JP2001066849A - 帯電装置および画像形成装置 - Google Patents

帯電装置および画像形成装置

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JP2001066849A
JP2001066849A JP24121499A JP24121499A JP2001066849A JP 2001066849 A JP2001066849 A JP 2001066849A JP 24121499 A JP24121499 A JP 24121499A JP 24121499 A JP24121499 A JP 24121499A JP 2001066849 A JP2001066849 A JP 2001066849A
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charging
magnetic brush
charged
brush
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Takeshi Fujino
猛 藤野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁気ブラシ帯電装置について、磁性粒子のコー
トむらやリークの生じさせることなしに、注入帯電能力
を向上させる。 【解決手段】固定された磁石22を内包する回転可能な
導電性の磁性粒子担持手段21に磁性粒子23を磁気力
で拘束して磁気ブラシ24として付着保持させた磁気ブ
ラシ帯電部材2を有し、該磁気ブラシ帯電部材の磁気ブ
ラシ24を規制ブレード25によって規制し、磁気ブラ
シ24を被帯電体1に接触させて磁性粒子担持手投21
の回転で搬送させ、電圧を印加して被帯電体1を帯電す
る磁気ブラシ帯電装置において、規制ブレード25によ
って規制された磁気ブラシ24が磁性粒子担持手段21
と被帯電体1の最近接位置近傍に到達する以前に一回以
上は磁性粒子担持手段21に内包される磁極の一つN1
を通過することにより、規制ブレード25で穂の高さを
規制された磁気ブラシ24を再び穂立ちさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被帯電体を帯電処理
(除電処理も含む)するための帯電装置、及び該帯電装
置を具備した画像形成装置に関するものである。
【0002】特に、磁気ブラシ帯電部材(磁気ブラシ式
注入帯電部材)を用いた磁気ブラシ帯電装置及び該帯電
装置を具備した画像形成装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】被帯電体の帯電処理手段は「非接触系」
と「接触系」の2系統に大別される。
【0004】非接触系の代表例はコロナ帯電器である。
これは該コロナ帯電器を被帯電体に非接触に対向させて
配設し、高圧印加でコロナ帯電器にコロナ放電を生じさ
せ、該コロナ放電に被帯電体面を曝すことで被帯電体面
を帯電させるものである。
【0005】接触系には、摩擦帯電や、ローラ体・ブラ
シ体・ブレード体などの導電性の帯電部材を被帯電体に
接触させ電圧を印加して被帯電体を帯電する接触帯電装
置などがある。
【0006】従来、例えば電子写真方式や静電記録方式
の画像形成装置においては、電子写真感光体・静電記録
誘電体等の像担持体の帯電処理手段としては非接触系で
あるコロナ帯電器が多用されていたが、近年、エコロジ
ーが注目されるにつれて、低オゾン・低電力等の利点を
有することから、接触系の接触帯電装置が実用化されて
きている。
【0007】接触帯電部材としては、ゴムローラ型、ゴ
ムブレード型。固定ブラシ型、ロール形状のファーブラ
シ型など様々な形態のものがある。
【0008】a)ローラ帯電方式 特に接触帯電部材として導電ローラを用いたローラ帯電
方式の装置が帯電の安定性という点から好ましく用いら
れている。
【0009】ローラ帯電方式の接触帯電装置では、帯電
部材として導電性の弾性ローラ(帯電ローラ)を被帯電
体に加圧当接させ、これに電圧を印加することによって
被帯電体を所望の表面電位vdに帯電処理する。
【0010】具体的には、帯電は帯電部材から被帯電体
への放電によって行なわれるため、ある閾値電圧以上の
電圧を印加することによって帯電が開始される。
【0011】例を示すと、被帯電体として、厚さ25μ
mのOPC感光体に対して帯電ローラを加圧当接させて
帯電処理を行なわせる場合には、帯電ローラに対して約
640V以上の電圧を印加すれば感光体の表面電位が上
昇し始め、それ以降は印加電圧に対してほぼ傾き1で線
形に感光体表面電位が増加する。この閾値電圧を帯電開
始電圧Vthと定義する。
【0012】つまり、電子写真に必要とされる感光体表
面電位(暗部表面電位)Vdを得るためには帯電ローラ
にはVd+Vthという必要とされるVd以上のDC電
圧が必要となる。
【0013】このようにしてDC電圧のみを帯電ローラ
に印加して帯電を行なう方法を「DCローラ帯電方式」
と称する。しかし、DCローラ帯電方式においては環境
変動等や耐久劣化によってゴムローラの抵抗値が変わっ
たり、被帯電体としての感光体が削れることによって膜
厚が変化することにより帯電開始電圧Vthが変動する
ため、感光体の電位を所望の値にすることが難しかっ
た。
【0014】このため、更なる帯電の均一化を図るため
に特開昭63−149669号公報に開示されるよう
に、所望のVdに相当するDC電圧に、2×Vth以上
のピーク間電圧を持つAC成分を重畳した電圧を接触帯
電部材に印加して被帯電体の帯電を行なう「ACローラ
帯電方式」が用いられている。
【0015】これは、ACによる電位のならし効果を目
的としたものであり、被帯電体の電位はAC電圧のピー
クの中央であるVdに収束し、環境等の外乱には影響さ
れることが少ない。
【0016】しかしながら、このような接触帯電におい
ても、その本質的な帯電機構は、帯電部材から被帯電体
への放電現象を用いているため、さらなるオゾン量の発
生、また放電による被帯電体表面の劣化等が顕著にな
り、新たな問題点となっていた。
【0017】b)注入帯電方式 上記の放電をともなう接触帯電方式に対して、接触式で
あって、被帯電体への電荷の直接注入による帯電を行な
わせる注入帯電方式が考案されている(特開平6−39
21号公報、特願平5−66150号等)。
【0018】この注入帯電方式は、ローラ型、ブレード
型、導電性繊維ブラシ型、磁気ブラシ型等の接触導電部
材に所望のVdにほぼ相当するDC電圧を印加し、被帯
電体表面にあるトラップ準位に電荷を注入する、あるい
は導電粒子を分散した保護膜を有する被帯電体に電荷を
充電する、といった方法で所望のVdを得るものであ
る。
【0019】特開平6−3921号公報は、表面に電荷
注入層を設けた被帯電体(感光体)の電荷注入層のフロ
ート電極に電荷を注入して接触帯電する方法を開示して
おり、電荷注入層として、感光体表面にアクリル樹脂に
導電フィラーであるアンチモンドープで導電化したSn
2 (酸化錫)粒子を分散したものを塗エして用いるこ
とが可能であるとの記述がある。
【0020】この注入帯電方式では、放電現象を用いな
いため、帯電に必要とされる電圧は所望する被帯電体表
面電位分のみのDC電圧であり、オゾンの発生もないた
め、ローラ帯電方式と比べると、より低オゾン性、低電
圧性に優れた帯電方式である。
【0021】しかしながら、前述の放電を伴うDCロー
ラ帯電方式・ACローラ帯電方式のような接触帯電方式
では帯電機構が放電によるものであるため帯電部材と被
帯電体表面が一部接触してさえいれば十分に帯電するこ
とができたが、注入帯電方式では帯電部材と被帯電体と
が直接接触して電荷を授受するため、両者が密に接触し
て微視的な帯電ムラが生じないような構成を取る必要が
ある。
【0022】以上述べてきたように注入帯電方式に用い
る帯電部材としては、被帯電体と密に接触でき、かつ、
被帯電体に対して周速差を持つことで接触性を上げるこ
とが可能な部材という観点から、磁気ブラシ、磁性流体
などの磁気拘束系の帯電部材(磁気ブラシ帯電部材)が
適している。ゴムローラ型・ゴムブレード型等の帯電部
材を用いた場合には、ゴム部材のもつ微妙なたわみなど
により微視的に接触しない部分などが生じ、帯電ムラ、
画像不良が生じ易い。
【0023】また、導電性繊維ブラシを用いた場合も、
ミクロ的には繊維ブラシが触らない部分が生じて微視的
な帯電ムラ、画像ムラが生じるため、注入帯電方式には
あまり適さない。
【0024】また、これを解決するために、導電性繊維
を細くしたり、植毛密度を上げることにも物理的に限界
がある。
【0025】よって、注入帯電方式には、マクロ的に流
体として扱える磁性キャリアを用いた帯電部材、すなわ
ち磁気ブラシ帯電部材が最も好ましい。
【0026】c)磁気ブラシ帯電部材 磁気ブラシ帯電部材は、磁性粒子担持手段に磁性粒子を
磁気力で拘束して磁気ブラシとして付着保持させたもの
で、該磁気ブラシを被帯電体に接触させ、電圧を印加し
て被帯電体の帯電を行なうものである。
【0027】より具体的には、磁性粒子担持手段が回転
可能なスリーブであり、該スリーブ内に配設した固定の
マグネットロール(磁石)の磁気力で磁性拉子がスリー
ブ外面に拘束されて磁気ブラシとして付着保持されてい
る形態のものが適している。図9はスリーブ型の磁気ブ
ラシ帯電部材の模式図である。
【0028】21は磁性粒子担持手段としての、アルミ
ニウム等の非磁性の導電性スリーブ(電極スリーブ、導
電スリーブ、帯電スリーブなどと称される、以下、帯電
スリーブと記す)である。
【0029】22はこの帯電スリーブ21内に挿入配設
した磁界発生手段としてのマグネットロールである。N
1・S1・N2・S2は該マグネットロールの着磁部で
ある。このマグネットロール22は非回転の固定部材で
あり、このマグネットロール22の外周りを帯電スリー
ブ21が同心に矢印の時計方向bに不図示の駆動機構に
て所定の周速度にて回転駆動される。
【0030】23は導電性の磁性粒子(以下、キャリア
と称す)であり、帯電スリーブ21の外周面にスリーブ
内部のマグネットロール22の磁気力で拘束されて磁気
ブラシ(導電性磁気ブラシ)24として付着保持されて
いる。キャリア23はマグネットロール22の磁気拘束
力により帯電スリーブ21の外面上で磁気的な穂立ちを
形成し、これが集まってブラシ形状となっている。
【0031】25は規制ブレードで、2つの役割を持っ
ている。一つは帯電スリーブ21上に形成された磁気ブ
ラシ24の穂の高さを規制し、均一化させることにより
磁気ブラシ帯電部材長手方向での帯電性均一性を確保す
る役目であり、二つ目は規制ブレード25の内側にキャ
リア溜りをつくることにより、キャリア23の耐久等に
ともなう総量の変動があっても、常に一定量のキャリア
のコートを帯電スリーブ21上に形成する役目である。
もし規制ブレード25がなかった場合、磁気ブラシ帯電
部材長手方向でのキャリア量の変動がそのまま帯電性に
影響して帯電ムラ・画像ムラが生じるなどの問題が生じ
るため、安定的な帯電性を確保するためには必須の部材
である。
【0032】1は被帯電体としてのドラム型電子写真感
光体であり、矢印の時計方向aに所定の速度で回転駆動
される。
【0033】磁気ブラシ帯電部材2は磁気ブラシ24を
感光体1の面に接触させて接触ニップ部(帯電ニップ
部)Dを形成させた状態にして配置される。
【0034】磁気ブラシ24は帯電スリーブ21の回転
に伴って同じ方向に回転搬送され、接触ニップ部Dにお
いて回転感光体1面を摺擦し、電源Elから帯電スリー
ブ21を介して磁気ブラシ24に印加された帯電バイア
スにより被帯電体としての回転感光体1面が接触方式で
帯電処理される。
【0035】本例では、接触ニップ部Dにおいて、帯電
スリーブ21の回転方向、それに伴う磁気ブラシ24の
回転搬送方向は被帯電体としての回転感光体1の回転方
向に対して逆方向としてある。
【0036】前述したように、接触注入帯電方式では帯
電部材と被帯電体の接触性が帯電能力や安定性に影響し
ているため、接触ニップ部Dの面積がより広いほど、ま
た接触ニップ部Dにおけるキャリアの密度が高いほど帯
電性が高まる。
【0037】帯電スリーブ21は、磁気ブラシ24の担
持機能、搬送機能、帯電バイアス印加電極機能を担って
いる。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、磁気
ブラシ帯電部材を用いた帯電装置においては、磁気ブラ
シすなわちキャリアと被帯電体との接触面積が広いほど
帯電性が高まる。
【0039】よって、磁気ブラシ型注入帯電方式で帯電
性を向上させる方法を考えた場合、まず第1に規制ブレ
ード25と帯電スリーブ21の間の距離α(以後、これ
をSBギャップ長と呼移する)を広くして磁気ブラシ2
4の穂の高さを上げる。また第2に帯電スリーブ21と
被帯電体である感光体1の間の距離β(以後、これをS
Dギャップ長と呼称する)を狭くすることにより磁気ブ
ラシ24の穂がより早く感光体1に当接する、などの方
法により、磁気ブラシ24が感光体1に当接する距離が
長くなり、接触ニップ部Dの面積が大きくなる。
【0040】しかしながら、前述した通り規制ブレード
25はブレード裏にキャリア溜りをつくり、一定量のキ
ャリアを保持する役目を持っているため、SBギャップ
長αを広げることにより、キャリア総量の減少によるキ
ャリアのコートむらが発生しやすくなる。
【0041】また、SDギャップ長βを狭くした場合
は、帯電スリーブ21に印加されるバイアスが感光体1
にリークしやすくなってしまい、印加電圧を下げざるを
得なくなり、結果として所望のVdを得るだけのバイア
スがかけられなくなる。
【0042】すなわち、いずれの方法も帯電性を損なう
という弊害が生じてしまうという問題点があった。
【0043】そこで本発明は、キャリアのコートむらや
リークの生じさせることのない、より注入帯電性の向上
した磁気ブラシ帯電装置及び該帯電装置を具備した画像
形成装置を提供することを目的とする。
【0044】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする、帯電装置および画像形成装置である。
【0045】(1)固定された磁石を内包する回転可能
な導電性の磁性粒子担持手段に磁性粒子を磁気力で拘束
して磁気ブラシとして付着保持させた磁気ブラシ帯電部
材を有し、該磁気ブラシ帯電部材の磁気ブラシを規制ブ
レードによって規制し、磁気ブラシを被帯電体に接触さ
せて磁性粒子担持手投の回転で搬送させ、電圧を印加し
て被帯電体を帯電する磁気ブラシ帯電装置において、前
記規制ブレードによって規制された磁気ブラシが磁性粒
子担持手段と被帯電体の最近接位置近傍に到達する以前
に一回以上は磁性粒子担持手段に内包される磁極の一つ
を通過することを特徴とする帯電装置。
【0046】即ち、規制ブレードによって規制された磁
気ブラシが磁性粒子担持手段と被帯電体の最近接位置近
傍に到達する以前に一回以上は磁性粒子担持手投に内包
される磁極の片つを通過することにより、規制ブレード
によって穂の高さを規制された磁気ブラシが再び穂立ち
し、磁気ブラシの穂の高さが磁極の磁気力に応じて高く
なることにより、磁気ブラシ半径が大きくなり、被帯電
体に当接する距離が長くなることで、磁気ブラシの磁性
粒子(キャリア)と被帯電体の接触面積が大きくなり、
電荷注入帯電性が向上する。
【0047】(2)固定された磁石を内包する回転可能
な導電性の磁性粒子担持手投に磁性粒子を磁気力で拘束
して磁気ブラシとして付着保持させた磁気ブラシ帯電部
材を有し、該磁気ブラシ帯電部材の磁気ブラシを規制ブ
レードによって規制し、磁気ブラシを被帯電体に接触さ
せて磁性粒子担持手投の回転で搬送させ、電圧を印加し
て被帯電体を帯電する磁気ブラシ帯電装置において、磁
性粒子担持手段上における法線方向の磁気力のピーク位
置の一つが被帯電体と磁性粒子担持手段の最近接点近傍
にあり、前記規制ブレードと該ピーク位置の間に少なく
とも一つ以上の磁気力のピーク位置が存在することを特
徴とする帯電装置。
【0048】即ち、磁性粒子担持手段上における法線方
向の磁気力のピーク位置の一つが被帯電体と磁性粒子担
持手段の最近接点近傍にあり、該規制ブレードと該ピー
ク位置の間に少なくとも一つ以上の磁気力のピーク位置
が存在することにより、一つめの磁気力のピーク位置か
ら、被帯電体と磁性粒子担持手段との最近接点近傍に位
置する磁気力のピーク位置まで、高い穂を持った磁気ブ
ラシを形成することが可能となり、磁気ブラシ半径が大
きくなり、被帯電体に当接する距離が長くなることで、
磁気ブラシの磁性粒子と被帯電体の接触面積が大きくな
り、より電荷注入帯電性が向上する。
【0049】(3)固定された磁石を内包する回転可能
な導電性の磁性粒子担持手段に磁性粒子を磁気力で拘束
して磁気ブラシとして付着保持させた磁気ブラシ帯電部
材を有し、該磁気ブラシ帯電部材の磁気ブラシを規制ブ
レードによって規制し、磁気ブラシを被帯電体に接触さ
せて磁性粒子担持手投の回転で搬送させ、電圧を印加し
て被帯電体を帯電する磁気ブラシ帯電装置において、被
帯電体に対して最も近い位置に配設された磁性粒子担持
手段内の磁石の磁極の半値巾が60度以上であり、なお
かつ該規制ブレードがその半値巾の縁近傍もしくはそれ
以内にあることを特徴とする帯電装置。
【0050】即ち、被帯電体に対して最も近い位置に配
設された磁性粒子担持手段内の磁石の磁極の半値巾が6
0度以上であり、なおかつ規制ブレードがその半値巾の
縁近傍もしくはそれ以内にあることにより、磁気ブラシ
が規制ブレード直後を通過した時点で磁気力によって穂
立ちし、磁気ブラシ半径が大きくなり・被帯電体に当接
する距離が長くなることで、磁気ブラシの磁性粒子と被
帯電体の接触面積が大きくなり、電荷注入帯電性が向上
する。
【0051】(4)前記(1)ないし(3)の何れかに
記載の帯電装置において、前記磁性粒子担持手段と前記
被帯電体の相対移動方向が逆方向であることを特徴とす
る帯電装置。
【0052】即ち、(1)ないし(3)の何れかに記載
の帯電装置の構成に加えて、磁性粒子担持手段と被帯電
体の相対移動方向を逆方向とすることにより、磁気ブラ
シによって形成される接触ニップ部の磁性粒子がより圧
縮されて密度が上がるので、細かい帯電ムラを除去する
ことが可能となる。
【0053】(5)像担持体と、該像担持体を帯電処理
する帯電手段を含む作像プロセス手段を有する画像形成
装置において、前記帯電手段が(1)ないし(4)の何
れかに記載の帯電装置であることを特徴とする画像形成
装置。
【0054】(6)像担持体が水素化アモルファスシリ
コンを主成分とする感光層をもつ感光体であり、該感光
体の表面層の体積抵抗が1×1011から5×1013Ω・
cmの範囲にあることを特徴とする(5)に記載の画像
形成装置。
【0055】像担持体として上記の感光体を用いること
により、より高耐久かつ高画質の画像形成装置を提供す
ることができる。
【0056】
【発明の実施の形態】〈第1の実施例〉(図1〜図7) (1)画像形成装置例 図1は本発明に従う画像形成装置例の概略構成模型図で
ある。本例の画像形成装置は、転写式電子写真プロセ
ス、磁気ブラシ注入帯電方式のレーザービームプリンタ
である。
【0057】1は被帯電体としての像担持体である回転
感光ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムある
いはドラムと記す)である。本例では直径30mmのO
PC感光体を用い、矢示aに示す時計方向に100mm
/secのプロセススピード(周速度)をもって回転駆
動される。この感光ドラム1の層構成については(2)
項で詳述する。
【0058】2は感光ドラム1の周面を所定の極性・電
位に一様に帯電処理するためのスリーブ型の磁気ブラシ
帯電部材(磁気ブラシ式注入帯電部材)である。この磁
気ブラシ帯電部材2については(3)項で詳述する。
【0059】この磁気ブラシ帯電部材2のスリーブには
帯電バイアス印加電源Elから−700VのDC帯電バ
イアスが印加されていて。電荷注入帯電によって回転感
光ドラム1の外周面がほぼ−700Vに一様に帯電され
る。
【0060】この回転感光ドラム1の帯電面に対してレ
ーザーダイオード・ポリゴンミラー等を含むレーザービ
ームスキャナ7から出力される目的の画像情報の時系列
電気デジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザ
ービーム7aによる走査露光がなされ、回転感光ドラム
1の周面に対して目的の画像情報に対応した静電潜像が
形成される。
【0061】その静電潜像は磁性一成分絶縁トナー(ネ
ガトナー)を用いた反転現像装置3によりトナー画像と
して現像される。3aはマグネット3bを内包する直径
16mmの非磁性現像スリーブであり、この現像スリー
ブに上記のネガトナーをコートし、感光ドラム表面との
距離を300μmに固定した状態で、感光ドラム1と等
速で回転させ、スリーブ3aに現像バイアス印加電源E
2より現像バイアス電圧を印加する。本例では、−50
0VのDC電圧と、周波数1800Hz、ピーク間電圧
1600Vの矩形のAC電圧を重畳したものを用い、ス
リーブ3aと感光ドラム1の間でジャンピング現像を行
なわせる。即ち現像スリーブ3aで運ばれてくる負に帯
電されたトナーを潜像の画像部に電界により付着させて
現像する。
【0062】一方、不図示の給紙部から記録材としての
転写材30が供給されて、感光ドラム1とこれに所定の
押圧力で当接させた接触転写手投としての、中抵抗の転
写ローラ4との圧接ニップ部(転写部)Tに所定のタイ
ミングにて導入される。
【0063】転写ローラ4には転写バイアス印加電源E
3から所定の転写バイアス電圧が印加される。本例では
転写ローラ4にはローラ抵抗値5×108 Ωのものを用
い、+2000VのDC電圧を印加して転写を行なっ
た。
【0064】転写部Tに導入された転写材30はこの転
写部Tを挟持搬送されて、その表面側に回転感光ドラム
1の表面に形成担持されているトナー画像が順次に静電
気力と押圧力にて転写されていく。
【0065】トナー画像の転写を受けた転写材30は感
光ドラム1の面から分離されて熱定着方式等の定着装置
5へ導入されてトナー画像の定着を受け、画像形成物
(プリント、コピー)として装置外へ排出される。
【0066】また、転写材30に対するトナー画像転写
後の感光ドラム1面はクリーニング装置6により残留ト
ナー等の付着汚染物の除去を受けて清掃され繰り返して
作像に供される。
【0067】本例のプリンタは、感光ドラム1、磁気ブ
ラシ帯電部材2、現像装置3、クリーニング装置6の4
つのプロセス機器を一括してプリンタ本体に対して着脱
交換自在のプロセスカートリッジ10としてある。9は
上記4つのプロセス機器1・2・3・6を所定に組み込
んだ力一トリッジハウジングである。8はプリンタ本体
側のプロセスカートリッジ挿脱案内兼保持部である。
【0068】プリンタ本体に対して該プロセスカートリ
ッジ10を所定に装着した状態において、プロセスカー
トリッジ10側とプリンタ本体側とが機械的・電気的に
相互にカップリング状態となり、またプロセスカートリ
ッジ10側の感光ドラム1の下面がプリンタ本体側の転
写ローラ4に所定に当接した状態となり、画像形成実行
可能状態となる。
【0069】なお、プロセスカートリッジ10とは、帯
電手段、現像手段またはクリーニング手段と、電子写真
感光体とを一体的にカートリッジ化し、このカートリッ
ジを画像形成装置本体に対して着脱可能とするものであ
る。及び帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少な
くとも1つと電子写真感光体とを一体的にカートリッジ
化して画像形成装置本体に着脱可能とするものである。
更に、少なくとも現像手段と電子写真感光体とを一体的
にカートリッジ化して画像形成装置本体に着脱可能とす
るものをいう。
【0070】(2)感光体1 図2は本例で用いた被帯電体としての感光ドラム1の層
構成模型図である。本例で用いた感光体は表面に電荷注
入機能層を有する負帯電性のOPC感光体であり、φ3
0mmのアルミニウム製のドラム基体11上に下記の第
1〜第5の5層の機能層12〜16を下から順に設けた
ものである。
【0071】第1層12:下引き層である。アルミニウ
ムドラム基体11の外周面の欠焔等をならすため、また
レーザー露光の反射によるモアレの発生を防止するため
に設けられている厚さ約20μmの導電層である。
【0072】第2層13:正電荷注入防止層である。ア
ルミニウム基体11から注入された正電荷が感光体表面
に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果た
し、アミラン樹脂とメトキシメチル化ナイロンによって
106 Ωcm程度に抵抗調整された厚さ約1μmの中抵
抗層である。
【0073】第3層14:電荷発生層である。ジスアゾ
系の顔料を樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であ
り、レーザー露光を受けることによって正負の電荷対を
発生する。
【0074】第4層15:電荷輸送層である。ポリカー
ボネート樹脂にヒドラゾンを分散した厚さ約20μmの
層であり、P型半導体である。従って、感光体表面に帯
電された負電荷はこの層を移動することはできず、電荷
発生層で発生した正電荷のみを感光体表面に輸送するこ
とができる。
【0075】第5層16:電荷注入層である。光硬化性
のアクリル樹脂に超微粒子の導電粒子(導電フィラー)
16aとしてSnO2 を分散した材料の塗エ層である。
具体的には、アンチモンをドーピングし、低抵抗化した
粒径約0.03μmのSnO 2 粒子を樹脂に対して70
重量パーセント分散した材料の塗工層である。このよう
にして調合した塗工液をデイッピング塗工法にて、厚さ
約3μmに塗工して電荷注入層とした。
【0076】感光体の表面層である電荷注入層16の体
積抵抗は電荷注入帯電を行なうために、109 〜1014
Ω・cmの低抵抗層を持つことが好ましく、本例におい
ては電荷注入層16の体積抵抗は1×1013Ω・cmと
した。
【0077】電荷注入層16の体積抵抗率は、導電性シ
ート(アルミニウムシート)上に電荷注入層を約6〜7
μm塗布し、これを横河ヒューレット・パッカード社製
の高抵抗計4329AにRESISTIVITY CELL 16008A を接
続して印加電圧100Vにて測定したものである。
【0078】電荷注入層16は磁気ブラシ帯電部材2か
ら電荷を直接注入することで表面を均一に帯電するため
の注入サイトを意図的に作成したものであるが、潜像の
電荷が表面を流れないよう電荷注入層16の表面抵抗は
1×108 Ω以上である必要がある。
【0079】電荷注入層16の表面抵抗は、絶縁性シー
ト上に電荷注入層を塗布し、これを横河ヒューレット・
パッカード社製の高抵抗計4329Aで印加電圧100
Vにて測定したものである。
【0080】(3)磁気ブラシ帯電 本例における電荷注入帯電は、中抵抗の接触帯電部材
(磁気ブラシ帯電部材)で、中抵抗の表面抵抗を持つ感
光体表面に電荷注入を行なうものであり、感光体表面材
質のもつトラップ電位に電荷を注入するものではなく、
電荷注入層16の導電粒子16aに電荷を充電して帯電
を行なう方式である。
【0081】帯電時に磁気ブラシ帯電部材2に所望の電
圧を印加することで、電荷注入層16に電荷が注入され
て、被帯電体としての感光体表面は最終的に磁気ブラシ
24とほぼ同電位に帯電(充電)される。
【0082】a)磁気ブラシ帯電部材2 図3〜図5はそれぞれ本発明に従うタイプA・タイプB
・タイプCの磁気ブラシ帯電部材2ないしは磁気ブラシ
帯電装置の構成模型図であり、何れも前述図9従来例の
ものと同様にスリーブ型のものである。前述図9の従来
例のもと同一の構成部材・部分には同一の符号を付して
再度の説明を省略する。
【0083】帯電バイアス印加電源Elから磁気ブラシ
帯電部材2の帯電スリーブ21へ印加する帯電バイアス
は、高すぎると磁気ブラシ24と感光ドラム1の間でリ
ークを生じ、低すぎると帯電電位が低くなり現像コント
ラストが小さくなることから、画像が貧弱になる。よっ
て帯電電圧としては100V〜1500Vが望ましい。
【0084】接触ニップ部Dにおける磁気ブラシ24の
回転搬送方向について、感光ドラム1の回転方向に対し
て順方向の場合は、逆方向と比較して、磁気ブラシ24
を構成するキャリア23が感光ドラム1に付着しやすい
傾向がある。また、帯電スリーブ21と感光ドラム1の
相対的な速度即ち周速差を大きくするには、帯電スリー
ブ21の回転数が高くなってしまう。従って、キャリア
23の飛散を生じやすく、回転トルクも大きくなり、装
置コストも高くなる。
【0085】逆方向は、感光ドラム1へのキャリア付着
を抑制し、低速で周速差を大きくすることができ、従っ
てキャリアと感光ドラムの接触回数を多くできるので、
帯電性が良好になる。また、磁気ブラシによって形成さ
れる接触ニップ部のキャリアがより圧縮されて密度が上
がるので、細かい帯電ムラを除去することが可能とな
る。逆方向の方が感光ドラムヘのキャリア付着に対して
良好な理由は、磁気ブラシ24の摺擦により感光ドラム
上のキャリアを剥ぎ取って引き戻す作用が働くと一般的
に考えられている。
【0086】帯電スリーブ21の回転を停止させると、
磁気ブラシ24の形状がそのまま帯電不良となって画像
に出てしまう。
【0087】このような理由から磁気ブラシ24の回転
搬送方向は感光体1の移動方向に対して逆方向が好まし
い。
【0088】また、電荷注入性を良くするには、接触ニ
ップ部Dの幅を2mm以上にすることが好ましく、4m
m以上にすることがより好ましい。接触ニップ部Dの幅
が小さくなりすぎると、キャリアと感光体の接触機会が
少なくなり、帯電が不均一になったり、注入帯電能力が
低下したりして、帯電不良が生じやすい。
【0089】.タイプAの磁気ブラシ帯電部材22 図3のタイプAの磁気ブラシ帯電部材22において、マ
グネットロール22は図9の従来例の磁気ブラシ帯電部
材22におけるマグネットロール22と比較して、帯電
主極であるN1極が感光ドラム1と帯電スリーブ21と
の最近接点より規制ブレード25側に+10°(θ)寄
っている。
【0090】これにより、規制ブレード25によって穂
の高さが規制された磁気ブラシ24がN1極の法線方向
の磁気力によって穂立ちし、磁気ブラシ半径が高くな
る。これにより、接触ニップ部Dが図9の従来例の磁気
ブラシ帯電部材22の構成に対してより長くなり、注入
帯電に必要な接触面積がより広くなって注入帯電能力が
向上する。
【0091】但し、あまり帯電主極Nlが帯電スリーブ
21と感光体1の最近接点位置から離れてしまうと、帯
電スリーブ下流側の接触ニップ部が短くなってしまうた
め、帯電主極S1の位置は感光ドラム1と帯電スリーブ
21の最近接位置から規制ブレード側に〜+15°
(θ)までが好ましく、+5°〜+12°(θ)がより
好ましい。
【0092】.タイプBの磁気ブラシ帯電部材22 図4のタイプBの磁気ブラシ帯電部材22において、マ
グネットロール22は・N1・N2・S1・S2・S3
の5つの磁極で構成されており、S3極が帯電主極であ
るN1極と規制ブレード25の間に配設されている。
【0093】これにより、規制ブレード25によって穂
の高さが規制された磁気ブラシ24が、S3極の法線方
向の磁気力によって穂立ちし、磁気ブラシ半径が高くな
る。これにより、接触ニップ部Dが図9の従来例の磁気
ブラシ帯電部材22の構成に対してより長くなり、注入
帯電に必要な接触面積がより広くなって注入帯電能力が
向上する。
【0094】.タイプCの磁気ブラシ帯電部材22 図5のタイプCの磁気ブラシ帯電部材22において、マ
グネットロール22は、図9の従来例の磁気ブラシ帯電
部材22におけるマグネットロール22の帯電主極であ
るN1極の半値巾が45度に対して90度(図5の点線
で示される領域)になっており、またN1極の半値巾の
端部近傍に規制ブレード25が配設されるようになって
いる。
【0095】ここで、例えば帯電スリーブ21の直径が
16mmの場合、半値巾45度では帯電スリーブ上で約
6.28mmに相当するのに対し、半値巾60度では約
8.37mm、半値巾90度では約12.56mmと、
それぞれ帯電スリーブの上流側の磁気ブラシ24の穂立
ち開始点が半値巾60度では約+1mm、半値巾90度
では約+3mm分だけ規制ブレード25側に接近する。
よって、半値巾60度以上が好ましく、半値巾90度が
より好ましい。
【0096】これにより、接触ニップ部Dが図9の従来
例の磁気ブラシ帯電部材22の構成に対してより長くな
り、注入帯電に必要な接触面積がより広くなって注入帯
電能力が向上する。
【0097】このように、接触ニップ部Dを大きくし、
帯電スリーブ21の上流側の幅を大きくすることによ
り、リークや画像ムラ等の発生をともなわずに、磁気ブ
ラシ帯電装置の電荷注入性が向上するので、たとえば帯
電スリーブの小型化などが可能となり、コストダウンす
ることができる。
【0098】b)キャリア23 磁気ブラシ24を構成させる磁性粒子であるキャリア2
3としては、 i.樹脂とマグネタイト等の磁性粉体を混練して粒子に
成型したもの、もしくはこれに抵抗値調節のために導電
カーボン等を混ぜたもの ii. 焼結したマグネタイト、フェライト、もしくはこれ
らを還元または酸化処理して抵抗値を調節したもの iii.上記の磁性粒子を抵抗調整をしたコート材(フェノ
ール樹脂にカーボンを分散したもの等)でコートまたは
Ni等の金属でメッキ処理して抵抗値を適当な値にした
もの等が考えられる。
【0099】感光ドラム1へのダメージを軽滅するため
に、キャリア23は球形化処理をするのが望ましい。
【0100】これらキャリア23の抵抗値としては、高
すぎると感光ドラムに電荷が均一に注入できず、微小な
帯電不良によるカブリ画像となってしまう。低すぎると
感光ドラム表面にピンホールがあったとき、ピンホール
に電流が集中して帯電電圧が降下し感光ドラム表面を帯
電することができず、帯電ニップ状の帯電不良となる。
【0101】よって、キャリア23の抵抗値としては、
1×105 〜1×108 Ω・cmが望ましい。キャリア
の抵抗値は、電圧が印加できる金属セル(底面積228
mm 2 )にキャリア23を2g入れた後6.6kg/c
2 で加重し、電圧を1〜1000V印加して測定し
た。例えば100V印加して、この系に流れる測定電流
から算出し正規化したもので定義した。
【0102】複数種のキャリアを混合して用いることで
帯電性の向上を図ることも可能である。
【0103】キャリアの粒径としては、あまり細かすぎ
ると磁気拘束力が小さくなり、感光ドラム面へのキャリ
ア付着を起こす。また大きすぎると、感光ドラムヘの接
触面積が減り、帯電不良が増える。よってキャリアの平
均粒径としては5〜50μm程度が帯電性と磁気保持の
点で望ましい。キャリアの平均粒径は、光学顕微鏡また
は走査型電子顕微鏡により、ランダムに100個以上抽
出し、水平方向最大弦長をもって体積粒度分布を算出
し、その50%平均粒径をもつて決定した。
【0104】キャリア23の磁気特性としては、感光ド
ラムヘのキャリア付着を防止するために磁気力を高くす
る方がよく、飽和磁化が30(A・m2 /kg)以上、
より好ましくは50(A・m2 /kg)以上が望まし
い。
【0105】実際に、本例で用いたキャリア23は、平
均粒径が30μmで、形状は球形、抵抗値が1×106
Ω・cm、飽和磁化が64(A・m2 /kg)であっ
た。
【0106】なお、キャリア23の真密度は約5.8g
/cm3 で、透磁率は約5.0であった。飽和磁化及び
透磁率の測定は、振動試料型磁力計(商品名:VSM−
P−1型東英工業社製)により、最大10000エルス
テッドの磁場中に置かれた磁性粒子の磁化を測定し、記
録紙に描かれたヒステリシス曲線に基づいて求めた。
【0107】(4)実験例 本例で、感光ドラム1の周速は100mm/sec、外
径は30mm、帯電スリーブ21の周速は150mm/
sec、帯電スリーブ21の外径は16mmとした。帯
電スリーブ21の回転方向は感光ドラム1に対して逆方
向とした。感光ドラム1と帯電スリーブ21との間隔で
あるSDギャップ長βは0.5mmとした。帯電スリー
ブ21内に固定する磁石である帯電主極N1の帯電スリ
ーブ表面上での、帯電スリーブ表面に対する法線方向の
磁束密度のピーク値は950×10-4T(テスラ)のも
のを用いた。磁気ブラシ24のキャリア量は約30g、
磁気ブラシ24の長手巾は210mm、規制ブレード2
5と帯電スリーブ21の間隔であるSBギャップ長αは
1mmとし、帯電スリーブ21上の磁気ブラシ24のコ
ート層の厚さは約1mmであった。
【0108】ここで、図9の従来例の磁気ブラシ帯電部
材22と、本例の図3〜図5のタイプA・B・Cの磁気
ブラシ帯電部材22を用いて、帯電能力を測定し、それ
ぞれ比較を行った。
【0109】帯電能力の測定方法は、図1のプリンタに
おいて、現像装置3の代わりに感光体の表面電位を検知
する電位センサーを配設したものを用い、表面電位が未
帯電(すなわち暗部表面電位Vdが0Vの状態)から帯
電を開始し、帯電開始後1周目の帯電電位Vd1と2周
目の帯電電位Vd2の差し引き電位△Vの高さで評価し
た(図6を参照)。所望のVdを得るための印加電圧V
prと差し引き電位△Vのグラフを図7に示す。
【0110】ここで、差し引き電位差△Vを帯電能力の
評価基準とした理由は、磁気ブラシ帯電部材22の帯電
能力が高いほど電位の収束能力が高いため、△Vはより
小さくなり、またその際の画像ムラやゴースト(帯電能
力が不足な場合に発生する履歴画像障害のことを一般的
にゴーストと呼称する)も少ないためである。
【0111】図7でわかるように、図9の従来例の磁気
ブラシ帯電部材22においては、−1000V印加時の
△Vが120V以上となるのに対し、本例の図3〜図5
のタイプA・タイプB・タイプCの磁気ブラシ帯電部材
22においては、△Vは1/2〜1/4にまで減少する
ことが分かる。
【0112】すなわち、接触ニップ部Dを長くし、磁気
ブラシ24と感光体1との接触面積を広げる構成をもつ
ことにより、リークや画像ムラの発生することなく注入
帯電性を向上させることが可能となるのである。
【0113】〈第2の実施例〉(図8) 本例は、上述第1の実施例の磁気ブラシ注入帯電方式の
プリンタ(図1)において、感光ドラム1として水素化
アモルファスシリコン感光体を用いて、より高耐久・高
画質のプリンタを構成したものである。
【0114】図8は本例で用いた被帯電体としての感光
ドラム1の層構成模型図である。この感光ドラム1は水
素化アモルファスシリコンを主成分とする第1〜第3の
機能層31〜33をアルミニウム基体34上に下から順
に設けたものである。
【0115】第1の層31は表面層(表面保護層)であ
り、3つの役目を持っている。
【0116】一つ目は、プリンタの持つクリーニング装
置6や転写材(紙、OHPなど)30との摺擦による摩
耗を防ぐ保護層としての機能であり、摺擦に対する強度
を増すためにカーボンが一定量ドープされている。これ
により、アモルファスシリコン感光体は100万枚を超
える画像形成にも耐えうるのである。
【0117】二つ目は、表面に絶縁層膜を形成し、帯電
によってチャージされた電荷を保持する役目である。よ
って、表面層はある一定以上の体積抵抗を持っている必
要があるが、高すぎると逆に画像形成時に照射された画
像露光による電荷の消失速度(いわゆる感光体感度)が
低下してしまう。よって、表面層の体積抵抗は1×10
11から5×1013Ω・cmの範囲にあるのが好ましく、
5×1011から1×1013Ω・cmの範囲にあるのがよ
り好ましい。
【0118】第2の層は光導電層32であり、感光体に
照射された光によってホールとエレクトロンを発生させ
る機能を持つ。
【0119】ここで、感光体表面に正電荷をチャージさ
せておくと、発生したエレクトロンは正電界によって感
光体表面へ引き寄せられ、逆にホールは基体34側(ア
ース側)へと押し出されていく。このような光に反応し
て電荷を発生させる仕組みによって、電子写真感光体と
して機能するのである。
【0120】第3の層は阻止層33であり、負電荷が基
体34から光導電層32へと流れ込むのを防ぐ機能を持
つ。この層が無い場合、暗部で感光体表面に正電荷がチ
ャージされても、基体34から流れ込む負電荷によって
帯電電荷が消失してしまい、帯電が維持できない。
【0121】基体34は高純度のアルミニウムによって
形成された金属ドラムである。
【0122】このようにアモルファスシリコン感光体
は、表面硬度が高いため耐久寿命が有機感光体に比べて
数十倍以上ある、また感度が高くシャープな潜像を形成
することができるため高画質を実現できる、などの多く
の利点があるが、注入帯電方式の帯電装置を用いた画像
形成装置の感光体として用いる場合にはやや問題があっ
た。
【0123】その問題とは、アモルファスシリコン感光
体に必要とされる電流量が有機感光体のそれに比べて数
倍以上必要であるという点である。
【0124】これは、第1に、感光体の主成分であるア
モルファスシリコンの比誘電率が有機感光体のそれに比
べて3倍程度あるため、同じ膜厚で同じ表面電位を得る
ために必要とされる電流量も3倍となるという理由から
である。
【0125】また第2に、アモルファスシリコン感光体
の暗部電位減衰が有機感光体のそれに比べて約1.5倍
〜2.0倍程度あるため、同じ電位を得るためにはより
大量の電荷を必要とするためである。
【0126】そのため、従来の磁気ブラシ式注入帯電部
材においては十分な電流量を流せるだけの磁気キャリア
層を感光体表面上に保持できなかったため、所望の暗部
表面電位を得るのが困難であった。
【0127】しかしながら、前述した図3〜図5で説明
した本発明に係るタイプA・タイプB・タイプCのよう
な磁気ブラシ注入帯電部材を用いれば、より注入帯電能
力を向上することができるため、アモルファスシリコン
感光体を用いた画像形成装置においても磁気ブラシ型注
入帯電部材を用いることが可能となった。
【0128】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、磁
気ブラシ式注入帯電装置について、磁性粒子(キャリ
ア)のコートむらやリーク等の問題なしに、注入帯電能
力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例の画像形成装置の概略構成模型
【図2】 被帯電体としての感光体の層構成模型図
【図3】 タイプAの磁気ブラシ帯電部材の構成模型図
【図4】 タイプBの磁気ブラシ帯電部材の構成模型図
【図5】 タイプCの磁気ブラシ帯電部材の構成模型図
【図6】 収束帯電電位差△Vを説明するための図
【図7】 第1の実施例の効果と△Vの関係を説明する
ための図
【図8】 第2の実施例における感光体の層構成模型図
【図9】 従来例の磁気ブラシ帯電部材の構成模型図
【符号の説明】
1・・被帯電体(電子写真感光体、感光ドラム)、2・
・磁気ブラシ帯電部材、3・・現像装置、4・・転写ロ
ーラ、5・・定着装置、6・・クリーニング装置、10
・・プロセスカートリッジ、21・・帯電スリーブ(磁
性粒子担持体)、22・・マグネットロール、23・・
キャリア(磁性粒子)、24・・磁気ブラシ、25・・
規制ブレード、30・・記録材(転写材)、E1・・帯
電バイアス印加電源

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定された磁石を内包する回転可能な導電
    性の磁性粒子担持手段に磁性粒子を磁気力で拘束して磁
    気ブラシとして付着保持させた磁気ブラシ帯電部材を有
    し、該磁気ブラシ帯電部材の磁気ブラシを規制ブレード
    によって規制し、磁気ブラシを被帯電体に接触させて磁
    性粒子担持手投の回転で搬送させ、電圧を印加して被帯
    電体を帯電する磁気ブラシ帯電装置において、 前記規制ブレードによって規制された磁気ブラシが磁性
    粒子担持手段と被帯電体の最近接位置近傍に到達する以
    前に一回以上は磁性粒子担持手段に内包される磁極の一
    つを通過することを特徴とする帯電装置。
  2. 【請求項2】固定された磁石を内包する回転可能な導電
    性の磁性粒子担持手投に磁性粒子を磁気力で拘束して磁
    気ブラシとして付着保持させた磁気ブラシ帯電部材を有
    し、該磁気ブラシ帯電部材の磁気ブラシを規制ブレード
    によって規制し、磁気ブラシを被帯電体に接触させて磁
    性粒子担持手投の回転で搬送させ、電圧を印加して被帯
    電体を帯電する磁気ブラシ帯電装置において、 磁性粒子担持手段上における法線方向の磁気力のピーク
    位置の一つが被帯電体と磁性粒子担持手段の最近接点近
    傍にあり、前記規制ブレードと該ピーク位置の間に少な
    くとも一つ以上の磁気力のピーク位置が存在することを
    特徴とする帯電装置。
  3. 【請求項3】固定された磁石を内包する回転可能な導電
    性の磁性粒子担持手段に磁性粒子を磁気力で拘束して磁
    気ブラシとして付着保持させた磁気ブラシ帯電部材を有
    し、該磁気ブラシ帯電部材の磁気ブラシを規制ブレード
    によって規制し、磁気ブラシを被帯電体に接触させて磁
    性粒子担持手投の回転で搬送させ、電圧を印加して被帯
    電体を帯電する磁気ブラシ帯電装置において、 被帯電体に対して最も近い位置に配設された磁性粒子担
    持手段内の磁石の磁極の半値巾が60度以上であり、な
    おかつ該規制ブレードがその半値巾の縁近傍もしくはそ
    れ以内にあることを特徴とする帯電装置。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3の何れかに記載の帯電装
    置において、前記磁性粒子担持手段と前記被帯電体の相
    対移動方向が逆方向であることを特徴とする帯電装置。
  5. 【請求項5】像担持体と、該像担持体を帯電処理する帯
    電手段を含む作像プロセス手段を有する画像形成装置に
    おいて、前記帯電手段が請求項1ないし4の何れかに記
    載の帯電装置であることを特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】像担持体が水素化アモルファスシリコンを
    主成分とする感光層をもつ感光体であり、該感光体の表
    面層の体積抵抗が1×1011から5×1013Ω・cmの
    範囲にあることを特徴とする請求項5に記載の画像形成
    装置。
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