JP2001066510A - デスクトップ熱レンズ顕微鏡装置 - Google Patents
デスクトップ熱レンズ顕微鏡装置Info
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- JP2001066510A JP2001066510A JP23895099A JP23895099A JP2001066510A JP 2001066510 A JP2001066510 A JP 2001066510A JP 23895099 A JP23895099 A JP 23895099A JP 23895099 A JP23895099 A JP 23895099A JP 2001066510 A JP2001066510 A JP 2001066510A
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- JP
- Japan
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- thermal lens
- light source
- microscope
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-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B21/00—Microscopes
- G02B21/0004—Microscopes specially adapted for specific applications
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B21/00—Microscopes
- G02B21/06—Means for illuminating specimens
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- Physics & Mathematics (AREA)
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- Analytical Chemistry (AREA)
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- Optics & Photonics (AREA)
- Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)
- Microscoopes, Condenser (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】卓上型顕微鏡程度に小型化されており、ガラス
チップ内等の微小領域の化学反応の検出を、任意の場所
で、より簡便に実施することが可能であるデスクトップ
熱レンズ顕微鏡を提供する。 【解決手段】光学顕微鏡に励起光と検出光を入射し、励
起光が試料中に照射されることにより形成される熱レン
ズに検出光を入射し、熱レンズによる検出光の拡散を測
定することにより試料中の物質の検出を行う熱レンズ顕
微鏡であって、励起光源および検出光源として半導体レ
ーザー等の小型レーザー光源を備え、励起光源系
(P)、検出光源系(Q)および熱レンズ顕微鏡光学系
(R,S,T)を単一器体に一体化する
チップ内等の微小領域の化学反応の検出を、任意の場所
で、より簡便に実施することが可能であるデスクトップ
熱レンズ顕微鏡を提供する。 【解決手段】光学顕微鏡に励起光と検出光を入射し、励
起光が試料中に照射されることにより形成される熱レン
ズに検出光を入射し、熱レンズによる検出光の拡散を測
定することにより試料中の物質の検出を行う熱レンズ顕
微鏡であって、励起光源および検出光源として半導体レ
ーザー等の小型レーザー光源を備え、励起光源系
(P)、検出光源系(Q)および熱レンズ顕微鏡光学系
(R,S,T)を単一器体に一体化する
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、デスクト
ップ熱レンズ顕微鏡に関するものである。さらに詳しく
は、この出願の発明は、微小空間内において精度の高い
超微小粒子分析が可能であり、また、卓上型であり、任
意の場所での簡便な測定が可能である、デスクトップ熱
レンズ顕微鏡に関するものである。
ップ熱レンズ顕微鏡に関するものである。さらに詳しく
は、この出願の発明は、微小空間内において精度の高い
超微小粒子分析が可能であり、また、卓上型であり、任
意の場所での簡便な測定が可能である、デスクトップ熱
レンズ顕微鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】半導体や生体、機能材料など
のマイクロオーダーを扱う先端科学技術の研究開発や製
造において、化学反応をガラスチップ上等の微小空間で
行い分析などに利用するための化学反応の集積化技術
は、化学反応の高速性、必要試料の極少性などの利点に
より、オンサイト分析の拡大が期待でき、世界的に研究
が進められている。微小空間内での吸光度分析をコンパ
クトな分析機器で実施することが可能となれば、集積化
したシステムのスケールメリットにより、分析作業の機
動性が飛躍的に高まり、効率的かつ汎用的な化学分析シ
ステムの集積化が実現されることが期待されている。
のマイクロオーダーを扱う先端科学技術の研究開発や製
造において、化学反応をガラスチップ上等の微小空間で
行い分析などに利用するための化学反応の集積化技術
は、化学反応の高速性、必要試料の極少性などの利点に
より、オンサイト分析の拡大が期待でき、世界的に研究
が進められている。微小空間内での吸光度分析をコンパ
クトな分析機器で実施することが可能となれば、集積化
したシステムのスケールメリットにより、分析作業の機
動性が飛躍的に高まり、効率的かつ汎用的な化学分析シ
ステムの集積化が実現されることが期待されている。
【0003】一方、この出願の発明者らによって、液中
試料の光吸収により発生する熱レンズ効果を利用した光
熱変換吸光分析器の研究開発がなされ、従来技術の改善
に関して多くの成果が見出され、実用化への道が開かれ
た。この熱レンズ効果を利用した光熱変換吸光分析器の
コンパクト化に関して、一部の研究室レベルでの研究開
発がなされているものの、これらの研究は限られた分析
を目的としており、汎用性の高い熱レンズ効果を利用し
た光熱変換吸光分析器としては、励起光源や検出光源に
ガスレーザーが広く用いられており、測定部や検出部
(光電変換部)の光学系は光学ベースによる複雑なシス
テムアップがなされているため、大型であり可搬性に欠
け、この光熱変換吸光分析器を利用した分析実験の実施
場所を限定する要因となっている。熱レンズ効果を利用
した光熱変換吸光分析器は、分析可能な対象が広いこと
などの多くの利点を持つことから、汎用性の高い小型
化、特に卓上型化が強く期待されている。
試料の光吸収により発生する熱レンズ効果を利用した光
熱変換吸光分析器の研究開発がなされ、従来技術の改善
に関して多くの成果が見出され、実用化への道が開かれ
た。この熱レンズ効果を利用した光熱変換吸光分析器の
コンパクト化に関して、一部の研究室レベルでの研究開
発がなされているものの、これらの研究は限られた分析
を目的としており、汎用性の高い熱レンズ効果を利用し
た光熱変換吸光分析器としては、励起光源や検出光源に
ガスレーザーが広く用いられており、測定部や検出部
(光電変換部)の光学系は光学ベースによる複雑なシス
テムアップがなされているため、大型であり可搬性に欠
け、この光熱変換吸光分析器を利用した分析実験の実施
場所を限定する要因となっている。熱レンズ効果を利用
した光熱変換吸光分析器は、分析可能な対象が広いこと
などの多くの利点を持つことから、汎用性の高い小型
化、特に卓上型化が強く期待されている。
【0004】この出願の発明は、以上の通りの事情に鑑
みてなされたものであり、卓上型顕微鏡程度に小型化さ
れており、ガラスチップ内等での化学反応の検出を、任
意の場所で、より簡便に実施することが可能であるデス
クトップ熱レンズ顕微鏡を提供することを課題としてい
る。
みてなされたものであり、卓上型顕微鏡程度に小型化さ
れており、ガラスチップ内等での化学反応の検出を、任
意の場所で、より簡便に実施することが可能であるデス
クトップ熱レンズ顕微鏡を提供することを課題としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するものとして、光学顕微鏡に励起光と検
出光を入射し、励起光が試料中に照射されることにより
形成される熱レンズに検出光を入射し、熱レンズによる
検出光の拡散を測定することにより試料中の物質の検出
を行う熱レンズ顕微鏡であって、励起光源および検出光
源としての小型レーザー光源を備え、励起光源、検出光
源および熱レンズ顕微鏡光学系が単一器体に装着一体化
されていることを特徴とするデスクトップ熱レンズ顕微
鏡装置を提供する(請求項1)。
の課題を解決するものとして、光学顕微鏡に励起光と検
出光を入射し、励起光が試料中に照射されることにより
形成される熱レンズに検出光を入射し、熱レンズによる
検出光の拡散を測定することにより試料中の物質の検出
を行う熱レンズ顕微鏡であって、励起光源および検出光
源としての小型レーザー光源を備え、励起光源、検出光
源および熱レンズ顕微鏡光学系が単一器体に装着一体化
されていることを特徴とするデスクトップ熱レンズ顕微
鏡装置を提供する(請求項1)。
【0006】また、この出願の発明は、上記のデスクト
ップ熱レンズ顕微鏡について、ロックインアンプ信号処
理をおこなうためにチョッパを備え、その駆動をPLL
制御し励起光の変調を行う変調機構を有していることを
特徴とするデスクトップ熱レンズ顕微鏡(請求項2)と
ともに、回折格子をを備え、これにより検出光と励起光
の分離を行い、検出光のみ摘出することを特徴とするデ
スクトップ熱レンズ顕微鏡(請求項3)を提供する。
ップ熱レンズ顕微鏡について、ロックインアンプ信号処
理をおこなうためにチョッパを備え、その駆動をPLL
制御し励起光の変調を行う変調機構を有していることを
特徴とするデスクトップ熱レンズ顕微鏡(請求項2)と
ともに、回折格子をを備え、これにより検出光と励起光
の分離を行い、検出光のみ摘出することを特徴とするデ
スクトップ熱レンズ顕微鏡(請求項3)を提供する。
【0007】さらに、この出願の発明は、上記のデスク
トップ熱レンズ顕微鏡を用いてチップ上の微小空間にお
ける超微量の化学分析を行うことを特徴とする化学分析
方法を提供する(請求項4)。
トップ熱レンズ顕微鏡を用いてチップ上の微小空間にお
ける超微量の化学分析を行うことを特徴とする化学分析
方法を提供する(請求項4)。
【0008】
【発明実施の形態】この出願の発明においては、上記の
とおり、励起光源および検出光源として小型レーザー光
源を備え、励起光源、検出光源および熱レンズ顕微鏡光
学系を単一器体に装着一体化することにより、コンパク
トな機構を持つデスクトップ熱レンズ顕微鏡装置を実現
する。
とおり、励起光源および検出光源として小型レーザー光
源を備え、励起光源、検出光源および熱レンズ顕微鏡光
学系を単一器体に装着一体化することにより、コンパク
トな機構を持つデスクトップ熱レンズ顕微鏡装置を実現
する。
【0009】図1および図2は、この出願の発明のデス
クトップ熱レンズ顕微鏡装置の構成例を示す光学系ブロ
ック図である。この出願の発明のデスクトップ熱レンズ
顕微鏡装置においては、図1に例示したように、デスク
トップ型の顕微鏡のように単一の器体に全ての要素を装
着一体化している。
クトップ熱レンズ顕微鏡装置の構成例を示す光学系ブロ
ック図である。この出願の発明のデスクトップ熱レンズ
顕微鏡装置においては、図1に例示したように、デスク
トップ型の顕微鏡のように単一の器体に全ての要素を装
着一体化している。
【0010】この場合の要素は、励起光源系(P)、検
出光源系(Q)とともに、顕微鏡光学系としての対物レ
ンズ系(R)、コンデンサレンズ系(S)、受光系
(T)により基本的に構成されている。
出光源系(Q)とともに、顕微鏡光学系としての対物レ
ンズ系(R)、コンデンサレンズ系(S)、受光系
(T)により基本的に構成されている。
【0011】なお、この発明において、「単一器体」と
の規定は、上記要素が配設される器体が素材の構成とし
て本来的に単一のものに限定されることを意味していな
い。「単一器体」とは、複数個のパーツ(部分)が空間
位置を離間されて配置されているものでないことを意味
しているのである。
の規定は、上記要素が配設される器体が素材の構成とし
て本来的に単一のものに限定されることを意味していな
い。「単一器体」とは、複数個のパーツ(部分)が空間
位置を離間されて配置されているものでないことを意味
しているのである。
【0012】従って、たとえば励起光源系(P)、検出
光源系(Q)、受光系(T)等の要素は、ねじ止め構
造、係止構造、嵌合構造、スライド構造等によって一体
化連結されていればよいのである。
光源系(Q)、受光系(T)等の要素は、ねじ止め構
造、係止構造、嵌合構造、スライド構造等によって一体
化連結されていればよいのである。
【0013】そこで、図2に沿って、さらに詳しく具体
例を説明すると、励起光は励起光源(1)から出力され
る。励起光源(1)には小型の半導体レーザーをはじ
め、半導体レーザー励起固体レーザーやガスレーザーの
ような小型レーザー光源の各種のものが用いられる。励
起光源(1)から出力された励起光は、チョッパ(2)
によって変調され、さらに、ビームエキスパンダー
(3)により平面波として射出される。この出願の発明
のデスクトップ熱レンズ顕微鏡装置においては、好適に
は、ロックインアンプにより信号処理をおこなうため
に、チョッパを備え、その駆動はPLL制御され、励起
光の変調が行われる。ビームエキスパンダー(3)は、
Aの方向にコリメーション調整が可能である。また、ビ
ームエキスパンダー(3)は、Bの方向に2軸の芯出調
整が可能である。
例を説明すると、励起光は励起光源(1)から出力され
る。励起光源(1)には小型の半導体レーザーをはじ
め、半導体レーザー励起固体レーザーやガスレーザーの
ような小型レーザー光源の各種のものが用いられる。励
起光源(1)から出力された励起光は、チョッパ(2)
によって変調され、さらに、ビームエキスパンダー
(3)により平面波として射出される。この出願の発明
のデスクトップ熱レンズ顕微鏡装置においては、好適に
は、ロックインアンプにより信号処理をおこなうため
に、チョッパを備え、その駆動はPLL制御され、励起
光の変調が行われる。ビームエキスパンダー(3)は、
Aの方向にコリメーション調整が可能である。また、ビ
ームエキスパンダー(3)は、Bの方向に2軸の芯出調
整が可能である。
【0014】一方、励起光源(1)と同様に小型レーザ
ー光源である検出光源(4)から出力された検出光は、
コリメーターレンズ(5)により平行な光線束として射
出され、ダイクロックミラー(6)により、励起光と同
軸にて合成される。検出光は、コリメーターレンズ
(5)の2軸移動により、芯出調整が可能である。励起
光と検出光とは波長が異なり、ここでは検出光の波長の
方が励起光の波長より長いものとする。
ー光源である検出光源(4)から出力された検出光は、
コリメーターレンズ(5)により平行な光線束として射
出され、ダイクロックミラー(6)により、励起光と同
軸にて合成される。検出光は、コリメーターレンズ
(5)の2軸移動により、芯出調整が可能である。励起
光と検出光とは波長が異なり、ここでは検出光の波長の
方が励起光の波長より長いものとする。
【0015】励起光と検出光からなる合成光は、ビーム
スプリッタ(7)によって反射され、対物レンズ(8)
を通過し、ステージに設置された試料チップ(9)に照
射される。試料内部においては、合成光を構成する励起
光の一部により光熱変換現象に基づき熱レンズが形成さ
れ、熱レンズを通過した検出光は拡散し、光熱変換に関
わらなかった励起光とともに試料中を透過する。原理的
には励起光も熱レンズの影響を受けるが、検出光に比べ
てわずかである。ステージは、装置を小型にするため対
物レンズに隣接しており、また、位置が固定されてい
る。
スプリッタ(7)によって反射され、対物レンズ(8)
を通過し、ステージに設置された試料チップ(9)に照
射される。試料内部においては、合成光を構成する励起
光の一部により光熱変換現象に基づき熱レンズが形成さ
れ、熱レンズを通過した検出光は拡散し、光熱変換に関
わらなかった励起光とともに試料中を透過する。原理的
には励起光も熱レンズの影響を受けるが、検出光に比べ
てわずかである。ステージは、装置を小型にするため対
物レンズに隣接しており、また、位置が固定されてい
る。
【0016】試料チップ(9)からの透過光は、コンデ
ンサレンズ(10)によって、光軸方向の調整がなさ
れ、平行光としてミラー(11)によってダイクロイッ
クミラー(17)に入力される。ダイクロイックミラー
(17)によって励起光の波長を持つ成分は反射され、
検出光の波長以上の成分が透過する。この透過光は、ピ
ンホール(15)で結像するように設定された集光レン
ズ(12)で絞られ、アパーチャ(13)を通過して、
干渉フィルタ(14)へ入力される。干渉フィルタ(1
4)では、検出光のみが透過し、ピンホール(15)を
通過し、フォトディテクター(16)に入力され電気信
号に変換される。電気信号は、ロックインアンプに入力
され、チョッパ(2)を制御するチョッパ制御装置から
のリファレンス信号と併せて計測される。ロックインア
ンプから出力される計測結果を示す信号は、コンピュー
タに入力され、試料チップ(9)の分析がなされる。
ンサレンズ(10)によって、光軸方向の調整がなさ
れ、平行光としてミラー(11)によってダイクロイッ
クミラー(17)に入力される。ダイクロイックミラー
(17)によって励起光の波長を持つ成分は反射され、
検出光の波長以上の成分が透過する。この透過光は、ピ
ンホール(15)で結像するように設定された集光レン
ズ(12)で絞られ、アパーチャ(13)を通過して、
干渉フィルタ(14)へ入力される。干渉フィルタ(1
4)では、検出光のみが透過し、ピンホール(15)を
通過し、フォトディテクター(16)に入力され電気信
号に変換される。電気信号は、ロックインアンプに入力
され、チョッパ(2)を制御するチョッパ制御装置から
のリファレンス信号と併せて計測される。ロックインア
ンプから出力される計測結果を示す信号は、コンピュー
タに入力され、試料チップ(9)の分析がなされる。
【0017】この出願の発明の熱レンズ顕微鏡装置にお
いては、単一器体に光源光学系を一体化していることか
ら振動ノイズを減少させ、その光学系の構成により励起
光出力の効率的利用が可能となり、ストレー光の削減が
図られる。
いては、単一器体に光源光学系を一体化していることか
ら振動ノイズを減少させ、その光学系の構成により励起
光出力の効率的利用が可能となり、ストレー光の削減が
図られる。
【0018】これにより、S/Nが向上される。また、
チョッパーによりロックインアンプ処理の精度向上と、
熱レンズ信号の位置情報取得が可能となる。なお、光源
については、波長選択が可能とされてよく、半導体レー
ザー等の小型レーザー光源が交換可能とされてよい。
チョッパーによりロックインアンプ処理の精度向上と、
熱レンズ信号の位置情報取得が可能となる。なお、光源
については、波長選択が可能とされてよく、半導体レー
ザー等の小型レーザー光源が交換可能とされてよい。
【0019】さらにまた、この発明のデスクトップ熱レ
ンズ顕微鏡装置においては、回折格子を用いて検出光と
励起光の分離を行い、検出光のみ摘出することも可能で
ある。フィルタを用いた場合には、検出光にノイズが残
留することが問題となっていたが、回折格子を用いるこ
とにより低ノイズで検出感度(S/N)を高くし、被測
定物の検出精度を向上させることが可能となる。
ンズ顕微鏡装置においては、回折格子を用いて検出光と
励起光の分離を行い、検出光のみ摘出することも可能で
ある。フィルタを用いた場合には、検出光にノイズが残
留することが問題となっていたが、回折格子を用いるこ
とにより低ノイズで検出感度(S/N)を高くし、被測
定物の検出精度を向上させることが可能となる。
【0020】この出願の発明は、以上の特徴を持つもの
であるが、以下に実施例を示し、さらに具体的に説明す
る。
であるが、以下に実施例を示し、さらに具体的に説明す
る。
【0021】
【実施例】図1および図2に例示したデスクトップ熱レ
ンズ顕微鏡装置を試作し、窒素酸化物(NO、NO2)
の定量分析を実施した。
ンズ顕微鏡装置を試作し、窒素酸化物(NO、NO2)
の定量分析を実施した。
【0022】試作したデスクトップ熱レンズ顕微鏡装置
に関しては、励起光には波長532nm、出力100m
Wの半導体YAGレーザー(第2高調波)を、また、検
出光には波長680nm、出力5mWの半導体レーザー
を用いた。変調周波数を安定させるために、チョッパの
駆動回路にはPLL制御を適用した。
に関しては、励起光には波長532nm、出力100m
Wの半導体YAGレーザー(第2高調波)を、また、検
出光には波長680nm、出力5mWの半導体レーザー
を用いた。変調周波数を安定させるために、チョッパの
駆動回路にはPLL制御を適用した。
【0023】窒素酸化物の定量分析に関しては、アルカ
リ性(pH13)の過酸化水素水溶液にタバコ煙中の窒
素酸化物を亜硝酸イオンとして酸化吸収させ、発色試薬
であるN−1−ナフチルエチレンジアミント反応させて、
赤紫色(ピーク吸光度波長545nm)に呈色させる。
これを、ガラスチップ内のチャンネルに導入して熱レン
ズ顕微鏡で検出を行った。なお、チョッパによる変調周
波数は937Hzであった。
リ性(pH13)の過酸化水素水溶液にタバコ煙中の窒
素酸化物を亜硝酸イオンとして酸化吸収させ、発色試薬
であるN−1−ナフチルエチレンジアミント反応させて、
赤紫色(ピーク吸光度波長545nm)に呈色させる。
これを、ガラスチップ内のチャンネルに導入して熱レン
ズ顕微鏡で検出を行った。なお、チョッパによる変調周
波数は937Hzであった。
【0024】その結果、従来の熱レンズ顕微鏡装置と同
様に窒素酸化物の定量分析を実施することができた。従
来の熱レンズ顕微鏡装置(W150×D100×H80
(cm))と比較して、試作した熱レンズ顕微鏡装置
(W30×D50×H50(cm))は十分な小型がな
されたと考えられる。
様に窒素酸化物の定量分析を実施することができた。従
来の熱レンズ顕微鏡装置(W150×D100×H80
(cm))と比較して、試作した熱レンズ顕微鏡装置
(W30×D50×H50(cm))は十分な小型がな
されたと考えられる。
【0025】また、小型化の際に、励起光源、検出光源
および熱レンズ顕微鏡光学系を一体化したことにより、
振動等の外来ノイズを軽減する効果を得ることができ、
測定における耐環境性の高いデスクトップ熱レンズ顕微
鏡装置が実現した。
および熱レンズ顕微鏡光学系を一体化したことにより、
振動等の外来ノイズを軽減する効果を得ることができ、
測定における耐環境性の高いデスクトップ熱レンズ顕微
鏡装置が実現した。
【0026】
【発明の効果】この出願の発明により、小型で可搬性が
あり、かつ、空間分解能や定量分析能力に優れた超微量
分析顕微鏡が実現する。この出願の発明のデスクトップ
熱レンズ顕微鏡装置により、微小空間内における化学分
析を実施することが可能となり、化学反応の高速性、必
要試料の極少性などの利点により、分析作業の機動性が
飛躍的に高まり、効率的かつ汎用的な化学分析システム
の集積化が実現されることが期待されている。
あり、かつ、空間分解能や定量分析能力に優れた超微量
分析顕微鏡が実現する。この出願の発明のデスクトップ
熱レンズ顕微鏡装置により、微小空間内における化学分
析を実施することが可能となり、化学反応の高速性、必
要試料の極少性などの利点により、分析作業の機動性が
飛躍的に高まり、効率的かつ汎用的な化学分析システム
の集積化が実現されることが期待されている。
【図1】この出願の発明の熱レンズ顕微鏡超微量分析装
置の構成例を示した図である。
置の構成例を示した図である。
【図2】図1の装置例のさらに詳細な光学系ブロック図
である。
である。
P 励起光学源系 Q 検出光源系 R 対物レンズ系 S コンデンサレンズ系 T 受光系 1 励起光源 2 チョッパ 3 ビームエキスパンダー 4 検出光源 5 コリメーターレンズ 6 ダイクロックミラー 7 ビームスプリッタ 8 対物レンズ 9 試料チップ 10 コンデンサレンズ 11 ミラー 12 集光レンズ 13 アパーチャ 14 干渉フィルタ 15 ピンホール 16 フォトディテクター 17 ダイクロイックミラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H052 AA00 AA14 AB24 AC04 AC05 AC14 AC27 AC34 AD02 AD34 AD36 AF07
Claims (4)
- 【請求項1】 光学顕微鏡に励起光と検出光を入射し、
励起光が試料中に照射されることにより形成される熱レ
ンズに検出光を入射し、熱レンズによる検出光の拡散を
測定することにより試料中の物質の検出を行う熱レンズ
顕微鏡であって、励起光源および検出光源としての小型
レーザー光源を備え、励起光源、検出光源および熱レン
ズ顕微鏡光学系が単一器体に装着一体化されていること
を特徴とするデスクトップ熱レンズ顕微鏡装置。 - 【請求項2】 請求項1記載のデスクトップ熱レンズ顕
微鏡であって、ロックインアンプ信号処理をおこなうた
めにチョッパを備え、その駆動をPLL制御し励起光の
変調を行う変調機構を有していることを特徴とするデス
クトップ熱レンズ顕微鏡装置。 - 【請求項3】 請求項1記載のデスクトップ熱レンズ顕
微鏡であって、回折格子を備え、これにより検出光と励
起光の分離を行い、検出光のみ抽出することを特徴とす
るデスクトップ熱レンズ顕微鏡装置。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかのデスクト
ップ熱レンズ顕微鏡を用いてチップ上の微小空間におけ
る超微量の化学分析を行うことを特徴とする化学分析方
法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23895099A JP2001066510A (ja) | 1999-08-25 | 1999-08-25 | デスクトップ熱レンズ顕微鏡装置 |
CA002383512A CA2383512A1 (en) | 1999-08-25 | 2000-08-24 | Desktop thermal lens microscope apparatus |
PCT/JP2000/005716 WO2001014863A1 (fr) | 1999-08-25 | 2000-08-24 | Microscope a lentille thermique pouvant etre pose sur un plan de travail ou un bureau |
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