JP2001064904A - 排水性弾性舗装材及び排水性弾性舗装構造 - Google Patents

排水性弾性舗装材及び排水性弾性舗装構造

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JP2001064904A
JP2001064904A JP24445499A JP24445499A JP2001064904A JP 2001064904 A JP2001064904 A JP 2001064904A JP 24445499 A JP24445499 A JP 24445499A JP 24445499 A JP24445499 A JP 24445499A JP 2001064904 A JP2001064904 A JP 2001064904A
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elastic
drainage
pavement material
drainable
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JP24445499A
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Hideaki Tanahashi
英明 棚橋
Toshiaki Imaeda
稔明 今枝
Fuminari Shizuku
文成 雫
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度が高いと共に排水性のよい排水性弾性舗
装材及び排水性弾性舗装構造を提供する。 【解決手段】 排水性弾性舗装材10は、道路の路盤に
敷設されて排水性弾性舗装を形成するもので、ファイバ
ー状の弾性骨材を主成分とすると上層部11と、粒状の
骨材を主成分とし空隙率が20〜40%である下層部1
2とが積層されている。下層部12は、砕石、玉砕、砂
利、単粒度製鋼スラグ、天然または人工の硬質骨材、明
色骨材、着色骨材等粒状の石材等の非弾性の硬質骨材を
主成分とするものである。また、下層部は、粒状の弾性
骨材を主成分とするものであってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般道路等の舗装
に用いられる排水性弾性舗装材及び排水性弾性舗装構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の排水性弾性舗装用の舗装
材としては、例えば特開昭63−315708号公報に
示すように、自動車の廃棄タイヤ等のゴム製品を粉砕し
たゴムチップ等の弾性骨材に、ウレタン、エポキシ等の
バインダーを混合し成形したものが知られている。この
舗装材は、弾性骨材を用いていることにより、通常のア
スファルト舗装に比べて弾性があり、また、数10%の
空隙率を有することにより、透水性が得られると共に、
かかる空隙によりタイヤから発生するエアーポンピング
音を抑制すると共に、走行する車両から伝播する特定の
周波数の音を吸収でき、更にタイヤと路面の接触時の衝
撃によって発生するタイヤ衝撃音やパターン加振音を低
減することにより交通騒音の大幅な低減が可能になる、
といった優れた特性を備えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記排水性
弾性舗装材においては、その強度を確保するために弾性
骨材の形状としてタイヤ等の材料をカッター等で削るこ
とにより形成されるファイバー状(ひじき状)骨材を用
いることが考えられている。しかし、ファイバー状の弾
性骨材を使用することにより、弾性舗装材の排水性が不
十分で、降雨時に、舗装材内部の水が排水されにくいと
いう問題がある。そのため、車両走行時の荷重により、
弾性路面がたわみ、タイヤの周りに水が浮き出てくるた
め、制動時のすべり摩擦係数が低下することになる。こ
れに対し、弾性舗装材の排水性を高めるために、舗装材
の空隙率を高めたり、タイヤ等の材料を粉砕することに
より形成される粒状の骨材を用いれば、舗装材の空隙を
広め排水性を高めることができるが、そのために弾性舗
装材の強度が低下することになり、急制動時に弾性骨材
が剥ぎ取られワダチにつながる。本発明は、上記の問題
を解決しようとするもので、強度を維持しつつ排水性に
優れた排水性弾性舗装材及び排水性弾性舗装構造を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記目的
を達成するために、上記請求項1に係る発明の構成上の
特徴は、道路の路盤に敷設されて排水性弾性舗装を形成
する舗装材であって、ファイバー状の弾性骨材を主成分
とする上層部と、粒状の骨材を主成分とする下層部とが
積層され、下層部の空隙率が20〜40%であることに
ある。ここで、主成分とは、容積比で全体の50%以上
を占める成分を意味するものであり、以下の記載におい
ても同様である。なお、弾性骨材としては、天然,合成
ゴム材料や、熱可塑性エラストマー、発泡ポリウレタン
等の弾性を有する合成樹脂材料が用いられ、なかでも資
源再利用の観点から廃タイヤより作製されるゴムチップ
が好適に利用される。ファイバー状とはひじき状ともい
われるもので、弾性骨材の材料をカッター等で削り取る
ことにより得られるものである。また、敷設方法につい
ては特に限定しない。
【0005】上記のように構成した請求項1に係る発明
においては、上層部がファイバー状の弾性骨材を主成分
とすることにより舗装材の強度が確保され、下層部の空
隙率が20〜40%であることにより排水性を高めるこ
とができ、排水性と強度を兼ね備えた排水性弾性舗装材
を得ることができる。その結果、請求項1の発明によれ
ば、ウエット時の舗装材のすべり摩擦係数を高めること
ができるので、制動時の車両の停止距離を乾燥時におけ
る停止距離に近づけることができ、さらにワダチ掘れが
なくなるため、車両の走行安定性を確保することができ
る。
【0006】また、上記請求項2に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1に記載の排水性弾性舗装材におい
て、下層部の粒状の骨材が、非弾性の硬質骨材を主成分
とすることにある。なお、非弾性の硬質骨材としては、
砕石、玉砕、砂利、単粒度製鋼スラグ、天然または人工
の硬質骨材、明色骨材、着色骨材等粒状の石材等の他、
川砂、山砂、海砂、人工砂砕、砂利、単粒度製鋼スラグ
等があり、シリカサンド、高炉水砕スラグ、クリンカー
アッシュ等の特殊な砂も使用できる。
【0007】上記のように構成した請求項2に係る発明
においては、下層部に非弾性の硬質骨材を含めることに
より下層部の剛性が高められるため、舗装材全体として
の剛性が高められ、弾性路面のたわみを抑制するため、
ウエット時のすべり摩擦係数を高めることができるの
で、制動時の車両の停止距離を乾燥時における停止距離
に近づけることができる。
【0008】また、上記請求項3に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項1に記載の排水性弾性舗装材におい
て、下層部の粒状の骨材が、粒状の弾性骨材を主成分と
することにある。上記のように構成した請求項3に係る
発明においては、弾性骨材を粒状としたことにより、下
層部の排水性が高められるため、舗装材全体としての排
水性が高められる。また、弾性骨材を粒状としたことに
より、その製造コストをファイバー状のものに比べて安
価にすることができる。さらに、上層部と下層部のバイ
ンダーを共通にできるため、上下両層の接着性が高めら
れる。
【0009】また、上記請求項4に係る発明の構成上の
特徴は、空隙率が10〜30%である排水性の路盤に、
ファイバー状の弾性骨材を主成分とする弾性舗装材が敷
設されたことにある。ここで、空隙率が10%より小さ
いと排水性が悪くなり、また空隙率が30%より大きく
なると路盤の強度が低くなり過ぎることになる。排水性
の路盤としては、空隙率が高い排水性アスファルト等が
あげられる。
【0010】上記のように構成した請求項4に係る発明
においては、路盤の空隙率が10〜30%であることに
より、強度と共に排水性が確保されるので、ファイバー
状弾性骨材を主成分とする舗装材も含めて全体として、
排水性が良好でかつ強度の高い弾性舗装構造が得られ
る。その結果、請求項4の発明によれば、ウエット時の
舗装材のすべり摩擦係数を高めることができるので、制
動時の車両の停止距離を乾燥時における停止距離に近づ
けることができ、さらにワダチ掘れがなくなるため、車
両の走行安定性を確保することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明すると、図1、図2は、第1の実施形態で
ある自動車走行用の道路の路盤に敷設される排水性弾性
舗装材(以下、舗装材と記す)と、これを用いた排水性
弾性舗装構造を断面図により示したものである。
【0012】舗装材10は、厚さ20〜50mmであ
り、図1に示すように、上層部11と、下層部12とが
積層された二層構造になっている。舗装材10の厚さに
ついては、適正な吸音性を得るためには30mm以上で
あることが望ましい。上層部11及び下層部12の厚さ
は、それぞれ10〜30mmになっている。上層部11
は、ファイバー状(ひじき状)のゴムチップに、例えば
ウレタン系あるいはエポキシ系バインダーを混合し、圧
縮成形し、150℃、10分加熱処理することにより硬
化形成された弾性舗装材である。ただし、バインダー種
類、温度及び時間についてはこれに限るものではない。
ファイバー形状のゴムチップについては、例えば廃タイ
ヤ等のゴム材をカッター等で削ることにより形成され
る。
【0013】上層部11は、空隙率が30〜50%の範
囲で、反撥弾性率が50%以下好ましくは40%以下で
あり、ウエット時のすべり摩擦係数(以下、すべり摩擦
係数と記す)が0.3以上になっている。このように舗
装材10の反撥弾性率を50%以下にするためには、ゴ
ムチップの反撥弾性率が40%以下か、バインダーの減
衰係数tanδが0.07以上であるかの少なくとも一
方の条件を満たしていることが必要である。反撥弾性率
の小さいゴムチップの材質としては、例えばIIR、C
l−IIR、NBR、ACM、SBR、CR、FKM、
NSX等が代表的であるが、これ以外に、NRをベース
としたゴム材料も使用可能である。また、JIS硬さ9
0A以上で平均粒径0.01〜2.5mmの硬質骨材を
全配合に対して5〜35wt%添加することでもすべり
摩擦係数を0.3以上にすることができる。舗装材10
のばね定数Eは、30〜200kgf/mmであり、望
ましくは40〜120kgf/mmである。
【0014】下層部12は、硬質骨材である粗骨材及び
細骨材と、フィラーと、結合材とを含んで構成されてい
る。粗骨材は、「アスファルト舗装要綱」(社団法人日
本道路協会発行)に記載された骨材の品質標準に合格す
るものであって、4.75mm、13.2mmまたは1
9.0mmふるいに止まる単粒度骨材である。例えば、
砕石、玉砕、砂利、単粒度製鋼スラグ等が代表的であ
り、その他、天然または人工の硬質骨材、明色骨材、着
色骨材等も上記品質標準に合格するものは使用できる。
これらの粗骨材については、単独で使用してもよく、2
種類以上を併用してもよい。
【0015】細骨材は、「アスファルト舗装要綱」(社
団法人日本道路協会発行)に記載された骨材の品質標準
に合格するものであって、2.36mmふるいを通過
し、0.075mmふるいに止まる骨材である。例え
ば、川砂、山砂、海砂、人工砂、スクリーニングス等が
代表的であり、その他、シリカサンド、高炉水砕スラ
グ、クリンカーアッシュ等の特殊な砂も上記品質標準に
合格するものであれば使用できる。これらの細骨材につ
いては、単独で使用してもよく、2種類以上を併用して
もよい。
【0016】フィラーは、「アスファルト舗装要綱」
(社団法人日本道路協会発行)に記載された品質標準に
合格するものであって、例えば、石粉、消石灰、セメン
ト、回収ダスト等が代表的であり、その他、植物性繊維
(MC)、繊維質フィラー、充填材等も使用される。充
填材としては、例えばガラス粉、鉄粉、金属粉、無機ま
たは有機顔料等である。これらのフィラーについては、
単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
結合材としては、アスファルトにゴム及び熱可塑性高分
子重合物などを混合してアスファルトを改質した改質ア
スファルトや、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤等
が使用される。
【0017】下層部12は、加熱された粗骨材及び細骨
材をミキサに同時に投入し、これにフィラーと結合材を
添加投入してして、その後、数分間程度一括混合すると
いう、一般的な舗装材の製法により製造される。この場
合、結合材の種類によっては加熱する場合もある。ま
た、混合条件も上記したものに限らない。
【0018】下層部12の空隙率は、20〜40%の範
囲である。排水性(透水性)を向上させるために空隙率
は高いほどよいが、強度のみを考慮すると空隙率は低い
方がよく、これら種々の条件を考慮して、上記範囲が適
正とされる。
【0019】以上のように形成された舗装材10は、図
2に示すように、地面15上に敷設されたコンクリート
あるいはアスファルトの路盤14に、エポキシ系接着剤
あるいはウレタン系接着剤13等を用いて接着すること
により固定され、排水性弾性舗装構造が形成される。た
だし、接着剤については特に限定するものではない。
【0020】上記のように構成した第1の実施形態にお
いては、舗装材10の上層部11にファイバー状のゴム
チップを主成分としていることにより強度が確保され、
下層部12が空隙率が20〜40%であるため排水性が
確保されるため、排水性と強度を兼ね備えた排水性弾性
舗装材10を得ることができる。そのため、ウエット時
の舗装材のすべり摩擦係数を高めることができるので、
車両の制動時の停止距離を乾燥時における停止距離に近
づけることができ、ワダチ掘れも少なくなるため、車両
の走行安定性を確保できる。
【0021】また、上層部11は、空隙率が30〜50
%、反撥弾性率が50%以下であり、そのすべり摩擦係
数が0.3以上になっているので、騒音吸収性を備える
と共に、上記効果をさらに高めることができ、濡れた路
面上での車両の制動を、乾燥した路面での車両の制動に
近づけることができる。また、上層部11の強度が高く
ばね定数が30〜200kgf/mmの範囲内の適正値
にされているため、車輪の沈み込みを抑制でき、車両の
走行安定性をさらに良好に維持できる。なお、本実施形
態においては、上下各層をそれぞれ組成の異なる複数層
にすることもできる。
【0022】つぎに、第2の実施形態について説明す
る。本実施形態においては、図3に示すように、上層部
11は上記実施形態に示した構造と同じであるが、下層
部16は、粒状のゴムチップに、ウレタン系あるいはエ
ポキシ系バインダーを混合し、圧縮成形し、150℃、
10分程度加熱処理することにより硬化形成された弾性
舗装材である。ゴムチップは、例えば廃タイヤ等のゴム
材を粉砕することにより形成される。このように形成さ
れた下層部12は、ゴムチップが粒状であるため、強度
は十分ではないが、空隙率が10〜40%の範囲にされ
るため、排水性(透水性)が高められる。
【0023】その結果、第2の実施形態においても、上
記上層部11と下層部16を積層させることによって、
舗装材全体として、十分な強度と排水性を得ることがで
き、上記第1の実施形態に示したと同様の効果を得るこ
とができる。また、弾性骨材として粒状のゴムチップを
用いたことにより、舗装材の製造コストをファイバー状
のゴムチップを用いた舗装材に比べて安価にすることが
できる。さらに、上層部11と下層部16のバインダー
を共通にできるため、上下両層部の接着性が高められ
る。なお、本実施形態においては、上下各層をそれぞれ
組成の異なる複数層にすることもできる。
【0024】つぎに、第3の実施形態について説明す
る。本実施形態においては、排水性弾性舗装構造とし
て、図4に示すように、一層の弾性舗装材21が道路の
路盤22に直接敷設されたものである。弾性舗装材21
は、上記舗装材10とほぼ同等の30〜50mm厚さ
で、かつ上記上層部11と同様にファイバー状のゴムチ
ップを用いた構造である。そして、路盤22は、その材
質が、空隙率10〜30%と高い排水性のアスファルト
等の材質になっている。この舗装材21を接着剤によっ
て高空隙率の路盤22に接着施工することにより、排水
性弾性舗装構造が得られる。
【0025】上記構成の第3の実施形態においては、路
盤22の空隙率が10〜30%であることにより、強度
と共に排水性が確保され、またファイバー状弾性骨材を
含む表面側の弾性舗装材21により強度の高い弾性舗装
構造が得られる。その結果、本実施形態においても、上
記第1の実施形態に示したと同様の効果が得られる。
【0026】つぎに、上記各実施形態の具体的実施例に
ついて説明する。以下に示す実施例1〜5について、透
水係数の測定と、簡易排水試験を行い、参考としてすべ
り摩擦係数の測定も行った。実施例1は、上層部11が
ファイバー状のゴムチップを有する空隙率が40%の弾
性ゴム層であり、下層部12が砕石、川砂、石粉、改質
アスファルト等の非弾性の硬質骨材を含む空隙率が40
%の非弾性層である2層構造の舗装材を、空隙率が約5
%のアスファルト路盤14に敷設したものである。実施
例2,3は、上層部11がファイバー状のゴムチップを
有する空隙率が40%の弾性ゴム層であり、下層部16
が粒状のゴムチップを含む空隙率が40%の弾性ゴム層
である2層構造の弾性舗装材を、空隙率が約5%及び1
0%のアスファルト路盤14に敷設したものである。
【0027】実施例4,5は、ファイバー状のゴムチッ
プを有する空隙率が40%で厚さが30mmの弾性舗装
材21を、空隙率が10%及び20%の排水性アスファ
ルト製の路盤22にそれぞれ敷設した排水性弾性舗装構
造である。なお、比較例1,2として、ファイバー状の
ゴムチップを有する空隙率が40%で厚さが30mmの
弾性舗装材を、空隙率が略5%と35%のアスファルト
製の路盤にそれぞれ敷設した弾性舗装構造を用意した。
【0028】透水係数の測定は、JIS A1218に
基づいて行われるもので、原理としては、透水流の見掛
けの流速と動水勾配を関係付ける比例定数であり、一定
の断面と長さを持つ供試体の中を、一定の水位差の下で
一定時間内に浸透する水量を測定する定水位透水試験
と、一定の断面と長さを持つ供試体の中を、ある水位差
を初期状態として浸透するときの水位の降下量と、その
経過時間を測定する変水位透水試験とがある。本実施例
では、定水位透水試験により測定が行われた。
【0029】簡易排水試験は、一定量の水が弾性舗装材
を透過して失われるのに要する時間を測定するものであ
り、ここでは現場透水試験に準じて行い、400ccの
水を舗装材の上から排水し、その排水時間を測定した。
なお、すべり摩擦係数の測定については、50cm×5
0cm×30mm厚さの平板状試験片を用い、DFテス
ター(有限会社サニー工研製)を用い、水を試料表面に
流しながら、ASTM E1911−98に準拠して行
った。
【0030】各実施例及び比較例について、舗装材の透
水係数、簡易排水試験値、及びすべり摩擦係数の測定を
行い、それらの結果に基づいて基層(試験層)の耐久性
及び排水性も含めた総合評価を行った。この試験結果
を、下記表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】実施例1,2については、基層である路盤
が空隙率5%程度の通常のコンクリートであっても、透
水係数及び簡易排水試験の結果は良好であり、舗装材の
排水性が良好であることが明らかである。さらに耐久性
も良好であり、舗装材の強度も良好であることが明らか
にされた。実施例3については、実施例2において路盤
が空隙率10%程度の排水性コンクリートにされたもの
であり、透水係数及び簡易排水試験の結果もわずかに良
好になっている。すなわち、上層部11にファイバー状
のゴムチップが含まれており、下層部12,16が空隙
率が10〜40%である2層構造の排水性弾性舗装材
は、排水性と強度を兼ね備えることが明確にされた。ま
た、ウエット時のすべり摩擦係数も、上層部11の強度
の高さ及び下層部の良好な排水性に応じて、高い値が得
られている。
【0033】実施例4,5についても、透水係数及び簡
易排水試験の結果は良好であり、舗装材21と排水性路
盤22との組み合わせにより、排水性が良好であること
が明らかにされた。さらに耐久性も良好であり、舗装材
の強度も良好であることが明らかにされた。すなわち、
舗装材21にファイバー状のゴムチップが含まれてお
り、強度は十分でも排水性に問題がある場合に、路盤2
2が排水性を有する場合には、この2層による排水性弾
性舗装構造は、排水性と強度を兼ね備えることが明確に
された。また、ウエット時のすべり摩擦係数について
も、高い値になっているが、実施例1〜3に比べて、排
水性のデータがわずかに低い結果に応じて、わずかに低
くなっている。
【0034】これに対して、比較例1のように、舗装材
21が敷設される路盤の排水性が低いと、実施例4,5
に比べて透水係数及び簡易排水試験の結果は大幅に悪
く、舗装構造全体として排水性に問題のあることが明確
にされた。また、比較例2のように、路盤の排水性が高
すぎると、透水係数及び簡易排水試験の結果は実施例
4,5よりわずかに良好であるが、耐久性が劣る結果に
なっており、総合的には不十分な結果であった。
【0035】なお、弾性骨材としては、ゴムチップの代
わりに、熱可塑性エラストマー、発泡ポリウレタン等の
弾性を有する合成樹脂材料を用いることもでき、それら
の材質の特性を、上記ゴムチップの条件に適合させるこ
とにより、ゴムチップの場合と同様の特性の舗装材を得
ることができる。また、舗装材の用途については、道路
用のみに限らず、遊歩道や競技場のフイールド等に使用
することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である排水性弾性舗装
材を示す断面図である。
【図2】同排水性弾性舗装材を敷設した自動車道路を示
す断面図である。
【図3】第2の実施形態である排水性弾性舗装材を示す
断面図である。
【図4】第3の実施形態である道路の排水性弾性舗装構
造を示す断面図である。
【符号の説明】
10…舗装材、11…上層部、12…下層部、13…接
着剤、14…路盤、15…地面、16…下層部、21…
舗装材、22…路盤、23…地面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 雫 文成 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 2D051 AA03 AA06 AA08 AB03 AB04 AF01 AF14 AG03 AG14 AH03 DB02 EA02 EA06 EB05 EB07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 道路の路盤に敷設されて排水性弾性舗装
    を形成する舗装材であって、ファイバー状の弾性骨材を
    主成分とする上層部と、粒状の骨材を主成分とする下層
    部とが積層され、該下層部の空隙率が20〜40%であ
    ることを特徴とする排水性弾性舗装材。
  2. 【請求項2】 前記下層部の粒状の骨材が、非弾性の硬
    質骨材を主成分とすることを特徴とする前記請求項1に
    記載の排水性弾性舗装材。
  3. 【請求項3】 前記下層部の粒状の骨材が、粒状の弾性
    骨材を主成分とすることを特徴とする前記請求項1に記
    載の排水性弾性舗装材。
  4. 【請求項4】 空隙率が10〜30%である排水性の路
    盤に、ファイバー状の弾性骨材を主成分とする弾性舗装
    材が敷設されたことを特徴とする排水性弾性舗装構造。
JP24445499A 1999-08-31 1999-08-31 排水性弾性舗装材及び排水性弾性舗装構造 Withdrawn JP2001064904A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112921735A (zh) * 2021-01-22 2021-06-08 武汉市武昌市政建设(集团)有限公司 抗裂沥青路面及其施工方法

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