JP2001068137A - Co除去装置及び燃料電池発電システム - Google Patents

Co除去装置及び燃料電池発電システム

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JP2001068137A
JP2001068137A JP23707399A JP23707399A JP2001068137A JP 2001068137 A JP2001068137 A JP 2001068137A JP 23707399 A JP23707399 A JP 23707399A JP 23707399 A JP23707399 A JP 23707399A JP 2001068137 A JP2001068137 A JP 2001068137A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的簡単な装置構成であって、COの選択
酸化反応を高反応率で且つ選択性よく行うことのできる
CO除去装置を提供する。 【解決手段】 選択酸化触媒器50は、ガス流通管52
1の内部に選択酸化触媒が充填されてなる選択酸化触媒
層を備え、この選択酸化触媒層が内筒管511で仕切ら
れて、第1配管55から供給される比較的高温の混合ガ
ス(改質ガス+空気)が流通する第1流通部501と、
第2配管56からから供給される比較的低温の混合ガス
が流通する第2流通部502とが形成されている。そし
て選択酸化触媒器50において、第1流通部501及び
第2流通部502を流通する混合ガスは、流れる向きが
同じであって互いに熱交換されるように構成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CO除去装置、並
びにCO除去装置を用いた燃料電池発電システムに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】燃料電池発電システムとして、比較的容
易かつ安価に入手することができる天然ガス,ナフサ等
の軽質炭化水素やメタノール等のアルコール類を燃料と
し、これを改質することによって水素リッチなガスを生
成し、これを燃料電池の燃料極に供給すると共に空気極
に空気を供給し、電気化学的に反応させて発電を行うも
のが開発されており、携帯用の電源として実用化されて
いる他、電気自動車の電源としても注目されいてる。
【0003】図10は、このような燃料電池発電システ
ムの概略構成の一例を示す図である。改質器601で
は、燃料に水蒸気を混合して水蒸気改質反応を行うこと
によって水素リッチな改質ガスを生成する。この反応は
高温に加熱した改質用触媒層の中で行われるが、この
際、水素と共に一酸化炭素(以下「CO」と記載す
る。)も副生されCO濃度が10〜15%程度となる。
【0004】燃料電池604の燃料極には、白金などの
触媒が用いられているが、COは、この触媒を劣化させ
て発電性能を低下させる原因となるので、改質器601
の下流にCO変成器602を設け、下記反応式のように
COを水蒸気で変成することによりCO濃度を低減して
から燃料電池604に供給するようにしている。 CO+H2O→CO2+H2 …(1) ただし、CO変成器602では、CO濃度を1%程度ま
でしか低減することができず、固体高分子型(PEF
C)のように比較的低温で作動する燃料電池の場合は、
電極触媒の劣化が生じやすいので、更に改質ガス中のC
O濃度を低減する必要がある。
【0005】そこで、CO除去装置603を設け、改質
ガスに少量の空気を添加混合し、選択酸化触媒層を通過
させて下記反応式のようにCOを選択的に酸化すること
によりCOを除去してから燃料電池604に供給する。 2CO+O2→2CO2 …(2) ところで、CO除去装置においては、選択性を良好に保
つこと、即ちできるだけ水素を燃焼させることなくCO
を高い反応率で燃焼させることが望まれる。そのため
に、選択酸化触媒層を選択酸化性の優れる温度範囲に保
つことが重要であって、選択酸化触媒層の温度がその温
度範囲より高いと酸化反応の選択性が悪くなり、低いと
COが効率よく燃焼されない。
【0006】選択酸化触媒の種類によって選択酸化性の
優れる温度範囲は異なるが、一般的には100℃〜25
0℃程度の範囲、その中でも200℃以下の範囲が優れ
るとされている。現在、比較的簡単な構成のCO除去装
置としては、図11に示すように円筒管610の中に選
択酸化触媒を充填した選択酸化触媒層611を設け、改
質ガスに酸化剤としての空気を混合した混合ガス(以
下、単に「混合ガス」と記載する。)をその入口部に送
り込むと共に、選択酸化触媒層611を冷却する冷却水
路612を円筒管610の周りに配して、この冷却水路
612中に冷却水を流すことにより温度調節しながら運
転するものが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなCO除去装置において、選択酸化触媒層内ではCO
や水素が酸化反応することにより発熱するので、混合ガ
スが選択酸化触媒に最初に接触する選択酸化触媒層の入
口付近で反応が急激に進行して温度が選択酸化性の優れ
る温度範囲より高くなりやすい。そしてこの入口付近で
温度が高くなり過ぎると、そこで酸素がほとんど消費さ
れてしまう結果、出口側では酸素不足の状態になるた
め、メタン生成反応などの副反応が生じる傾向もある。
【0008】このような課題に対して、例えば特開平7
−185303号公報に開示されているCO除去装置の
ように、選択酸化触媒層の入口付近で冷却層と触媒層と
を交互に積層させた構造にすれば、選択酸化触媒層の温
度をうまくコントロールできると考えられるが、上記積
層構造を形成するため装置構成を簡素化しにくいと考え
られる。また、特開平8−47621号公報に開示され
ているCO除去装置のように、燃料ガスの上流側から順
に第1反応器、第2反応器、第3反応器を設け、各反応
器の入口に別々に空気を分配して供給したり、選択酸化
触媒層において、入口側の触媒充填密度を低く調整する
ことは、反応を入口側から出口側にかけて分散して行わ
せたり、選択酸化触媒層の適正な温度分布を得るのに有
効と考えられるが、空気の分配機構を設けたり触媒の充
填密度調整を行う必要があるので、やはり簡素な装置構
成としにくいものと考えられる。
【0009】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あって、比較的簡単な装置構成であって、COの選択酸
化反応を高反応率で且つ選択性よく行うことのできるC
O除去装置並びにそのようなCO除去装置を備えた燃料
電池発電システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決する手段】上記課題を解決するために、本
発明は、COを含む水素リッチなガスに酸化剤が混合さ
れてなる混合ガスを、ガス流通管内に選択酸化触媒が充
填されてなる選択酸化触媒部を流通させることによって
COを選択的に酸化するCO除去装置において、混合ガ
スの一部分を選択酸化触媒部に導入すると共に、混合ガ
スの他部分をこれより低い温度で選択酸化触媒部に導入
し、選択酸化触媒部の入口付近を、導入された混合ガス
の一部分と他部分とが、選択酸化触媒部内の別々流路を
互いに熱交換可能な状態で並行して流通されるよう構成
した。
【0011】このCO除去装置によれば、高温の混合ガ
スは選択酸化触媒部に導入されすぐに反応が開始される
が、低温の混合ガスは高温の混合ガスから熱を受けてか
ら遅れて反応が開始される。従って、従来のCO除去装
置のように選択酸化触媒層の入口付近で集中的にCO選
択酸化反応が起こるのを緩和することができるため、温
度制御が容易となる。
【0012】特に、高温の混合ガスを選択酸化触媒の反
応開始最低温度以上に設定し、低温の混合ガスをこの反
応開始最低温度より低く設定すれば、低温の混合ガスは
ある程度流れて反応開始最低温度に達してから選択酸化
反応が開始されるので、入口付近での反応を抑制し下流
側で反応させるという反応分散効果が大きい。一般的な
選択酸化触媒の反応開始最低温度は100℃程度なの
で、高温の混合ガスを100℃以上に、低温の混合ガス
を100℃未満に設定するのが好ましいということも言
える。
【0013】また、従来のCO除去装置と比べて、選択
酸化触媒部に導入される混合ガスの平均温度を低く設定
しても、混合ガス中のCOを選択酸化反応させることが
できるため、混合ガスの導入量が同等でもこれを冷却す
る冷却量は少なくてすむ。この点においても温度制御が
容易である。よって、本発明のCO除去装置によれば、
従来のCO除去装置と比べて、選択酸化触媒層を冷却す
る冷却機構の構成が簡素で且つ温度制御が容易である。
【0014】ここで、選択酸化触媒部の入口付近におい
て、ガス流通管の流通方向に沿って熱伝導性材料からな
る仕切部材を挿設することによって、低温の混合ガスが
流通する流通路と高温の混合ガスが流通する流通路とを
形成すれば、この入口付近において低温の混合ガスと高
温の混合ガスとは互いに交じり合うことなく且つ熱交換
されながら流通するので、上記の効果をより確実に得る
ことができる。
【0015】このように仕切部材を設ける場合、選択酸
化触媒部を入口側から出口側まで仕切ってもよいが、少
なくとも入口付近だけ仕切ればよく、下流側では低温の
混合ガスと高温の混合ガスとが混合されるようにしても
よい。下流側でガスを混合させる場合はより確実に高反
応率が得られるという効果も期待できる。また、選択酸
化触媒部を、ガス流通管の内部に仕切部材が筒状に設け
られた二重管構造にすれば、装置構成が簡素で且つ低温
の混合ガスと高温の混合ガスとの熱交換も効率よくなさ
れる。
【0016】また、本発明のCO除去装置によれば、選
択酸化触媒部を冷却媒体で強制冷却しなくても温度制御
は可能であるが、ガス流通管の外周に冷却媒体が流通す
る冷却媒体用通路を選択酸化触媒部と熱交換可能に設け
ることによって、温度制御をより行いやすくなる。また
CO除去装置の前に連結されているCO変成器から出さ
れる改質ガスは、通常200℃程度の高温なので、CO
除去装置では、COを含む水素リッチなガスに酸化剤を
混合して混合ガスを生成した後、混合ガスを分配し、分
配された混合ガスの一方を冷却部で冷却してから選択酸
化触媒部に導入するような構成とするのが実用的であ
る。
【0017】このようなCO除去装置を燃料電池発電シ
ステムに適用する場合、燃料電池とCO除去装置とは温
度レベルが近いので、燃料電池を冷却する冷却媒体(冷
却水)と、上記冷却部や冷却媒体用通路に用いる冷却媒
体とを兼用させることが好ましい。すなわち、燃料電池
を通過した冷却媒体は、100℃より少し低目の温度に
加温される場合が多いので、これを上記の冷却部や冷却
媒体用通路に送り込むようにすれば、混合ガスを100
℃(選択酸化触媒の反応開始最低温度)より少し低めの
温度に容易に冷却することができる。また、逆に、上記
の冷却部や冷却媒体用通路を通過した冷却媒体も燃料電
池の運転温度に近い温度となるので、これを燃料電池の
冷却に用いればその温度制御を容易に行うことができ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕図1は、本実施
の形態にかかる固体高分子型の燃料電池発電システムの
構成図である。 (システム全体の構成についての説明)この燃料電池発
電システムは、燃料ガス(図1ではLPG)を用いて発
電を行うものであって、燃料ガス中の硫黄成分を除去す
る脱硫器1、水蒸気を発生させる蒸気発生器2、脱硫さ
れた燃料ガスと水蒸気とを混合して水素リッチな改質ガ
スに水蒸気改質する改質器3、改質ガス中に含まれるC
Oを水蒸気で変成するCO変成器4、改質ガス中のCO
を選択的に酸化して除去するCO除去装置5、CO除去
装置5からの改質ガスをアノード6aに取り入れると共
に空気をカソード6bに取り入れて発電を行なう固体高
分子型の燃料電池6、改質器3からの改質ガスの熱で水
蒸気を加熱する蒸気加熱器7等から構成されている。
【0019】脱硫器1は、脱硫用の触媒が充填された触
媒層を備えており、燃料ガス供給源11から送られる燃
料ガスをこの触媒層で脱硫する。脱硫器1は、用いる触
媒の種類によって運転温度は異なるが、高温用の触媒を
用いる場合は、ヒータ等で加熱しながら高温(200〜
300℃)で運転する。蒸気発生器2は、いわゆるボイ
ラーであって、燃料(LPG)を燃焼させることによっ
て発生する熱で水を加熱して水蒸気を発生する。
【0020】改質器3には、水蒸気改質用の触媒が充填
された円筒形状の改質槽31と、この改質槽31を高温
(750〜800℃)に加熱するバーナ32とが設けら
れており、脱硫器1を通過した燃料ガスは蒸気発生器2
で発生した水蒸気と混合されて改質槽31に供給され
る。供給された混合ガスは、改質槽31で水素リッチな
改質ガスに改質され、CO変成器4に送られる。
【0021】CO変成器4は、円筒状の容器の中にCO
変成用の触媒が充填されているものであって、改質ガス
に含まれているCOを上記(1)式のように水蒸気で変
成してCO濃度を1%(10,000ppm)程度まで
低減する。このCO変成器4の運転温度は180℃〜2
50℃程度である。蒸気加熱器7では、改質器3からC
O変成器4に送られる改質ガスと、蒸気発生器2から改
質器3に送られる水蒸気とが熱交換される。これによっ
て、改質器3からの高温の改質ガスが適度に冷却されて
からCO変成器4に供給され、CO変成器4の温度が上
記の温度範囲に保たれると共に、蒸気発生器2で発生し
た水蒸気は加熱されてから改質器3に供給される。
【0022】CO除去装置5は、CO変成器4からの改
質ガス中のCOを、上記(2)式のように選択酸化する
ことによって、更にその濃度を低レベルまで落として燃
料電池6に供給する。このCO除去装置5の構成につい
ては後で詳述する。燃料電池6は、アノード6a及びカ
ソード6bが固体高分子膜を介して積層されてなるセル
とこれを冷却する冷却部6cとを備え、アノード6aに
はCO除去装置5から改質ガスが、カソード6bにはフ
ァン61から空気が供給されることによって発電を行
う。冷却部6cは、例えば冷却水が流通する冷却プレー
トであって、冷却水ポンプ62から供給される冷却水を
用いてセルを冷却することにより、所定の運転温度(8
0〜100℃)に維持する。
【0023】なお、図示はしないが、燃料電池6の固体
高分子膜を保湿するために、通常はCO除去装置5と燃
料電池6の間に加湿器を設け、改質ガスを加湿してから
燃料電池6に供給する。 (システムの配管系についての説明)図1に示すよう
に、燃料ガスや水蒸気系の配管として、燃料ガス供給源
から脱硫器1を経て改質器3に燃料ガスを送る配管10
1、燃料ガス供給源から改質器3のバーナ32に燃料ガ
スを送る配管102、蒸気発生器2から蒸気加熱器7を
経て改質器3に水蒸気を送る配管103、改質器3から
蒸気加熱器7を経てCO変成器4に改質ガスを送る配管
104、CO変成器4からCO除去装置5に改質ガスを
送る配管105、CO除去装置5から燃料電池6のアノ
ード6aに改質ガスを送る配管106、アノード6aか
ら未反応改質ガスをバーナ32に送る配管107等が配
設されている。
【0024】また、冷却水系の配管として、上記冷却部
6cを通った冷却水をCO除去装置5に送る配管108
が配設されている。上記配管101には改質槽31に供
給する燃料ガスの流量を調整する調整弁111が、配管
102にはバーナ32に供給する燃料ガスの流量を調整
する調整弁112が、各々挿設されている。
【0025】(CO除去器についての説明)図2は、本
実施形態にかかるCO除去装置の一例を示す概略斜視
図、図3は、このCO除去装置5の構成を摸式的に示す
図である。なお、図3中における白抜き矢印はガスの流
れを表す。CO除去装置5は、改質ガス中のCOを選択
的に酸化する選択酸化触媒が充填された選択酸化触媒器
50、CO変成器4からの改質ガスに酸化剤としての空
気を混合して混合ガスを生成する空気混合部51、空気
混合部51で生成された混合ガスを2つに分配するガス
分配部52、ガス分配部52で分配されたガスの一方を
冷却するガス冷却部53とから構成されている。
【0026】空気混合部51は、CO変成器4から配管
105を通して送り込まれる改質ガスに、空気を数%混
合して混合ガスを生成するものであって、従来から一般
的にCO除去装置に用いられているものを適用すること
ができる。図2,3に示すように、この空気混合部51
は、配管105から送り込まれる改質ガスに空気ポンプ
54からの空気を合流させる合流管構造である。CO除
去装置5の運転中は、配管105を流通する改質ガス中
のCO濃度を測定しながら、O2/CO比の値が適当な
範囲に入るように、空気ポンプ54から送り込む空気量
を調整する。通常このO2/CO比の値は、0.5〜3
程度の範囲に設定するのが適当とされている。
【0027】なお、空気混合部51としては、これ以外
に、改質ガスをノズルから噴射して周囲の空気を吸い込
むエゼクタ機構(例えば、一般的なガスバーナに用いら
れているような空気吸引機構)を用いることもできる。
また、酸化剤として空気を用いる以外に酸素ガスなどを
用いてもよい。ガス分配部52は、分岐管構造であっ
て、空気混合部51で生成された混合ガスを選択酸化触
媒器50に直接送り込む第1配管55及びガス冷却部5
3を経由して選択酸化触媒器50に送り込む第2配管5
6が接続されている。そしてこのガス分配部52におい
て、第1配管55と第2配管56とに所定の比率でガス
が分配されるようになっている。この分配比率について
は後述する。なお、図示はしないが、第1配管55また
は第2配管56に流量調整弁を設けておけば、第1配管
55と第2配管56と分配されるガスの比率を容易に調
整することができる。
【0028】ガス冷却部53は、第2配管56に挿設さ
れた熱交換器であって上記冷却水の配管108もガス冷
却部53の冷却水路57に接続されている。そして、第
2配管56を流通するガスは、このガス冷却部53にお
いて、燃料電池6の冷却部6cから送られてくる冷却水
と熱交換することにより冷却されてから選択酸化触媒器
50に供給される。通常、冷却部6cから排出される冷
却水温度は、燃料電池6の運転温度に近い80℃程度に
なっているため、第2配管56を流通する高温の混合ガ
スを、ガス冷却部53においてこの冷却水と熱交換する
ことによって80〜100℃程度の温度範囲に冷却する
ことができる。
【0029】なお、冷却水の流れる方向を逆にして、ガ
ス冷却部53の冷却水路57を通過させて高温の混合ガ
スと熱交換した冷却水を、燃料電池6の冷却部6cに流
してもよい。ガス冷却部53を通過した冷却水は、燃料
電池6の運転温度に近い程度になっているため、これを
冷却に用いることで燃料電池6の温度制御を容易に行う
ことができる。
【0030】また、冷却水路57にもっと低い温度の冷
却水を導入して混合ガスをもっと低い温度まで冷却して
もよいが、ガスの温度が露点以下になると結露しやすく
なるため、混合ガスを冷却する温度は、ガスの露点より
高い温度(例えば40℃程度)に設定するのが好まし
い。選択酸化触媒器50は、ガス流通管521の内部に
選択酸化触媒が充填されてなる選択酸化触媒層を備え、
この選択酸化触媒層は仕切部材としての内筒管511で
仕切られて、上記第1配管55から供給される比較的高
温の混合ガスが流通する第1流通部501と、第2配管
56からから供給される比較的低温の混合ガスが流通す
る第2流通部502とが形成されている。そして選択酸
化触媒器50において、上記第1流通部501及び第2
流通部502を流通する混合ガスは、流れる向きが同じ
であって互いに熱交換されるように構成されている。
【0031】選択酸化触媒器50の具体的な形状につい
ては後で説明するが、簡素な構成とするために円筒形状
あるいは角筒形状とすることが望ましい。選択酸化触媒
としては、従来からCO除去装置に用いられている一般
的な選択酸化触媒を用いればよい。また、第1流通部5
01との第2流通部502体積比率は、定常運転時にお
いて、ガス分配部52で配管55と配管56とに分配す
る比率に合わせて設定する。通常、第1流通部501及
び第2流通部502における選択酸化触媒層の体積は、
送り込まれる混合ガスの選択酸化触媒層に対する空間速
度が1000〜15,000hr-1の範囲内に入るよう
に設定する。
【0032】高温混合ガス及び低温混合ガスの分配比率
については、両混合ガスの平均温度(両混合ガスを混ぜ
合わせた場合の温度)と、選択酸化触媒器50を外部か
ら冷却する冷却量とのバランスがとれるように設定す
る。すなわち、選択酸化触媒器50を外部から冷却する
冷却量が比較的大きい場合は、両ガスの平均温度は高め
になるように、高温混合ガスの割合を比較的大きく設定
すればよい。
【0033】(CO除去装置5の効果について)このよ
うな構成の選択酸化触媒器50は、以下のような効果を
奏する。選択酸化触媒器50では、第1流通部501に
導入される混合ガスの温度は選択酸化触媒の反応開始最
低温度(100℃)より高い温度となり、第2流通部5
02に導入される混合ガスの温度は反応開始最低温度
(100℃)より低い温度となる。
【0034】図11に示すような従来のCO除去装置で
は、選択酸化触媒層に導入される混合ガスの温度は選択
酸化触媒の反応開始最低温度以上に設定しなければCO
を選択酸化反応させることができないのに対して、本実
施形態の選択酸化触媒器50の場合、第2流通部502
に導入される混合ガスの温度が選択酸化触媒の反応開始
最低温度より低くても、第1流通部501を流通する高
温の混合ガスが酸化反応することによって発生する熱を
受けて昇温されるので、第2流通部502に導入される
混合ガスは、ある程度下流側に進んでから反応が開始さ
れる。
【0035】そのため、選択酸化触媒器50では、従来
のCO除去装置と比べて、選択酸化触媒層に導入される
混合ガスの平均温度を低くしても、ガス中のCOを選択
酸化反応させることができるので、選択酸化触媒器50
を冷却する冷却量は少なくても、従来のCO除去装置と
同等量の混合ガスを処理することができる。また、第2
流通部502に導入される低温混合ガスは、第1流通部
501に導入される高温混合ガスの選択酸化反応が開始
されるところよりも下流側で選択酸化反応が開始される
ので、選択酸化触媒層の入口付近で集中的にCO選択酸
化反応が起こることがない。
【0036】従って、選択酸化触媒器50は、その入口
付近を集中的に冷却しなくても、選択酸化触媒層を選択
酸化性の優れる温度範囲に保つことができ、従来のCO
除去装置と比べて温度制御が容易である。すなわち、選
択酸化触媒器50においては、選択酸化触媒層を冷却す
る冷却機構の構成を簡素なものにすることができる。な
お、このような効果は、第2流通部502に導入される
混合ガスの温度を選択酸化触媒の反応開始最低温度(1
00℃)より低く設定した場合に顕著なものとなるが、
これより多少高い温度で導入される場合でも、ある程度
の効果は期待できる。
【0037】また、従来のCO除去装置では、混合ガス
を反応開始最低温度以上で導入しているので、選択酸化
触媒層の温度が過度にしないよう、図11に示されるよ
うに通常は選択酸化触媒層に水冷式の冷却機構が設けら
れている。これに対して、本実施形態の選択酸化触媒器
50においては、上述したように少ない冷却量でも、選
択酸化性の優れる温度範囲に温度コントロールすること
ができるので、必ずしも水冷式冷却機構のような強い冷
却機構を設ける必要はない。ただし、その場合、第1流
通部501に導入される高温混合ガス及び第2流通部5
02に導入される低温混合ガスの平均温度が90℃以下
となるように、高温混合ガス及び低温混合ガスの分配比
率を設定することが必要と考えられる。
【0038】(CO除去装置5の具体例について構成及
び動作の説明)図2,3に示す選択酸化触媒器50の具
体的な構造は次のとおりである。選択酸化触媒器50
は、内筒管511とガス流通管521を備える二重円筒
管構造であって、その内部に選択酸化触媒が充填され、
両端部が入口側蓋503,出口側蓋504で閉塞されて
いる。入口側蓋503には、内筒管511内に通じる第
1配管55と、内筒管511とガス流通管521との間
に通じる第2配管56とが接続され、出口側蓋504に
は、配管106が接続されている。
【0039】内筒管511及びガス流通管521は、熱
伝導性の材料(ステンレス等の金属材料)で形成されて
いる。上記選択酸化触媒層が内筒管511によって仕切
られることによって、上記の第1流通部501及び第2
流通部502が形成され、各触媒部を流通するガスは互
いに混合されず且つ互いに熱交換されるようになってい
る。
【0040】なお、内筒管511内の入口部分、並びに
内筒管511とガス流通管521との間におけるガス入
口部分は、触媒が充填されることなくバッファ空間51
2並びに環状のバッファ空間522が形成されている。
バッファ空間522は、バッファ空間512よりもガス
流通方向に若干長く設定され、低温混合ガスの方が高温
混合ガスよりも下流側で触媒層に入るようになってい
る。
【0041】また、内筒管511の出口側端部と出口側
蓋504との間には隙間が設けられて出口側のバッファ
空間530が形成されている。そして、上記第1流通部
501を通過したガスと第2流通部502を通過したガ
スは、このバッファ空間530で混合されることにより
均一化されて配管106に流れ出る。選択酸化触媒の具
体例としては、白金(Pt),金(Au),ロジウム
(Rh),ルテニウム(Ru)といった金属を1種以上
含有する触媒を挙げることができる。
【0042】これらの選択酸化触媒において、選択酸化
性の優れる一般的な温度範囲は、100℃〜250℃の
範囲であって、好ましくは200℃以下である。ただ
し、触媒の種類によって更に好ましい温度範囲があり、
例えば市販のルテニウム触媒では、140〜190℃の
範囲が好ましい。第1流通部501及び第2流通部50
2は、このような触媒を、ハニカム状に成型したアルミ
ナ多孔体に担持させたもの、或は、粒状のアルミナ担体
や粒状のゼオライト等に担持させたものを、ガス流通管
521内に充填し、例えば金網からなるガス透過性の保
持板513、523、531で挟むことによって形成す
ることができる。
【0043】このCO除去装置5の動作及び効果につい
て、図4を参照しながら説明する。図4(a)は選択酸
化触媒器50内を流通するガス間の熱移動を摸式的に示
す図、図4(b)は選択酸化触媒器50内を流通するガ
スの温度変化を摸式的に示す図である。通常、CO変成
器4から出る改質ガスは200℃程度の温度であって、
空気混合部51で空気が混合された混合ガスの温度は1
70℃程度となる。
【0044】ガス分配部52で第1配管55側に分配さ
れるガスは、ほぼこの温度(170℃程度)のまま第1
流通部501に導入される(図4に示す「高温混合ガ
ス」)。一方、ガス分配部52で第2配管56側に分配
されるガスは、冷却部6cからの冷却水(80℃程度)
によって100℃以下の適温に冷却されてから第2流通
部502に導入される(図4に示す「低温混合ガ
ス」)。
【0045】第1流通部501に導入される高温混合ガ
スは、選択酸化触媒の反応開始最低温度を越えているの
で、入口付近において選択酸化反応して発熱しガス温が
上昇しながら第1流通部501を流通する。それと共
に、第2流通部502に導入された低温混合ガスに対し
て放熱しながら第1流通部501を流通する。この入口
付近では、高温混合ガス中のCO濃度が高いので選択酸
化反応が激しく進み、発熱に伴ってガス温度も上昇する
が、高温混合ガスと低温混合ガスとの温度差が比較的大
きいので、図4(a)中で矢印A1に示すように放熱量
が比較的大きい。従って、高温混合ガスが過度(250
℃以上)に昇温するようなことはない。
【0046】そして、高温混合ガスは下流側に進むにつ
れてO2が消費されることによりO2濃度が低下するの
で、選択酸化反応も緩やかになる。それに伴って、図4
(a)中で矢印A2、A3で示すように、高温混合ガスか
らの放熱量も徐々に小さくなる。一方、第2流通部50
2に導入された低温混合ガスは、選択酸化触媒の反応開
始最低温度より低いが、バッファ空間522を通過しな
がら高温混合ガスから熱を受けることによって昇温す
る。そして、保持板523を通過して触媒層に入るあた
りでは、選択酸化触媒の反応開始最低温度を越えるの
で、選択酸化反応して発熱しながら第2流通部502を
流通する。そして、この発熱に伴ってガス温度も上昇す
るが、図4(a)中で矢印B1〜B3に示すようにガス流
通管521から外部へ放熱するので、過度(250℃以
上)に昇温するようなことはない。
【0047】なお、下記図8(b)の変形例でも説明す
るが、図4に示す選択酸化触媒器50の例では、バッフ
ァ空間522がバッファ空間512よりもガス流通方向
に若干長く設定され、低温混合ガスの方が高温混合ガス
よりも下流側で触媒層に入るようになっているが、仮に
バッファ空間522のところに選択酸化触媒が充填され
ているとしても、この部分では低温混合ガスの反応が開
始されず通過してしまうため、ほぼ同様の動作及び効果
を示すことになる。
【0048】図5は、角筒型の選択酸化触媒器50の一
例を示す斜視図である。本図に示す選択酸化触媒器50
の例では、内部に選択酸化触媒が充填されたガス流通管
524が角筒形であって、選択酸化触媒層が平板状の仕
切板514で仕切られることによって、平板状の第1流
通部501及び第2流通部502が形成されている。
【0049】そして、高温混合ガスが導入される第1流
通部501が、低温混合ガスが導入される一対の第2流
通部502によって挟まれた構成になっている。このよ
うな角筒型の選択酸化触媒器50においても、上記円筒
型の選択酸化触媒器50において説明した効果と同様の
効果を奏する。 〔実施の形態2〕図6は、本実施の形態にかかる固体高
分子型の燃料電池発電システムの構成図である。この燃
料電池発電システムは、CO除去装置5以外は実施の形
態1の燃料電池発電システムと同様の構成である。
【0050】本実施形態のCO除去装置5は、実施の形
態1のCO除去装置5と同様の構成であるが、選択酸化
触媒器50には、これと熱交換できるよう冷却水通路5
40が設けられている。図7は、本実施形態のCO除去
装置の具体例を示す図であって、全体的には実施の形態
1で図3に示したものとほぼ同様の構成である。
【0051】本図に示す例では、冷却水通路540はガ
ス流通管521の外周を覆う円筒状であって、配管10
8を経由して燃料電池6から送られていくる冷却水は、
この冷却水通路540を流通した後、配管58を経由し
てガス冷却部53の冷却水路57に送り込まれるように
なっている。このCO除去装置5の冷却水通路540に
は、冷却部6cからの80℃程度の冷却水が流通する。
これによって第2流通部502が冷却され、第2流通部
502から外部へ放熱される放熱量〔実施形態1の図4
(a)における矢印B1〜B3参照〕が、実施の形態1の
場合より大きくなると共に、冷却部6cからの冷却水温
度が80℃程度と適温であるため、第2流通部502の
温度を選択酸化性の優れる温度範囲にコントロールしや
すい。
【0052】また、選択酸化触媒器50を外部から冷却
する冷却量が大きくなるため、低温混合ガスに対する高
温混合ガスの分配比率を比較的大きく設定することがで
きる。なお、本実施形態においても、冷却水の流れる方
向を逆にして、ガス冷却部57、冷却水通路540を通
過させて熱交換された冷却水を、燃料電池6の冷却部6
cに流してもよく、冷却水通路540を通過した冷却水
は、燃料電池6の運転温度に近い程度になっているた
め、これを冷却に用いることで燃料電池6の温度制御を
容易に行うことができる。
【0053】また、、本実施形態では冷却水通路540
を円筒状に形成したが、ガス流通管521の外周に冷却
水用の配管をコイル状に巻きつけたものによっても同様
の冷却効果を発揮することができる。また、実施の形態
1で図5に示した角筒型の選択酸化触媒器50に対して
も、第2流通部502の外側に平板状の冷却水通路を積
層して設けることによって、上記円筒型の場合と同様に
実施し同様の効果を得ることができる。
【0054】(実施の形態1,2の選択酸化触媒器50
についての変形例)図8(a)〜(d)は、上記実施の
形態1,2で説明した選択酸化触媒器50についてその
変形例を示す図である。図8(a)〜(c)の例では、
仕切部材としての内筒管511が、ガス流通管521内
における入口付近だけに設けられており、下流側には設
けられていない。
【0055】従って、このガス入口付近においては、高
温の混合ガスと低温の混合ガスが別々に流れるが、選択
酸化触媒層の下流側においては両者が混合されて流れ
る。このように選択酸化触媒層の下流側でガスが合流し
ても、選択酸化触媒層の入口付近における急激な反応は
抑制され、同様の効果を得ることができる。また、この
ように選択酸化触媒層の下流側でガスが合流させること
によって、、例えば、第2流通部502において局所的
に反応開始最低温度まで上昇せず反応不良が生じたよう
な場合でも、下流側で第2流通部502のガスと混合さ
れることによって確実に反応が開始されるので、確実に
高反応率を得られるという効果も期待できる。
【0056】図8(b)の例では、図8(a)における
低温混合ガスの入口部分であるバッファ空間522のと
ころにも選択酸化触媒が充填されている。この場合も、
低温混合ガスは、反応開始最低温度以上に加熱昇温され
るまでは反応開始しないので、選択酸化触媒層の入口付
近における急激な反応は抑制され、同様な効果が得られ
る。ただし、低温の混合ガスの入口部分におけるバッフ
ァ作用は得られない。
【0057】図8(c)の例では、図8(a)の例に対
して、高温混合ガスと低温混合ガスとが入れ代わって導
入されている。すなわち、この例では、第1配管55か
ら内筒管511とガス流通管521との間に高温混合ガ
スが供給され、第2配管56から内筒管511内に低温
混合ガスが供給される。この場合も、選択酸化触媒層の
入口付近における急激な反応は抑制され、同様な効果が
得られる。
【0058】次に、図8(d)の例について説明する。
上記実施の形態1の図2,3や実施の形態2の図7に示
す例では、CO除去装置5において、配管56に分配さ
れた混合ガスを冷却するガス冷却部53が、選択酸化触
媒器50とは別個に設けられていたが、この図8(d)
に示す例では、配管56に分配された混合ガスを冷却す
るガス冷却部が、選択酸化触媒器50と一体に構成され
ており、ガス冷却部53は設けられていない。
【0059】すなわち、図8(d)の例では、図8
(c)の例と同様、第1配管55から内筒管511とガ
ス流通管521との間に高温混合ガスが供給され、第2
配管56から内筒管511内に低温混合ガスが供給され
ているが、更に、選択酸化触媒器50の外周に設けられ
た冷却水通路540の周りに混合ガス冷却用通路550
が設けられている。そして、ガス分配部52で配管56
に分配された混合ガスは、混合ガス冷却用通路550に
導入され、この混合ガス冷却用通路550で冷却され、
低温混合ガスとして内筒管511内に供給されるように
なっている。
【0060】この場合もやはり同様な効果を得ることが
できる。なお、このような図8(a)〜(d)の変形例
は、上記図5に示した角筒型の選択酸化触媒器50に対
しても適用することができる。また、上記実施の形態
1,2のCO除去装置5では、空気混合部51で改質ガ
スに空気を混合して混合ガスを生成してから、ガス分配
部52で混合ガスを分配するようにしたが、逆に、ガス
分配部で改質ガスを分配してから、分配された各ガスに
空気を混合するようにすることも可能である。ただし、
上記実施の形態1,2のように先に空気を混合しその後
で混合ガスを分配する方が、CO除去装置の構成を簡素
にすることができる。
【0061】〔実施の形態3〕上記実施の形態1や実施
の形態2では、CO除去装置5において、選択酸化触媒
器50とは別個にガス分配部52やガス冷却部53が設
けられていたが、本実施形態のCO除去装置5では、選
択酸化触媒器50にガス分配部52,ガス冷却部53の
機能を付加させたものに相当する機能付選択酸化触媒器
59が設けられ、空気混合部51で生成された混合ガス
は、この機能付選択酸化触媒器59に直接送り込まれる
ようになっている。
【0062】図9に、機能付選択酸化触媒器59の例を
示す。図9(a)に示す機能付選択酸化触媒器59は、
図7に示した選択酸化触媒器50と同様に、ガス流通管
521の中に選択酸化触媒が充填されて選択酸化触媒層
が形成され、選択酸化触媒層が内筒管511で仕切られ
て第1流通部501と第2流通部502とが形成され、
更に第2流通部502の外周を囲んで冷却水通路540
が設けられているが、ガス入口部分には、第1流通部5
01及び第2流通部502の両方に通じるバッファ空間
530が設けられており、空気混合部51から送り込ま
れる混合ガスは、バッファ空間530から第1流通部5
01と第2流通部502とに分配されるようになってい
る。
【0063】また機能付選択酸化触媒器59において
は、冷却水通路540の一部がバッファ空間530と隣
接しており、冷却水通路540を流れる冷却水は、第2
流通部502に流れ込もうとする混合ガスとは熱交換す
るが、第1流通部501に流れ込もうとする混合ガスと
はほとんど熱交換されないようになっている。従って、
この機能付選択酸化触媒器59において、第1流通部5
01には空気混合部51からの高温(170℃近い温
度)の混合ガスが導入され、一方の第2流通部502に
は、冷却部6cからの冷却水(80℃程度)によって1
00℃以下の低温に冷却された混合ガスが導入されるこ
とになる。そして、第1流通部501及び第2流通部5
02に導入された後の混合ガスは、実施の形態1,2で
説明したの場合と同様に動作するので、選択酸化触媒層
の入口付近における急激な反応は抑制され、容易に温度
コントロールできるという効果を奏する。
【0064】図9(b)に示す機能付選択酸化触媒器5
9は、内筒管511が選択酸化触媒層の出口付近には設
けられておらず、第1流通部501及び第2流通部50
2を流通するガスが触媒層の出口付近で混合される以外
は図9(a)に示すものと同様である。また、図9
(c)に示す機能付選択酸化触媒器59は、内筒管51
1が選択酸化触媒層の入口付近だけに設けられ且つ内筒
管511の外側には触媒が充填されていないが、それ以
外は図9(a)に示すものと同様である。
【0065】従って、この図9(b),(c)の機能付
選択酸化触媒器59においても、図9(a)の場合と同
様、選択酸化触媒層の入口付近における急激な反応は抑
制され、容易に温度コントロールできるという効果を奏
する。図9(d)に示す機能付選択酸化触媒器59は、
内筒管511が選択酸化触媒層より上流側だけに設けら
れ、内筒管511の内側及び外側には選択酸化触媒層は
形成されていないが、それ以外は図9(a)に示すもの
と同様である。
【0066】この図9(d)に示す例でも、第1流通部
501に高温混合ガス、第2流通部502に低温混合ガ
スが導入される点は同じであるが、選択酸化触媒層が存
在するところでは仕切り(内筒管511)が存在しな
い。従って、第1流通部501に導入される高温混合ガ
スと第2流通部502に導入される低温混合ガスとが、
選択酸化触媒層の中である程度の混合はなされるが、高
温混合ガスと低温混合ガスとの温度差があるため、選択
酸化触媒層の入口付近ですぐに混合されるわけではなく
しばらく並行して流れる。すなわち、選択酸化触媒層の
入口付近では、仕切版がなくても実際には別々の流路が
形成されることになる。
【0067】従って、この図9(d)に示す例において
も、効果は多少劣るものの、選択酸化触媒層の入口付近
における急激な反応は抑制され、容易に温度コントロー
ルできると考えられる。図9(e)に示す機能付選択酸
化触媒器59では、更に、空気混合部の機能も付加され
ている。すなわちこの機能付選択酸化触媒器59には、
ガス流通管521のバッファ空間530より上流側に空
気混合部560が一体形成されている。この空気混合部
560は、空気混合部51と同様の機能を持つものであ
って、ガス流通管521の入口部分(図中斜線部分)
に、ガスの流れを乱すための金属板が充填され、空気ポ
ンプからの空気配管が合流するように構成されている。
【0068】そして、CO変成器4から送られてくる改
質ガスは、この空気混合部560で空気が混合され、当
該混合ガスはバッファ空間530を通過して、高温混合
ガスは第1流通部501に低温混合ガスは第2流通部5
02に導入される。なお、このような図9(a)〜
(e)の変形例は、上記図5に示した角筒型の選択酸化
触媒器50に対しても適用される。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、CO除
去装置において、COを含む水素リッチなガスに酸化剤
を混合した混合ガスの一部分を選択酸化触媒部に導入す
ると共に、混合ガスの他部分をこれより低い温度で選択
酸化触媒部に導入し、選択酸化触媒部の入口付近を、導
入された混合ガスの一部分と他部分とが、選択酸化触媒
部内の別々流路を互いに熱交換可能な状態で並行して流
通されるよう構成することによって、従来のCO除去装
置と比べて、選択酸化触媒層を冷却する冷却機構の構成
を簡素にし、温度制御も容易に行えるようになる。
【0070】また、選択酸化触媒部を、ガス流通管の内
部に仕切部材が筒状に設けられた二重管構造にすれば、
装置構成が簡素で且つ低温の混合ガスと高温の混合ガス
との熱交換も効率よくなされる。このような本発明のC
O除去装置は、比較的簡素な構成で温度制御がしやすい
ので、燃料電池発電システムに適用することによってそ
のシステム構成を簡素化することもでき、特に携帯式あ
るいは可搬式の燃料電池発電システムに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1にかかる燃料電池発電システムの
構成図である。
【図2】実施の形態1にかかるCO除去装置の一例を示
す概略斜視図である。
【図3】図2のCO除去装置の構成を摸式的に示す図で
ある。
【図4】実施の形態1にかかるCO除去装置の動作を説
明する図である。
【図5】角筒型の選択酸化触媒器の一例を示す斜視図で
ある。
【図6】実施の形態2にかかる固体高分子型の燃料電池
発電システムの構成図である。
【図7】実施の形態2のCO除去装置の具体例を示す図
である。
【図8】実施の形態1,2で説明した選択酸化触媒器に
ついての変形例を示す図である。
【図9】実施の形態3にかかる機能付選択酸化触媒器の
例を示す図である。
【図10】燃料電池発電システムの一従来例の概略構成
を示す図である。
【図11】CO除去装置の一従来例を示す図である。
【符号の説明】
3 改質器 4 CO変成器 5 CO除去装置 6 燃料電池 6c 冷却部 50 選択酸化触媒器 51 空気混合部 52 ガス分配部 53 ガス冷却部 55 第1配管 56 第2配管 57 冷却水路 59 機能付選択酸化触媒器 501 第1流通部 502 第2流通部 511 内筒管 514 仕切板 521 ガス流通管 540 冷却水通路

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス流通管内に選択酸化触媒が充填され
    てなる選択酸化触媒部に、一酸化炭素を含む水素リッチ
    なガスに酸化剤が混合されてなる混合ガスを流通させる
    ことによって一酸化炭素を選択的に酸化するCO除去装
    置であって、 前記混合ガスの一部分を第1の温度で前記選択酸化触媒
    部に導入する第1ガス導入手段と、 前記混合ガスの他部分を前記第1の温度よりも低い第2
    の温度で前記選択酸化触媒部に導入する第2ガス導入手
    段とを備え、 前記選択酸化触媒部は、少なくともその入口付近におい
    て前記第1ガス導入手段から導入された混合ガスと第2
    ガス導入手段から導入された混合ガスとが当該選択酸化
    触媒部内における別々の流路を互いに熱交換可能な状態
    で並行して流通されるよう構成されていることを特徴と
    するCO除去装置。
  2. 【請求項2】 前記選択酸化触媒部には、 その少なくとも入口付近において、ガス流通管の流通方
    向に沿って熱伝導性材料からなる仕切部材が挿設される
    ことによって、前記第1ガス導入手段から導入される混
    合ガスが流通する第1流通路と、前記第2ガス導入手段
    から導入される混合ガスが流通する第2流通路とが形成
    されていることを特徴とする請求項1記載のCO除去装
    置。
  3. 【請求項3】 前記選択酸化触媒部は、 前記ガス流通管の内部に前記仕切部材が筒状に設けられ
    た二重管構造であることを特徴とする請求項2記載のC
    O除去装置。
  4. 【請求項4】 前記ガス流通管の外周には、 冷却媒体が流通する冷却媒体用通路が、前記選択酸化触
    媒部と熱交換可能に設けられていることを特徴とする請
    求項3記載のCO除去装置。
  5. 【請求項5】 前記第2ガス導入手段が、ガス冷却部を
    備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の
    CO除去装置。
  6. 【請求項6】 一酸化炭素を含む水素リッチなガスに酸
    化剤を混合してなる混合ガスを、前記第1ガス導入手段
    と第2ガス導入手段とに分配するガス分配部を備えるこ
    とを特徴とする請求項5記載のCO除去装置。
  7. 【請求項7】 一酸化炭素を含む水素リッチなガスに酸
    化剤を混合して混合ガスを生成する混合部を備えること
    を特徴とする請求項6記載のCO除去装置。
  8. 【請求項8】 請求項4記載のCO除去装置と、当該C
    O除去装置で処理された水素リッチなガスを用いて発電
    する燃料電池とを備える燃料電池発電システムであっ
    て、 前記燃料電池を通過して熱交換される冷却媒体が、前記
    冷却媒体用通路を流通するよう構成されていることを特
    徴とする燃料電池発電システム。
  9. 【請求項9】 請求項5記載のCO除去装置と、当該C
    O除去装置で処理された水素リッチなガスを用いて発電
    する燃料電池とを備える燃料電池発電システムであっ
    て、 前記燃料電池を通過して熱交換される冷却媒体が、前記
    冷却部を通過するよう構成されていることを特徴とする
    燃料電池発電システム。
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