JP2001070409A - 滅菌装置 - Google Patents

滅菌装置

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JP2001070409A
JP2001070409A JP2000194444A JP2000194444A JP2001070409A JP 2001070409 A JP2001070409 A JP 2001070409A JP 2000194444 A JP2000194444 A JP 2000194444A JP 2000194444 A JP2000194444 A JP 2000194444A JP 2001070409 A JP2001070409 A JP 2001070409A
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heating
container body
sterilized
water supply
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Saburo Adachi
三朗 足立
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Adachi Co Ltd
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Adachi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 形状や構造が複雑な医療器具であっても簡便
かつ効率よく洗浄滅菌処理する。 【解決手段】 被滅菌処理材および水を収容可能な収容
部1aを有する容器本体1と、この容器本体1内の被滅
菌処理材を水とともに加熱するための加熱手段2と、前
記容器本体1内で、水の存在下、前記被滅菌処理材に超
音波を作用させるための超音波発生手段3とで滅菌装置
を構成する。前記滅菌装置は、容器本体内に水を供給す
るための給水手段を備えていてもよい。前記加熱手段2
により、前記給水手段による給水に関連して容器本体内
の水を加熱してもよく、前記超音波発生手段3により、
前記給水又は加熱に関連して、水又は前記加熱手段によ
り加熱された水の存在下、被滅菌処理材に超音波を作用
させてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被処理材(特に医
療器具)を効率よく洗浄し滅菌処理するための滅菌装置
(洗浄滅菌装置)に関する。
【0002】
【従来の技術】病院などの医療機関では、超音波を利用
した洗浄装置を用い、白衣、手術器具などを洗浄してい
る。しかし、このような洗浄装置では、医療器具に付着
した細菌を死滅させることができない。
【0003】そこで、医療機関において、種々の滅菌装
置が使用されている。例えば、注射針、メスなどの医療
器具および水を収容可能なトレイと、このトレイを加熱
するためのヒータとを備えた滅菌装置が利用されてい
る。この装置は、小型であり、取り扱いが簡便であると
ともに、加熱により医療器具をある程度滅菌できる。し
かし、検査・治療器具(内視鏡、カテーテル、シリンジ
など)、鉗子、手術用器具(ハサミ、ピンセットなど)
は、細孔、中空部、凹凸部又は隙間を有しているものが
多く、前記装置で処理しても、洗浄効率が低い。特に、
血液や体液が医療器具の複雑な部位に付着すると、洗浄
効率を大きく低下させる。そのため、短時間内に効率よ
く滅菌洗浄することが困難である。
【0004】洗浄・滅菌効率を向上させるため、オート
クレーブ装置を用いて加熱加圧滅菌することも考えられ
る。しかし、装置が大型化して取扱い性が低下する。そ
のため、使用済みの医療器具を簡便かつ効率よく滅菌洗
浄することが困難である。
【0005】一方、細菌の中には、煮沸消毒などでは効
率的に殺菌するのが困難な耐熱性菌(結核菌、芽胞菌な
ど)が知られている。このような菌を確実に滅菌する場
合にも、オートクレーブが用いられている。オートクレ
ーブでは、チャンバーに、医療器具を入れて、密閉した
後、滅菌室を加圧(約1〜2気圧)及び加熱(約100〜1
30℃程度)することにより、医療器具に付着している細
菌を高度に死滅できる。しかし、オートクレーブを用い
る場合も、医療器具の細孔や中空部に変性蛋白質などが
強固に付着し、その後の洗浄が非常に困難である。一
方、洗浄後、オートクレーブ殺菌することも考えられる
が、洗浄時に、周囲を菌体で汚染する虞があり、洗浄後
は、菌体に汚染された洗浄液も併せてオートクレーブす
る必要がある。特に、医療器具を急いで洗浄滅菌する必
要が生じた場合、例えば、使用直前に床に落とした手術
用器具を洗浄滅菌する場合でも、短時間で確実に洗浄滅
菌できず、緊急又は迅速な医療的措置に支障を来す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、形状や構造が複雑な医療器具であっても簡便かつ効
率よく滅菌洗浄できる滅菌装置を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、小型であっても医療
器具を高い効率で洗浄できるとともに滅菌処理できる滅
菌装置を提供することにある。
【0008】本発明の別の目的は、短時間でも確実に洗
浄滅菌できる滅菌装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成するため鋭意検討した結果、水中で加熱しつつ医
療器具に超音波を作用させると、粘性を有する血液や体
液などの蛋白質が付着していても、短時間内に有効に洗
浄及び滅菌処理できること、洗浄及び滅菌操作を自動化
することにより、短時間内に簡便かつ効率よく洗浄滅菌
処理できること、さらに、加圧、加熱下で超音波洗浄す
ると、確実に洗浄滅菌できることを見いだし、本発明を
完成した。
【0010】すなわち、本発明の滅菌装置は、被滅菌処
理材を滅菌するための装置であって、前記被滅菌処理材
および水を収容可能な収容部を有する容器本体と、この
容器本体内の被滅菌処理材を水とともに加熱するための
加熱手段と、前記容器本体内で、水の存在下、前記被滅
菌処理材に超音波を作用させるための超音波発生手段と
を備えている。収容部は、被滅菌処理材及び水を収容可
能な凹部を有していてもよく、この収容凹部の開口部
が、容器本体内の圧力を調整可能であってもよい蓋体で
開閉可能であってもよい。
【0011】また、本発明の滅菌装置は、前記容器本体
内に水を供給するための給水手段を備えていてもよい。
前記加熱手段により、前記給水手段による給水に関連し
て容器本体内の水を加熱しても、前記超音波発生手段に
より、前記給水又は加熱に関連して、水又は前記加熱手
段により加熱された水の存在下、被滅菌処理材に超音波
を作用させてもよい。さらに、滅菌装置は、前記超音波
発生手段の作動に応答して超音波を所定時間に亘り作用
させるためのタイマー手段を備えていてもよく、所定時
間が経過した後、前記容器本体内の水を排水するための
排水手段と、この排水手段により排水した後、前記医療
用被滅菌処理材を洗浄するための洗浄手段と、前記洗浄
手段による洗浄終了後、容器本体内を乾燥させるための
乾燥手段とを備えていてもよい。また、滅菌装置は、加
熱滅菌処理に先立って被滅菌処理材を清浄してもよく、
前記清浄をするか否かの選択が可能であってもよい。さ
らに、滅菌装置は、加熱手段による加熱温度を検出する
ための温度センサを備えていてもよく、加熱温度が基準
値以上であるとき、前記温度センサからの信号に応答し
て超音波を作用させてもよい。
【0012】本発明の滅菌装置では、前記容器本体を耐
圧性のチャンバーで形成してもよく、このチャンバー内
を加圧するための加圧手段を備えていてもよい。加圧手
段は、例えば、空気圧縮手段又は高圧水蒸気発生手段を
備えている。このような滅菌装置では、加圧手段がチャ
ンバー内を圧力1〜5気圧に加圧可能であってもよく、
加熱手段がチャンバー内を温度70〜150℃に加熱可
能であってもよい。さらに、チャンバー内に水を供給す
るための給水手段と、チャンバーから水を排出するため
の排水手段とを備えていてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、添付図面を参照しつつ本
発明を詳細に説明する。
【0014】図1は本発明の滅菌装置の一例を示す概略
断面図であり、図2は図1の滅菌装置を示す概略斜視図
である。
【0015】この例では、滅菌装置は、平面方形状の収
容部(この例では、収容凹部)1aを有し、上縁部に側
方に延びる鍔部1bが形成された容器本体1と、この容
器本体の収容凹部1aの底部に取り付けられたパイプヒ
ータ2と、前記容器本体1の底部の裏面に取り付けられ
た超音波振動子(発振器)3と、前記容器本体1の開口
部を開閉可能な蓋体4とを備えている。
【0016】前記容器本体1はステンレススチールなど
の耐食性金属で形成されており、収容凹部1aには被滅
菌処理材(この例では、医療器具などの医療用被滅菌処
理材)及び水が収容可能である。そのため、被処理体と
しての医療器具は、通常、水中に浸漬して滅菌処理され
る。ヒータ2はコードを介してコンセントに接続可能で
あり、容器本体1の側壁には、収容凹部1a内に延出す
るヒータ2による加熱温度を調整するためのコントロー
ラ2aが取り付けられている。
【0017】さらに、収容凹部1aのヒータ上には、被
処理体を載置するための棚5が配置されている。この棚
は、水の循環性又は通液性を高めるため、柵状、格子
状、メッシュ状などの通液可能な形態に形成されてい
る。
【0018】前記容器本体1の鍔部1bには、ヒンジを
介して容器本体1の開口部を蓋体4が開閉可能に取り付
けられているとともに、容器本体1の上縁部との密着性
を高めるため、蓋体4の周縁部の内面には、封止手段と
してのゴムなどのパッキン6が取り付けられている。ま
た、ヒンジ部と対向する部位には、蓋体4を鍔部1bに
止定するための止定手段としてのバックル7が取り付け
られれている。そのため、容器本体1の開口部は、蓋体
4により緊密に密閉可能である。さらに、蓋体4には、
密閉状態での容器本体1内の圧力を調整するための圧力
調整弁8が取り付けられている。なお、容器本体1の底
部には、脚部9又は下部空間が形成されている。
【0019】このような滅菌装置では、容器本体1内に
水又は加熱水(温水又は熱水)とともに医療器具を入れ
て蓋体4で密閉し、加熱しながら超音波を作用させるこ
とができる。そのため、複雑な構造の医療器具であって
も、簡便な操作で超音波洗浄しながら加熱滅菌処理を行
うことができ、洗浄効率及び滅菌効率を改善できる。さ
らに、圧力調整弁8による容器本体1内の圧力およびヒ
ータ2による加熱温度をコントロールできるので、細菌
の耐熱性に応じて効率よく滅菌処理できる。例えば、加
圧下で110℃程度にまで加熱することにより、結核菌
や芽胞菌などを確実に死滅させることができる。さら
に、装置が小型であるため、ヒータ2の能力がさほど高
くなくても加熱速度を大きくでき、簡便かつ迅速に洗浄
および加熱滅菌処理することもできる。
【0020】なお、加熱洗浄滅菌した後、容器本体内の
水を、排水パイプなどの排水手段を通じて排水し、清浄
な水で洗浄処理することにより、前記装置は繰り返し使
用できる。
【0021】容器本体の収容凹部は、前記医療器具およ
び水が収容可能であればよく、深底型、浅底型のいずれ
であってもよく、容器本体の形状は特に制限されない。
【0022】蓋体に取付けられた圧力調整手段は必ずし
も必要ではなく、圧力調整手段は、例えば、逃がし弁、
逆止弁などで構成できる。圧力調整手段による装置内の
圧力は、特に制限されず、例えば、1〜5気圧程度であ
ってもよい。また、滅菌処理は加圧又は密閉状態で行う
必要はなく、加圧状態で滅菌処理する場合、容器本体は
耐圧性容器本体であるのが好ましい。
【0023】なお、必要であれば、前記加熱手段及び/
又は超音波発生手段にはタイマーを接続し、所定時間経
過の後、加熱及び/又は超音波の照射を停止してもよ
い。
【0024】このような滅菌装置は、小型化及び取り扱
いが容易であるため、種々の医療器具の滅菌処理及び洗
浄処理に有利に利用できる。
【0025】本発明の装置では、洗浄滅菌を自動化して
もよい。図3は自動化した洗浄滅菌装置の一例を示す概
略斜視図であり、図4は図3に示す装置の電気的構成の
一例を示すフローチャートである。
【0026】図3の滅菌装置は、水及び被滅菌処理材が
収容可能な収容凹部1dを有する容器本体(ケース本
体)1cと、この容器本体1cの底部12に配設され、
かつ容器本体の収容凹部1dの水を加熱するためのヒー
タ2(加熱手段としてのパイプヒータ)と、前記収容凹
部1dのヒータ2上に配置された棚5とを備えている。
なお、前記被滅菌処理材は、通水性内トレー(ケージ又
はカゴ)内に収容されており、この通水性内トレーは前
記収容凹部の棚5上に取り出し可能に配置できる。前記
棚5は、前記図1の棚と同様に、通液可能な形態に形成
されている。前記容器本体1cは、ステンレススチール
などの耐食性金属で形成されており、容器本体1cのフ
ロント部には、装置の作動をコントロールするための操
作パネル11が配されている。前記ヒータ2はコードを
介してコンセントに接続可能である。なお、前記容器本
体1cの上部開口部は、カバー4aにより開閉可能であ
る。
【0027】前記容器本体1cの底部12の裏面には、
給水に応答又は関連づけて、水又は前記加熱手段により
加熱された前記水の存在下、前記被滅菌処理材に対して
超音波を作用させるため超音波振動子3(超音波発生手
段)が取り付けられている。
【0028】さらに、前記容器本体の側壁には、フィル
タを備えた給水口22aが形成され、この給水口22a
には、分岐ラインが接続され、分岐ラインの一方のライ
ンは、電磁弁などにより流量制御可能な給水ライン(給
水手段)として形成され、他方のラインは、前記容器本
体の収容凹部1d内を乾燥するための熱風供給ライン
(乾燥手段)として形成されている。給水ラインと熱風
供給ラインとの合流部又は分岐部において、給水操作と
熱風供給とは電気信号に応答して切換可能である。すな
わち、給水口22aは、容器本体の収容凹部1dに対し
て水を供給するためのポートとして機能させることがで
きるだけでなく、熱風吹き出し口としても機能させるこ
とができる。
【0029】前記容器本体1cの側壁上部には、ストレ
ーナを備えたオーバーフロー口10が形成され、給水口
22aから供給された過剰な水をオーバーフローさせる
ことができ、過剰な水はオーバーフロー口10に接続さ
れた排水パイプから排水可能である。また、容器本体の
収容凹部1dの底部12には、ストレーナを備えた排水
口23a(排水手段)が形成されており、加熱及び超音
波により洗浄滅菌処理した後、収容凹部1d内の水を排
水可能である。
【0030】このような装置の動作は、例えば、図4の
フローチャートに示されるように、次の通りである。
【0031】操作パネル11のスタートボタンを押す
と、スタート信号に応答して、給水ステップでは容器本
体内への給水が開始され、給水量を検出するためのセン
サ(レベルセンサや流量センサなど)により給水量を検
出し、給水量が所定量に達しないときにはさらに給水を
継続する。所定量の水が容器本体1cの収容凹部1d
(洗浄槽)に給水されると、前記センサからの検出信号
に応答して、加熱ステップにおいてヒータ2により水の
加熱を開始する。
【0032】ヒータ2による加熱温度は温度センサによ
り検出され、加熱温度が所定の温度(基準値)に到達し
ないときは、加熱が継続され、基準値に到達すると、超
音波処理ステップにおいて、温度センサからの検出信号
がタイマー及び超音波発生手段に与えられ、タイマーが
作動するとともに超音波発生手段により超音波を生成す
る。そのため、超音波処理ステップにおいては、タイマ
ーにより、被処理材に対して熱及び超音波を所定時間に
亘り作用させ、滅菌及び洗浄効率を高めることができ
る。すなわち、温度センサによる加熱温度が基準値に到
達したとき、タイマーによるカウントが開始されるとと
もに、超音波発生手段による超音波処理(又は超音波照
射)も開始される。タイマーによるカウントが所定の基
準値に達したとき(所定時間が経過したとき)、超音波
発生手段による超音波の生成(すなわち、超音波処理)
が終了する。
【0033】超音波処理の終了に応答して、排水ステッ
プでは、収容凹部1dの底部12の排水口23aに接続
された排水ラインの電磁弁が開き、排水が開始される。
容器本体内の水の排水は、検出手段(レベルセンサ、排
水ラインの流量センサなど)により検出され、排水が完
了すると、洗浄ステップにおいて、前記検出手段からの
排水完了信号に応答して、前記給水ラインから給水口2
2aを通じて容器本体内に清浄な水(温水又は熱水であ
ってもよい)が給水され、洗浄処理又はリンス処理が行
われる。所定回数又は所定時間に亘り洗浄又はリンス処
理を行った後、洗浄又はリンスに用いた液は排出され
る。
【0034】洗浄液又はリンス液の排出も、前記検出手
段(レベルセンサ、流量センサなど)により検出され、
検出手段からの排出完了信号に応答して、分岐ラインの
電磁弁(切換手段)を切り換え、乾燥ステップにおい
て、分岐ラインのうち熱風供給ラインから熱風が給水口
22aから容器本体内に供給され、収容凹部1d内の乾
燥が行われる。乾燥はタイマーに設定された所定時間に
亘り行うことができ、必要により水分センサにより乾燥
の程度を検出し、所定の基準値に達したとき、乾燥を終
了させてもよい。
【0035】前記洗浄処理及びリンス処理は、滅菌処理
の前に行ってもよく、滅菌処理の前後両方で行ってもよ
い。図5は、洗浄処理を行った後、滅菌処理するための
滅菌装置を説明するためのフローチャートである。な
お、図5の例では、滅菌処理に先立って被滅菌処理材を
清浄化するか否かを選択している。すなわち、この装置
では、モード選択ステップで、滅菌処理に先立って被滅
菌処理材を清浄化(又は清浄処理)し、滅菌処理するモ
ード(モード1)又は、滅菌処理に先立って被滅菌処理
材を清浄処理することなく滅菌処理するモード(モード
2)が選択可能である。モード選択は、前記操作パネル
11の操作により行うことができる。
【0036】モード選択すると、操作パネル11からの
スタートボタンからのスタート信号に応答して、洗浄処
理では、給水口22aから容器本体内への給水が行わ
れ、給水が所定量に達すると、吸水量を検出するための
センサからの信号に応答して、加熱手段は、所定温度
(例えば、30〜50℃程度)まで加温する。温度が基
準値に到達すると、温度センサからの検出信号がタイマ
ー及び超音波発生手段に与えられ、タイマーが作動する
とともに超音波発生手段により超音波を生成し、被滅菌
処理材を超音波洗浄する。なお、加温は必ずしも必要で
はないが、加温により洗浄効率を高めることができる。
所定時間が経過すると、タイマーによる信号に応答し
て、超音波の生成が終了する。
【0037】また、前記所定時間の経過によるタイマー
からの信号に応答して、選択モードに応じた処理が行わ
れる。清浄処理を行うモード1が選択されている場合、
超音波洗浄終了によるタイマーの信号に応答して、洗浄
に用いた液の排出が開始される。洗浄液の排出が完了す
ると、リンス処理(すすぎ処理)では、所定液量まで給
水口22aからリンス液(温水又は熱水であってもよい
水など)が供給され、必要により超音波を所定時間発生
させた後、リンス液を排出するリンス処理を所定回数繰
り返す。リンス処理の回数は、リンス液の排出の完了に
応答してリンスの回数を加算する計数手段(カウンター
など)によりカウントされる。なお、リンス処理は、給
水ラインの電磁弁及び排水ラインの電磁弁を開き、所定
時間又は所定液量、連続的又は断続的にリンス液(水、
温水など)を供給する時間制御又は流量制御で行っても
よいが、通常、前記回数制御で行う。リンス処理を所定
回数行うことにより、リンス液の供給圧(水の場合は、
水道圧)が変動しても、確実にすすぎを行い、すすぎ不
良を防止できる。なお、リンス処理の回数は、1回以上
である限り、特に制限されず、例えば、1〜10回程
度、好ましくは2〜5回程度である。また、この例で
は、最終リンス処理において、リンス液を加熱し、所定
温度(例えば、80〜100℃程度)まで加熱してい
る。
【0038】所定のリンス回数に達すると、カウンター
からの信号に応答して、被滅菌処理材を加熱滅菌するた
め、所定量まで容器本体内に水が供給される。給水量が
所定量に達すると、前記図4の例と同様に、給水した水
を加熱する加熱ステップ、被滅菌処理材に超音波を作用
させる超音波処理ステップ、滅菌した後、排水する排水
ステップ、被滅菌処理材を乾燥する乾燥ステップによ
り、被滅菌処理材を処理する。
【0039】一方、清浄処理を行わないモード2が選択
されている場合、超音波洗浄終了後、洗浄液を排出する
ことなく、ヒーター2により加熱する。加熱温度を温度
を温度センサにより検出し、加熱温度が所定の温度に到
達すると、前記モード1と同様にして、超音波処理ステ
ップ、排水ステップ、乾燥ステップにより、被滅菌処理
材を処理する。
【0040】このような装置において、モード1を選択
すると、滅菌処理に先立って被滅菌処理材を確実に洗浄
できる。そのため、菌体濃度を大きく低減でき、超音波
処理による洗浄及び滅菌を確実に行うことができる。一
方、モード2を選択しても、菌を確実に死滅させた後で
洗浄液を排出するため、環境を汚染する虞がない。
【0041】なお、自動化した滅菌装置において、滅菌
洗浄処理された被処理材は、滅菌処理(超音波や加熱に
よる滅菌処理)後の適当な段階(例えば、加熱及び超音
波による滅菌処理、排水処理、洗浄処理又は乾燥処理の
後)で、容器本体1c又は内トレーから取り出すことが
できるが、通常、乾燥処理の後、被処理材を取り出す場
合が多い。また、滅菌処理の前又は後の洗浄ステップで
は、薬液(アルコールなどの消毒液、中性洗剤、弱アル
カリ洗剤など)を利用してもよい。
【0042】自動化滅菌装置は、容器本体と給水手段と
加熱手段と超音波発生手段とを備えていればよく、容器
本体は直接又は間接的に被滅菌処理材を収容可能であれ
ばよく、通水性内トレー(ケージ又はカゴ)は必ずしも
必要ではない。容器本体の収容凹部は、前記被滅菌処理
材及び水が収容可能であればよく、前記図1の装置と同
様に、深底型、浅底型のいずれであってもよく、容器本
体の形状は特に制限されない。
【0043】給水手段は、単一箇所に限らず複数箇所に
設けてもよい。加熱時間を短縮するため、加温槽又は加
熱槽から温水又は熱水を供給してもよい。また、洗浄効
率を高めるため、水、温水又は熱水には、消毒液、界面
活性剤などの洗浄剤を加えてもよい。給水手段からの水
には滅菌処理水を用いてもよい。さらに、給水手段は水
をシャワー状に散布するスプレー手段であってもよい。
さらには、給水量が過剰となりオーバーフロー口よりも
水位が上昇すると、水位をセンサで検出し、給水を停止
し、水位が下がると給水を再開してもよい。なお、給水
及び乾燥のための給水口と熱風供給口はそれぞれ個別に
形成してもよい。
【0044】また、給水ステップ、洗浄ステップ、リン
スステップ等において給水手段により給液(滅菌洗浄に
用いる水の給水、洗浄液やリンス液の給液など)する場
合、給液量を設定可能であってもよい。すなわち、給液
時に流量センサ等の検出手段により流量を検出し、設定
された液量に到達したときに、給液を停止してもよい。
給液量を調節することにより、給液に伴う容器本体1c
内の液深を被滅菌処理材の大きさや量に合わせて調節で
き、水、洗浄液、リンス液等を節約できる。
【0045】加熱手段による加熱は少なくとも給水に関
連して行えばよく、所定の給水量への到達に応答して加
熱してもよく、空焚きを防止するため、所定の給水量に
達しなくても、給水開始に連動してヒータによる加熱を
開始してもよい。複数の給水及び加熱工程を経て、ヒー
タによる加熱を行ってもよい。例えば、低い第1のレベ
ルに給水量が達した後、ヒータによる加熱を開始し、所
定の第2のレベルにまで給水しながらヒータによる加熱
を行ってもよい。
【0046】なお、自動化滅菌装置による滅菌処理で
は、加圧又は密閉状態で行う必要はないが、前記ケース
本体及びカバー(蓋体)で緊密に封止可能な耐圧性容器
を構成する場合には、加圧状態で加熱温度をさらに上昇
させることができ、耐熱性細菌をも効率よく滅菌処理で
きる。加圧は、例えば、後述の加圧式(オートクレーブ
方式)洗浄滅菌装置の空気圧縮手段、加圧水蒸気発生手
段などを利用してもよい。加圧下で滅菌処理する場合、
温度は、例えば、70℃以上(例えば、80〜110
℃)、好ましくは85〜110℃、さらに好ましくは9
0〜110℃程度である。なお、ケース本体及びカバー
で耐圧性容器を構成する場合、前記給水口、排水口及び
オーバーフロー口の流路は、それぞれ給水ライン、排水
ライン及び流出ラインの開閉弁(電磁弁など)により開
閉可能である。耐圧性容器のカバー(蓋体)には、必要
により圧力調整手段(例えば、逃がし弁、逆止弁など)
を取り付けてもよく、耐圧性容器内の圧力は、特に制限
されず、例えば、1〜3気圧程度であってもよい。な
お、煮沸温度(約100℃程度)で5分以上(好ましく
は10分以上、さらに好ましくは15分以上)加熱する
ことにより、結核菌や芽胞菌などを確実に死滅させるこ
とができる。
【0047】超音波発生手段は、給水又は加熱に関連し
て、水の存在下で前記被滅菌処理材に対して超音波を作
用させればよい。給水に関連して超音波を作用させる場
合、所定の給水量への到達に応答して超音波を生成させ
てもよく、超音波を作用させるのに有効な給水量(例え
ば、被処理材の上端面が浸漬する量)に達したとき、超
音波を生成させてもよい。加熱に関連して超音波を作用
させる場合、所定の加熱温度への到達に応答して超音波
を生成させてもよく、加熱の開始に連動して超音波を生
成させてもよい。超音波は、熱水に限らず水又は温水の
存在下で超音波を作用させてもよい。好ましい態様で
は、滅菌洗浄効率を高めるため、熱水の存在下で超音波
を作用させる。
【0048】自動化滅菌装置は、タイマー手段、例え
ば、超音波を所定時間に亘り作用させるためのタイマー
手段、乾燥のための温風又は熱風を所定時間供給するた
めのタイマー手段などを備えているのが好ましい。超音
波を所定時間に亘り作用させるためのタイマー手段は、
給水開始、所定の給水量への到達、加熱開始、所定の加
熱時間への到達、所定の加熱温度への到達などに応じて
作動させてもよく、通常、加熱手段による加熱時間が設
定値(基準値)以上であるとき、特に加熱温度が設定値
(基準値)以上であるとき、基準値への到達に応答(す
なわち、加熱温度を検出するための温度センサからの信
号に応答)して作動させることができる。また、乾燥の
ためのタイマー手段は、洗浄や滅菌の終了後の排水の完
了に応じて作動させることができる。
【0049】自動化装置において加熱滅菌洗浄処理はマ
ニュアル操作で行ってもよい。すなわち、自動操作とマ
ニュアル操作との切換ボタン又はスイッチによりマニュ
アル操作を選択可能であってもよい。例えば、図4の操
作をマニュアルで行う場合、給水ステップでは、給水ボ
タンを押圧することにより所定量の水を容器本体内に給
水し、加熱ステップでは、加熱ボタンの押圧により加熱
を開始できる。また、超音波処理ステップでは、必要に
よりタイマーによる処理時間を設定し、超音波処理ボタ
ンを押圧することにより所定時間に亘り超音波を被処理
材に作用させてもよい。所定時間に亘り超音波を作用さ
せた後、排水ボタンを押圧することにより排水を開始
し、排水の完了後、必要によりタイマーによる洗浄時間
を設定し、洗浄ボタンを押圧することにより洗浄又はリ
ンスすることができる。また、洗浄又はリンスの終了
後、必要によりタイマーによる乾燥時間を設定し、乾燥
ボタンを押圧することにより所定時間に亘り収容凹部を
乾燥させることができる。また、図5の操作をマニュア
ルで行う場合も前記図4の場合と同様にして、各ステッ
プを単独で行うことができる。
【0050】なお、これらのステップにおいて、先行す
るステップが終了するまでは、後続ステップの操作をロ
ックしていてもよい。例えば、空焚きなどを防止するた
め、給水ステップにおいて所定量の水が給水されるまで
は、加熱ステップの操作ができないようにロックしてい
てもよく、所定の温度で超音波を作用させるため、加熱
ステップにおいて所定の温度に加熱されるまでは、超音
波処理ステップをロックしてもよい。また、超音波処理
が終了するまでは、排水処理をロックしてもよい。
【0051】なお、前記滅菌装置では、振動による接着
力の低下や振動子の脱落などを防止するため、1又は複
数の超音波振動子は、接着剤(シリコーン系接着剤な
ど)で容器本体の適所(底部、側面など)に取り付ける
ことができる。なお、超音波振動子の放射面は容器本体
の適所(底面、側面など)に露呈又は接触している。
【0052】また、前記滅菌装置では、容器本体の開口
部を開閉可能な蓋体は必ずしも必要ではなく、容器本体
の開口部は開放していてもよい。なお、蓋体を形成する
材料は、特に制限されず、金属、樹脂(耐熱性の樹脂な
ど)、ガラスなどから選択できる。また、加熱滅菌処理
の状況(例えば、沸騰状態など)を確認するため、蓋体
は容器本体内が視認可能な窓部(例えば、透明又は半透
明部)を有していてもよく、蓋体を透明又は半透明な材
料(ガラス、透明又は半透明な樹脂(特に、耐熱性樹
脂)など)で形成してもよい。
【0053】自動化洗浄滅菌装置は、取扱いが容易であ
るため、種々の被滅菌処理材を簡易かつ効率よく洗浄滅
菌でき、特に、形状や構造が複雑な医療用被滅菌処理材
の洗浄滅菌に好適に利用できる。また、洗浄滅菌装置
は、小型(又は軽量)の滅菌装置に利用でき、例えば、
汚染発生源での現場処理などでの洗浄滅菌処理に有利に
利用できる。なお、洗浄滅菌処理後の被滅菌処理物は、
必要であれば、例えば、後述の加圧式洗浄滅菌装置を用
いて高度に滅菌処理してもよい。
【0054】図6は、本発明の加圧式(オートクレーブ
方式)洗浄滅菌装置の一例を示す概略図である。
【0055】加圧式滅菌装置は、被滅菌処理材及び水を
収容するための容器本体(この例では、耐圧性チャンバ
ー)1eを有している。チャンバー1eの前面開口部に
は、チャンバー1eを緊密に密閉できる耐圧性の蓋体4
bが開閉可能に設けられており、被滅菌処理材の出し入
れができる。なお、被滅菌処理材は、前記滅菌装置と同
様、通水性容器24(ケージ又はカゴなど)に入れて、
チャンバー1e内に収容できる。また、チャンバー1e
の上部には、給水ライン22b(給水手段)が接続され
ており、この給水ライン22bを通じて水槽25から、
水(温水又は熱水であってもよい)をチャンバー1e内
に供給できる。
【0056】そして、チャンバー1e内の下部には、被
滅菌処理材及び水を加熱するためのヒーター2(加熱手
段)と、超音波を発生可能な超音波振動子3(超音波発
生手段)が設けられている。なお、ヒーター2及び超音
波振動子3の上側には、被滅菌処理材を載置するための
通液性(特に、通水性)の棚5が設けられており、被滅
菌処理材がヒーター2及び超音波振動子3と直接接触す
るのを防止している。また、チャンバー1eの上部に
は、加圧ライン13が接続されており、この加圧ライン
13には、チャンバー内を加圧するためのエアーポンプ
21a(空気圧縮手段としての加圧手段)及びボイラー
21b(加圧水蒸気発生手段としての加圧手段)が、そ
れぞれ、開閉式のバルブ14d及びバルブ14eを介し
て取付けられている。エアーポンプ21aの吸気側に
は、エアーフィルター20が配設されているため、エア
ーフィルター20を介して、無菌性の空気をチャンバー
1e内に供給でき、チャンバー1e内が雑菌などで汚染
されるのを防止しながら、加圧できる。一方、前記ボイ
ラー21bは、ウォータータンク15から水を汲み上げ
るためのポンプ16、及び汲み上げた水を加熱して加圧
水蒸気を生成するためのヒーター17(電気式ヒーター
など)とで構成されている。そのため、加圧水蒸気をチ
ャンバー1e内に供給することにより、加圧できる。こ
のように、加圧式滅菌装置は、加熱手段、加圧手段及び
超音波発生手段とを備えているため、チャンバー1e内
に収容された被滅菌処理材を、水の存在下、加熱・加圧
しながら効率よく、確実に超音波洗浄滅菌できる。
【0057】なお、チャンバー1e内は、エアーポンプ
21a及びボイラー21bの一方で加熱してもよく、両
方で加熱してもよい。エアーポンプ21a及び/又はボ
イラー21bと、チャンバー1eとを接続するラインに
取り付けられたバルブ14d及び14eを開閉すること
により、加圧手段を切換え又は選択できる。加圧におい
て、エアーポンプ21aで加圧する場合、チャンバー内
を速やかに加圧できる。また、ボイラー21bで加圧す
る場合、加熱を兼ねながらチャンバー内を加圧でき、効
率的である。
【0058】加圧式滅菌装置では、加圧下で加熱するた
め、100℃以上の高い温度で殺菌できる。また、圧力
は、加熱温度に応じて適宜選択できるが、例えば、1〜
5気圧程度、好ましくは1〜3気圧程度、さらに好まし
くは1〜2気圧程度である。
【0059】なお、図6の加圧式滅菌装置は、安全の
為、圧力開放部位を有している。すなわち、チャンバー
1eの上部には、高圧時に自動的に圧力を開放する圧力
弁8(電磁式圧力弁、ラプチャディスクなど)が設けら
れている。また、チャンバー1eに配設された加圧ライ
ン13からは、圧力開放ライン19aが分岐しており、
この圧力開放ライン19aにはバルブ14fが取り付け
られている。このため、バルブ14fの開閉により、加
圧ライン13を流れる圧縮空気又は加圧水蒸気の供給又
は開放を切換えできる。また、ボイラー21bと加圧ラ
イン13とを結ぶラインのうち、上流側には、圧力開放
ライン19bが分岐して接続されており、この圧力開放
ライン19bにはバルブ14hが取り付けられている。
このため、バルブ14hを開くことにより、ボイラー2
1bからの加圧水蒸気を開放できる。
【0060】加圧下で、洗浄滅菌した後の水は、チャン
バー1eの下部から延出するドレイン23b又はドレイ
ン23c(排水手段)を通じて排出できる。本発明の装
置によれば、洗浄後の排水は、高度に滅菌されているた
め極めて安全である。なお、ドレイン23cからの排出
液は、ストレーナ18c、バルブ14c、逆止弁29c
を通じて、前記ボイラー21bの為のウォータータンク
15に排出される。このため、排出液を、加熱水蒸気と
して再利用(リサイクル)できる。なお、排出液をリサ
イクルする場合、リサイクル回数は、例えば、10〜6
0回程度、好ましくは20〜50回程度である。
【0061】このような滅菌装置を用いると、蓋体4b
を開放して被滅菌処理材をチャンバー1e内に収容し、
給水ライン22bから水を導入した後、ヒーター2で加
熱しながら、エアーポンプ21a及び/又はボイラー2
1bで、空気及び/又は加圧水蒸気により加圧すること
により、高温・高圧で被滅菌処理材を殺菌できる。この
ため、耐熱性の菌で汚染されていても、簡便かつ確実に
洗浄滅菌できる。また、緊急に耐熱性菌を滅菌する必要
がある場合でも、短時間で簡便に洗浄滅菌できる。
【0062】加圧式滅菌装置においても、前記図3の滅
菌装置同様、通水性トレー(ケージ又はカゴ)は必ずし
も必要ではない。棚5も必ずしも必要ではない。また、
給水ラインを複数箇所に設けてもよく、給水ラインから
は、温水、熱水又は界面活性剤などが溶解した洗浄液を
供給してもよく、洗浄滅菌終了後は、給水ラインから、
リンス液を供給してもよい。また、必要により、チャン
バーに熱風供給ラインを接続して、リンス後の被滅菌処
理物を乾燥してもよい。
【0063】なお、加圧手段のうち、エアーポンプ21
a及びボイラー21bは、少なくともいずれか一方を備
えていればよい。
【0064】さらに、加圧式滅菌装置においても、前記
図3の滅菌装置と同様に、自動化してもよい。例えば、
図4のフローチャートにおいて、加熱ステップの前、
後、若しくは平行して、加圧ステップを設けてもよい。
なお、加熱温度を100℃以上にする場合、加圧ステッ
プは、加熱ステップの前又は加熱ステップと平行して設
けられる場合が多い。
【0065】加圧ステップでは、給水量を検出するため
のセンサからの検出信号に応答して、エアーポンプ21
aからの空気量を調整するためのバルブ14dやボイラ
ー21bからの加圧水蒸気量を調整するためのバルブ1
4eを開にして、チャンバー1e内を加圧する。チャン
バー1e内の圧力は、圧力センサにより検出され、所定
の圧力に到達しないときは、加圧が継続され、所定の圧
力に到達すると、前記バルブ14dやバルブ14eが閉
になり、加圧が終了する。なお、圧力が所定の圧力より
も高くなりすぎた場合、圧力センサからの信号に応答し
て、圧力開放ライン19aのバルブ14fを一時的に開
にして、所定圧力まで圧力を下げてもよい。
【0066】また、加圧式滅菌装置においても、所定時
間、高圧・高温(例えば、1気圧以上、100℃以上)
で超音波を照射するため、前記滅菌装置と同様のタイマ
ー手段を備えていてもよい。
【0067】なお、加圧式滅菌装置において、特に洗浄
滅菌処理する必要がない場合、洗浄と滅菌とを別々に行
ってもよい。例えば、チャンバーに被滅菌処理材を入
れ、水を満たして超音波洗浄した後、水を抜いてオート
クレーブ処理してもよい。
【0068】加圧式滅菌装置は、小型化することもでき
る。図7の滅菌装置は、小型化に適した加圧式滅菌装置
の概略図である。図7の滅菌装置のチャンバー1eは、
上方部に開閉可能な蓋体4bを有しているため、蓋体4
bを開くことにより形成される開口部から、被滅菌処理
材と水(熱湯などであってもよい)とをチャンバー1e
内に収容できる。加圧手段としては、小型化が容易なエ
アーポンプ21aが有利に利用できる。そして、加圧・
加熱下で洗浄滅菌処理後は、チャンバー1eの下部に設
けられたドレイン23bから水を排出し、蓋体4bを開
いて、洗浄滅菌処理された被滅菌処理材を取り出すこと
ができる。このような簡易な加圧式滅菌装置でも、高
温、高圧下で超音波処理できるため、高度に確実に洗浄
滅菌できる。
【0069】なお、図7の加圧式滅菌装置において、ド
レイン23bは、必ずしも必要ではない。
【0070】本発明の滅菌装置において、容器本体(又
はチャンバー)は、耐食性の材質、例えば、ステンレス
スチールなどの耐食性金属で形成してもよい。また、容
器本体は、樹脂(耐熱性の樹脂など)、セラミックスな
どでコーティングしてもよい。
【0071】加熱手段の設置場所は、容器本体(又はチ
ャンバー)内を加熱可能である限り特に限定されず、容
器本体の上方部、中方部、下方部のいずれであってもよ
い。
【0072】加熱手段としては、前記ヒータに限らず種
々の加熱手段、例えば、ガスコンロなどのバーナー、電
磁波を用いた加熱なども利用できる。加熱温度は、加圧
の程度や細菌の耐熱性に応じて選択でき、例えば、常圧
下で加圧する場合、50〜100℃程度の範囲から選択
でき、通常、70℃〜煮沸温度(約100℃)、好まし
くは80℃〜煮沸温度(約100℃)程度、さらに好ま
しくは90℃(特に93℃)〜煮沸温度(約100℃)
程度である。また、加圧可能な容器本体を用いる場合、
加熱温度は、70℃以上(例えば、80〜110℃程
度)、好ましくは85〜110℃程度、さらに好ましく
は90〜110℃程度の範囲から選択できる。特に、チ
ャンバーなどの高い耐圧性を有する容器本体を用いる場
合、加熱温度は、70〜150℃程度の範囲から選択で
き、通常、100〜140℃程度、好ましくは110〜
130℃程度である。
【0073】加熱による滅菌時間(特に、熱水の存在下
で超音波を照射する時間)は、菌を死滅できる限り特に
制限されないが、例えば、3分以上(3〜30分程
度)、好ましくは5〜20分程度、さらに好ましくは7
〜15分程度の範囲から選択できる。
【0074】超音波発生手段(超音波振動子)におい
て、超音波の周波数は、滅菌洗浄効率を損なわない限り
特に制限されず、例えば、発振周波数10〜50kHz
(好ましくは20〜50kHz,さらに好ましくは25
〜50kHz)程度の範囲から選択できる。また、超音
波出力も洗浄性を損なわない範囲から選択でき、例え
ば、100〜1200W、好ましくは100〜600W
程度の範囲から選択できる。このような超音波振動子を
利用すると、キャビテーションにより被処理材の洗浄効
率を高めることができるとともに、場合によっては細菌
を破砕することも可能となる。また、蛋白質が付着した
ような使用済の医療器具を滅菌しても、変性蛋白が器具
に強固に付着することなく、効率よく洗浄できる。
【0075】本発明の滅菌装置は、簡便に滅菌処理でき
るため、種々の被滅菌処理材、特に、迅速で、高い滅菌
処理精度(安全性)が求められる医療用被滅菌処理材
(医療器具など)の滅菌処理及び洗浄処理に有効に利用
できる。特に、小型(又は軽量)の滅菌装置に利用で
き、例えば、汚染発生源での現場処理などでの洗浄滅菌
処理に有利に利用できる。また、滅菌だけでなく洗浄も
可能なオートクレーブ方式の滅菌装置としても利用でき
る。
【0076】
【発明の効果】本発明では、加熱と超音波とを組み合わ
せて医療器具を処理するため、洗浄及び滅菌効率を高め
ることができる。また、加熱処理と超音波処理との組み
合わせにより装置を小型化することができる。そのた
め、形状や構造が複雑な医療器具に血液や体液が付着し
ていても、短時間内に効率よく滅菌処理できる。特に、
給水に応答又は関連して加熱し、超音波を作用させる場
合、取り扱いが容易であり、小型であっても医療器具を
高い効率で洗浄滅菌処理できる。また、耐圧性容器や加
圧手段を利用する場合、加圧下で滅菌処理でき、短時間
でも安全かつ確実に洗浄滅菌できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の滅菌装置の一例を示す概略断面
図である。
【図2】図2は図1に示す滅菌装置を示す概略斜視図で
ある。
【図3】図3は本発明の滅菌装置の他の例を示す概略図
である。
【図4】図4は図3に示す装置の電気的構成の一例を示
すフローチャートである。
【図5】図5は図3に示す装置の電気的構成の他の例を
示すフローチャートである。
【図6】図6は本発明の滅菌装置の別の例を示す概略図
である。
【図7】図7は本発明の滅菌装置のさらに別の例を示す
概略図である。
【符号の説明】
1、1c…容器本体 1e…チャンバー 2…加熱手段 3…超音波発生手段 4…蓋体 21、21a、21b…加圧手段 22a、22b…給水手段 23、23a、23b、23c…排水手段

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被滅菌処理材を滅菌するための装置であ
    って、前記被滅菌処理材および水を収容可能な収容部を
    有する容器本体と、この容器本体内の被滅菌処理材を水
    とともに加熱するための加熱手段と、前記容器本体内
    で、水の存在下、前記被滅菌処理材に超音波を作用させ
    るための超音波発生手段とを備えている滅菌装置。
  2. 【請求項2】 収容部が被滅菌処理材及び水を収容可能
    な凹部を有し、この収容凹部の開口部が、容器本体内の
    圧力を調整可能であってもよい蓋体で開閉可能である請
    求項1記載の滅菌装置。
  3. 【請求項3】 被滅菌処理材および水を収容可能な収容
    凹部を有する容器本体と、前記収容凹部に取り付けられ
    たヒーターと、容器本体に取り付けられた超音波振動子
    とを有し、容器本体内の圧力を調整するための圧力調整
    弁を有する開閉可能な蓋体が前記収容凹部の開口部にバ
    ックルにより取り付けられている請求項1記載の滅菌装
    置。
  4. 【請求項4】 容器本体内に水を供給するための給水手
    段を備え、加熱手段が前記給水手段による給水に関連し
    て容器本体内の水を加熱可能であり、超音波発生手段
    が、前記給水又は加熱に関連して、水又は前記加熱手段
    により加熱された水の存在下、被滅菌処理材に超音波を
    作用させることが可能である請求項1記載の滅菌装置。
  5. 【請求項5】 水及び医療用被滅菌処理材が収容可能な
    容器本体内に給水するための給水手段と、給水された水
    を加熱するための加熱手段と、この加熱手段により加熱
    された前記水の存在下、前記被滅菌処理材に対して超音
    波を作用させるための超音波発生手段と、この超音波発
    生手段の作動に応答して超音波を所定時間に亘り作用さ
    せるためのタイマー手段と、前記所定時間が経過した
    後、前記容器本体内の水を排水するための排水手段と、
    この排水手段により排水した後、前記医療用被滅菌処理
    材を洗浄するための洗浄手段と、前記洗浄手段による洗
    浄終了後、容器本体内を乾燥させるための乾燥手段とを
    備えている請求項1記載の滅菌装置。
  6. 【請求項6】 容器本体内に収容された医療用被滅菌処
    理材を洗浄するための洗浄手段と、前記洗浄手段による
    洗浄終了後、洗浄液を排水し、被滅菌処理材をリンスす
    るためのリンス手段と、前記リンス手段によるリンスの
    終了後、容器本体内に水を供給するための給水手段と、
    容器本体内の水を加熱するための加熱手段と、加熱され
    た前記水の存在下、前記被滅菌処理材に対して超音波を
    作用させるための超音波発生手段と、この超音波発生手
    段の作動に応答して超音波を所定時間に亘り作用させる
    ためのタイマー手段と、前記所定時間が経過した後、前
    記容器本体内の水を排水するための排水手段と、この排
    水手段による排水の完了に応答して容器本体内を乾燥さ
    せるための乾燥手段とを備えている装置であって、加熱
    滅菌処理に先立って被滅菌処理材を清浄するか否かの選
    択により、洗浄終了後、リンス又は加熱への移行を選択
    するための選択手段を有する請求項1記載の滅菌装置。
  7. 【請求項7】 加熱手段による加熱温度を検出するため
    の温度センサと、加熱温度が基準値以上であるとき、前
    記温度センサからの信号に応答して超音波を作用させる
    ための超音波発生手段を備えている請求項1記載の滅菌
    装置。
  8. 【請求項8】 容器本体に水を供給するための給水ライ
    ンと、収容凹部を乾燥するための熱風供給ラインとで形
    成される分岐ラインが容器本体に接続し、給水と熱風供
    給の切り換えが可能な切換手段を備えている請求項4記
    載の滅菌装置。
  9. 【請求項9】 容器本体が耐圧性のチャンバーであり、
    このチャンバー内を加圧するための加圧手段を備えてい
    る請求項1記載の滅菌装置。
  10. 【請求項10】 加圧手段が、空気圧縮手段又は高圧水
    蒸気発生手段を備えている請求項9記載の滅菌装置。
  11. 【請求項11】 加圧手段がチャンバー内を圧力1〜5
    気圧に加圧可能であり、加熱手段がチャンバー内を温度
    70〜150℃に加熱可能であって、チャンバー内に水
    を供給するための給水手段と、チャンバーから水を排出
    するための排水手段とをさらに備えている請求項9記載
    の滅菌装置。
  12. 【請求項12】 被滅菌処理材及び水を収容するための
    耐圧性チャンバーと、このチャンバーの前面開口部に開
    閉可能に設けられかつチャンバーを緊密に密閉可能な耐
    圧性の蓋体とを有し、前記チャンバーにエアーポンプ及
    びボイラーが接続し、前記エアーポンプによる加圧及び
    ボイラーによる加圧が切り換え可能である請求項9記載
    の滅菌装置。
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