JP2001065372A - 内燃機関のバルブ特性制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブ特性制御装置

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JP2001065372A
JP2001065372A JP24181599A JP24181599A JP2001065372A JP 2001065372 A JP2001065372 A JP 2001065372A JP 24181599 A JP24181599 A JP 24181599A JP 24181599 A JP24181599 A JP 24181599A JP 2001065372 A JP2001065372 A JP 2001065372A
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exhaust
valve
combustion
intake
cam
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JP24181599A
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Hiroshi Nomura
啓 野村
Takeshi Okumura
猛 奥村
Takanobu Ueda
貴宣 植田
Masato Kawachi
正人 河内
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
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    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】燃焼方式が切り換えられる内燃機関において、
燃焼室に導入される排気が適正な状態に制御されず、燃
焼状態が悪化したり燃焼時に発生するNOx を効率よく
低減することが困難になったりするのを抑制する。 【解決手段】吸気カムシャフト21に設けられる吸気カ
ムの補助カム山により吸気バルブ19が排気行程中に開
閉し、この開閉に基づき燃焼室16に排気が導入され
る。この排気は、燃焼室16内にてピストン12の頭部
側ほど高濃度となるよう分布する。また、排気カムシャ
フト22に設けられる排気カムの補助カム山により排気
バルブ20が吸気行程中に開閉し、この開閉に基づき燃
焼室16に排気が導入される。この排気は、燃焼室16
内にてほぼ均等に分布する。そして、エンジン11の燃
焼方式に基づき、吸気カムの補助カム山による吸気バル
ブ19の開閉特性、及び排気カムの補助カム山による排
気バルブ20の開閉特性が制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の吸気バ
ルブや排気バルブの開閉特性を制御する内燃機関のバル
ブ特性制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、燃費向上を意図して理論空燃比よ
りもリーンな空燃比で混合気を燃焼させる、いわゆる希
薄燃焼を実行することが可能な内燃機関が提案され、実
用化されている。こうした希薄燃焼としては、燃料が空
気に対して均等に混合される均質混合気を理論空燃比よ
りもリーンな状態で燃焼させる「均質リーン燃焼」や、
点火プラグ周りのみ燃料濃度を高めることで平均空燃比
を大幅にリーン側の値としても着火性を確保することが
可能な成層混合気を燃焼させる「成層燃焼」などがあ
る。
【0003】また、これら「成層燃焼」と「均質リーン
燃焼」とを、機関運転状態に応じて切り換えて実行する
ことも知られている。こうした「成層燃焼」や「均質リ
ーン燃焼」といった希薄燃焼を行う場合、混合気の空燃
比を理論空燃比よりもリーンにすべく、内燃機関のスロ
ットルバルブが理論空燃比での混合気の燃焼を行う場合
に比べて開き側に制御されるため、ポンピングロスが低
減されて燃費が向上するようになる。
【0004】ところで、上記希薄燃焼においては、混合
気の燃焼によって発生する窒素酸化物(NOx )の量を
低減すべく、同混合気に排気を混合した状態で燃焼を行
うことが好ましい。このように混合気への排気の混合を
行う装置としては、例えば特開平10−89033号公
報に記載されたバルブ特性制御装置があげられる。
【0005】同公報に記載のバルブ特性制御装置は、排
気カムシャフトに設けられて同シャフトと一体回転する
ことにより、内燃機関の排気バルブを開閉駆動する排気
カムを備えている。この排気カムには、排気行程中に排
気バルブを開閉するための主カム山が形成されるととも
に、同主カム山の回転方向後方に吸気行程中に排気バル
ブを開閉するための補助カム山が形成されている。
【0006】この補助カム山により吸気行程中に排気バ
ルブが開閉されると、排気通路に流れた排気の一部が吸
気行程中に燃焼室に導入され、同排気が混合した状態で
の混合気の燃焼が行われるようになる。また、補助カム
山は、排気カムシャフトの軸線方向についての形状が異
なるものとされているため、排気カムシャフトを軸線方
向に変位させることで、補助カム山による排気バルブの
開閉特性を変更することが可能になる。
【0007】このように構成されたバルブ特性制御装置
を希薄燃焼が行われる内燃機関に適用すれば、混合気に
排気を混合した状態で燃焼を行うことができ、燃焼時に
発生するNOx の量を低減することができる。また、エ
ンジン始動時か否か、及びアイドル運転時か否かなどの
機関運転状態に応じて排気カムシャフトを軸線方向に変
位させることで、補助カム山による排気バルブの開閉特
性を変更し、燃焼室に導入される排気を上記機関運転状
態に応じて制御することも可能になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に記載された
バルブ特性制御装置を、希薄燃焼にあっても「成層燃
焼」と「均質リーン燃焼」とで燃焼方式を切り換える内
燃機関に適用することも考えられる。しかし、「成層燃
焼」と「均質リーン燃焼」とでは、混合気に含まれる燃
料の分布状態が大きく異なる。そのため、上記のように
エンジン始動時か否か、及びアイドル運転時か否かなど
の機関運転状態に応じて燃焼室に導入される排気を制御
したとしても、燃焼室に導入される排気が上記燃焼方式
毎に適正な状態に制御されるとは限らない。燃焼方式を
「成層燃焼」と「均質リーン燃焼」とで切り換える内燃
機関において、燃焼室へ導入される排気が上記燃焼方式
毎に適正な状態に制御されないと、燃焼状態が悪化した
り燃焼時に発生するNOx を効率よく低減することが困
難になったりする。
【0009】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、燃焼方式が切り換えられる
内燃機関において、燃焼室に導入される排気が適正な状
態に制御されず、燃焼状態が悪化したり燃焼時に発生す
るNOx を効率よく低減することが困難になったりする
のを抑制することのできる内燃機関のバルブ特性制御装
置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。上記
目的を達成するため、請求項1記載の発明では、機関運
転状態に応じて燃焼方式が切り換えられる内燃機関に適
用され、同機関のカムシャフトに設けられたバルブ開閉
用のカムに主カム山を形成するとともに、同主カム山の
回転方向前方及び後方の少なくとも一方に補助カム山を
設け、前記補助カム山によるバルブ開閉特性を変更して
同機関の燃焼室に導入される排気を制御する内燃機関の
バルブ特性制御装置において、前記補助カム山によるバ
ルブ開閉特性を変更する変更手段と、前記燃焼室に導入
される排気が内燃機関の燃焼方式に適したものとなるよ
う、同機関の燃焼方式に基づき前記変更手段を制御する
制御手段とを備えた。
【0011】同構成によれば、燃焼室に導入される排気
が内燃機関の燃焼方式に適した状態となるよう、補助カ
ム山によるバルブ開閉特性が同燃焼方式に基づき変更さ
れるため、燃焼方式が切り換えられる内燃機関にあって
も、燃焼室に導入される排気が不適正な状態になり、混
合気の燃焼状態が悪化したり燃焼時に発生するNOxの
低減が困難になったりするのを抑制することができる。
【0012】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明において、前記制御手段は、前記燃焼室内に導入さ
れる排気の同燃焼室内での分布状態が内燃機関の燃焼方
式に適したものとなるよう、内燃機関の燃焼方式に基づ
き前記変更手段を制御して前記補助カム山によるバルブ
開閉特性を変更するものとした。
【0013】同構成によれば、燃焼室に導入される排気
の同燃焼室内での分布状態が内燃機関の燃焼方式に適し
たものになるよう、補助カム山によるバルブ開閉特性が
同燃焼方式に基づき変更されるため、燃焼方式が切り換
えられる内燃機関にあっても、燃焼室に導入される排気
が不適正な分布状態になり、混合気の燃焼状態が悪化し
たり燃焼時に発生するNOx の低減が困難になったりす
るのを抑制することができる。
【0014】請求項3記載の発明では、請求項1又は2
記載の発明において、前記制御手段は、内燃機関の燃焼
方式が成層燃焼であるとき、吸気行程中に排気バルブが
開閉駆動されるよう、前記変更手段を制御して前記補助
カム山によるバルブ開閉特性を変更するものとした。
【0015】成層燃焼においては、点火プラグ周りに多
量の排気があると同プラグ周りのガスに含まれる酸素の
量が少なくなり、これによって混合気の燃焼初期(火炎
が点火プラグ周りにあるとき)に燃焼状態が悪化してし
まう。成層燃焼時において吸気行程中に補助カム山によ
る排気バルブの開閉が行われる同構成によれば、吸気行
程中のピストンの移動に伴い燃焼室内に発生する負圧に
より、排気通路から燃焼室内へと排気が引かれて同燃焼
室への排気の導入が行われる。そのため、燃焼室内にお
ける排気は、点火プラグ周りでは少なく、且つピストン
頭部付近には多くなるよう分布する。従って、成層燃焼
中に点火プラグ周りのガスに含まれる酸素の量が過度に
少なくなり、混合気の燃焼初期に燃焼状態が悪化するの
を抑制することができるようになる。
【0016】請求項4記載の発明では、請求項1〜3の
いずれかに記載の発明において、前記制御手段は、内燃
機関の燃焼方式が均質リーン燃焼であるとき、排気行程
中に吸気バルブが開閉駆動されるよう、前記変更手段を
制御して前記補助カム山によるバルブ開閉特性を変更す
るものとした。
【0017】均質リーン燃焼においては、空気に対して
均等に燃料が含まれる混合気が燃焼するため、燃焼室内
に導入される排気を同燃焼室内に均等に近い状態で分布
させ、混合気の燃焼期間全体において燃焼時に発生する
NOx を低減することが好ましい。均質リーン燃焼時に
おいて排気行程中に補助カム山による吸気バルブの開閉
が行われる同構成によれば、排気行程中のピストンの移
動に伴い排気の一部が吸気通路に流れ込み、吸気行程に
て上記排気が吸気通路から燃焼室に導入される。このよ
うに排気を一旦吸気通路に送り込んだ後に燃焼室に戻す
ようにすれば、吸気通路内にて排気と空気とが予め混合
されるため、燃焼室内では排気が均等に近い状態で分布
するようになる。従って、均質リーン燃焼中での混合気
の燃焼期間全体において、燃焼時に発生するNOx の量
を効率よく低減することができるようになる。
【0018】請求項5記載の発明では、請求項2記載の
発明において、内燃機関の吸気カム及び排気カムにはそ
れぞれ補助カム山が設けられ、前記吸気カムの補助カム
山は排気行程中に吸気バルブを開閉駆動するものであ
り、前記排気カムの補助カム山は吸気行程中に排気バル
ブを開閉駆動するものであって、前記制御手段は、前記
燃焼室内での排気の分布状態が内燃機関の燃焼方式に適
したものとなるよう、同機関の燃焼方式に基づき前記変
更手段を制御して前記吸気カム及び前記排気カムの各補
助カム山によるバルブ開閉特性を変更するものとした。
【0019】同構成によれば、吸気カムの補助カム山に
よる吸気バルブの開閉特性と、排気カムの補助カム山に
よる排気バルブの開閉特性との両方を変更することがで
き、こうした吸気及び排気バルブの開閉特性の変更によ
り、燃焼室に導入される排気の同燃焼室内での分布状態
が燃焼方式に適したものとされる。そのため、一層的確
に燃焼室内での排気の分布状態が燃焼方式に適したもの
とされ、混合気の燃焼状態が悪化したり燃焼時に発生す
るNOx の低減が困難になったりするのを一層的確に抑
制することができる。
【0020】請求項6記載の発明では、請求項5記載の
発明において、前記制御手段は、内燃機関の燃焼方式が
成層燃焼であるときには前記燃焼室内の排気がピストン
頭部側ほど高濃度になり、同機関の燃焼方式が均質リー
ン燃焼であるときには燃焼室内の排気が均等に近い状態
で分布するよう、前記変更手段を制御して前記吸気カム
及び前記排気カムの各補助カム山によるバルブ開閉特性
を変更するものとした。
【0021】成層燃焼においては、点火プラグ周りに多
量の排気があると同プラグ周りのガスに含まれる酸素の
量が少なくなり、これによって混合気の燃焼初期(火炎
が点火プラグ周りにあるとき)に燃焼状態が悪化してし
まう。また、均質リーン燃焼においては、空気に対して
均等に燃料が含まれる混合気が燃焼するため、燃焼室内
に導入される排気を同燃焼室内に均等に近い状態で分布
させ、混合気の燃焼期間全体において燃焼時に発生する
NOx を低減することが好ましい。成層燃焼時に燃焼室
内の排気をピストン頭部側ほど高濃度にし、均質リーン
燃焼時に燃焼室内の排気を均等に近い状態で分布させる
同構成によれば、混合気の燃焼状態が悪化したり燃焼時
に発生するNOx の低減が困難になったりするのを的確
に抑制することができる。
【0022】請求項7記載の発明では、請求項5又は6
記載の発明において、前記制御手段は、内燃機関の燃焼
方式が成層燃焼であるときには吸気行程中での前記排気
バルブの開閉駆動に基づき前記燃焼室に導入される排気
が均質リーン燃焼のときよりも多くなり、且つ圧縮行程
中での前記吸気バルブの開閉駆動に基づき前記燃焼室に
導入される排気が均質リーン燃焼のときよりも少なくな
るよう、前記変更手段を制御して前記吸気カム及び前記
排気カムの各補助カム山によるバルブ開閉特性を変更す
るものとした。
【0023】吸気行程中に排気バルブが開いたときに
は、吸気行程中のピストンの移動に伴い燃焼室内に発生
する負圧により、排気通路から燃焼室内へと排気が引か
れて同燃焼室への排気の導入が行われる。そのため、燃
焼室内における排気は、点火プラグ周りでは少なく、且
つピストン頭部付近には多くなるよう分布する。また、
圧縮行程中に吸気バルブが開いたときには、排気行程中
のピストンの移動に伴い排気の一部が吸気通路に流れ込
み、吸気行程にて上記排気が吸気通路から燃焼室に導入
される。このように排気を一旦吸気通路に送り込んだ後
に燃焼室に戻すようにすれば、吸気通路内にて排気と空
気とが予め混合されるため、燃焼室内では排気が均等に
近い状態で分布するようになる。そのため、同構成によ
れば、成層燃焼時においては、燃焼室内の排気がピスト
ン頭部側ほと高濃度になる傾向が均質リーン燃焼時より
も強くなるとともに、同排気が燃焼室内で均等になる傾
向が均質リーン燃焼時よりも弱くなる。従って、燃焼方
式が切り換えられる内燃機関にあっても、混合気の燃焼
状態が悪化したり燃焼時に発生するNOx の低減が困難
になったりするのを抑制することができる。
【0024】請求項8記載の発明では、請求項5〜7の
いずれかに記載の発明において、前記制御手段は、内燃
機関の燃焼方式が均質リーン燃焼であるときには吸気行
程中での前記排気バルブの開閉駆動に基づき前記燃焼室
に導入される排気が成層燃焼のときよりも少なくなり、
且つ圧縮行程中での前記吸気バルブの開閉駆動に基づき
前記燃焼室に導入される排気が成層燃焼のときよりも多
くなるよう、前記変更手段を制御して前記吸気カム及び
前記排気カムの各補助カム山によるバルブ開閉特性を変
更するものとした。
【0025】同構成によれば、均質リーン燃焼時におい
ては、燃焼室内の排気がピストン頭部側ほど高濃度にな
る傾向が成層燃焼時よりも弱くなるとともに、同排気が
燃焼室内で均等になる傾向が成層燃焼時よりも強くな
る。従って、燃焼方式が切り換えられる内燃機関にあっ
ても、混合気の燃焼状態が悪化したり燃焼時に発生する
NOx の低減が困難になったりするのを抑制することが
できる。
【0026】請求項9記載の発明では、請求項5〜8の
いずれかに記載の発明において、前記排気カムの補助カ
ム山は、同カム山による排気バルブの開弁期間が吸気行
程初期に位置するプロフィールを有し、前記吸気カムの
補助カム山は、同カム山による吸気バルブの開弁期間が
前記排気バルブの開弁期間よりも長くなるプロフィール
を有するものとした。
【0027】同構成によれば、吸気行程中に排気カムの
補助カム山により排気バルブが開くのは吸気行程の初期
であるため、吸気行程でのピストンの移動により排気通
路から燃焼室に引かれる排気は、燃焼室内にて的確にピ
ストン頭部側ほど高濃度となるように分布する。また、
排気行程中に吸気カムの補助カム山により吸気バルブが
開く期間は、上記排気カムの補助カム山による排気バル
ブの開弁期間よりも長くなるため、圧縮行程でのピスト
ンの移動により燃焼室から吸気通路に排気が的確に送り
込まれる。その結果、吸気通路内での排気と空気との混
合が的確に行われ、吸気行程中に吸気通路から燃焼室内
に導入される排気は、的確に燃焼室内で均等に近い状態
で分布する。
【0028】請求項10記載の発明では、請求項1〜9
のいずれかに記載の発明において、前記補助カム山は、
前記カムシャフトの軸線方向についての形状が異なるも
のであって、前記変更手段は、前記補助カム山を前記カ
ムシャフトの軸線方向に変位させることで、前記補助カ
ム山によるバルブ開閉特性を変更するものであるものと
した。
【0029】同構成によれば、補助カム山をカムシャフ
トの軸線方向に変位させることで、同補助カム山による
バルブ開閉特性の変更を的確に行うことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を直列4気筒の自動
車用直噴ガソリンエンジンに適用した一実施形態を図1
〜図9に従って説明する。
【0031】図1に示すように、エンジン11は、その
シリンダブロック11a内に往復移動可能に設けられた
合計四つのピストン12(図1には一つのみ図示)を各
気筒毎に備えている。これらピストン12は、コンロッ
ド13を介して出力軸であるクランクシャフト14に連
結されている。そして、ピストン12の往復移動は、上
記コンロッド13によってクランクシャフト14の回転
へと変換されるようになっている。
【0032】クランクシャフト14にはシグナルロータ
14aが取り付けられている。このシグナルロータ14
aの外周部には、複数の突起14bがクランクシャフト
14の軸線を中心とする等角度毎に設けられている。ま
た、シグナルロータ14aの側方には、クランクポジシ
ョンセンサ14cが設けられている。そして、クランク
シャフト14が回転して、シグナルロータ14aの各突
起14bが順次クランクポジションセンサ14cの側方
を通過することにより、同センサ14cからはそれら各
突起14bの通過に対応したパルス状の検出信号が出力
されるようになる。
【0033】また、シリンダブロック11aの上端には
シリンダヘッド15が設けられ、シリンダヘッド15と
ピストン12との間には燃焼室16が設けられている。
この燃焼室16には吸気通路32及び排気通路33が接
続されている。そして、燃焼室16と吸気通路32とは
吸気バルブ19の開閉動作によって連通・遮断され、燃
焼室16と排気通路33とは排気バルブ20の開閉動作
によって連通・遮断される。
【0034】一方、シリンダヘッド15には、上記吸気
バルブ19及び排気バルブ20を開閉駆動するための吸
気カムシャフト21及び排気カムシャフト22が回転可
能に支持されている。これら吸気及び排気カムシャフト
21,22は、タイミングベルト及びギヤ(共に図示せ
ず)等を介してクランクシャフト14に連結され、同ベ
ルト及びギヤ等によりクランクシャフト14の回転が伝
達されるようになる。そして、吸気カムシャフト21が
回転すると吸気バルブ19が開閉動作し、排気カムシャ
フト22が回転すると排気バルブ20が開閉動作する。
【0035】シリンダヘッド15において、吸気カムシ
ャフト21の側方には、同シャフト21の外周面に設け
られた突起21aを検出して検出信号を出力するカムポ
ジションセンサ21bが設けられている。そして、吸気
カムシャフト21が回転すると、同シャフト21の突起
21aがカムポジションセンサ21bの側方を通過す
る。この状態にあっては、カムポジションセンサ21b
から上記突起21aの通過に対応して所定間隔毎に検出
信号が出力されるようになる。
【0036】吸気通路32の上流部分には、エンジン1
1の吸入空気量を調整するためのスロットルバルブ23
が設けられている。このスロットルバルブ23の開度
は、アクセルポジションセンサ26によって検出される
アクセルペダル25の踏込量(アクセル踏込量)に基づ
きスロットル用モータ24を駆動制御することで調節さ
れる。こうしたスロットルバルブ23の開度調節によ
り、エンジン11の吸入空気量が調整される。また、吸
気通路32においてスロットルバルブ23の下流側に位
置する部分には、同通路32内の圧力を検出するバキュ
ームセンサ36が設けられている。そして、バキューム
センサ36は検出した吸気通路32内の圧力に対応した
検出信号を出力する。
【0037】また、シリンダヘッド15には、燃焼室1
6内に燃料を噴射供給する燃料噴射弁40と、燃焼室1
6内に充填される燃料と空気とからなる混合気に対して
点火を行う点火プラグ41とが設けられている。そし
て、燃料噴射弁40から燃焼室16内へ燃料が噴射され
ると、同燃料が吸気通路32を介して燃焼室16に吸入
された空気と混ぜ合わされ、燃焼室16内で空気と燃料
とからなる混合気が形成される。更に、燃焼室16内の
混合気は点火プラグ41によって点火がなされて燃焼
し、燃焼後の混合気は排気として排気通路33に送り出
される。
【0038】このエンジン11においては、機関運転状
態に応じて燃焼方式が切り換えられる。即ち、エンジン
11の運転状態が高出力を要求される高回転高負荷領域
にあるときには、混合気を理論空燃比で燃焼させること
で高出力を得ることが可能なストイキ燃焼が実行され
る。また、エンジン11の運転状態があまり高出力を要
求されない低回転低負荷領域にあるときには、混合気を
理論空燃比よりもリーンな状態で燃焼させることが可能
な希薄燃焼を実行する。
【0039】こうした希薄燃焼にあっては、混合気の空
燃比をリーンにすべくスロットルバルブがストイキ燃焼
時に比べて開き側に制御されるため、ポンピングロスが
低減して燃費が向上する。このように機関運転状態に応
じて燃焼方式を切り換えることで、必要なエンジン出力
を得ることと燃費を向上させることとの両立が図られ
る。
【0040】上述した希薄燃焼としては、燃料が空気に
対して均等に混合される均質混合気を理論空燃比よりも
リーンな状態で燃焼させる「均質リーン燃焼」や、点火
プラグ41周りのみ燃料濃度を高めることで平均空燃比
を大幅にリーン側の値としても着火性を確保することが
可能な成層混合気を燃焼させる「成層燃焼」などがあ
る。上記エンジン11においては、希薄燃焼が行われる
運転領域にあるときには、機関運転状態に応じて燃焼方
式が「均質リーン燃焼」と「成層燃焼」との間で切り換
えられる。
【0041】即ち、希薄燃焼が行われるエンジン11の
運転領域にあって、低回転低負荷側では「成層燃焼」が
行われ、それ以外では「均質リーン燃焼」が行われるよ
うになる。従って、エンジン11の燃焼方式は、高回転
高負荷になるほど「成層燃焼」、「均質リーン燃焼」、
「ストイキ燃焼」へと順次燃焼方式が変化する。こうし
た態様で燃焼方式を切り換えることで、必要なエンジン
出力を得ることと燃費を向上させることとの両立が一層
的確に図られるようになる。
【0042】ところで、「均質リーン燃焼」や「成層燃
焼」といった希薄燃焼が行われるときには、混合気の燃
焼時に発生する窒素酸化物(NOx )を低減すべく、同
混合気に排気を混合した状態で燃焼を行うことが好まし
い。このように混合気への排気の混合を行うため、排気
行程中に吸気バルブ19を開閉させたり、吸気行程中に
排気バルブ20を開閉させたりすることが行われる。
【0043】即ち、排気行程中に吸気バルブ19を開閉
させると、排気行程でのピストン12の移動により燃焼
室16内の排気の一部が吸気通路32に流れ込み、その
後の吸気行程にて上記排気が空気とともに吸気通路32
から燃焼室16内に導入される。また、吸気行程中に排
気バルブ20を開閉させると、吸気行程でのピストン1
2の移動に伴い燃焼室16内に発生する負圧により、排
気通路33から燃焼室16内へと排気が引かれて同燃焼
室16に排気が導入される。こうして燃焼室16に排気
を導入し、同排気を混合した状態で混合気の燃焼を行う
ことで、混合気の燃焼時に発生するNOx の量を低減す
ることができるようになる。
【0044】次に、上記吸気バルブ19及び排気バルブ
20、並びにそれらバルブ19,20を開閉させる構造
について図2〜図8を参照して詳しく説明する。図2
は、燃焼室16に対する吸気通路32及び排気通路33
の接続状態を示す断面図である。図2から明らかなよう
に、吸気通路32は二つに分岐した状態で燃焼室16に
接続され、この二つに分岐した吸気通路32と燃焼室1
6との間にそれぞれ吸気バルブ19が設けられている。
また、排気通路33も二つに分岐した状態で燃焼室16
に接続され、この二つに分岐する排気通路33と燃焼室
16の間にそれぞれ排気バルブ20が設けられている。
なお、二つに分岐する排気通路33は下流側で合流して
一つになっている。このエンジン11においては、一気
筒につき二つづつ吸気バルブ19及び排気バルブ20が
設けられることとなる。
【0045】ここで、上記吸気バルブ19を開閉する構
造を図4及び図5に示す。なお、図4は吸気カムシャフ
ト21及びそれを軸線方向に変位させる構造を示すもの
であり、図5は吸気カムシャフト21に設けられた吸気
カム51を示すものである。
【0046】図4に示すように、吸気カムシャフト21
には一つの気筒毎に二つづつ吸気カム51が設けられて
いる(図4には一気筒分の吸気カム51のみ図示)。そ
れら一気筒分の吸気カム51は、各気筒にそれぞれ二つ
づつ設けられる吸気バルブ19(図4には図示せず)の
上端に対応して位置している。そして、吸気カムシャフ
ト21の回転に伴い吸気カム51が回転すると、同吸気
カム51により吸気バルブ19が押されて、同バルブ1
9が開閉動作するようになる。
【0047】図5に示すように、吸気カム51には吸気
行程中に吸気バルブ19を開閉させるための主カム山5
1aが形成されている。また、一つの気筒に対応して設
けられた二つの吸気カム51のうちの一方には、吸気カ
ム51の回転方向(図中に矢印Aで示す方向)において
上記主カム山51aよりも前方に、排気行程中に吸気バ
ルブ19を開閉させるための補助カム山51bが形成さ
れている。この補助カム山51bにおいては、そのプロ
フィールが吸気カムシャフト21の軸線方向について連
続的に変化している。そのため、補助カム山51bを吸
気カムシャフト21の軸線方向に変位させることで、同
補助カム山51bによる吸気バルブ19の開閉特性を変
更することが可能になる。
【0048】上記吸気カム51による吸気バルブ19の
開閉特性を図3に示す。図3は、補助カム山51bが形
成される吸気カム51の位相変化に対し、吸気バルブ1
9のバルブリフト量がどのように変化をするかを示すグ
ラフである。同図から明らかなように、吸気バルブ19
は、排気行程では補助カム山51bにより開閉するとと
もに、吸気行程では主カム山51aにより開閉する。補
助カム山51bによる吸気バルブ19の開弁期間は排気
行程のほぼ全体に亘っている。
【0049】このように吸気バルブ19が排気行程中に
開くと、排気行程でのピストン12の移動により燃焼室
16内の排気の一部が吸気通路32に流れ込み、吸気行
程にて上記排気が吸気通路32から燃焼室16内に導入
される。このように排気を一旦吸気通路32に送り込ん
だ後に燃焼室16に戻すようにすれば、吸気通路32内
にて排気と空気とが予め混合されるため、燃焼室16内
では排気が均等に近い状態で分布する。そして、この排
気と混合された状態で混合気の燃焼が行われる。
【0050】上記混合気に混合される排気の量は、補助
カム山51bを吸気カムシャフト21の軸線方向に変位
させ、補助カム山51bによる吸気バルブ19のリフト
量を変更するなど、補助カム51bによる吸気バルブ1
9の開閉特性を変更することにより調整される。即ち、
補助カム山51bによる吸気バルブ19の開閉特性(バ
ルブリフト量等)を変更すると、排気行程中に吸気通路
32に流れ込む排気の量が変化し、吸気行程で吸気通路
32から燃焼室16に導入される排気の量が変化して混
合気に混合される排気の量が調整されるようになる。
【0051】次に、補助カム山51bを吸気カムシャフ
ト21の軸線方向に変位させる装置について説明する。
図4に示すように、同装置は吸気カムシャフト21をそ
の軸線方向に移動させるシリンダ52と、このシリンダ
52に対するオイル供給により同シリンダ52を駆動す
るオイル供給装置53とを備えている。
【0052】上記シリンダ52においては、そのシリン
ダチューブ54内が吸気カムシャフト21に連結される
ピストン55によって、第1及び第2の圧力室56,5
7に区画されている。そして、第1及び第2の圧力室5
6,57に対して選択的にオイルを供給することによ
り、ピストン55が移動して吸気カムシャフト21がそ
の軸線方向に移動する。このように吸気カムシャフト2
1を移動させることで、補助カム山51bが吸気カムシ
ャフト21の軸線方向に変位するようになる。
【0053】また、上記オイル供給装置53は、オイル
を吐出するオイルポンプ58と、第1及び第2の圧力室
56,57に対する上記オイルポンプ58の接続状態を
切り換えるオイルコントロールバルブ(OCV)59と
を備えている。このOCV59は、コイルスプリング6
0及び電磁ソレノイド61を備え、電磁ソレノイド61
に対する印加電圧のデューティ制御を行うことで切換動
作するものである。
【0054】即ち、電磁ソレノイド61に対する印加電
圧のデューティ比を「100%」にすると、オイルポン
プ58が第2の圧力室57と接続される状態にOCV5
9が切り換えられる。この状態にあっては、オイルポン
プ58によって第2の圧力室57にオイルが供給される
とともに、第1の圧力室56内からオイルが排出される
こととなる。その結果、ピストン55が吸気カムシャフ
ト21をシリンダ52から突出させる方向に移動し、補
助カム山51bが吸気カムシャフト21の軸線方向(図
中左側)に変位する。この場合、補助カム山51bによ
る吸気バルブ19のリフト量が小さくなるよう吸気バル
ブ19の開閉特性が変化し、排気行程中での吸気バルブ
19の開閉に基づき燃焼室16に導入される排気の量が
少なくなる。
【0055】また、電磁ソレノイド61に対する印加電
圧のデューティ比を「0%」にすると、オイルポンプ5
8が第1の圧力室56と接続される状態にOCV59が
切り換えられる。この状態にあっては、オイルポンプ5
8から吐出されるオイルが第1の圧力室56に供給され
るととともに、第2の圧力室57からオイルが排出され
ることとなる。その結果、ピストン55が吸気カムシャ
フト21をシリンダ52内に没入させる方向に移動し、
補助カム山51bが吸気カムシャフト21の軸線方向
(図中右側)に変位する。この場合、補助カム山51b
による吸気バルブ19のリフト量が大きくなるよう吸気
バルブ19の開閉特性が変化し、排気行程中での吸気バ
ルブ19の開閉に基づき燃焼室16に導入される排気の
量が多くなる。
【0056】更に、電磁ソレノイド61に対する印加電
圧のデューティ比を「50%」にすると、第1及び第2
の圧力室56,57に対するオイルの給排が禁止される
状態にOCV59が切り換えられる。この状態にあって
は、シリンダチューブ54に対するピストン55の相対
位置が固定され、補助カム山51bの位置も固定され
る。そのため、補助カム山51bによる吸気バルブ19
のリフト量が一定に維持され、排気行程中での吸気バル
ブ19の開閉に基づき燃焼室16内に導入される排気の
量も一定に維持される。
【0057】次に、排気バルブ20を開閉する構造を図
6及び図7に示す。なお、図6は排気カムシャフト22
及びそれを軸線方向に変位させる構造を示すものであ
り、図7は排気カムシャフト22に設けられた排気カム
71を示すものである。
【0058】図6に示すように、吸気カムシャフト21
には一つの気筒毎に二つづつ排気カム71が設けられて
いる(図6には一気筒分の排気カム71のみ図示)。そ
れら一気筒分の排気カム71は、各気筒にそれぞれ二つ
づつ設けられる排気バルブ20(図6には図示せず)の
上端に対応して位置している。そして、排気カムシャフ
ト22の回転に伴い排気カム71が回転すると、同排気
カム71により排気バルブ20が押されて、同バルブ2
0が開閉動作するようになる。
【0059】図7に示すように、排気カム71には排気
行程中に排気バルブ20を開閉させるための主カム山7
1aが形成されている。また、一つの気筒に対応して設
けられた二つの排気カム71のうちの一方には、排気カ
ム71の回転方向(図中に矢印Bで示す方向)において
上記主カム山71aよりも後方に、吸気行程中に排気バ
ルブ20を開閉させるための補助カム山71bが形成さ
れている。この補助カム山71bにおいては、そのプロ
フィールが排気カムシャフト22の軸線方向について連
続的に変化している。そのため、補助カム山71bを排
気カムシャフト22の軸線方向に変位させることで、同
補助カム山71bによる排気バルブ20の開閉特性を変
更することが可能になる。
【0060】上記排気カム71による排気バルブ20の
開閉特性を図8に示す。図8は、補助カム山71bが形
成される排気カム71の位相変化に対し、排気バルブ2
0のバルブリフト量がどのように変化をするかを示すグ
ラフである。同図から明らかなように、排気バルブ20
は、排気行程では主カム山71aにより開閉するととも
に、吸気行程では補助カム山71bにより開閉する。補
助カム山71bによる排気バルブ20の開弁期間は吸気
行程初期に位置している。
【0061】このように排気バルブ20が吸気行程中に
開くと、吸気行程でのピストン12の移動に伴い燃焼室
16内に発生する負圧により、排気通路33から燃焼室
16内へと排気が引かれて同燃焼室16への排気の導入
が行われる。そのため、燃焼室室16内における排気
は、点火プラグ41周りでは少なく、且つピストン12
の頭部付近には多くなるよう分布する。そして、この排
気と混合された状態で混合気の燃焼が行われる。
【0062】上記混合気に混合される排気の量は、補助
カム山71bを排気カムシャフト22の軸線方向に変位
させ、補助カム山71bによる吸気バルブ19のリフト
量を変更するなど、補助カム山71bによる排気バルブ
20の開閉特性を変更することにより調整される。即
ち、補助カム山71bによる排気バルブ20の開閉特性
(バルブリフト量等)を変更すると、吸気行程中に排気
通路33から燃焼室16内に導入される排気の量が変化
し、混合気に混合される排気の量が調整されるようにな
る。
【0063】次に、補助カム山71bを排気カムシャフ
ト22の軸線方向に変位させる装置について説明する。
図6に示すように、同装置は排気カムシャフト22をそ
の軸線方向に移動させるシリンダ72と、このシリンダ
72に対するオイル供給により同シリンダ72を駆動す
るオイル供給装置73とを備えている。なお、これらシ
リンダ72及びオイル供給装置73は、吸気カム51の
補助カム山51bを吸気カムシャフト21の軸線方向に
変位させるシリンダ52及びオイル供給装置53と同じ
構成となている。
【0064】即ち、上記シリンダ72においては、シリ
ンダ52と同様にシリンダチューブ74、ピストン7
5、並びに第1及び第2の圧力室76,77を備え、同
ピストン75が排気カムシャフト22と連結されている
ことのみがシリンダ52と異なっている。そして、第1
及び第2の圧力室76,77に対して選択的にオイルを
供給することにより、ピストン75が移動して排気カム
シャフト22がその軸線方向に移動する。このように排
気カムシャフト22を移動させることで、補助カム山7
1bが排気カムシャフト22の軸線方向に変位するよう
になる。
【0065】また、上記オイル供給装置73も、オイル
供給装置53と同様にオイルポンプ58、並びにコイル
スプリング80と電磁ソレノイド81とが設けられたオ
イルコントロールバルブ(OCV)79を備えている。
【0066】そして、電磁ソレノイド81に対する印加
電圧のデューティ比を「100%」にすると、オイルポ
ンプ58が第2の圧力室77と接続される状態にOCV
79が切り換えられる。この状態にあっては、オイルポ
ンプ58によって第2の圧力室77にオイルが供給され
るとともに、第1の圧力室76内からオイルが排出され
ることとなる。その結果、ピストン75が排気カムシャ
フト22をシリンダ72から突出させる方向に移動し、
補助カム山71bが排気カムシャフト22の軸線方向
(図中左側)に変位する。この場合、補助カム山71b
による排気バルブ20のリフト量が小さくなるようは排
気バルブ20の開閉特性が変化し、吸気行程中での排気
バルブ20の開閉に基づき燃焼室16に導入される排気
の量が少なくなる。
【0067】また、電磁ソレノイド81に対する印加電
圧のデューティ比を「0%」にすると、オイルポンプ5
8が第1の圧力室76と接続される状態にOCV79が
切り換えられる。この状態にあっては、オイルポンプ5
8から吐出されるオイルが第1の圧力室76に供給され
るととともに、第2の圧力室77からオイルが排出され
ることとなる。その結果、ピストン75が排気カムシャ
フト22をシリンダ72内に没入させる方向に移動し、
補助カム山71bが排気カムシャフト22の軸線方向
(図中右側)に変位する。この場合、補助カム山71b
による排気バルブ20のリフト量が大きくなるよう排気
バルブ20の開閉特性が変化し、吸気行程中での排気バ
ルブ20の開閉に基づき燃焼室16に導入される排気の
量が多くなる。
【0068】更に、電磁ソレノイド81に対する印加電
圧のデューティ比を「50%」にすると、第1及び第2
の圧力室76,77に対するオイルの給排が禁止される
状態にOCV79が切り換えられる。この状態にあって
は、シリンダチューブ74に対するピストン75の相対
位置が固定され、補助カム山71bの位置も固定され
る。そのため、補助カム山71bによる排気バルブ20
のリフト量が一定に維持され、吸気行程中での排気バル
ブ20の開閉に基づき燃焼室16内に導入される排気の
量も一定に維持される。
【0069】次に、本実施形態におけるバルブ特性制御
装置の電気的構成について図9に基づき説明する。この
バルブ特性制御装置は、燃料噴射制御などエンジン11
の運転状態を制御するための電子制御ユニット(以下
「ECU」という)92を備えている。このECU92
は、ROM93、CPU94、RAM95及びバックア
ップRAM96等を備える算術論理演算回路として構成
されている。
【0070】ここで、ROM93は各種制御プログラム
や、それら各種制御プログラムを実行する際に参照され
るマップ等が記憶されたメモリであり、CPU94はR
OM93に記憶された各種制御プログラムやマップに基
づいて演算処理を実行する。また、RAM95はCPU
94での演算結果や各センサから入力されたデータ等を
一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM9
6はエンジン11の停止時にその保存すべきデータ等を
記憶する不揮発性のメモリである。そして、ROM9
3、CPU94、RAM95及びバックアップRAM9
6は、バス97を介して互いに接続されるとともに、外
部入力回路98及び外部出力回路99と接続されてい
る。
【0071】外部入力回路98には、クランクポジショ
ンセンサ14c、カムポジションセンサ21b、アクセ
ルポジションセンサ26、及びバキュームセンサ36等
が接続されている。また、外部出力回路99には、燃料
噴射弁40、及びOCV59,79等が接続されてい
る。
【0072】このように構成されたECU92は、クラ
ンクポジションセンサ14cからの検出信号に基づきエ
ンジン回転数NEを求める。また、アクセルポジション
センサ26からの検出信号に基づきアクセル踏込量AC
CPを求めるとともに、バキュームセンサ36からの検
出信号に基づき吸気圧PMを求める。
【0073】そして、燃焼方式が「成層燃焼」及び「均
質リーン燃焼」であるときには、アクセル踏込量ACC
Pとエンジン回転数NEとに基づき、エンジン負荷に対
応した値となる基本燃料噴射量Qbse を算出する。こう
して算出される基本燃料噴射量Qbse は、アクセル踏込
量ACCPが大きくなるとともにエンジン回転数NEが
高くなるほど大きい値になる。そして、ECU92は、
上記基本燃料噴射量Qbse から求められる最終燃料噴射
量Qfin 等に基づき燃料噴射弁40を駆動制御すること
で、「成層燃焼」や「均質リーン燃焼」に適した燃料噴
射を行う。
【0074】また、燃焼方式が「ストイキ燃焼」である
ときには、吸気圧PMとエンジン回転数NEとに基づ
き、エンジン負荷に対応した値となる基本燃料噴射量Q
bse を算出する。こうして算出される基本燃料噴射量Q
bse は、吸気圧PMが高くなるとともにエンジン回転数
NEが高くなるほど大きい値になる。そして、ECU9
2は、上記基本燃料噴射量Qbse から求められる最終燃
料噴射量Qfin 等に基づき燃料噴射弁40を駆動制御す
ることで、「ストイキ燃焼」に適した燃料噴射を行う。
【0075】エンジン11の燃焼方式が「成層燃焼」で
あるとき、点火プラグ41周りに多量の排気があると同
プラグ41周りのガスに含まれる酸素の量が少なくな
り、これによって混合気の燃焼初期(火炎が点火プラグ
41周りにあるとき)に燃焼状態が悪化してしまう。そ
のため、燃焼方式が「成層燃焼」であるときには、燃焼
室16内の排気がピストン12の頭部側ほど高濃度にな
るよう同排気を分布させることが好ましい。これに対
し、燃焼方式が「均質リーン燃焼」であるときには、空
気に対して均等に燃料が含まれる混合気が燃焼するた
め、燃焼室16内の排気を同燃焼室16内に均等に近い
状態で分布させ、混合気の燃焼期間全体において燃焼時
に発生するNOx の量を低減することが好ましい。
【0076】ECU92は、エンジン11の燃焼方式に
基づきOCV59,79を駆動制御し、燃焼室16に導
入される排気を燃焼方式に適した状態、即ち燃焼室16
内での同排気の分布状態を燃焼方式に適した状態に制御
する。
【0077】上記OCV59の駆動制御により、吸気カ
ムシャフト21を自身の軸線方向に移動させると、吸気
カム51の補助カム山51bによる排気行程中での吸気
バルブ19の開閉特性(バルブリフト量)が変化する。
この補助カム山51bによる吸気バルブ19のリフト量
が大きくなるほど、吸気通路32から燃焼室16に導入
される排気の量が多くなり、燃焼室16内の排気が均等
に分布する傾向が強くなる。
【0078】また、上記OCV79の駆動制御により、
排気カムシャフト22を自身の軸線方向に移動させる
と、排気カム71の補助カム山71bによる吸気行程中
での排気バルブ20の開閉特性(バルブリフト量)が変
化する。この補助カム山71bによる排気バルブ20の
リフト量が大きくなるほど、排気通路33から燃焼室1
6に導入される排気が多くなり、燃焼室16内の排気が
ピストン12の頭部側ほど高濃度になるように分布する
傾向が強くなる。
【0079】エンジン11の燃焼方式が「均質リーン燃
焼」であるとき、ECU92は、OCV59,79を駆
動制御して吸気及び排気カムシャフト21,22を変位
させ、吸気カム51の補助カム山51bによる吸気バル
ブ19のリフト量、及び排気カム71の補助カム山71
bによる排気バルブ20のリフト量を「均質リーン燃
焼」に適したものとする。その結果、排気行程中に吸気
カム51の補助カム山51bにより、吸気バルブ19が
図3に実線で示すリフト量で排気行程のほぼ全体に亘っ
て開くようになる。更に、吸気行程中に排気カム71の
補助カム山71bにより、排気バルブ20が図8に実線
で示すリフト量で吸気行程初期のみに開くようになる。
このように吸気バルブ19が排気行程中に開くととも
に、排気バルブ20が吸気行程中に開くことに基づき、
燃焼室16内に排気が導入されて同排気が混合された状
態で混合気の燃焼が行われることとなる。
【0080】また、エンジン11の燃焼方式が「成層燃
焼」であるとき、ECU92は、OCV59,79を駆
動制御して吸気及び排気カムシャフト21,22を変位
させ、吸気カム51の補助カム山51bによる吸気バル
ブ19のリフト量、及び排気カム71の補助カム山71
bによる排気バルブ20のリフト量を「成層燃焼」に適
したものとする。その結果、排気行程中に吸気カム51
の補助カム山51bにより、吸気バルブ19が図3に二
点鎖線で示すリフト量で排気行程のほぼ全体に亘って開
くようになる。この「成層燃焼」時における排気行程中
の吸気バルブ19の開閉特性においては、同バルブ19
のリフト量が図中実線で示す「均質リーン燃焼」時の開
閉特性におけるリフト量よりも小さいものとなる。
【0081】更に、「成層燃焼」時においては、吸気行
程中に排気カム71の補助カム山71bにより、排気バ
ルブ20が図8に二点鎖線で示すリフト量で吸気行程初
期のみに開くようになる。この「成層燃焼」時における
吸気行程中の排気バルブ20の開閉特性においては、同
バルブ20のリフト量が図中実線で示す「均質リーン燃
焼」時の開閉特性におけるリフト量よりも大きいものと
なる。
【0082】上記のようなバルブ開閉特性となる「成層
燃焼」時には、排気行程中の吸気バルブ19の開弁に基
づき燃焼室16に導入される排気の量が「均質リーン燃
焼」時よりも少なくなり、吸気行程中の排気バルブ20
の開弁に基づき燃焼室16に導入される排気の量が「均
質リーン燃焼」時よりも多くなる。そのため、「成層燃
焼」時においては、燃焼室16内の排気がピストン12
の頭部側ほど高濃度となるように分布する傾向が「均質
リーン燃焼」時よりも強くなるとともに、同排気が燃焼
室16内で均等に分布する傾向が「均質リーン燃焼」時
よりも弱くなる。従って、「成層燃焼」時には、燃焼室
16内の排気がピストン12の頭部側ほど高濃度とな
り、点火プラグ41周りに過度に多量の排気が存在して
混合気の燃焼初期に燃焼状態が悪化するのを抑制するこ
とができる。
【0083】一方、図3に実線で示される「均質リーン
燃焼」時における排気行程中での吸気バルブ19の開閉
特性は、同バルブ19のリフト量が同図に二点鎖線で示
す「成層燃焼」時の開閉特性におけるリフト量よりも大
きいものとなる。更に、図8に実線で示される「均質リ
ーン燃焼」時における吸気行程中での排気バルブ20の
開閉特性は、同バルブ20のリフト量が同図に二点鎖線
で示す「成層燃焼」時の開閉特性におけるリフト量より
も小さいものとなる。
【0084】上記のようなバルブ開閉特性となる「均質
リーン燃焼」時には、排気行程中の吸気バルブ19の開
弁に基づき燃焼室16に導入される排気の量が「成層燃
焼」時よりも多くなり、吸気行程中の排気バルブ20の
開弁に基づき燃焼室16内に導入される排気の量が「成
層燃焼」時よりも少なくなる。そのため、「均質リーン
燃焼」時においては、燃焼室16内の排気がピストン1
2の頭部側ほど高濃度となるように分布する傾向が「成
層燃焼」時よりも弱くなるとともに、同排気が燃焼室1
6内で均等に分布する傾向が「成層燃焼」時よりも強く
なる。従って、「均質リーン燃焼」時には、燃焼室16
内に導入される排気を均等に近い状態で分布させ、混合
気の燃焼期間全体において燃焼時に発生するNOx の量
を効率よく低減することができる。
【0085】なお、燃焼方式が「成層燃焼」と「均質リ
ーン燃焼」とのいずれの場合であっても、ECU92
は、基本燃料噴射量Qbse (機関負荷)及びエンジン回
転数NE等の機関運転状態に応じてOCV59,79を
駆動制御し、排気行程中での補助カム山51bによる吸
気バルブ19の開閉、及び吸気行程中での補助カム山7
1bによる排気バルブ20の開閉に基づく燃焼室16へ
の排気の導入を機関運転状態に応じて適切なものとす
る。このように機関運転状態に応じて燃焼室16への排
気の導入を制御した場合、補助カム山51bによる吸気
バルブ19の開閉特性、及び補助カム山71bによる排
気バルブ20の開閉特性は、図3及び図8に実線及び二
点鎖線で示す状態とは多少異なるものに変化するが、
「成層燃焼」と「均質リーン燃焼」との間では概ねそれ
ら実線と二点鎖線とで示すような差異が生じることとな
る。
【0086】以上詳述した本実施形態によれば、以下に
示す効果が得られるようになる。 (1)「成層燃焼」時には、吸気カム51の補助カム山
51bによる吸気バルブ19のリフト量が「均質リーン
燃焼」時よりも小さくされるとともに、排気カム71の
補助カム山71bによる排気バルブ20のリフト量が
「均質リーン燃焼」時よりも大きくされる。その結果、
排気行程中での吸気バルブ19の開閉に基づき燃焼室1
6に導入される排気が「均質リーン燃焼」時よりも少な
くなるとともに、吸気行程中での排気バルブ20の開閉
に基づき燃焼室16に導入される排気が「均質リーン燃
焼」時よりも多くなる。従って、「成層燃焼」時には、
燃焼室16内の排気がピストン12の頭部側ほど高濃度
になるよう分布する傾向が強くなるとともに、同排気が
燃焼室16内で均等に分布する傾向が弱くなる。そのた
め、燃焼室16内の排気がピストン12の頭部側ほど高
濃度となり、点火プラグ41周りに過度に多量の排気が
存在して混合気の燃焼初期に燃焼状態が悪化するのを抑
制することができる。
【0087】(2)「均質リーン燃焼」時には、吸気カ
ム51の補助カム山51bによる吸気バルブ19のリフ
ト量が「成層燃焼」時よりも大きくされるとともに、排
気カム71の補助カム山71bによる排気バルブ20の
リフト量が「成層燃焼」時よりも小さくされる。その結
果、排気行程中での吸気バルブ19の開閉に基づき燃焼
室16内に導入される排気の量が「成層燃焼」時よりも
多くなるとともに、吸気行程中での排気バルブ20の開
閉に基づき燃焼室16内に導入される排気の量が「成層
燃焼」時よりも少なくなる。従って、「均質リーン燃
焼」時には、燃焼室16内の排気がピストン12の頭部
側ほど高濃度となるよう分布する傾向が弱くなるととも
に、同排気が燃焼室16内で均等に分布する傾向が強く
なる。そのため、燃焼室16内に導入される排気を均等
に近い状態で分布させ、混合気の燃焼期間全体において
燃焼時に発生するNOx の量を効率よく低減することが
できる。
【0088】(3)吸気行程中に排気カム71の補助カ
ム山71bにより排気バルブ20が開くのは吸気行程の
初期のみとなる。そのため、吸気行程でのピストン12
の移動により排気通路33から燃焼室16に引かれる排
気を、燃焼室16内にて的確にピストン12の頭部側ほ
ど高濃度となるよう分布させることができる。また、排
気行程中には、吸気カム51の補助カム山51bにより
吸気バルブ19が排気行程のほぼ全体に亘って開き、補
助カム山51bによる吸気バルブ19の開弁期間が上記
補助カム山71bによる排気バルブ20の開弁期間より
も長くなる。その結果、排気行程でのピストン12の移
動により燃焼室16から吸気通路32に排気が的確に送
り込まれる。従って、吸気通路32内での排気と空気と
の混合が的確に行われ、吸気行程中に吸気通路32から
燃焼室16内に導入される排気を、的確に燃焼室16内
でほぼ均等に分布させることができるようになる。
【0089】(4)吸気及び排気カムシャフト21,2
2の軸線方向について連続的にプロフィールが変化する
補助カム山51b,71bを吸気及び排気カム51,7
1に形成し、吸気及び排気カムシャフト21,22を軸
線方向に移動可能とした。そのため、吸気及び排気カム
シャフト21,22を軸線方向に変位させることで、補
助カム山51bによる吸気バルブ19の開閉特性(バル
ブリフト量)、及び補助カム山71bによる排気バルブ
20の開閉特性(バルブリフト量)を的確に変更するこ
とができる。
【0090】なお、本実施形態は、例えば以下のように
変更することもできる。 ・本実施形態では、吸気及び排気カムシャフト21,2
2を軸線方向に移動させることで、補助カム山51b,
71bを吸気及び排気カムシャフト21,22の軸線方
向に変位させ、補助カム山51bによる吸気バルブ19
の開閉特性、及び補助カム山71bによる排気バルブ2
0の開閉特性を変更したが、本発明はこれに限定されな
い。例えば、吸気及び排気カム51,71を吸気及び排
気カムシャフト21,22に対し、これらシャフト2
1,22の軸線方向に変位可能な構造を採用し、この吸
気及び排気カム51,71の変位により補助カム山51
b,71bを変位させてもよい。
【0091】・本実施形態えは、排気行程での吸気バル
ブ19の開弁期間を同排気行程のほぼ全体に亘るように
し、吸気行程での排気バルブ20の開弁期間を同吸気行
程の初期のみとしたが、これら補助カム山51b,71
bによる吸気及び排気バルブ19,20の開弁期間を適
宜変更してもよい。この場合でも、上記補助カム山51
bによる吸気バルブ19の開弁期間を、上記補助カム山
71bによる排気バルブ20の開弁期間よりも長くする
ことが好ましい。
【0092】・本実施形態では、吸気及び排気カムシャ
フト21,22の軸線方向についての補助カム山51
b,71bの変位により、吸気及びバルブ19,20の
リフト量を変更し、燃焼室16に導入される排気の分布
状態を燃焼方式に適したものとしたが、本発明はこれに
限定されない。例えば、上記補助カム山51b,71b
の変位により、吸気及び排気バルブ19,20の開弁期
間や開閉タイミング等のバルブ開閉特性を変更し、燃焼
室16に導入される排気の分布状態を燃焼方式に適した
ものとしてもよい。
【0093】・本実施形態において、「成層燃焼」時の
排気行程で必ずしも吸気バルブ19を開く必要はない。
更に、「成層燃焼」時の排気行程で吸気バルブ19を開
かないならば、吸気カム51の補助カム山51bを省略
してもよい。この場合、「均質リーン燃焼」時には吸気
行程での排気バルブ20のリフト量を「0」にして同バ
ルブ20の開弁を停止することにより燃焼室16への排
気の導入を実行せず、「成層燃焼」時には吸気行程での
排気バルブ20の開弁を行って燃焼室16への排気の導
入を実行する。なお、補助カム山51bを設け、排気行
程での吸気バルブ19の開弁と、吸気行程での排気バル
ブ20の開弁とを実行可能にした場合は、それらバルブ
19,20の両方の開閉特性を変更することができるた
め、的確に燃焼室16内の排気を燃焼方式に適した分布
状態とすることができる。
【0094】・本実施形態において、「均質リーン燃
焼」時の吸気行程で必ずしも排気バルブ20を開く必要
はない。更に、「均質リーン燃焼」時の吸気行程で排気
バルブ20を開かないならば、排気カム71の補助カム
山71bを省略してもよい。この場合、「成層燃焼」時
には排気行程での吸気バルブ19のリフト量を「0」に
して同バルブ19の開弁を停止させることにより燃焼室
16への排気の導入を実行せず、「均質リーン燃焼」時
には排気行程での吸気バルブ19の開弁を行って燃焼室
16への排気の導入を実行する。なお、補助カム山71
bを設け、排気行程での吸気バルブ19の開弁と、吸気
行程での排気バルブ20の開弁とを実行可能にした場合
は、それらバルブ19,20の両方の開閉特性を変更す
ることができるため、的確に燃焼室16内の排気を燃焼
方式に適した分布状態とすることができる。
【0095】・本実施形態では、一つの気筒に設けられ
た二つの吸気カム51及び二つの排気カム71のうち、
一つの吸気カム51のみに補助カム山51bを設けると
ともに、一つの排気カム71のみに補助カム山71bを
設けたが、二つの吸気カム51及び二つの排気カム71
に補助カム山51b,71bを設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のバルブ特性制御装置が適用される
エンジン全体を示す断面図。
【図2】同エンジンの燃焼室と吸気通路及び排気通路と
の接続状態を示す断面図。
【図3】吸気カムの位相変化に対する吸気バルブのリフ
ト量の変化を示すグラフ。
【図4】吸気カムシャフトを軸線方向に移動させるシリ
ンダの構造、及び同シリンダを駆動するためのオイル供
給構造を示す概略図。
【図5】吸気カムに形成される主カム山及び補助カム山
を示す斜視図。
【図6】排気カムシャフトを軸線方向に移動させるシリ
ンダの構造、及び同シリンダを駆動するためのオイル供
給構造を示す概略図。
【図7】排気カムに形成される主カム山及び補助カム山
を示す斜視図。
【図8】排気カムの位相変化に対する排気バルブのリフ
ト量の変化を示すグラフ。
【図9】上記バルブ特性制御装置の電気的構成を示すブ
ロック図。
【符号の説明】
11…エンジン、14c…クランクポジションセンサ、
16…燃焼室、19…吸気バルブ、20…排気バルブ、
21…吸気カムシャフト、22…排気カムシャフト、2
6…アクセルポジションセンサ、36…バキュームセン
サ、51…吸気カム、51a…主カム山、51b…補助
カム山、52…シリンダ、58…オイルポンプ、59…
オイルコントロールバルブ(OCV)、71…排気カ
ム、71a…主カム山、71b…補助カム山、72…シ
リンダ、79…オイルコントロールバルブ(OCV)、
92…電子制御ユニット(ECU)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/04 335 F02D 41/04 335C (72)発明者 植田 貴宣 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 河内 正人 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G016 AA08 AA19 BA03 BA06 BA28 BA36 BA39 BA42 BB04 DA01 DA06 DA22 GA00 3G092 AA01 AA06 AA09 AA11 DA01 DA02 DA04 DA12 DA14 DC03 DG02 DG05 DG09 EA06 EA07 EA14 EC08 FA02 FA17 FA21 FA25 HA01X HA05Z HA06X HA13X HA13Z HE03Z HF08Z 3G301 HA01 HA04 HA09 HA16 HA19 JA25 LA07 LB04 LC08 MA01 ND41 PA01Z PA07Z PA11Z PE03Z PE10Z PF03Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関運転状態に応じて燃焼方式が切り換え
    られる内燃機関に適用され、同機関のカムシャフトに設
    けられたバルブ開閉用のカムに主カム山を形成するとと
    もに、同主カム山の回転方向前方及び後方の少なくとも
    一方に補助カム山を設け、前記補助カム山によるバルブ
    開閉特性を変更して同機関の燃焼室に導入される排気を
    制御する内燃機関のバルブ特性制御装置において、 前記補助カム山によるバルブ開閉特性を変更する変更手
    段と、 前記燃焼室に導入される排気が内燃機関の燃焼方式に適
    したものとなるよう、同機関の燃焼方式に基づき前記変
    更手段を制御する制御手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御装
    置。
  2. 【請求項2】前記制御手段は、前記燃焼室内に導入され
    る排気の同燃焼室内での分布状態が内燃機関の燃焼方式
    に適したものとなるよう、同機関の燃焼方式に基づき前
    記変更手段を制御して前記補助カム山によるバルブ開閉
    特性を変更する請求項1記載の内燃機関のバルブ特性制
    御装置。
  3. 【請求項3】前記制御手段は、内燃機関の燃焼方式が成
    層燃焼であるとき、吸気行程中に排気バルブが開閉駆動
    されるよう、前記変更手段を制御して前記補助カム山に
    よるバルブ開閉特性を変更する請求項1又は2記載の内
    燃機関のバルブ特性制御装置。
  4. 【請求項4】前記制御手段は、内燃機関の燃焼方式が均
    質リーン燃焼であるとき、排気行程中に吸気バルブが開
    閉駆動されるよう、前記変更手段を制御して前記補助カ
    ム山によるバルブ開閉特性を変更する請求項1〜3のい
    ずれかに記載の内燃機関のバルブ特性制御装置。
  5. 【請求項5】内燃機関の吸気カム及び排気カムにはそれ
    ぞれ補助カム山が設けられ、前記吸気カムの補助カム山
    は排気行程中に吸気バルブを開閉駆動するものであり、
    前記排気カムの補助カム山は吸気行程中に排気バルブを
    開閉駆動するものであって、 前記制御手段は、前記燃焼室内での排気の分布状態が内
    燃機関の燃焼方式に適したものとなるよう、同機関の燃
    焼方式に基づき前記変更手段を制御して前記吸気カム及
    び前記排気カムの各補助カム山によるバルブ開閉特性を
    変更する請求項2記載の内燃機関のバルブ特性制御装
    置。
  6. 【請求項6】前記制御手段は、内燃機関の燃焼方式が成
    層燃焼であるときには前記燃焼室内の排気がピストン頭
    部側ほど高濃度になり、同機関の燃焼方式が均質リーン
    燃焼であるときには燃焼室内の排気が均等に近い状態で
    分布するよう、前記変更手段を制御して前記吸気カム及
    び前記排気カムの各補助カム山によるバルブ開閉特性を
    変更する請求項5記載の内燃機関のバルブ特性制御装
    置。
  7. 【請求項7】前記制御手段は、内燃機関の燃焼方式が成
    層燃焼であるときには吸気行程中での前記排気バルブの
    開閉駆動に基づき前記燃焼室に導入される排気が均質リ
    ーン燃焼のときよりも多くなり、且つ圧縮行程中での前
    記吸気バルブの開閉駆動に基づき前記燃焼室に導入され
    る排気が均質リーン燃焼のときよりも少なくなるよう、
    前記変更手段を制御して前記吸気カム及び前記排気カム
    の各補助カム山によるバルブ開閉特性を変更する請求項
    5又は6記載の内燃機関のバルブ特性制御装置。
  8. 【請求項8】前記制御手段は、内燃機関の燃焼方式が均
    質リーン燃焼であるときには吸気行程中での前記排気バ
    ルブの開閉駆動に基づき前記燃焼室に導入される排気が
    成層燃焼のときよりも少なくなり、且つ圧縮行程中での
    前記吸気バルブの開閉駆動に基づき前記燃焼室に導入さ
    れる排気が成層燃焼のときよりも多くなるよう、前記変
    更手段を制御して前記吸気カム及び前記排気カムの各補
    助カム山によるバルブ開閉特性を変更する請求項5〜7
    のいずれかに記載の内燃機関のバルブ特性制御装置。
  9. 【請求項9】前記排気カムの補助カム山は、同カム山に
    よる排気バルブの開弁期間が吸気行程初期に位置するプ
    ロフィールを有し、 前記吸気カムの補助カム山は、同カム山による吸気バル
    ブの開弁期間が前記排気バルブの開弁期間よりも長くな
    るプロフィールを有する請求項5〜8のいずれかに記載
    の内燃機関のバルブ特性制御装置。
  10. 【請求項10】前記補助カム山は、前記カムシャフトの
    軸線方向についての形状が異なるものであって、 前記変更手段は、前記補助カム山を前記カムシャフトの
    軸線方向に変位させることで、前記補助カム山によるバ
    ルブ開閉特性を変更するものである請求項1〜9のいず
    れかに記載の内燃機関のバルブ特性制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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