JP2001064203A - 唾液分泌促進組成物 - Google Patents

唾液分泌促進組成物

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JP2001064203A JP24139499A JP24139499A JP2001064203A JP 2001064203 A JP2001064203 A JP 2001064203A JP 24139499 A JP24139499 A JP 24139499A JP 24139499 A JP24139499 A JP 24139499A JP 2001064203 A JP2001064203 A JP 2001064203A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規唾液分泌促進組成物を提供する。 【解決手段】 PAR-2を活性化させる成分を含むことを
特徴とする唾液分泌促進組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、唾液分泌促進組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】唾液腺は咀嚼、消化、味覚および正常な
粘膜の維持に必要な唾液分泌ならびにホルモンや成長因
子の産生などの機能を有し、体の恒常性の維持に重要な
役割を担っている。唾液分泌が低下する原因には様々な
要因があるが、主としてシェーグレン症候群、糖尿病、
肝硬変、腎疾患などの内科疾患、加齢による分泌機能低
下、エイズ、唾液腺の器質的変化を起こす各種疾患、癌
治療における放射線照射および各種薬物による副作用な
どが挙げられる。唾液分泌が低下することによる口腔内
乾燥症により、咀嚼障害、嚥下困難、味覚異常、口臭発
生、口腔内不快感および感染症または炎症の発生などの
症状が現れる。特に、唾液腺の機能が低下した老人に、
副作用として唾液分泌抑制作用を有する薬物を投与する
際には注意が必要である。
【0003】上記した症状を呈する口腔内乾燥症に対し
て、人工唾液(特公昭55−26121号、特公昭55
−26122号、特公平6−84309号、特公昭56
−16125号)、有機酸製剤(特開平7−10185
6号、特開平11−71253号)、キシリトール製剤
(特開平3−83920号)、ピロカルピン製剤(特開
平7−126163号)および漢方製剤(特開平10−
152426号)を用いる治療方法が報告されている。
しかし、口腔乾燥症は原因と症状が多岐にわたっている
ため、満足のいく唾液分泌量を得ることが難しかった。
【0004】唾液腺には多数の受容体が存在することが
報告されている。例えば、α受容体としては、α1A(Sc
hramm, M. et al., J. Cyclic Nucleotide Res., 1, 18
1-192, 1975)、α1B(Porter, J. E. et al., J. Phar
macol. Exp. Ther., 263, 1062-1067, 1992)、および
α2D(Miller, G. D. et al., Biochem. Pharmacol.,3
1, 2197-2199, 1982;Smith, K. et al., Eur. J. Phar
macol., 219, 203-210,1992;Laniar, S. M. et al.,
J. Biol. Chem., 266, 10470-10478, 1991)、β受容体
としては、β1(Quissell, D. O. et al., Am. J. Phys
iol, 238, C99-C106, 1980;Miyamoto, A. et al., Jp
n. J. Pharmacol., 38, 305-311, 1985;Helman, J. et
al., J. Biol. Chem., 261, 8919-8923, 1986)、およ
びβ2(Horn, V. J. et al., J. Biol. Chem., 263, 12
454-12460, 1988)、ムスカリン受容体としては、M3(D
ai, Y. S. et al., Am. J. Physiol., 26, C1063-C107
3, 1991;Laniyonu, A. et al., Eur. J. Pharmacol.,
188, 171-174, 1990)、タキキニン受容体としては、NK
-1(Aub, D. L. et al., Biochem. J., 255, 263-266,
1985)、NK-2およびNK-3(Mussap, C. J. et al., Ann.
N.Y. Acad. Sci., 636, 447-451, 1991)、ならびにVI
P(vasoactive intestinal peptide)受容体(Inoue,
Y. et al., Endocrinology, 116, 686-692, 1985)、プ
リン受容体としては、P2Z(Gallacher, D. V., Nature,
296, 83-86, 1982;Soltoff, S. P. etal., Am. J. Ph
ysiol., 262, C934-C940, 1992)、P2U(Yu, H. et a
l., J. Phrmacol. Exp. Ther., 259, 1344-1350, 199
1)、インシュリン受容体(Turyn, D. et al., Biochi
m. Biophys. Acta, 845, 333-342, 1985;Anderson, L.
C. etal., Archs. Oral Biol., 37, 331-336, 199
2)、およびビタミンD受容体(Peterfy, C. et al., Bi
ochim. Biophys. Acta, 721, 158-163, 1982)、ヒスタ
ミン受容体としては、H1(Saeki, K. et al., Arch. In
t. Pharmacodyn. Ther., 255, 4-15, 1982)、H2(Sek
i, K. et al., Arch. Int. Pharmacodyn. Ther., 249,
52-63, 1981)、ドーパミンのD1受容体(Sundstrom, S.
et al., Eur. J. Pharmacol., 145, 123-131, 198
8)、ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体(Cantin,
M. et al., Histochemistry, 80, 113-127, 1984;Jean
del, L. et al., Am. J. Physiol., 257, E675-E680, 1
989)、およびGABAA受容体(Yamagishi, H.et al., Ca
n. J. Physiol. Pharmacol., 72, Suppl.P13.3, 1994;
Anholt, R.D. H. et al., J. Pharmacol. Exp. Ther.,
233, 517-526, 1985)の存在が明らかとなっており、セ
ロトニン受容体、オピオイド受容体、エンドセリン受容
体およびプロスタグランジン受容体の存在も報告されて
いる。
【0005】上記のように、唾液腺には多種多様の受容
体が存在するため、唾液腺は様々な薬物により影響を受
ける。従って、薬物投与時に副作用として口腔乾燥症が
起こる可能性は極めて高い。上記の受容体を標的とした
口腔乾燥症治療薬の開発が試みられているが、現在のと
ころ、ムスカリン受容体を標的とする薬物のみが報告さ
れている。ムスカリン受容体を標的とする薬物としては
ベタネコールが挙げられるが、これについては頭痛、顔
面紅潮、心悸亢進、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、発汗など
の広範な副作用が生じることが知られていた。
【0006】一般に高齢者や小児は嚥下能力が低く、錠
剤など成形錠剤の服用が困難である。しかし、成形錠剤
は、散剤または顆粒剤に比較して、利用者にとって扱い
やすいため、服用後、速やかに口腔内で崩壊し、高齢者
や小児にも容易に服用できる成形錠剤の開発が望まれて
いた。さらに、水なしでも容易に服用できる固形医薬製
剤の開発が望まれていた。
【0007】現在までに開発された口腔内易崩壊性製剤
としては、特開平11−12161号、特開平9−71
523号、特開平10−182436号、特開平11−
137208号、特開平11−116464号などがあ
る。しかし、これら公報に開示されている口腔内易崩壊
性製剤は、製剤自体の改良によって口腔内での易崩壊性
を得るものであり、唾液量が少ない高齢者にとっては、
満足した崩壊性が得られなかった。
【0008】一方、口腔内難崩壊性製剤または難溶解性
製剤としては、トローチ剤およびバッカル錠などがあ
る。トローチ剤は、口腔、咽頭などに適用し、収れん、
殺菌、清浄などの局所作用を期待するものであるが、唾
液分泌が不十分であると、満足のいく上記の効果が得ら
れない。また、バッカル錠は口腔内の頬側壁に固定し、
唾液によって溶解させ、口腔粘膜から吸収させるように
したものであるが、唾液分泌が不十分であると、十分な
効果が期待できない。
【0009】上記のように、これまでに公知の唾液腺に
存在する受容体を標的とし、満足のいく唾液分泌促進剤
が得られないことから、公知のメカニズムとは全く異な
った経路を標的とする唾液分泌促進組成物の開発が望ま
れていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来の唾液分泌促進剤に関する問題点を解決するもの
であり、従来の唾液分泌促進剤とは全く異なった作用機
序を介する、新規唾液分泌促進組成物を提供することを
目的とする。
【0011】さらに、本発明は、唾液分泌量が少ない患
者にトローチ剤およびバッカル錠などの口腔内難崩壊性
固形製剤を投与する場合ならびに口腔内易崩壊性固形製
剤を投与する場合に存在していた問題点を解決すること
を目的とする。詳細には、本発明は、医薬品製剤の効果
を高めるために、本発明の唾液分泌促進成分を配合した
固形製剤、または固形製剤と併用される唾液分泌促進組
成物を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、唾液分泌
促進組成物として好ましい薬剤を開発すべく研究を行
い、唾液腺にProtease-activated receptor(PAR)が存
在することを見出し、PARの1つであるPAR-2が唾液腺に
存在していることを初めて証明した。かくして、本発明
者らは、PAR-2に対するアゴニストが唾液分泌促進組成
物として有効であることを見出した。
【0013】すなわち、本発明は、(1)PAR-2を活性
化させる成分を含むことを特徴とする唾液分泌促進組成
物、(2)成分がペプチドである上記(1)記載の唾液
分泌促進組成物、(3)ペプチドがSer-Leu-Ile-Gly-Ar
g-Leu-NH2(配列番号4)、Ser-Leu-Ile-Gly-Arg-Leu-O
H(配列番号6)およびtrans-シンナモイル-Leu-Ile-Gl
y-Arg-Leu-オルニチン-NH2(配列番号7)からなる群よ
り選択されることを特徴とする上記(2)記載の唾液分
泌促進組成物、(4)成分がタンパク質である上記
(1)記載の唾液分泌促進組成物、(5)タンパク質が
トリプシンおよび/またはトリプターゼである上記
(4)記載の唾液分泌促進組成物、(6)成分の失活化
または分解を阻害する物質を併用および/または配合す
ることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記
載の唾液分泌促進組成物、(7)物質がアマスタチンで
ある上記(6)記載の唾液分泌促進組成物、を提供する
ものである。
【0014】
【発明の実施の形態】上記のように、本発明は、PAR-2
が唾液腺に存在し、このPAR-2の活性化によって唾液の
分泌が促進されるという本発明者らによって初めて見出
された知見に基づいている。
【0015】「PAR-2を活性化させる成分」は、PAR-2を
活性化する能力を有する、いずれかの天然に存在するか
または人工的に合成された物質をいい、例えば、ペプチ
ド、タンパク質、他の化合物などを包含する。詳細に
は、PAR-2を活性化させる成分としては、例えば、天然
のPAR-2活性化タンパク質であるトリプシンおよびトリ
プターゼ、ヒトPAR-1の切断部位のアミノ酸配列に基づ
いて合成され、PAR-1活性化能力も有するペプチドであ
るSer-Phe-Leu-Leu-Arg-NH2(配列番号1)、ラットPAR
-2の切断部位のアミノ酸配列に基づいて合成されたペプ
チドであるSer-Leu-Ile-Gly-Arg-Leu-NH2(配列番号
4)およびSer-Leu-Ile-Gly-Arg-Leu-OH(配列番号
6)、ならびにPAR-2を特異的に活性化することが報告
されているペプチドであるtrans-シンナモイル-Leu-Ile
-Gly-Arg-Leu-オルニチン-NH2(配列番号7)が挙げら
れる。さらに、PAR-2に対する抗体またはそのフラグメ
ントも、PAR-2を特異的に活性化するタンパク質または
ペプチドとなる可能性がある。
【0016】種々の物質を、いずれかの公知の方法に従
ってPAR-2を活性化する能力についてスクリーニングす
ることによって、PAR-2を活性化する成分を得てもよ
い。例えば、PAR-2と試験物質との相互作用を、放射性
同位元素での標識または表面プラズモン共鳴などを使用
して直接的に検出することによって、PAR-2と結合する
物質をスクリーニングすることができる。PAR-2を発現
する細胞または組織におけるPAR-2の活性化によって引
き起こされる生物学的活性を指標として、PAR-2を介す
るシグナル伝達を誘導する物質をスクリーニングしても
よい。さらに、下記の唾液量の測定方法を使用して、唾
液分泌促進作用を示す物質をスクリーニングすることが
できる。PAR-2の活性化についてのアッセイは、例え
ば、Hollenberg,M.D., Can. J. Physiol. Pharmacol.,
75, 832-841 1997およびKawabata, A.,J. Pharmacol. E
xp. Ther., 288, 358-70 1999に記載されている。受容
体に結合してこれに作用する物質(すなわち、アゴニス
ト)についてのスクリーニング方法は当該分野において
周知である(例えば、Hollenberg, M.D., Trends Pharm
acol. Sci., 20, 271-273 1999;Dery, O., Am. J. Phy
siol., 274, C1429-52 1998;Kawabata, A., J. Pharma
col. Exp. Ther., 288, 358-70 1999を参照のこと)。
【0017】ここで用いる「ペプチド」なる用語は、オ
リゴペプチドおよび比較的短いポリペプチドをいう。ペ
プチドは、例えば2〜40アミノ酸残基、好ましくは3
〜20アミノ酸残基、より好ましくは5〜15アミノ酸
残基を含む。ペプチドは天然に存在するものであっても
よく、または化学的に合成されたものでもよい。ペプチ
ドは、例えば、Carpino, L. A. et al., J. Org. Che
m., 37, 3404-3409, 1972に記載されるような公知の方
法に従って合成することができる。ペプチドを組換えD
NA技術を使用して製造することも可能である。さら
に、ペプチドは修飾または非天然アミノ酸残基を含んで
いてもよい。
【0018】ここで用いる「タンパク質」なる用語は、
ペプチドに比較してより長いポリペプチドをいう。タン
パク質は天然供給源から精製されたものであってもよ
く、またはこのタンパク質をコードするDNAを含む組
換え宿主細胞を培養することによって製造してもよい。
ペプチドと同様に、タンパク質を化学的に合成すること
も可能である。タンパク質は修飾または非天然アミノ酸
残基を含んでいてもよい。
【0019】PAR(Protease-activated receptor)は7
回膜貫通型のGタンパク質共役受容体に属し、プロテア
ーゼによって活性化される受容体であることが知られて
いる(Hollenberg, M.D., Trends Pharmacol. Sci., 1
7, 3-6, 1996;Hollenberg, M.D., Trends Pharmacol.
Sci., 20, 271-273, 1999)。PARはプロテアーゼによっ
て、細胞外ドメイン中の特定のN末端の部位で切断さ
れ、新たなN末端を露出させる。新たに露出したN末端
が鎖状リガンドとなって自身の活性部位に結合すること
により、受容体の活性化が起こるものと考えられている
(Hollenberg, M.D., Trends Pharmacol. Sci., 17, 3-
6, 1996;Hollenberg, M.D., Trends Pharmacol. Sci.,
20, 271-273, 1999;Vu, T.K. et al., Cell, 64, 105
7-68, 1991)。
【0020】PARには4つのサブタイプPAR-1、PAR-2、P
AR-3およびPAR-4が知られており、それぞれ機能が異な
ることが報告されている。PAR-1、PAR-3およびPAR-4は
トロンビンによって活性化され(Vu, T. K. et al., Ce
ll, 64, 1057-1063, 1991;Hollenberg, M.D., Trends
Pharmacol. Sci., 17, 3-6, 1996;Ishihara, H. eta
l., Nature, 386, 502-6, 1997;Kahn, M. L. et al.,
Nature, 394, 690-4, 1998;Xu, W. F. et al., Proc.
Natl. Acad. Sci. USA, 95, 6642-6, 1998)、PAR-2は
トリプシン(Nystedt, S. et al., Proc. Natl. Acad.
Sci. USA, 91, 9208-12, 1994;Molino, M. et al., J.
Biol. Chem., 272, 6011-7, 1997)およびトリプター
ゼ(Molino, M. et al., J. Biol. Chem., 272, 6011-
7, 1997;Fox, M. T. et al., FEBS Lett, 417, 267-9,
1997)によって活性化されることが判明している。
【0021】PAR-1(Vu, T.K. et al., Cell, 64, 1057
-1063, 1991)、PAR-2(Nystedt, S. et al., Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA, 91, 9208-12, 1994)、PAR-3(Is
hihara, H. et al., Nature, 386, 502-6, 1997)およ
びPAR-4(Kahn, M. L. et al., Nature, 394, 690-4, 1
998;Xu, W. F. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA,
95, 6642-6, 1998)のアミノ酸配列における切断部位
が知られている。PAR-1、PAR-2およびPAR-4に関して
は、切断部位の活性アミノ酸配列に基づいて合成した5
〜6個のアミノ酸からなる合成ペプチドを外因性に与え
ることにより、これらの受容体が活性化されることも知
られている(Vu, T.K. et al., Cell, 64, 1057-68, 19
91;Nystedt, S. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. US
A, 91, 9208-12, 1994;Ishihara, H. et al., Nature,
386, 502-6, 1997;Kahn, M. L. et al., Nature, 39
4, 690-4, 1998;Xu, W. F. et al., Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA, 95, 6642-6, 1998;Dery, O. et al., A
m. J. Physiol., 274, C1429-52, 1998)。
【0022】PAR-2を介する細胞内シグナルの作用の1
つとして、イノシトール1,4,5−トリリン酸(IP
3)およびプロテインキナーゼC系の活性化が知られて
いる(Hollenberg, M.D., Trends Pharmacol. Sci., 2
0, 271-273, 1999;Dery, O. etal., Am. J. Physiol.,
274, C1429-52, 1998;Zheng, X. L. et al., J Pharm
acol Exp Ther, 285, 325-34, 1998)。
【0023】 PAR-2の作用に関しては、炎症反応(Cir
ono, G. et al.,J. Exp. Med., 183, 821-827, 1996;K
awabata, A et al., Br. J. Pharmacol.,125, 419-422,
1998)、胃、血管および気管の収縮および弛緩作用(S
aifeddine, M. et al., Br. J. Pharmacol., 118, 521-
531, 1996;Moffatt, J. D. et al., Br. J. Pharmaco
l., 125, 591-594, 1998;Cocks, T. M. et al., Natur
e,398, 156-160, 1999;Hollenberg, M. D. et al., Ca
n. J. Physiol. Pharmacol., 75, 832-884, 1997)など
が報告されている。PAR-2は、前立腺、小腸、結腸、肝
臓、腎臓および膵臓での発現が報告されている(Stepha
n, K. B. et al., Biochem. J., 341, 1009-1016, 199
6)。しかし、PAR-2が耳下腺において発現していること
および唾液の分泌に関与していることについての報告は
現在までに存在せず、本発明者らによって初めて証明さ
れたのである。
【0024】PAR-2(またはPAR-1)の組織または細胞に
おける発現は、PAR-2(またはPAR-1)をコードする遺伝
子またはcDNAのヌクレオチド配列に基づいて設計したプ
ライマーを使用して、目的の供給源から抽出した全RNA
またはmRNAを鋳型としてRT-PCR(reverse transcriptas
e-polymerase chain reaction)を実施し、増幅された
所定の大きさのバンドを検出することによって、転写レ
ベルで決定することができる。PAR-2(またはPAR-1)転
写物の存在は、抽出したRNAおよび標識した特異的プロ
ーブを使用してノーザンブロッティングを実施すること
によっても検出可能である。あるいは、PAR-2(またはP
AR-1)に特異的な抗体(ポリクローナルまたはモノクロ
ーナル)を使用して、発現しているPAR-2(またはPAR-
1)タンパク質を検出してもよい。
【0025】ここで用いる唾液腺なる用語は、唾液を分
泌する腺の総称であり、特記しない限り、大唾液腺(耳
下腺,顎下腺,舌下腺)および小唾液腺(口唇腺,頬
腺,口蓋腺,臼歯腺,舌腺)全体をいう。
【0026】唾液腺から分泌される唾液の量は、公知の
方法(Takeda, Y. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. US
A, 86, 392-396, 1989;Snider, R. M. et al., Proc.
Natl. Acad. Sci. USA, 88, 10042-10044, 1991)に従
ってインビボで測定することができる。詳細には、マウ
スまたはラットをウレタンで麻酔し、口腔内にあらかじ
め重量を測定しておいたボール状の脱脂綿を挿入し、一
定時間放置した後、その脱脂綿を回収し、重量を測定
し、挿入前と挿入後の重量差を唾液量とする。試験物質
を投与した際に、統計的に有意な唾液量の増加が観察さ
れれば、この物質は唾液分泌促進作用を有する。
【0027】分泌された唾液の性質は、例えば、唾液中
のナトリウムイオンおよびカリウムイオンを自動分析装
置(例えば、664, Chiron, U.S.A.)を用いてイオン選
択電極法にて測定することによって、そして唾液中のア
ミラーゼ活性をアミラーゼBテストワコー(和光純薬工
業)のようなキットを用いて測定することによって決定
することができる。
【0028】PAR-2アゴニストによる唾液分泌促進作用
を、分泌されるアミラーゼを指標としてインビトロで測
定することもできる。例えば、ラット耳下腺スライスか
らのアミラーゼ分泌に対するPAR-2アゴニストの作用
を、Jahn, Rらの方法(Jahn, R., Eur.J.Biochem., 11
2, 345-352 (1980))に従って測定することができる。
詳細には、ラットを麻酔し、ラット耳下腺を取り出し、
これを細切し、その一部を栄養液に浮遊させインキュベ
ートする。インキュベーション後、栄養液を採取し、ア
ミラーゼ分泌量を測定する(自発分泌量)。その後、PA
R-2アゴニストを添加し、一定時間インキュベートし、
栄養液を再度採取して、アミラーゼ分泌量を測定する。
PAR-2アゴニスト添加後のアミラーゼ分泌量から自発分
泌量を差し引いた値を、PAR-2アゴニストの作用による
アミラーゼ分泌量とする。統計的に有意なアミラーゼ分
泌量の増加が観察されれば、このアゴニストはインビト
ロでの耳下腺からのアミラーゼ分泌を促進すると判断さ
れる。アミラーゼ活性の測定は、例えば、アミラーゼB
テストワコー(和光純薬工業)を使用して測定すること
ができる。このようにして測定されるインビトロ活性
は、インビボにおける唾液分泌促進活性と相関すること
が知られている。
【0029】PAR-2の活性化による唾液分泌促進作用の
メカニズムは、唾液分泌に関与し得る種々の経路に特異
的に作用する薬物の使用によって検討することができ
る。例えば、アトロピン(副交感神経遮断薬)、フェン
トラミン(交感神経α受容体遮断薬)、プロプラノロー
ル(交感神経β受容体遮断薬)、インドメタシン(プロ
スタグランジン生合成阻害薬)などを、本発明の唾液分
泌促進組成物の投与の前に動物に投与し、これらの薬物
の唾液分泌促進作用に対する影響を観察することによっ
て、自律神経系およびプロスタグランジン系の関与を検
討することができる。あるいは、PAR-2の活性化による
唾液分泌促進作用のメカニズムは、当業者に公知の方法
に従って、細胞内でPAR-2と相互作用し、PAR-2のシグナ
ル伝達に関与する分子を同定することによっても検討す
ることができる。
【0030】「唾液分泌促進組成物」は、PAR-2を活性
化させる成分を含む、唾液分泌促進作用が所望されるい
ずれかの製品であり、医薬品、医薬部外品、口腔用組成
物、食品などを包含する。本発明の唾液分泌促進組成物
をそのまま使用してもよく、または水に希釈するなどの
各種処理を施して使用してもよい。
【0031】唾液分泌促進組成物中のPAR-2を活性化さ
せる成分の配合量は製品の形態に応じて適宜選択される
が、通常、0.001〜50重量%、好ましくは0.01〜10重量
%である。配合量が0.001%より少ないと、満足する唾
液分泌促進作用が認められない可能性があり、また、50
%を越えると製品そのものの安定性または香味などの特
性が損なわれる可能性がある。
【0032】本発明の唾液分泌促進組成物は、医薬品で
あってもよい。そのような医薬品は、例えば、口腔乾燥
症の治療薬として、または唾液分泌量が少ない患者への
トローチ剤およびバッカル錠などの固形製剤の投与を容
易にするために使用され得る。経口投与する場合、投与
量として3mg/kg〜300mg/kgの範囲が好ましく、より好
ましくは10mg/kg〜100mg/kgである。また、口腔内に局
所適用する場合には、局所投与量として0.01mg/body〜1
0mg/bodyの範囲が好ましく、より好ましくは0.3mg/body
〜3mg/bodyである。全身投与を行う場合、特に静脈内
投与の場合には老若男女または体型などにより変動があ
るが、有効血中濃度が2μg/mL〜200μg/mL、より好ま
しくは5μg/mL〜100μg/mLの範囲となるように投与す
るのがよい。
【0033】投与経路として、上記の経口投与および口
腔内局所投与以外に、経粘膜投与、経皮投与、静脈内投
与、筋肉内投与、皮下投与、直腸内投与などを適宜選択
できる。
【0034】経口投与を行う場合の剤型として、散剤、
顆粒剤、カプセル剤、丸剤、錠剤、エリキシル剤、懸濁
剤、乳剤およびシロップ剤などを適宜選択することがで
きる。また、それら製剤に、下記のように、徐放化、安
定化、易崩壊化、難崩壊化、腸溶性化、易吸収化などの
修飾を施すことができる。また、口腔内局所投与を行う
場合の剤型として、咀嚼剤、舌下剤、バッカル剤、トロ
ーチ剤、軟膏剤、貼布剤、液剤などを選択することがで
きる。また、それら製剤に、下記のように、徐放化、安
定化、易崩壊化、難崩壊化、腸溶性化、易吸収化などの
修飾を施すことができる。
【0035】上記の各剤型の唾液分泌促進組成物を、公
知のドラッグデリバリーシステム(DDS)の技術を採用
して、DDS製剤化することができる。DDSは薬物の放出速
度制御および標的化の最適化を可能にする技術である。
「DDS製剤」とは、徐放化製剤、局所適用製剤(トロー
チ、バッカル錠、舌下錠など)、薬物放出制御製剤、腸
溶性製剤および胃溶性製剤などを包含し、投与経路、バ
イオアベイラビリティー、副作用などを勘案した上で、
最適の製剤形態にした製剤をいう。
【0036】公知のDDS製剤として、グラデュメット型
(Gradumet)、レペタブ型(Repetabs)、スパセタブ型
(Spacetabs)、スパンタブ型(Spantabs)、ロンタブ
型(Lontabs)、エクステンタブ型(Extentabs)および
タイムスパン型(Timespan)などがあり、これらの製造
方法に準じて本発明の唾液分泌促進組成物をDDS製剤化
することができる。
【0037】DDS製剤の例としては、浸透圧による薬物
放出制御型内服錠剤が挙げられる。浸透圧による薬物放
出制御型内服錠剤は、半過性膜によって覆われた浸透圧
性薬物核から構成される。半透過性膜表面にはレーザー
で小孔をあける。投与後に、消化管内の水がこの半透過
性膜を通過して錠剤中に入り、半透過性膜で覆われた内
部の薬物が溶解されて飽和薬物溶液が生じ、この飽和薬
物溶液が小孔を通って放出される。半透過性膜として
は、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体が使用さ
れ、その内部の浸透圧性薬物核中には、例えば、PAR-2
を活性化させる成分(例えば、SLp-NH2(下記))、グ
ルコースおよび結晶セルロースが含まれる。
【0038】DDS製剤の別の例としては、口腔粘膜吸収
製剤が挙げられる。口腔粘膜吸収製剤の1つの形態は、
着色支持層および粘膜付着層から構成される。着色支持
層は薬物を含まず、指をこの面に付けて装着する。着色
支持層中には、例えば、赤色3号、結晶セルロース、ス
テアリン酸マグネシウム、ポリビニルアセタールジエチ
ルアミノアセテートが含有される。粘膜付着層は主薬を
含有し、粘膜に強く付着する。粘膜付着層中には、例え
ば、架橋ポリアクリルアミド、PAR-2を活性化させる成
分(例えば、SLp-NH2)、結晶セルロース、ステアリン
酸マグネシウムが含有される。口腔粘膜吸収製剤の別の
形態は、層状に重ねられた、被膜(例えば、エチルセル
ロース)、被膜によって覆われた薬物貯蔵層(例えば、
PAR-2を活性化させる成分(例えば、SLp-NH2)、エタノ
ールおよび乳糖を含有する)、放出制御膜(例えば、酢
酸セルロース)、接着層(例えば、ポリアクリル酸)な
らびに接着時にはがす膜(例えば、ポリエチレン)から
構成される。口腔粘膜吸収製剤のさらなる形態は、薬物
放出を制御する重合膜(例えば、エチレン酢酸ビニル共
重合体)および重合膜(例えば、架橋ポリアクリルアミ
ド)によってはさまれた、口の中での製剤の位置を定め
るための縁に結合された薬物貯槽(例えば、PAR-2を活
性化させる成分(例えば、SLp-NH2)およびグルコース
を含有する)から構成される。
【0039】DDS製剤は、基本的に、有効成分としての
薬物、および治療プログラムに基づいて選択される薬物
放出モジュールから構成される。DDS製剤の各々の構成
要素は、特に、放出を停止させた後に速やかに血中濃度
が低下する、半減期の短い物質であることが好ましく、
投与部位の生体組織と反応しないことが好ましい。治療
プログラムは、設定された期間において最良の薬物濃度
を維持するように設計するのが好ましい。薬物放出モジ
ュールは、設計された治療プログラムを実現するように
選択され、基本的に、薬物貯蔵庫、放出制御部、エネル
ギー源および放出孔または放出表面を有している。これ
らの基本的構成要素は全て揃っている必要はなく、適宜
追加または削除などを行って、最良の形態を選択するこ
とができる。
【0040】DDS製剤の薬物放出モジュールに使用でき
る材料としては、高分子、シクロデキストリン誘導体、
レシチンなどがある。高分子には不溶性高分子(シリコ
ーン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニ
ルアルコール共重合体、エチルセルロース、セルロース
アセテートなど)、水溶性高分子およびヒドロキシルゲ
ル形成高分子(ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエ
チルメタクリレート架橋体、ポリアクリル架橋体、ポリ
ビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、水溶性セル
ロース誘導体、架橋ポロキサマー、キチン、キトサンな
ど)、徐溶解性高分子(エチルセルロース、メチルビニ
ルエーテル・無水マレイン酸共重合体の部分エステルな
ど)、胃溶性高分子(ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースナ
トリウム、マクロゴール、ポリビニルピロリドン、メタ
アクリル酸ジメチルアミノエチル・メタアクリル酸メチ
ルコポリマーなど)、腸溶性高分子(ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースフタレート、酢酸フタルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサ
クシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、アク
リル酸系ポリマーなど)、生分解性高分子(熱凝固また
は架橋アルブミン、架橋ゼラチン、コラーゲン、フィブ
リン、ポリシアノアクリレート、ポリグリコール酸、ポ
リ乳酸、ポリβヒドロキシ酢酸、ポリカプロラクトンな
ど)があり、剤型によって適宜選択することができる。
【0041】特に、シリコーン、エチレン・酢酸ビニル
共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、メチ
ルビニルエーテル・無水マレインサン共重合体の部分エ
ステルは、薬物の放出制御に使用でき、セルロースアセ
テートは浸透圧ポンプの材料として使用でき、エチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、メチルセルロースは徐放性
製剤の膜素材として使用でき、ポリアクリル架橋体は口
腔粘膜付着剤として使用できる。
【0042】医薬品製剤中にはその剤形に応じて、溶
剤、賦形剤、コーティング剤、基剤、結合剤、滑沢剤、
崩壊剤、溶解補助剤、懸濁化剤、粘稠剤、乳化剤、安定
剤、緩衝剤、等張化剤、無痛化剤、保存剤、矯味剤、芳
香剤、着色剤などの添加剤を加えて製造することができ
る。
【0043】そのような添加剤を、それぞれ具体例を挙
げて例示するが、これらに限定するものではない。 溶剤:精製水、注射用水、生理食塩水、ラッカセイ油、
エタノール、グリセリン、 賦形剤:デンプン類、乳糖、ブドウ糖、白糖、結晶セル
ロース、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、酸
化チタン、トレハロース、キシリトール、 コーティング剤:白糖、ゼラチン、酢酸フタル酸セルロ
ースおよび上記の高分子、 基剤:ワセリン、植物油、マクロゴール、水中油型乳剤
性基剤、油中水型乳剤性基剤、 結合剤:デンプンおよびその誘導体、セルロースおよび
その誘導体、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、トラガ
ント、アラビアゴムなどの天然高分子化合物、ポリビニ
ルピロリドンなどの合成高分子化合物、デキストリン、
ヒドロキシプロピルスターチ、 滑沢剤:ステアリン酸およびその塩類、タルク、ワック
ス類、コムギデンプン、マクロゴール、水素添加植物
油、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、 崩壊剤:デンプンおよびその誘導体、寒天、ゼラチン
末、炭酸水素ナトリウム、セルロースおよびその誘導
体、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルスタ
ーチ、カルボキシメチルセルロースおよびその塩類なら
びにその架橋体、低置換型ヒドロキシプロピルセルロー
ス、 溶解補助剤:シクロデキストリン、エタノール、プロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール、 懸濁化剤:アラビアゴム、トラガント、アルギン酸ナト
リウム、モノステアリン酸アルミニウム、クエン酸、各
種界面活性剤、 粘稠剤:カルメロースナトリウム、ポリビニルピロリド
ン、メチルセルロース、ホドロキシプロピルメチルセル
ロース、ポリビニルアルコール、トラガント、アラビア
ゴム、アルギン酸ナトリウム、 乳化剤:アラビアゴム、コレステロール、トラガント、
メチルセルロース、各種界面活性剤、レシチン、 安定剤:亜硫酸水素ナトリウム、アスコルビン酸、トコ
フェロール、キレート剤、不活性ガス、還元性物質、 緩衝剤:リン酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、ホウ
酸 等張化剤:塩化ナトリウム、ブドウ糖、 無痛化剤:塩酸プロカイン、リドカイン、ベンジルアル
コール、 保存剤:安息香酸およびその塩類、パラオキシ安息香酸
エステル類、クロロブタノール、逆性石けん、ベンジル
アルコール、フェノール、チロメサール、 矯味剤:白糖、サッカリン、カンゾウエキス、ソルビト
ール、キシリトール、グリセリン、 芳香剤:トウヒチンキ、ローズ油、 着色剤:水溶性食用色素、レーキ色素。
【0044】上記のように、徐放化製剤、腸溶性製剤ま
たは薬物放出制御製剤などのDDS製剤化することによ
り、薬物の有効血中濃度の持続化、バイオアベイラビリ
ティーの向上などの効果が期待される。しかし、PAR-2
を活性化させる成分は生体内で失活化または分解され、
その結果、所望の効果が低下または消失する可能性があ
る。例えば、PAR-2を活性化させる成分がペプチドであ
る場合、そのようなペプチドの多くは生体内においてア
ミノペプチダーゼにより分解されることが知られている
(Godin, D. et al., Eur. J. Pharmacol., 253, 225-3
0, 1994)。従って、PAR-2を活性化させる成分を失活化
または分解する物質を阻害する物質(例えば、アミノペ
プチダーゼを阻害する物質)を本発明の唾液分泌促進組
成物と併用することにより、成分の効果をさらに持続化
させ得る。
【0045】アミノペプチダーゼ阻害薬としては、アマ
スタチン、アファメニンA、アファメニンBおよびベス
タチンなどが知られている。これらの化合物を製剤中に
配合してもよく、または別々に投与してもよい。上記成
分がペプチドでない場合、当業者は適切に、この成分を
失活化または分解する物質を同定し、これを阻害する物
質を選択することができる。
【0046】本発明の唾液分泌促進組成物は、医薬部外
品または口腔用組成物であってもよい。例えば、PAR-2
を活性化させる成分を、歯磨中に含有させることにより
唾液分泌を促進させ、容易なブラッシングを可能にする
ことができる。あるいは、この成分を義歯安定剤中に含
有させることにより、適度な唾液分泌量を維持させるこ
とができ、その結果、義歯のズレによる痛みが無くな
り、さらにフィット感が増大する。
【0047】本発明の唾液分泌促進組成物を、例えば、
歯磨、洗口剤、口腔用軟膏、うがい用錠剤、トローチ、
咀嚼錠、口腔スプレー、人工唾液、貼布剤、パッチ剤、
舌下錠、徐放化製剤などとして、口腔内で適用すること
により、唾液の分泌を促進させることができる。
【0048】医薬部外品または口腔用組成物には、上記
の添加物以外に、通常の口腔用組成物に使用されている
成分を含めることができる。これらの成分の添加量は、
本発明の成分による唾液分泌促進作用を妨げない範囲
で、通常使用される量とすることができる。
【0049】歯磨類の場合には、上記成分に加えて、研
磨剤、粘結剤、粘稠剤、界面活性剤、流動性促進剤、甘
み剤、香料、着色剤、殺菌剤、pH調製剤などの各種添加
物を配合することができ、これらの成分を水と混合して
製造することができる。
【0050】そのような添加物を、それぞれ具体例を挙
げて例示するが、これらに限定するものではない。 研磨剤:沈降性シリカ、シリカゲル、アルミノシリケー
ト、ジルコノシリケートなどのシリカ系研磨剤、リン酸
カルシウム第二水和物または無水和物、ピロリン酸カル
シウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミ
ナ、炭酸マグネシウム、第三リン酸マグネシウム、ゼオ
ライト、ケイ酸ジルコニウム、ハイドロキシアパタイ
ト、合成樹脂系研磨剤、 粘結剤:カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒド
ロキシエチルセルロース、カラギーナン、アルギン酸ナ
トリウム、キサンタンガム、カーボポール、グアガムお
よびトラガントガムなどのガム類、モンモリロナイト、
ゼラチン、メチルセルロースなどのセルロース誘導体、
カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、シ
リカゲル、 粘稠剤:グリセリン、ソルビット、プロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、キシリット、マルチッ
ト、ラクチット、エチレングリコール、 界面活性剤:アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活
性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、具体的
には、ラウリル硫酸ナトリウム、α−オレフィンスルホ
ン酸ナトリウム、N−アシルサルコシネート、N−アシル
グルタメート、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N
−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、N−ア
シルタウレート、ショ糖脂肪酸エステル、アルキロール
アマイド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリ
セリン脂肪酸エステル、プルロニック、ポリオキシエチ
レンソルビタンモノステアレート、大豆レシチン、ポリ
ソルベート80、 流動性促進剤:軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウ
ムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウ
ム、 甘み剤:サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ステ
ビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ペ
リラルチン、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、 香料:1−メントール、カルボン、アネトール、リモネ
ンなどのテルペン類またはその誘導体、 着色剤:青色1号、黄色4号、二酸化チタン、赤色3
号、赤色102号、コチニール色素、ベンガラ、赤色3
号アルミニウムレーキ、 殺菌剤:塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウ
ム、塩酸クロロヘキシジン、グルコン酸クロロヘキシジ
ン、塩化デカリニウム、塩化ベンゼトニウム、臭化ドミ
フェン、トリクロサン、オイゲノール、チモール、アパ
タイト、ゼオライト、抗菌物質、 pH調製剤:炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムな
どの炭酸塩類、塩化カルシウムおよびグリセロリン酸カ
ルシウムなどの無機性カルシウム化合物、乳酸カルシウ
ムおよびクエン酸カルシウムなどの有機酸カルシウム化
合物、リン酸化合物などの緩衝剤。
【0051】上記の添加剤以外に、公知の有効成分を添
加することもできる。そのような有効成分としては、例
えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アン
モニウム、フッ化第1スズ、モノフルオロリン酸ナトリ
ウムなどのフッ化物、水溶性リン酸化物、アラントイン
クロルヒドロキシアルミニウム、ヒノキチオール、アス
コルビン酸、塩化リゾチーム、グルタミン酸、グリチル
リチン酸およびその塩類、塩化ナトリウム、硝酸カリウ
ム、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、酢
酸トコフェロール、各種ビタミン類、アズレン、銅クロ
ロフィリンナトリウム、グルコン酸銅などの銅化合物、
乳酸アルミニウム、塩化ストロンチウム、硝酸カリウ
ム、ベルベリン、ヒドロキサム酸およびその誘導体、ト
リポリリン酸ナトリウム、ゼオライト、デキストラナー
ゼ、ムタナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、溶菌酵
素、スーパーオキシドディスムターゼ、メトキシエチレ
ン、無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、
エピジヒドロコレステリン、ジヒドロコレステロール、
クエン酸亜鉛、トウキ、オウバク、チョウジ、グリチル
リチン酸類、ローズマリー、オウゴン、ベニバナなどの
抽出物、α−ビサボロール、クロルヘキシジン塩類、塩
化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、トリクロ
ロカルバニリド、ハイドロキシアパタイトなどが挙げら
れる。
【0052】義歯安定剤として使用する場合には、義歯
を固定するための主剤、本発明の成分および添加剤に加
えて、必要に応じて適宜他の成分を添加することができ
る。例えば、他の成分としては、無毒性油脂・ワックス
類、乳化剤、水不溶性粉体、湿潤剤、剥離性改良材、pH
調製剤、防腐剤、着色剤、香料などが挙げられる。それ
らに水などを加え、粉末状、ゴム状、ペースト状、液
状、シート状などの種々の剤形に加工することができ
る。
【0053】そのような主剤および他の成分を、それぞ
れ具体例を挙げて例示するが、これらに限定するもので
はない。 主剤:酢酸ビニル樹脂、カルボキシメチルセルロースナ
トリウム、カラヤガム、アラビアガム、トラガントガ
ム、タマリンドガム、ローカストビーンガム、グアガ
ム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、ゼラチ
ン、グルコマンナン、アルギン酸の塩およびプロピレン
グリコールエステル、ポリアクリル酸の金属塩、ポリエ
チレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、低級アルキルビニルエーテル/無水マレイ
ン酸共重合体およびその誘導体、 無毒性油脂・ワックス類:ワセリン、流動パラフィン、
ポリブテンなどの炭化水素類、植物性硬化油、ミツロ
ウ、キャンデリラワックス、マイクロクリスタリンワッ
クス、パラフィンロウ、カルナウバロウ、 乳化剤:ステアリン酸グリセリド類、ステアリン酸誘導
体、ショ糖脂肪酸エステル、 不溶性粉体:炭酸カルシウム、酸化チタン、リン酸水素
カリウム、シリカ、タルク、ゼオライト、ポリエチレン
およびポリプロピレンなどのプラスチックパウダー、セ
ルロースパウダー、 湿潤剤:エタノール、プロパノール、プロピレングリコ
ール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、
グリセリン、ジアセチルグリセリン、糖アルコール、 剥離改良剤:ポリプロピレングリコール、ポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレングリコール、アクリル系共
重合体、無毒性油脂・ワックス類。
【0054】本発明の唾液分泌促進組成物は、食品であ
ってもよい。唾液分泌促進作用が所望される食品として
は、例えば、キャンディー、チューインガムなどの菓子
類などが挙げられる。特に、のど飴にPAR-2を活性化さ
せる成分を含有させることにより、咽全体を潤すことが
でき、のど飴の効果が増大する。
【0055】チューインガム組成物には、公知のガムベ
ース原料および添加物を使用することができる。チク
ル、ジェルトン、ソルバ、酢酸ビニル樹脂、ポリイソブ
チレン、エステルガムなどの樹脂、ライスワックス、カ
ルナバワックス、マイクロワックスなどの天然ワック
ス、硬化油、炭酸カルシウム、タルクなどの充填剤、脂
肪酸グリセリンエステル、ソルビタンエステル、シュガ
ーエステルなどの乳化剤を使用することができる。ま
た、メントールおよびメントール配糖体も使用すること
ができる。さらに、グルコース、マンノース、ソルビト
ール、パラチノース、セロビオース、アスパルテーム、
サッカリンナトリウム、キシリトールなどの各種甘み
剤、ペパーミント油、ハッカ油、ローズマリー油、ペパ
ー油、ジャスミン油などのフレーバー、クエン酸、リン
ゴ酸、酢酸などの酸味剤、カロチノイド系、フラボノイ
ド系、ポリフィリン系などの着色剤、その他フラボノイ
ド、クロロフィルなどを使用してもよい。
【0056】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明は、これらに限定されるものでは
ない。
【0057】実施例1 各種ペプチドの合成方法 実施例に用いた各種ペプチド(Ser-Phe-Leu-Leu-Arg-NH
2(配列番号1)、Phe-Ser-Leu-Leu-Arg-NH2(配列番号
2)、Thr-Phe-Leu-Leu-Arg-NH2(配列番号3)、Ser-L
eu-Ile-Gly-Arg-Leu-NH2(配列番号4)、Leu-Ser-Ile-
Gly-Arg-Leu-NH2(配列番号5)、Ser-Leu-Ile-Gly-Arg
-Leu-OH(配列番号6)、trans-シンナモイル-Leu-Ile-
Gly-Arg-Leu-オルニチン-NH2(配列番号7))は、公知
の方法(Carpino, L. A. et al., J. Org. Chem., 37,
3404-3409, 1972)に準じて合成した。
【0058】Ser-Phe-Leu-Leu-Arg-NH2(SFp-NH2、配列
番号1)の合成方法 Fmoc-PAL-PEG-PS-resin(PEバイオシステムズ)を1.33g
(0.17meq/g)秤取し、これにジメチルホルムアミド10m
Lを加えて2〜3時間放置し、樹脂を膨張させた後、ペ
プチド合成用のカラムに充填した。
【0059】Fmoc-L-Arg(Pbf)-OH 519mg(PEバイオシス
テムズ)、Fmoc-L-Leu-OH 283mg(和光純薬工業)、Fmo
c-L-Leu-OH 283mg(和光純薬工業)、Fmoc-L-Phe-OH 30
5mg(和光純薬工業)、Fmoc-L-Ser(tBu)-OH 307mg(PE
バイオシステムズ)を試験管に秤量し、これにHATU(0-
(7-Azabenzotriazol-1-yl)-1,1,3,3-tetramethyl uroni
um hexafluorophosphate)(PEバイオシステムズ)を各
380mg加えた。上記のアミノ酸をC末端から順に並べ、
ペプチド合成機PIONEER(PEバイオシステムズ)を用い
て合成を行った。合成したペプチド−樹脂をTFA-H20-ph
enol-triisopropylsilane(8.8:0.5:0.5:0.2)の混合溶
液で3時間処理した後、樹脂を濾過し、濾液をエーテル
で再結晶し、粗ペプチドを得た。次に、この粗ペプチド
をHPLC(A:H2O中0.02%TFA、B:50%CH3CN中0.02%T
FA)に供し精製した。得られた画分を凍結乾燥して、Se
r-Phe-Leu-Leu-Arg-NH2を得た。
【0060】Phe-Ser-Leu-Leu-Arg-NH2(FSp-NH2、配列
番号2)の合成方法 上記方法に準じてペプチド合成用カラムを作製し、Fmoc
-L-Arg(Pbf)-OH 519mg(PEバイオシステムズ)、Fmoc-L
-Leu-OH 283mg(和光純薬工業)、Fmoc-L-Leu-OH 283mg
(和光純薬工業)、Fmoc-L-Ser(tBu)-OH 307mg(PEバイ
オシステムズ)、Fmoc-L-Phe-OH 305mg(和光純薬工
業)を試験管に秤量し、これにHATUを各380mg加えた。
上記のアミノ酸をC末端から順に並べ、ペプチド合成機
PIONEERを用いて合成を行った。合成したペプチド−樹
脂から上記方法により粗ペプチドを得、その後HPLCに供
し精製した。得られた画分を凍結乾燥して、Phe-Ser-Le
u-Leu-Arg-NH2を得た。
【0061】Thr-Phe-Leu-Leu-Arg-NH2(TFp-NH2、配列
番号3)の合成方法 上記方法に準じてペプチド合成用カラムを作製し、Fmoc
-L-Arg(Pbf)-OH 519mg(PEバイオシステムズ)、Fmoc-L
-Leu-OH 283mg(和光純薬工業)、Fmoc-L-Leu-OH 283mg
(和光純薬工業)、Fmoc-L-Phe-OH 305mg(和光純薬工
業)、Fmoc-L-Thr-OH 318mg(PEバイオシステムズ)を
試験管に秤量し、これにHATUを各380mg加えた。上記の
アミノ酸をC末端から順に並べ、ペプチド合成機PIONEE
Rを用いて合成を行った。合成したペプチド−樹脂から
上記方法により粗ペプチドを得、その後HPLCに供し精製
した。得られた画分を凍結乾燥して、Thr-Phe-Leu-Leu-
Arg-NH2を得た。
【0062】Ser-Leu-Ile-Gly-Arg-Leu-NH2(SLp-NH2、
配列番号4)の合成方法 上記方法に準じてペプチド合成用カラムを作製し、Fmoc
-L-Leu-OH 283mg(和光純薬工業)、Fmoc-L-Arg(Pbf)-O
H 519mg(PEバイオシステムズ)、Fmoc-L-Gly-OH 238mg
(BACHEM)、Fmoc-L-Ile-OH 283mg(和光純薬工業)、F
moc-L-Leu-OH283mg(和光純薬工業)、Fmoc-L-Ser(tBu)
-OH 307mg(PEバイオシステムズ)を試験管に秤量し、
これにHATU各380mg加えた。上記のアミノ酸をC末端か
ら順に並べ、ペプチド合成機PIONEERを用いて合成を行
った。合成したペプチド−樹脂から上記方法により粗ペ
プチドを得、その後HPLCに供し精製した。得られた画分
を凍結乾燥して、Ser-Leu-Ile-Gly-Arg-Leu-NH2を得
た。
【0063】Leu-Ser-Ile-Gly-Arg-Leu-NH2(LSp-NH2、
配列番号5)の合成方法 上記方法に準じてペプチド合成用カラムを作製し、Fmoc
-L-Leu-OH 283mg(和光純薬工業)、Fmoc-L-Arg(Pbf)-O
H 519mg(PEバイオシステムズ)、Fmoc-L-Gly-OH 238mg
(BACHEM)、Fmoc-L-Ile-OH 283mg(和光純薬工業)、F
moc-L-Ser(tBu)-OH 307mg(PEバイオシステムズ)、Fmo
c-L-Leu-OH 283mg(和光純薬工業)を試験管に秤量し、
これにHATU各380mg加えた。上記のアミノ酸をC末端か
ら順に並べ、ペプチド合成機PIONEERを用いて合成を行
った。合成したペプチド−樹脂から上記方法により粗ペ
プチドを得、その後HPLCに供し精製した。得られた画分
を凍結乾燥して、Ser-Leu-Ile-Gly-Arg-Leu-NH2を得
た。
【0064】Ser-Leu-Ile-Gly-Arg-Leu-OH(SLp-OH、配
列番号6)の合成方法 Fmoc-L-Leu-PEG-PS-resin(PEバイオシステムズ)を1.0
0g(0.21meq/g)秤取し、これにジメチルホルムアミド1
0mLを加えて2〜3時間放置し、樹脂を膨張させた後、
ペプチド合成用のカラムに充填した。
【0065】Fmoc-L-Arg(Pbf)-OH 519mg(PEバイオシス
テムズ)、Fmoc-L-Gly-OH 238mg(BACHEM)、Fmoc-L-Il
e-OH 283mg(和光純薬工業)、Fmoc-L-Leu-OH 283mg
(和光純薬工業)、Fmoc-L-Ser(tBu)-OH 307mg(PEバイ
オシステムズ)を試験管に秤量し、これにHATU各380mg
加えた。上記のアミノ酸をC末端から順に並べ、ペプチ
ド合成機PIONEERを用いて合成を行った。合成したペプ
チド−樹脂から上記方法により粗ペプチドを得、その後
HPLCに供し精製した。得られた画分を凍結乾燥して、Se
r-Leu-Ile-Gly-Arg-Leu-OHを得た。
【0066】trans-シンナモイル-Leu-Ile-Gly-Arg-Leu
-オルニチン-NH2(tcLp-NH2、配列番号7) 米国カルガリー大学医学部のHollenberg, M. D.教授よ
り御供与いただいた。
【0067】以下、実施例に用いたペプチドおよび他の
薬物について説明する。
【0068】既に報告されているヒトPAR-1アミノ酸配
列(Vu, T. K. et al., Cell, 64 (6), 1057-1068, 199
1)に基づいて、ヒトPAR-1に対するアゴニスト作用を有
するSer-Phe-Leu-Leu-Arg-NH2ペプチド(配列番号1)
(以下、「SFp-NH2」)(Hollenberg, M.D., Trends Ph
armacol. Sci., 17, 3-6, 1996;Hollenberg, M.D., Mo
lec. Pharmacol., 43, 921-930, 1993)を合成した。こ
のペプチド配列のSerとPheとを入れ替えることにより不
活性体となったPhe-Ser-Leu-Leu-Arg-NH2ペプチド(配
列番号2)(以下、「FSp-NH2」)(Kawabata, A. et a
l., J. Pharmacol. Exp. Ther., 288, 358-70, 1999;H
ollenberg, M.D., Molec. Pharmacol., 43, 921-930, 1
993)を合成した。SFp-NH2はPAR-2に対し弱いアゴニス
ト作用を示すことが知られているため(Kawabata, A. e
t al., J. Pharmacol. Exp. Ther.,288, 358-70, 199
9)、SerをThrに置換することによりPAR-1に対する特異
性を高めたThr-Phe-Leu-Leu-Arg-NH2ペプチド(配列番
号3)(以下、「TFp-NH2」)(Kawabata, A. et al.,
J. Pharmacol. Exp. Ther., 288, 358-70, 1999)を合
成した。
【0069】ラットPAR-2のアミノ酸配列(Saifeddine,
M. et al., Br. J. Pharmacol., 118 (3), 521-530, 1
996)に基づいて、ラットPAR-2に対するアゴニスト作用
を有するSer-Leu-Ile-Gly-Arg-Leu-NH2ペプチド(配列
番号4)(以下、「SLp-NH2」)(Hollenberg, M.D., T
rends Pharmacol. Sci., 17, 3-6, 1996;Nystedt, S.e
t al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 91, 9208-12, 19
94)を合成した。このペプチド配列のSerとLeuとを入れ
替えることにより不活性体となったLeu-Ser-Ile-Gly-Ar
g-Leu-NH2ペプチド(配列番号5)(以下、「LSp-NH
2」)(Hollenberg, M.D.; Trends Pharmacol. Sci., 1
7, 3-6, 1996;Nystedt, S. et al., Proc.Natl. Acad.
Sci. USA, 91, 9208-12, 1994)を合成した。SLp-NH2
のC末端がアミド化されていないSer-Leu-Ile-Gly-Arg-
Leu-OHペプチド(配列番号6)(以下、「SLp-OH」)を
合成した。
【0070】さらに、PAR-2を特異的に活性化すること
が報告されているtrans-シンナモイル-Leu-Ile-Gly-Arg
-Leu-オルニチン-NH2ペプチド(配列番号7)(以下、
「tcLp-NH2」)(Hollenberg, M. D. et al., Can J Ph
ysiol Pharmacol, 75, 832-41, 1997)を使用した。
【0071】実施例8以降に示す各種ペプチドは、個別
特記しない限り実施例1に準じて合成し得られたもので
ある。
【0072】使用した他の薬物は、アマスタチン(図中
「Amastatin」、ペプチド研)、アトロピン(図中「At
r」、Sigma社製)、フェントラミン(図中「Phe」、Sig
ma社製)、プロプラノロール(図中「Pro」、Sigma社
製)、インドメタシン(図中「Ind」、Sigma社製)、カ
ルバコール(Sigma社製)、トリプシン(図中「Trypsi
n」、Sigma社製)およびトロンビン(図中「Thrombi
n」、Sigma社製)である。
【0073】実施例2 使用動物 実験には6週齢のWistar系雄性ラットおよび6週齢のICR
系またはddY系雄性マウスを使用した。各動物は室温23
±2℃、湿度50±5%および12時間の明暗サイクル(明
期:07:00〜19:00)の環境下で1週間の予備飼育の後、
実験に供した。予備飼育期間および実験期間中は、水お
よび固型飼料を自由に摂取させた。
【0074】実施例8〜15の実験には1群あたり4〜
5匹を用い、結果を平均値±標準誤差で示した。実施例
17の結果は、4〜9回行った試験を、平均値±標準誤
差で示した。有意差検定はTukeyの多重比較検定で行っ
た。
【0075】実施例3 各種薬物の調製方法および投与方法 動物に投与した各種ペプチドおよび薬物などは、個別特
記しない限り尾静脈内投与した。ペプチドは生理食塩液
に用事溶解した。実施例8〜15に示す各種ペプチドの
調製および投与は、個別特記しない限り実施例3に準じ
て行った。
【0076】実施例4 唾液分泌量の測定方法 唾液量の測定は既報の方法(Takeda, Y. et al., Proc.
Natl. Acad. Sci. USA, 86, 392-396, 1989;Snider,
R. M. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA,88, 10042
-10044, 1991)に準じて行った。マウスまたはラットを
ウレタンで麻酔し(1.5 mg/kg)、口腔内にあらかじめ
重量を測定しておいたボール状の脱脂綿を挿入した。一
定時間放置した後、その脱脂綿を回収し、重量を測定
し、挿入前と挿入後の重量差を唾液量とした。唾液量の
測定は各種ペプチドおよび薬物などを静脈内投与した直
後から1分間隔で5分間測定した。実施例8〜15に示
す唾液分泌量の測定方法は、個別特記しない限り実施例
4に準じて測定した。
【0077】実施例5 唾液中に含まれるイオン濃度およびアミラーゼ活性の測
定方法 ナトリウムイオンおよびカリウムイオンは、自動分析装
置(664, Chiron, U.S.A.)を用いてイオン選択電極法
にて測定した。アミラーゼ活性は、アミラーゼBテスト
ワコー(和光純薬工業)を用いて測定した。
【0078】実施例6 RT-PCR法 ラットを放血致死させた後、耳下腺および膵臓を取り出
しTRIzol試薬(Life technologies. Inc.)を用いて全R
NAを抽出した。この全RNAからmRNA purification kit
(宝酒造)を用いてmRNAを精製し、このmRNAを用いてHo
llenbergらの方法(Hollenberg, M. D. et al., Mol. P
harmacol., 49, 229-233)に準じてRT-PCRを行った。す
なわち、RNA LA PCR kit(AMV)ver.1(宝酒造)を用い
て42℃で50分間逆転写反応を行った後、PAR-1、PAR-2お
よびβ-アクチン(コントロール)を特異的に増幅する
ように設計した下記プライマー対を用いてPCRを行い、P
AR-1およびPAR-2の発現について検討した。
【0079】 PAR-1 センスプライマー:5'-CCCGCTCATTTTTTCTCAGGA-3'(配列番号8) アンチセンスプライマー:5'-GCCAATCGGTCGCGGAGAAGT-3'(配列番号9) PAR-2 センスプライマー:5'-CACCAGTAAAGGGAGAAGTCT-3'(配列番号10) アンチセンスプライマー:5'-GGGCAGCACGTCGTGACAGGT-3'(配列番号11) β-アクチン センスプライマー:5'-GTGGGGCGCCCCAGGCACCA-3'(配列番号12) アンチセンスプライマー:5'-GTCCTTAATGTCACGCACGATTTC-3'(配列番号13)
【0080】実施例7 ラット耳下腺のスライス作製方法およびアミラーゼ量測
定方法 ラット耳下腺スライスからのアミラーゼ分泌に対するPA
R-2関連アゴニストの作用は、Jahn, Rらの方法(Jahn,
R., Eur.J.Biochem., 112, 345-352 (1980))に準じて
行った。ラットをペントバルビタールで麻酔し、ラット
耳下腺を取り出し、これを95%酸素−5%二酸化炭素ガ
スを通気したKrebs-Henseleit栄養液で洗浄し、脂肪お
よび結合組織を除去した。その後、耳下腺を1mm3の大
きさに細切し、その100mgを95%酸素−5%二酸化炭素
ガスを通気した37℃のKrebs-Henseleit栄養液3mLに浮
遊させ30分間インキュベートした。インキュベーション
後、栄養液30μLを採取し、アミラーゼ分泌量を測定し
た(自発分泌量)。その後、PAR-2アゴニストを添加
し、10分間インキュベートし、栄養液30μLを採取し
て、アミラーゼ分泌量を測定した。PAR-2アゴニスト添
加後のアミラーゼ分泌量から自発分泌量を差し引いた値
を、PAR-2アゴニストの作用によるアミラーゼ分泌量と
した。アミラーゼの測定はアミラーゼBテストワコー
(和光純薬工業)を使用して測定した。
【0081】実施例8 インビボにおけるPAR-1およびPAR-2関連ペプチドのマウ
ス唾液分泌に対する影響を検討した(図1)。
【0082】PAR-1に対する活性を有し、PAR-2に対して
も若干の活性を示すことが知られているSFp-NH2(50μm
ole/kg)の投与によって、唾液分泌促進が観測された。
しかし、SFp-NH2に対する不活性なコントロールペプチ
ドであるFSp-NH2(50μmole/kg)の投与では何ら変化が
見られなかった。PAR-1に対する特異性がより高く、PAR
-2に対する活性を有しないTFp-NH2(50μmole/kg)の投
与によっては全く唾液分泌は促進されなかった。
【0083】PAR-2アゴニストペプチドであるSLp-NH2
(50μmole/kg)の投与によって強い唾液分泌促進が観
察された。SLp-NH2に対する不活性なコントロールペプ
チドであるLSp-NH2(50μmole/kg)の投与によっては全
く唾液分泌促進が起こらなかった。図中Vehicleは、陰
性対照として溶媒を使用した実験の結果を示す。
【0084】これらの結果から、PAR-1ではなくPAR-2の
特異的な活性化によって唾液分泌促進が引き起こされる
ことが示唆された。
【0085】実施例9 インビボにおけるPAR-2アゴニストペプチドによるマウ
ス唾液分泌促進作用の経時変化について検討した(図
2)。
【0086】SLp-NH2(5μmole/kg)(■)の投与によ
って、投与直後から唾液分泌が促進され、投与1分後に
唾液分泌量が最大となった。その後、急速に唾液分泌量
は減少した。しかし、SLp-NH2に対する不活性なコント
ロールペプチドであるLSp-NH2(5μmole/kg)(○)の
投与によっては全く唾液分泌は促進されなかった。図中
Vehicle(●)は、陰性対照として溶媒を使用した実験
の結果を示す。
【0087】実施例10 インビボにおけるPAR-2アゴニストペプチドによるマウ
ス唾液分泌促進作用の用量依存性について検討した(図
3)。
【0088】SLp-NH2(○)は、0.5〜5μmole/kgの範
囲の用量において用量依存的にマウス唾液分泌を促進し
た。SLp-NH2のC末端がアミド化されていないペプチド
であるSLp-OH(△)もマウス唾液分泌を用量依存的に促
進したが、その作用はSLp-NH2に比べて弱かった。PAR-2
を特異的に活性化することが知られている別のペプチ
ド、tcLp-NH2(□)を使用しても唾液分泌促進作用が観
測された。LSp-NH2(●)は不活性なコントロールペプ
チドである。
【0089】実施例11 PAR-2アゴニストペプチドの多くはアミノペプチダーゼ
によって分解されることが知られている(Godin, D. et
al., Eur. J. Pharmacol., 253, 225-30, 1994)。そ
こで、PAR-2アゴニストペプチドのマウス唾液分泌促進
作用に対する、アミノペプチダーゼ阻害薬であるアマス
タチンの影響について検討した(図4)。
【0090】アマスタチンはSLp-NH2投与1分前に静脈
内投与した。実施例10の結果と一致して、低用量(0.
5μmol/kg)での単独投与(○)では、SLp-NH2は唾液分
泌促進作用を示さなかったが、アマスタチン(84μmol/
kg)を静脈内に前投与することにより、唾液分泌が有意
に促進された(■)。さらに、アマスタチンと組み合わ
せての投与は、SLp-NH2単独の投与に比較して、その作
用の持続性が認められた(実施例9を参照のこと)。図
中Vehicle(●)は、陰性対照として溶媒を使用した実
験の結果を示す。
【0091】実施例12 PAR-2アゴニストペプチドのマウス唾液分泌促進作用に
及ぼすアマスタチンの影響についてさらに検討した(図
5)。
【0092】アマスタチンはSLp-NH2投与1分前に静脈
内投与した。SLp-NH2(0.5μmol/kg)単独投与では対照
群(Vehicle、溶媒)と同程度の唾液分泌量が観察され
たが、アマスタチン(Amastatin、84μmol/kg)を静脈
内に前投与することにより、唾液分泌量は顕著に増加し
た。
【0093】実施例13 アマスタチン存在下におけるPAR-2アゴニストによるマ
ウス唾液分泌促進作用のメカニズムについて検討した
(図6)。
【0094】アトロピン(Atr、副交感神経遮断薬)、
フェントラミン(Phe、交感神経α受容体遮断薬)、プ
ロプラノロール(Pro、交感神経β受容体遮断薬)、イ
ンドメタシン(Ind、プロスタグランジン生合成阻害
薬)およびコントロールとしての生理食塩水(Saline)
を、SLp-NH2静脈内投与の25分前に腹腔内投与した。ま
た、アマスタチンはSLp-NH2投与1分前に静脈内投与し
た。その結果、SLp-NH2(0.5μmol/kg)による唾液分泌
促進作用は、アトロピン5mg/kg(7.2μmol/kg)、フェ
ントラミン5mg/kg(15.7μmol/kg)、プロプラノロー
ル5mg/kg(16.9μmol/kg)およびインドメタシン10mg/
kg(28μmol/kg)によって何ら作用を受けなかった。
【0095】これらの結果から、PAR-2による唾液分泌
促進作用は、自律神経系(交感神経および副交感神経)
またはプロスタグランジン系を介したものでないことが
示唆された。
【0096】実施例14 SLp-NH2およびカルバコール(ムスカリン様作用を介し
て唾液分泌を促進することが知られている)の刺激によ
り分泌されたマウスの唾液の性質について比較検討した
(表1)。アミラーゼ活性、ナトリウムイオンおよびカ
リウムイオンの測定は実施例5に準じて行った。
【0097】
【表1】
【0098】SLp-NH2(5μmol/kg)と同程度の唾液分
泌量を生じる0.08μmol/kgのカルバコールを用いた。両
者の刺激によって分泌された唾液は、ほぼ同様の性質を
有していた。
【0099】実施例15 アマスタチン存在下におけるSLp-NH2によるラットにお
ける唾液分泌促進作用を検討した(図7)。
【0100】アマスタチンはSLp-NH2投与1分前に静脈
内投与した。SLp-NH2(2.5μmol/kg)(●)の投与によ
って唾液分泌促進作用が観察されたが、コントロールペ
プチドであるLSp-NH2(◆)の投与によっては、その作
用は認められなかった。図中Vehicle(○)は、陰性対
照として溶媒を使用した実験の結果を示す。これらの結
果から、PAR-2アゴニストによる唾液分泌促進作用が、
マウスと同様にラットにおいても有効であることが示さ
れた。
【0101】実施例16 ラット耳下腺におけるRT-PCR法によるPAR-1およびPAR-2
のmRNA発現の検討を行った(図8)。RT-PCR法は実施例
6に準じて行った。増幅反応液を2%アガロースで電気
泳動し、ゲルを臭化エチジウムを用いて染色し、バンド
をUVによって可視化した。
【0102】その結果、PAR-1(P-1)およびPAR-2(P-
2)が発現していることが公知である、陽性対照として
使用した膵臓(Pancreas)と同様に、耳下腺(Parotid
gland)においてもPAR-1およびPAR-2のmRNAが共に発現
していることが明らかとなった。β−アクチン(図中
「A」)は陽性対照である。この結果によって、ラット
におけるPAR-1およびPAR-2遺伝子の発現が初めて確認さ
れた。
【0103】実施例17 ラット耳下腺のスライスを作製し、インビトロにおける
アミラーゼ分泌に及ぼすPAR-2アゴニストの影響を検討
した(図9)。耳下腺のスライス作製方法およびアミラ
ーゼ分泌量(総アミラーゼ量に対する重量百分率で表
す)の測定方法は実施例7に準じて行った。
【0104】SLp-NH2およびtcLp-NH2を用いた場合、10
〜100μmol/kgの用量範囲で用量依存的にアミラーゼ分
泌促進作用が認められた。PAR-2活性化酵素であるトリ
プシン(Trypsin)もアミラーゼ分泌促進作用を示し
た。TFp-NH2およびトロンビン(Thrombin、PAR-1、PAR-
3およびPAR-4の活性化酵素である)はアミラーゼ分泌に
対して影響を与えなかった。図中Cは、陰性対照として
溶媒を使用した実験の結果を示す。これらの結果は、耳
下腺におけるアミラーゼ分泌が、PAR-2の活性化によっ
て誘発され、PAR-1、PAR-3およびPAR-4はこの作用に関
与しないことが示された。
【0105】実施例18 常法に従って製造した錠剤の組成を表2に示す。
【0106】
【表2】 結晶セルロース 18mg SLp-NH2 15mg 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 12mg ヒドロキシプロピルメチルセルロース 10mg ステアリン酸マグネシウム 1mg 乳糖 適量 合計 100mg
【0107】実施例19 常法に従って製造した錠剤の組成を表3に示す。
【0108】
【表3】 アマスタチン 20mg 結晶セルロース 18mg SLp-NH2 15mg 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 12mg ヒドロキシプロピルメチルセルロース 10mg ステアリン酸マグネシウム 1mg 乳糖 適量 合計 100mg
【0109】実施例20 常法に従って製造したカプセル剤の組成を表4に示す。
【0110】
【表4】 SLp-NH2 15mg 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 15mg 架橋型カルボキシメチルセルロースナトリウム 5mg ステアリン酸マグネシウム 2mg 乳糖 63mg 合計 100mg
【0111】実施例21 常法に従って製造したカプセル剤の組成を表5に示す。
【0112】
【表5】 SLp-NH2 15mg 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 15mg アマスタチン 5mg 架橋型カルボキシメチルセルロースナトリウム 5mg ステアリン酸マグネシウム 2mg 乳糖 63mg 合計 100mg
【0113】実施例22 常法に従って製造した注射剤の組成を表6に示す。
【0114】
【表6】 ブドウ糖 10mg SLp-NH2 1mg アマスタチン 1mg 注射用精製水 適量 合計 200ml
【0115】実施例23 常法に従って製造した練歯磨の組成を表7に示す。
【0116】
【表7】 炭酸カルシウム 52.0% グリセリン 20.0% ショ糖モノラウレート 2.0% カルボキシメチルセルロース 1.0% ラウリルジエタノールアマイド 1.0% 香料 1.0% カラギーナン 0.5% SLp-NH2 0.5% サッカリンナトリウム 0.1% 水 適量 合計 100.0%
【0117】実施例24 常法に従って製造した練歯磨の組成を表8に示す。
【0118】
【表8】 第2リン酸カルシウム・2水和物 52.0% グリセリン 22.0% カルボキシメチルセルロース 2.0% ラウリル硫酸ナトリウム 2.0% SLp-NH2 1.0% 香料 1.0% サッカリンナトリウム 0.1% 水 適量 合計 100.0%
【0119】実施例25 常法に従って製造した練歯磨の組成を表9に示す。
【0120】
【表9】 水酸化アルミニウム 45.0% ソルビット 20.0% ゲル化シリカ 3.0% カルボキシメチルセルロース 2.0% ラウリル硫酸ナトリウム 2.0% アマスタチン 1.0% SLp-NH 2 0.5% サッカリンナトリウム 0.1% 水 適量 合計 100.0%
【0121】実施例26 常法に従って製造した練歯磨の組成を表10に示す。
【0122】
【表10】 沈降性シリカ 28.0% グリセリン 23.0% ソルビット 22.0% ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート 2.0% ラウロイルグリセリンエステル 1.0% SLp-NH2 1.0% 香料 1.0% サッカリンナトリウム 0.2% 水 適量 合計 100.0%
【0123】実施例27 常法に従って製造した練歯磨の組成を表11に示す。
【0124】
【表11】 無水ケイ酸 15.0% グリセリン 10.0% ソルビトール 10.0% キシリトール 5.0% プロピレングリコール 3.0% アマスタチン 2.0% カルボキシメチルセルロース 1.5% ラウリル硫酸ナトリウム 1.0% SLp-NH2 1.0% 香料 1.0% 水酸化ナトリウム 0.3% ラウロイルザルコシン酸ナトリウム 0.3% フッ化ナトリウム 0.2% サッカリンナトリウム 0.1% トラネキサム酸 微量 塩化カルシウム 微量 水 適量 合計 100.0%
【0125】実施例28 常法に従って製造した練歯磨の組成を表12に示す。
【0126】
【表12】 グリセリン 23.0% 塩化ナトリウム 15.0% 無水ケイ酸 15.0% プロピレングリコール 3.0% マンニトール 2.0% SLp-NH2 1.5% キサンタンガム 1.2% ラウリル硫酸ナトリウム 1.2% 香料 1.0% 水酸化ナトリウム 0.5% サッカリンナトリウム 0.1% グリチルリチン酸ジカリウム 微量 水 適量 合計 100.0%
【0127】実施例29 常法に従って製造した練歯磨の組成を表13に示す。
【0128】
【表13】 ソルビトール 28.0% 無水ケイ酸 25.0% 重曹 12.0% イノシトール 5.0% プロピレングリコール 2.0% SLp-NH2 1.5% ラウリル硫酸ナトリウム 1.5% キサンタンガム 1.0% カラギーナン 1.0% 香料 1.0% サッカリンナトリウム 0.2% 塩化カリウム 0.1% イプシロンアミノカプロン酸 微量 水 適量 合計 100.0%
【0129】実施例30 常法に従って製造した練歯磨の組成を表14に示す。
【0130】
【表14】 無水ケイ酸 20.0% グリセリン 20.0% キシリトール 10.0% 重曹 5.0% プロピレングリコール 4.0% ラウリル硫酸ナトリウム 1.5% SLp-NH2 1.5% カルボキシメチルセルロース 1.2% 香料 1.0% カラギーナン 0.3% 水酸化ナトリウム 0.1% 塩化カルシウム 0.1% トラネキサム酸 0.1% サッカリンナトリウム 0.1% 水 適量 合計 100.0%
【0131】実施例31 常法に従って製造した練歯磨の組成を表15に示す。
【0132】
【表15】 リン酸カルシウム2水塩 38.0% キシリトール 15.0% 増粘性シリカ 10.0% グリセリン 8.0% プロピレングリコール 3.0% ラウリル硫酸ナトリウム 1.5% カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.2% SLp-NH2 1.0% モノフルオロリン酸ナトリウム 1.0% ペパーミント油 1.0% p−ヒドロキシ安息香酸メチル 0.5% サッカリンナトリウム 0.1% アネトール 0.1% メントン 0.1% アニス油 0.1% 水 適量 合計 100.0%
【0133】実施例32 常法に従って製造した練歯磨の組成を表16に示す。
【0134】
【表16】 キシリトール 30.0% シリカ 20.0% 増粘性シリカ 20.0% ポリエチレングリコール 5.0% ソルビット 5.0% カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0% ラウリル硫酸ナトリウム 1.3% SLp-NH2 1.5% スペアミント油 1.5% フッ化ナトリウム 0.5% p−ヒドロキシ安息香酸メチル 0.2% 二酸化チタン 0.3% アネトール 0.2% メントン 0.1% 水 適量 合計 100.0%
【0135】実施例33 常法に従って製造した液状歯磨の組成を表17に示す。
【0136】
【表17】 グリセリン 40.0% 水酸化アルミニウム 25.0% ソルビット 15.0% カルボキシメチルセルロース 2.2% ラウリル硫酸ナトリウム 1.5% SLp-NH2 1.0% プロピレングリコール 1.0% モノラウリン酸デカグリセリル 1.0% 香料 1.0% サッカリンナトリウム 0.1% 水 適量 合計 100.0%
【0137】実施例34 常法に従って製造した液状歯磨の組成を表18に示す。
【0138】
【表18】 沈降性シリカ 35.0% ソルビット 30.0% グリセリン 20.0% SLp-NH2 2.0% プロピレングリコール 2.0% モノラウリン酸デカグリセリル 2.0% ラウリル硫酸ナトリウム 1.5% 香料 1.0% キサンタンガム 0.2% サッカリンナトリウム 0.1% 水 適量 合計 100.0%
【0139】実施例35 常法に従って製造したガム状義歯安定剤の組成を表19
に示す。
【0140】
【表19】 酢酸ビニル樹脂 55.0% SLp-NH2 3.0% 軽質炭酸カルシウム 3.0% ミツロウ 3.0% ポリプロピレングリコール 3.0% 水 適量 合計 100.0%
【0141】実施例36 常法に従って製造した粉末状義歯安定剤の組成を表20
に示す。
【0142】
【表20】 カルボキシメチルセルロースナトリウム 74.0% ポリエチレンオキサイド 24.0% SLp-NH2 2.0% 合計 100.0%
【0143】実施例37 常法に従って製造したペースト状義歯安定剤の組成を表
21に示す。
【0144】
【表21】 ワセリン 40.0% カルボキシメチルセルロースナトリウム 30.0% ポリエチレンオキサイド 10.0% SLp-NH2 2.0% 香料 0.3% pH調製剤 0.2% 防腐剤 微量 色素 微量 流動パラフィン 適量 合計 100.0%
【0145】実施例38 常法に従って製造したシート状義歯安定剤の組成を表2
2に示す。
【0146】
【表22】 カルボキシセルロースナトリウム 30.0% ポリエチレングリコール 20.0% ポリエチレンオキサイド 10.0% SLp-NH2 2.0% 香料 0.3% 防腐剤 微量 色素 微量 ワセリン 適量 合計 100.0%
【0147】実施例39 常法に従って製造した液状義歯安定剤の組成を表23に
示す。
【0148】
【表23】 カルボキシメチルセルロースナトリウム 45.0% ポリエチレンオキサイド 15.0% SLp-NH2 1.0% pH調製剤 0.2% 香料 0.2% 防腐剤 微量 色素 微量 流動パラフィ ン 適量 合計 100.0%
【0149】実施例40 常法に従って製造した口腔用軟膏の組成を表24に示
す。
【0150】
【表24】 流動パラフィン 20.0% グリセリン 15.0% セタノール 10.0% ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル 5.0% アマスタチン 2.0% SLp-NH2 1.0% 香料 0.5% サッカリンナトリウム 0.1% 水 適量 合計 100.0%
【0151】実施例41 常法に従って製造した口腔用軟膏の組成を表25に示
す。
【0152】
【表25】 流動パラフィン 20.0% グリセリン 15.0% セタノール 10.0% ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル 5.0% SLp-NH2 1.0% 香料 0.5% サッカリンナトリウム 0.1% 水 適量 合計 100.0%
【0153】実施例42 常法に従って製造した洗口液の組成を表26に示す。
【0154】
【表26】 エタノール 20.0% SLp-NH2 5.0% 香料 1.0% ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.3% モノフルオロリン酸ナトリウム 0.1% サッカリンナトリウム 0.1% 水 適量 合計 100.0%
【0155】実施例43 常法に従って製造した洗口液の組成を表27に示す。
【0156】
【表27】 エタノール 10.0% キシリトール 5.0% グリセリン 5.0% SLp-NH2 2.0% ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.0% 香料 0.5% 安息香酸ナトリウム 0.3% 塩化カルシウム 0.1% 水酸化ナトリウム 0.1% サッカリンナトリウム 0.1% 水 適量 合計 100.0%
【0157】実施例44 常法に従って製造した洗口液の組成を表28に示す。
【0158】
【表28】 エタノール 15.0% グリセリン 10.0% 重曹 8.0% マンニトール 5.0% ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.2% SLp-NH2 0.5% 香料 0.5% 塩化カリウム 0.5% アラントイン 0.5% 安息香酸ナトリウム 0.3% サッカリンナトリウム 0.1% 水 適量 合計 100.0%
【0159】実施例45 常法に従って製造した洗口液の組成を表29に示す。
【0160】
【表29】 キシリトール 20.0% エタノール 10.0% スペアミント油 1.0% SLp-NH2 5.0% フッカナトリウム 0.2% ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.1% アネトール 0.1% メントン 0.1% 水 適量 合計 100.0%
【0161】実施例46 常法に従って製造した洗口液の組成を表30に示す。
【0162】
【表30】 エタノール 13.0% ソルビット液 7.0% SLp-NH2 0.5% ステビオサイド 0.5% フッ化ナトリウム 0.5% 安息香酸ナトリウム 0.1% パラオキシ安息香酸プロピル 0.1% ラウリル硫酸ナトリウム 0.1% スペアミント油 0.1% 水 適量 合計 100.0%
【0163】実施例47 常法に従って製造したうがい用錠剤の組成を表31に示
す。
【0164】
【表31】 炭酸水素ナトリウム 50.0% クエン酸 21.0% 無水硫酸ナトリウム 10.8% 第2リン酸ナトリウム 10.0% ポリエチレングリコール 5.0% SLp-NH2 2.0% 香料 1.0% モノフルオロリン酸ナトリウム 0.1% オレイン酸 0.1% 合計 100.0%
【0165】実施例48 常法に従って製造したトローチの組成を表32に示す。
【0166】
【表32】 キシリトール 68.3% SLp-NH2 20.0% アラビアガム 5.0% クエン酸 4.0% タルク 2.0% ステアリン酸マグネシウム 0.7% 合計 100.0%
【0167】実施例49 常法に従って製造したトローチの組成を表33に示す。
【0168】
【表33】 ポリエチレングリコール 2.0% ヒドロキシプロピルセルロース 1.5% 無水ケイ酸 1.0% ステアリン酸マグネシウム 1.0% タルク 0.5% SLp-NH2 0.1% マンニット 適量 合計 100.0%
【0169】実施例50 常法に従って製造した咀嚼錠の組成を表34に示す。
【0170】
【表34】 エリスリトール 71.0% SLp-NH2 20.0% 馬鈴薯デンプン 4.0% タルク 3.5% ステアリン酸マグネシウム 1.5% 合計 100.0%
【0171】実施例51 常法に従って製造した人工唾液の組成を表35に示す。
【0172】
【表35】 SLp-NH2 1.0% 塩化ナトリウム 0.6% ムチン 0.2% リン酸二水素カリウム 0.1% 塩化カルシウム 微量 水 適量 合計 100.0%
【0173】実施例52 常法に従って製造した人工唾液の組成を表36に示す。
【0174】
【表36】 アマスタチン 1.0% SLp-NH2 1.0% 塩化ナトリウム 0.6% ムチン 0.2% リン酸二水素カリウム 0.1% 塩化カルシウム 微量 水 適量 合計 100.0%
【0175】実施例53 常法に従って製造した人工唾液用スプレーの組成を表3
7に示す。
【0176】
【表37】 SLp-NH2 5.0% 塩化ナトリウム 0.4% リン酸二水素カリウム 0.1% 塩化カルシウム 微量 塩化マグネシウム 微量 水 適量 合計 100.0%
【0177】実施例54 常法に従って製造したキャンディーの組成を表38に示
す。
【0178】
【表38】 砂糖 50.0% 水飴 33.0% SLp-NH2 5.0% リンゴ酸 3.0% 香料 0.2% 水 適量 合計 100.0%
【0179】実施例55 常法に従って製造したチューインガムの組成を表39に
示す。
【0180】
【表39】 SLp-NH2 25.0% ガムベース 27.5% 砂糖 20.0% グルコース 10.0% 水飴 16.0% 香料 0.5% クエン酸 1.0% 合計 100.0%
【0181】実施例56 常法に従って製造したチューインガムの組成を表40に
示す。
【0182】
【表40】 粉糖 50.0% ガムベース 20.0% ブドウ糖 10.0% 水飴 18.0% SLp-NH2 1.0% 香料 1.0% 合計 100.0%
【0183】実施例57 常法に従って製造したチューインガムの組成を表41に
示す。
【0184】
【表41】 キシリトール 60.0% ガムベース 20.0% SLp-NH2 11.9% シロップ 5.0% グリセリン 2.0% スペアミント油 1.0% アネトール 0.1% 合計 100.0%
【0185】実施例58 常法に従って製造したチューインガムの組成を表42に
示す。
【0186】
【表42】 キシリトール 55.0% ガムベース 20.0% SLp-NH2 11.9% アマスタチン 5.0% シロップ 5.0% グリセリン 2.0% スペアミント油 1.0% アネトール 0.1% 合計 100.0%
【0187】実施例59 常法に従って製造したガムベースの組成を表43に示
す。
【0188】
【表43】 マイクロワックス 20.0% 酢酸ビニル樹脂 15.0% エステルガム 15.0% ポリイソブチレン 10.0% 充填剤 10.0% チクル 10.0% ソルバ 10.0% ジェルトン 5.0% 天然ゴム 3.0% 脂肪酸モノグリセライド 2.0% 合計 100.0%
【0189】実施例60 常法に従って製造したガムベースの組成を表44に示
す。
【0190】
【表44】 酢酸ビニル樹脂 30.0% マイクロワックス 25.0% ポリイソブチレン 20.0% エステルガム 10.0% 天然ゴム 3.0% 脂肪酸モノグリセライド 2.0% 合計 100.0%
【0191】実施例61 常法に従って製造したタブレットの組成を表45に示
す。
【0192】
【表45】 キシリトール 65.0% ソルビトール 29.0% SLp-NH2 3.0% スペアミント油 1.5% 潤沢剤 1.0% アネトール 0.2% メントン 0.3% 合計 100.0%
【0193】
【発明の効果】本発明の唾液分泌促進組成物は優れた唾
液分泌促進作用を有し、薬剤の副作用、疾患あるいは唾
液腺の機能低下などによる口腔乾燥症に対し、優れた治
療薬となる。また、これにより口腔内乾燥に伴う不快
感、灼熱感、会話の困難さ、口臭発生、歯周疾患、粘膜
の感染症、不潔などの症状を予防あるいは治療すること
もできる。
【0194】また、本発明の唾液分泌促進組成物を歯磨
剤中に含有させることにより、ブラッシングを容易にら
なしめることができる。さらに、本発明の唾液分泌促進
組成物を義歯安定剤中に含有させることにより、口腔乾
燥を防ぎ、義歯固定力が向上し、噛み合わせによる疼痛
が減少させることができる。
【0195】配列表フリーテキスト SEQ ID NO:1 Designed peptide having PAR-1 and PAR-2 agonist ac
tivity. The C-terminalamino acid residue is amidat
ed. SEQ ID NO:2 Designed peptide lacking agonist activity. The C-t
erminal amino acid residue is amidated. SEQ ID NO:3 Designed peptide having PAR-1 agonist activity. Th
e C-terminal amino acid residue is amidated. SEQ ID NO:4 Designed peptide having PAR-2 agonist activity. Th
e C-terminal amino acid residue is amidated. SEQ ID NO:5 Designed peptide lacking agonist activity. The C-t
erminal amino acid residue is amidated. SEQ ID NO:6 Designed peptide having PAR-2 agonist activity. Th
e C-terminal amino acid residue is hydroxylated. SEQ ID NO:7 Designed peptide having PAR-2 agonist activity. Xa
a at 1 is trans-cynnamoyl-Leu. Xaa at 6 is Orn. Th
e C-terminal amino acid residue is amidated. SEQ ID NO:8 Designed oligonucleotide primer to amplify PAR-1 m
RNA. SEQ ID NO:9 Designed oligonucleotide primer to amplify PAR-1 m
RNA. SEQ ID NO:10 Designed oligonucleotide primer to amplify PAR-2 m
RNA. SEQ ID NO:11 Designed oligonucleotide primer to amplify PAR-2 m
RNA. SEQ ID NO:12 Designed oligonucleotide primer to amplify β-acti
n mRNA. SEQ ID NO:13 Designed oligonucleotide primer to amplify β-acti
n mRNA.
【0196】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Fuso Pharmaceutical Industries Ltd. <120> Composition for triggering salivation <130> 167364 <160> 13 <210> 1 <211> 5 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <221> AMIDATION <222> 5 <223> Designed peptide having PAR-1 and PAR-2 agonist activity. The C-te rminal amino acid residue is amidated. <400> 1 Ser Phe Leu Leu Arg 1 5 <210> 2 <211> 5 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <221> AMIDATION <222> 5 <223> Designed peptide lacking agonist activity. The C-terminal amino ac id residue is amidated. <400> 2 Phe Ser Leu Leu Arg 1 5 <210> 3 <211> 5 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <221> AMIDATION <222> 5 <223> Designed peptide having PAR-1 agonist activity. The C-terminal ami no acid residue is amidated. <400> 3 Thr Phe Leu Leu Arg 1 5 <210> 4 <211> 6 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <221> AMIDATION <222> 6 <223> Designed peptide having PAR-2 agonist activity. The C-terminal ami no acid residue is amidated. <400> 4 Ser Leu Ile Gly Arg Leu 1 5 <210> 5 <211> 6 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <221> AMIDATION <222> 6 <223> Designed peptide lacking agonist activity. The C-terminal amino ac id residue is amidated. <400> 5 Leu Ser Ile Gly Arg Leu 1 5 <210> 6 <211> 6 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <222> 6 <223> Designed peptide having PAR-2 agonist activity. The C-terminal ami no acid residue is hydroxylated. <400> 6 Ser Leu Ile Gly Arg Leu 1 5 <210> 7 <211> 5 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <221> MOD_RES <222> 1 <221> MOD_RES <222> 6 <221> AMIDATION <222> 6 <223> Designed peptide having PAR-2 agonist activity. Xaa at 1 is trans- cynnamoyl-Leu. Xaa at 6 is Orn. The C-terminal amino acid residue is ami dated. <400> 7 Xaa Ile Gly Arg Leu Xaa 1 5 <210> 8 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify PAR-1 mRNA. <400> 8 cccgctcatt ttttctcagg a 21 <210> 9 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify PAR-1 mRNA. <400> 9 gccaatcggt cgcggagaag t 21 <210> 10 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify PAR-2 mRNA. <400> 10 caccagtaaa gggagaagtc t 21 <210> 11 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify PAR-2 mRNA. <400> 11 gggcagcacg tcgtgacagg t 21 <210> 12 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify β-actin mRNA. <400> 12 gtggggcgcc ccaggcacca 20 <210> 13 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify β-actin mRNA. <400> 13 gtccttaatg tcacgcacga tttc 24
【図面の簡単な説明】
【図1】 インビボにおけるPAR-1およびPAR-2アゴニス
トペプチドのマウス唾液分泌に対する作用を示す図であ
る。**P<0.01 vs溶媒(Vehicle)、††P<0.01 vs FSp-
NH2、¶¶P<0.01 vs LSp-NH2(Tukeyテスト)。
【図2】 インビボにおけるPAR-2アゴニストペプチド
によるマウス唾液分泌促進作用の経時変化の検討を示す
図である。**P<0.01 vs溶媒(Vehicle)、 P<0.01 v
s LSp-NH2(Tukeyテスト)。
【図3】 インビボにおけるPAR-2アゴニストペプチド
によるマウス唾液分泌促進作用の用量依存性を示す図で
ある。
【図4】 インビボにおけるPAR-2アゴニストペプチド
によるマウス唾液分泌促進作用に対するアマスタチンの
影響の経時変化を示す図である。**P<0.01 vs溶媒(Veh
icle)、††P<0.01 vs SLp-NH2単独(Tukeyテスト)。
【図5】 インビボにおけるPAR-2アゴニストペプチド
によるマウス唾液分泌促進作用に対するアマスタチンの
影響を示す図である。**P<0.01 vs溶媒(Vehicle)、
††P<0.01 vs SLp-NH2単独(Tukeyテスト)。
【図6】 アマスタチン存在下におけるPAR-2アゴニス
トペプチドによるインビボマウス唾液分泌促進作用に対
するアトロピン(Atr)、フェントラミン(Phe)、プロ
プラノロール(Pro)およびシンドメタシン(Ind)の作
用を示す図である。
【図7】 アマスタチン存在下におけるPAR-2アゴニス
トペプチドによるインビボラット唾液分泌促進作用の経
時変化を示す図である。**P<0.01 vs溶媒(Vehicle)
(Tukeyテスト)。
【図8】 RT-PCR法を使用してラット耳下腺におけるPA
R-1およびPAR-2 mRNA発現を示す電気泳動図である。
【図9】 インビトロにおけるラット耳下腺スライスか
らのアミラーゼ分泌に対するPAR-2アゴニストペプチド
の作用を示す図である。*P<0.05および**P<0.01 vsコン
トロール。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 38/00 A61P 1/14 4C084 38/46 C07K 7/06 ZNA 4C086 38/48 C12N 9/48 4H045 A61P 1/14 9/76 C07K 7/06 ZNA 9/99 C12N 9/48 A23G 3/00 101 9/76 3/30 9/99 C12Q 1/40 // A23G 3/00 101 1/68 Z 3/30 A61K 37/02 C12N 15/09 37/54 C12Q 1/40 37/547 1/68 C12N 15/00 A (72)発明者 西川 裕之 奈良県香芝市五位堂26−8 Fターム(参考) 4B014 GB09 GB13 GE01 GG07 GG16 GK03 GK05 GL09 4B024 AA01 AA11 CA12 CA20 GA30 HA11 4B050 CC07 KK05 KK09 KK11 LL01 4B063 QA01 QA05 QA08 QQ08 QQ35 QQ36 QQ53 QQ79 QQ89 QR62 QR77 QS16 QS24 QS25 QS36 QX01 4C083 AA082 AA112 AA122 AB032 AB132 AB172 AB222 AB242 AB272 AB282 AB292 AB312 AB322 AB332 AB342 AB352 AB432 AB472 AC012 AC022 AC072 AC102 AC122 AC132 AC172 AC212 AC302 AC312 AC402 AC422 AC432 AC482 AC552 AC582 AC642 AC662 AC682 AC782 AC862 AD022 AD042 AD092 AD112 AD202 AD222 AD242 AD272 AD282 AD352 AD411 AD412 AD471 AD532 AD702 CC41 DD08 DD12 DD14 DD15 DD17 DD21 DD22 DD23 DD27 EE31 4C084 AA02 AA17 BA01 BA08 BA16 BA17 BA31 DC03 MA01 MA52 NA14 ZA672 ZA692 ZC412 4C086 AA01 AA02 BC15 CB15 MA02 MA04 ZA66 ZA69 4H045 AA10 AA30 BA14 EA01 EA15 EA20 EA34 FA34 HA02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PAR-2を活性化させる成分を含むことを
    特徴とする唾液分泌促進組成物。
  2. 【請求項2】 成分がペプチドである請求項1記載の唾
    液分泌促進組成物。
  3. 【請求項3】 ペプチドがSer-Leu-Ile-Gly-Arg-Leu-NH
    2(配列番号4)、Ser-Leu-Ile-Gly-Arg-Leu-OH(配列
    番号6)およびtrans-シンナモイル-Leu-Ile-Gly-Arg-L
    eu-オルニチン-NH2(配列番号7)からなる群より選択
    されることを特徴とする請求項2記載の唾液分泌促進組
    成物。
  4. 【請求項4】 成分がタンパク質である請求項1記載の
    唾液分泌促進組成物。
  5. 【請求項5】 タンパク質がトリプシンおよび/または
    トリプターゼである請求項4記載の唾液分泌促進組成
    物。
  6. 【請求項6】 成分の失活化または分解を阻害する物質
    を併用および/または配合することを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか1項記載の唾液分泌促進組成物。
  7. 【請求項7】 物質がアマスタチンである請求項6記載
    の唾液分泌促進組成物。
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