JP2001071344A - 液晶樹脂複合成形体及びその製造方法 - Google Patents

液晶樹脂複合成形体及びその製造方法

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JP2001071344A JP24883799A JP24883799A JP2001071344A JP 2001071344 A JP2001071344 A JP 2001071344A JP 24883799 A JP24883799 A JP 24883799A JP 24883799 A JP24883799 A JP 24883799A JP 2001071344 A JP2001071344 A JP 2001071344A
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crystal resin
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Kenji Miyazaki
健次 宮崎
Yoshinori Nakano
良憲 中野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 射出成形体の全体にわたってマトリックスが
熱可塑性樹脂であり補強材がフィブリル化した液晶樹脂
からなる構造を発現し、この構造によって高剛性を有す
る成形体となる液晶樹脂複合成形体及びその製造方法を
提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂と該熱可塑性樹脂の溶融温
度より高い液晶転移温度を有する液晶樹脂からなる成形
体であって、この成形体内で上記液晶樹脂は90重量%
以上がフィブリル化しており、該成形体の厚み方向での
上記液晶樹脂と上記熱可塑性樹脂との混合比率がどの部
分においても均一であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マトリックスが熱
可塑性樹脂であり補強材がフィブリル化した液晶樹脂か
らなる構造を発現し、この構造によって高剛性を有する
成形体となる液晶5脂複合成形体及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂の射出成形品は、複
雑な形状のものが簡単な設備で得られ価格も適当である
ため、家電製品、自動車、OA機器等の部品として幅広
く利用されている。これらの部品は、その用途によって
要求される物性が異なるため、用途によって種々の熱可
塑性樹脂が選択されている。
【0003】近年、コンピューター関連の部品には、高
い耐熱性や振動吸収性、高剛性が要求されることから、
各種の液晶樹脂が広く使用されるようになってきてい
る。これら液晶樹脂は、射出成形の工程において高剪断
力や高伸張力が加わると、液晶樹脂の直線的分子構造に
よって容易にフィブリル化し、その結果、得られる射出
成形品は高剛性なものとなる。
【0004】ところが、通常の従来公知の射出成形技術
では、金型内で樹脂に高剪断力や高伸張力が加わるの
は、金型の内壁で樹脂が摩擦を受ける部分のみであり、
従って、得られる射出成形品のスキン層のみがフィブリ
ル化されて高剛性となるが、成形品のコア層ではフィブ
リル化されにくく、特に肉厚の成形品では相対的にスキ
ン層の比率が低いため、成形品全体としては高剛性とな
りにくいという問題がある。
【0005】例えば、特開平7−233310号公報で
は、異方性溶融相を形成する結晶性ポリエステル及び/
又は結晶性ポリエステルアミドとオレフィン系重合体か
らなる組成物が提案されているが、この提案は、耐熱
性、機械特性、ウエルド強度に優れた液晶樹脂成形体を
目的としたものであって、上記問題を解決するものでは
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の事情
を考慮してなされたものであり、その目的は、射出成形
体の全体にわたってマトリックスが熱可塑性樹脂であり
補強材がフィブリル化した液晶樹脂からなる構造を発現
し、この構造によって高剛性を有する成形体となる液晶
樹脂複合成形体及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の液晶樹脂
複合成形体(以下、本発明1という)は、熱可塑性樹脂
と該熱可塑性樹脂の溶融温度より高い液晶転移温度を有
する液晶樹脂からなる成形体であって、この成形体内で
上記液晶樹脂は90重量%以上がフィブリル化してお
り、該成形体の厚み方向での上記液晶樹脂と上記熱可塑
性樹脂との混合比率がどの部分においても均一であるこ
とを特徴とする。
【0008】請求項2記載の液晶樹脂複合成形体(以
下、本発明2という)は、上記熱可塑性樹脂と上記液晶
樹脂との混合比率が、熱可塑性樹脂60〜97重量%、
液晶樹脂3〜40重量%であることを特徴とする。
【0009】請求項3記載の液晶樹脂複合成形体の製造
方法(以下、本発明3という)は、上記熱可塑性樹脂と
上記液晶樹脂との混合物を溶融混練した後ストランド状
に押し出し、伸張変形させながら上記熱可塑性樹脂の溶
融温度以下に冷却し、この伸張変形され冷却されたスト
ランド状樹脂混合物をペレタイザーでペレット化し、次
いでこの樹脂混合物ペレットを射出成形機に供給し、該
樹脂混合物ペレットを、上記熱可塑性樹脂の溶融温度以
上且つ上記液晶樹脂の液晶転移温度以下の温度範囲に加
熱し、上記熱可塑性樹脂の溶融温度以下の温度の金型に
射出成形することを特徴とする。
【0010】請求項4記載の液晶樹脂複合成形体の製造
方法(以下、本発明4という)は、上記金型の温度を、
熱可塑性樹脂の溶融温度−80℃≦金型温度<熱可塑性
樹脂の溶融温度の範囲に保持し、該金型に上記樹脂混合
物ペレットを射出成形することを特徴とする。
【0011】本発明で用いられる熱可塑性樹脂として
は、特に限定されるものではなく、例えば、オレフィン
系樹脂、スチレン系樹脂、ABS樹脂、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、フッ素樹脂、アセタール樹脂、アミド
樹脂、イミド樹脂、アミドイミド樹脂、アクリル樹脂、
塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネー
ト、ポリアクリレート、ポリフェニレンオキシド、熱可
塑性ウレタン、これらの変性材あるいはブレンド材(ア
ロイ材)等の溶融可能な樹脂が挙げられる。これらの中
でも液晶樹脂と混合して用いた場合、成形時の液晶樹脂
のフィブリル化を容易にする点から、オレフィン系樹
脂、アミド樹脂、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
【0012】上記熱可塑性樹脂の溶融粘度は、成形時の
液晶樹脂のフィブリル化を容易にするために高粘度のも
のが好ましく、JIS K 7199に拠って測定され
る温度290℃、剪断速度1216/秒での溶融粘度が
800ポイズ以上のものが好ましく、より好ましくは1
000ポイズ以下のものである。
【0013】本発明で用いられる液晶樹脂としては、熱
可塑性樹脂の溶融温度よりも液晶転移温度よりも高いの
もであれば特に限定されるものではなく、任意の液晶樹
脂を用いることができるが、上記熱可塑性樹脂と混合さ
れた中で成形時に容易にフィブリル化する点から熱可塑
性ポリエステルが好ましい。熱可塑性ポリエステルとし
ては、例えば、商品名「ベクトラ」(ポリプラスチック
社製)、商品名「スミカスーパー」(住友化学工業社
製)、商品名「ザイダー」(日本石油化学社製)、商品
名「ロッドラン」(ユニチカ社製)等の市販の全芳香族
系液晶樹脂が挙げられる。
【0014】上記熱可塑性樹脂と上記液晶樹脂との相溶
性を高めるために、必要に応じて相溶化剤を用いること
もできる。相溶化剤の種類としては、熱可塑性樹脂と液
晶樹脂の組み合わせにより適宜選択される。例えば、マ
レイン酸変性ポリオレフィンやアクリル酸変性ポリオレ
フィンが挙げられる。
【0015】本発明でいうフィブリル化とは、成形体の
中での液晶樹脂のアスペクト比(繊維長/繊維径)が1
0以上の形状になっていることをいう。このアスペクト
比が大きいほどマトリックスたる熱可塑性樹脂中での液
晶樹脂の比表面積が大となるので強化材としての補強効
果が大きくなる。アスペクト比は50未満では補強効果
が不十分であるので50以上であることが好ましく、更
に好ましくは100以上である。アスペクト比は大きす
ぎてもとくに問題はない。
【0016】本発明1及び2では、上記液晶樹脂は成形
体内で90重量%以上がフィブリル化していることが必
要である。ここでいう90重量%以上がフィブリル化と
は、成形体内の液晶樹脂の重量で90%以上がフィブリ
ル化していることである。フィブリル化の比率の確認
は、成形体中の熱可塑性樹脂のみを溶解させる溶媒中に
成形体を浸漬して熱可塑性樹脂を溶出させ、残った液晶
樹脂を篩いによりふるい分けし、フィブリル状のものを
秤量することによりなされる。
【0017】本発明1及び2の成形体では、該成形体の
厚み方向での液晶樹脂と熱可塑性樹脂との混合比率がど
の部分においても均一である。そして上記の通り液晶樹
脂は成形体内で90重量%以上がフィブリル化している
から、厚み方向でのどの部分においてもフィブリル化の
度合いが均一である。従って、液晶樹脂を従来の一般的
な射出成形法で成形した成形体のようなスキン層にのみ
フィブリル化しているものとは異なり、本発明1及び2
の成形体ではコア層にもフィブリル化構造を有してお
り、高剛性を発現する構造になる。
【0018】本発明2の成形体では、熱可塑性樹脂と液
晶樹脂との混合比率が、熱可塑性樹脂60〜97重量
%、液晶樹脂3〜40重量%となされている。高剛性化
の大きな要因である液晶樹脂のアスペクト比は、熱可塑
性樹脂と液晶樹脂が混合された状態での液晶樹脂の分散
状態、即ち液晶樹脂の粒径に支配される。熱可塑性樹脂
中に分散した液晶樹脂に剪断力や伸張力が加わるとき、
液晶樹脂の粒径が小さすぎると界面張力の関係で高アス
ペクト比のフィブリル化が得られず、粒径が大きすぎる
とフィブリル化せず粒子の分裂が優先して生じてしま
う。高フィブリル化にとって好ましい液晶樹脂の粒径の
範囲は3〜500μmである。この範囲の粒径を発現さ
せるために熱可塑性樹脂と液晶樹脂の混合比率が重要な
因子であり、発明者等の研究によれば、熱可塑性樹脂と
液晶樹脂との混合比率が、熱可塑性樹脂60〜97重量
%、液晶樹脂3〜40重量%のとき、上記粒径が容易に
発現するのである。
【0019】本発明3の製造方法は、熱可塑性樹脂と液
晶樹脂との混合物を溶融混練した後ストランド状に押し
出し、伸張変形させながら上記熱可塑性樹脂の溶融温度
以下に冷却し、この伸張変形され冷却されたストランド
状樹脂混合物をペレタイザーでペレット化し、次いでこ
の樹脂混合物ペレットを射出成形機に供給し、該樹脂混
合物ペレットを、上記熱可塑性樹脂の溶融温度以上且つ
上記液晶樹脂の液晶転移温度以下の温度範囲に加熱し、
上記熱可塑性樹脂の溶融温度以下の温度の金型に射出成
形する方法である。
【0020】上記ストランド状に押し出し、伸張変形さ
せる工程において、熱可塑性樹脂中の液晶樹脂はフィブ
リル化し、上記樹脂温度及び金型温度条件下で射出成形
することによりフィブリル化が保たれたまま成形体が得
られる。従って、得られた成形体は厚み方向でのどの部
分においても組成及びフィブリル化の度合いが均一であ
る。
【0021】液晶樹脂をストランド状に押し出し、伸張
変形させフィブリル化させるに必要な見掛けの伸張速度
は、1×10-1〜1×10-3/秒が好ましく、より好ま
しくは、3×10-1〜1×10-2/秒である。見掛けの
伸張速度が、上記範囲を外れると混合物中の液晶樹脂は
フィブリル化しにくくなる。見掛けの伸張速度が、上記
範囲に入っていれば、上記ストランドの径は特に限定さ
れるものではない。
【0022】伸張速度を与える方法は特に限定されない
が、例えば、押し出されたストランドを引取機で引き取
る等の方法が挙げられる。伸張変形させながら該ストラ
ンドを熱可塑性樹脂の溶融温度以下に冷却すればよい。
冷却の方法も特に限定されないが、例えば、冷却水槽に
該ストランドを導き水冷する方法、空冷する方法等が挙
げられる。
【0023】冷却されたストランドは、ペレタイザーに
送られ、適当な大きさに切断されて樹脂混合物ペレット
となされ、次の射出成形の工程に供される。射出成形機
において、上記樹脂混合物ペレットは上記熱可塑性樹脂
の溶融温度以上且つ上記液晶樹脂の液晶転移温度以下の
温度範囲に加熱され、上記熱可塑性樹脂の溶融温度以下
の温度の金型に射出成形される。本発明3において、上
記樹脂混合物の温度と、金型温度が重要なポイントであ
る。この温度条件に制御することにより、液晶樹脂はフ
ィブリル状態を崩すことなく、成形体全体に均一に配さ
れることが可能となり、全体として高剛性の成形体を得
ることができる。
【0024】本発明4の製造方法は、射出成形の金型の
温度を、熱可塑性樹脂の溶融温度−80℃≦金型温度<
熱可塑性樹脂の溶融温度の範囲に保持し、該金型に上記
樹脂混合物ペレットを射出成形する方法である。金型温
度を上記範囲に制御することにより、成形体のスキン層
とコア層における成形時の樹脂混合物の流速分布が小さ
くなり、従って、フィブリル化された液晶樹脂の分布や
配向が均一となり、得られた成形体の厚さ方向でのどの
部分フィブリル化の度合いが均一であり、全体として高
剛性を発現する構造になる。
【0025】上記範囲より低い金型温度で成形すると、
スキン層がコア層に比較して早期の固化するためスキン
層におけるフィブリル化の度合いがコア層より低くな
る。また、上記範囲より高い金型温度の場合には、成形
体の賦形が困難となる。
【0026】
【作用】本発明1の成形体は、混合した液晶樹脂の90
重量%以上がフィブリル化しており、且つ厚さ方向にお
いて熱可塑性樹脂と液晶樹脂の組成が均一であるので、
液晶樹脂による効果的な補強が発現され、高剛性なもの
である。
【0027】本発明2の成形体は、熱可塑性樹脂と液晶
樹脂の混合比率を限定することで、液晶樹脂のアスペク
ト比を高めることが可能となり、更に効果的な補強が発
現されている。
【0028】本発明3の製造方法は、射出成形の前工程
において液晶樹脂をフィブリル化させ、続く射出成形工
程では、液晶樹脂を溶融させずに熱可塑性樹脂のみを溶
融させて成形する方法であるので、厚さ方向に均一なフ
ィブリル状態の液晶樹脂が分散した成形体が得られる。
【0029】本発明4の製造方法によれば、射出成形時
の金型温度を所定範囲に限定することで、成形体のスキ
ン層とコア層でのフィブリル状の液晶樹脂の分布や配向
が均一な成形体が得られる。
【0030】
【発明の実施の形態】(実施例1)ポリプロピレン(日
本ポリオレフィン社製、商品名「ジェイアロマー PS
201A」、MI=0.5g/10分、密度0.90g
/cm3 、溶融温度165℃)8kgと、液晶樹脂(ポ
リプラスチック社製、商品名「ベクトラA950」密度
1.40g/cm3 、液晶転移温度285℃)2kgと
を混合し、2軸混練押出機(池貝機工社製、商品名PC
M−30)で溶融混練し、直径3mmの5穴ストランド
ダイからストランドを押し出した。この際、押出機のバ
レル温度及び金型温度はいずれも290℃に設定した。
押し出したストランドを引き取り比(引き取り前のスト
ランド径/引き取り後のストランド径)が20となるよ
うに熱可塑性樹脂の溶融温度以下となるよう冷却しなが
ら引き取った。この時の引き取り速度は2m/秒であ
り、該ストランドに与えられた見掛けの伸長速度は、6
×10-1/秒であった。
【0031】ついで上記ストランドをペレタイザーに導
き、長さ3mmのペレットに切断した。このペレット
を、図2に示す製造工程のインライン式射出成形機21
(FANAUC社製、AUTO−SHOT MODEL
75)に供給して、図1に示すような形状の幅10mm
の周縁部11と最低肉厚部の厚さが3mmの底部12を
有する直径100mm、深さ40mmの洗い桶状成形体
1を成形する金型22に、射出成形機21のバレル温度
200℃、金型22の温度50℃として射出成形した。
【0032】得られた成形体1の底部12から試料を切
り出し、JIS K 7171に従った曲げ試験から曲
げ弾性率、及び、JIS K 7197に従って線膨張
係数を測定した。得られた結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】また、同じく底部12から切り出した10
gの試料を、120℃の熱キシレン中に24時間浸漬
し、ポリプロピレンを溶解させ、残った液晶樹脂から篩
を用いてフィブリル化したものを分級し秤量したところ
2gであった。このことから、得られた成形体中で液晶
樹脂は100%がフィブリル化していると判断された。
【0035】(実施例2)底部12の最低肉厚部の厚さ
が6mmで他の寸法は実施例1と同寸法の成形体を与え
る金型を用いた外は、実施例1と同様にして成形体を得
た。そして、実施例1と同様にして得られた成形体の底
部から試料を採取し、曲げ弾性率、線膨張係数、フィブ
リル化度を測定した。その結果を表1に示す。
【0036】(実施例3)ポリプロピレンと液晶樹脂と
の混合割合を6.5kgと3.5kgに変更した外は、
実施例1と同様にして成形体を得て、実施例1と同様に
して曲げ弾性率、線膨張係数、フィブリル化度を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0037】(実施例4)射出成形する際の金型温度を
120℃とした外は、実施例1と同様にして成形体を得
て、実施例1と同様にして曲げ弾性率、線膨張係数、フ
ィブリル化度を測定した。その結果を表1に示す。
【0038】(実施例5)ストランドを作成する際の引
き取り比を15、引き取り速度を1.5m/秒、該スト
ランドに与えられた見掛けの伸長速度を4×10-2/秒
とした外は実施例1と同様にして成形体を得て、実施例
1と同様にして曲げ弾性率、線膨張係数、フィブリル化
度を測定した。その結果を表1に示す。
【0039】(比較例1)ストランドを作成する際の引
き取り比を1.5、引き取り速度を0.15m/秒、該
ストランドに与えられた見掛けの伸長速度を5×10-4
/秒とした外は実施例1と同様にして成形体を得て、実
施例1と同様にして曲げ弾性率、線膨張係数、フィブリ
ル化度を測定した。その結果を表1に示す。
【0040】(比較例2)ポリプロピレンと液晶樹脂と
の混合割合を5kgと5kgに変更した外は、実施例1
と同様にして成形体を得て、実施例1と同様にして曲げ
弾性率、線膨張係数、フィブリル化度を測定した。その
結果を表1に示す。
【0041】(比較例3)射出成形機のバレル温度を3
00℃、金型温度を50℃として射出成形した外は、実
施例1と同様にして成形体を得て、実施例1と同様にし
て曲げ弾性率、線膨張係数、フィブリル化度を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0042】表1に見る通り、実施例1〜4の90%以
上のフィブリル化度を有する成形体は、比較例1〜3の
90%未満のフィブリル化度を有する成形体にくらべ
て、はるかに大きい曲げ弾性率(高剛性)と小さい線膨
張係数を発現している。
【0043】
【発明の効果】本発明1の成形体の構成は上述の通りで
あり、本発明によれば、混合した液晶樹脂の90重量%
以上がフィブリル化しており、且つ厚さ方向において熱
可塑性樹脂と液晶樹脂の組成が均一であるので、液晶樹
脂による効果的な補強が発現され、高剛性で且つ寸法安
定性に優れた成形体となる。
【0044】本発明2の成形体の構成は上述の通りであ
り、本発明によれば、熱可塑性樹脂と液晶樹脂の混合比
率を限定することで、液晶樹脂のアスペクト比を高める
ことが可能となり、成形体の最低肉厚さが分厚いもので
あっても、従来の液晶樹脂を用いた射出成形体に比べて
非常に高剛性な成形体となる。
【0045】本発明3の製造方法の構成は上述の通りで
あり、本発明によれば、射出成形の前工程において液晶
樹脂をフィブリル化させ、続く射出成形工程では、液晶
樹脂を溶融させずに熱可塑性樹脂のみを溶融させて成形
する方法であるので、厚さ方向に均一なフィブリル状態
の液晶樹脂が分散した成形体が得られる。
【0046】本発明4の製造方法の構成は上述の通りで
あり、本発明によれば、射出成形時の金型温度を所定範
囲に限定することで、成形体のスキン層とコア層でのフ
ィブリル状の液晶樹脂の分布や配向が均一な成形体が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明1の成形体の実施の一例を示す斜視図。
【図2】本発明3の製造方法に用いられる製造工程の一
例を示す模式的断面図。
【符号の説明】
1 成形体 11 周縁部 12 底部 21 射出成形機 22 金型

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂と該熱可塑性樹脂の溶融温
    度より高い液晶転移温度を有する液晶樹脂からなる成形
    体であって、この成形体内で上記液晶樹脂は90重量%
    以上がフィブリル化しており、該成形体の厚み方向での
    上記液晶樹脂と上記熱可塑性樹脂との混合比率がどの部
    分においても均一であることを特徴とする液晶樹脂複合
    成形体。
  2. 【請求項2】 上記熱可塑性樹脂と上記液晶樹脂との混
    合比率が、熱可塑性樹脂60〜97重量%、液晶樹脂3
    〜40重量%であることを特徴とする請求項1記載の液
    晶樹脂複合成形体。
  3. 【請求項3】 上記熱可塑性樹脂と上記液晶樹脂との混
    合物を溶融混練した後ストランド状に押し出し、伸張変
    形させながら上記熱可塑性樹脂の溶融温度以下に冷却
    し、この伸張変形され冷却されたストランド状樹脂混合
    物をペレタイザーでペレット化し、次いでこの樹脂混合
    物ペレットを射出成形機に供給し、該樹脂混合物ペレッ
    トを、上記熱可塑性樹脂の溶融温度以上且つ上記液晶樹
    脂の液晶転移温度以下の温度範囲に加熱し、上記熱可塑
    性樹脂の溶融温度以下の温度の金型に射出成形すること
    を特徴とする請求項1又は請求項2記載の液晶樹脂複合
    成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】上記金型の温度を、 熱可塑性樹脂の溶融温度−80℃≦金型温度<熱可塑性
    樹脂の溶融温度の範囲に保持し、該金型に上記樹脂混合
    物ペレットを射出成形することを特徴とする請求項1又
    は請求項2記載の液晶樹脂複合成形体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019059875A (ja) * 2017-09-27 2019-04-18 上野製薬株式会社 ポリプロピレン樹脂組成物
JP2019059874A (ja) * 2017-09-27 2019-04-18 上野製薬株式会社 自動車外装部品

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019059875A (ja) * 2017-09-27 2019-04-18 上野製薬株式会社 ポリプロピレン樹脂組成物
JP2019059874A (ja) * 2017-09-27 2019-04-18 上野製薬株式会社 自動車外装部品

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