JP2001071404A - 発熱体製造用積層体 - Google Patents

発熱体製造用積層体

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JP2001071404A
JP2001071404A JP24865799A JP24865799A JP2001071404A JP 2001071404 A JP2001071404 A JP 2001071404A JP 24865799 A JP24865799 A JP 24865799A JP 24865799 A JP24865799 A JP 24865799A JP 2001071404 A JP2001071404 A JP 2001071404A
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heat
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heating element
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JP24865799A
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English (en)
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Takao Hirabayashi
孝雄 平林
Shigeru Kamata
滋 鎌田
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Hakugen Co Ltd
Original Assignee
Hakugen Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のシート状の発熱体の製造においては、
発熱層は長尺の不織布に発熱組成物を散布して空隙に保
持させるという手段にって形成されていた。しかし、か
かる発熱体の製造方法によって得られた発熱体製造用積
層体の切断面には、鉄粉等からなる発熱組成物が露出し
ているので、作業環境を汚す上に切断面の見栄えが悪い
ものであった。 【解決手段】 電解質溶液を保持可能な繊維層2と、
被覆層5との間に発熱層4設けてなる発熱体製造用積層
体1であって、上記発熱層4は上記繊維層2及び上記被
覆層5の周縁部4を除く部分に設けられているという構
成を採用することにより、本発明の発熱体製造用積層体
1を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は使い捨て可能なカイ
ロ等に使用可能なシート状の発熱体の製造に使用する発
熱体製造用積層体に関し、更に詳しくは発熱剤や発熱助
剤の移動、片寄りがなく、薄型で柔軟性を有するシート
状の発熱体の製造に使用可能な発熱体製造用積層体に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら空気中の酸素と接触させることにより化学反応を生ぜ
しめ、その反応熱を利用した発熱組成物が知られてい
る。該発熱組成物には、例えば鉄、アルミニウム等の金
属粉等の発熱主剤を、反応助剤である活性炭、無機電解
質及び水等と混合したもの等がある。
【0003】これら発熱組成物は、該発熱組成物が化学
反応によって発熱するのに必要な量の空気を供給し得る
通気性のフィルムや非通気性のフィルムに孔を設けて通
気性を付与したフィルム等で構成される袋体に収納する
ことによって、発熱体として使用される。かかる発熱体
は使い捨てカイロとして使用すると、使用方法が簡単
で、取扱が容易であることから広く使用されており、今
後は更なる需要が期待されている。
【0004】しかしながら、上記発熱体は、使い捨てカ
イロのような採暖具として使用された場合、時間が経過
するにつれて上記発熱組成物が重力の作用により袋体の
下方に片寄り、形状が変化するというものであった。そ
の結果、従来の発熱体には、人体への密着性が悪くなっ
たり、発熱量が低下するという弊害が生じていた。
【0005】かかる化学組成物の塊状化や発熱の偏在を
防ぐことを目的として、発熱組成物を均一に分散保持す
ることができると共に柔軟性があるシート状の発熱体が
提案されている(特公平4−59904号公報等)。
又、シート状の発熱体の製造法も提案されており、特開
平8−112303号公報において提案されているもの
がある。
【0006】上記特開平8−112303号公報には、
多数の空隙を有する不織布aの下面に不織布bを接着剤
を用いて重ね合せ、該不織布aの表面に発熱組成物を散
布して空隙に保持させ、次いで該不織布aの表面に不織
布cを重ね合せ、型圧縮機で加熱圧縮したのち、水また
は無機電解質水溶液を含浸させるという方法の発明が記
載されている。該方法によれば、柔軟性があり且つ発熱
組成物が均一に分散保持されているシート状の発熱体を
得ることはできる。
【0007】しかしながら、上記方法は長尺の不織布に
発熱組成物を散布することにより、発熱組成物を空隙に
保持させるという手段を採用している。従って、かかる
方法で得られた長尺の積層体は、発熱組成物が不織布の
表面若しくは内部において連続した層として存在するこ
とになるので、該長尺の積層体から使用目的に応じた形
状及び大きさを有する発熱体を得るために該長尺の積層
体を切断すると、得られた積層体は、その切断面に鉄粉
等を含む発熱組成物が直接露出するというものであっ
た。
【0008】このように、従来の方法によって製造され
た発熱体用積層体は、その端面に発熱層が直接露出して
いたので、該端面からこぼれ落ちる発熱組成物が作業環
境を汚し、衛生的な環境を保持するのは容易ではないと
いう問題を有していた。ひいては、得られた発熱体用積
層体を通気性の袋に収納し、該袋を熱シールにより封止
することによって発熱体とする際に、発熱組成物が通気
性の袋の内側に付着しシール不良の原因の一つともなっ
ていた。更に、大量にこぼれ落ちた場合には、発熱剤が
少なくなって使い捨てカイロとして使用した場合、発熱
時間が短くなるという問題も発生していた。
【0009】又、従来の方法で製造された発熱体製造用
積層体は、鉄粉等の金属を含む発熱組成物を切断するこ
とによって製造されていたので、切断面が汚らしいもの
となり、美麗な切断面の積層体を得ることができなかっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、柔軟性及び
保温性能に優れたシートタイプの発熱体の製造に使用さ
れる積層体であって、切断面から発熱組成物が零れ落ち
ることがなく、作業環境を清潔に保つと共に、安定した
発熱特性を発揮できる、切断面が美麗な発熱体製造用積
層体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の発熱体製造用積
層体は、電解質溶液を保持可能な繊維層と、被覆層との
間に発熱層を設けてなる発熱体製造用積層体であって、
上記発熱層は上記繊維層及び被覆層の周縁部を除く部分
に設けられていることを特徴とする。
【0012】上記繊維層は、外側に位置する形状保持用
の繊維層と、電解質溶液を含浸可能な繊維層とからなる
ことが好ましく、上記繊維層及び被覆層の周縁部の幅は
1〜7mmであることが好ましい。
【0013】本発明の発熱体製造用積層体は、繊維層
と、発熱層との間に熱融着性を有する繊維からなる熱融
着部層が設けられていることが好ましい。
【0014】本発明の発熱体製造用積層体は、上記被覆
層が、熱融着性を有する繊維からなる熱融着部層と、電
解質溶液を含浸可能な繊維層と、形状保持用の長尺の繊
維層とを内側から順に設けてなるものであることが好ま
しい。
【0015】本発明の発熱体製造用長尺積層体は、上記
形状保持用の繊維層がティッシュからなり、上記電解質
溶液を保持することができる繊維層がパルプからなるこ
とが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基き詳細に説明する。図1は本発明の一例を示す平面
図、図2は図1のII−II線に沿う縦断面図である。
図2において、1は発熱体製造用積層体(以下、「積層
体」という。)を、2は繊維層を、2aは形状保持用の
繊維層(以下、「第一繊維層」という。)を、2bは電
解質溶液を含浸可能な繊維層(以下、「第二繊維層」と
いう。)を、4は発熱層を、5は被覆層を、6は発熱層
4が設けられていない繊維層2及び被覆層5の周縁部を
それぞれ示す。
【0017】本発明の繊維層2は、電解質溶液を保持可
能な長尺の繊維質のものであればいかなるものでも使用
できるが、外側に位置する形状保持用の長尺の繊維層2
aと、電解質溶液を含浸可能な繊維層2bとから構成す
ることが好ましい。このように構成すると電解質の保持
力に優れると共に、柔軟性があり、しかも適度な強度を
有する積層体を得ることができる。
【0018】上記第一繊維層2aの材質としては、植物
性繊維、再生繊維等の綿、紙、濾紙、ティッシュ又は化
学繊維等で構成される不織布等を使用することができる
が、ティッシュを用いることが好ましい。第一繊維層2
aがティッシュで構成されていると、食塩水等の電解質
溶液を第一繊維層2aに散布した場合、電解質溶液を撥
水することなく速やかに吸収することができる。尚、テ
ィッシュとは、クラフトパルプやレーヨン等を主成分と
して湿潤強度が与えられた坪量が10〜20g/m2
薄葉紙をいう。
【0019】第一繊維層2aの坪量は、好ましくは10
〜150g/m2、より好ましくは20〜100g/m2
である。該坪量が10g/m2未満の場合は、積層体が
シートとしての形状を形状を保持する強度を得ることが
できない虞がある。該坪量が150g/m2を超えると
柔軟性が損なわれる虞がある。
【0020】上記第二繊維層2bの材質としては、パル
プ、綿、ビスコースレーヨン等の吸水性に優れた繊維を
用いることができるが、電解質溶液の保持能力に優れて
いるパルプを用いることが好ましい。第二繊維層2b
は、これらの材料を用いて、多数の空隙を有する構造と
して構成される。
【0021】第二繊維層2bの厚さや坪量は、発熱層4
の量や第二繊維層2bの空隙率に対応して適宜定められ
るが、好ましい厚さは0.5〜15mm、より好ましい
厚さは1〜10mmである。第二繊維層2bの厚さが
0.5mmの場合は、十分な電解質溶液の保持能力を得
ることができない虞があり、該厚さが15mmを超える
と柔軟性がなくなる虞がある。又、第二繊維層2bの好
ましい坪量は20〜200g/m2、より好ましい坪量
は30〜150g/m2である。該坪量が20g/m2
満の場合は、十分な電解質溶液の保持能力を得ることが
できない虞があり、該坪量が200g/m2を超えると
重い上に柔軟性がなくなる虞がある。
【0022】第二繊維層2bは、電解質溶液を含浸して
いる。電解質溶液とは電解質の水溶液をいい、酸化反応
における反応助剤としての働きを有する。電解質として
は、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシ
ウム、塩化マグネシウム等が挙げられるが、入手しやす
く取扱が簡便な塩化ナトリウムが好ましい。
【0023】第二繊維層2bは、坪量100g/m2
対して電解質溶液を600〜5000g/m2含浸して
いることが好ましい。該電解質溶液が600g/m2
満の場合は目的とする発熱温度、発熱時間を得ることが
できない虞があり、該量が5000g/m2を超えると
水分が多すぎて目的とする発熱温度を得ることができな
い虞がある。
【0024】本実施の形態においては、電解質溶液を保
持することができる長尺の繊維層2を、形状保持用の第
一繊維層2aと、電解質溶液を含浸可能な第二繊維層2
bとで構成しているが、繊維層2は長尺であって電解質
溶液を保持することさえできれば、本実施の形態に限定
されるものではない。
【0025】本発明の発熱層4は、上記繊維層2と後述
する被覆層5との間に設けられる。該発熱層4は、発熱
主剤と発熱反応を調整する発熱助剤とを主成分として含
有する粉粒体からなる。上記発熱主剤としては、例えば
還元鉄粉、アトマイズ鉄粉、いもの鉄粉等が挙げられ
る。但し、本発明はこれらに限定されず、空気中の酸素
と容易に反応し、反応の際に発熱するものであればいか
なるものでも使用できる。
【0026】上記発熱助剤としては、活性炭を用いるこ
とが好ましく、シリカ、バーミキュライト、吸水性ポリ
マー、木粉等の保水剤を加えることもできる。上記活性
炭としては、ヤシガラ活性炭、木粉炭、石炭、コークス
炭、瀝青炭、泥炭等が挙げられ、上記吸水性ポリマーと
しては、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸塩架橋
物等が挙げられる。
【0027】発熱層4の量は、目的とする発熱性能や発
熱体の厚さ等に対応して適宜定められるが、好ましくは
500〜10000g/m2より好ましくは1000〜
5000g/m2である。発熱層4の量が500g/m2
より少ないと、発熱温度及び発熱持続時間が低下し、5
000g/m2を超えると、最終製品としての発熱体が
厚くなりすぎて、薄型で柔軟な発熱体を得ることができ
なくなる虞がある。
【0028】発熱層4の平断面形状は、円形又は矩形で
あることが好ましい。発熱層4がこのように構成されて
いると、本発明の積層体を用いて、シート状の使い捨て
可能なカイロとして使いやすく好ましい形状のものを得
ることができる。尚、上記円形には楕円を含み、上記矩
形には正方形、長方形、台形を含み、矩形の角部が丸め
られていたり切欠かれているものも含む。又、曲線と直
線を組合わせて足の爪先の形状にすることによって、靴
の中に入れて使用する爪先保温用の発熱層4とすること
もできる。
【0029】上記発熱層4は、上記繊維層2及び上記被
覆層5の周縁部6を除く部分に設けられている。即ち、
積層体1の切断面を含む周縁部6は、繊維層2や被覆層
5や後述する熱融着部層のみからなり、発熱層4は周縁
部6には存在せず、積層体1の切断面には露出していな
い。本発明の積層体1はこのように構成されているの
で、切断面から鉄粉等からなる発熱層4が零れ落ちるこ
とがない。
【0030】上記周縁部6の幅は、1〜7mmであるこ
とが好ましく、3〜5mmがより好ましい。該幅が1m
m未満の場合は、周縁部6における繊維層2と被覆層5
との十分な接着強度を得ることができず、切断面から発
熱層4を構成する発熱主剤等が零れ落ちることを防ぐこ
とができない虞がある。一方、該幅が7mmを超える場
合は、発熱層の発熱体に占める割合が小さくなりすぎて
発熱効率が悪くなる虞がある。
【0031】尚、周縁部6の幅を2mm以下にする場合
は、例えば、積層体1に後述する熱融着部層を設け、更
に上記切断面に溶断処理を施して、熱融着部層を溶融さ
せて切断面を塞ぐことにより、発熱層を構成する発熱主
剤等が零れ落ちないようにすることが好ましい。
【0032】以上、一層の発熱層を設ける場合について
説明したが、本発明においては、上記発熱層4を複数設
けることもでき、例えば発熱層4を2層設けてその間に
電解質溶液を含浸可能な繊維層を設けることにより、発
熱層として構成することもできる。
【0033】本発明の被覆層5は、発熱層4を被覆でき
さえすればいかなるものでも使用できる。例えば、上記
繊維層2と同様に構成することもできれば、プラスチッ
クフィルム等を用いることもできる。
【0034】本発明の積層体1は、図3に示すように、繊
維層2と発熱層4との間に熱融着部層7が設けられてい
ることが好ましい。このように構成すると、後述する加
熱加圧処理を施すことにより熱融着部層7を溶融させ、
該溶融した熱融着部層7によって発熱層4を構成する発
熱主剤と発熱助剤とからなる粉粒体を包囲することによ
って、発熱層4を保持することができる。
【0035】上記熱融着部層7としては、ポリエステ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなる熱融着性
繊維を用いることが好ましく、ポリエステルやポリエチ
レンが融点が低く溶融させやすいという点でより好まし
い。又、ポリプロピレン等の高融点の繊維を芯として、
その周囲に熱融着させやすい低融点のポリエチレン等を
コーティングした繊維を用いることもできる。但し、本
発明は熱融着性繊維に限定するものではなく、熱融着部
層7として、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱融着
性樹脂の粉末或いは粒を用いることもできる。
【0036】被覆層5は、発熱層4を被覆することさえ
できればいかなる材料でも使用できるが、被覆層5は、
熱融着性を有する繊維からなる熱融着部層8と、電解質
溶液を保持することができる繊維層9(以下、「第三繊
維層」という。)と、形状保持用の繊維層10(以下、
「第四繊維層」という。)とを、図4に示すように、内
側から順に設けてなるものであることが好ましい。
【0037】熱融着部層8は、被覆層5の内側、即ち発
熱層4と接する側に設けられる。該熱融着部層8は、加
熱加圧処理を施されると溶融し、発熱主剤と発熱助剤と
からなる粉粒体を包囲し固定することによって発熱層4
を堅固に保持する。熱融着部層8の構成は、上記熱融着
部層7と同様である。尚、本発明においては、図4に示
すように、発熱層4の上下両面側に熱融着部層7と熱融
着部層8を設けることがより好ましい。このように構成
されていると、発熱層4をより強固に保持することがで
きる。
【0038】又、被覆層5に第三繊維層9を設けると、
上記第二繊維層2bが保持し供給する電解質溶液と共
に、第三繊維層9も電解質溶液を保持し供給するので、
より安定した発熱性能が発揮される。
【0039】又、被覆層5に第四繊維層10を設ける
と、該層によっても形状を保持することができるので好
ましい。
【0040】以上、被覆層5の好ましい態様について説
明したが、本発明の被覆層5は上記態様に限定されるも
のではなく、発熱層4を被覆できさえすればいかなるも
のでも使用できる。例えば、プラスチックフィルムを用
いたり、第三繊維層9を省略して、熱融着部層8と形状
保持用の第四繊維層10で被覆層5を構成すること等も
できる。
【0041】本発明の長尺積層体1は、繊維層2、発熱
層4、被覆層5が形成された後に、電解質溶液含浸処
理、圧縮処理、切断処理が施される。
【0042】上記加圧処理としては、例えば外周面にエ
ンボス模様が形成されたエンボスロールを用いて積層体
1を圧縮する加圧処理が挙げられる。加圧処理を施す
と、発熱層4を構成する発熱主剤及び発熱助剤とからな
る粉粒体は第二繊維層2bや第三繊維層9の空隙に固定
され、偏在することなく保持される。
【0043】本発明の積層体1が熱融着部層7や熱融着
部層8を含む場合は、加熱加圧処理を行うことが好まし
い。該加熱加圧処理は、例えば外周面にエンボス模様が
形成されたエンボスロールであって、加熱機能を有する
ものを使用することにより行うことができる。
【0044】本発明の積層体1は、切断された積層体を
袋体に挿入する前のいずれかの段階で、発熱助剤として
の食塩水等の電解質溶液が噴霧される。該処理を施す
と、電解質溶液が第二繊維層2bや第三繊維層9に含浸
し保持されるので、発熱層4において有効な酸化反応を
発生させることができる。
【0045】本発明の積層体1は、圧縮処理を施した
後、電解質溶液含浸処理、切断処理が施されることによ
って完成する。尚、電解質溶液含浸処理、切断処理の順
番に制限はなく、いずれの処理を先に行なうこともでき
る。
【0046】上記切断処理は、スリッター、一文字カッ
ター、ダイカットロール、トリミング等を用いて切断す
ることによって行われる。発熱層4が矩形や直線で囲ま
れた形状であれば、スリッター、一文字カッター等を使
用することが好ましく、発熱層4が円形や楕円形の場合
は、ダイカットロール、トリミング等を使用することが
好ましく、発熱層4が曲線と直線で囲まれた形状の場合
は、ダイカットロール、トリミング等とスリッター、一
文字カッター等とを組合わせて切断することができる。
【0047】本発明の積層体1の製造方法の一例を、図
6に基いて説明する。図6において、21は第一繊維層
供給ロールを、22a、22b、22cはガイドロール
を、23は落下方式の第二繊維層供給装置を、24は長
尺の第一繊維層2aと第二繊維層2bの積層体を、25
はガイドロールを、26は発熱層供給ロールを、27は
発熱層供給ロールに形成された凹陥部を、28は発熱層
供給ホッパーを、29は発熱層4を構成する発熱主剤と
発熱助剤とからなる粉粒体を、30はスクレイパーを、
31は落下方式の第三繊維層供給装置を、32は第四繊
維層供給ロールを、33は第一繊維層2と第二繊維層3
と発熱層4と第三繊維層9と第四繊維層10との積層体
を、34は加圧処理用のエンボスロールを、35は食塩
水等の電解質溶液噴霧装置を、36は切断用カッターを
内蔵したスリッターをそれぞれ示す。尚、上記凹陥部2
7の形状及び大きさは目的とする発熱層4の形状及び量
に対応して適宜定めることが好ましい。
【0048】第一繊維層2aは、第一繊維層供給ロール
21からガイドロール22aを通して連続的に供給さ
れ、第二繊維層2bを構成するパルプ等は、第二繊維層
供給装置23から第一繊維層2aの表面上に落下方式で
定量的に供給されて、第一繊維層2aと第二繊維層2b
の積層体24が形成される。該積層体24は、ガイドロ
ール22b,25を通して 回転する発熱層供給ロール
26に供給され、該ロール26の周面と密着した状態で
ロール26と共に回転する。
【0049】一方、発熱層供給ホッパー28には発熱層
4を構成する発熱主剤と発熱助剤とからなる粉粒体29
が充填されており、該粉粒体29は発熱層供給ロール2
6に形成された円形や矩形の凹陥部27に落下方式で充
填される。該凹陥部27に充填された粉粒体29は、発
熱層供給ロール26と共に積層体24と密着した状態で
回転し、該ロール25の下部において積層体24が発熱
層供給ロール26と分離する際に、重力の作用で凹陥部
26から積層体24に移行する。
【0050】このように発熱層4を形成すると、発熱層
4は積層体24の表面において間欠的に形成され、発熱
層4の各々の間に第一繊維層2aと第二繊維層2bのみ
からなり、発熱層4が存在しない部分が形成される。
【0051】尚、発熱層供給ロール26の表面に付着し
た粉粒体29は、ロール26の表面上において、発熱層
供給ホッパー28とガイドロール25との間に設けられ
たスクレイパー30によって掻き落とされる。
【0052】一方、第四繊維層供給ロール32から長尺
の第四繊維層10が供給され、該長尺の第四繊維層10
には第三繊維層供給装置31から落下方式で第三繊維層
9を構成するパルプ等が定量的に供給されて長尺の被覆
層5が形成される。該長尺の被覆層5はガイドロール2
cを通して供給され、上記積層体24の表面に発熱層4
が形成された積層体と積層されて、第一繊維層2と第二
繊維層3と発熱層4と第三繊維層9と第四繊維層10と
が積層された積層体33が形成される。
【0053】上記積層体33は、エンボスロール34に
より加圧処理を、電解質溶液噴霧装置35により電解質
溶液含浸処理を、切断用カッターを内蔵したスリッター
36により切断処理が施され、本発明の積層体1とな
る。このように形成された積層体1の切断面を含む周縁
部6は、繊維層2と被覆層5のみから構成され、発熱層
4は切断面には現われない。
【0054】但し、上記製造法は、本発明の積層体1の
製造方法の一例であって、本発明はこれに限定されるも
のではない。
【0055】本発明の積層体1は、上記のように製造さ
れた後、袋体に挿入されてシート状使い捨てカイロの発
熱体として使用される。
【0056】上記発熱体の構成の一例を、図5に基いて
説明する。図5は、該発熱体の縦断面図である。図5に
おいて、41は発熱体を、42は袋体を、43は通気性
シートを、44は非通気性シートを、45はシール部を
それぞれ示す。
【0057】発熱体41は、発熱積層体1と発熱積層体
1を収納する袋体42とから構成される。該袋体42
は、通気性のある通気性シート43と非通気性シート4
4とを重ね合せ、双方のシートの周辺部分に設けられた
シール部45によって袋状に形成されたものである。シ
ール部45はヒートシールによって形成することが好ま
しいが、接着剤を使用することもできる。
【0058】通気性シート43として、通気性フィル
ム、紙、不織布、化繊紙、有孔プラスチックフィルム、
化繊紙に有孔プラスチックフィルムをラミネートしたも
の、化繊紙に酸素透過性の無孔の透過膜フィルムをラミ
ネートしたもの、紙・不織布・化繊紙に無孔有孔プラス
チックフィルムをラミネートしたものに針やレーザ等で
微細な孔を開けたものを用いることができる。
【0059】非通気性シート44として、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等の熱融着性合成樹脂フィルム、ま
たは、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ナイロン、金
属蒸着フィルム、金属酸化物の蒸着フィルム、金属箔ラ
ミネートフィルム、EVOH(エチレン・ビニルアルコ
ール共重合物、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物)
系フィルムなどのフィルムと熱融着性フィルムを貼り合
せた多層フィルム等が使用される。
【0060】発熱体41は、発熱積層体1を開口可能な
一辺部を除いてシール部45によってシールされた袋体
42に、該一辺部から挿入し、次に該一辺部をシールす
ることによって得ることができる。又、発熱積層体1を
通気性シート43と非通気性シート44とで挟んで、通
気性シート43と非通気性シート44とが重なり合った
部分を同時にヒートシール、切断することによって得る
こともできる。
【0061】発熱体41は、長期間にわたって発熱特性
を保持するために、上記非通気性シート44と同様の材
質のフィルムからなる非通気性の外袋に挿入し密閉する
ことによって、例えば、使い捨てカイロとして保存し、
販売し、使用することができる。
【0062】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に
説明する。 〔実施例1〕第一繊維層として長尺のティッシュ(坪量
18g/m2、幅110mm)を用い、第二繊維層2b
としてパルプを用い、発熱主剤として粒径70〜360
メッシュのアトマイズ鉄粉と、発熱助剤としてヤシガラ
活性炭と、吸水性ポリマーであるポリアクリル酸ソーダ
とを、重量比13:1:1で混合したものを用い、図6
に示す方式の装置を使用して、第一繊維層の表面に坪量
140g/m2の第二繊維層を積層し、該第二繊維層の
表面に二列の長方形の発熱層(坪量300g/m2、長
さ76mm、幅106mm)を各発熱層の長手方向の間
隔10mm、幅方向の間隔8mmで間欠的に形成した。
【0063】上記積層体の発熱層が形成された表面に、
第二繊維層と同じパルプを用いて坪量100g/m2
第三繊維層と、第一繊維層と同じティッシュを用いて第
四繊維層を積層し、エンボスロールで全体を加圧処理
し、電解質溶液の含浸処理、切断処理を施して本発明の
積層体を得た。その後、該積層体を袋体に挿入し発熱体
を製造した。
【0064】〔実施例2〕第一繊維層、第二繊維層を実
施例1と同様に積層し、該積層体の第二繊維層の表面に
ポリオレフィン繊維からなる不織布(坪量30g/
2)を用いて熱融着部層を形成し、該熱融着部層の表
面に実施例1と同様に発熱層を形成した。
【0065】上記発熱層が形成された表面に、ポリオレ
フィン繊維からなる不織布(坪量30g/m2)を用い
て熱融着部層を形成し、該熱融着部層の表面に実施例1
と同様に第三繊維層、第四繊維層を積層した。次に、加
熱機能を有するエンボスロールで全体を加熱加圧処理
し、更に加熱機能を有するロールで発熱層の周縁を加熱
加圧処理を行なった。次に、電解質溶液の含浸処理、切
断処理を施して本発明の積層体を得た。その後、該積層
体を袋体に挿入し発熱体を得た。尚、熱融着部層は、第
一繊維層と同様にロールを用いて連続的に供給し形成し
た。
【0066】〔比較例1〕発熱層供給ロールを使用せず
に、発熱主剤と発熱助剤とからなる粉粒体を散布するこ
とにより発熱層を連続体として形成した以外は実施例1
と同様の方法で、第一繊維層、第二繊維層、発熱層、第
三繊維層、第四繊維層を積層し長尺の積層体を得た。更
に、該長尺の積層体に実施例1と同加圧加工処理、電解
質溶液の含浸処理、切断処理を施して積層体を製造し、
該積層体を袋体に挿入し発熱体を得た。
【0067】〔比較例2〕発熱層供給ロールを使用せず
に、発熱主剤と発熱助剤とからなる粉粒体を散布するこ
とにより発熱層を連続体として形成する以外は実施例2
と同様の方法で、長尺の積層体を得た。又、該長尺の積
層体を実施例2と同様に加熱加圧処理、電解質溶液の含
浸処理、切断処理を施して積層体を製造し、該積層体を
袋体に挿入し発熱体を得た。
【0068】実施例1及び実施例2で得られた発熱体製
造用積層体1は、その切断面を含む周縁部に発熱層4が
存在しないので、発熱層4を構成する粉粒体が切断面に
露出していない。従って、該粉粒体が作業環境を汚すこ
とは殆どなかった。一方、比較例1及び比較例2で得ら
れた発熱体製造用積層体は、切断面からこぼれ落ちる上
記粉粒体が作業環境を汚すので、清掃が大変であった。
【0069】又、実施例1及び実施例2で得られた発熱
体製造用積層体1の切断面は、きれいに仕上がっていた
が、比較例1及び比較例2で得られた発熱体製造用積層
体の切断面は、上記粉粒体が煩雑に露出しており見栄え
が悪いものであった。
【0070】又、実施例1及び実施例2で得られた発熱
体製造用積層体1は、通気性の袋に収納し、該袋を熱シ
ールする際にシール不良が全く発生しなかったが、比較
例1及び比較例2で得られた発熱体製造用積層体は、シ
ール不良が発生した。
【0071】
【発明の効果】本発明の発熱体製造用積層体は、電解質
溶液を保持可能な繊維層と、被覆層との間に発熱層を設
けてなる発熱体製造用積層体であって、上記発熱層は上
記繊維層及び上記被覆層の周縁部を除く部分に設けられ
ているという構成を採用しているので、発熱組成物が零
れ落ちて作業環境を汚すことがなく、切断面がきれいに
仕上がった発熱体製造用積層体を提供することができ
る。
【0072】又、本発明の発熱体製造用積層体を通気性
の袋に収納し発熱体を製造する際に、零れ落ちた発熱組
成物に起因するシール不良や、使い捨てカイロとして使
用した場合の発熱時間が短くなるという問題が発生する
ことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の発熱体製造用積層体の実施例
の一例を示す平面図である。
【図2】図2は、本図1のII−II線に沿う縦断面図
である。
【図3】図3は、本発明の実施例の一例を示す縦断面図
である。
【図4】図4は、本発明の実施例の一例を示す縦断面図
である。
【図5】図5は、発熱体の縦断面図である。
【図6】図6は、本発明の発熱体製造用積層体の製造方
法の一例を示す図面である。
【符号の説明】
1 発熱体製造用積層体 2 繊維層 2a 形状保持用の繊維層 2b 電解質溶液を含浸可能な繊維層 4 発熱層 5 被覆層 6 周縁部 7 熱融着部層 8 熱融着部層 9 電解質溶液を含浸可能な繊維層 10 形状保持用の繊維層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C099 AA01 CA19 EA08 GA03 LA01 LA08 LA14 NA05 4F100 AA37 AB02 AJ02 AK03 AK25 AR00B AS00A BA03 BA04 BA07 DC21B DE01 DG01A DG01C DG01D DG02A DG06D DG10A DG15C EA02D EJ82A EJ82D GB66 JJ06B JK13 JL00 JL12C JL12D

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解質溶液を保持可能な繊維層と、被覆
    層との間に発熱層を設けてなる発熱体製造用積層体であ
    って、上記発熱層は上記繊維層及び上記被覆層の周縁部
    を除く部分に設けられていることを特徴とする発熱体製
    造用積層体。
  2. 【請求項2】 繊維層が外側に位置する形状保持用の繊
    維層と、電解質溶液を含浸可能な繊維層とからなること
    を特徴とする請求項1記載の発熱体製造用積層体。
  3. 【請求項3】 繊維層及び被覆層の周縁部の幅が1〜7
    mmであることを特徴とする請求項1記載の発熱体製造
    用積層体。
  4. 【請求項4】 繊維層と、発熱層との間に熱融着性を有
    する繊維からなる熱融着部層が設けられていることを特
    徴とする請求項1記載の発熱体製造用積層体。
  5. 【請求項5】 被覆層が、熱融着性を有する繊維からな
    る熱融着部層と、電解質溶液を含浸可能な繊維層と、形
    状保持用の長尺の繊維層とを内側から順に設けてなるも
    のであることを特徴とする請求項1記載の発熱体製造用
    長尺積層体。
  6. 【請求項6】 形状保持用の繊維層がティッシュからな
    り、電解質溶液を保持することができる繊維層がパルプ
    からなることを特徴とする請求項2又は請求項5記載の
    発熱体製造用積層体
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