JP2001072639A - メタクリル酸の精製法 - Google Patents

メタクリル酸の精製法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メタクロレインとメタノールからパラジウム
含有化合物を用いて液相反応で製造された、着色要因物
質および/または重合阻害要因物質を含有するメタクリ
ル酸から、着色が少なく、重合性能に優れた高品質なメ
タクリル酸を高収率で得ることのできる運転上容易な精
製法を提供する。 【解決手段】 メタクロレインとメタノールからパラジ
ウム含有化合物を用いて液相反応で製造されたメタクリ
ル酸に、第1級および/または第2級のアミノ基含有化
合物、強酸性イオン交換樹脂、ならびに、ホルムアルデ
ヒド含有物およびスルホン酸基含有化合物を接触させる
ことを特徴とするメタクリル酸の精製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メタクロレインとメタ
ノールからパラジウム含有化合物を用いて液相で製造さ
れたメタクリル酸の精製法に関する。
【0002】
【従来の技術】イソブタン、イソブチレン、第3級ブチ
ルアルコール、メチル第3級ブチルエーテル、メタクロ
レイン、イソブチルアルデヒド、イソ酪酸等を気相接触
酸化して得られたメタクリル酸を第1級および/または
第2級のアミノ基含有化合物、強酸性イオン交換樹脂、
ならびに、ホルムアルデヒド含有物および強酸性イオン
交換樹脂を用いて精製する方法は、特開平11−605
36号公報に記載されており公知である。また、メタク
ロレインとメタノールからパラジウム含有化合物を用い
て液相反応でメタクリル酸メチルおよびメタクリル酸を
製造する方法(以下、液相直メタ法という。)は、たと
えば、特公昭61−19090号公報、特公昭62−7
902号公報、特開平5−148184号公報、特開平
9−216850号公報、特開平9−221453号公
報および特開平10−158214号公報等に記載され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、液相直
メタ法で製造されたメタクリル酸は、不純物の影響で着
色したり、重合性が著しく劣る等の問題がある。このよ
うな不純物には沸点がメタクリル酸に近いものがあり、
通常の抽出や蒸留等運転上容易な手段でこのような不純
物を含むメタクリル酸を精製することは極めて困難であ
った。
【0004】本発明の目的は、メタクロレインとメタノ
ールからパラジウム含有化合物を用いて液相反応で製造
された着色要因物質および/または重合阻害要因物質を
含有するメタクリル酸から、着色が少なく、重合性能に
優れた高品質なメタクリル酸を高収率で得ることのでき
る運転上容易な精製法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、メタクロレイ
ンとメタノールからパラジウム含有化合物を用いて液相
で製造されたメタクリル酸に、第1級および/または第
2級のアミノ基含有化合物、強酸性イオン交換樹脂、な
らびに、ホルムアルデヒド含有物およびスルホン酸基含
有化合物を接触させることを特徴とするメタクリル酸の
精製法である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の精製対象であるメタクリ
ル酸は、液相直メタ法で得られるものである。液相直メ
タ法の原料であるでメタクロレインの製造方法は特に限
定されないが、炭素数4の化合物を気相接触酸化して得
られたものが適している。炭素数4の化合物としては、
例えば、イソブタン、イソブチレン、第3級ブチルアル
コール、メチル第3級ブチルエーテル等が挙げられる。
メチル第3級ブチルエーテルの炭素数は5であるが、気
相接触酸化の際に直ちに分解して、炭素数4のイソブチ
レンが得られることから、ここでは炭素数4の化合物と
して取り扱う。
【0007】パラジウム含有化合物は、少なくともパラ
ジウムを含有していることが必須であり、パラジウム以
外の構成元素については特に限定されない。この化合物
は液相直メタ法の触媒として作用するもので、好ましく
はパラジウムおよびX(ここにXはテルル、水銀、タリ
ウム、鉛およびビスマスからなる群より選ばれた少なく
とも一種の元素を示す。)、または、パラジウムおよび
XおよびY(ここにYはマグネシウム、アルミニウム、
カルシウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバル
ト、ニッケル、銅、亜鉛、ゲルマニウム、銀、錫、アン
チモン、バリウムおよびセリウムからなる群より選ばれ
た少なくとも一種の元素を示す。)である。
【0008】パラジウム含有化合物は、通常、シリカ、
アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、酸
化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、活性炭、ケイ
ソウ土、ゼオライト等の各種の担体に担持したものが触
媒として用いられるが、これに限定されることはなく、
構成される成分のみからなる触媒であってもよい。
【0009】本発明によって精製されるメタクリル酸
は、前記した液相直メタ法で製造されるメタクリル酸お
よびメタクリル酸メチルの混合物から抽出および蒸留等
の分離精製工程を経て得られるものである。本発明は、
該工程を経てメタクリル酸の含有率が約90重量%以上
に濃縮されたものが精製対象として適切であるが、この
分離精製の有無、メタクリル酸濃度に制限されることは
ない。すなわち、上記反応工程中で得られるメタクリル
酸メチルとメタクリル酸の混合物の状態で、しかもメタ
クリル酸の濃度がメタクリル酸メチルより低い場合でも
精製処理の対象とすることができる。このような観点か
ら、以下、本発明の精製法の対象となるメタクリル酸を
メタクリル酸含有物と表記する。これらメタクリル酸含
有物は、着色要因物質および/または重合阻害要因物質
を含有しており、これらは液相直メタ法で生じたものだ
けでなく、原料メタクロレインに由来するものもある。
【0010】液相直メタ法を実施する際、メタノールの
量はメタクロレイン1モルに対して0.1〜100モル
であり、好ましくは0.5〜5モル、より好ましくは1
〜3モルである。また、反応形式は特に限定されず、回
分式、半回分式、連続式の何れでもよい。触媒として使
用するパラジウム含有化合物の量は、所望の転化率等を
考慮して決定される。反応に必要な分子状酸素の量につ
いては特に限定はないが、メタクロレイン1モルに対し
て通常0.05〜2モルであり、好ましくは0.1〜
0.5モルである。分子状酸素源としては空気、酸素冨
化した空気、酸素、反応に不活性なガスで希釈した酸素
や空気が用いられる。反応温度は0〜200℃であり、
好ましくは50〜150℃である。反応圧力は、常圧、
加圧および減圧の何れでもよいが、好ましくは常圧〜
0.4MPaである。
【0011】本発明は、液相直メタ法で得られた着色要
因物質および/または重合阻害要因物質を含むメタクリ
ル酸含有物に、第1級および/または第2級のアミノ基
含有化合物、強酸性イオン交換樹脂、ならびに、ホルム
アルデヒド含有物およびスルホン酸基含有化合物を接触
させることからなる。
【0012】本発明で用いる第1級または第2級のアミ
ノ基含有化合物としては、脂肪族、芳香族アミンの何れ
でもよく、1分子中に複数個のアミノ基を有するアミン
類、アンモニア、ヒドラジンおよびその誘導体、さらに
は、ヒドロキシルアミンおよびその無機酸塩等の化合物
が含まれる。第1級または第2級のアミノ基含有化合物
としては、たとえばプロピルアミン、ブチルアミン、ペ
ンチルアミン、ヘキシルアミン、ジエチルアミン、ジ−
n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、メチルエ
チルアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミ
ン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミ
ン、N, N’−ジフェニルエチレンジアミン、エタノー
ルアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリア
ミン、テトラエチレンペンタミン、アニリン、トルイジ
ン、N−エチルアニリン、N−プロピルアミン、ジフェ
ニルアミン、フェニレンジアミン、N−メチルフェニレ
ンジアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、アニ
シジン等が挙げられる。
【0013】これら、第1級および/または第2級のア
ミノ基含有化合物を接触させる際の添加量は、メタクリ
ル酸含有物100重量部に対して、0.001〜1重量
部であり、特に0.005〜0.8重量部の範囲が好ま
しい。
【0014】また、本発明で用いる強酸性イオン交換樹
脂は、交換容量、架橋度等に関して特に規定はない。強
酸性イオン交換樹脂は、回分式、連続式何れの方法で用
いてもよい。その使用量は、回分式ではメタクリル酸含
有物100重量部に対して、0.1〜50重量部、特に
1〜30重量部の範囲が好ましい。連続式ではメタクリ
ル酸含有物の流通量は強酸性イオン交換樹脂に対して空
間速度で0.01〜10hr-1、特に0.05〜5hr
-1の範囲が好ましい。
【0015】本発明で用いるホルムアルデヒド含有物と
しては、ホルムアルデヒドのほか、ホルムアルデヒドを
生成し得る化合物、たとえば、パラホルムアルデヒド等
も用いることができる。通常は、ホルマリンとして市販
されているホルムアルデヒド水溶液が用いられる。その
使用量は、メタクリル酸含有物に対して、ホルムアルデ
ヒドの重量比で10〜10000ppm、特に50〜5
000ppmの範囲が好ましい。
【0016】ホルムアルデヒド含有化合物は、スルホン
酸基含有化合物と共に用いなければならない。ホルムア
ルデヒド含有化合物を単独で用いた場合にはメタクリル
酸含有物に含まれる不純物の除去効果は乏しい。スルホ
ン酸基含有化合物は、スルホン酸基を分子内に有する無
機または有機化合物を意味し、たとえば、硫酸、ベンゼ
ンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホ
ン酸、スルホン酸基を交換基として有する強酸性イオン
交換樹脂等が挙げられる。スルホン酸基含有化合物は、
回分式、連続式何れの方法で用いてもよい。使用量は、
回分式ではメタクリル酸含有物100重量部に対して、
0.1〜50重量部、特に1〜30重量部の範囲が好ま
しい。また、強酸性イオン交換樹脂を連続式で用いた場
合には、メタクリル酸含有物の流通量は強酸性イオン交
換樹脂に対して空間速度で0.01〜10hr-1、特に
0.05〜5hr-1の範囲が好ましい。
【0017】本発明の精製法を実施するには、第1級お
よび/または第2級のアミノ基含有化合物を接触させる
工程、強酸性イオン交換樹脂を接触させる工程、ならび
に、ホルムアルデヒド含有物およびスルホン酸基含有化
合物を接触させる工程をどのような順序で行ってもよい
が、本発明は、これら3つの工程を必須とするところに
特徴がある。
【0018】第1級および/または第2級のアミノ基含
有化合物を接触させる工程としては、たとえば、メタク
リル酸含有物にアミノ基含有化合物を添加して、所定の
温度に加熱した後、好ましくは混合物を撹拌しながら一
定時間保持する方法が用いられる。このときの温度は5
0〜150℃、特に80〜130℃の範囲が好ましい。
接触させる時間は5分〜5時間、特に15分〜3時間の
範囲が好ましい。
【0019】強酸性イオン交換樹脂を接触させる工程と
しては、回分式、連続式何れの方法でも行えるが、固定
床で流通接触させる方法が好ましい。このときの温度は
20〜150℃、特に40〜130℃の範囲が好まし
い。回分式の場合、接触させる時間は5分〜5時間、特
に15分〜3時間の範囲が好ましい。
【0020】ホルムアルデヒド含有物およびスルホン酸
基含有化合物を接触させる工程は、回分式、連続式何れ
の方法でも行えるが、スルホン酸基を交換基として有す
る強酸性イオン交換樹脂等の固体触媒を充填した固定床
にホルムアルデヒド含有物を加えたメタクリル酸含有物
を流通させる方法が好ましい。このときの温度は20〜
150℃、特に40〜130℃の範囲が好ましい。回分
式の場合、接触させる時間は5分〜5時間、特に15分
〜3時間の範囲が好ましい。
【0021】第1級および/または第2級のアミノ基含
有化合物を接触させる工程を行った後の液は、そのまま
次の処理工程に通してもよいが、蒸留した後に次の工程
を行った方が好ましい。また、強酸性イオン交換樹脂を
接触させる工程またはホルムアルデヒド含有物およびス
ルホン酸基含有化合物を接触させる工程後の液は、その
まま次の工程を実施しても、蒸留した後に次の工程を行
ってもよい。接触させた液は、最終的に蒸留等によって
未反応の第1級および/または第2級のアミノ基含有化
合物、強酸性イオン交換樹脂、ホルムアルデヒド含有物
およびスルホン酸基含有化合物(以下、処理剤とい
う。)や、処理剤と着色要因物質や重合阻害要因物質と
の反応物をメタクリル酸から分離するが、このとき、フ
ェノチアジン、ベンゾフェノチアジン等の重合禁止剤を
添加しておくことが好ましい。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明は、これらに限定されるものではな
い。実施例および比較例中のメタクリル酸の純度は、重
量百分率を意味する。また、メタクリル酸の回収率は、
次式により定義される。 回収率(%)= B/A×100 式中のAおよびBは、 A:精製前のメタクリル酸含有物中のメタクリル酸の重
量 B:精製後のメタクリル酸含有物中のメタクリル酸の重
量 を意味する。
【0023】[実施例1]イソブチレンの気相接触酸化
反応で得られたメタクロレインからメタノールと5重量
%パラジウム−3重量%ビスマスをシリカに担持させた
触媒を用いて液相反応でメタクリル酸およびメタクリル
酸メチルの混合液を得た。得られた混合液から抽出およ
び蒸留によって、純度99.0重量%のメタクリル酸含
有物を得た。このものの色数はAPHA78であった。
【0024】得られたメタクリル酸含有物100gに重
合禁止剤としてフェノチアジン0.05gを添加し、次
にエチレンジアミン0.05gを添加して100℃で2
時間接触させた。次いで、1.3kPa減圧下で単蒸留
して得たメタクリル酸に、重合禁止剤としてハイドロキ
ノン0.02gを添加し、強酸性イオン交換樹脂「アン
バーリスト15E」(商品名、ロームアンドハース社
製、以下同じ)2.5gを添加し、100℃で1時間接
触させた。この液からデカンテーションによってイオン
交換樹脂を取り除いた後、ホルムアルデヒド35重量%
を含有した水溶液を、メタクリル酸含有物に対してホル
ムアルデヒドの含有比が100ppmとなるように加え
た。「アンバーリスト15E」5gをガラス製U字管に
固定し、80℃の恒温下でホルムアルデヒドを加えたメ
タクリル酸含有物を空間速度0.2hr-1で流通接触さ
せた。次いで、1.3kPa減圧下で単蒸留を行い、精
製メタクリル酸を94%の回収率で回収した。
【0025】このようにして得られた精製メタクリル酸
の色数は、APHA3に改善された。さらに、得られた
メタクリル酸について次の方法で重合性能の指標である
誘導期間を測定した。試験管にメタクリル酸100ml
とハイドロキノンモノメチルエーテル5mgおよび重合
促進剤として過酸化ベンゾイル0.1gを加えて溶解す
る。これに水10mlを加え、温度65℃の恒温槽に浸
漬し、熱電対を用いて温度を測定し、65℃より液温が
上昇した時点、すなわち、重合熱の発生し始めた時点の
時間を測定し、それまでに要した時間を誘導期間(以下
同じ)とする。本実施例によって得た精製メタクリル酸
の誘導期間は8.0分であった。
【0026】[実施例2]エチレンジアミン0.05g
の代わりに、N,N’−ジフェニルエチレンジアミン
0.10gを使用したほかは実施例1と同じ条件で精製
を行った。得られた精製メタクリル酸の回収率は93.
1%で、色数はAPHA4であり、誘導期間は8.5分
であった。
【0027】[実施例3]エチレンジアミン0.05g
の代わりに、ヒドラジン0.03gおよびN,N’−ジ
フェニルエチレンジアミン0.05gを使用したほかは
実施例1と同じ条件で精製を行った。得られた精製メタ
クリル酸の回収率は92.8%で、色数はAPHA3で
あり、誘導期間は8.0分であった。
【0028】[実施例4]イソブチレンの気相接触酸化
で得られたメタクロレインからメタノールと5重量%パ
ラジウム−3重量%ビスマスをシリカに担持させた触媒
を用いて液相反応でメタクリル酸およびメタクリル酸メ
チルの混合液を得た。得られた混合液から抽出および蒸
留によって純度99.1重量%のメタクリル酸含有物を
得た。このものの色数はAPHA80であった。
【0029】得られたメタクリル酸含有物100gに重
合禁止剤としてハイドロキノン0.02gを添加し、強
酸性イオン交換樹脂「アンバーリスト15E」2.5g
を添加して、100℃で1時間接触させた。デカンテー
ションによってイオン交換樹脂を取り除いた後、エチレ
ンジアミン0.05gを添加して100℃で2時間接触
させた。次いで、1.3kPa減圧下で単蒸留を行い、
得られたメタクリル酸にホルムアルデヒド35重量%を
含有した水溶液をメタクリル酸含有物に対しホルムアル
デヒドの含有比が100ppmとなるように加えた。
「アンバーリスト15E」5gをガラス製U字管に固定
し、80℃の恒温下でホルムアルデヒドを加えたメタク
リル酸含有物を空間速度0.2hr-1で流通接触させ
た。次いで1.3kPa減圧下で単蒸留を行い、精製メ
タクリル酸を93.2%の回収率で回収した。得られた
精製メタクリル酸の色数はAPHA3であり、誘導期間
は8.5分であった。
【0030】[実施例5]イソブチレンの気相接触酸化
で得られたメタクロレインからメタノールと5重量%パ
ラジウム−3重量%ビスマスをシリカに担持させた触媒
を用いて液相反応でメタクリル酸およびメタクリル酸メ
チルの混合液を得た。得られた混合液から抽出および蒸
留によって純度99.0%のメタクリル酸含有物を得
た。このものの色数はAPHA72であった。
【0031】このメタクリル酸含有物100gに重合禁
止剤としてフェノチアジン0.05gを添加し、次にエ
チレンジアミン0.05gを添加して100℃で2時間
接触させた。次いで、1.3kPa減圧下で単蒸留して
得たメタクリル酸含有物に、重合禁止剤としてハイドロ
キノン0.02gを添加し、ホルムアルデヒド35重量
%を含有した水溶液をメタクリル酸含有物に対してホル
ムアルデヒドの含有比が100ppmとなるように加え
た。「アンバーリスト15E」5gをガラス製U字管に
固定し、80℃の恒温下でホルムアルデヒドを加えたメ
タクリル酸含有物を空間速度0.2hr-1で流通接触さ
せた。この液に対して強酸性イオン交換樹脂「アンバー
リスト15E」2.5gを添加し、100℃で1時間接
触させた。次いで、1.3kPa減圧下で単蒸留を行
い、精製メタクリル酸を94%の回収率で回収した。得
られた精製メタクリル酸の色数はAPHA2であり、誘
導期間は7.9分であった。
【0032】[比較例1]ホルムアルデヒドを添加しな
かった以外は実施例1と同様にしてメタクリル酸を精製
した。その結果、精製メタクリル酸の回収率は93.0
%、色数はAPHA20、誘導期間は10.0分であっ
た。この例では、実施例1に比べて色数が悪化した。
【0033】[比較例2]強酸性イオン交換樹脂「アン
バーリスト15E」2.5gを添加し、100℃で1時
間接触させる処理を行わなかった以外は、実施例1と同
様にしてメタクリル酸含有物を精製した。その結果、精
製メタクリル酸の回収率は93.5%、色数はAPHA
7、誘導期間は18.0分であった。この例では、実施
例1に比べて色数および誘導期間がともに悪化した。
【0034】[比較例3]エチレンジアミンを接触させ
る処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にしてメ
タクリル酸含有物を精製した。その結果、精製メタクリ
ル酸の回収率は93.0%、色数はAPHA15、誘導
期間は12.0分であった。この例では、実施例1に比
べて色数および誘導期間がともに悪化した。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、メタクロレインとメタ
ノールからパラジウム含有化合物を用いて液相反応で製
造された着色要因物質および/または重合阻害要因物質
を含有するメタクリル酸含有物から、従来の方法に比較
して少量の処理剤で着色が少なく、重合性能に優れた高
品質なメタクリル酸を運転上容易に高収率で得ることが
できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタクロレインとメタノールからパラジ
    ウム含有化合物を用いて液相で製造されたメタクリル酸
    に、第1級および/または第2級のアミノ基含有化合
    物、強酸性イオン交換樹脂、ならびに、ホルムアルデヒ
    ド含有物およびスルホン酸基含有化合物を接触させるこ
    とを特徴とするメタクリル酸の精製法。
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