JP2001066812A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
表面の疎水性を高めた感光体を搭載した画像形成装置を
提供することにある。 【解決手段】導電性基板2上に電荷注入阻止層3と光導
電層4と、フッ素含有量を12〜35原子%にしたアモ
ルファスシリコンカーバイドもしくはアモルファスカー
ボンからなる表面保護層5とを順次積層した感光体1
と、コロナ帯電器9と、露光器10と、研磨性粒子を含
むトナー11を備えた現像機12と、被転写材13に転
写する転写器14と、転写後に感光体表面の残留トナー
を除去するクリーニング手段15と、除電手段16とを
配設し、表面保護層5の表面自由エネルギーを40mN
/m以下にした画像形成装置7。
Description
ンカーバイドもしくはアモルファスカーボンからなるフ
ッ素含有の表面保護層を備えた感光体を搭載した画像形
成装置に関するものである。
ァスシリコンをa−Siと略記する)を光導電層とした
感光体が、すでに製品化されているが、このa−Si感
光体は導電性基板上にグロー放電分解法により水素化ア
モルファスシリコン(以下、水素化アモルファスシリコ
ンをa−Si:Hと略記する)からなる電荷注入阻止層
と、a−Si:Hからなる光導電層と、水素化アモルフ
ァスシリコンカーバイド(以下、水素化アモルファスシ
リコンカーバイドをa−SiC:Hと略記する)からな
る表面保護層とを順次積層した層構成である。
においては、とくに高湿環境下で耐刷をおこなうと、画
像流れと呼ばれる画像不良が発生していた。
ーターを用いて感光体を加熱して、その原因となる水分
を飛散させる技術が提示されているが、これによって画
像流れが改善されたが、その反面、感光体の帯電能が低
下したり、感光体表面にトナーが固着したり、画像形成
装置の消費電力が増大していた。
C:H表面保護層の元素比率と自由表面の動的押し込み
硬さとを規定することで、ヒーターを用いないでもクリ
ーニング手段などにより表面を適度に研磨して、表面層
に吸着した放電生成物などを除去し、これによって画像
流れを解消する技術が提示されている(特開平9−20
4056号参照)。
上に水素化アモルファスカーボン(以下、水素化アモル
ファスカーボンをa−C:Hと略記する)からなる表面
保護層を積層し、ついでフッ素を含むガスでプラズマ放
電処理をおこない、表面近傍中にCF、CF2 等の官能
基を形成し、これによって疎水性を高め、オゾンの照射
による疎水性の劣化を抑制して耐環境性が高める技術が
提示されている(特公平7−3597号参照)。
と、膜の表面がエッチングされるにしても、成膜とエッ
チングを交互に複数回繰り返すことで表面保護層となす
技術も提案されている(特開平10−177265号参
照)。
9−204056号によれば、ヒーターを用いた加熱を
おこなわないにしても、この感光体を搭載した画像形成
装置に、弾性ローラ(摺擦ローラ)などの研磨手段を設
けなければならず、設計上および構成上煩雑になり、製
造歩留りを低下させたり、耐久性および信頼性が劣る原
因になっていた。
a−C:Hからなる表面保護層を設けて、フッ素を含む
ガスでプラズマ放電処理し、疎水性を高めることができ
るが、画像形成装置に感光体用ヒーターを設けないでも
よい程度の高い疎水性能は達成されていない。
ては、表面保護層をBN膜で形成し、1回のエッチング
によってエッチングされる膜厚を20Å以上にすること
が記載されるが、このような方法にてBN膜を形成する
と成膜速度が低くなり、製造コストが高くなる。さらに
表面保護層をBN膜で形成しても、硬度が低く、耐久性
に劣ったり、原子レベルにおける結合状態が不安定であ
るために、電位特性にバラツキが生じるという問題点も
ある。
めた結果、グロー放電法によりシリコンカーバイドもし
くはカーボンからなるアモルファス層を成膜形成し、つ
いでこのアモルファス層に対しフッ素を含むガスにより
エッチング処理するフッ素化工程を経て、フッ素を12
〜35%含有する表面保護層を形成することで、疎水性
が著しく高くなり、これによって画像形成装置に感光体
用のヒーターを設けなくてもよくなることが見出した。
しかも、転写後に表面保護層を適度にクリーニングする
ことで、表面保護層の表面自由エネルギーが40mN/
m以下に維持され、このような値に設定することで、良
好な画質が得られることも見出した。
れたものであり、その目的は感光体加熱用のヒーターを
設けない程度にまで表面の疎水性を高めた高性能な感光
体を搭載した画像形成装置を提供することにある。
護層の表面自由エネルギーを規定することで、良好な画
質を達成するとともに、電位特性のバラツキをなくした
高信頼性かつ低コストの感光体を搭載した画像形成装置
を提供することにある。
形成装置を製造する基準として、感光体の表面保護層の
表面自由エネルギーを規定することで、製造管理が容易
になり、これによって製造コストが低減され、その結
果、低コストな画像形成装置を提供することにある。
ーターを設けないことで、構造上簡単となり、製造歩留
りが向上し、さらに部品点数が少なくなることで優れた
耐久性が得られ、その結果、低コストかつ高信頼性の画
像形成装置を提供することにある。
は、導電性基板上に光導電層とフッ素含有量が12〜3
5原子%のアモルファスシリコンカーバイド(a−Si
C)もしくはアモルファスカーボン(a−C)からなる
表面保護層とを順次積層した感光体と、この感光体の表
面に電荷を付与する帯電手段と、感光体の帯電領域に対
し光照射する露光手段と、これら帯電手段と露光手段と
により感光体表面に形成された静電潜像に対してトナー
像を感光体の表面に形成する現像手段と、上記トナー像
を被転写材に転写する転写手段とからなる構成に対し、
上記転写後の感光体の表面保護層をクリーニングするた
めのクリーニング手段を配設して、表面保護層の表面自
由エネルギーを40mN/m以下にしたことを特徴とす
る。
電層と表面保護層との積層構造を基本とするものであっ
て、さらに性能を上げるために、たとえば図1に示すよ
うな積層構造にする。
層構成であり、グロー放電分解法などによりa−Si:
Hなどからなる電荷注入阻止層3およびa−Si:Hな
どからなる光導電層4とを順次積層し、この光導電層4
上に表面保護層5を積層する。
Niなどの金属導電体、あるいはガラス、セラミックな
どの絶縁体の表面に導電性薄膜を被覆したものなどがあ
る。この導電性基板2はシート状、ベルト状もしくはウ
ェブ状可とう性導電シートでもよく、このようなシート
にはSUS、Al、Niなどの金属シート、あるいはポ
リエステル、ナイロン、ポリイミドなどの高分子樹脂フ
ィルムの上にAl、Niなどの金属もしくは酸化スズ、
インジウム・スズ・オキサイド(ITO)などの透明導
電性材料や有機導電性材料を蒸着などにより被覆して導
電処理したものを用いる。
どで構成した場合には、酸素や窒素を含有させて、禁制
帯幅を大きくし、これによって電荷注入阻止という機能
上、障壁を高くしてもよい。しかも、酸素を含有させる
ことで基板との密着性が高められる。ただし、酸素のみ
ではシランガスとの反応して爆発を引き起こし易いので
不活性な窒素も併存させるとよく、実際には一酸化窒素
(NO)ガスなどを使用する。
−Te、As2 Se3 などのSe合金、ZnO、Cd
S、CdSeなどのII−VI族化合物の粒子を樹脂に分散
したもの、ポリビニルカルバゾール等の有機半導体材料
などがあり、これでもって単層型とする。あるいは光導
電層4を電荷発生層と電荷輸送層に分けた機能分離型に
してもよい。
リコンカーバイド(SiC)もしくはカーボン(C)か
らなるフッ素含有のアモルファス層により構成して、フ
ッ素含有量を12〜35原子%に規定している。
構成する各種原子の全量に対し12〜35原子%、好適
には18〜26原子%にするとよく、12原子%未満の
場合には画像流れが発生し、35原子%を超えると結合
状態において終端部が増え、原子間のネットワークが少
なくなり、C−C、Si−Si、Si−Cというような
原子間結合が減少し、これによって膜強度が弱くなり、
その結果、膜削れおよびキズが発生する。
を規定するとともに、表面保護層5の表面自由エネルギ
ーを40mN/m以下、好適には35mN/m以下にす
ることが重要である。すなわち、上述のようにフッ素を
12〜35原子%にまで多く含有させる処理(フッ素を
含むガスのプラズマ化)をおこなった場合に、成膜条件
によってフッ素の含有状態にもバラツキが生じる場合が
あり、フッ素を12〜35原子%の範囲内に含有させて
も画像流れが発生することがある。しかも、画像流れが
発生しない程度の基準については、感光体1を搭載した
画像形成装置でもって良否をするよりも、作製した感光
体1でもって、あらかじめ良否判定するのがよい。
た感光体1に対し表面保護層5の表面自由エネルギーに
より良否判定をおこない、その値を40mN/m以下に
まで下げられたものを良品とし、これによって、かかる
良品の感光体を画像形成装置に搭載すれば、何ら品質上
問題なく市場に提供することができることを知見し、本
発明を完成するにいたった。
分、極性力成分、水素結合力成分でもって、それぞれの
表面自由エネルギーが数値化できるものであって、これ
らの各数値の合計値によって求めた。測定は拡張Fow
kesの理論を適用して解析するが、具体的には3種類
の液体(分散力成分と双極子成分と水素結合力成分の各
表面自由エネルギーの値がすでにわかっている、α−ブ
ロムナフタリン、水、ヨウ化メチレン)を用いて、液滴
法にて接触角を測定し、そのデータをもとにして拡張F
owkesの理論に基づいて算出した。
フッ素含有量を12〜35原子%にして、さらに表面自
由エネルギーを40mN/m以下にまで下げたことで、
画像流れが発生しない高画質が得られる感光体が容易に
作製することができた。
押し込み硬さを90〜500kgf/mm2 、好適には
150〜500kgf/mm2 にするのが望ましい。
表面自由エネルギーを規定するとともに、硬度を高める
ことがよく、フッ素を12〜35原子%にまで多く含有
させる処理(フッ素を含むガスのプラズマ化)をおこな
って、表面をエッチングすると、その表面の硬度にバラ
ツキが生じやすくなり、低い硬度になる場合もあり、そ
こで、原料ガスを希釈ガスでもって希釈させたり、高周
波電力を高くする、というような製造条件でもって動的
押し込み硬さを90kgf/mm2 以上にまで高めてい
る。ただし、500kgf/mm2 以下にすることで、
高い画質が達成される。さらに一回のエッチング量を少
なくすることで、膜強度のバラツキを小さくするととも
に、硬度を高めている。
製の超微小硬度計DYNAMIC ULTRA MICRO HARDNESS TESTE
R (DUH−201・202)を使用してダイナミック
硬さでもって表す。この測定方法によれば、電磁石によ
り圧子(三角すい圧子)を試料に押しつけ、この押圧力
を0.1gの荷重まで一定の割合で増加させ、圧子が試
料に侵入していく過程で、圧子の試料への侵入深さを自
動計測するものであって、その際に生じるくぼみの大き
さを顕微鏡にて測定し、塑性変形分から硬さの値を得
る。
図4により述べる。
方法Aを示す各工程図であって、図4(イ)〜(ホ)は
表面保護層5の他の形成方法Bを示す各工程図である。
下、図3の各工程(イ)〜(ニ)を述べる。 (イ)工程:光導電層4の上にグロー放電法によりシリ
コンカーバイド(SiC)もしくはカーボン(C)から
なるアモルファス層6aを成膜形成する。
チング処理する。このエッチング処理はCF4 ガス、N
F3 ガス、SF6 ガス、C2 F6 ガス、F2 ガス、Cl
F3 ガス、CHF3 ガス、CH2 F2 ガス、CH3 Fガ
スなどのガスを用いて、たとえばCF4 ガスを使用した
場合であれば、真空度0.35torr、基板温度270
℃、高周波電力200Wという条件でもってプラズマ化
し、これによってアモルファス層6aの表面から内部に
漸次フッ素を侵入させると同時に、表面がエッチングさ
れる。6bはアモルファス層6aのうちフッ素が侵入し
ていない領域(フッ素未侵入領域)、6cはフッ素化領
域、6dはアモルファス層6aのうち上層領域のエッチ
ング処理された領域(エッチング領域)である。
こともわかり、エッチングレートを50〜500Å/
分、好適には100〜250Å/分に規定するのが望ま
しく、これによって膜表面に対するダメージが小さくな
り、膜剥がれや画像欠陥等が発生しなくなるとともに、
十分にフッ素化処理される。
処理されたことで、水素原子がフッ素原子に置換された
り、終端部にフッ素原子が結合し、C−F、C−F2 、
C−F3 などの官能基が生成され、とくにC−F2 が多
く生成される。そして、これらの生成物は疎水性を高め
るのに顕著な効果がある。これら各官能基の量はフーリ
エ変換赤外分光光度計により測定する。
によりフッ素化領域6cが形成されるが、そのエッチン
グ処理をさらに進行させると同時にエッチング領域6d
もさらに大きくすることで、実質上フッ素未侵入領域6
bがない程度にまでエッチング処理を進める。これによ
ってアモルファス層6aの全体がフッ素化されるまでエ
ッチング処理してフッ素化アモルファス層6eとなす。
サイクルとして、このサイクルを繰り返すことで複数の
フッ素化アモルファス層6eを積層する。たとえば、
(イ)工程にてアモルファス層6aを2000Åの厚み
で成膜形成し、(ロ)工程および(ハ)工程によって1
000〜1500Åにする。そして、このようなサイク
ルを5回繰り返すことで、すなわちフッ素化アモルファ
ス層6eを5層積層することで、表面保護層5を形成す
る。
ば、結合エネルギの大きなC−F系の官能基が形成され
ることで、表面自由エネルギが大幅に小さくなり、耐酸
化性に優れ、これにより、放電生成物が付着されにくく
なり、現像剤に働く力がほとんど静電引力となって転写
性が改善され、その結果、画像流れが発生しなくなっ
た。そして、放電生成物がわずかに付着されても、表面
硬度が高くなったことで、たとえば研磨性粒子を含むト
ナーを使用しても適度に表面が研磨され、表面層に吸着
した放電生成物などを除去できる。さらにクリーニング
手段や紙などでもって容易にクリーニングができ、トナ
ーの付着を抑制したり、防止できる。
程により単層のフッ素化アモルファス層6eでもって表
面保護層5となしてもよいが、(ロ)工程のエッチング
処理が長くなると、フッ素化領域6cの表面が荒れ、こ
れによって膜の密着性が劣ったり、電子写真特性が低下
する傾向にあり、そのためにアモルファス層6aの膜厚
を小さくし、さらにエッチング処理時間を短くすること
で、膜厚の小さいフッ素化アモルファス層6eを成膜形
成し、このようなフッ素化アモルファス層6eを積層す
ることで、個々のフッ素化アモルファス層6eの表面粗
さを小さくして、膜の密着性が高めたり、電子写真特性
を向上できる。望ましくは2層〜15層〔(ニ)工程に
おけるサイクル数:2〜15〕、最適には3層〜10層
〔(ニ)工程におけるサイクル数:3〜10〕のフッ素
化アモルファス層6eを積層することで表面保護層5を
構成する。
ぎに図4に示すような表面保護層5の他の形成方法Bを
述べる。この形成方法Bにおいては、上述した形成方法
Aに比べて(ハ)工程を除いている。すなわち、(ロ)
工程のエッチング処理によりフッ素化領域6cが形成さ
れるが、フッ素未侵入領域6bが残存する程度にエッチ
ング処理を進める。そして、つぎの(ホ)工程にて、
(イ)工程および(ロ)工程を一サイクルとして、この
サイクルを繰り返すことでフッ素化領域6cとフッ素未
侵入領域6bとを交互に積層させ、表面保護層5をな
す。
護層5内に存在してもよいが、前述の形成方法Aのよう
にフッ素未侵入領域6bが存在しない方が成膜の信頼性
が向上し、安定した電子写真特性が得られ、さらに生産
歩留りも高められる。
Bのいずれにおいても、アモルファス層6aの膜厚を
0.01〜1μm、好適には0.05〜0.5μmにす
るとよく、この範囲内であれば、適度な量でもってエッ
チングされ、膜全体に対しフッ素化が容易になるという
点でよい。
005〜0.5μm、好適には0.03〜0.3μmに
するとよく、この範囲内であれば、耐久性および電位特
性の双方を高めるという点でよい。
の膜厚を0.1〜1.5μm、好適には0.2〜1.0
μmにするとよく、この範囲内であれば、耐久性および
電位特性の双方を高めるという点でよい。
入領域6bの膜厚を0.001〜0.05μm、好適に
は0.001〜0.01μmにするとよく、この範囲内
であれば、適度な量でもってエッチングされて均等な膜
厚が得られ、安定した膜厚となり、しかも、画像流れが
発生しなくなるという点でよい。
(ロ)工程により単一のフッ素化領域6cと単一のフッ
素未侵入領域6bとの積層でもって表面保護層5となし
てもよいが、フッ素化領域6cの表面の荒れを防ぐため
に、望ましくは2積層〜15積層〔(ホ)工程における
サイクル数:2〜15〕、最適には3積層〜10積層
〔(ホ)工程におけるサイクル数:3〜10〕の範囲に
て表面保護層5を構成する。
コンカーバイド(SiC)またはカーボン(C)からな
るが、a−C膜はa−SiC膜に比べて硬度が小さいこ
とから、a−SiC膜にて形成するのがよい。そのため
に原子組成比率SiX C1-X のX値を0.5以下、好適
には0.3以下、最適には0.1以下にするとよい。そ
して、このようにSiを減少させたままで含有させるこ
とで耐コロナ性が向上する。ただし、a−C膜について
は、ガス希釈することで硬度を大きくすることができる
が、a−SiC膜にて得られる程度の硬度が得られな
い。
画像形成装置7であり、8は感光体であり、この感光体
8の周面にコロナ帯電器9と、その帯電後に光照射する
露光器10(LEDヘッド)と、トナー像を感光体8の
表面に形成するためのトナー11を備えた現像機12
と、そのトナー像を被転写材13に転写する転写器14
と、その転写後に感光体表面のクリーニングするための
ブレードやブラシなどからなるクリーニング手段15
と、その転写後に残余静電潜像を除去する除電手段16
とを配設した構成である。また、17は被転写材13に
転写されたトナー像を熱もしくは圧力により固着するた
めの定着器である。トナー11にはアルミナ、酸化チタ
ン、シリカなどのセラミック粒子などの研磨性粒子を含
んでもよく、これによってクリーニング性が向上する。
スを繰り返し経る。 感光体8の周面をコロナ帯電器9により帯電する。 露光器10により画像を露光することにより、感光
体8の表面上に電位コントラストとしての静電潜像を形
成する。 この静電潜像を現像機12により現像する。この現
像により黒色のトナーが静電潜像との静電引力により感
光体表面に付着し、可視化する。 感光体表面のトナー像を紙などの被転写材13の裏
面よりトナーと逆極性の電界を加えて、静電転写し、こ
れにより、画像を被転写材13の上に得る。 感光体表面をブレードやブラシなどからなるクリー
ニング手段15によってクリーニングする。 感光体表面を強い光で全面露光し除電手段16によ
り残余の静電潜像を除去する。
であるが、露光器10に代えて原稿からの反射光を通す
レンズやミラーなどの光学系を用いれば、複写機の構成
の画像形成装置となる。また、この画像形成装置7には
通常の乾式現像を用いているが、その他、湿式現像に使
用される液体現像剤にも適用される。
ーニング手段15を設けることで、感光体表面の残留ト
ナーをクリーニング手段15により機械的に除去するこ
とができる。通常、クリーニング手段15を用いない場
合には、さらにトナー11にアルミナ、酸化チタン、シ
リカなどのセラミック粒子などの研磨性粒子を含まない
と、感光体表面が機械的に研磨されないために、表面保
護層5の表面自由エネルギーが増大する傾向にあるが、
このようにクリーニング手段15を用いることで、その
表面自由エネルギーの増大を抑制することができる。本
発明においては、作製した感光体1の表面保護層5の表
面自由エネルギーを40mN/m以下にまで下げただけ
ではなく、その後、画像形成装置7に搭載し、継続的に
使用するに当たっても、感光体1の表面保護層5の表面
自由エネルギーを40mN/m以下にするようにクリー
ニング手段15により感光体表面をクリーニングするこ
とで、画像流れが発生しない高画質を長期間にわたって
安定的に得ることができた。
状の基板の上に表1に示すような成膜条件(この条件は
一チェンバ内での値である)でもってグロー放電分解法
により電荷注入阻止層3および光導電層4を積層した。
ける。まず、表2に示す(イ)工程の成膜条件によりカ
ーボン(C)からなるアモルファス層6aを2000Å
の厚みで成膜形成する。
エッチング処理する。
(ハ)工程を経ることで、実質上フッ素未侵入領域6b
がない程度にまでエッチング処理を進め、これによって
膜厚1000Åのフッ素化アモルファス層6eとなす。
程〜(ハ)工程を一サイクルとして、このサイクルを5
回繰り返すことでフッ素化アモルファス層6eを5層積
層し、表面自由エネルギーが16.2mN/m、動的押
し込み硬さが250kgf/mm2 、フッ素含有量が2
4原子%の表面保護層5を形成した。
像形成装置7(京セラ株式会社製エコシスLS−355
0、乾式現像:トナー平均粒径8μm)に搭載する。そ
して、画像形成装置7に使用するクリーニング手段15
はブレードおよび摺擦ローラを用いた。この装置7に設
けられた感光体加熱用ヒーターのスイッチングを常時O
FFにして、感光体加熱をおこなわなかった。そして、
カールソン法で画像形成して、30万枚のランニングテ
ストをおこない(A4サイズの用紙を使用して、5%印
字をおこなった。以下、すべて同じ印字条件である)、
画像流れと画質を測定したところ、表4に示すような結
果(a−C:H:Fからなる表面保護層)が得られた。
8時間放置し、その画質を3段階にて評価し、○印は
画像変化がまったくない場合であり、△印は一部画像
が流れた場合であり、×印は全面にわたって画像が流
れた場合である。
およびハーフトーン画像にて評価し、○印は黒ベタ濃
度・白ベタにおいてかぶりにまったく問題なく、また、
ハーフトーン画像にスジがまったく発生していない場合
であり、△印はハーフトーン画像の一部にスジが発生
している場合であり、×印はハーフトーン画像の全面
にわたってスジが発生している場合である。
面保護層やa−C:Hからなる表面保護層を表5および
表6に示すような成膜条件にて形成し、その他の層構成
を表1の通りにして、それぞれの感光体を作製し、同様
に評価したところ、表4に示すような結果が得られた。
なお、表6に示すSiH4 ガス量は8.3SCCMから
2.5SCCMに漸次減少させている。
護層の表面自由エネルギーが43mN/m、動的押し込
み硬さは350kgf/mm2 であり、a−C:Hから
なる表面保護層の表面自由エネルギーが38mN/m、
動的押し込み硬さは200kgf/mm2 であった。
明のようなa−C:H:Fからなる表面保護層を形成し
たことで、画像流れおよび画質の双方が向上しているこ
とがわかる。
し、表7に示すようにRF電力を変えることで、表面保
護層5のフッ素量を規定した各種感光体A〜Gを作製し
た。
し、画像流れと画質を評価測定したところ、表8と表9
に示すような結果が得られた。
試料である感光体C〜Fは画像流れと画質の双方とも優
れている。しかし、感光体Gはフッ素含有量が多くなる
ことで結合状態において終端部が増え、原子間のネット
ワークが少なく、膜強度が弱くなったため、膜削れおよ
びキズが発生した。なお、本発明の感光体C〜Fについ
ては、いずれも表面保護層5の表面自由エネルギーは4
0mN/m以下である。
いて、成膜条件を変えることでさらに2種類の感光体
1、2を作成した。これらの感光体1、2について、各
表面保護層5を形成方法Aにより設ける。
によりカーボン(C)からなるアモルファス層6aを2
000Åの厚みで成膜形成する。
りエッチング処理する。
(ハ)工程を経ることで、実質上フッ素未侵入領域6b
がない程度にまでエッチング処理を進め、これによって
膜厚1000Åのフッ素化アモルファス層6eとなす。
程〜(ハ)工程を一サイクルとして、このサイクルを5
回繰り返すことでフッ素化アモルファス層6eを5層積
層し、感光体1については、動的押し込み硬さが280
kgf/mm2 、フッ素含有量が18原子%の表面保護
層5を形成し、感光体2については、動的押し込み硬さ
が250kgf/mm2 、フッ素含有量が25原子%の
表面保護層5を形成した。
像形成装置7(京セラ株式会社製エコシスLS−355
0、乾式現像:トナー平均粒径8μm)に搭載する。そ
して、画像形成装置7に使用するクリーニング手段15
は(例1)と同様にブレードおよび摺擦ローラを用い
た。この装置7に設けられた感光体加熱用ヒーターのス
イッチングを常時OFFにして、感光体加熱をおこなわ
なかった。
て、表12に示すような成膜条件でもって膜厚2000
Åの表面保護層を形成した。これら各表面保護層は本発
明にようにエッチング処理しなかった。
た初期における表面自由エネルギーおよびコロナ暴露5
時間による静電ランニング(0.3μC/cm2 の電荷
量)をおこなうことでも表面自由エネルギーを測定した
ところ、表13に示すような結果が得られた。なお、感
光体3は(例1)にて作成した感光体に相当する。
光体1〜3によれば、初期の表面自由エネルギーが40
mN/m以下であり、さらに5時間後の表面自由エネル
ギーも40mN/m以下である。これに対し各感光体4
〜6については、初期の表面自由エネルギーが40mN
/m以下であるが、5時間後の表面自由エネルギーは4
0mN/mを越えている。
成装置7に搭載し、画像流れと画質を評価測定したとこ
ろ、表14に示すような結果が得られた。
体1〜3を使用することで、画像流れおよび画質の双方
に優れていることがわかる。
H:Fからなる表面保護層を形成した場合であるが、以
下、これに代えてa−SiC:H:Fからなる表面保護
層を形成した場合を説明する。
入阻止層3および光導電層4を積層し、その上にa−S
iC:H:Fからなる表面保護層5を形成方法Aにより
設ける。その場合、表15に示す(イ)工程の成膜条件
によりa−SiC:Hからなるアモルファス層6aを2
000Åの厚みで成膜形成する。
りエッチング処理する。
(ハ)工程を経ることで、実質上フッ素未侵入領域6b
がない程度にまでエッチング処理を進め、これによって
膜厚1000Åのフッ素化アモルファス層6eとなす。
程〜(ハ)工程を一サイクルとして、このサイクルを5
回繰り返すことでフッ素化アモルファス層6eを5層積
層し、動的押し込み硬さが300kgf/mm2 であ
り、フッ素含有量が21原子%の表面保護層5を形成し
た。
像形成装置7(京セラ株式会社製エコシスLS−355
0、乾式現像:トナー平均粒径8μm)に搭載する。そ
して、画像形成装置7に使用するクリーニング手段15
はブレードおよび摺擦ローラを用いた。この装置7に設
けられた感光体加熱用ヒーターのスイッチングを常時O
FFにして、感光体加熱をおこなわなかった。そして、
カールソン法で画像形成して、30万枚のランニングテ
ストをおこない、画像流れと画質を測定したところ、表
17に示すような結果(a−SiC:H:Fからなる表
面保護層)が得られた。
C:Hからなる表面保護層やa−C:Hからなる表面保
護層を記す。
発明のようなa−SiC:H:Fからなる表面保護層を
形成したことで、画像流れおよび画質の双方の点が著し
く向上していることがわかる。
し、表18に示すようにRF電力を変えることで、表面
保護層5のフッ素量を規定した各種感光体A〜Gを作製
した。
し、画像流れと画質を評価測定したところ、表19と表
20に示すような結果が得られた。
試料である感光体C〜Fは画像流れと画質の双方とも優
れている。しかし、感光体Gはフッ素含有量が多くなる
ことで結合状態において終端部が増え、原子間のネット
ワークが少なく、膜強度が弱くなったため、膜削れおよ
びキズが発生した。なお、本発明の感光体C〜Fについ
ては、いずれも表面保護層5の表面自由エネルギーは4
0mN/m以下である。
いて、成膜条件を変えることでさらに2種類の感光体
1、2を作成した。これらの感光体1、2について、各
表面保護層5を形成方法Aにより設ける。
によりシリコンカーバイド(SiC)からなるアモルフ
ァス層6aを2000Åの厚みで成膜形成する。
りエッチング処理する。
(ハ)工程を経ることで、実質上フッ素未侵入領域6b
がない程度にまでエッチング処理を進め、これによって
膜厚1000Åのフッ素化アモルファス層6eとなす。
程〜(ハ)工程を一サイクルとして、このサイクルを5
回繰り返すことでフッ素化アモルファス層6eを5層積
層し、感光体1については、動的押し込み硬さが290
kgf/mm2 、フッ素含有量が18原子%の表面保護
層5を形成し、感光体2については、動的押し込み硬さ
が230kgf/mm2 、フッ素含有量が23原子%の
表面保護層5を形成した。
像形成装置7(京セラ株式会社製エコシスLS−355
0、乾式現像:トナー平均粒径8μm)に搭載する。そ
して、画像形成装置7に使用するクリーニング手段15
は(例1)と同様にブレードおよび摺擦ローラを用い
た。この装置7に設けられた感光体加熱用ヒーターのス
イッチングを常時OFFにして、感光体加熱をおこなわ
なかった。
て、表23に示すような成膜条件でもって膜厚2000
Åの表面保護層を形成した。これら各表面保護層は本発
明にようにエッチング処理しなかった。
た初期における表面自由エネルギーおよびコロナ暴露5
時間による静電ランニング(0.3μC/cm2 の電荷
量)をおこなうことで、その経時的な変化を測定したと
ころ、表24に示すような結果が得られた。なお、感光
体3は(例4)にて作成した感光体に相当する。
光体1〜3によれば、初期の表面自由エネルギーが40
mN/m以下であり、さらに5時間後の表面自由エネル
ギーも40mN/m以下である。これに対し各感光体4
〜6については、初期の表面自由エネルギーおよび5時
間後の表面自由エネルギーともに40mN/mを越えて
いる。
成装置7に搭載し、画像流れと画質を評価測定したとこ
ろ、表25に示すような結果が得られた。
光体1〜3を使用することで、画像流れおよび画質とも
に優れている。
において、フッ素含有のアモルファスシリコンカーバイ
ド(a−SiC)もしくはアモルファスカーボン(a−
C)からなる表面保護層に対し、フッ素含有量を12〜
35原子%に規定したことで、感光体加熱用のヒーター
を設けない程度にまで表面の疎水性を高め、これによっ
て画像流れが発生しなくなり、さらに電位特性のバラツ
キがなくなり、その結果、高耐久性、高性能、高信頼
性、かつ低コストの画像形成装置が提供できた。
表面自由エネルギーを40mN/m以下にしたことで、
感光体を搭載した画像形成装置でもって良否をするより
も、作製した感光体でもって、あらかじめ良否判定がで
きるようになり、これによって製造管理が容易になり、
製造コストが低減され、その結果、低コストかつ高信頼
性の画像形成装置が提供できた。
写後の感光体の表面保護層をクリーニングするためのク
リーニング手段を配設して、表面保護層の表面自由エネ
ルギーを40mN/m以下にしたことで、市場に出回っ
た後であっても、そのように表面自由エネルギーでもっ
て品質レベルが容易に判別できるようになった。
断面図である。
に係る表面保護層の形成方法を示す工程図である。
面保護層の他の形成方法を示す工程図である。
Claims (1)
- 【請求項1】導電性基板上に光導電層とフッ素含有量が
12〜35原子%のアモルファスシリコンカーバイドも
しくはアモルファスカーボンからなる表面保護層とを順
次積層した感光体と、該感光体の表面に電荷を付与する
帯電手段と、感光体の帯電領域に対し光照射する露光手
段と、これら帯電手段と露光手段とにより感光体表面に
形成された静電潜像に対してトナー像を感光体の表面に
形成する現像手段と、上記トナー像を被転写材に転写す
る転写手段とからなる画像形成装置であって、前記転写
後の感光体の表面保護層をクリーニングするためのクリ
ーニング手段を配設して、該表面保護層の表面自由エネ
ルギーを40mN/m以下にしたことを特徴とする画像
形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24418899A JP4070173B2 (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24418899A JP4070173B2 (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | 画像形成装置 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007292318A Division JP4615002B2 (ja) | 2007-11-09 | 2007-11-09 | 画像形成装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001066812A true JP2001066812A (ja) | 2001-03-16 |
JP4070173B2 JP4070173B2 (ja) | 2008-04-02 |
Family
ID=17115090
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP24418899A Expired - Fee Related JP4070173B2 (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4070173B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004102280A1 (ja) * | 2003-05-16 | 2004-11-25 | Sharp Kabushiki Kaisha | 電子写真感光体およびそれを備える画像形成装置 |
US7486914B2 (en) | 2005-05-30 | 2009-02-03 | Ricoh Company, Ltd. | Electrophotographic image forming apparatus, process cartridge and image forming method wherein lubricant is supplied to a surface of an image bearing member |
US7693453B2 (en) | 2003-02-14 | 2010-04-06 | Sharp Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus equipped with an electrographic photoreceptor having a surface with low surface free energy |
-
1999
- 1999-08-31 JP JP24418899A patent/JP4070173B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7693453B2 (en) | 2003-02-14 | 2010-04-06 | Sharp Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus equipped with an electrographic photoreceptor having a surface with low surface free energy |
WO2004102280A1 (ja) * | 2003-05-16 | 2004-11-25 | Sharp Kabushiki Kaisha | 電子写真感光体およびそれを備える画像形成装置 |
US7486914B2 (en) | 2005-05-30 | 2009-02-03 | Ricoh Company, Ltd. | Electrophotographic image forming apparatus, process cartridge and image forming method wherein lubricant is supplied to a surface of an image bearing member |
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JP4070173B2 (ja) | 2008-04-02 |
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