JP2001067949A - 超電導導体及び超電導磁石 - Google Patents

超電導導体及び超電導磁石

Info

Publication number
JP2001067949A
JP2001067949A JP23624999A JP23624999A JP2001067949A JP 2001067949 A JP2001067949 A JP 2001067949A JP 23624999 A JP23624999 A JP 23624999A JP 23624999 A JP23624999 A JP 23624999A JP 2001067949 A JP2001067949 A JP 2001067949A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
superconducting
insulating film
superconducting conductor
film
stabilizing metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23624999A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeo Nemoto
武夫 根本
Norihide Saho
典英 佐保
Katsumi Muroi
克美 室井
Katsuhiko Asano
克彦 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP23624999A priority Critical patent/JP2001067949A/ja
Publication of JP2001067949A publication Critical patent/JP2001067949A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

Landscapes

  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 超電導導体と寒剤(液体ヘリウム)との温度差
が小さいときでも、超電導導体から寒剤への放熱量が大
きく、冷却性能に優れた超電導導体を提供する。 【解決手段】 超電導導体は、超電導線1と超電導線1の
周りに配置された安定化金属2と安定化金属2の表面に
形成された多孔質絶縁膜3とから構成され、多孔質絶縁
膜3中の孔4の径は、液体ヘリウムの沸騰核を形成する
に好適な30μm以下としたものである。また多孔質の
代りに絶縁膜表面に微細な凹凸をもつ水酸化皮膜やさら
に撥水皮膜を設けても優れた冷却性能が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷却性能に優れた
超電導導体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術として、実開平3-68317号公
報に記載されている「超電導線」は、超電導導体の外周
面に絶縁層を形成し、導体の全表面が絶縁被覆されてい
る。この絶縁層は、超電導導体をポリビニルホルマール
塗料液中に浸し、引き上げた後に、超電導導体表面に付
着した塗料を焼き付け、乾燥する塗装法によって得られ
る。この他の絶縁層成形法として、例えば、水分散性エ
ポキシ・アクリル樹脂ワニス、水溶性ポリイミド樹脂ワ
ニス、水分散性ポリウレタン樹脂ワニス、非水素ポリイ
ミド分散ワニス等の水性塗料液中に電極を挿入して直流
の電流を通電し、負電荷を持つ塗料粒子を陽極の方に移
動させ、超電導導体の表面上に沈着させた後、引き上げ
焼き付け乾燥する電着塗装法がある。これらの手法によ
って得られた絶縁層は、膜厚がほぼ均一である。この被
覆超電導導体は、温度が−260℃以下の寒剤である液
体ヘリウム中に浸され、該超電導導体が発熱した場合
に、液体ヘリウムの沸騰熱伝達により冷却されるもので
ある。電着塗装面は、電着塗装なしの超電導導体の表面
に比べて、液体ヘリウム沸騰時の熱流束が高くて、より
優れた冷却特性を有する。
【0003】また、特許第2653451号の「超電導導体の
絶縁厚みの決定方法」では、超電導導体の表面に被覆さ
れるホルマールなどの絶縁材の厚みを決定する手法につ
いて述べられている。すなわち、超電導導体の冷却特性
は超電導線周りの安定化金属を被覆する絶縁材の厚さに
より異なり、特に安定化金属の温度と絶縁材回りの液体
ヘリウムの温度との温度差が小さい領域における冷却特
性が好ましい絶縁材の厚さがあることを示している。
【0004】また、特開昭56-1411号の「大容量超電導
導体」では、超電導導体の安定化金属の表面に無機化合
物を被覆された超電導導体について述べられている。無
機酸化物は、安定化金属表面を酸化処理することにより
生成され、酸化膜の厚みを増すことによって絶縁塗装と
同様の結果を得ている。安定化金属が銅の場合は、酸化
膜は例えば酸化銅で形成され、安定化金属がアルミニウ
ムの場合は、酸化膜はアルマイトで形成される。このア
ルマイトの酸化膜形成過程では、耐食性の面で封孔処理
が行われている。この点は絶縁膜中に開孔を有する本発
明と異なる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記各公報に記載され
た発明の超電導導体は、安定化金属表面に絶縁膜が形成
されているので、絶縁膜のないものより熱流束が高く、
優れた冷却特性を有している。しかしながら、上記発明
では超電導導体と寒剤の温度差ΔTが小さな温度領域に
おける熱伝達について充分な考慮されておらず、超電導
導体と寒剤との温度差ΔTが10Kと大きいときに単位
面積当たりの放熱量qが大きい一方、ΔTが小さいとき
は放熱量qが小さいという欠点を持っていた。
【0006】本発明の目的は、超電導導体と寒剤との温
度差が小さいときでも、超電導導体から寒剤への放熱量
が大きく、冷却性能に優れた超電導導体を提供すること
にある。
【0007】また、本発明の別の目的は、冷却性能に優
れた超電導コイルを備えた超電導磁気浮上列車用の超電
導磁石を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の超電導導体は、超電導線と該超電導線の周
りに配置された安定化金属と該安定化金属の表面に形成
された絶縁膜とからなる超電導導体において、絶縁膜は
多孔質絶縁膜からなるものである。
【0009】上記多孔質絶縁膜を有する超電導導体を寒
剤中に浸漬し、この超電導導体から熱が発生したとき、
多数の孔が核沸騰の起点(沸騰核)となり気泡が発生
し、大きな熱移動(熱流束)が起きる。したがって超電
導導体と寒剤との間の温度差が小さいときでも、超電導
導体から寒剤への放熱量が大きくなる。
【0010】この超電導導体において、多孔質絶縁膜の
孔径が安定化金属に近い側で小さく、絶縁膜表面側で大
きいことが好ましい。これは孔のうち安定化金属側で生
じた沸騰核から気泡が発生し、膜表面から放出される
際、膜表面側の孔径が大きいと放出され易くなるからで
ある。あるいは、多孔質絶縁膜内の孔はそれぞれが膜厚
方向に貫通して形成されていてもよい。
【0011】また、本発明の別の超電導導体は、超電導
線と該超電導線の周りに配置された安定化金属と該の表
面に形成された絶縁膜とからなる超電導導体において、
絶縁膜は表面に凹凸または並列する溝を有するものであ
る。別の超電導導体において、絶縁膜表面の凹凸や溝の
エッジが上記の孔と同様に沸騰核を容易に形成して、熱
移動が起きるので、超電導導体から寒剤への放熱量が大
きくなる。
【0012】また、本発明のさらに別の超電導導体は、
超電導線と該超電導線の周りに配置されたアルミニウム
の安定化金属とからなる超電導導体において、安定化金
属の表面をベーマイト処理することにより該表面を凹凸
形状にし、かつ該凹凸表面上に該凹凸より細かい凹凸形
状の水和酸化物皮膜を設けたものである。そしてこの水
和酸化物皮膜上に撥水性皮膜を設けることが好ましい。
【0013】さらに別の超電導導体において、水酸化皮
膜の細かな凹凸のエッジが核沸騰の起点となり、気泡が
発生し、大きな熱移動(熱流束)が起きると共に、水酸
化皮膜の細かな凹凸により伝熱表面積が増大するので、
超電導導体と寒剤との間の温度差が小さいときでも、超
電導導体から寒剤への放熱量が大きくなる。また撥水性
皮膜により、伝熱表面積を拡大するとともに、沸騰核の
増加も期待できる。
【0014】上記別の目的を達成するために、本発明の
超電導磁石は、超電導導体からなる超電導コイルと、超
電導コイルを寒剤中に浸漬する寒剤容器と、寒剤容器を
収納する真空容器とを備えた超電導磁石において、超電
導導体は、上記各超電導導体のいずれかからなるもので
ある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図1から図11を用いて本
発明の実施形態を説明する。 <実施の形態1>図1は、本発明の実施の形態1となる
超電導導体の構造を示す図である。この超電導導体は、
超電導線1と、該超電導線1の周りに配置された高熱伝
導率の安定化金属2と、該安定化金属2の表面を覆って
形成された多孔質絶縁膜3とから構成されている。なお
図1で符合4は多孔質絶縁膜3中に形成された孔を示
す。超電導線1は、NbTi (ニオブ・チタン)等の線材
で、液体ヘリウム温度(−269℃)では電気抵抗がほ
とんどなくなる超電導特性を有する。また、NbTi線
材の代りに、液体ヘリウム温度より高い液体窒素温度
(−196℃)でも超電導特性を有するY1Ba2Cu37
(イットリウム、バリウム、銅、酸素)等の高温超電導
体を超電導線1に利用してもよい。これらの超電導導体
は消費電力が少なくできるメリットがあるので、超電導
磁石に利用されている。
【0016】超電導線1は、臨界電流を超えたとき、ま
た、臨界温度を超えたときにクエンチを起こす。このと
き、超電導線1が超電導から常伝導に転移するので、超
電導線1自身は大きな抵抗値を持つようになる。従っ
て、電流は、電気抵抗の小さな安定化金属2へ流れる。
安定化金属2の材質は、銅またはアルミニウムであり、
電流が安定化金属2に流れればジュール発熱が起こる。
このジュール発熱量より安定化金属2外周表面からの放
熱量が上回れば、超電導導体に同じ電流が安定して流せ
る。この放熱量は、超電導導体が寒剤(液体ヘリウムま
たは液体窒素等)中に浸されている場合、寒剤に接して
いる超電導導体表面の沸騰熱伝達特性に依存している。
図2は図1に示す多孔質絶縁膜3の拡大図で、絶縁膜3
の母材5中に孔径30マイクロメートル(μm)以下の
孔4が形成されている。
【0017】この孔径は、液体ヘリウムの沸騰核ができ
易いこと、また、その孔が無数にあることで、単位時
間、単位面積あたり絶縁膜3表面に生成されるバルブ発
生頻度を高くなる。従って、液体ヘリウムと超電導導体
との温度差が小さくても熱流束は高くなる。また、多孔
質絶縁膜3の孔数が無数にあるため、多孔質絶縁膜3の
実表面積が広くなる。なお、絶縁膜3表面から離脱する
バブルの径は約60μmである。
【0018】次に、多孔質絶縁膜3の製法の一例につい
て述べる。平均分子量が1000で1分子内に平均2個
のアクリル基を有するエポキシアクリレートオリゴマー
80部、フェノキシエチルアクリレート20部、イルガ
キュア184を2部、酢酸セルロース50部、ジメチル
アセトアミド150部を混合し、23℃における粘度4
000cpsの重合性溶液Aを得る。超電導導体の安定化
金属2表面上に、重合性溶液Aを塗布し、メタルハライ
ドランプにより波長360ナノメートル、強度100mW
/cm2の紫外線を10秒間照射する。次に、該照射により
安定化金属上に形成された乳白色の膜をアセトンまたは
エタノールにて充分洗浄することにより図2のように架
橋構造を有する多孔質絶縁膜3が得られる。図2中の符
号5は高分子でできた母材であって、架橋として現れ
る。この多孔質絶縁膜3の厚みは、約300μmまで製
造可能である。
【0019】図3は、多孔質絶縁膜3の孔4の大きさが
不均一な例を示したものである。次に、この不均一な多
孔質絶縁膜3の製法について説明する。ポリイミド等の
ポリマーと良溶媒及び貧溶媒を混合して均一溶液を作
り、超電導導体の安定化金属2の表面上に塗布する。乾
燥作業によりその塗布膜から良溶媒を選択的に除外し、
該塗布膜をあまり溶解しない非溶媒中に漬浸し、溶媒交
換によりポリマーのゲル化を行わせて多孔質絶縁膜3を
得る。この製膜過程で、絶縁膜3中で安定化金属面に近
い側にサイズの小さい孔4bが、膜表面側に大きなサイ
ズの孔4aが形成される。
【0020】図4は、繊維状のポリマーが3次元的に交
差することによって孔4が形成された多孔質絶縁膜3を
表したものである。この製膜方法は、結晶性ポリマーを
溶融押し出し、超電導導体の安定化金属2の表面上に製
膜後、延伸により多孔質化または線状化して膜中に孔4
を形成する。ポリマーの材料は、ポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)やポリエチレン等の熱可塑性高分子であ
る。
【0021】図5は、高分子膜中の孔4cが、膜を直線
的に貫通するように、多数設けた高分子膜である。この
膜の製法は、高分子膜に高エネルギー重イオンを照射
し、その後エッチングすることにより直行性孔4cを有
する多孔質膜がえられる。孔径は20ナノメートル(n
m)〜10マイクロメートル(μm)で、孔密度は1cm2
たり107〜1010個である。この直行性多孔質絶縁膜
の場合、仮に平均で、孔径が0.1μm、孔密度が10
8乗/cm2個、膜厚が50μmとすると、絶縁膜の実表面
拡大率は約16倍になる。従って、投影面積換算の単位
面積当たりの放熱量も従来より大きくなり、寒剤と超電
導導体との温度差が小さくても熱流束は高くなる。
【0022】<実施の形態2>図6は、超電導導体の表
面を構成する絶縁膜として、直線状のマスクパターンに
より超電導導体の安定化金属2表面上の紫外線硬化樹脂
に紫外線を露光して得られた、多数の細かいV字形溝9
を有する高分子膜8である。V字形溝9の凹凸差は10
〜300μmである。このように絶縁膜表面に凹凸を形
成することによっても、核沸騰を容易にして放熱量の増
加を図ることができ、寒剤と超電導導体との間の温度差
が小さ領域での熱流束を高くできる。
【0023】<実施の形態3>図7は、超電導導体のア
ルミニウム製の安定化金属2の表面にベーマイト処理を
施したものである。このベーマイト処理法は、超電導導
体の安定化金属2(アルミニウム)をアルカリ脱脂し
て、98℃に加熱した0.2wt%濃度のアンモニア水
溶液中に約10分間漬浸して、アルミニウム表面上に水
和酸化物を得てできあがる。アルカリ脱脂過程で、安定
化金属2であるアルミニウムの表面がエッチングされて
凹凸形状が形成される。この凹凸の高低差はおよそ10
μm以上で、この凹凸表面上にさらに高さ数nmの細か
い凹凸を形成する水酸化皮膜10が形成されている。
【0024】図8は、図7のベーマイト処理後、撥水処
理をした超電導導体の表面形状を示す。撥水処理は次の
ように行なう。即ち、平均粒径8nmのTiO2粒子を
バインダとしてシリカゲル液に10wt%分散した溶液
中に、図7に示す超電導導体を漬浸し、引き上げて11
0℃に加熱する。さらに、ヘプタデカドリシルフルオロ
アルキル液が4wt%となるようにオクタデカフルオロ
オクタン液で希釈した溶液中に約30分間漬浸し、取り
出した超電導導体を150℃で30分間加熱する。かく
して微細な凹凸状の水酸化皮膜10上に撥水皮膜11が
得られる。この撥水皮膜11の膜厚は、数nmである。
図9は図8に示す撥水皮膜11または図7に示す水酸化
皮膜10が設けられたときの超電導導体の外観図であ
る。
【0025】図8に示す皮膜の冷却効果について説明す
る。超電導線回りのアルミニウムの安定化金属2表面
は、ベーマイト処理により、数十μmの凹凸が形成さ
れ、かつその凹凸面上にナノメートルオーダーの細かな
凹凸形状の水酸化皮膜10が形成され、さらに水酸化皮
膜10がナノメートルオーダーの撥水皮膜11が形成さ
れているので、超電導導体表面に形成された無数のエッ
ジが寒剤である液体ヘリウムの核沸騰の起点となる。こ
のため、寒剤と超電導導体との温度差が小さくてもバブ
ルが無数のエッジに発生するので従来より熱流束が高く
なる。また、撥水皮膜11の実表面積は平滑面に比べ
て、およそ800倍に増大する。このため、投影面積を
基準にした熱流束値も従来より高くなる。
【0026】<実施の形態4>図10は、多孔質絶縁膜
3が超電導導体とは別に製造されていて、その多孔質絶
縁膜3を超電導導体の安定化金属2上に接着剤6を使っ
て固定した超電導導体の構造を示したものである。
【0027】<実施の形態5>図11は、図1〜図10
により説明した超電導導体を、超電導磁気浮上列車の超
電導コイルに適用した一例を説明する図である。列車浮
上用超電導磁石は、レーストラック状に巻き成形された
超電導導体からなる超電導コイル20と、超電導コイル
20を低温の液体ヘリウム中に収納し、レーストラック
状に成形された管からなる液体ヘリウム容器21と、液
体ヘリウム容器21を真空断熱して収納する真空容器2
4と、該真空容器24中で液体ヘリウム容器21の管の
外周を囲うシールド板22と、該シールド22の外周を
取り巻く多層断熱材23と、液体ヘリウム容器21を真
空容器24の所定位置に固定する荷重支持体28とから
構成されている。
【0028】シールド板22は、液体窒素温度に冷却さ
れて、室温の真空容器24からの輻射熱が直接液体ヘリ
ウム容器21に入射することのないように輻射熱を遮蔽
する。また、多層断熱材23は、輻射率の小さなアルミ
ニウム蒸着フィルムをシールド板22に多重巻き付けし
たものであって、真空容器24からシールド板23に入
る輻射熱を小さくする。荷重支持体28は、列車走行時
に超電導コイル20が真空容器24内で振れることのな
いよう超電導コイル20を真空容器24内に固定する。
【0029】さらに超電導磁石は、液体ヘリウム容器2
1に供給する液体ヘリウム25を溜める液体ヘリウムタ
ンク26と、液体ヘリウムへの侵入熱で蒸発したヘリウ
ムガスを液化するヘリウム冷凍機27とを備えている。
かくして超電導コイル20は、液体ヘリウム25に浸さ
れて、超電導状態を常に維持されている。
【0030】上記の他、本発明の応用例として、癌を治
療するするための医療用加速器の超電導磁石や、夜中に
余った電力を超電導磁石に貯蔵し電力が足りなくなった
時に電力を供給するための超電導電力貯蔵システム(S
MES)用の超電導磁石がある。これらの超電導磁石の
基本構成は、磁気浮上用超電導磁石とまったく同じで、
超電導コイルからなる超電導磁石が寒剤容器中に収納さ
れ、寒剤容器周りに輻射熱を遮蔽するシールド板が設置
されている。また、寒剤容器とシールドは真空容器に収
められている。従って、超電導コイルを形成している超
電導導体が優れた放熱特性を有することは言うまでもな
い。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、超電導導体は、該超電
導導体の表面部を形成する絶縁膜を多孔質膜、あるいは
膜表面を細かい凹凸を有するものとしたので、超電導導
体を寒剤中に浸漬した際、孔や凹凸のエッジが核沸騰の
起点として気泡が発生し、超電導導体と寒剤との温度差
が小さいときでも、超電導導体から寒剤への放熱量が大
きく、冷却性能に優れた超電導導体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1となる超電導導体の構造
を示す図。
【図2】図1に示す超電導導体の表面部を形成する多孔
質絶縁膜中の孔の拡大図。
【図3】径が異なる各種孔を有する多孔質絶縁膜を示す
図。
【図4】繊維状ポリマーが3次元的に交差して溶融結合
したような構造の多孔質絶縁膜を示す図。
【図5】膜を貫通する直行性孔を有する多孔質絶縁膜を
示す図。
【図6】本発明の実施の形態2となる超電導導体の絶縁
膜の構造を示す図。
【図7】本発明の実施の形態3となる超電導導体で表面
部に水酸化被膜を形成された絶縁膜を示す図。
【図8】図7の超電導導体の水酸化被膜上に撥水性被膜
を形成した絶縁膜を示す図。
【図9】図8及び図9の超電導導体の全体構造図。
【図10】本発明の実施の形態4である超電導導体の構
造図。
【図11】本発明の超電導導体を適用する磁気浮上列車
用の超電導磁石を示す図。
【符号の説明】
1 超電導線 2 安定化金属 3 多孔質絶縁膜 4 孔 7 繊維 8 高分子膜 9 V字型溝 10 水酸化皮膜 11 撥水皮膜 20 超電導コイル 21 液体ヘリウム容器 24 真空容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 室井 克美 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 浅野 克彦 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 Fターム(参考) 5G321 AA04 AA12 BA03 CA42 CA48 CB07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導線と該超電導線の周りに配置され
    た安定化金属と該安定化金属の表面に形成された絶縁膜
    とからなる超電導導体において、前記絶縁膜は多孔質絶
    縁膜からなることを特徴とする超電導導体。
  2. 【請求項2】 前記多孔質絶縁膜の孔径が前記安定化金
    属に近い側で小さく、該絶縁膜表面側で大きいことを特
    徴とする請求項1記載の超電導導体。
  3. 【請求項3】 超電導線と該超電導線の周りに配置され
    た安定化金属と該安定化金属の表面に形成された絶縁膜
    とからなる超電導導体において、前記絶縁膜は多孔質絶
    縁膜からなり、該孔それぞれが膜厚方向に貫通して形成
    されていることを特徴とする超電導導体。
  4. 【請求項4】 超電導線と該超電導線の周りに配置され
    た安定化金属と該の表面に形成された絶縁膜とからなる
    超電導導体において、前記絶縁膜は表面に凹凸または並
    列する溝を有することを特徴とする超電導導体。
  5. 【請求項5】 超電導線と該超電導線の周りに配置され
    たアルミニウムの安定化金属とからなる超電導導体にお
    いて、前記安定化金属の表面をベーマイト処理すること
    により、該表面を凹凸形状にしかつ該凹凸表面上に該凹
    凸より細かい凹凸形状の水和酸化物皮膜を設けたことを
    特徴とする超電導導体。
  6. 【請求項6】 前記水和酸化物皮膜上に撥水性皮膜を設
    けたことを特徴とする請求項5に超電導導体。
  7. 【請求項7】 超電導導体からなる超電導コイルと、該
    超電導コイルを寒剤中に浸漬して収納する寒剤容器と、
    該寒剤容器を収納する真空容器とを備えた超電導磁石に
    おいて、前記超電導コイルの超電導導体は、請求項1か
    ら6のいずれかに記載の超電導導体からなることを特徴
    とする超電導磁石。
JP23624999A 1999-08-24 1999-08-24 超電導導体及び超電導磁石 Pending JP2001067949A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23624999A JP2001067949A (ja) 1999-08-24 1999-08-24 超電導導体及び超電導磁石

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23624999A JP2001067949A (ja) 1999-08-24 1999-08-24 超電導導体及び超電導磁石

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001067949A true JP2001067949A (ja) 2001-03-16

Family

ID=16997994

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23624999A Pending JP2001067949A (ja) 1999-08-24 1999-08-24 超電導導体及び超電導磁石

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001067949A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013074407A1 (en) * 2011-11-17 2013-05-23 Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. Techniques for protecting a supercon-ducting (sc) tape
KR101283473B1 (ko) * 2010-12-08 2013-07-12 박명숙 전열용 탄소저항체
CN110544562A (zh) * 2018-05-29 2019-12-06 北京交通大学 具有多孔含氟可溶聚酰亚胺绝缘涂层的钇系高温超导带材
WO2023167086A1 (ja) * 2022-03-01 2023-09-07 国立大学法人九州大学 冷却器及び冷却装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101283473B1 (ko) * 2010-12-08 2013-07-12 박명숙 전열용 탄소저항체
WO2013074407A1 (en) * 2011-11-17 2013-05-23 Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. Techniques for protecting a supercon-ducting (sc) tape
CN104040743A (zh) * 2011-11-17 2014-09-10 瓦里安半导体设备公司 保护超导物品的技术
KR20140114341A (ko) * 2011-11-17 2014-09-26 베리안 세미콘덕터 이큅먼트 어소시에이츠, 인크. 초전도 테이프를 보호하기 위한 기술들
JP2015500563A (ja) * 2011-11-17 2015-01-05 ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド 超伝導部材を保護するための技術
US9008740B2 (en) 2011-11-17 2015-04-14 Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. Techniques for protecting a superconducting (SC) tape
TWI612878B (zh) * 2011-11-17 2018-01-21 瓦里安半導體設備公司 用於保護超導物件的裝置與用於傳送電流的裝置
KR102006193B1 (ko) * 2011-11-17 2019-08-01 베리안 세미콘덕터 이큅먼트 어소시에이츠, 인크. 초전도 물품을 보호하기 위한 기술들
CN110544562A (zh) * 2018-05-29 2019-12-06 北京交通大学 具有多孔含氟可溶聚酰亚胺绝缘涂层的钇系高温超导带材
WO2023167086A1 (ja) * 2022-03-01 2023-09-07 国立大学法人九州大学 冷却器及び冷却装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
FI96803C (fi) Eristetty johdin ja sen valmistusmenetelmä
Emmer Conducting filaments and voltage-controlled negative resistance in Al-Al2O3-Au structures with amorphous dielectric
CN111834050B (zh) 一种超导线材的涂漆方法
CN111082147A (zh) 基于大面积厚膜可控织构光子晶体锂硫电池的制备方法
JP2001067949A (ja) 超電導導体及び超電導磁石
US5183611A (en) Method of producing polymer article having metallized surface
US3306972A (en) Superconducting cable
Kefan et al. Controllable Coaxial Coating of Boehmite on the Surface of Polyimide Nanofiber Membrane and Its Application as a Separator for Lithium‐Ion Batteries
Zhu et al. High‐Energy‐Heavy‐Ion Engineering Low‐Tortuosity and High‐Porosity 3D Metallic Electrodes for Long‐Life Lithium Anodes
Zhao et al. Electrode Material of PVA/PANI/GO‐PANI Hybrid Hydrogels through Secondary Induced Assembly In Situ Polymerization Method for Flexible Supercapacitors
CN113956658B (zh) 一种聚酰亚胺/二氧化钛复合微球及其制备方法
Maekawa et al. Anisotropically conducting films consisting of sub-micron copper wires in the ion track membranes of poly (ethylene terephthalate)
JP2001357733A (ja) 高電圧絶縁システム
JP3397474B2 (ja) 超伝導線
CN114007852A (zh) 用于制造复合材料的方法和复合材料
JP6923493B2 (ja) 絶縁電線
JP2000299253A (ja) コンデンサの製造方法
WO2021020382A1 (ja) 絶縁性超電導線材、絶縁性超電導線材の製造方法、超電導コイルおよび絶縁性超電導線材用のチャネル
US5951721A (en) Process for producing solid electrolytic capacitor
CN113265075B (zh) 一种抛物面聚酰亚胺薄膜及其制备方法
JPH11135320A (ja) 超電導コイルおよびその製造方法
Cook Investigation of Polymer Nanocomposites with Silicon Dioxide Fillers as Helium Cooled High-Temperature Superconducting Cable Dielectrics
CN108728935A (zh) 一种复合金属氧化物纳米纤维
JP2020009668A (ja) 超電導線材および絶縁超電導線材
WO2019177026A1 (ja) 絶縁導体線材の製造方法