JP2001072847A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents
ポリカーボネート樹脂組成物Info
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Abstract
リカーボネート樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 下記式(1) 【化1】 (式中、R1 は炭素数10〜20のアルキル基を示
す。)で表される末端基を有する芳香族ポリカーボネー
ト−ポリオルガノシロキサン共重合体(A)を含む芳香
族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、フィブ
リル形成能を有する平均分子量500,000以上のポ
リテトラフルオロエチレン(B)0.05〜1重量部を
配合してなるポリカーボネート樹脂組成物である。
Description
樹脂組成物に関し、さらに詳しくは流動性、耐衝撃性及
び難燃性に優れたポリカーボネート樹脂組成物に関する
ものである。
に、耐衝撃性)、電気的特性、透明性などに優れ、エン
ジニアリングプラスチックとして、OA機器、電気・電
子機器分野、自動車分野等様々な分野において幅広く利
用されている。そして、これらの利用分野の中には、O
A機器、電気・電子機器分野を中心として、難燃性を要
求される分野がある。
脂の中では酸素指数が高く、自己消火性を有するが、O
A機器,電気・電子機器分野で要求される難燃性のレベ
ルは、一般的にUL94規格で、V−0レベルと高く、
難燃性を付与するには、通常難燃剤、難燃助剤を添加す
ることによって行われている。
より、耐衝撃性や耐熱性が低下する。その問題点を解決
する方法として、ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネ
ート−ポリオルガノシロキサン共重合体及びポリテトラ
フルオロエチレンの組成物が開示されている(特開平8
−81620号公報)。ところで、最近、コピー機やプ
リンターのハウジングのように、大型薄肉成形が可能な
流動性に優れた難燃材料が求められている。しかし、上
記技術ではポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン
共重合体の分子量を低下させることにより流動性は向上
できるが、耐衝撃性が低下するという問題がある。ま
た、ポリカーボネート樹脂の分子量を低下させることに
より流動性は向上できるが、難燃性及び耐衝撃性が悪化
するという問題がある。
鑑みなされたもので、流動性、耐衝撃性及び難燃性に優
れたポリカーボネート樹脂組成物を提供することを目的
とするものである。
重ねた結果、特定の末端基を有する芳香族ポリカーボネ
ート−ポリオルガノシロキサン共重合体を含む芳香族ポ
リカーボネート樹脂に、特定のポリテトラフルオロエチ
レンを配合したポリカーボネート樹脂組成物が上記本発
明の目的に適合しうることを見い出し本発明を完成する
に到った。すなわち、本発明の要旨は下記の通りであ
る。 1.下記式(1) (式中、R1 は炭素数10〜20のアルキル基を示
す。)
ボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(A)を含
む芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、
フィブリル形成能を有する平均分子量500,000以
上のポリテトラフルオロエチレン(B)0.05〜1重
量部を配合してなるポリカーボネート樹脂組成物。 2.(A)成分を含む芳香族ポリカーボネート樹脂全体
の粘度平均分子量が10,000〜40,000である
上記1記載のポリカーボネート樹脂組成物。 3.(A)成分中のポリオルガノシロキサンの割合が、
(A)成分を含む芳香族ポリカーボネート樹脂全体の
0.1〜2.0重量%である上記1又は2に記載のポリ
カーボネート樹脂組成物。 4.上記式(1)において、R1 が炭素数10〜20の
分岐状のアルキル基である上記1〜3のいずれかに記載
のポリカーボネート樹脂組成物。 5.上記1〜4のいずれかに記載のポリカーボネート樹
脂組成物を使用してなるOA機器ハウジング。
明する。先ず、本発明の樹脂組成物を構成する(A)成
分は、前記式(1)で表される末端基を有する芳香族ポ
リカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(以
下PC−PDMS共重合体と略記する。)である。
〜20のアルキル基であり、直鎖状のものでも分岐状の
ものでもよい。また、炭素数はその範囲内で大きい方が
好ましい。具体的には、デシル基,ウンデシル基,ドデ
シル基,トリデシル基,テトラデシル基,ペンタデシル
基,ヘキサデシル基,ヘプタデシル基,オクタデシル
基,ノナデシル基又はエイコシル基を挙げることができ
る。
いずれでもよいがp位が好ましい。PC−PDMS共重
合体は、芳香族ポリカーボネート部とポリシロキサン部
からなる共重合体であり、末端基以外の骨格としては、
例えば、特開昭50−29695号公報、特開平3−2
92359号公報、特開平4−202465号公報、特
開平8−81620号公報、特開平8−302178号
公報、特開平10−7897号公報に開示されている共
重合体を挙げることができ、好ましくは、下記構造式
(2)で表される構造単位からなる芳香族ポリカーボネ
ート部と下記構造式(3)で表される構造単位からなる
ポリオルガノシロキサン部を分子内に有する共重合体を
挙げることができる。
ルキル基又はフェニル基を示し、同一でも異なっていて
もよい。R4 〜R7 は炭素数1〜6のアルキル基又はフ
ェニル基を示し、好ましくはメチル基である。R4 〜R
7 はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
基を示し、好ましくは、o−アリルフェノール残基、p
−ヒドロキシスチレン残基又はオイゲノール残基であ
る。Zは単結合、炭素数1〜20のアルキレン基又は炭
素数1〜20のアルキリデン基、炭素数5〜20のシク
ロアルキレン基又は炭素数5〜20のシクロアルキリデ
ン基、あるいは−SO2 −、−SO−、−S−、−O
−、−CO−結合を示す。好ましくは、イソプロピリデ
ン基である。
ある。nは1〜500の整数で、好ましくは5〜100
である。このPC−PDMS共重合体は、例えば、予め
製造された芳香族ポリカーボネート部を構成する芳香族
ポリカーボネートオリゴマー(以下PCオリゴマーと略
称する。)と、ポリオルガノシロキサン部を構成する末
端にo−アリルフェノール残基、p−ヒドロキシスチレ
ン残基、オイゲノール残基等の反応性基を有するポリオ
ルガノシロキサン(反応性PDMS)とを、塩化メチレ
ン、クロロベンゼン、クロロホルム等の溶媒に溶解さ
せ、二価フェノールの苛性アルカリ水溶液を加え、触媒
として、第三級アミン(トリエチルアミン等)や第四級
アンモニウム塩(トリメチルベンジルアンモニウムクロ
ライド等)を用い、下記一般式(4)
フェノール化合物からなる末端停止剤の存在下界面重縮
合反応することにより製造することができる。上記一般
式(4)において、R1 の記載は前の記載と同じであ
る。PC−PDMS共重合体の製造に使用されるPCオ
リゴマーは、例えば塩化メチレンなどの溶媒中で、一般
式(5)
記と同じである。)で表される二価フェノールとホスゲ
ンまたは炭酸エステル化合物などのカーボネート前駆体
とを反応させることによって容易に製造することができ
る。
媒中において、二価フェノールとホスゲンのようなカー
ボネート前駆体との反応により、あるいは二価フェノー
ルとジフェニルカーボネートのようなカーボネート前駆
体とのエステル交換反応などによって製造される。
ルとしては、4,4’−ジヒドロキシジフェニル;1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)アルカン;ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロアルカン;ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)オキシド;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフ
ィド;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン;ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド;ビス(4−
ヒドロキシフェニル)エーテル;ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ケトンなどを挙げることができる。なかで
も、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(ビスフェノールA)が好ましい。これらの二価フェノ
ールはそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を組み
合わせて用いてもよい。
ェニルカーボネート等のジアリールカーボネートやジメ
チルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキ
ルカーボネートを挙げることができる。
の製造に供されるPCオリゴマーは、前記の二価フェノ
ール一種を用いたホモポリマーであってもよく、また二
種以上を用いたコポリマーであってもよい。さらに、多
官能性芳香族化合物を上記二価フェノールと併用して得
られる熱可塑性ランダム分岐ポリカーボネートであって
もよい。その場合、分岐剤(多官能性芳香族化合物)と
して、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン、α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1−
[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチ
ル]−4−[α’,α’−ビス(4”−ヒドロキシルフ
ェニル)エチル]ベンゼン、フロログルシン、トリメリ
ット酸、イサチンビス(o−クレゾール)などを使用す
ることができる。
ことができるが、一般に前記式(1)で表される末端基
を有する芳香族ポリカーボネート(以下、末端変性ポリ
カーボネートと略記する。)が副生し、(A)成分を含
む芳香族ポリカーボネート樹脂として製造され、その場
合、全体の粘度平均分子量は10,000〜40,00
0が好ましく、さらに好ましくは12,000〜30,
000である。
(A)成分を含む芳香族ポリカーボネート樹脂全体の
0.5〜10重量%である。なお、上記の方法によって
製造される重合体は、実質的に、分子の片末端又は両末
端に前記式(1)で表される末端基を有するものであ
る。
る(A)成分を含む芳香族ポリカーボネート樹脂を、そ
のまま使用してもよいが、さらに一般の芳香族ポリカー
ボネート樹脂あるいは別に製造された末端変性芳香族ポ
リカーボネート樹脂を配合してもよい。その場合、
(A)成分のPC−PDMS共重合体の量と末端変性ポ
リカーボネートの量の和を、(A)成分を含む芳香族ポ
リカーボネート樹脂全体の少なくとも10重量%にする
のが好ましく、より好ましくは30重量%以上であり、
特に好ましくは50重量%以上である。10重量%未満
であると、本発明の組成物の流動性が改善されない場合
がある。また、新たに配合する芳香族ポリカーボネート
樹脂の粘度平均分子量は10,000〜40,000の
ものが好ましく、さらに好ましくは12,000〜3
0,000である。
制限はないが、二価フェノールとホスゲン又は炭酸エス
テル化合物とを反応させることにより容易に製造するこ
とができる。すなわち、例えば、塩化メチレンなどの溶
媒中において、トリエチルアミン等の触媒と末端停止剤
の存在下、二価フェノールとホスゲンのようなカーボネ
ート前駆体との反応により、あるいは二価フェノールと
ジフェニルカーボネートのようなカーボネート前駆体と
のエステル交換反応などによって製造される。
成分の製造に使用される前記の一般式(5)で表される
化合物と同じものでもよく、また異なるものでもよい。
また、前記の二価フェノール一種を用いたホモポリマー
でも、二種以上用いたコポリマーであってもよい。さら
に、多官能性芳香族化合物を上記二価フェノールと併用
して得られる熱可塑性ランダム分岐ポリカーボネートで
あってもよい。
カーボネート等のジアリールカーボネートやジメチルカ
ーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカー
ボネートが例示できる。
ーボネート樹脂の場合には、例えば、フェノール,p−
tert−ブチルフェノール,p−tert−オクチル
フェノール,p−クミルフェノール,p−ノニルフェノ
ール,p−tert−アミルフェノール,ブロモフェノ
ール,トリブロモフェノール,ペンタブロモフェノール
等を挙げることができる。末端変性芳香族ポリカーボネ
ート樹脂の場合には、前記一般式(4)で表されるフェ
ノール化合物を使用する。
ネート樹脂の粘度平均分子量は10,000〜40,0
00が好ましく、さらに好ましくは12,000〜3
0,000であり、特に好ましくは14,000〜2
6,000である。分子量が低すぎると、本発明の樹脂
組成物の機械的強度に劣る場合があり、分子量が高すぎ
ると、本発明の樹脂組成物の流動性に劣る場合がある。
(A)を含む芳香族ポリカーボネート樹脂全体の0.1
〜2.0重量%の範囲が、本発明の樹脂組成物の難燃性
の点で好ましい。さらに好ましくは0.2〜1.5重量
%であり、特に好ましくは0.5〜1.3重量%であ
る。
のフィブリル形成能を有する平均分子量500,000
以上のポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEと略
称する。)は溶融滴下防止効果を付与するものであり、
高い難燃性を付与することができる。その平均分子量は
500,000以上であることが必要であり、好ましく
は500,000〜10,000,000、さらに好ま
しくは1,000,000〜10,000,000であ
る。
族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.05
〜1.0重量部、好ましくは0.1〜0.5重量部であ
る。この量が1.0重量部を超えると、耐衝撃性及び成
形品外観に悪影響を及ぼすだけでなく、混練押出時にス
トランドの吐出が脈動し、安定したペレット製造ができ
ず好ましくない。また、0.05重量部未満では十分な
溶融滴下防止効果が得られない。好ましい範囲では好適
な溶融滴下防止効果が得られ、優れた難燃性のものが得
られる。
TFEとしては、特に制限はないが、具体的には、テフ
ロン6−J(商品名 三井・デュポンフロロケミカル社
製)、ポリフロンD−1及びポリフロンF−103(商
品名 ダイキン工業社製)、アルゴフロンF5(商品名
モンテフルオス社製)及びポリフロンMPA FA−
100(商品名 ダイキン工業社製)等を挙げることが
できる。これらのPTFEは二種以上組み合わせて用い
てもよい。
TFEは、例えば、テトラフルオロエチレンを水性溶媒
中で、ナトリウム、カリウムあるいはアンモニウムパー
オキシジスルフィドの存在下で、1〜100psi(7
〜700kPa)の圧力下、温度0〜200℃、好まし
くは20〜100℃で重合させることによって得ること
ができる。
じて、各種の無機質充填材、添加剤、またはその他の合
成樹脂、エラストマー等を、本発明の目的を阻害しない
範囲で配合することができる〔以下これらを(C)成分
と略記する〕。
的強度、耐久性または増量を目的として配合される前記
無機質充填材としては、例えばガラス繊維(GF)、炭
素繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、カーボンブラ
ック、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシ
ウム、酸化チタン、アルミナ、シリカ、アスベスト、タ
ルク、クレー、マイカ、石英粉などが挙げられる。ま
た、前記添加剤としては、例えば、ヒンダードフェノー
ル系、リン系(亜リン酸エステル系、リン酸エステル系
等)、アミン系等の酸化防止剤、例えばベンゾトリアゾ
ール系、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤、例えば脂肪
族カルボン酸エステル系、パラフィン系、シリコーンオ
イル、ポリエチレンワックス等の滑剤、離型剤、帯電防
止剤、着色剤等が挙げられる。
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、AS樹脂(アクリ
ロニトリル−スチレン共重合体)、ABS樹脂(アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、ポリメ
チルメタクリレート等の各樹脂を挙げることができる。
また、エラストマーとしては、イソブチレン−イソプレ
ンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピ
レンゴム、アクリル系エラストマーなどが挙げられる。
要に応じて(C)を配合し、混練することによって得る
ことができる。該配合,混練は、通常用いられている方
法、例えば、リボンブレンダー,ドラムタンブラー,ヘ
ンシェルミキサー,バンバリーミキサー,単軸スクリュ
ー押出機,二軸スクリュー押出機,コニーダ,多軸スク
リュー押出機等を用いる方法により行うことができる。
なお、混練に際しての加熱温度は、通常240〜320
℃の範囲で選ばれる。
成物は、既知の種々の成形方法、例えば、射出成形,中
空成形,押出成形,圧縮成形,カレンダー成形,回転成
形等を適用して、難燃性が必要なOA機器(例えば、コ
ピー機、プリンター等)のハウジングなどに好適に供さ
れる。
よりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例に
よってなんら限定されるものではない。 製造例1 [PCオリゴマーの製造]400リットルの5重量%水
酸化ナトリウム水溶液に、60kgのビスフェノールA
を溶解し、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液
を調製した。次いで、室温に保持したこのビスフェノー
ルAの水酸化ナトリウム水溶液を138リットル/時間
の流量で、また、塩化メチレンを69リットル/時間の
流量で、内径10mm、管長10mの管型反応器にオリ
フィス板を通して導入し、これにホスゲンを並流して1
0.7kg/時間の流量で吹き込み、3時間連続的に反
応させた。ここで用いた管型反応器は二重管となってお
り、ジャケット部分には冷却水を通して反応液の排出温
度を25℃に保った。また、排出液のpHは10〜11
となるように調整した。このようにして得られた反応液
を静置することにより、水相を分離、除去し、塩化メチ
レン相(220リットル)を採取して、PCオリゴマー
(濃度317g/リットル)を得た。ここで得られたP
Cオリゴマーの重合度は2〜4であり、クロロホーメイ
ト基の濃度は0.7規定であった。
チルシクロテトラシロキサン、96gの1,1,3,3
−テトラメチルジシロキサン及び35gの86%硫酸を
混合し、室温で17時間攪拌した。その後、オイル相を
分離し、25gの炭酸水素ナトリウムを加え1時間攪拌
した。濾過した後、150℃、3torr(4×102
Pa)で真空蒸留し、低沸点物を除きオイルを得た。
14gの塩化白金−アルコラート錯体としてのプラチナ
との混合物に、上記で得られたオイル294gを90℃
の温度で添加した。この混合物を90〜115℃の温度
に保ちながら3時間攪拌した。生成物を塩化メチレンで
抽出し、80%の水性メタノールで3回洗浄し、過剰の
2−アリルフェノールを除いた。その生成物を無水硫酸
ナトリウムで乾燥し、真空中で115℃の温度まで上げ
て溶剤等を留去した。得られた末端フェノールPDMS
は、NMRの測定により、ジメチルシラノオキシ単位の
繰り返し数は30であった。
60gの2−アリルフェノールを、73.4gのオイゲ
ノールに変えた以外は、製造例2−1と同様に実施し
た。得られた末端フェノールPDMSは、NMRの測定
により、ジメチルシラノオキシ単位の繰り返し数は30
であった。
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの量を1
8.1gに変えた以外は、製造例2−1と同様に実施し
た。得られた末端フェノールPDMSは、NMRの測定
により、ジメチルシラノオキシ単位の繰り返し数は15
0であった。
得られた反応性PDMS−A46gを塩化メチレン2リ
ットルに溶解させ、製造例1で得られたPCオリゴマー
10リットルを混合した。そこへ、水酸化ナトリウム2
6gを水1リットルに溶解させたものと、トリエチルア
ミン5.7ccを加え、500rpmで室温にて1時間
攪拌、反応させた。
の水酸化ナトリウム水溶液5リットルにビスフェノール
A600gを溶解させたもの、塩化メチレン8リットル
及びp−n−ドデシルフェノ−ル168gを加え、50
0rpmで室温にて2時間攪拌、反応させた。
さらに、水5リットルで水洗、0.03規定水酸化ナト
リウム水溶液5リットルでアルカリ洗浄、0.2規定塩
酸5リットルで酸洗浄、及び水5リットルで水洗2回を
順次行い、最後に塩化メチレンを除去し、フレーク状の
PC−PDMS共重合体A1 を得た。得られたPC−P
DMS共重合体Aを120℃で24時間真空乾燥した。
粘度平均分子量は17,100であり、PDMS含有率
は1.0重量%であった。なお、粘度平均分子量、PD
PS含有率は下記の要領で行った。
溶液の粘度を測定し、これより極限粘度[η]を求めた
後、次式にて算出した。 [η]=1.23×10-5Mv0.83 (2)PDMS含有率1 H−NMRで1.7ppmに見られるビスフェノール
Aのイソプロピルのメチル基のピークと、0.2ppm
に見られるジメチルシロキサンのメチル基のピークとの
強度比を基に求めた。
おいて、反応性PDMS−A46gを反応性PDMS−
B91gに変えた他は、製造例3−1と同様にして、フ
レーク状のPC−PDMS共重合体を得た。粘度平均分
子量は16,900であり、PDMS含有率は2.0重
量%であった。
おいて、反応性PDMS−A46gを138gに変えた
他は、製造例3−1と同様にして、フレーク状のPC−
PDMS共重合体を得た。粘度平均分子量は17,00
0であり、PDMS含有率は3.0重量%であった。
おいて、反応性PDMS−Aを反応性PDMS−Bに変
えた他は、製造例3−1と同様にして、フレーク状のP
C−PDMS共重合体を得た。粘度平均分子量は17,
100であり、PDMS含有率は1.0重量%であっ
た。
おいて、反応性PDMS−Aを反応性PDMS−Cに変
えた他は、製造例3−1と同様にして、フレーク状のP
C−PDMS共重合体を得た。粘度平均分子量は17,
200であり、PDMS含有率は1.0重量%であっ
た。
おいて、p−n−ドデシルフェノール168gをp−t
ert−ブチルフェノール96gに変えた他は、製造例
3−1と同様にして、フレーク状のPC−PDMS共重
合体を得た。粘度平均分子量は17,000であり、P
DMS含有率は1.0重量%であった。
おいて、p−n−ドデシルフェノール168gをp−ノ
ニルフェノール141gに変えた他は、製造例3−1と
同様にして、フレーク状のPC−PDMS共重合体を得
た。粘度平均分子量は17,000であり、PDMS含
有率は1.0重量%であった。
おいて、p−n−ドデシルフェノール168gをp−ド
デシルフェノール(油化スケネクタディ社製、分岐状の
ドデシル基を有する)168gに変えた他は、製造例3
−1と同様にして、フレーク状のPC−PDMS共重合
体を得た。粘度平均分子量は17,100であり、PD
MS含有率は1.0重量%であった。
おいて、p−n−ドデシルフェノール168gをp−ド
デシルフェノール(油化スケネクタディ社製、分岐状の
ドデシル基を有する)168gに変えた他は、製造例3
−2と同様にして、フレーク状のPC−PDMS共重合
体を得た。粘度平均分子量は16,900であり、PD
MS含有率は2.0重量%であった。
PTFEを第1表に示す配合割合で配合し、ベント付き
二軸押出機[東芝機械(株)製、TEM−35B]によ
って、温度280℃で混練し、ペレット化した。市販の
ポリカーボネートとして出光石油化学社製のタフロンF
N1700A(粘度平均分子量:17,200)を使用
し、PTFEとしてモンテフルオス社のアルゴフロンF
5を使用した。
は、酸化防止剤として旭電化工業社製のPEP36〔ビ
ス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト〕を0.
05重量部配合した。得られたペレットは、各々120
℃で5時間熱風乾燥させた後、東芝機械(株)製、IS
100EN(射出成形機)を用いて、280℃の成形温
度、80℃の金型温度で測定用のテストピースを成形し
た。そのテストピースについて、下記の要領で燃焼性、
アイゾット衝撃強度及びスパイラルフロー長さ(SF
L)を測定した。その結果を第2表に示す。
ラトリー・サブジェクト94に従って垂直燃焼試験を行
った。 (2)アイゾット衝撃強度 JIS K 7110に準拠し測定した。5本試験を行
い、その平均値を求めた。 (3)SFL 射出圧80Kg/m2 (784Pa)、成形温度280
℃、金型温度80℃、厚み2mmの条件で測定した。
性、耐衝撃性ともに優れていることがわかる。
難燃性に優れたポリカーボネート樹脂組成物を提供する
ことができる。したがって、本発明によって得られる樹
脂組成物は、例えば、OA機器、電気・電子分野などで
好適に用いられる。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 (式中、R1 は炭素数10〜20のアルキル基を示
す。)で表される末端基を有する芳香族ポリカーボネー
ト−ポリオルガノシロキサン共重合体(A)を含む芳香
族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、フィブ
リル形成能を有する平均分子量500,000以上のポ
リテトラフルオロエチレン(B)0.05〜1重量部を
配合してなるポリカーボネート樹脂組成物。 - 【請求項2】 (A)成分を含む芳香族ポリカーボネー
ト樹脂全体の粘度平均分子量が10,000〜40,0
00である請求項1記載のポリカーボネート樹脂組成
物。 - 【請求項3】 (A)成分中のポリオルガノシロキサン
の割合が、(A)成分を含む芳香族ポリカーボネート樹
脂全体の0.1〜2.0重量%である請求項1又は2に
記載のポリカーボネート樹脂組成物。 - 【請求項4】 上記式(1)において、R1 が炭素数1
0〜20の分岐状のアルキル基である請求項1〜3のい
ずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のポリカ
ーボネート樹脂組成物を使用してなるOA機器ハウジン
グ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010275565A (ja) * | 2010-09-15 | 2010-12-09 | Idemitsu Kosan Co Ltd | ポリカーボネート樹脂組成物 |
EP1757634B2 (en) † | 2004-05-20 | 2022-05-25 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Polycarbonate resin and electrophotographic photosensitive member using same |
-
1999
- 1999-12-20 JP JP36022699A patent/JP4275279B2/ja not_active Expired - Fee Related
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