JP2001071414A - 金属蒸着フィルム - Google Patents

金属蒸着フィルム

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JP2001071414A
JP2001071414A JP29638199A JP29638199A JP2001071414A JP 2001071414 A JP2001071414 A JP 2001071414A JP 29638199 A JP29638199 A JP 29638199A JP 29638199 A JP29638199 A JP 29638199A JP 2001071414 A JP2001071414 A JP 2001071414A
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polypropylene
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JP29638199A
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Yuichi Ogawa
裕一 小川
Manabu Fujiwara
学 藤原
Yasuhiro Monobe
泰宏 物部
Noboru Sakaushi
登 坂牛
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属蒸着層のこすれや使用・保存環境の影響に
よる金属蒸着層の剥がれをなくし蒸着フィルムに関す
る。 【解決手段】透明フィルムの片面に金属蒸着層を形成し
た金属蒸着フィルムにおいて、透明フィルムがポリプロ
ピレンを主成分とするフィルムであり、その片面に金属
蒸着の密着性を高めるための接着層を形成し、接着層面
に金属蒸着を施したことを特徴とする金属蒸着フィルム
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリプロピレンを主
成分とするフィルムに金属蒸着を施した金属蒸着フィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、プラスチックフィルムは、そ
の優れた機械特性、透明性、加工性のため工業用ばかり
でなく包装用、ラベル用にも使用されてきた。一方、プ
ラスチックフィルムはフィルム単体で使用されるだけで
なく、積層フィルムとしても使用される。その積層フィ
ルムの中にアルミ箔や金属や金属化合物を積層したもの
がある。これは、金属蒸着などにより上記フィルム単体
の特性に加え、金属蒸着層のもつガス遮断性、遮光性、
美感など特に高い付加価値をフィルムに付与できるから
である。
【0003】包装材料として要求される機能のうち、酸
化、吸湿、破損、光線、変色などの環境から内容物を守
る保護性能がもっとも重要であり、蒸着フィルムはこの
保護性能が良好で、特に遮蔽性が優れている。また、蒸
着フィルムは、その表面に人目を引く色彩やデザインを
施して販売促進効果を持たせたり、製品に清潔感や未使
用性を感じさるといった効果があるため、広く包装用と
して利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】金属蒸着フィルム(以
下、蒸着フィルムともいう)を包装材料として使用する
際、宣伝効果のある印刷や内容物の表示などの印刷は、
金属蒸着層とは反対面に印刷される(金属蒸着層が内容
物側にある)場合と金属蒸着層側に印刷される場合とが
ある。金属蒸着層が内容物側にある場合には、金属蒸着
層側に他の基材をラミネーションすることが多いため、
金属蒸着層が内容物と直接接触することは少ない。しか
し、水分に対し劣化しやすい金属蒸着層にとって、ウエ
ットティッシュのような水分を含んだ内容物で、かつ開
口部がついた包装の場合、開口部のエッジ部から内容物
水分や外気水分により金属蒸着層が劣化し、脱落するこ
とがある。一方、金属蒸着層を外側にし、蒸着層側に印
刷したものの場合、輸送時や商品を使用する際に商品同
士の擦れや使用される環境(高温、高湿)などによっ
て、印刷の脱落のみならず金属蒸着層から剥がれ落ちる
ことがあり、金属蒸着層とフィルムとの耐水密着性が良
好な蒸着フィルムの開発が望まれている。特に、金属蒸
着層の脱落は、内容物の保護性能が重要とされる包装材
料分野では致命的な欠陥となり、商品価値を著しく低下
させる。
【0005】表示用ラベルに蒸着フィルムを使用する場
合には以下のような問題がある。金属蒸着層が被着体
(例えばボトル)側に設けられている場合、金属蒸着層
と基材フィルムとの密着性が弱いと金属蒸着層の脱落に
よりラベルがボトルなどの商品から剥がれてしまうこと
がある。例えば、台所洗剤用ボトルに貼られたラベルや
シャンプー用ボトルに使用されるラベルは、高湿あるい
は水や温水が直接掛かる場所に長期間置かれるものであ
り、金属蒸着層がより脱落しやすい環境にあるため、金
属蒸着層と基材フィルムの密着性向上が求められてい
る。
【0006】特にポリプロピレン樹脂を使用したフィル
ムは柔軟性、平滑性、透明性などに優れ、金属光沢が良
好な蒸着フィルムを得ることができるが、ポリプロピレ
ンフィルムの表面は非常に極性が低いため金属蒸着層が
剥がれやすく、密着性が問題となる。このように、様々
な条件で使用される蒸着フィルムの金属蒸着層は基材フ
ィルムと強固に密着していなければならない。特に金属
蒸着層とポリプロピレンを主成分とするフィルムとの密
着性は、水分により劣化しやすいため、密着性の改善が
望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、金属蒸着
層のこすれや使用・保存環境の影響による金属蒸着層の
剥がれをなくすために鋭意研究を行った結果、特定の構
成の蒸着フィルムを見出し本発明に至ったのである。
【0008】第1の発明は、透明フィルムの片面に金属
蒸着層を形成した金属蒸着フィルムにおいて、透明フィ
ルムがポリプロピレンを主成分とするフィルムであり、
その片面に金属蒸着の密着性を高めるための接着層を形
成し、接着層面に金属蒸着を施したことを特徴とする金
属蒸着フィルムである。接着層が、アクリルポリオール
と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂を含む層、エチレ
ンイミン系ポリマーまたはアミノエチル化樹脂を含む
層、ニトロセルロースとアクリルポリオールの樹脂を含
む層の何れかであることが好ましい。
【0009】第2の発明は、透明フィルムの片面に金属
蒸着層を形成した金属蒸着フィルムにおいて、透明フィ
ルムがポリプロピレンを主成分とし、フィルム成形時の
縦延伸後、蒸着の密着性を改良する塗工液を塗布、乾燥
し、横延伸して形成したフィルムである、塗工液を塗布
した面に金属蒸着を施したことを特徴とする金属蒸着フ
ィルムである。塗工液が、アイオノマー系ポリオレフィ
ンコポリマーの水分散溶液であることが好ましい。
【0010】第3の発明は、透明フィルムの片面に金属
蒸着層を形成した金属蒸着フィルムにおいて、透明フィ
ルムがプロピレンを主成分とする共重合体70〜95重
量%にエチレン系樹脂を5〜30重量%含有する層を有
する延伸フィルムであり、エチレン系樹脂を含有する層
に金属蒸着を施すことを特徴とする金属蒸着フィルムで
ある。フィルムは、単層であっても複数層積層していて
もよいが、金属蒸着を施す面はエチレン系樹脂を5〜3
0重量%含有する必要がある。
【0011】第4の発明は、透明フィルムの片面に金属
蒸着層を形成した蒸着フィルムにおいて、透明フィルム
がポリプロピレンを主成分とするフィルムであり、フィ
ルムと金属蒸着層の密着強度が0.65N/m以上であ
ることを特徴とする金属蒸着フィルムである。ここでい
う密着強度とは、金属蒸着フィルムの蒸着層とPETフ
ィルムを接着剤で貼り合わせ、15mm巾の試験片を作
成し、PETフィルムを引張試験機で180°剥離する
際の剥離力を測定した値である。特に、15mm巾の試
験片を40℃の温水に48時間浸漬後の密着強度が0.
65N/m以上であることが好ましい。
【0012】第5の発明は、上記第1の発明〜第4の発
明に記載の蒸着フィルムであって、透明フィルムの金属
蒸着層を形成していない面に、易印刷層を有することを
特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明で使用するポリプロピレン
を主成分とするフィルムとは、ポリプロピレン、ポリプ
ロピレン共重合体、またはこれらの混合物を主体とする
ポリプロピレン組成物であり、ポリプロピレンのホモポ
リマーは勿論のこと、エチレン、ブテン、4−メチルペ
ンテンなどで代表されるα−オレフィン類やスチレンで
代表される芳香族を主成分とするオレフィン類、ブタジ
エンで代表されるジエン類等のプロピレンと共重合可能
なモノマーとプロピレンとの共重合体、あるいはポリプ
ロピレンやポリプロピレン共重合体と、これらのものと
の公知ブレンド物、例えばポリエチレン、各種エチレン
共重合体のようなポリ・α・オレフィン類、ポリスチレ
ン、合成ゴム、テルペン樹脂、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリエーテル等とのブレンド物、あるいはこれらの
混合物等を主成分とするもので、ポリプロピレン共重合
体の共重合成分、あるいはブレンド組成物のブレンド成
分等の種類と量は、ポリプロピレンフィルムとして特質
を失わないものであれば特に限定されない。また、これ
らのポリプロピレンを主成分とする樹脂には、必要に応
じて光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、充填剤等を
添加することができる。
【0014】金属蒸着層の形成は通常行われる真空蒸着
法をそのまま用いることができる。使用できる金属とし
ては、アルミニウム(アルミ)がもっとも一般的であ
り、アルミ以外にも金、銀、銅、クロム、錫、インジウ
ム、アンチモン、ニッケルなどが使用できる。例えば高
真空にした容器のなかで金属を基材フィルムの一面に加
熱蒸着させれば良く、小規模のバッチ式からロール状に
巻いたフィルムに連続的に蒸着する連続式まで適宜使用
できる。蒸着するアルミの厚さは20Åから1000Å
の範囲で行うが、好ましくは500Å以下が好ましい。
【0015】第1の発明は、ポリプロピレンを主成分と
するフィルムに、金属蒸着層の密着性を高める為に接着
層を設けるものである。接着層は金属蒸着層の密着性が
改善される樹脂(化合物)であれば特に限定はしない。
具体的には、まずポリプロピレン樹脂を常法に従って二
軸延伸処理されたポリプロピレンフィルムを得る。この
フィルムの表面にアクリルポリオールと塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体や、エチレンイミンを主成分とするポ
リマー、アミノエチル化化合物、ニトロセルロースとア
クリルポリオールの共重合体、アクリル樹脂などの樹脂
を塗布して接着層を得る。また、ブロッキング対策とし
てガラス転移温度が高いものを添加したり、硬化剤など
を助剤として接着層に添加することもできる。接着層の
塗布方法としては公知の方法、例えば、メタリングバー
方式、グラビアロール方式、エアナイフ方式、スプレー
方式、リバースロール方式などの方法が利用できる。接
着層の厚みは特に限定されるものではないが、過剰のコ
ーティングはコスト高になるため、好ましくは1.5μ
m以下の程度の範囲で形成するとよい。
【0016】第2の発明は、ポリプロピレンを主成分と
するフィルムを製造時に、金属蒸着適性を高める処理層
を形成するものである。即ち、フィルムを縦延伸後に、
蒸着の密着性を高める塗工液を塗布し、次いで横延伸し
たものである。具体的には、まず、ポリプロピレン組成
物を常法に従って溶融押出し、これを先ず縦方向に延伸
して縦方向一軸延伸フィルムを得る。得られた縦方向一
軸延伸フィルムの所望の片面あるいは両面に、該面の濡
れ張力を増大させるために火炎処理および/またはコロ
ナ放電処理を施すこともできる。しかる後、金属蒸着層
の密着性を高める樹脂を含有する塗工液を塗布する。塗
布した後、横方向への延伸に先立って塗布した層を十分
に乾燥させ、横延伸させる。横延伸後のフィルムの樹脂
皮膜面にさらにコロナ放電処理を施すこともできる。密
着性を高める樹脂としては、アイオノマーを主成分とす
る樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、SBR樹
脂、酢酸ビニル樹脂などが挙げることができ、中でもア
イオノマーを主成分とする樹脂(特にアイオノマーを主
成分とするポリオレフィンコポリマー)が密着性に優れ
るので好ましい。塗工液を塗布する方法としては、公知
の方法、例えば、メタリングバー方式、グラビアロール
方式、エアナイフ方式、スプレー方式、リバースロール
方式などの方法が利用できる。過剰のコーティングはコ
スト高や透明性の低下の原因になるため、好ましくは
1.0μm以下の程度の範囲で形成するとよい。かかる
樹脂皮膜は、第1の接着層より薄いので、透明性が優れ
るので好ましい。勿論、第1の発明の接着層を更に形成
して、金属蒸着層の密着性をより強固にすることもでき
る。
【0017】第3の発明は、フィルムがポリプロピレン
にポリエチレンを混合した層を有するフィルムを使用す
るものである。即ち、プロピレンを主成分とする共重合
体70〜95重量%と、エチレンを主成分とする樹脂5
〜30重量%である混合物からなる層が蒸着を施す面に
あれば特に限定されるものではない。具体的には、プロ
ピレン成分の割合が70重量%以上であるプロピレンを
主成分とする共重合体70〜95重量%(好ましくは7
5〜95重量%)と、高密度ポリエチレン(HDPE)
5〜30重量%(好ましくは5〜25重量%)からなる
混合物を一軸延伸されたポリプロピレンフィルムに、押
し出しラミネートにより積層し、この積層フィルムをテ
ンターで一軸延伸ポリプロピレンの延伸方向の直角方向
に延伸し、製造する。プロピレンを主成分とする共重合
体と高密度ポリエチレンの混合物の積層は片面のみに積
層してもいいし、両面に積層してもよい。なお、プロピ
レンを主成分とする共重合体と高密度ポリエチレンの混
合物に対し、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤などを添加しても良く、押し
出しラミネート適性を改善するために、低密度ポリエチ
レンなどによるポリマーブレンドにより改質がなされて
もよい。また、単にプロピレンを主成分とする共重合体
と高密度ポリエチレンの混合物を延伸して、単層のフィ
ルムであってもよい。蒸着する面がポリエチレン成分を
有するので、フィルム基材との密着性の高い金属蒸着層
が得られる。勿論、第1の発明の接着層を更に形成し
て、金属蒸着層の密着性をより強固にすることもでき
る。
【0018】第4の発明は、ポリプロピレンを主成分と
するフィルムと金属蒸着層との密着強度を規定する。即
ち、ポリプロピレンを主成分とするフィルムと金属蒸着
層の密着強度が0.65N/m以上であることを規定す
る。ここでいる密着強度とは、金属蒸着フィルムの金属
蒸着層とPETフィルムを接着剤(例えば、武田薬品工
業株式会社製タケラックA−616/タケネートA−6
5)で貼り合わせ、15mm巾の試験片を作成し、PE
Tフィルムを引張試験機で剥離速度0.3m/min、剥離
角度180°で剥離する際の剥離力を測定した値であ
る。特に、15mm巾の上記試験片を40℃の温水に4
8時間浸漬後の密着強度が0.65N/m以上であるこ
とが好ましい。このような密着強度を有するものであれ
ば、特に製造方法は規定するものではないが、例えば、
上記第1の発明、第2の発明、第3の発明、およびこれ
らの組み合わせを利用することにより、達成できる。
【0019】第5の発明は、上記第1の発明〜第4の発
明に記載の蒸着フィルムであって、透明フィルムの金属
蒸着層を形成していない面に、易印刷層を有することを
特徴とする。ラベル用、デザイン包装用に用いる場合、
印刷適性を付与することでさらに商品価値を高めること
ができる。そのために金属蒸着層の反対側に易印刷層を
設けることが特徴である。
【0020】易印刷層は、大きく分けると、フィルム
を縦延伸後に易印刷層用樹脂の塗布した層を設け、横延
伸したもの、二軸延伸したフィルムに易印刷用樹脂の
塗布した層を施したもの、の二通りあり、本発明はどち
らの方法も可能である。また、の方法を用いて易印刷
層を形成し、更にの方法で易印刷層を形成する、の
方法を用いて易印刷層を形成し、更にの方法で易印刷
層を形成するなどにより、複数層の易印刷層を形成する
こともできる。
【0021】ポリプロピレンを主成分としたときの前
者の方法について説明する。ポリプロピレン組成物を常
法に従って溶融押出し、これを先ず縦方向に延伸して縦
方向一軸延伸フィルムを得る。得られた縦方向一軸延伸
フィルムの所望の片面あるいは両面に、該面の濡れ張力
を増大させるために火炎処理および/またはコロナ放電
処理を施すこともできる。しかる後該面に易印刷層を塗
布する。塗布する樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリ
エステル樹脂、アイオノマー系樹脂、SBR樹脂、酢酸
ビニル樹脂などがあり、これらの樹脂を塗布する方法と
して公知の方法、例えば、メタリングバー方式、グラビ
アロール方式、エアナイフ方式、スプレー方式、リバー
スロール方式などの方法が利用できる。コーティングし
た後、横方向への延伸に先立って塗布した層を十分に乾
燥させ、横延伸させる。横延伸後のフィルムの樹脂皮膜
面にさらにコロナ放電処理を施すこともできる。このよ
うにして易印刷層を持つポリプロピレンフィルムを得
る。この場合の塗工量は、0.001〜0.4g/m2
程度、好ましくは0.005〜0.2g/m2の範囲で
ある。このようにして得られた易印刷層は、透明性が優
れるので好ましい。なお、の方法を用いて、塗布液を
両面に塗工し、易印刷層と接着層を同時に設けることに
より、フィルムの透明性が高いため蒸着後の光沢感に優
れ且つ印刷適性を有したフィルムが安価に製造できる。
【0022】後者の方法について説明する。ポリプロ
ピレン組成物を常法に従って二軸延伸されたポリプロピ
レンフィルムの表面にアクリル系樹脂、ポリエステル樹
脂、アイオノマー系樹脂、SBR樹脂、酢酸ビニル樹脂
などの樹脂を塗布して得られる。特にエステル結合を含
有するアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル
及びメタクリル酸エステルの1種以上の重合体及び共重
合体、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、並びに塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などから
1種以上を選ぶことが好ましい。
【0023】易印刷層として塗布する樹脂は、−20〜
20℃のガラス転移温度を有する少なくとも1種のエス
テル結合含有重合体(a)と、40〜80℃のガラス転
移温度を有する少なくとも1種のエステル結合含有重合
体(b)との混合物から選ばれることが好ましい。
【0024】アクリル系樹脂としては、例えばアクリル
酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−
ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘプチル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ヘ
キサデシル、アクリル酸ジメチルプロピル、アクリル酸
エチルプロピル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル
酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−t
ert−ブチルフェニル、アクリル酸ナフトール、アク
リル酸クロロフェニル、アクリル酸シアノベンジル、ア
クリル酸シアノフェニル、アクリル酸チアブチル、アク
リル酸イソボロニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸ブチルのホモポリマー及びこれらの2
種以上の共重合体、並びに、こららの1種以上とスチレ
ンとの共重合体などをあげることができる。
【0025】ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリ
ー2−ヒドロキシ酢酸、ポリーヒドロキシプロピオン
酸、ポリエチレンオキザラート、ポロメチレンアゼラー
ト、ポリエチレンテレフタレートなどをあげることがで
きる。また上記ポリエステル系樹脂をヒドロキシル変
性、又はカルボキシル変性したものであってもよい。エ
チレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂および塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体系樹脂は、それをヒドロキシ変性又
はカルボキシル変性したものを含有する。
【0026】易印刷層において、そのバインダー樹脂中
にブロッキング対策として有機及び/又は無機顔料を含
有しても良い。このとき、算術平均粗さ(Ra)が3.
5μmを超えない範囲であれば、顔料の平均粒径、含有
量は特に制限はない。ちなみに算術平均粗さ(Ra)が
3.5μmを超えると透明性が低下し、表面にザラツキ
が発生し、外観を損なうことがある。
【0027】これら易印刷層を塗工する方法として公知
の方法、例えば、メタリングバー方式、グラビアロール
方式、エアナイフ方式、スプレー方式、リバースロール
方式などの方法が利用できる。なお、易印刷層の厚みは
5g/m2以下であることが好ましく、印刷適性、ヘイ
ズから3g/m2以下がより好ましい。5g/m2をこえ
ると、透明性が低下したり、塗工工程において、乾燥が
不十分になり、ブロッキングを生じることがある。この
ようにして得られた易印刷層は、印刷適性が極めて優れ
るため好ましい。
【0028】なお、易印刷層とフィルムの間にアンカー
層用接着層を設けることでインキに対する密着性がさら
に向上する。アンカー層用接着層としては、エチルイミ
ン基、オキサゾリン基を有する樹脂、イソシアネートを
主成分とする化合物などを用いることができる。
【0029】本発明の蒸着フィルムは、金属蒸着層表面
に樹脂層を設けて金属蒸着層を保護することもできる。
また、金属蒸着層面に粘着剤層、剥離シートを積層した
ラベル加工、インクジェット記録や熱転写記録、感熱記
録などの記録適性を有する記録層を設けたり、その他公
知の技術を組み合わせて使用することも勿論可能であ
る。なお、ラベル加工の際の粘着剤は、構成成分として
は特に限定されるものではなく、ゴムを主成分とする、
アクリルを主成分とする、ビニルエーテルを主成分とす
る、ウレタンを主成分とする、シリコーンを主成分とす
るなどがある。特にアクリルを主成分とするプレモノマ
ー、もしくはアクリルを主成分とするモノマーなどを主
成分とするアクリルを主成分とする樹脂が透明性、耐候
性の点から好ましい。また、フィルム、接着層、易印刷
層などの少なくとも一層に着色剤(例えば染料)等により
着色した層を形成し、蒸着では得られない色調の蒸着フ
ィルムを得ることもできる。
【0030】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論本発明はそれらに限定されるものでは
ない。
【0031】実施例1 二軸延伸ポリプロピレンフィルム(商品名「PY−10
1」、王子製紙株式会社製、厚さ50μm)にアクリル
ポリオールと塩化ビニル−酢酸ビニル共重合物(二液反
応タイプインキVM−Dメジウム、大日精化株式会社
製)とイソシアネートを主成分とする化合物(VM−D
硬化剤、大日精化株式会社製)を厚み0.7μmとなる
ように塗布して接着層を形成した。次いで接着層の面に
アルミニウムを200〜400Åの厚さに蒸着加工し蒸
着フィルムを得た。このシートは、巻き取り状に保持し
てもブロッキングは生じなかった。
【0032】実施例2 実施例1において、アクリル酸エステルとポリエチレン
イミンのグラフト化合物(ポリメントNK−350、株
式会社日本触媒製)を塗布して接着層を形成した以外は
実施例1と同様にして蒸着フィルムを得た。
【0033】実施例3 実施例1において、ニトロセルロースとアクリルポリオ
ールの共重合物(二液反応タイプVMアンカー130、
東洋インキ製造株式会社製)とイソシアネートを主成分
とする化合物(VMハードナーXB、東洋インキ製造株
式会社製)を塗布して接着層を形成した以外は実施例1
と同様にして蒸着フィルムを得た。
【0034】実施例4 実施例1において、アクリル酸エステルを主成分とする
共重合物(EK−1000、サイデン化学株式会社)と
オキサゾリン基含有水溶性ポリマー(エポクロスK−2
020E、株式会社日本触媒)を塗布して接着層を形成
した以外は実施例1と同様にして蒸着フィルムを得た。
【0035】実施例5 ポリプロピレン組成物を溶融押出ししたのち、縦方向に
延伸して得られた一軸延伸フィルムの(少なくとも)片
面に、火炎処理を施し、更に続いてコロナ放電処理を施
し、しかる後に該面にアイオノマーを主成分とするポリ
オレフィンコポリマーの水分散液をコーティングし、次
いでこのコーティング面を乾燥させてから横方向に延伸
し、さらに前記アイオノマーを主成分とするポリオレフ
ィンコポリマーの樹脂皮膜面にコロナ放電処理を施した
ポリプロピレンフィルム(厚さ50μm)を得た。次い
でアイオノマーを主成分とするポリオレフィンコポリマ
ーの樹脂皮膜面にアルミニウムを200〜400Åの厚
さに蒸着加工し蒸着フィルムを得た。
【0036】実施例6 ポリプロピレン樹脂を溶融押出ししたのち、縦方向に延
伸して得られた一軸延伸フィルムの(少なくとも)片面
にエチレン−プロピレン共重合体90重量%に対し、H
DPEを10重量%配合したものを溶融混合後ペレット
化し、押出ラミネートし、さらにこの積層フィルムを横
方向に延伸し、ポリプロピレンを主成分とするフィルム
(厚さ50μm)を得た。エチレンを主成分とする樹脂
を含有した面にアルミニウムを200〜400Åの厚さ
に蒸着加工し蒸着フィルムを得た。
【0037】実施例7 二軸延伸ポリプロピレンフィルム(商品名「PY−10
1」、王子製紙株式会社製)(厚さ50μm)に易印刷
層としてアクリル酸エステル共重合体のコート剤(商品
名「X−590−354W」、サイデン化学株式会社
製)を厚み1.0μmとなるように塗布した後、易印刷
層とは反対面に、アクリルポリオールと塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合物(二液反応タイプインキVM−Dメジ
ウム、ガラス転移温度50℃以上、大日精化株式会社
製)とイソシアネート化合物(VM−D硬化剤、大日精
化株式会社製)を厚み0.7μmとなるように塗布して
接着層を形成した。次いで接着層の面にアルミニウムを
200〜400Åの厚さに蒸着加工し蒸着フィルムを得
た。この蒸着フィルムは、非蒸着面の印刷適性が優れた
ものであった。
【0038】実施例8 ポリプロピレン組成物を溶融押出ししたのち、縦方向に
延伸して得られた一軸延伸フィルムの両面に、火炎処理
を施し、更に続いてコロナ放電処理を施し、アイオノマ
ーを主成分とするポリオレフィンコポリマーの水分散液
を両面にコーティング後乾燥させてから横方向に延伸
し、さらに両面にコロナ放電処理を施したポリプロピレ
ンフィルム(厚さ50μm)を得た。次いで一方の面に
アルミニウムを200〜400Åの厚さに蒸着加工し蒸
着フィルムを得た。この蒸着フィルムの非蒸着面は印刷
適性を有するものであった。
【0039】比較例1 実施例1において、接着層を設けない以外は実施例1と
同様にして、蒸着フィルムを得た。
【0040】比較例2 実施例1において、接着層をポリウレタン系樹脂(タケ
ラックW−605、武田薬品工業株式会社製)とした以
外は実施例1と同様にして、蒸着フィルムを得た。
【0041】このようにして得られた蒸着フィルムにつ
いて、下記の評価を行い、結果を表1に示した。 <評価項目> [試験サンプル作成]PETフィルム上にウレタン樹脂
(タケラックA−616、武田薬品工業株式会社)とウ
レタン樹脂(タケラックA−65、武田薬品工業株式会
社)を16:1に混合したものを塗工、乾燥させ、蒸着
フィルムの蒸着面と貼り合わせ、40℃、24時間エー
ジングし、試験サンプルを作成した。 [ドライ密着強度]試験サンプルを巾15mmにカット
し、引張試験器(インテスコ製MODEL201型)を
用い、PETフィルムを速度0.3m/minで180
°剥離し測定した。
【0042】[ウェット密着強度]試験サンプルを巾1
5mmにカットし、40℃温水に48時間浸漬した後、
ドライ密着強度と同様にして測定した。
【0043】[蒸着層評価]40℃温水に48時間浸漬
後に蒸着フィルムの金属蒸着層の外観、剥がれを調べ
た。 ◎:金属蒸着層に変化はない。 ○:金属蒸着層のエッジ部に若干白濁が見られる。 ×:金属蒸着層に白化が見られる。
【0044】[総合評価] ◎:蒸着フィルムとして非常に優れている ○:蒸着フィルムとして実用上問題ないレベル ×:蒸着フィルムとして実用上問題となるレベル
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】表1の結果から明らかなように、 本発
明の蒸着フィルムは、金属蒸着の密着性に優れるので、
包装や表示用ラベル等に用いても金属蒸着層が剥がれた
りすることなく、また水などに付けても層間剥離を生じ
ることのない蒸着フィルムである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C09J 7/02 C09J 7/02 Z (72)発明者 坂牛 登 栃木県宇都宮市平出工業団地27番地の2 王子製紙株式会社粘着紙開発研究所内 Fターム(参考) 4F100 AB01B AJ06C AK07A AK15C AK22C AK25C AK31C AK35C AK70C AL01C BA02 BA03 BA07 BA10A BA10B BA13 CB00C CC00C EH46C EH66B EJ37C EJ86C GB90 HB31 JB05C JK06A JL00 JL11C JN01A YY00A 4J004 AA05 AA07 AA09 AA10 AA15 AB01 CA04 CC04 CC05 FA01 4K029 AA11 AA25 FA07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明フィルムの片面に金属蒸着層を形成し
    た金属蒸着フィルムにおいて、透明フィルムがポリプロ
    ピレンを主成分とするフィルムであり、その片面に金属
    蒸着の密着性を高めるための接着層を形成し、接着層面
    に金属蒸着を施したことを特徴とする金属蒸着フィル
    ム。
  2. 【請求項2】接着層が、アクリルポリオールと塩化ビニ
    ル−酢酸ビニル共重合樹脂を含む層、エチレンイミン系
    ポリマーまたはアミノエチル化樹脂を含む層、ニトロセ
    ルロースとアクリルポリオールの樹脂を含む層の何れか
    である請求項1記載の金属蒸着フィルム。
  3. 【請求項3】透明フィルムの片面に金属蒸着層を形成し
    た金属蒸着フィルムにおいて、透明フィルムがポリプロ
    ピレンを主成分とし、フィルム成形時の縦延伸後、蒸着
    の密着性を改良する塗工液を塗布、乾燥し、横延伸して
    形成したフィルムであり、該塗工液を塗布した面に金属
    蒸着を施したことを特徴とする金属蒸着フィルム。
  4. 【請求項4】塗工液が、アイオノマー系ポリオレフィン
    コポリマーの水分散溶液である請求項3記載の金属蒸着
    フィルム。
  5. 【請求項5】透明フィルムの片面に金属蒸着層を形成し
    た金属蒸着フィルムにおいて、透明フィルムがプロピレ
    ン系共重合体70〜95重量%にエチレン系樹脂を5〜
    30重量%含有する層を有する延伸フィルムであり、エ
    チレン系樹脂を含有する層に金属蒸着を施すことを特徴
    とする金属蒸着フィルム。
  6. 【請求項6】透明フィルムの片面に金属蒸着層を形成し
    た蒸着フィルムにおいて、透明フィルムがポリプロピレ
    ンを主成分とするフィルムであり、フィルムと金属蒸着
    層の密着強度が0.65N/m以上であることを特徴と
    する金属蒸着フィルム。
  7. 【請求項7】透明フィルムの金属蒸着層を形成していな
    い面に、易印刷層を有する請求項1〜6記載の金属蒸着
    フィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101055248B1 (ko) * 2006-05-17 2011-08-08 도요 고무 고교 가부시키가이샤 연마 패드
JP2016193986A (ja) * 2015-03-31 2016-11-17 荒川化学工業株式会社 銅薄膜付基材用アンダーコート剤、銅薄膜付基材、導電性フィルム及び電極フィルム

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