JP2001072967A - 低リン系冷却液組成物 - Google Patents

低リン系冷却液組成物

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    • C23FNON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
    • C23F11/00Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent
    • C23F11/08Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent in other liquids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リン酸塩を含んでいてその優れた効果を有
し、しかもリン酸塩の持つ欠点が見事にカバーされた低
リン系冷却液組成物を提供すること。 【解決手段】グリコール類を主成分とし、成分中に、 (A)成分:炭素数6〜12の脂肪族二塩基酸、または
そのアルカリ金属塩の中から選ばれた少なくとも1種を
0.1〜5.0重量%、 (B)成分:アルキル安息香酸、またはそのアルカリ金
属塩の中から選ばれた少なくとも1種を0.1〜10重
量%、 (C)成分:ストロンチウム化合物、またはそのアルカ
リ金属塩の中から選ばれた少なくとも1種を0.001
〜0.1重量%、 (D)成分:リン酸、またはそのアルカリ金属塩の中か
ら選ばれた少なくとも1種を0.1〜0.3重量%の割
合で含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として内燃機関
等の冷却液に使用される低リン系冷却液組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、エンジン等の内燃機関の冷却系統には、グリコール
類を主成分とする冷却液組成物が適用されている。内燃
機関の冷却系統は、アルミニウム、アルミニウム合金、
鋳鉄、鋼、黄銅、はんだ、銅などの金属が使用されてお
り、これらの金属は、水あるいは空気との接触により腐
食を生じることから、これら冷却系統における金属の腐
食を防止するため、前記冷却液組成物中には、リン酸
塩、アミン塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、亜硝酸塩といった
腐食防止剤が添加されていた。
【0003】中でもリン酸塩は、鉄、アルミニウム系の
金属に対して優れた腐食防止性能を有することから、腐
食防止剤の中でも特に重要な添加剤の一つとしてみなさ
れていた。
【0004】ところがリン酸塩は、希釈液中に含まれる
硬水成分と反応して沈殿を生じ、これにより冷却液の腐
食防止機能が低下してしまうという事態を引き起こして
いた。
【0005】本発明者らは、このきわめて有用な腐食防
止剤であるリン酸塩の使用の可能性について鋭意研究
し、リン酸塩を含んでいてその優れた効果を有し、しか
もリン酸塩の持つ欠点が見事にカバーされた冷却液組成
物を見い出し、ここに提案するに至ったのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の
発明は、グリコール類を主成分とし、成分中に、 (A)成分:炭素数6〜12の脂肪族二塩基酸、または
そのアルカリ金属塩の中から選ばれた少なくとも1種を
0.1〜5.0重量%、 (B)成分:アルキル安息香酸、またはそのアルカリ金
属塩の中から選ばれた少なくとも1種を0.1〜10重
量%、 (C)成分:ストロンチウム化合物、またはそのアルカ
リ金属塩の中から選ばれた少なくとも1種を0.001
〜0.1重量%、 (D)成分:リン酸、またはそのアルカリ金属塩の中か
ら選ばれた少なくとも1種を0.1〜0.3重量%の割
合で含有することを特徴とする低リン系冷却液組成物を
その要旨とした。
【0007】請求項2記載の発明は、成分中にケイ酸
塩、アミン塩、ホウ酸塩、亜硝酸塩、及びモリブデン酸
塩を含有しないことを特徴とする低リン系冷却液組成物
をその要旨とした。
【0008】請求項3記載の発明は、トリアゾール類を
0.05〜1.0重量%の範囲で含有することを特徴と
する低リン系冷却液組成物をその要旨とした。
【0009】請求項4記載の発明は、チアゾール類を
0.01〜1.0重量%の範囲で含有することを特徴と
する低リン系冷却液組成物をその要旨とした。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の低リン系冷却液組
成物(以下、単に組成物という)について詳細に説明す
る。本発明の組成物はグリコール類を主成分とするもの
である。グリコール類としては、エチレングリコール、
プロピレングリコール、1,3ブチレングリコール、ヘ
キシレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリ
ン等が挙げられ、その中でも特にエチレングリコール、
或いはプロピレングリコールが望ましい。
【0011】この組成物は、成分中に以下の(A)〜
(D)の各成分を含有している。(A)成分は、炭素数
6〜12の脂肪族二塩基酸、またはそのアルカリ金属塩
の中から選ばれた少なくとも1種であり、炭素数6〜1
2の脂肪族二塩基酸としては、例えばスベリン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸
などがあり、これらの1種もしくは2種以上の混合物が
挙げられる。中でもセバシン酸(SA)が好適である。
またこの脂肪族二塩基酸は、ナトリウムやカリウムなど
のアルカリ金属塩の形態で使用することもできる。
(A)成分は、後述する(B)成分及び(D)成分とと
もに、金属、特には鉄、アルミニウム系の金属の腐食を
防止する。この(A)成分の含有量は、0.1〜5.0
重量%である。(A)成分の含有量が前記範囲外の場
合、十分な金属の腐食防止性能を得ることができなかっ
たり、不経済になったりするからである。
【0012】(B)成分は、アルキル安息香酸、または
そのアルカリ金属塩の中から選ばれた少なくとも1種で
あり、アルキル安息香酸としては、p−tertブチル
安息香酸やp−メチル安息香酸など、R−C64−CO
OH(RはC1〜C5のアルキル基)の構造を有するもの
であり、これらの中から選ばれた1種もしくは2種以上
の混合物が挙げられる。またこのアルキル安息香酸は、
ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩の形態で使
用することもできる。(B)成分は、前記(A)成分及
び後述する(D)成分とともに、鉄、アルミニウム系の
金属の腐食を防止する。この(B)成分の含有量は、
0.1〜10重量%である。(B)成分の含有量が前記
範囲外の場合、十分な金属の腐食防止性能を得ることが
できなかったり、不経済になったりするからである。
【0013】(C)成分は、ストロンチウム化合物、ま
たはそのアルカリ金属塩の中から選ばれた少なくとも1
種であり、ストロンチウム化合物としては、例えば酸化
ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、塩化ストロン
チウム、弗化ストロンチウム、ヨウ化ストロンチウム、
硫酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、チタン酸ス
トロンチウム、ホウ酸ストロンチウム、タングステン酸
ストロンチウム、燐酸ストロンチウム、燐酸二水素スト
ロンチウム、蟻酸ストロンチウム、酢酸ストロンチウ
ム、プロピオン酸ストロンチウム、酪酸ストロンチウ
ム、吉草酸ストロンチウム、ラウリン酸ストロンチウ
ム、ステアリン酸ストロンチウム、オレイン酸ストロン
チウム、グルタミン酸ストロンチウム、乳酸ストロンチ
ウム、コハク酸ストロンチウム、リンゴ酸ストロンチウ
ム、酒石酸ストロンチウム、マレイン酸ストロンチウ
ム、クエン酸ストロンチウム、蓚酸ストロンチウム、マ
ロン酸ストロンチウム、セバシン酸ストロンチウム、安
息香酸ストロンチウム、フタル酸ストロンチウム、サリ
チル酸ストロンチウム、マンデル酸ストロンチウムなど
があり、これらの1種もしくは2種以上の混合物が挙げ
られる。(C)成分は、後述する(D)成分と共働して
アルミニウムの伝熱面腐食を防止する。この(C)成分
の含有量は、0.001〜0.1重量%である。(C)
成分の含有量が前記範囲外の場合、アルミニウムの伝熱
面腐食を十分に防止することができなかったり、不経済
になったりするからである。
【0014】(D)成分は、リン酸、またはそのアルカ
リ金属塩の中から選ばれた少なくとも1種であり、前記
(A)成分及び(B)成分とともに鉄、アルミニウム系
の金属の腐食を防止する。また(D)成分は、アルミニ
ウム系金属の黒変を防止する。さらに(D)成分は、
(C)成分と共働してアルミニウムの伝熱面腐食を防止
する。この(D)成分の含有量は0.1〜0.3重量%
である。(D)成分の含有量が前記範囲よりも少ない場
合、前述の効果が十分に発揮されない恐れがあり、
(D)成分の含有量が前記範囲よりも多い場合には、前
述の冷却液中の硬水成分との反応による腐食防止機能の
低下といった不具合を引き起こす恐れがあるからであ
る。
【0015】またこの組成物は、成分中にケイ酸塩、ア
ミン塩、ホウ酸塩、亜硝酸塩、及びモリブデン酸塩を含
有しない形態を採ることもできる。このような形態とし
たときのメリットは以下のとおりである。すなわちアミ
ン塩及び亜硝酸塩を含有していると、これらが反応して
ニトロソアミンを生成し易いのであるが、その恐れがな
くなる。またケイ酸塩は、冷却液中での安定性に劣り、
熱やpHが変化した場合や他の塩類が共存する場合に
は、容易にゲル化してしまい、腐食防止機能が低下する
という不具合があるが、そのような不具合が生じない。
ホウ酸塩は、アルミニウムやその合金を腐食させる傾向
があり、亜硝酸塩は消耗が速く、その分腐食防止機能も
速く低下してしまうという欠点があるが、それらを含ま
ないことから、そのような不具合も生じることもない。
さらにモリブデン酸塩は、冷却液が酸化劣化し易くなる
という問題が生じない。
【0016】またこの組成物には、0.05〜1.0重
量%の範囲でトリアゾール類を含ませることができる。
このトリアゾール類としては、トリルトリアゾールやベ
ンゾトリアゾールなどが挙げられる。トリアゾール類
は、金属、特に銅に対して優れた腐食防止機能を有して
おり、そのような腐食防止機能を組成物中において十分
に発揮するため、0.05〜1.0重量%の範囲で含ま
れるのが望ましい。
【0017】またこの組成物には、0.01〜1.0重
量%の範囲でチアゾール類を含ませることができる。こ
のチアゾール類としては、メルカプトベンゾチアゾール
などが挙げられる。チアゾール類は、前記トリアゾール
類と同じく金属、特に銅に対して優れた腐食防止機能を
有しており、そのような腐食防止機能を組成物中におい
て十分に発揮するため、0.01〜1.0重量%の範囲
で含まれるのが望ましい。
【0018】なお、本発明の組成物には、前記の成分以
外に例えば消泡剤、着色剤等を含有させても良いし、他
の従来公知の腐食防止剤である、タングステン酸塩、硫
酸塩、硝酸塩及び安息香酸塩などを使用しても良い。
【0019】
【実施例】以下に本発明の組成物をさらに詳しく説明す
る。下記表1には、本発明の好ましい実施例を示すとと
もに、比較として(D)成分の含有量が本願の範囲より
も多い場合を比較例1とし、(D)成分及び(C)成分
を含まない例を比較例2とし、(C)成分のみを含まな
い例を比較例3としてそれぞれ示した。
【0020】 上記実施例1並びに比較例1及び2の各サンプルについ
て、硬水による金属腐食試験を行った。またアルミニウ
ムの黒変防止性についても同時に評価した。その結果を
表2に示す。尚、金属腐食試験は、JIS K 223
4 7.8の規定に基づいて行い、この試験に供する金
属には、アルミニウム鋳物、鋳鉄、鋼、黄銅、はんだ、
銅の各試験片を使用した。また試験に供する各サンプル
は、イオン交換水に塩化カルシウムを加えて全硬度が8
00ppmとなるようにした調整した調合水を用いて希
釈した。
【0021】 次に、上記実施例1並びに比較例1及び2の各サンプル
について、循環金属腐食試験を行った。またアルミニウ
ムの黒変防止性についても同時に評価した。その結果を
表3に示す。尚、金属腐食試験は、JIS K 223
4 7.8の規定に基づいて行った。
【0022】 次に、上記実施例1並びに比較例1〜3の各サンプルに
ついて、アルミニウムの伝熱面試験を行った。またアル
ミニウムの黒変防止性についても同時に評価した。その
結果を表4に示す。尚、試験は、JIS K 2234
10の規定に基づいて行った。
【0023】 表2〜表4から、(B)成分と(C)成分が含まれず、
これらに代えて安息香酸を含んでいる比較例1に係る組
成物が、硬水成分の存在下で腐食防止機能が低下して、
アルミニウムに金属腐食が生じ、(D)成分及び(C)
成分を含まない例を比較例2に係る組成物が、アルミニ
ウムに黒変を生じ、(C)成分のみを含まない比較例3
に係る組成物が、アルミニウムの伝熱面における金属の
腐食が生じているのに対し、実施例に係る組成物にあっ
ては、硬水成分の存在下でも腐食防止機能が低下せずに
優れた金属腐食防止性を有していること、アルミニウム
の黒変を引き起こさないこと、さらにはアルミニウムの
伝熱面における金属腐食防止性に優れることが確認され
た。
【0024】
【発明の効果】本発明の組成物は、(A)成分を0.1
〜5.0重量%、(B)成分を0.1〜10重量%、
(C)成分を0.001〜0.1重量%、(D)成分を
0.1〜0.3重量%の割合で含有することから、金
属、特には鉄、アルミニウム系金属に対し優れた腐食防
止性を有している。
【0025】またこの組成物は、(D)成分の含有量が
0.1〜0.3重量%となっていて、一般の使用量の約
1/5と少なく、しかも冷却液中の(D)成分は、使用
中に金属表面に防錆被膜として吸着されるので、その使
用期間を終えた冷却液中の(D)成分濃度は極めて小さ
い。このため、仮に誤って河川等に流入しても富栄養化
を引き起こし難い。またこの組成物にあっては、(D)
成分の含有量が少ないので、希釈時に硬水成分と反応し
て腐食防止機能が低下することもない。
【0026】またこの組成物は、(D)成分を含有して
いるので、アルミニウムの黒変を引き起こさない。さら
にはこの組成物は、(D)成分とともに(C)成分も含
有しているので、アルミニウムの伝熱面における金属腐
食防止性に優れると言った効果を奏する。
【0027】またこの組成物において、成分中にケイ酸
塩、アミン塩、ホウ酸塩、亜硝酸塩、及びモリブデン酸
塩を含有しない形態とした場合、以下の効果を奏する。
アミン塩及び亜硝酸塩を含有していると、これらが反応
してニトロソアミンの生成し易いのであるが、その恐れ
がなくなる。またケイ酸塩は、冷却液中での安定性に劣
り、熱やpHが変化した場合や他の塩類が共存する場合
には、容易にゲル化してしまい、腐食防止機能が低下す
るという不具合があるが、そのような不具合が生じな
い。ホウ酸塩は、アルミニウムやその合金を腐食させる
傾向があり、亜硝酸塩は消耗が速く、その分腐食防止機
能も速く低下してしまうという欠点があるが、それらを
含まないことから、そのような不具合も生じることもな
い。さらにモリブデン酸塩は、冷却液が酸化劣化し易く
なるという問題が生じない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 道弘 岐阜県関市新迫間12番地 シーシーアイ株 式会社内 (72)発明者 大澤 充 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 長島 隆 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリコール類を主成分とし、成分中に、 (A)成分:炭素数6〜12の脂肪族二塩基酸、または
    そのアルカリ金属塩の中から選ばれた少なくとも1種を
    0.1〜5.0重量%、 (B)成分:アルキル安息香酸、またはそのアルカリ金
    属塩の中から選ばれた少なくとも1種を0.1〜10重
    量%、 (C)成分:ストロンチウム化合物、またはそのアルカ
    リ金属塩の中から選ばれた少なくとも1種を0.001
    〜0.1重量%、 (D)成分:リン酸、またはそのアルカリ金属塩の中か
    ら選ばれた少なくとも1種を0.1〜0.3重量%の割
    合で含有することを特徴とする低リン系冷却液組成物。
  2. 【請求項2】 成分中にケイ酸塩、アミン塩、ホウ酸
    塩、亜硝酸塩、及びモリブデン酸塩を含有しないことを
    特徴とする請求項1記載の低リン系冷却液組成物。
  3. 【請求項3】 トリアゾール類を0.05〜1.0重量
    %の範囲で含有することを特徴とする請求項1または2
    記載の低リン系冷却液組成物。
  4. 【請求項4】 チアゾール類を0.01〜1.0重量%
    の範囲で含有することを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の低リン系冷却液組成物。
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