JP2001072801A - ゴム組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 反発弾性及び耐摩耗性に優れた、自動車タイ
ヤ等に用いられるゴム組成物の提供。 【解決手段】 天然ゴム及び／又はジエン系合成ゴム
に、カーボンブラック及び式（Ｉ）で表される３級アミ
ンを配合してなり、３級アミンの配合量がゴム１００重
量部に対して１〜１５重量部であるゴム組成物。 【化１】 ［式中、Ｒ¹は炭素数８〜３６のアルキル基又はアルケ
ニル基、炭素数６〜３６のアルキルアリール基、アリー
ルアルキル基又はアリール基、或いはシクロヘキシル基
を示し、Ｒ²及びＲ³はそれぞれ炭素数１〜３６のアルキ
ル基又はアルケニル基、炭素数６〜３６のアルキルアリ
ール基、アリールアルキル基又はアリール基、或いはシ
クロヘキシル基を示す。］

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、反発弾性及び耐摩
耗性に優れた、自動車タイヤ等に用いられるゴム組成物
に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】自動車
に対する低燃費化及びタイヤの寿命向上のために、タイ
ヤ用ゴム材料の改良が行われている。例えば、特開昭６
１−８１４４５号公報には、分子鎖末端に芳香族アミン
を導入して反発弾性を向上させたゴム組成物が開示され
ているが、この組成物は耐摩耗性には何ら効果がない。
また、特開昭６３−３０４１号及び特開昭６３−６０３
４号公報には、分子鎖末端をカルボジイミド等で変性を
行うことにより反発弾性を向上させ、さらに１級アミン
等を添加し耐摩耗性を向上させたゴム状重合体組成物が
開示されているが、これらの組成物は、耐摩耗性が不十
分で工業的にもコスト面等で不利である。

【０００３】本発明の課題は、反発弾性及び耐摩耗性に
優れた、自動車タイヤ等に用いられるゴム組成物を提供
することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、天然ゴム及び
／又はジエン系合成ゴムに、カーボンブラック及び式
（Ｉ）で表される３級アミンを配合してなり、３級アミ
ンの配合量がゴム１００重量部に対して１〜１５重量部
であるゴム組成物を提供する。

【０００５】

【化２】

【０００６】［式中、Ｒ¹は炭素数８〜３６のアルキル
基又はアルケニル基、炭素数６〜３６のアルキルアリー
ル基、アリールアルキル基又はアリール基、或いはシク
ロヘキシル基を示し、Ｒ²及びＲ³はそれぞれ炭素数１〜
３６のアルキル基又はアルケニル基、炭素数６〜３６の
アルキルアリール基、アリールアルキル基又はアリール
基、或いはシクロヘキシル基を示す。］

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明に用いられるゴムは、天然
ゴム及び／又はジエン系合成ゴムであり、ジエン系合成
ゴムとして、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴ
ム、ポリクロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴ
ム、スチレン−イソプレンゴム、ブタジエン−イソプレ
ンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等が挙げら
れる。これらのゴムは、１種又は２種以上を混合して用
いることができる。

【０００８】本発明において、カーボンブラックは、Ｈ
ＡＦ、ＳＡＦ等の種々のグレードのものを用いることが
できる。本発明の組成物中のカーボンブラックの配合量
は、ゴム１００重量部に対して１５〜８５重量部が好ま
しく、３０〜６５重量部が更に好ましい。

【０００９】本発明で用いられる３級アミンは、式
（Ｉ）中のＲ¹が炭素数８〜３６のアルキル基、Ｒ²及び
Ｒ³が炭素数１〜４のアルキル基であるものが好まし
く、Ｒ²及びＲ³がメチル基であるものが特に好ましい。
具体的には、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシル
アミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルパルミチル
アミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチルエイコシ
ルアミン等が好ましく、ジメチルステアリルアミンが特
に好ましい。３級アミンの配合量は、良好な反発弾性、
耐摩耗性及び耐ブリード・ブルーム性を得るために、ゴ
ム１００重量部に対して１〜１５重量部、好ましくは３
〜１０重量部である。

【００１０】本発明の組成物中には、上記必須成分以外
に、ゴム工業で常用されている添加剤を配合することが
できる。これらの添加剤として、硫黄、ステアリン酸、
亜鉛華、加硫促進剤、老化防止剤、しゃく解剤、スコー
チ防止剤、プロセスオイル、可塑剤、シリカ、炭酸カル
シウム、タルク等が挙げられる。

【００１１】

【実施例】実施例１〜１２及び比較例１〜８ 表１に示した基本配合割合で、表２及び表３に示す各種
ゴム組成物を調製した。調製にはバンバリーミキサー及
びロールミキサーを用い、加硫は温度160℃で行い、加
硫時間はキュラストＴ90値（分）＋５分で規定した。

【００１２】得られた組成物について、下記方法により
反発弾性、耐摩耗性及び耐ブリード・ブルーム性を評価
した。結果を表２及び表３に示す。

【００１３】

【表１】

【００１４】＜反発弾性＞JIS K6301第11項の方法に従
って測定し、対照物と対比した反発弾性指数で示した。
指数が大きいほど反発弾性が良好であることを示す。

【００１５】＜耐摩耗性＞JIS6264第６項に従い、アク
ロン摩耗試験機を用いＡ−２法・押付け荷重27.0Ｎで測
定し、対照物と対比した耐摩耗性指数で示した。指数が
小さいほど耐摩耗性が良好であることを示す。

【００１６】＜耐ブリード・ブルーム性＞長辺200mm×1
00mm×５mm厚の試験片を用意し、短辺を合わせるように
曲げてクリップで保持し、変形させたまま５℃で１ケ月
保存し目視でブリード・ブルーム性を観察し、下記基準
で評価した。 ○…全くブリード・ブルームは認められない △…若干ブリード・ブルームが認められ、実用に適さな
い ×…ブリード・ブルームが著しい

【００１７】

【表２】

【００１８】*1：日本合成ゴム社製 *2：東海カーボン社製 シースト300 *3：東海カーボン社製 シースト９Ｈ *4：実施例１〜７、比較例２〜４は比較例１に対する指
数［（実施例１〜７又は比較例２〜４の測定値／比較例
１の測定値）×100］である。

【００１９】

【表３】

【００２０】*1〜*3：表２と同じ *4：実施例８は比較例５に対する、実施例９は比較例６
に対する、実施例１０は比較例７に対する、実施例１１
及び１２は比較例８に対する指数［（実施例の測定値／
比較例の測定値）×100］である。

【００２１】

【発明の効果】本発明のゴム組成物は、反発弾性、耐摩
耗性及び耐ブリード・ブルーム性に優れ、特に自動車タ
イヤ用として有用である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西 勲 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 Ｆターム(参考） 4J002 AC011 AC031 AC061 AC071 AC081 AC091 DA016 EN027 FD010 GN01

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 天然ゴム及び／又はジエン系合成ゴム
   に、カーボンブラック及び式（Ｉ）で表される３級アミ
   ンを配合してなり、３級アミンの配合量がゴム１００重
   量部に対して１〜１５重量部であるゴム組成物。 【化１】 ［式中、Ｒ¹は炭素数８〜３６のアルキル基又はアルケ
   ニル基、炭素数６〜３６のアルキルアリール基、アリー
   ルアルキル基又はアリール基、或いはシクロヘキシル基
   を示し、Ｒ²及びＲ³はそれぞれ炭素数１〜３６のアルキ
   ル基又はアルケニル基、炭素数６〜３６のアルキルアリ
   ール基、アリールアルキル基又はアリール基、或いはシ
   クロヘキシル基を示す。］
2. 【請求項２】 カーボンブラックの配合量がゴム１００
   重量部に対して１５〜８５重量部である請求項１記載の
   ゴム組成物。
3. 【請求項３】 式（Ｉ）中のＲ¹が炭素数８〜３６のア
   ルキル基、Ｒ²及びＲ ³が炭素数１〜４のアルキル基であ
   る請求項１又は２記載のゴム組成物。
4. 【請求項４】 式（Ｉ）中のＲ¹が炭素数８〜３６のア
   ルキル基、Ｒ²及びＲ ³がメチル基である請求項１又は２
   記載のゴム組成物。