JP2001065117A - シート防水工法 - Google Patents

シート防水工法

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JP2001065117A
JP2001065117A JP24013399A JP24013399A JP2001065117A JP 2001065117 A JP2001065117 A JP 2001065117A JP 24013399 A JP24013399 A JP 24013399A JP 24013399 A JP24013399 A JP 24013399A JP 2001065117 A JP2001065117 A JP 2001065117A
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sheet
waterproof sheet
waterproof
heat
water
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JP24013399A
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Yoshinobu Takemoto
良伸 武本
Hidehiro Suzuki
英博 鈴木
Hajime Takanashi
肇 高梨
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Kanebo Ltd
Kanebo Kasei KK
Original Assignee
Kanebo Ltd
Kanebo Kasei KK
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

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  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】入隅部における作業性取り付け安全性に優れ、
しかも経時的な信頼性に優れた防水構造を実現しうるシ
ート防水工法を提供する。 【解決手段】平場部1に、第1の防水シート5を敷設し
て固定する工程と、上記平場部1と立ち上がり部2とで
形成される入隅部3に、固定金具4を当接したのち、上
記立ち上がり部2の上方から入隅部3に第2の防水シー
ト5′を垂らし、上記第2の防水シート5′の下部のう
ち、まず上記固定金具4に重なる部分をその重なり面に
熱融着し、ついで平場部1の第1の防水シート5の上面
に重なる部分をその上面に熱融着することにより、第1
の防水シート5と第2の防水シート5′の接合を行うよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入隅部における作
業性に優れ、しかも安全性,安定性に優れた防水構造を
実現しうるシート防水工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物の屋上等を防水する工法として
は、従来から、加硫ゴム系等の防水シートを、接着剤を
用いて下地面に接着施工する方法(シート防水工法)が
よく知られている。この方法によれば、均一厚みの防水
層を画一的に得ることができるという利点がある反面、
降雨,降雪等により下地面が湿潤状態になると、乾燥す
るまで施工できないため、工期が遅れるという問題や、
既設防水層の補修の際、部分補修がしにくいという問題
がある。
【0003】そこで、これらの問題を解決する方法とし
て、塩化ビニル樹脂製の防水シートと、塩化ビニル樹脂
で表側を被覆した固定金具とを用いて、防水シート同
士、あるいは防水シートと固定金具とを、溶剤溶着又は
熱融着させて接合する方法が提案され、実用化されてい
る(特許第2724040号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記塩
化ビニル樹脂は、塩素原子を含むため、廃棄の際に適切
な処理がなされないと、ダイオキシンが発生するおそれ
があり、環境保全の上で好ましくないという問題があ
る。また、上記塩化ビニル樹脂には、可塑剤や軟化剤が
添加されているが、これらは徐々に揮散するため、防水
シートが経時的に脆弱になるという問題もある。さら
に、上記塩化ビニル樹脂製の防水シートの接合には、通
常、テトラヒドロフラン(THF)を用いた溶剤溶着の
手法が用いられるため、周囲にTHFが蒸散して、溶剤
臭が発生するとともに引火しやすく危険であるという問
題もある。また、THF蒸気を吸引すると酩酊状態にな
りやすいため、作業者にとって高所作業が危険になると
いう問題もある。
【0005】そこで、本出願人は、塩化ビニル樹脂製の
防水シートに代えて、特殊な熱融着性の防水シートを用
いることにより、安全で、作業性に優れた防水施工を行
う方法を開発し、すでに出願している(特願平10−2
35937号、平成10年8月21日出願)。この方法
によれば、シートの端部同士の接合を、溶剤溶着によら
ず、熱風融着で行うことができるため、前述の、溶剤溶
着時の不都合を回避することができる。
【0006】しかし、実際に、上記防水施工を行ったと
ころ、図8に示すような、平場部1と立ち上がり部2と
で形成される入隅部3において、従来の塩化ビニル樹脂
製シートによる防水工法に準じた仕様でシート固定を行
うと、立ち上がり部2が邪魔をして、熱風融着によるシ
ート固定の作業性が悪く、その部分でのタイムロスが大
きいことが判明した。
【0007】すなわち、入隅部3における従来の仕様と
は、入隅線3aに沿って断面L字状の固定金具4を取り
付け、図9に示すように、この固定金具4の略水平面4
aの上で、平場部1に敷設する防水シート5の一端5a
と、立ち上がり部2の上方から垂らした防水シート5′
の一端5a′とを接合した構造が一般的である。
【0008】上記構造は、以下のような施工手順で形成
される。すなわち、まず、図10(a)に示すように、
入隅線3aに沿って、断面略L字状の固定金具4を、固
定用アンカー(図示せず)を用いて取り付ける。つぎ
に、同図(b)に示すように、上記固定金具4の略水平
面4aの上に、平場部1に敷設する防水シート5の一端
5aを重ね、矢印Pで示すように、熱風を吹き込んで
(手動でも自走式の機械でも可)両者を熱融着する(固
定金具4の表面は熱融着性樹脂で被覆されている)。こ
れによって、熱融着部Q(図9参照)が形成される。
【0009】つぎに、図10(c)に示すように、立ち
上がり部2の上方から第2の防水シート5′を垂らし、
その下部のうち、まず、固定金具4の略垂直面4bに重
なる部分を、矢印P′で示すように、熱風を吹き込んで
熱融着する。これによって、熱融着部R(図9参照)が
形成される。そして、防水シート5′の端部5a′を、
先に熱融着した防水シート5の端部5aの上に重ねて、
両者を熱融着する。これによって、熱融着部Sが形成さ
れる(図9参照)。このようにして、入隅部3を、図9
に示す構造に施工することができる。
【0010】上記の施工手順のうち、図10(b)に示
す段階で、矢印Pで示すように熱風を吹き込む際、立ち
上がり部2の壁が邪魔になって、熱風吹き込み用のノズ
ルを配置するスペースが狭いため、作業がしにくい。し
かし、充分に熱風を吹き込んで熱融着を完全に行わなけ
れば防水性が損なわれるため、具合が悪くても、時間を
かけて作業を行わねばならず、不便である。
【0011】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、入隅部における作業性と安全性に優れ、しかも
経時的な信頼性に優れた防水構造を実現しうるシート防
水工法の提供をその目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、略水平な平場部と略垂直な立ち上がり部
とが連設された下地面に、下記の防水シートAと、下記
の固定金具Bとを用いて防水施工を行う防水工法におい
て、上記平場部に第1の防水シートA1 を敷設する工程
と、上記第1の防水シートA1 が敷設された平場部と立
ち上がり部とで形成される入隅部に、上記固定金具Bを
当接したのち、上記立ち上がり部の上方から入隅部に第
2の防水シートA2 を垂らし、上記第2の防水シートA
2 の下部のうち、まず上記固定金具Bに重なる部分をそ
の重なり面に熱融着し、ついで平場部の防水シートA1
の上面に重なる部分をその上面に熱融着することによ
り、第1の防水シートA1 と第2の防水シートA2 の接
合を行うようにしたシート防水工法を要旨とする。 (A)少なくとも表裏面がオレフィン系熱可塑性エラス
トマーを主成分とする高分子材料からなる防水シート。 (B)少なくとも表面がオレフィン系熱可塑性エラスト
マーを主成分とする高分子材料で形成されている固定金
具。
【0013】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0014】まず、本発明に用いられる防水シートは、
少なくとも表裏面がオレフィン系熱可塑性エラストマー
を主成分とする高分子材料からなるシートでなければな
らない。
【0015】上記オレフィン系熱可塑性エラストマー
(以下「TPO」と略す)とは、熱可塑性を示すオレフ
ィン系樹脂成分とゴム成分からなり、高温で成形可能
で、常温ではゴム弾性を示す高分子材料である。そし
て、上記オレフィン系樹脂成分としては、ポリエチレ
ン,ポリプロピレン等が用いられ、上記ゴム成分として
は、エチレン−プロピレンラバー(EPR),エチレン
−プロピレン共重合ゴム(EPDM),ブタジエンゴ
ム,イソプレンゴム等が用いられる。樹脂成分もゴム成
分も、それぞれ単独で用いても2種以上を併用してもよ
い。なかでも、ポリエチレン,ポリプロピレンと、EP
R,EPDMを組み合わせたものが好適に用いられる。
なお、上記TPOは、ゴム成分と樹脂成分を機械的に混
合したもの、あるいは樹脂成分とゴム成分の共通原料で
あるエチレン,プロピレン等のモノマーガスを反応器中
にコントロールして導入し、樹脂成分とゴム成分を同時
に混合状態で生成させたもの等、どのような製法によっ
て得られたものであってもよい。さらに、耐溶剤性、耐
油性の向上と、耐疲労性、耐圧縮性等の力学特性の向上
を目的として、樹脂とブレンドするゴムについては、部
分架橋されたタイプのものを用いてもよい。また、樹脂
とゴムをブレンドする際にゴムの架橋を行う動的架橋の
手法により得られるTPOを用いてもよい。
【0016】なお、本発明の防水シートには、シートの
劣化防止を目的として、上記TPO以外に、紫外線安定
剤や酸化防止剤を配合することができる。また、シート
製造時の加工性を向上させるためのプロセスオイルや、
適宜の色に着色するための着色顔料、難燃剤等、各種の
添加物を配合することができる。したがって、本発明に
おいて、「TPOを主成分とする」とは、全体がTPO
のみで形成されている場合と、上記のような、各種の添
加剤を含有する場合の両方を含む趣旨で用いている。
【0017】そして、本発明の防水シートは、シートの
少なくとも表裏面が上記TPOを主成分とする高分子材
料からなるシート(以下「TPOシート」と略す)でな
ければならない。すなわち、その表裏面のTPOの特性
を利用して、シート同士の接合等を行うからである。し
たがって、全体が、TPOシートのみからなる単層シー
トであってもよいし、あるいは、表裏面が上記TPOシ
ートからなり、その間に、TPOシート以外のシートが
一層以上積層された積層シートであってもよい。ただ
し、その場合、中間に設けられるシート層は、上記TP
Oシートの特性を損なうものであってはならない。もち
ろん、厚みや物性を多少違えた2種類のTPOシートを
表裏面に貼り合わせた(融着によって接合一体化した)
構造のものであってもよい。そして、このような積層構
造において、中間部に、ポリエステルクロス等の繊維補
強材層を設けるようにしてもよい。
【0018】例えば、好ましい防水シートの一例とし
て、図1に示すような構造のものを示すことができる。
この防水シートは、2種類のTPOシート11,12
を、ポリエステルクロス13を挟んで融着したもので、
表面側のTPOシート11には、耐候性、耐火性等の点
から、紫外線安定剤,酸化防止剤,着色顔料,難燃剤が
配合されている。この防水シートの比重は、0.8〜
1.2で、従来の、充填剤を含む塩化ビニル樹脂シート
(通常、比重1.5)等に比べて軽量で、柔軟性も充分
にあり、作業性が良好である。
【0019】なお、本発明の防水シートの厚みは、それ
が単層シートであっても、積層シートであっても、通
常、0.7〜5.0mm、なかでも1.0〜3.0mm
に設定することが好適である。すなわち、0.7mm未
満では、軽量ではあるが防水材としての信頼性に欠ける
おそれがあり、逆に5.0mmを超えると、防水材とし
ての信頼性は高まるが、重量が大きく作業時のハンドリ
ングが悪くなるとともに経済的でないからである。
【0020】また、本発明に用いられる固定金具は、少
なくとも表面が、上記防水シートに用いるTPOを主成
分とする高分子材料で形成されたものでなければならな
いが、その形状としては、どのようなものであっても差
し支えはない。例えば、従来からシート防水工法に用い
られているL型のプレート鋼板や、帯状のプレート鋼板
や、ディスク状の固定用鋼板の表面に、TPOを主成分
とする高分子材料をコーティングして被覆層を形成した
ものが好適である。
【0021】なお、上記固定金具の被覆層に用いる高分
子材料は、TPOのみであってもよいし、TPOに各種
添加剤等を配合したものであってもよい。そして、被覆
層は、外表面全体に形成しても、防水シートと接合する
側の面のみに形成してもよい。
【0022】つぎに、上記防水シートを用いたシート防
水工法について説明する。本発明では、上記防水シート
の表裏面が熱可塑性で、両者を重ねて熱風融着すること
により接合することができるという特徴を活かして、特
に、平場部1と立ち上がり部2が連設された下地面の入
隅部3において、上記防水シートと固定金具を用い、例
えば図2に示すような防水構造を形成することができ
る。
【0023】上記防水構造において、4は、図9に示す
従来工法と同様の断面略L字状の固定金具で、平場部1
の上面に沿う略水平面4aと、立ち上がり部2の立ち上
がり面に沿う略垂直面4bとを備え、その表面に、TP
Oを主成分とする高分子被覆層が形成されている。そし
て、この防水構造では、平場部1の下地面に直接もしく
は絶縁シートを介して敷設された第1の防水シート(T
POシート)5の上に、上記固定金具4が取り付けら
れ、その上に、立ち上がり部2の上方から垂らした第2
の防水シート(TPOシート)5′の下部が重ねられて
接合一体化されている。
【0024】上記防水構造を得るための施工手順を説明
する。まず、平場部1において、下地面に直接、もしく
は絶縁シートを介して、第1の防水シート5を敷設す
る。このとき、必要があれば、防水シート5の仮固定を
行ってもよい。
【0025】つぎに、図3(a)に示すように、入隅部
3の入隅線3aに沿って、断面略L字状の固定金具4を
取り付け、平場部1に敷設された第1の防水シート5
を、その略水平面部で押さえ込んだ状態で固定する。そ
して、立ち上がり部2の上方から第2の防水シート5′
を垂らし、その下部のうち、上記固定金具4の略垂直面
4bに重なる部分を、矢印Tで示すように熱風を吹き込
んで、上記略垂直面4bに熱融着する。これによって、
熱融着部Xが形成される(図2参照)。
【0026】つぎに、図3(b)に示すように、矢印U
で示すように熱風を吹き込んで、第2の防水シート5′
の、熱融着部Xから下の部分のうち、上記固定金具4の
略水平面4aに重なる部分を、上記略水平面4aに熱融
着する。これによって、熱融着部Yが形成される(図2
参照)。
【0027】そして、最後に、図3(c)に示すよう
に、矢印Vで示すように熱風を吹き込んで、第2の防水
シート5′の、熱融着部Yから下の部分を、平場部1に
敷設された第1の防水シート5の上面に重ねて熱融着す
る。これによって、熱融着部Zが形成される(図2参
照)。
【0028】このようにして得られた防水構造は、第1
の防水シート5に、第2の防水シート5′が直接融着に
よって接合されているため、両者の間は、高い水密性が
保たれることとなり、入隅部3において、長期にわたっ
て優れた防水性が得られる。
【0029】そして、上記工法によれば、第2の防水シ
ート5′を、固定金具4、第1の防水シート5と順次熱
融着させるようにし、その際、熱風を吹き出させる熱融
着装置のノズルを、常に、空間的に余裕のある平場部1
側から立ち上がり部2側に向かって配置させて作業を行
うことができるため、作業性がよく、短時間で、熱融着
予定部に充分な熱風を供給することができる。したがっ
て、短い作業時間で充分な熱融着を行うことができ、作
業効率がよい。しかも、この施工時には、従来の塩化ビ
ニル樹脂製シートを用いた場合のように、シート同士の
接合の際に溶剤臭が発生することがなく、安全で、環境
汚染もない。また、防水シート5,5′が軽量で柔軟で
あることから、取扱い作業性にも優れている。
【0030】また、上記防水工法によって得られる防水
構造(図2参照)は、第1の防水シート5と第2の防水
シート5′の接合が、固定金具4から外れた位置でなさ
れており、従来の防水構造(図9参照)のように、固定
金具4の上で一体的になされていない。このため、防水
シート5,5′が直射日光に照らされる等して経時的に
伸縮することを考慮すれば、平場部1に第1の防水シー
ト5を敷設する際、その端部を、入隅部3に沿って若干
立ち上げてから固定することも考えられるが、防水シー
ト5,5′に用いるTPOシートは、耐候性、特に寸法
安定性に優れており、あえて立ち上がり部を設ける必要
はない。なお、TPOシートが寸法安定性に優れている
ことは、下記の熱伸縮特性試験により、確認することが
できた。
【0031】〔熱収縮特性試験の方法〕JIS A60
08 8.8 加熱伸縮性状試験に準じ、本発明に用い
るTPOシート(エコウェルドシート120,カネボウ
化成社製)と、対照例として塩化ビニル樹脂製シート
(以下「塩ビシート」と略す)を、300mm×30m
mに裁断して帯状の試料として、80℃の加熱を行い、
両者の経時的な伸縮量を測定した。なお、帯状の長手方
向が、シート自身の長手方向と一致するように裁断し
た。
【0032】上記の結果を、図4(長手方向)と、図5
(幅方向)に示す。これらの図からわかるように、TP
Oシートは、長手方向、幅方向とも、加熱処理の初期こ
そ若干の収縮が見られるが、その後は収縮することな
く、安定した状態を維持する。一方、塩ビシートは、初
期こそTPOシートより安定した挙動が見られるが、6
〜10週経過後以降に、急激に収縮する。これは、TP
Oシートが、初期において、それに含有されるプロセス
オイル等の揮発によって一定の収縮を生じるが、その後
安定するのに対し、塩ビシートは、初期こそ、それに積
層されているガラスクロスの寸法安定性によって収縮が
抑制されるが、経時的に、塩ビシートに含まれる可塑剤
や軟化剤等が揮発して、ガラスクロスをも歪ませて大き
な収縮が生じるためと思われる。したがって、TPOシ
ートを用いる本発明の工法では、長期にわたって防水シ
ート5,5′が殆ど収縮せず、安定であることから、図
2に示す構造であっても、従来に高い信頼性が得られる
ことがわかる。
【0033】また、本発明の防水工法において、熱融着
を行うには、どのような熱風融着機を用いても差し支え
ないが、特に、本出願人が開発した、特殊な熱風吹き出
しノズル(特願平10−235937号の図10〜図1
2に示されるノズル)を装備した熱風融着機を用いる
と、より効果的に熱風を目的の部位に吹き込むことがで
き、好適である。そして、上記熱風融着機は、いわゆる
ハンド式タイプのものであっても、自走式タイプのもの
であっても差し支えない。
【0034】さらに、本発明の防水工法において用いる
固定金具は、すでに述べたように、上記断面略L字状の
固定金具4に限らず、どのようなものを用いても差し支
えないが、例えば帯状のプレート鋼板を用いる場合、入
隅部3を、図6に示すような防水構造に施工することが
好適である。図において、40が帯状のプレート鋼板
で、立ち上がり部2の上方から垂らした第2の防水シー
ト5′の端部を、まず上記プレート鋼板40の上面と熱
融着し、つぎに、平場部1の第1の防水シート5の上面
と熱融着することにより、この構造を得ることができ
る。
【0035】また、ディスク状の固定用鋼板を用いる場
合には、例えば図7に示すような防水構造に施工するこ
とが好適である。図において、41がディスク状の固定
用鋼板で、立ち上がり部2の上方から垂らした第2の防
水シート5′の端部を、まず、入隅線3aに沿って、第
1の防水シート5の上面と所定幅で熱融着する。熱融着
領域を斜線Cで示す。つぎに、上記第2の防水シート
5′の端部のうち、ディスク状の固定用鋼板41の上面
と重なる部分を熱融着する。そして、上記第2の防水シ
ート5′の端縁部を、第1の防水シート5の上面と所定
幅で熱融着する。熱融着領域を斜線Dで示す。このよう
にして、図7に示す構造を得ることができる。
【0036】つぎに実施例について比較例と併せて説明
する。
【0037】
【実施例1】図1に示す構成の防水シート(厚み1.2
mm)を準備するとともに、寸法が図8に示すとおりの
固定金具4を準備し、図3(a)〜(c)に示す工法に
したがって、実際に図2に示す防水構造を得た。なお、
熱風融着機としては、ハンド式で、従来から用いられて
いる直線状ノズルを装備したものを用い、熱風吹き出し
温度を500℃に設定して熱融着を行った。その結果、
図2におけるX部分とY部分を、設定面積の95〜10
0%熱融着するのに要した時間は190秒であった。ま
た、Z部分を、設定面積の95〜100%熱融着するの
に要した時間は198秒であった。したがって、全体と
して、熱融着に要する総時間は、388秒であった。
【0038】
【比較例1】実施例1と同様の防水シートを準備すると
ともに、寸法が図8に示すとおりの固定金具4を準備
し、図10(a)〜(c)に示す工法にしたがって、実
際に図9に示す防水構造を得た。なお、熱風融着機とし
ては、ハンド式で、従来から用いられている直線状ノズ
ルを装備したものを用い、熱風吹き出し温度を500℃
に設定して熱融着を行った。その結果、ノズルを操作す
ることが困難なため、図9におけるQ部分を、ほぼ完全
に熱融着することはできず、設定面積の48%熱融着す
るのに、246秒を要した。また、R部分とS部分を、
設定面積の95〜100%熱融着するのに要した時間は
190秒であった。したがって、全体として、熱融着に
要する総時間は、436秒であった。
【0039】
【比較例2】熱風融着機として、ハンド式で、特願平1
0−235937号の図10〜図12に記載された、特
殊な先端傾斜ノズルを装備したものを用いた。それ以外
は、上記比較例1と同様にして、図9に示す防水構造を
得た。その結果、図9におけるQ部分を、設定面積の9
5〜100%熱融着するのに要した時間は203秒であ
った。また、R部分とS部分を、設定面積の95〜10
0%熱融着するのに要した時間は190秒であった。し
たがって、全体として、熱融着に要する総時間は、39
3秒であった。
【0040】上記の結果から、実施例1の方が、比較例
1,2に比べて、作業時間が大幅に短縮されることがわ
かる。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明のシート防水工法
によれば、立ち上がり部の上方から垂らした第2の防水
シートを、固定金具、第1の防水シートと順次熱融着さ
せるようにし、その際、熱風吹き出し用のノズルを、常
に、空間的に余裕のある平場部側から立ち上がり部側に
向かって配置させて作業を行うことができるため、作業
性がよく、短時間で、熱融着予定部に充分な熱風を供給
することができる。したがって、短い作業時間で充分な
熱融着を行うことができ、作業効率がよい。しかも、こ
の工法によれば、平場部に敷設する防水シートを、入隅
部の立ち上がり部まで立ち上げて接合する必要がなく、
簡単な構造で充分な長期防水信頼性が得られる。そし
て、従来の塩化ビニル樹脂製シートを用いた場合のよう
に、シート同士の接合の際に溶剤臭が発生することがな
く、安全で、環境汚染もない。また、用いる防水シート
が軽量で柔軟であることから、取扱い作業性にも優れて
いるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる防水シートの一例の説明図であ
る。
【図2】本発明によって得られる防水構造の一例の説明
図である。
【図3】(a),(b),(c)はいずれも上記防水構
造の施工手順の説明図である。
【図4】本発明に用いる防水シートの長手方向の伸縮特
性を示す線図である。
【図5】本発明に用いる防水シートの幅方向の伸縮特性
を示す線図である。
【図6】本発明によって得られる防水構造の他の例の説
明図である。
【図7】本発明によって得られる防水構造のさらに他の
例の説明図である。
【図8】入隅部の状態を示す説明図である。
【図9】入隅部における従来の防水構造の説明図であ
る。
【図10】(a),(b),(c)はいずれも上記防水
構造の施工手順の説明図である。
【符号の説明】
1 平場部 2 立ち上がり部 3 入隅部 4 固定金具 5 第1の防水シート 5′ 第2の防水シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 23:00 (72)発明者 鈴木 英博 大阪府大阪市北区南森町1丁目4番19号 カネボウ化成株式会社内 (72)発明者 高梨 肇 大阪府大阪市北区南森町1丁目4番19号 カネボウ化成株式会社内 Fターム(参考) 4F211 AA03 AA04 AA04E AA11 AA11E AA45 AD03 AD05 AD08 AG01 AG03 AH43 TA01 TC09 TD11 TH02 TH18 TJ13 TJ21 TJ29 TN02 TN24

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略水平な平場部と略垂直な立ち上がり部
    とが連設された下地面に、下記の防水シートAと、下記
    の固定金具Bとを用いて防水施工を行う防水工法におい
    て、上記平場部に第1の防水シートA1 を敷設する工程
    と、上記第1の防水シートA1 が敷設された平場部と立
    ち上がり部とで形成される入隅部に、上記固定金具Bを
    当接したのち、上記立ち上がり部の上方から入隅部に第
    2の防水シートA2 を垂らし、上記第2の防水シートA
    2 の下部のうち、まず上記固定金具Bに重なる部分をそ
    の重なり面に熱融着し、ついで平場部の防水シートA1
    の上面に重なる部分をその上面に熱融着することによ
    り、第1の防水シートA1と第2の防水シートA2 の接
    合を行うようにしたことを特徴とするシート防水工法。 (A)少なくとも表裏面がオレフィン系熱可塑性エラス
    トマーを主成分とする高分子材料からなる防水シート。 (B)少なくとも表面がオレフィン系熱可塑性エラスト
    マーを主成分とする高分子材料で形成されている固定金
    具。
  2. 【請求項2】 上記防水シートAおよび固定金具Bに用
    いられるオレフィン系熱可塑性エラストマーが、ポリエ
    チレンおよびポリプロピレンの少なくとも一方からなる
    樹脂成分と、エチレンプロピレンラバーおよびエチレン
    プロピレン共重合ゴムの少なくとも一方からなるゴム成
    分とを組み合わせてなるものである請求項1記載のシー
    ト防水工法。
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