JP2001064328A - α,ω−ジリチオポリマーまたはそれから誘導されるポリマーの製造方法 - Google Patents

α,ω−ジリチオポリマーまたはそれから誘導されるポリマーの製造方法

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JP2001064328A
JP2001064328A JP24727899A JP24727899A JP2001064328A JP 2001064328 A JP2001064328 A JP 2001064328A JP 24727899 A JP24727899 A JP 24727899A JP 24727899 A JP24727899 A JP 24727899A JP 2001064328 A JP2001064328 A JP 2001064328A
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polymer
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Fumiaki Suzuki
文章 鈴木
Kazunari Ishiura
一成 石浦
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 1,3−ジイソプロペニルベンゼンおよび単
官能性有機リチウム化合物を反応させる2官能性重合開
始剤の調製工程を含むα,ω−ジリチオポリマーの製造
方法。 【解決手段】 以下のようにして製造する。 (1)1,3−ジイソプロペニルベンゼンおよび単官能
性有機リチウム化合物からの2官能性重合開始剤の調製
を、非極性炭化水素を主体とし脂肪族エーテルを2〜4
0容量%含有する有機溶媒中で行う。 (2)得られた反応混合液に共役ジエンモノマーを添
加、少なくとも30分間は共役ジエンモノマーを重合さ
せる。 (3)上記(2)の添加開始より30分間は、反応混合
液の温度を−20℃〜15℃の範囲内に維持するか、生
成ポリマーのMが1万以下となり、全重合工程終了時
のα,ω−ジリチオポリマーのMが2万以上となるよ
う制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機ジリチウム化
合物からなる2官能性重合開始剤を利用したα,ω−ジ
リチオポリマーの工業的に有利な製造方法、および該製
造方法を経由するα,ω−ジリチオポリマーから誘導さ
れる各種ポリマー(例えば、ブロックコポリマー、テレ
ケリックポリマー等)の工業的に有利な製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】有機ジリチウム化合物からなる2官能性
重合開始剤を利用した炭化水素系溶媒中でのアニオン重
合は、分子鎖両末端にそれぞれリチオ化されたカルボア
ニオン構造を有するリビングポリマーであるα,ω−ジ
リチオポリマーを経由して進行する。このため、該アニ
オン重合は、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック
コポリマー(SBS)に代表されるABA型、CABA
C型等の対称型ブロックコポリマーの合成、分子鎖両末
端に官能基を有するテレケリックポリマーの合成などに
有用である。
【0003】上記2官能性重合開始剤として有用な有機
ジリチウム化合物は、ジビニル芳香族化合物をtert
−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム等の単官能
性有機リチウム化合物と、ジビニル芳香族化合物:単官
能性有機リチウム化合物のモル比が1:2となる割合で
反応させることなどによって調製される。そして、該ジ
ビニル芳香族化合物としては、1,3−ジイソプロペニ
ルベンゼンが、その単純な構造の割にそれから誘導され
る2官能性重合開始剤の炭化水素系溶媒への溶解性が高
いことから多用されている。そのような、1,3−ジイ
ソプロペニルベンゼンと単官能性有機リチウム化合物を
用いて2官能性重合開始剤を調製し、それを用いてアニ
オン重合を行った例としては、以下の(A)、(B)、
(C)などを挙げることができる。
【0004】(A)Macromolecules第29巻、第2738〜27
45頁(1996年)には、1,3−ジイソプロペニルベンゼン
を、トリエチルアミンを含有するシクロヘキサン系溶媒
中、−20℃で、該1,3−ジイソプロペニルベンゼン
に対して2倍モル量のtert−ブチルリチウムと反応
させることによって、1,3−ジイソプロペニルベンゼ
ン/tert−ブチルリチウムの1/2付加物が選択的
に生成したこと、ならびにこのようにして得られた該1
/2付加物を含有する上記シクロヘキサン系溶媒中の溶
液にジエチルエーテルを添加した後、ブタジエンの添加
による重合およびスチレンの添加による重合を、この順
序でそれぞれ室温で行うことによって、スチレン−ブタ
ジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)を得た
ことが記載されている。
【0005】(B)米国特許第5,750,055号明
細書では、1,3−ジイソプロペニルベンゼンを、トリ
エチルアミン等の第3級アミンを含有するシクロヘキサ
ン系溶媒中において、該1,3−ジイソプロペニルベン
ゼンに対して2倍モル量のtert−ブチルリチウムま
たはsec−ブチルリチウムと反応させることにより、
1,3−ジイソプロペニルベンゼン/ブチルリチウムの
1/2付加物を含有する溶液を得、これに共役ジエンモ
ノマーを0〜30℃の範囲内の温度で添加し重合させる
(例えば、0℃で添加し室温で重合させる)ことによ
り、1000〜3000の範囲内の見掛け分子量を有す
るα,ω−ジリチオ共役ジエンポリマーを生成させるこ
と、ならびに該α,ω−ジリチオ共役ジエンポリマーを
ブロックコポリマーを製造するための2官能性重合開始
剤として使用できることが記載されている。
【0006】(C)Macromolecules第30巻、第4984〜49
94頁(1997年)には、1,3−ジイソプロペニルベンゼン
を、シクロヘキサン溶媒中、50℃で、該1,3−ジイ
ソプロペニルベンゼンに対して2倍モル量のtert−
ブチルリチウムと反応させることにより1,3−ジイソ
プロペニルベンゼン/tert−ブチルリチウムの1/
2付加物を調製したこと、および、該1/2付加物を使
用して、ジエチルエーテルを含有するシクロヘキサン系
溶媒中、ブタジエンの重合およびスチレンの重合をこの
順序でそれぞれ室温(25℃)で行い、次いで1,1−
ジフェニルエチレンを添加し、テトラヒドロフランの添
加によりテトラヒドロフランとシクロヘキサンとの混合
溶媒系とした後、−78℃でメチルメタクリレートを添
加し重合させることによって、メチルメタクリレート−
スチレン−ブタジエン−スチレン−メチルメタクリレー
トペンタブロックコポリマーを得たことが記載されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】1,3−ジイソプロペ
ニルベンゼンと単官能性有機リチウム化合物を用いて調
製した2官能性重合開始剤を用いたアニオン重合に関す
る上記の公知例(A)、(B)および(C)では、以下
の手法(1)〜(3)が採用されている。
【0008】(1)1,3−ジイソプロペニルベンゼン
と単官能性有機リチウム化合物との炭化水素系溶媒中で
の反応の際、1,3−ジイソプロペニルベンゼン/単官
能性有機リチウム化合物の1/2付加物を優先的に生成
させるために、反応系にトリエチルアミン等の第3級ア
ミンを存在させる(上記(A)および(B)参照)。
【0009】(2)1,3−ジイソプロペニルベンゼン
と単官能性有機リチウム化合物との反応後、形成された
1/2付加物に対し、さらに共役ジエンモノマーを反応
させて低分子量のα,ω−ジリチオ共役ジエンポリマー
を調製し、これを2官能性重合開始剤として使用する
(上記(B)参照)。
【0010】(3)1,3−ジイソプロペニルベンゼン
と単官能性有機リチウム化合物との炭化水素系溶媒中で
の反応後、反応系にエーテルを添加し、次いで共役ジエ
ンモノマー等の重合を行う(上記(A)および(C)参
照)。
【0011】なお、上記の公知例(A)、(B)および
(C)では、いずれも、1,3−ジイソプロペニルベン
ゼンと単官能性有機リチウム化合物との反応により形成
された1/2付加物を含有する溶液に共役ジエンモノマ
ーを添加し反応させる際の温度条件については、室温
(25℃)または0〜30℃の範囲内の温度(例えば0
℃〜室温の範囲内の温度)であることが記載されている
ものの、使用した実験装置、実験操作等の未記載の要素
を考慮すると、反応系の溶液部における厳密な温度条件
は不明である。また、上記のような温度の不明確さなど
の理由で、重合途中における生長リビングポリマー分子
量の時間依存性についても、必ずしも厳密には断定する
ことができない。
【0012】2官能性重合開始剤を使用するアニオン重
合を工業的に有利に行うためには、生産性を向上させる
上で、モノマーをできるだけ高濃度となるように重合反
応系中に添加することが好ましい。この観点から、本発
明者らは、上記の公知例に準じて、モノマー添加時にお
けるモノマー濃度条件を変更しながらいくつかの実験を
行った。その結果、モノマー濃度が溶媒に対して5%程
度以下となる低濃度の条件下では良好な重合結果が得ら
れるが、モノマー濃度をより高めた条件下では生成α,
ω−ジリチオポリマーの分子量分布が2峰性(bimo
dal)となって広がり、分子量制御が困難であること
が判明した。
【0013】2官能性重合開始剤を用いて製造するのに
好適なABA型のブロックコポリマーの代表例であるス
チレン−共役ジエン−スチレンブロックコポリマー等の
共役ジエンから誘導される構造単位を含有するポリマー
では、該構造単位中の炭素−炭素2重結合の存在に由来
して耐熱老化性、耐候性、リサイクル性などの点で支障
が生じる場合があるが、これらの支障を回避する目的
で、該2重結合を飽和結合に変換するための水素添加処
理が施されることがある。上記公知例のうちのいくつか
のもの(上記(A)および(B))においては、1,3
−ジイソプロペニルベンゼンと単官能性有機リチウム化
合物との反応を第3級アミンの存在下に行う(上記手法
(1))ため、その後、重合を行って得られたポリマー
含有溶液中にも該第3級アミンが存在している。しかし
ながら、第3級アミンは水素添加反応の触媒として一般
的に利用されるチーグラー触媒に対して触媒毒として作
用する。したがって、上記の手法(1)は、重合後に得
られたポリマー溶液へのチーグラー触媒の適用を困難に
するため、応用範囲に制限がある。
【0014】したがって、本発明の課題は、1,3−ジ
イソプロペニルベンゼンおよび単官能性有機リチウム化
合物を反応させる工程を含むα,ω−ジリチオポリマー
の製造方法において、重合時のモノマー濃度が高い反応
条件においても、α,ω−ジリチオポリマーを狭い分子
量分布で、かつ正確に制御された分子量で製造すること
ができ、しかも第3級アミンの反応系への添加が不必要
となることから汎用性が高められた、α,ω−ジリチオ
ポリマーの工業的に有利な製造方法を提供することにあ
る。本発明の他の課題は、該α,ω−ジリチオポリマー
の製造方法を利用した、ブロックポリマー等の脱リチオ
化された各種ポリマーの工業的に有利な製造方法、およ
び、テレケリックポリマーの工業的に有利な製造方法を
提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる状況下において、
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ね
た。その結果、1,3−ジイソプロペニルベンゼンおよ
び単官能性有機リチウム化合物の反応を非極性炭化水素
に少量の脂肪族エーテルを添加してなる混合溶媒中で行
い、かつ重合工程の少なくとも初期に共役ジエンモノマ
ーを特定の温度条件または特定の分子量条件の下に制御
して重合させることにより、第3級アミンを使用せず
に、かつ重合時のモノマー濃度が高い反応条件において
も、α,ω−ジリチオポリマー、ひいては該α,ω−ジ
リチオポリマーから誘導される各種ポリマー(ブロック
コポリマー、テレケリックポリマー)を、狭い分子量分
布で、かつ制御された分子量で製造することが可能とな
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0016】すなわち本発明は、第1には、非極性炭化
水素を主体とする有機溶媒中、1,3−ジイソプロペニ
ルベンゼンおよび単官能性有機リチウム化合物を、該
1,3−ジイソプロペニルベンゼン:該単官能性有機リ
チウム化合物の使用量のモル比が約1:2となる割合で
反応させ、得られた反応混合液に、共役ジエンモノマー
を包含するモノマーを添加し重合させることからなる
α,ω−ジリチオポリマーの製造方法において、
【0017】(1)該有機溶媒が脂肪族エーテルを2〜
40容量%の割合で含み;
【0018】(2)該反応混合液へのモノマーの添加に
より開始される重合工程における少なくとも初期の30
分間は共役ジエンモノマーの重合を行い;かつ
【0019】(3)該重合工程開始より30分間の期間
中において反応混合液の温度を−20℃〜15℃の範囲
内の温度に維持する;
【0020】ことを特徴とするα,ω−ジリチオポリマ
ーの製造方法(以下、この製造方法を「製造方法
(I)」と称する)である。
【0021】本発明は、第2には、非極性炭化水素を主
体とする有機溶媒中、1,3−ジイソプロペニルベンゼ
ンおよび単官能性有機リチウム化合物を、該1,3−ジ
イソプロペニルベンゼン:該単官能性有機リチウム化合
物の使用量のモル比が約1:2となる割合で反応させ、
得られた反応混合液に、共役ジエンモノマーを包含する
モノマーを添加し数平均分子量が2万以上に到達する条
件下で重合させることからなるα,ω−ジリチオポリマ
ーの製造方法において、
【0022】(1)該有機溶媒が脂肪族エーテルを2〜
40容量%の割合で含み;
【0023】(2)該反応混合液へのモノマーの添加に
より開始される重合工程における少なくとも初期の30
分間は共役ジエンモノマーの重合を行い;かつ
【0024】(3)該重合工程開始より30分後の時点
における生成共役ジエンポリマーの数平均分子量が1万
以下となるように条件制御する;
【0025】ことを特徴とするα,ω−ジリチオポリマ
ーの製造方法(以下、この製造方法を「製造方法(I
I)」と称する)である。
【0026】そして本発明は、第3には、上記製造方法
(I)または(II)で得られたα,ω−ジリチオポリマ
ーにプロトン性化合物を反応させることからなるポリマ
ーの製造方法である。
【0027】さらに本発明は、第4には、上記製造方法
(I)または(II)で得られたα,ω−ジリチオポリマ
ーに官能化剤を反応させることからなるテレケリックポ
リマーの製造方法である。
【0028】
【発明の実施の形態】〔α,ω−ジリチオポリマーの製
造方法(I)について〕
【0029】まず、上記製造方法(I)について説明す
る。
【0030】製造方法(I)における第1の工程は、非
極性炭化水素を主体とする有機溶媒中で、1,3−ジイ
ソプロペニルベンゼンと単官能性有機リチウム化合物を
反応させることからなる2官能性重合開始剤の調製工程
である。
【0031】単官能性有機リチウム化合物としては、分
子中に1個のリチウム原子を有する有機リチウム化合物
の中から適宜選択することができるが、sec−ブチル
リチウム、tert−ブチルリチウム等の脂肪族有機リ
チウム化合物が好ましい。
【0032】1,3−ジイソプロペニルベンゼンと単官
能性有機リチウム化合物との反応における両者の使用量
は、〔1,3−ジイソプロペニルベンゼンの使用モル
数〕:〔単官能性有機リチウム化合物の使用モル数〕の
比において約1:2である。該反応は、1分子の1,3
−ジイソプロペニルベンゼンに対し2分子の単官能性有
機リチウム化合物を付加反応させて1分子の有機ジリチ
ウム化合物(1,3−ジイソプロペニルベンゼン/単官
能性有機リチウム化合物の1/2付加物)を生成させる
ことを目的とするので、理想的には、〔1,3−ジイソ
プロペニルベンゼンの使用モル数〕:〔単官能性有機リ
チウム化合物の使用モル数〕の比において厳密に1:2
であればよい。しかしながら、現実的には、水分等の不
純物を反応系から完全には除去することができないた
め、反応系に添加した単官能性有機リチウム化合物の一
部が該不純物との反応により失活することは避け得な
い。したがって、単官能性有機リチウム化合物の使用量
が1,3−ジイソプロペニルベンゼンの使用量に対して
約2倍モルの範囲を外れて下回る場合には、1分子の
1,3−ジイソプロペニルベンゼンに対して1分子の単
官能性有機リチウム化合物が付加反応して生成した有機
モノリチウム化合物の生成割合が増加することなどによ
り、重合後に得られるα,ω−ジリチオポリマーの純度
低下を招く。また、本反応は単官能性有機リチウム化合
物を開始剤とする1,3−ジイソプロペニルベンゼンの
アニオン重合反応と平衡関係にあるため、使用した1,
3−ジイソプロペニルベンゼン全量を完全に1,3−ジ
イソプロペニルベンゼン/単官能性有機リチウム化合物
の1/2付加物に変換することは厳密には不可能である
ものの、単官能性有機リチウム化合物が1,3−ジイソ
プロペニルベンゼンに対して2倍モルより多く存在すれ
ば、平衡は該1/2付加物側により偏る傾向がある。し
かしながら、単官能性有機リチウム化合物の使用量が
1,3−ジイソプロペニルベンゼンの使用量に対して約
2倍モルの範囲を越えて上回る場合には、次の共役ジエ
ンモノマーとの反応において単官能性重合開始剤として
作用する可能性のある未反応の単官能性有機リチウム化
合物の残存割合が増加することなどにより、重合後に得
られるα,ω−ジリチオポリマーの純度低下を招く。
【0033】このように本発明に従う1,3−ジイソプ
ロペニルベンゼンと単官能性有機リチウム化合物との反
応における両者の使用割合を表す「約1:2」は、厳密
な「1:2」またはその付近の範囲内において、単官能
性有機リチウム化合物を添加する前の反応系の乾燥状態
等の条件を考慮して適宜使用割合を設定すればよいこと
を意味している。その中でも、重合後に得られるα,ω
−ジリチオポリマーの純度を特に高くできる観点から
は、〔1,3−ジイソプロペニルベンゼンの使用モル
数〕:〔単官能性有機リチウム化合物の使用モル数〕の
比は、一般に1:2.0〜1:2.1の範囲内であるこ
とが好ましい。
【0034】上記の1,3−ジイソプロペニルベンゼン
と単官能性有機リチウム化合物との反応は、非極性炭化
水素を主体とする有機溶媒中で行う。該有機溶媒の主成
分を構成する非極性炭化水素としては、シクロヘキサン
またはメチルシクロヘキサンに代表される脂環式炭化水
素;ベンゼン、トルエンまたはエチルベンゼンに代表さ
れる芳香族炭化水素などを、1種類を単独で、または2
種類以上を組み合わせて使用することができる。これら
の非極性炭化水素の中でも、炭素原子を5〜8個有する
脂環式炭化水素の使用が好ましく、とりわけシクロヘキ
サンの使用が好ましい。
【0035】製造方法(I)において使用する有機溶媒
は、非極性炭化水素の他に、脂肪族エーテルを全有機溶
媒基準で2〜40容量%の範囲内の割合で含有する。該
脂肪族エーテルとしては、分子中に1個以上のエーテル
結合(−O−)を有する有機化合物であればよいが、メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基、シクロヘキシル基等の炭素原子を1〜8個有す
る非環式または環式の1価の飽和炭化水素基の2個がエ
ーテル結合を介して結合した形の脂肪族モノエーテル
が、反応混合液中における安定性が比較的高く副反応が
抑制され易い観点、常温で低粘度の液状重合体、高メル
トフローレートで溶融流動性に優れた重合体、ゴム弾性
に優れた熱可塑性エラストマー性ブロック共重合体等を
製造する上で好適となるように、共役ジエンモノマーの
重合時における1,4−結合率を比較的高め、1,2−
結合率を比較的低く抑えることのできる適度な極性を有
する観点などから好ましい。その脂肪族モノエーテルの
代表例としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエ
ーテル、tert−ブチルメチルエーテルなどが挙げら
れ、その中でもジエチルエーテルが、上記のような極
性、反応混合液中での安定性などの諸物性の観点から特
に好ましい。なお、脂肪族エーテルは1種類を単独で、
または2種類以上を組み合わせて使用することができ
る。有機溶媒中における脂肪族エーテルの含有量が2容
量%よりも少ない場合には、得られるα,ω−ジリチオ
ポリマーの分子量分布が広がり、分子量制御が困難にな
る。脂肪族エーテルの含有量が40容量%よりも多い場
合には、その後の重合時において反応混合液の生成ポリ
マーに対する溶解度が減少するため、重合の進行に伴
い、反応混合液の粘度が上昇して充分な攪拌が困難にな
り、さらには、重合時の反応混合液の均一性低下によ
り、得られるα,ω−ジリチオポリマーの分子量分布が
広がる結果を招く。
【0036】なお、有機溶媒中にトリエチルアミン等の
第3級アミンを含有させた場合には、得られるα,ω−
ジリチオポリマーの溶液中に該第3級アミンが残存する
ため、その後に水素添加反応に供する場合には、該第3
級アミンが水素添加反応用触媒の活性を著しく低下させ
ることとなる。この観点においては、有機溶媒は第3級
アミンを実質的に含有しないことが好ましい。
【0037】1,3−ジイソプロペニルベンゼンと単官
能性有機リチウム化合物との反応における有機溶媒の使
用量は、必ずしも限られるものではなく、その後に添加
するのモノマーの量等の諸条件に応じて適宜選択するこ
とができるが、通常は、使用する1,3−ジイソプロペ
ニルベンゼン1モル当たり5〜100リットルの範囲内
の割合である。
【0038】1,3−ジイソプロペニルベンゼンと単官
能性有機リチウム化合物との反応においては、その反応
温度は、反応の所要時間を長引かせない点、副反応を抑
制する点から、−20℃〜50℃の範囲内であることが
好ましく、0℃〜30℃の範囲内であることがさらに好
ましい。1,3−ジイソプロペニルベンゼンと単官能性
有機リチウム化合物との反応の反応操作については、必
ずしも限られるものではないが、非極性炭化水素と脂肪
族エーテルを含む有機溶媒に1,3−ジイソプロペニル
ベンゼンを溶解してなる溶液を調製し、該溶液を所定温
度で攪拌しながら、該溶液に、単官能性有機リチウム化
合物の有機溶媒中の溶液を添加し、次いで添加終了後も
反応混合液の攪拌を任意期間継続することによって反応
を充分追い込むことが好ましい。ここで、1,3−ジイ
ソプロペニルベンゼンと単官能性有機リチウム化合物と
の反応の進行度は、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)により生成物の分子量分布を測定する
ことによって確認することができ、反応時間は通常、1
〜20時間の範囲内である。なお、1,3−ジイソプロ
ペニルベンゼン、非極性炭化水素、脂肪族エーテル等の
使用する化学品は、事前に充分に脱水・乾燥処理してお
くことが好ましい。また、反応系の雰囲気は、窒素ガ
ス、アルゴンガス等の、湿気を含まない不活性ガス雰囲
気であることが好ましい。
【0039】製造方法(I)においては、1,3−ジイ
ソプロペニルベンゼンと単官能性有機リチウム化合物と
の反応からなる2官能性重合開始剤の調製工程後、得ら
れた反応混合液(所望に応じて有機溶媒を追加してもよ
い)にモノマーを添加することにより重合工程が開始さ
れる。なお、重合工程中は反応混合液を充分に攪拌する
ことが、重合反応系の均一化に由来する、得られるα,
ω−ジリチオポリマーの分子量分布の均一化および分子
量制御の正確さ向上の点で好ましい。
【0040】重合工程で添加するモノマーの全使用量は
目的とするα,ω−ジリチオポリマーの分子量に応じて
化学量論的に決定することができるが、製造方法(I)
においては目的とするα,ω−ジリチオポリマーの分子
量に制約はなく、例えば、1千〜30万の範囲内の数平
均分子量を有するα,ω−ジリチオポリマーを製造する
ことができる。ただし、製造方法(I)においては、重
合初期に添加するモノマーは共役ジエンモノマーであ
り、その添加開始を重合工程の開始時点とみなして、重
合工程における少なくとも初期の30分間は、専ら該共
役ジエンモノマーの重合にとどめ、該重合工程開始(す
なわち、共役ジエンモノマー添加開始)より30分間の
期間中において反応混合液の温度が−20℃〜15℃の
範囲内の温度に維持されるように管理することが必要で
ある。
【0041】重合工程開始より30分間の期間内に限れ
ば、添加するモノマーは実質的に共役ジエンモノマーの
みである。共役ジエンモノマーの添加形態としては、重
合開始時における一括添加、重合工程開始より30分間
の期間内における連続的または断続的な添加などの各種
形態を採用することができる。該共役ジエンモノマーと
しては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペ
ンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、
1,3−オクタジエン等を例示することができる。これ
らの共役ジエンモノマーは、1種類を単独で、または2
種類以上を組み合わせて使用することができる。これら
の共役ジエンモノマーの中でも、ブタジエン、イソプレ
ンまたはこれらの混合物の使用が好ましく、ブタジエン
の使用が特に好ましい。重合工程開始より30分間の期
間中における共役ジエンモノマーの添加量は、必ずしも
限られるものではなく、目的とするα,ω−ジリチオポ
リマー分子中に含まれる共役ジエンポリマー部分の分子
量、反応混合液におけるモノマーの濃度等を考慮して適
宜決定することができるが、通常は、当初使用した1,
3−ジイソプロペニルベンゼンに対して20〜5500
倍モルの範囲内の共役ジエンモノマーを、一括的、連続
的または断続的に添加するのが好ましい。容積効率の高
さ(すなわち生産性の高さ)、攪拌の容易さ(ひいては
得られるα,ω−ジリチオポリマーの分子量分布の狭さ
および分子量制御の正確さ)等の観点からは、重合工程
開始より30分間の期間内における共役ジエンモノマー
の添加量は、1,3−ジイソプロペニルベンゼンの添加
量、単官能性有機リチウム化合物の添加量、有機溶媒の
使用量(途中で溶媒を追加した場合にはその追加量をも
含む全使用量)および共役ジエンモノマーの添加量の合
計重量に対して5〜25%の範囲内の重量割合であるこ
とが好ましい。
【0042】製造方法(I)においては、重合工程開始
より30分間の期間中に添加した共役ジエンモノマー
は、重合工程開始より30分後またはそれ以前の時点で
その全量が重合で消費されていても、また30分後の時
点でその一部が未反応で反応混合液中に残存していても
よい。
【0043】なお、重合工程開始より30分間の期間内
に、共役ジエンモノマーに加えて他のモノマーを添加す
ることは、生長途中のリビングポリマーの重合活性末端
の反応性に不均一性がもたらされる結果、最終的に得ら
れるα,ω−ジリチオポリマーの分子量分布が広がり易
くなるため好ましくない。
【0044】製造方法(I)においては、重合工程開始
時(すなわち、共役ジエンモノマーの添加開始時)より
30分間の実質的に全期間中においては、反応混合液の
温度を−20℃〜15℃の範囲内の温度に維持するが、
瞬間的であればこの範囲から外れた温度であってもよ
く、この場合も本発明に包含される。
【0045】重合工程開始より30分間の期間中の少な
くとも一部に、反応混合液の温度が−20℃よりも低い
温度となる期間が含まれる場合、その低温の期間は、反
応速度が低下して、重合反応が充分に進行するのに要す
る時間が長くかかり過ぎる。さらに、その低温の期間
は、反応混合液の粘度上昇によって充分な攪拌が困難に
なり、反応混合液の均一性の低下に伴って、最終的に得
られるα,ω−ジリチオポリマーの分子量分布が広くな
る傾向が生じる。一方、重合工程開始より30分間の期
間中の少なくとも一部に、反応混合液の温度が15℃よ
りも高い温度となる期間が含まれるときには、重合時の
モノマー濃度が極めて低い場合を除き、最終的に得られ
るα,ω−ジリチオポリマーの分子量分布が2峰性(b
imodal)となって広がる傾向が生じ、分子量制御
が困難となるため、所望のα,ω−ジリチオポリマーを
工業的に有利に製造することはできない。得られるα,
ω−ジリチオポリマーの分子量分布の狭さ、分子量制御
の正確さおよび反応時間の短縮の観点において、重合工
程開始より30分間の期間中において、反応混合液の温
度が0℃〜10℃の範囲内の温度に維持されるよう管理
することがより好ましい。
【0046】本発明に従う重合工程において、その開始
より30分間の期間内、反応混合液の温度を上記のよう
に−20℃〜15℃の範囲内、好ましくは0℃〜10℃
の範囲内の制御された温度条件下に維持するためには、
重合発熱による昇温を抑えるように反応混合液の温度を
充分に管理する必要がある。そのためには、この期間内
は、適時、反応混合液の温度を測定しながら、冷却装置
を用いて反応器を適度に冷却することが好ましい。上記
の冷却装置は、例えば、フロンなどを冷媒とする冷凍
機、上記の使用温度範囲に適した熱媒体を入れ、冷凍機
および反応器との間で熱交換を行う熱交換回路、熱交換
回路内の熱媒体移送に用いる循環ポンプ、温度調節器
(例えば、温度センサー、ヒーターおよび該ヒーターの
制御回路を備えた温度調節器;温度センサーおよび熱媒
体移送用循環ポンプの制御回路を備えた温度調節器な
ど)などから構成される。ここで、上記の使用温度範囲
に適した熱媒体としては、水/エチレングリコール混合
物またはエタノールを主体とし、これに金属材料に対す
る防食防錆剤などの添加剤を含有させてなる熱媒体を例
示することができる。なお、反応器のスケールが小さい
場合には、上記冷凍機の代わりに、十分な熱容量を有す
る寒剤を入れた槽を使用することもできる。このとき使
用可能な寒剤としては、氷(約0℃)、氷−食塩系(約
−20℃)、ドライアイス−塩化カルシウム水溶液系
(約−50℃)、ドライアイス−メタノール系(約−7
0℃)などを例示することができる(各寒剤の後の括弧
内はおおよその冷却下限温度を示す)。さらに、反応器
が小さく、かつ、目的とする反応混合液の温度より若干
低い温度を保持する寒剤が用意できる場合には、簡便な
冷却法として、十分な熱容量を有する寒剤を入れた槽に
反応器を浸して冷却することも可能である。
【0047】そして、製造方法(I)においては、重合
工程開始より30分間以上経過した時点であれば、必要
に応じて、各種モノマー(共役ジエンモノマーおよび/
または他のモノマー)を反応混合液に添加し、重合させ
ることができる。また、重合工程開始より30分間以上
経過した時点であれば、反応混合液の温度を−20℃〜
15℃の範囲内の温度に維持する必要はない。
【0048】重合工程開始より30分間以上経過した時
点において必要に応じて添加することのできるモノマー
としては、アニオン重合性モノマーであれば各種のもの
を使用することができ、例えば、芳香族ビニル系モノマ
ー、共役ジエンモノマー等の炭化水素系ビニル化合物;
メタクリレート系モノマー、アクリレート系モノマー等
の極性ビニル系化合物などのビニル系モノマーなどが包
含される。重合工程開始より30分間以上経過した時点
においてモノマーを添加する場合、該モノマーとしては
1種類を単独で、または2種類以上を組み合わせて使用
することができる。
【0049】上記の芳香族ビニル系モノマーとしては、
スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、
3−メチルスチレン、2−メチルスチレン、4−t−ブ
チルスチレン、4−メトキシスチレン、ビニルナフタレ
ン等を例示することができる。上記の共役ジエンモノマ
ーとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3
−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエ
ン、1,3−オクタジエン等を例示することができる。
上記のメタクリレート系モノマーとしては、メチルメタ
クリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタ
クリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチル
メタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−
ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、
2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリ
レート、ラウリルメタクリレート等に代表されるアルキ
ルメタクリレート;シクロヘキシルメタクリレート、4
−t−ブチルシクロヘキシルメタクリレート等に代表さ
れるシクロアルキルメタクリレート;フェニルメタクリ
レート等に代表されるアリールメタクリレート;ベンジ
ルメタクリレート、4−メチルベンジルメタクリレート
等に代表されるアラルキルメタクリレートなどを例示す
ることができる。また、上記のアクリレート系モノマー
としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレ
ート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアク
リレート、ラウリルアクリレート等に代表されるアルキ
ルアクリレート;シクロヘキシルアクリレート、4−t
−ブチルシクロヘキシルアクリレート等に代表されるシ
クロアルキルアクリレート;フェニルアクリレート等に
代表されるアリールアクリレート;ベンジルアクリレー
ト等に代表されるアラルキルアクリレートなどを例示す
ることができる。上記のモノマーの中でも、1種類また
は2種類以上の炭化水素系ビニル化合物を主体とするビ
ニル系モノマーを使用することが好ましい。該炭化水素
系ビニル化合物の中でも、芳香族ビニル系モノマーおよ
び/または共役ジエンモノマーを1種類単独でまたは2
種類以上を組み合わせて使用することがより好ましく、
スチレン、α−メチルスチレン、ブタジエンおよびイソ
プレンからなる群の中から選択される炭化水素系ビニル
化合物を1種類単独でまたは2種類以上を組み合わせて
使用することが特に好ましい。
【0050】なお、重合工程開始より30分間以上経過
した時点でモノマーを添加し重合させる場合、そのモノ
マーの少なくとも一部が共役ジエンモノマー以外のモノ
マーであるならば、共役ジエンモノマーと他の1種類以
上のモノマーから構成されるコモノマーが形成される。
このモノマーの添加に際しては、公知のアニオン重合と
同様に、添加するモノマーの種類、添加順序等の条件を
選ぶことによって、ブロック共重合、ランダム共重合、
テーパード共重合等の各種の共重合形式のα,ω−ジリ
チオポリマーを生成させることができる。例えば、重合
工程開始より30分間以上経過した時点において、所望
に応じて共役ジエンモノマーを主体とするモノマーを追
加的に添加した後、反応混合液中のモノマーのほぼ全量
が重合で消費された時点で、ビニル芳香族モノマーを主
体とするモノマーを添加し重合させることにより、(ビ
ニル芳香族モノマー主体のモノマーからなるポリマーブ
ロック)−(共役ジエンモノマー主体のモノマーからな
るポリマーブロック)−(ビニル芳香族モノマー主体の
モノマーからなるポリマーブロック)のトリブロック型
のα,ω−ジリチオポリマーが生成する。したがって、
製造方法(I)において、重合工程開始より30分間以
上経過した時点で、反応混合液に、ビニル芳香族モノマ
ーを主体とするモノマーを添加し重合させる工程を含む
場合には、共役ジエンモノマー主体のモノマーからなる
少なくとも1個のポリマーブロックとビニル芳香族モノ
マー主体のモノマーからなる少なくとも2個のポリマー
ブロックを含むブロックコポリマー型のα,ω−ジリチ
オポリマーを製造することができる。
【0051】重合工程開始より30分間以上経過した時
点におけるモノマーの添加量は、必ずしも限られるもの
ではなく、目的とするα,ω−ジリチオポリマーの分子
量、反応混合液におけるモノマーの濃度等を考慮して適
宜決定することができるが、通常は、当初使用した1,
3−ジイソプロペニルベンゼンに対して5500倍モル
以下のモノマーを、一括的、連続的または断続的に添加
するのが好ましい。容積効率の高さ(すなわち生産性の
高さ)、攪拌の容易さ(ひいては得られるα,ω−ジリ
チオポリマーの分子量分布の狭さおよび分子量制御の正
確さ)等の観点からは、重合工程開始より30分間以上
経過した時点におけるモノマーの添加量は、すでに添加
済みの共役ジエンモノマーを含む全モノマーの添加量
が、1,3−ジイソプロペニルベンゼンの添加量、単官
能性有機リチウム化合物の添加量、有機溶媒の使用量
(後述するように溶媒を追加使用する場合にはその使用
量をも含む全使用量)、後述するような任意の添加剤を
使用する場合にはその添加量および該全モノマーの添加
量の合計重量に対して5〜25%の範囲内の重量となる
ような割合であることが好ましい。
【0052】重合工程開始より30分間以上経過した時
点における反応混合液の温度については、その時点で重
合反応に関与しているモノマーの種類に応じて、適宜好
適な条件を採用することができる。例えば、芳香族ビニ
ル系モノマーおよび/または共役ジエンモノマーを主体
とするモノマーの重合時には、一般に−20℃〜80℃
の範囲内の温度が好ましく、0℃〜60℃の範囲内の温
度がより好ましい。また、メタクリル系モノマーおよび
/またはアクリル系モノマーを主体とするモノマーの重
合時には、一般に−90℃〜30℃の範囲内の温度が好
ましく、−80℃〜−60℃の範囲内の温度がより好ま
しい。
【0053】重合工程開始より30分間以上経過した時
点では、通常のアニオン重合で採用される手法に準じ、
添加するモノマーの種類等に応じて、各種の添加剤、溶
媒等を適宜添加することができる。例えば、芳香族ビニ
ル系モノマーおよび/または共役ジエンモノマーを主体
とするモノマーを添加し重合させる場合、モノマーまた
はポリマーの濃度を調節する目的で、シクロヘキサン、
ベンゼン等の非極性炭化水素を反応混合液中に添加する
ことができる。共役ジエンモノマーを主体とするか、ま
たはそれと芳香族ビニル系モノマーとを主体とするモノ
マーを添加し重合させる場合、共役ジエンモノマーの重
合における1,2−結合と1,4−結合の比率を調節し
該共役ジエンモノマーから形成されるポリマー部分のガ
ラス転移温度、粘度等の諸物性を制御する目的で、また
は、芳香族ビニル系モノマーと共役ジエンモノマーのラ
ンダム共重合を促進する目的で、テトラヒドロフラン等
の脂環式エーテル;トリエチルアミン、テトラメチルエ
チレンジアミン等の第3級アミン;ヘキサメチルホスホ
ルアミド等のホスホルアミドなどを反応混合液中に少量
添加することもできる。ただし、共役ジエンモノマーの
重合において1,2−結合率を調節するのに用いられる
添加物は、第3級アミンのごとく、概して共役ジエンポ
リマーの水素添加反応に用いられるチーグラー触媒に対
して触媒毒として作用するため、使用に際してはその点
を充分に考慮すべきである。また、メタクリル系モノマ
ーおよび/またはアクリル系モノマーを主体とするモノ
マーを添加し重合させる場合には、モノマーの重合性、
ポリマーの溶解性等を考慮して、テトラヒドロフラン等
の脂環式エーテル;ジエチルエーテル、tert−ブチ
ルメチルエーテル等の脂肪族エーテルなどを反応混合液
中に添加することができる。
【0054】製造方法(I)に従う重合工程において
は、通常のアニオン重合と同様に、反応系を水分ができ
るだけ存在しない条件下に置くことが好ましい。したが
って、共役ジエンモノマー等のモノマー、その他の任意
成分などの反応混合液に添加する化学品を、事前に充分
に脱水・乾燥処理しておくことが好ましく、また、反応
系の雰囲気を窒素ガス、アルゴンガス等の、湿気を含ま
ない不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。
【0055】重合工程は、通常のアニオン重合で採用さ
れる方法に準じ、添加したモノマーの反応混合液中での
残存量を定量分析し、添加すべきモノマーのほぼ全量が
消費されたならば終了である。その重合工程の所要時間
は、モノマーの種類、目的とするα,ω−ジリチオポリ
マーの分子量、重合温度、反応混合液の濃度等の諸条件
に応じて必ずしも一様ではないが、通常は、1〜24時
間の範囲内である。このようにして、目的とするα,ω
−ジリチオポリマーが溶液の形態で得られる。該α,ω
−ジリチオポリマーは溶液の形態で、プロトン性化合物
を用いた末端停止反応、官能化剤を用いた末端官能化反
応等の所望の反応に供することができる。
【0056】〔α,ω−ジリチオポリマーの製造方法
(II)について〕
【0057】次に、上記製造方法(II)について説明す
る。
【0058】製造方法(II)は、上記説明したような製
造方法(I)と主要な操作および条件で重複する。製造
方法(II)において製造方法(I)と重複する操作およ
び条件については、製造方法(I)に関して先に記載し
た説明と同様である。ただし、製造方法(I)では、重
合工程開始より30分間の期間中において反応混合液の
温度を−20℃〜15℃の範囲内の温度に維持すること
を必要とし、重合完了時に到達するα,ω−ジリチオポ
リマーの数平均分子量については制約がないのに対し、
製造方法(II)では、重合工程開始より30分後の時点
における生成共役ジエンポリマーの数平均分子量が1万
以下となり、かつ重合完了時に到達するα,ω−ジリチ
オポリマーの数平均分子量が2万以上となるように条件
制御することを必要とする点において、両者は相違す
る。
【0059】重合工程開始より30分後の時点における
生成共役ジエンポリマーの数平均分子量を1万以下に制
御するためには、例えば、以下の手法(イ)および/ま
たは(ロ)の採用が有効である。
【0060】(イ)重合工程開始より30分間の期間内
に添加する共役ジエンモノマーの量を、該共役ジエンモ
ノマーと1,3−ジイソプロペニルベンゼン(より厳密
には、1,3−ジイソプロペニルベンゼンと単官能性有
機リチウム化合物の反応によって生成する2官能性重合
開始剤)とのモル比に基づいて化学量論的に計算される
生成共役ジエンポリマーの分子量が1万以下となるよう
に調整すること。
【0061】(ロ)重合工程開始より30分間の期間中
において、反応混合液の温度を−20℃〜15℃の範囲
内の温度となるように制御すると共に、その期間中にお
ける共役ジエンモノマーの添加量を、反応混合液中の濃
度が25重量%以下となるように調整すること。
【0062】また、所定の全モノマーの重合完了時に到
達するα,ω−ジリチオポリマーの数平均分子量を2万
以上に制御するためには、例えば、以下の手法(ハ)の
採用が有効である。
【0063】(ハ)重合工程開始より30分間の期間内
に添加する共役ジエンモノマーとその後に添加するモノ
マーを合わせた全モノマーの量を、各モノマーと1,3
−ジイソプロペニルベンゼン(より厳密には、1,3−
ジイソプロペニルベンゼンと単官能性有機リチウム化合
物の反応によって生成する2官能性重合開始剤)とのモ
ル比に基づいて化学量論的に計算される生成α,ω−ジ
リチオポリマーの分子量が2万以上となるように調整す
ること。
【0064】重合工程開始より30分後の時点における
生成共役ジエンポリマーの数平均分子量が1万を超える
場合には、重合終了時に形成される2万以上の数平均分
子量を有するα,ω−ジリチオポリマーの分子量分布が
2峰性(bimodal)となって広がり、分子量制御
が困難となる。なお、得られるα,ω−ジリチオポリマ
ーの分子量分布の狭さおよび分子量制御の正確さの点に
おいて、重合工程開始より30分後の時点における生成
共役ジエンポリマーの数平均分子量は1千〜5千の範囲
内であることがより好ましい。
【0065】なお、生成ポリマーおよび最終のα,ω−
ジリチオポリマーの各数平均分子量は、例えば、各ポリ
マーについてH−NMRにて測定されたNMRスペク
トル上で、1分子の1,3−ジイソプロペニルベンゼン
と2分子の単官能性有機リチウム化合物の付加反応から
得られる2官能性重合開始剤化合物に由来する部分のベ
ンゼン環プロトンと、モノマーに由来する部分のプロト
ンとのピーク面積比から求められる。また、標準ポリマ
ーにより分子量較正されたGPCによっても、数平均分
子量を求めることができる。
【0066】製造方法(II)においても、目的とする
α,ω−ジリチオポリマーは溶液の形態で得られる。該
α,ω−ジリチオポリマーは溶液の形態で、プロトン性
化合物を用いた末端停止反応、官能化剤を用いた末端官
能化反応等の所望の反応に供することができる。
【0067】〔α,ω−ジリチオポリマーとプロトン性
化合物との反応によるポリマーの製造方法〕
【0068】上記のような製造方法(I)または(II)
によって得られたα,ω−ジリチオポリマーをプロトン
性化合物を用いた末端停止反応に付することにより、脱
リチオ化されたポリマーを製造することができる。
【0069】プロトン性化合物には、水酸基、カルボキ
シル基、スルホン酸基等の活性プロトンを有する官能基
を含有する有機化合物、無機酸、水などが包含される。
該活性プロトンを有する官能基を含有する有機化合物と
しては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパ
ノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタ
ノール等のアルコール;酢酸、プロピオン酸、酪酸、安
息香酸等のカルボン酸;メタンスルホン酸、p−トルエ
ンスルホン酸等のスルホン酸などを使用することができ
る。また、該無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リ
ン酸などを使用することができる。プロトン性化合物
は、α,ω−ジリチオポリマーに対して1〜10倍モル
の割合で使用することが好ましい。α,ω−ジリチオポ
リマーとプロトン性化合物との反応は、上記製造方法
(I)または(II)によって得られたα,ω−ジリチオ
ポリマーを含有する溶液を攪拌しながら、これに所定量
のプロトン性化合物を添加することによって行うことが
好ましい。反応時の温度は、必ずしも限られるものでは
ないが、α,ω−ジリチオポリマーの分解等の副反応を
抑制するうえで、通常、重合末期と同程度の温度である
ことが好ましい。すなわち、例えば、芳香族ビニル系モ
ノマーおよび/または共役ジエンモノマーを主体とする
モノマーの重合後には一般に−20℃〜80℃の範囲内
の温度が好ましく、またメタクリル系モノマーおよび/
またはアクリル系モノマーを主体とするモノマーの重合
後には一般に−90℃〜30℃の範囲内の温度が好まし
い。通常、反応は短時間でほぼ完結するが、完全を期す
るうえで添加終了後も0.2〜3時間の範囲内の時間で
攪拌を継続することが好ましい。
【0070】反応終了後、生成した脱リチオ化されたポ
リマーを含有する反応混合液は、所望に応じて水素添加
反応等の任意の反応操作に付した後、該ポリマーの貧溶
媒に投入してポリマーを析出、沈殿させる再沈殿操作、
反応混合液を熱水に投入し、そこにスチームを吹き込ん
で溶媒をストリッピングする操作などの分離操作に供す
ることよって、所定の脱リチオ化されたポリマーを分離
・取得することができる。上記の再沈殿操作におけるポ
リマーの貧溶媒は、対象とするポリマーの種類等を考慮
して適宜好適なものを選択することができるが、例え
ば、芳香族ビニル系モノマーおよび/または共役ジエン
モノマーを主体とするポリマー、メタクリル系モノマー
および/またはアクリル系モノマーを主体とするポリマ
ー等の場合、一般にメタノールが使用される。
【0071】〔α,ω−ジリチオポリマーと官能化剤と
の反応によるテレケリックポリマーの製造方法〕
【0072】上記のような製造方法(I)または(II)
によって得られたα,ω−ジリチオポリマーを官能化剤
を用いた末端官能化反応に付することにより、テレケリ
ックポリマーを製造することができる。
【0073】上記の官能化剤としては、通常のアニオン
末端ポリマーの末端官能化に使用できるような化合物で
あれば利用可能である。末端官能基として水酸基を導入
するための官能化剤としては、ホルムアルデヒド、アセ
トアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアル
デヒド、イソブチルアルデヒド等のアルデヒド類;アセ
トン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン
類;エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレン
オキシド、シクロへキセンオキシド、スチレンオキシド
等のアルキレンオキシド類;酸素(O)などを例示す
ることができる。末端官能基としてカルボキシル基を導
入するための官能化剤としては、二酸化炭素などが例示
される。末端官能基としてアミノ基を導入するための官
能化剤としては、エチレンイミン、プロピレンイミン、
シクロヘキシレンイミン等のアルキレンイミン類が例示
される。また、末端官能基としてチオール基を導入する
ための官能化剤としては、エチレンスルフィド、プロピ
レンスルフィド等のアルキレンスルフィド類が例示され
る。これらの官能化剤の中でも、官能基導入率の高さの
観点において、エチレンオキシド、プロピレンオキシ
ド、二酸化炭素などが好ましい。官能化剤の使用量は、
必ずしも限られるものではないが、α,ω−ジリチオポ
リマーに対して通常は2〜40倍モルの範囲内であり、
好ましくは4〜10倍モルの範囲内である。製造方法
(I)および(II)においては、通常、使用した1,3
−ジイソプロペニルベンゼンは、ほぼ等モル数の2官能
性アニオン重合開始剤に変換され、次いでほぼ等モル数
のα,ω−ジリチオポリマーに誘導されるので、官能化
剤を、当初使用した1,3−ジイソプロペニルベンゼン
に対して2〜40倍モルの範囲内(好ましくは4〜10
倍モルの範囲内)となる割合で使用することが実用上簡
便である。
【0074】なお、α,ω−ジリチオポリマーを含有す
る非極性炭化水素系溶媒溶液に官能化剤を添加して官能
化する際には、一般に溶液粘度の著しい上昇がみられる
が、該溶液に、官能化剤とともに、酸とアルカリ金属か
らなるアルカリ金属塩および非プロトン性極性溶媒を添
加すると、溶液粘度の著しい上昇を抑制することができ
る。上記のアルカリ金属塩としては塩化リチウムなどが
例示され、非プロトン性極性溶媒としてはテトラヒドロ
フランなどが例示される。
【0075】α,ω−ジリチオポリマーと官能化剤との
反応は、上記製造方法(I)または(II)によって得ら
れたα,ω−ジリチオポリマーを含有する溶液(これに
溶媒、添加剤を加えてなる溶液であってもよい)を攪拌
しながら、これに所定量の官能化剤を、そのまままたは
溶液の形態で添加することにより行うことが好ましい。
反応時の温度は、必ずしも限られるものではなく、官能
化剤の種類、α,ω−ジリチオポリマーの種類等に応じ
て好適な条件は厳密には相違するが、通常は、重合末期
と同程度またはそれ以下の温度であることが好ましい。
例えば、芳香族ビニル系モノマーおよび/または共役ジ
エンモノマーを主体とするモノマーの重合後には一般に
−20℃〜80℃の範囲内の温度において適宜条件を選
ぶことが好ましく、またメタクリル系モノマーおよび/
またはアクリル系モノマーを主体とするモノマーの重合
後には一般に−90℃〜30℃の範囲内の温度において
適宜条件を選ぶことが好ましい。通常、反応は短時間で
ほぼ完結するが、完全を期するうえで添加終了後も0.
5〜3時間の範囲内の時間で攪拌を継続することが好ま
しい。また、反応系中には、水分をできるだけ混入させ
ないことが好ましいため、官能化剤等の添加すべき化学
品についてはできるだけ脱水・乾燥処理を施したものを
使用することが好ましく、反応系の雰囲気としては窒素
ガス、アルゴンガス等の湿気を含まない不活性ガス雰囲
気を採用することが好ましい。
【0076】反応終了後、反応混合液に対し、所望に応
じてプロトン性化合物を用いて上記末端停止反応におい
て説明したものと同様の条件下で処理を施し、所望に応
じて水素添加反応等の任意の反応操作に付した後、反応
混合液をポリマーの貧溶媒に投入してポリマーを析出、
沈殿させる再沈殿操作、反応混合液を熱水に投入し、そ
こにスチームを吹き込んで溶媒をストリッピングする操
作の等の分離操作を施すことによって、目的のテレケリ
ックポリマーを分離・取得することができる。
【0077】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって限
定されるものではない。なお、以下の実施例および比較
例においては、特に記載のない限り、反応は窒素雰囲気
下で行い、アルキルリチウム(sec−ブチルリチウム
およびtert−ブチルリチウム)と塩化リチウムを除
く試薬については、モレキュラーシーブによる乾燥また
は蒸留精製を施したものを使用した。また、反応容器と
しては、磁気誘導式攪拌装置付きの耐圧容器を使用し
た。
【0078】実施例1(α,ω−ジリチオポリブタジエ
ンを経由するα,ω−ジヒドロキシポリブタジエンの製
造例) 反応容器Aに、シクロヘキサン71ミリリットル、ジエ
チルエーテル5.8ミリリットルおよび1,3−ジイソ
プロペニルベンゼン0.66g(4.2ミリモル)を添
加した。次いで、この混合液を攪拌しながら、これに、
室温でsec−ブチルリチウム8.5ミリモル(濃度
1.3モル/リットルのsec−ブチルリチウムのシク
ロヘキサン溶液6.5ミリリットル)を添加したとこ
ろ、速やかに暗赤色を呈した。得られた混合液を、室温
でさらに3時間攪拌することにより反応を進めた結果、
暗赤色の重合開始剤溶液を得た(以下、これを溶液
(a)と称する)。別の反応容器Bに、シクロヘキサン
514ミリリットルおよびジエチルエーテル42ミリリ
ットルを添加した。この混合液中の不純物を除去するた
めに、この混合液に、溶液(a)の一部を少量ずつ、薄
紅色を呈するまで添加した。このようにして不純物が除
去された溶液に、溶液(a)をさらに42ミリリットル
添加した。次に、この溶液を攪拌しながら反応容器Bご
と5℃まで冷却し、これにブタジエン62.2g(1.
15モル)を添加することにより、重合反応を開始させ
た。添加開始より30分間は、溶液の温度を常時測定し
ながら反応容器Bを氷水浴中で冷却することにより、溶
液の温度を5℃に維持した。なお、この30分間の期間
中に、溶液の色は暗赤色から薄黄色に変化した。添加開
始より30分後、この溶液の一部を採取し、含まれる生
成ポリマーをメタノール中で沈殿させ、回収した。この
時点で形成されたポリマー(ポリブタジエン)をH−
NMRおよびGPCにて分析した結果は以下のとおりで
あった。
【0079】数平均分子量(Mn):2,900 分子量分布(Mw/Mn):1.21(1ピーク)
【0080】得られた上記溶液の残部を、冷却を停止し
て室温下に置き、さらに4時間攪拌を継続することによ
り、重合反応を継続させた。なお、この間に溶液の温度
は重合熱により最高34℃まで上昇した。このようにし
て、α,ω−ジリチオポリブタジエン溶液を得た(以
下、これを溶液(b)と称する)。また、別の反応容器
Cに、塩化リチウム0.18g(4.2ミリモル)を添
加し減圧下で加熱乾燥を行った後、テトラヒドロフラン
120ミリリットルを室温下で添加して、塩化リチウム
を溶解させた。この溶液中の不純物を除去するために、
この溶液に、溶液(a)の一部を少量ずつ、薄紅色を呈
するまで添加した。このようにして不純物が除去された
溶液に、官能化剤であるエチレンオキシド0.75g
(17ミリモル)を添加することにより、官能化剤の溶
液を得た(以下、これを溶液(c)と称する)。上記反
応容器B内の溶液(b)に室温で溶液(c)を添加した
ところ、反応容器Bの内容物は速やかに、透明なゲル状
小片を含む薄黄色濁液となった。添加後さらに1時間、
室温で攪拌を続けることにより、反応を完結させた。反
応終了後、反応容器Bの内容物にメタノール1ミリリッ
トルを添加すると、速やかに粘度を減じて液状となっ
た。得られたポリマー溶液に含まれるリチウム塩類の沈
殿物をグラスフィルターにて除去した後、濾液から35
℃で減圧下に溶媒等の低沸点物を除去することにより、
両末端に水酸基を有する2官能性ポリブタジエンを回収
した。得られた2官能性ポリブタジエンをH−NMR
およびGPCにて分析した結果は以下のとおりであっ
た。
【0081】数平均分子量(Mn):32,000 分子量分布(Mw/Mn):1.12(1ピーク) functionality(1分子当たりの官能基
数):1.9 ブタジエンの1,2−結合率:43%
【0082】実施例2(α,ω−ジリチオSBSブロッ
クコポリマーを経由するSBSブロックコポリマーの製
造例) 反応容器Dに、シクロヘキサン71ミリリットル、ジエ
チルエーテル5.8ミリリットルおよび1,3−ジイソ
プロペニルベンゼン0.66g(4.2ミリモル)を添
加した。次いで、この混合液を攪拌しながら、これに、
0℃でtert−ブチルリチウム8.5ミリモル(濃度
1.3モル/リットルのtert−ブチルリチウムのヘ
キサン溶液6.5ミリリットル)を添加したところ、速
やかに暗赤色を呈した。得られた混合液を、0℃でさら
に10時間攪拌することにより、反応を進めた結果、暗
赤色の重合開始剤溶液を得た(以下、これを溶液(d)
と称する)。別の反応容器Eに、シクロヘキサン592
ミリリットルおよびジエチルエーテル48ミリリットル
を添加した。この混合液中の不純物を除去するために、
この混合液に、溶液(d)の一部を少量ずつ、薄紅色を
呈するまで添加した。このようにして不純物が除去され
た溶液に、溶液(d)をさらに26ミリリットル添加し
た。次に、この溶液を攪拌しながら3℃に冷却し、これ
にブタジエン49.5g(0.915モル)を添加する
ことにより、重合反応を開始させた。添加開始より30
分間は、溶液の温度を常時測定しながら反応容器Eを氷
水浴中で冷却することにより、溶液の温度を3℃に維持
した。なお、この30分間の期間中に、溶液の色は暗赤
色から薄黄色に変化した。添加開始より30分後、この
溶液の一部を採取し、含まれる生成ポリマーをメタノー
ル中で沈殿させ、回収した。この時点で形成されたポリ
マー(ポリブタジエン)をH−NMRおよびGPCに
て分析した結果は以下のとおりであった。
【0083】数平均分子量(Mn):2,800 分子量分布(Mw/Mn):1.17(1ピーク)
【0084】得られた上記溶液の残部を、冷却を停止し
て室温下に置き、さらに5時間攪拌を継続することによ
り、重合反応を継続させた。なお、この間に溶液の温度
は重合熱により最高32℃まで上昇した。このようにし
て、α,ω−ジリチオポリブタジエン溶液を得た。この
溶液の一部を採取し、含まれる生成ポリマーをメタノー
ル中で沈殿させ、濾過し、乾燥して回収した。得られた
ポリブタジエンをH−NMRおよびGPCにて分析し
た結果は以下のとおりであった。
【0085】数平均分子量(Mn):41,000 分子量分布(Mw/Mn):1.13(1ピーク) ブタジエンの1,2−結合率:41%
【0086】上記反応容器E中のα,ω−ジリチオポリ
ブタジエン溶液の残部に、スチレン20.4g(0.1
96モル)を添加し、40℃で1時間、重合反応を行っ
た。次いで、反応容器Eにメタノール1ミリリットルを
添加することにより、重合を停止させた。この溶液の一
部を採取し、含まれる生成ポリマーをメタノール中で沈
殿させ、濾過し、乾燥して回収した。生成したポリマー
(SBSブロックコポリマー)をH−NMRおよびG
PCにて分析した結果は以下のとおりであった。
【0087】 ポリスチレン部の数平均分子量(Mn):8,400 ポリブタジエン部の数平均分子量(Mn):41,00
0 分子量分布(Mw/Mn):1.15(1ピーク) ブタジエンの1,2−結合率:41%
【0088】参考例1(SBSブロックコポリマーの水
素添加反応例) 反応容器Fに、オクチル酸ニッケルのトルエン溶液(濃
度:6.2重量%)7.5ミリリットルとトリイソブチ
ルアルミニウムのトルエン溶液(濃度:20重量%)2
7.3ミリリットルを室温で添加し、30分間攪拌下に
反応させることにより、水素添加反応用の触媒溶液を得
た(以下、これを溶液(f)と称する)。上記実施例2
で得られた反応容器E中のSBSブロックコポリマー溶
液の残部に、溶液(f)の内の7ミリリットルを添加
し、水素圧1MPa、温度70℃の条件下で攪拌下に6
時間反応を続けることにより、SBSブロックコポリマ
ーの水素添加を行った。反応終了後、30重量%過酸化
水素水1.6ミリリットルおよびクエン酸1.3gを水
30ミリリットルに溶解することにより事前に調製した
溶液を、反応容器Eに添加し、攪拌下に70℃で2時間
反応させることによって、触媒を失活させた。得られた
溶液を水で洗浄した後、生成ポリマーをメタノール中で
沈殿させ、濾過し乾燥して回収した。得られたポリマー
(SBSブロックコポリマーの水素添加物)をH−N
MRにて分析した結果、ポリブタジエン部の水素添加率
は97%であった。また、得られたポリマーを210℃
で圧縮成形して作製した試料は、引張強さ31MPa、
破断点伸び率700%を示した。
【0089】比較例1(α,ω−ジリチオポリブタジエ
ンを経由するα,ω−ジヒドロキシポリブタジエンの製
造例) 反応容器B中の重合開始剤溶液にブタジエンを5℃の冷
却条件下で添加した後、その温度を維持させるための管
理を行うことなく、室温で4時間の重合を行った以外は
実施例1と同様にして、反応(重合および官能化)、後
処理および分析の各操作を行った。なお、ブタジエンの
添加後での室温条件下における重合中、溶液の温度は重
合熱により最高39℃まで上昇した。得られた2官能性
ポリブタジエンをH−NMRおよびGPCにて分析し
た結果は以下のとおりであった。
【0090】数平均分子量(Mn):34,000 分子量分布(Mw/Mn):1.62(2ピーク) functionality(1分子当たりの官能基
数):1.6 ブタジエンの1,2−結合率:41%
【0091】比較例2(α,ω−ジリチオSBSブロッ
クコポリマーを経由するSBSブロックコポリマーの製
造例) 反応容器E中の重合開始剤溶液にブタジエンを3℃の冷
却条件下で添加した後、その温度を維持させるための管
理を行うことなく、室温で5時間の重合を行った以外は
実施例2と同様にして、反応(ブタジエンの重合および
スチレンの重合)、後処理および分析の各操作を行っ
た。なお、ブタジエンの添加後での室温条件下における
重合中、溶液の温度は重合熱により最高31℃まで上昇
した。
【0092】得られたSBSブロックコポリマーを
−NMRおよびGPCにて分析した結果は以下のとおり
であった。
【0093】 ポリスチレン部の数平均分子量(Mn):8,900 ポリブタジエン部の数平均分子量(Mn):43,00
0 分子量分布(Mw/Mn):1.73(2ピーク) ブタジエンの1,2−結合率:40%
【0094】比較参考例1(SBSブロックコポリマー
の水素添加反応例) 実施例2で得られたSBSブロックコポリマー溶液の代
わりに比較例2で得られたSBSブロックコポリマー溶
液を使用した以外は参考例1と同様にして、水素添加反
応、後処理、分析および評価の各操作を行った。得られ
たポリマー(SBSブロックコポリマーの水素添加物)
H−NMRにて分析した結果、ポリブタジエン部の
水素添加率は97%であった。また、圧縮成形で作製し
た試料は、引張強さ25MPa、破断点伸び率740%
を示した。
【0095】
【発明の効果】本発明によれば、上記の実施例から明ら
かなとおり、2官能性重合開始剤の調製時に第3級アミ
ンの使用は不必要であり、モノマー濃度が高い重合条件
を採用する場合であっても、α,ω−ジリチオポリマー
を狭い分子量分布で、かつ正確に制御された分子量で製
造することができる。しかも、得られたα,ω−ジリチ
オポリマーは、次に、脱リチオ化、官能化、水素添加等
の処理に付することにより、良好な物性を有するブロッ
クコポリマー、2に近い高いfunctionalit
yを有するテレケリックポリマー等の各種のポリマーに
変換される。したがって、本発明によって、α,ω−ジ
リチオポリマーまたはそれから誘導される各種ポリマー
の工業的に有利な製造方法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J015 DA02 4J100 AB00Q AB01Q AB03Q AB04Q AB07Q AL03Q AL04Q AL05Q AL08Q AL92Q AS01P AS01Q AS02P AS02Q AS03P AS03Q AS04P AS04Q BA03H BA05Q BA16H BA29H BA52H BC04Q BC43Q CA04 CA31 DA01 FA02 FA08 FA19 FA35 HA55 HA61 HB07 HB35 HC16 HC17 HC18 HC19 HC25 HC39 HC63 HC72 HD00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非極性炭化水素を主体とする有機溶媒
    中、1,3−ジイソプロペニルベンゼンおよび単官能性
    有機リチウム化合物を、該1,3−ジイソプロペニルベ
    ンゼン:該単官能性有機リチウム化合物の使用量のモル
    比が約1:2となる割合で反応させ、得られた反応混合
    液に、共役ジエンモノマーを包含するモノマーを添加し
    重合させることからなるα,ω−ジリチオポリマーの製
    造方法において、 (1)該有機溶媒が脂肪族エーテルを2〜40容量%の
    割合で含み; (2)該反応混合液へのモノマーの添加により開始され
    る重合工程における少なくとも初期の30分間は共役ジ
    エンモノマーの重合を行い;かつ (3)該重合工程開始より30分間の期間中において反
    応混合液の温度を−20℃〜15℃の範囲内の温度に維
    持する;ことを特徴とするα,ω−ジリチオポリマーの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 該1,3−ジイソプロペニルベンゼンと
    該単官能性有機リチウム化合物との反応を−20℃〜5
    0℃の範囲内の温度で行う請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 該重合工程開始より30分間以上経過し
    た時点で、該共役ジエンモノマーおよび/または他のモ
    ノマーを添加し重合させる請求項1または2記載の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 該重合工程開始より30分間以上経過し
    た時点で、ビニル芳香族モノマーを主体とするモノマー
    を添加し重合させる工程を含む請求項3記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 非極性炭化水素を主体とする有機溶媒
    中、1,3−ジイソプロペニルベンゼンおよび単官能性
    有機リチウム化合物を、該1,3−ジイソプロペニルベ
    ンゼン:該単官能性有機リチウム化合物の使用量のモル
    比が約1:2となる割合で反応させ、得られた反応混合
    液に、共役ジエンモノマーを包含するモノマーを添加し
    数平均分子量が2万以上に到達する条件下で重合させる
    ことからなるα,ω−ジリチオポリマーの製造方法にお
    いて、 (1)該有機溶媒が脂肪族エーテルを2〜40容量%の
    割合で含み; (2)該反応混合液へのモノマーの添加により開始され
    る重合工程における少なくとも初期の30分間は共役ジ
    エンモノマーの重合を行い;かつ (3)該重合工程開始より30分後の時点における生成
    共役ジエンポリマーの数平均分子量が1万以下となるよ
    うに条件制御する;ことを特徴とするα,ω−ジリチオ
    ポリマーの製造方法。
  6. 【請求項6】 該1,3−ジイソプロペニルベンゼンと
    該単官能性有機リチウム化合物との反応を−20℃〜5
    0℃の範囲内の温度で行う請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 該重合工程開始より30分間以上経過し
    た時点で、該共役ジエンモノマーおよび/または他のモ
    ノマーを添加し重合させる請求項5または6記載の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 該重合工程開始より30分間以上経過し
    た時点で、ビニル芳香族モノマーを主体とするモノマー
    を添加し重合させる工程を含む請求項7記載の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の製
    造方法で得られたα,ω−ジリチオポリマーにプロトン
    性化合物を反応させることからなるポリマーの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の
    製造方法で得られたα,ω−ジリチオポリマーに官能化
    剤を反応させることからなるテレケリックポリマーの製
    造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007506841A (ja) * 2003-09-24 2007-03-22 クレイトン・ポリマーズ・リサーチ・ベー・ベー アニオン重合ジイニシエーターおよびその調製方法
WO2023276741A1 (ja) * 2021-06-30 2023-01-05 株式会社クラレ 水添共役ジエン系グラフト重合体、その製造方法、重合体組成物、成形品及び架橋物
WO2023276742A1 (ja) * 2021-06-30 2023-01-05 株式会社クラレ 共役ジエン系グラフト重合体及びその製造方法、潤滑油添加剤、粘度指数向上剤、摩擦抑制剤、並びに油組成物

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