、増築前の建物につ
いて構造計算を行うのに必要なデータを抽出しておく。 【0040】そしてステップS4に於いて、抽出された
データの基づいて増築後の建物に対応する構造計算を実
施する。この計算は地盤の耐力や増築後の建物の高さ及
び重量等に基づき、風及び地震により作用する水平力を
加味した通常の構造計算であり、予め制御部41の計算プ
ログラム記憶部41eに記憶させたプログラムをステップ
S6で読みだして実行される。 【0041】上記構造計算の過程で、ステップS5で
は、増築後の建物の構造を合理的に設定するように、該
増築後の建物を構成する構成要素を必要に応じて変更す
る。この構造計算の結果、ステップS7では、増築後の
建物に対し最適な状態で対応させた基礎断面,柱断面,
梁断面からなる架構の断面形状及び耐力壁の構造と配置
位置等を設定する。 【0042】即ち、上記構造計算の結果、図8に示すよ
うな、基礎の伏図及び1階の床梁の配置及び耐力壁の位
置が設定される。即ち、増築後の建物の周囲に沿って基
礎21が設置され、該基礎21に1階の床梁22が配置され
る。同様にして、2階部分には図9に示すように2階の
床梁22が配置され、2階の床梁を支持する柱23及び耐力
壁24が夫々所定の位置に配置され、3階部分には図10に
示すように3階の床梁22,柱23,耐力壁24が夫々所定の
位置に配置され、更に、屋根には屋根梁25及び屋根梁25
を支持する柱23,3階の耐力壁24が夫々所定の位置に配
置される。 【0043】上記の如くして増築後の建物の間取りが設
定されると共に、この間取りに基づいて、増築後の建物
の基礎断面,柱断面及び耐力壁の構造と位置が設定され
る。しかし、前記増築後の建物の構造は設定された間取
りに対し一義的に設定されるものではなく、多種,多様
の構造を設定することが可能である。即ち、ステップS
7で設定した増築後の建物に対し最適な状態で対応させ
た基礎断面,柱断面及び耐力壁の構造と位置等であって
も、これらは単なる一例にすぎない。 【0044】次に、ステップS7で設定された増築後の
建物に対応させた基礎断面,柱断面,耐力壁の構造と位
置のデータをステップS10に転送し、転送された増築後
の建物に対する構造を増築前の建物の階層に対応する部
分にそのままの状態で取り込んで、増築前の建物の基礎
断面,柱断面,耐力壁の構造と位置とする。 【0045】そして、ステップS10では、増築後の建物
に対応させた基礎断面,柱断面,耐力壁の構造と位置を
取り込んだ増築前の建物に対する構造計算を実行する。
この構造計算は制御部41の計算プログラム記憶部41eに
記憶させたプログラムをステップS6で読みだして実行
される。 【0046】次に、ステップS11では、ステップS10で
実行した増築前の建物に対する構造計算の結果が、ステ
ップS4で実行した増築後の建物に対する構造計算の結
果と適合しているか否かを比較検討して判定し、この判
定した結果を図18として出力する。尚、同図(a)は判
定結果を出力した画面を示し、同図(b)は同画面に表
示された判定項目の表を拡大したものである。 【0047】増築後の建物に対応させた基礎断面,柱断
面,耐力壁の構造と位置を増築前の建物に適用した場
合、増築前の建物の構造としては過大な仕様となり、該
増築前の建物に作用する水平力等に充分に対抗し得るも
のである。しかし、増築後の建物の形状と増築前の建物
の形状が極端に異なるような場合、必ずしも過大な仕様
であることを条件として満足し得るものではなく、建物
に作用する水平力に対抗し得なくなることがある。特
に、この傾向は鉄骨造の建物では顕著であり、増築後の
建物に対応させた基礎断面,柱断面,耐力壁の構造と位
置を取り込んだ増築前の建物の構造が強度的に満足する
か否かを検討することが必要である。 【0048】図18に於いて、縦方向に配列した判定項目
は、目的の建物の仕様に対応させて選択的に判定される
ものであり、必ずしも全てが比較検討されるものではな
い。即ち、非判定項目には図に示すような特殊記号が記
載され、判定項目には判定した結果に応じてOK或いは
NOとして記載される。 【0049】ステップS11で増築後の建物に対応させた
基礎断面,柱断面,耐力壁の構造と位置を取り込んだ増
築前の建物の構造が強度的に満足するか否かを判定した
結果、強度的に不満である場合には、増築前の建物の基
礎断面,柱断面,耐力壁の構造と位置が増築後の建物の
基礎断面,柱断面,耐力壁の構造と位置に適合しないも
のと判断してステップS5に戻り、増築後の建物に於け
る基礎構造,柱や梁等からなる架構構造,耐力壁の構造
と位置を含む構成要素を変化させ、その後、ステップS
4〜ステップS10を実行して、ステップS11で再度、増
築前の建物に対する構造計算の結果が、ステップS4で
実行した構造を変更した後の増築後の建物に対する構造
計算の結果と適合しているか否かを比較検討する。 【0050】上記ステップS5に於ける構成要素の変化
は、オペレーターがディスプレイ43aの表示を確認しつ
つ適宜行うことが好ましい。 【0051】ステップS11で増築後の建物に対応させた
基礎断面,柱断面,耐力壁の構造と位置を取り込んだ増
築前の建物の構造が強度的に満足するか否かを検討した
結果、強度的に満足した場合には、増築前の建物の基礎
断面,柱断面,耐力壁の構造と位置が増築後の建物の基
礎断面,柱断面,耐力壁の構造と位置に適合したものと
判断してステップS12に進行し、ステップS1で入力さ
れた全データから増築前の建物を設計する。 【0052】ステップS12に於いて設定された増築前の
建物の構造に応じて、ステップS13では、図15の基礎伏
図,図16の2階の梁伏図,図17の屋根梁の梁伏図を夫々
出力する。 【0053】本実施例に於いて、上記の如くして出力さ
れた増築前の建物に対応する基礎伏図(図15),2階の
梁伏図(図16),屋根梁の梁伏図(図17)は、前述した
増築後の建物に対応する基礎伏図〜3階の梁伏図(図8
〜図10)と同一であることは当然である。 【0054】上記の如くして増築後の建物に対応させた
基礎断面,柱断面,耐力壁の構造と位置を取り込んだ増
築前の建物の基礎断面,柱断面,耐力壁の構造と位置を
図面として夫々出力した後、エンドとなって終了する。 【0055】 【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る
将来増築住宅では、予め増築後の建物に対応させた基礎
断面,柱断面,耐力壁の構造と位置を取り込んで増築前
の建物を建築しておくことで、該建物に対する増築が必
要になったとき、この増築工事の期間を短縮することが
出来、且つ費用を軽減することが出来る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る将来増築住宅の増築後の建物の例
を示す図である。 【図2】本発明に係る将来増築住宅の増築前の建物の例
を示す図である。 【図3】将来増築住宅の設計手順を示すフローチャート
である。 【図4】増築後の建物の1階の間取りを示す平面図であ
る。 【図5】増築後の建物の2階の間取りを示す平面図であ
る。 【図6】増築後の建物の3階の間取りを示す平面図であ
る。 【図7】増築後の建物の屋根の平面図である。 【図8】増築後の建物の1階床伏図及び基礎伏図であ
る。 【図9】増築後の建物の2階の床伏図及び梁伏図であ
る。 【図10】増築後の建物の3階の床伏図及び梁伏図であ
る。 【図11】増築後の建物の屋根の屋根伏図及び梁伏図であ
る。 【図12】増築前の建物の1階の間取りを示す平面図であ
る。 【図13】増築前の建物の2階の間取りを示す平面図であ
る。 【図14】増築前の建物の屋根の平面図である。 【図15】増築前の建物の1階床伏図及び基礎伏図であ
る。 【図16】増築前の建物の2階の床伏図及び梁伏図であ
る。 【図17】増築前の建物の屋根の屋根伏図及び梁伏図であ
る。 【図18】判定結果を出力する際の出力例を示す図であ
る。 【図19】設計装置のブロック図である。 【符号の説明】 A 1階の間取り B 2階の間取り C 3階の間取り D 屋根の構造 1 玄関 2 台所 3 居間 4 和室 5 浴室 6 階段 7 手洗い 8 主寝室 9 子供部屋 10 ベランダ 11 商業スペース 12 エレベーター 13 スペース 21 基礎 22 床梁 23 柱 24 耐力壁 25 屋根梁 40 設計支援装置 41 制御部 41a 演算部 41b 一時記憶部 41c プログラム記憶部 41d 構成要素記憶部 41e 計算プログラム記憶部 41f 増築後建物演算部 41g 増築前建物演算部 42 入力部 42a キーボード 42b マウス 42c スキャナー 43 出力部 43a ディスプレイ 43b プリンター 44 インターフェース

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 予め上階に向けた増築後の階層及び間取
    りを想定し、該増築後の階層及び間取りに基づいて基礎
    構造及び骨組構造並びに耐力要素を含む構造計算を行
    い、前記構造計算の結果得られた予め想定された増築後
    の階層及び間取りを実現するのに必要な基礎断面,柱断
    面及び耐力壁の構造と位置を増築前の建物の階層に対応
    する部分にそのまま設計条件として取り込んで増築前の
    建物を設計することにより、風や地震時に作用する水平
    力に対抗し、且つ増築前の建物の基礎構造や骨組構造及
    び既に配置された耐力壁の位置には手を加えることな
    く、増築前の建物の既設部分に増築部分を接続し得るよ
    うに構成したことを特徴とする将来増築住宅。
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