JP2001073009A - 軸受の製造方法 - Google Patents

軸受の製造方法

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JP2001073009A JP24852999A JP24852999A JP2001073009A JP 2001073009 A JP2001073009 A JP 2001073009A JP 24852999 A JP24852999 A JP 24852999A JP 24852999 A JP24852999 A JP 24852999A JP 2001073009 A JP2001073009 A JP 2001073009A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絞り部とともに軸支面を形成して2点支持構
造の軸受を製造するにあたり、軸支面の密度を均等化さ
せて回転軸の支持力を安定化させることができる軸受の
製造方法を提供する。 【解決手段】 第1の絞り形成部23bと第2の絞り形
成部23cが形成された上下のパンチ21,22の成形
孔23に素材1Aの端部を圧入するとともに、軸方向に
圧縮して軸支面12と中逃げ部13を形成する。端部に
形成する絞り部を2段階に縮径させ、第1の絞り部11
bと第2の絞り部11cを形成する。これら絞り部11
b,11cが形成される際に生じる塑性流動を軸支面1
2の全長にわたって十分に作用させ、軸支面12の密度
を均等化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精密機器に内蔵さ
れるスピンドルモータの駆動軸等、比較的高速で回転す
る軸を高精度で支持する場合に用いて好適な軸受の製造
方法に関する。本発明は、素材を圧縮することにより塑
性変形を生じさせて所望形状の軸受を得る技術であっ
て、素材としては、主に、圧粉体を焼結させた焼結体あ
るいは焼結体にサイジング(再圧縮)を施してなる円筒
状の多孔質体が用いられる。また、本発明によって製造
された軸受は、潤滑油が含浸され、焼結含油軸受として
好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】上記焼結含油軸受は、焼結体に含浸され
た潤滑油が内径面にしみ出し、内径面と回転軸との間に
油膜が形成されることにより、摩擦抵抗が低減して騒音
や振動が抑えられるといった特性を有する。また、振動
や騒音の抑制効果をさらに高めた焼結含油軸受として、
軸方向中央部の内径面に、内径が回転軸の外径より僅か
に大きく回転軸と接触しない隙間(以下、中逃げ部と称
する)を形成し、回転軸の軸支面を両端部の内径面に限
定した2点支持構造として摩擦抵抗の低減効果と回転軸
の支持力をより安定化させたものがある。
【0003】焼結含油軸受は、通常、原料の金属粉末を
圧縮成形して得た円筒状の圧粉体を焼結し、焼結体をサ
イジングして最終形状に仕上げるといった工程を主体と
して製造されている。ところで、上記中逃げ部を有する
軸受を製造する場合、その中逃げ部を焼結体への機械加
工で形成すると、内径面に表出している気孔が潰れて潤
滑油の循環作用に支障を来すことになる。このため、焼
結体のサイジング工程で中逃げ部を同時に形成するか、
もしくはサイジング後にもう1度焼結体を圧縮して中逃
げ部を独自に形成する方法が好ましい。
【0004】そのような方法としては、例えば、特公平
8−6124号公報に記載の方法が挙げられる。図7
(a)は、同公報に記載の方法を概念的に示しており、
同図の左半分は成形前、右半分は成形後の状態を示して
いる。これによると、軸方向一端部に小径孔50aを有
し、小径孔50a以外の内径面が大径内径面50bとさ
れた円筒状の焼結体50を、大径内径面50b側の端部
から金型51内に装入し、焼結体50にコアロッド(公
報ではサイジングコア)52を挿入する。次いで、焼結
体50を上パンチ52によって降下させるとともに、上
下のパンチ52,53により軸方向に圧縮する。金型5
1には、焼結体50の押し込み方向先端側に絞り部51
cが形成されており、この絞り部51aに倣って塑性変
形した焼結体50の端部が縮径し、この縮径した絞り部
50cと、小径孔50aの内径面がコアロッド52にそ
れぞれ圧接して回転軸を支持する軸支面(軸受面)54
が形成される。また、これら軸受面54間の内径面は、
軸受面54よりも大径で回転軸が接触しない中逃げ部
(非接触面)55とされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の成形方法のよう
に、焼結体50の端部を1段階縮径して絞り部50cを
形成し、この絞り部50cの内径面を軸支面54に形成
する場合、次のような問題があった。すなわち、図7
(b)に示すように、絞り部50cが形成される際に生
じる肉の塑性流動が、主に矢印の方向に流れることか
ら、軸支面54においては、aで示す奥側が密になり、
bで示す端面側に向かうほど粗になりやすい。このよう
に軸支面54の密度(気孔率)に差異が生じると、潤滑
油が粗部に吸収されて潤滑油の浪費を招いたり、軸支面
54と回転軸との間の油圧が低下して回転軸の支持力が
不安定になったりする問題が起こる。
【0006】したがって本発明は、絞り部とともに軸支
面を形成して2点支持構造の軸受を製造するにあたり、
軸支面の密度を均等化させて回転軸の支持力を安定化さ
せることができる軸受の製造方法を提供することを目的
としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、コアロッドが
挿入された円筒状の素材を、成形型内において軸方向に
圧縮すると同時に、素材の少なくとも軸方向一端部を成
形型に形成された絞り形成部に圧入することにより、該
端部の外径および内径を縮小させて絞り部を形成すると
ともに、この絞り部の内径面をコアロッドに圧接させて
回転軸を支持する軸支面に形成する一方、この軸支面に
連続する軸方向中央部の内径面に、回転軸と接触しない
中逃げ部を形成する軸受の製造方法において、絞り部の
外径面を端面に向かうにしたがって複数段階に縮径させ
ることを特徴としている。
【0008】本発明では、絞り部の外径面を端面に向か
うにしたがって複数段階に縮径させることにより、絞り
部が形成される際に、この絞り部の内径面すなわち軸支
面に向かう塑性流動の主な流れが、縮径される段階の数
に応じて生じる。複数の塑性流動の流れは軸支面の奥側
から端面側に向かって並ぶように生じ、塑性流動は軸支
面全長にわたって十分に作用する。このため、端面側の
軸支面の密度が粗になりにくく、軸支面の密度が軸方向
に均等化する。その結果、粗部からの潤滑油の浪費は生
じず、また、軸支面と回転軸との間の保油量ならびに油
圧が全長にわたって均等化するので、回転軸の支持力を
安定化させることができる。
【0009】絞り部の外径面を複数段階に縮径させるに
は、複数の円筒部の組み合わせで構成したり、複数のテ
ーパ部で構成したりすることができる。また、円筒部と
テーパ部を組み合わせてもよい。
【0010】また、本発明では、軸受の素材が、軸方向
一端部に内径小径部を有する形態において、素材の外面
に、成形型内への装入方向を検知するための装入方向検
知手段が設けられていることを特徴としている。この場
合、素材は、内径小径部が形成されていない側の端部か
ら成形型内に装入され、軸方向に圧縮されると、内径小
径部の内径面がコアロッドに圧接して一方の軸支面が形
成され、装入方向先端部が成形型の絞り部に圧入されて
絞り部に形成され、その内径面がコアロッドに圧接して
他方の軸支面が形成される。つまり、内径小径部を後端
側にして装入しなければ両端部に軸支面が形成されず、
したがって、装入方向を明白に判別することができるよ
うにしておくことが好ましい。そこで、本発明のよう
に、素材の外面に装入方向検知手段を設け、それにした
がって素材を成形型に装入すれば、装入方向を誤ること
なく軸受の製造を確実に行うことができる。本発明は、
外径がストレートで外面の形状に特徴が見られない素材
において特に有効である。
【0011】装入方向検知手段としては、例えば、内径
小径部が形成されていない側の端部を僅かに小径とした
り、その端部の外周縁を面取りしたりする手段が挙げら
れる。このような手段によれば、成形型の絞り形成部へ
の圧入およびこれに伴って生じる塑性変形がスムーズに
なされるので好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。(1)第1実施形態 図1は、第1実施形態に係る軸受の成形工程を(a),
(b)の順に示している。本実施形態の成形装置は、パ
ンチガイド20と、パンチガイド20に摺動自在に挿入
される円筒状の上下のパンチ(成形型)21,22と、
上下のパンチ21,22の軸心に摺動自在に挿入される
コアロッド30とから構成されている。上下のパンチ2
1,22は、上下対称とされた同一構成のもので、互い
に対向するパンチ面の中心に、円形の成形孔23が形成
されている。この成形孔23は、入口側の開口部23a
から奥側に向かうにしたがって2段階に縮小しており、
内径がそれぞれ均一な第1絞り形成部23bと第2絞り
形成部23cとが同心的に形成されている。各絞り形成
部23b,23cは、内径が均一の円筒状で、第1絞り
形成部23bから第2絞り形成部23cへの移行部は、
なだらかなテーパ状に形成されている。
【0013】図1(a)に示す素材1Aは、焼結体もし
くは焼結体にサイジングを施して成形された多孔質体で
ある。この素材1Aは、内径および外径がともに均一の
単純な円筒である。素材1Aの内径はコアロッド30の
直径よりも大きく、コアロッド30が挿入された状態
で、その内径面とコアロッド30との間に微小な隙間が
形成される寸法に設定されている。また、外径は上下の
パンチ21,22の成形孔23の開口縁よりも僅かに小
さく、開口部23a内に端面の外周縁が入り込む寸法に
設定されている。なお、素材1Aの内径はコアロッド3
0が摺動しながら挿入される程度に小さい寸法であって
もよい。
【0014】次に、成形装置により素材1Aを成形して
軸受を製造する手順を説明する。まず、図1(a)に示
すように、上下のパンチ21,22の間に素材1Aを挟
み込むとともに、下パンチ22に挿入したコアロッド3
0を素材1Aに貫通させ、さらに上パンチ21に挿入す
る。素材1Aの上下端面の外周縁を成形孔23の開口部
23a内に入り込んだ状態とし、素材1Aをコアロッド
30と同軸的に配置する。次いで、図1(b)に示すよ
うに、上パンチ21を降下させ、上下のパンチ21,2
2により素材1Aを軸方向に圧縮する。
【0015】軸方向に圧縮された素材1Aの上下端部
は、それぞれ上下のパンチ21,22の成形孔23に圧
入され、成形孔23の内径面形状に倣って塑性変形す
る。これにより、第1の絞り形成部23bに応じた第1
の絞り部11bと、第2の絞り形成部23cに応じた第
2の絞り部11cが形成される。また、素材1Aの軸方
向中央部は上下のパンチ21,22間の開放部分に膨出
する。このような塑性変形が生じることにより、素材1
Aの上下端部の内径面はコアロッド30に圧接して回転
軸を支持する軸支面12に形成され、これら軸支面12
間には回転軸に接触しない中逃げ部13が形成される。
【0016】以上のようにして素材1Aが圧縮成形さ
れ、軸受10Aが成形される。軸受10Aは、上パンチ
21を上昇させてパンチガイド20から離脱させ、次い
で、下パンチ22を上昇させることにより取り出すこと
ができる。軸受10Aを使用に供する際には、潤滑油を
含浸して焼結含油軸受とされる。
【0017】軸受10Aの上下端部に形成された絞り部
は、端面に向かうにしたがって2段階に縮径され、第1
の絞り部11bと第2の絞り部11cとが形成されてい
る。これら絞り部11b,11cが形成される際には、
図2に示すように、軸支面12に向かう塑性流動の主な
流れ(矢印で示す)が2つ生じ、塑性流動は軸支面12
の全長にわたって十分に作用する。このため、従来のよ
うに端面側の軸支面12の密度が粗になる不具合は解消
され、軸支面12の密度が軸方向に均等化する。その結
果、潤滑油の浪費は生じず、また、軸支面12と回転軸
との間の保油量ならびに油圧が全長にわたって均等化す
るので、回転軸の支持力を安定化させることができる。
【0018】また、2つの軸支面12は、素材1Aの内
径面をコアロッド30に強く圧接させることにより形成
されるので、その内径および同軸度が高い精度で一致
し、加えて高密度化する故、耐摩耗性および回転軸の支
持力に優れる。一方、中逃げ部13はコアロッド30に
圧接しないから軸支面12よりも密度は低くなる。この
ため、潤滑油の含有量を増大させることができ、軸支面
12の潤滑性の向上が図られる。これらの結果、軸受1
0Aは優れた軸受性能を発揮する。
【0019】(2)第2実施形態 次に、図3を参照して本発明の第2実施形態を説明す
る。第2実施形態の成形装置は、図3に示すように、ダ
イ(成形型)40と、ダイ40に挿入される上下のパン
チ41,42と、コアロッド30とから構成されてい
る。ダイ40の成形孔43は、素材の入口側(上側)に
開口する主部43aが主体とされて奥部が2段階に縮径
しており、内径がそれぞれ均一な第1の絞り形成部43
bと第2の絞り形成部43cとが形成されている。上パ
ンチ41は主部43aに摺動自在に挿入されるようにな
され、下パンチ42は第2の絞り形成部43cに摺動自
在に挿入されるようになされている。
【0020】図3(a)に示す素材1Bは、軸方向一端
部の外径が他の外径部分よりも大きい外径大径部4bを
有し、一方、内径は均一な円筒状の焼結体である。素材
1Bの内径はコアロッド30の直径よりも大きく、コア
ロッド30が挿入された状態でコアロッド30と内径面
との間に微小な隙間が形成される寸法に設定されてい
る。また、外径大径部4bの外径は成形孔43の主部4
3aの内径よりも大きく、外径大径部4b以外の外径部
分である外径小径部4aの外径は、主部43aに中間嵌
めの状態で嵌合する寸法に設定されている。外径小径部
4aの外径は、成形孔43の主部43aの内径よりも大
きくて主部43aに圧入される寸法か、逆に主部43a
の内径よりも小さくて主部43aに遊嵌される寸法であ
ってもよい。
【0021】次に、成形装置により素材1Bを成形して
軸受を製造する手順を説明する。まず、図3(a)に示
すように、外径小径部4aを成形孔43の主部43aに
押し込んで嵌合させるとともに、コアロッド30を素材
1Bに貫通させる。次いで、図3(b)に示すように、
上パンチ41を降下させ、上下のパンチ41,42によ
り素材1Bを成形孔43に圧入するとともに、軸方向に
圧縮する。
【0022】成形孔43に圧入され、軸方向に圧縮され
た素材1Bは、成形孔43の内径面形状に倣って塑性変
形する。すなわち、上端部の外径大径部4bは成形孔4
3の主部43aの内径面の圧迫を受けて消滅する。そし
て、消滅した分の肉が内側に塑性流動して突出し、その
内径面がコアロッド30に圧接して軸支面12が形成さ
れる。一方、素材1Bの下端部には、第1の絞り形成部
43bに応じた第1の絞り部11bと、第2の絞り形成
部43cに応じた第2の絞り部11cが形成される。こ
れにより、下端部の内径面は内側に突出してコアロッド
30に圧接し、軸支面12が形成される。軸方向への圧
縮を受けた素材1Bは、上下端部の軸支面12がコアロ
ッド30に強く圧接するとともに、軸支面12間の内径
が外側に膨出し、中逃げ部13が形成される。このよう
にして素材1Bが圧縮成形され、軸受10Bが成形され
る。軸受10Bは、上パンチ41を上昇させてダイ40
から離脱させ、次いで、下パンチ42を上昇させること
により取り出すことができる。
【0023】上記第2実施形態で製造された軸受10B
の下端部には、第1、第2の絞り部11b,11cが形
成され、このように絞り部が2段階に形成されることに
より、絞り部とともに形成される軸支面12の密度が均
等化される作用効果を、上記第1実施形態と同様に得る
ことができる。また、上記第2実施形態で用いた素材1
Bは、外径が上端部側に均一な外径の外径大径部4bを
備えたものであったが、この外径大径部4bを、上端部
側が比較的大径で外径小径部4a側を比較的小径とした
2段形状、あるいはテーパ状にしたものを用いることが
できる。このような素材1Bは、成形孔43に圧入され
たときの変形量は上端側の方が大きいことから、製造さ
れた軸受10Bの上端部側の軸支面12の密度が高くな
り、このため、軸受の大きさや材質等に応じて一端側の
密度を他端側よりも高く設定したい場合に好適である。
【0024】(3)第3実施形態 次に、図4を参照して本発明の第3実施形態を説明す
る。第3実施形態では、上記第2実施形態の成形装置を
用い、図4(a)に示す素材1Cから軸受を製造する。
素材1Cは、軸方向一端部の内径が他の内径部分よりも
小さい内径小径部3aを有し、内径小径部3aとは反対
側の端部には、外径小径部(装入方向検知手段)4cが
形成されている。内径小径部3aの内径は、コアロッド
30が摺動しながら挿入される寸法に設定されている。
内径小径部3a以外の内径部分である内径大径部3bの
内径はコアロッド30の直径よりも大きく、その内径面
とコアロッド30との間に隙間が形成される寸法に設定
されている。外径小径部4cの外径は、成形孔43の第
1の絞り形成部43bの内径と同等の寸法に設定され、
外径小径部4c以外の外径部分である外径大径部4bの
外径は、成形孔43の主部43aに中間嵌めの状態で嵌
合する寸法に設定されている。
【0025】次に、成形装置により素材1Cを成形して
軸受を製造する手順を説明する。まず、図4(a)に示
すように、外径小径部4c側から素材1Cを成形孔43
の主部43aに押し込んで嵌合させるとともに、コアロ
ッド30を素材1Cに貫通させる。次いで、図4(b)
に示すように、上パンチ41を降下させ、上下のパンチ
41,42により素材1Cを成形孔43に圧入するとと
もに、軸方向に圧縮する。
【0026】成形孔43に圧入され、軸方向に圧縮され
た素材1Cは、成形孔43の内径面形状に倣って塑性変
形し、下端部には、第2実施形態と同様に第1の絞り部
11bと第2の絞り部11cが形成される。また、両端
部内径面はコアロッド30に強く圧接して軸支面12が
形成され、軸支面12間には中逃げ部13が形成され
る。このようにして素材1Cが圧縮成形され、軸受10
Cが成形される。軸受10Cは、上パンチ41を上昇さ
せてダイ40から離脱させ、次いで、下パンチ42を上
昇させることにより取り出すことができる。
【0027】上記第3実施形態によっても、絞り部が2
段階に形成されることにより軸支面の密度が均等化され
る作用効果を、上記第1、第2実施形態と同様に得るこ
とができる。
【0028】また、第3実施形態の素材1Cによれば、
外径小径部4cを目印として、この外径小径部4c側か
ら素材1Cを成形孔43に装入することにより、軸支面
12を両端部に確実に形成することができる。つまり、
素材1Cの外径面がストレートであると、内径小径部3
aが形成されている端部が判別しづらく、誤って内径小
径部3a側から素材1Cを成形孔43に装入してしまう
おそれがあり、その場合には、両端部に軸支面12が形
成されない。しかしながら、本実施形態の素材1Cには
外径小径部4cが形成されているので、内径小径部3a
の形成位置を明白に判別することができ、2つの軸支面
12を有する軸受を確実に製造することができる。
【0029】本発明に係る装入方向検知手段は、装入方
向を定めることができる形態であればいかなる形態であ
ってもかまわないが、第3実施形態の外径小径部4cの
ように、装入方向端部を小径とすることにより、成形孔
43の絞り形成部(第1、第2の絞り形成部43b,4
3c)への圧入およびこれに伴って生じる塑性変形がス
ムーズになされるので好ましい。
【0030】(4)他の実施形態 絞り部 上記第1〜第3実施形態では、軸受の端部に形成した第
1、第2の絞り部11b,11cの外径面は、いずれも
外径が均一の円筒部であったが、2段階に縮径する絞り
部を形成する場合、図5(a)に示すように、第1の絞
り部11bがテーパ部で、第2の絞り部11cが円筒部
といった組み合わせにしてもよい。また、テーパ部と円
筒部の組み合わせ順を、この逆にすることもできる。ま
た、図5(b)に示すように、第1、第2の絞り部11
b,11cを、いずれもテーパ部で構成してもよい。
【0031】上記第1〜第3実施形態では、いずれも絞
り部を2段階に縮径させた構成としているが、絞り部の
数はこれに限定されず、3段階あるいはそれ以上の複数
段階に縮径してもよい。
【0032】素材の形状 素材としては、上記素材1A〜1C以外の様々な円筒形
状のものを適用することができる。図6(a)〜(d)
は、その例を示している。(a)は外径面がストレート
で軸方向一端部に内径小径部3aを有するもの、(b)
は軸方向一端部に内径小径部3aおよび外径大径部を有
するもの、(c)は軸方向一端部にフランジ5を有する
もの、(d)は軸方向一端部に内径小径部3aとフラン
ジ5を有するもの、である。なお、フランジ5は圧縮成
形後も残存し、例えば、固定手段や位置決め手段として
利用される。
【0033】動圧溝 上記第1〜第3実施形態における軸支面12は平滑な周
面であったが、この軸支面12に動圧溝を形成してもよ
い。動圧溝は、例えば、軸支面12に形成される素材の
内径面が圧接するコアロッド30の外面に、動圧溝形成
用の凸部または凹部を形成しておき、この凸部または凹
部を軸支面12に刻設させることにより、圧縮成形と同
時に形成することができる。
【0034】軸支面12に動圧溝を形成すると、両端部
の各軸支面12により回転軸を支持する2点支持構造に
加え、動圧溝に発生する動圧効果(動圧溝に流入する潤
滑油の高圧化に伴う剛性向上)によって回転軸の支持力
が相乗的に高まり、回転軸の支持力がより安定する。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
絞り部とともに軸支面を形成して2点支持構造の軸受を
製造するにあたり、絞り部の外径面を端面に向かうにし
たがって複数段階に縮径させるので、軸支面の密度を均
等化させることができ、その結果、回転軸の支持力を安
定化させることができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る軸受の製造工程
を(a),(b)の順に示す縦断面図である。
【図2】 第1実施形態によって絞り部を2段階に形成
した際の作用を説明するための縦断面図である。
【図3】 本発明の第2実施形態に係る軸受の製造工程
を(a),(b)の順に示す縦断面図である。
【図4】 本発明の第3実施形態に係る軸受の製造工程
を(a),(b)の順に示す縦断面図である。
【図5】 (a),(b)は本発明に係る絞り部の他の
形態を示す縦断面図である。
【図6】 (a)〜(d)は本発明に係る素材の他の形
態を示す縦断面図である。
【図7】 (a)は従来の軸受の製造方法の一例を示す
縦断面図、(b)は従来の課題を説明するための絞り部
の縦断面図である。
【符号の説明】
1A,1B,1C…素材、3a…内径小径部、4c…外
径小径部(装入方向検知手段)、10A,10B,10
C…軸受、11b…第1の絞り部、11c…第2の絞り
部、12…軸支面、13…中逃げ部、21…上パンチ
(成形型)、22…下パンチ(成形型)、23b,43
b…第1の絞り形成部、23c,43c…第2の絞り形
成部、30…コアロッド、40…ダイ(成形型)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J011 AA20 BA02 CA01 DA02 JA02 KA02 LA01 MA12 SB19 4K018 AA04 CA15 FA03 FA43 HA03 KA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアロッドが挿入された円筒状の素材
    を、成形型内において軸方向に圧縮すると同時に、素材
    の少なくとも軸方向一端部を成形型に形成された絞り形
    成部に圧入することにより、 該端部の外径および内径を縮小させて絞り部を形成する
    とともに、この絞り部の内径面をコアロッドに圧接させ
    て回転軸を支持する軸支面に形成する一方、この軸支面
    に連続する軸方向中央部の内径面に、回転軸と接触しな
    い中逃げ部を形成する軸受の製造方法において、 前記絞り部の外径面を、端面に向かうにしたがって複数
    段階に縮径させることを特徴とする軸受の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記絞り部が、複数の円筒部の組み合わ
    せからなることを特徴とする請求項1に記載の軸受の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記絞り部が、複数のテーパ部の組み合
    わせからなることを特徴とする請求項1に記載の軸受の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記絞り部が、円筒部とテーパ部の組み
    合わせからなることを特徴とする請求項1に記載の軸受
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記素材は軸方向一端部に内径小径部を
    有し、この素材の外面に、成形型内への装入方向を検知
    するための装入方向検知手段が設けられていることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の軸受の製造方
    法。
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