JP2001064159A - 複合顆粒剤 - Google Patents

複合顆粒剤

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JP2001064159A
JP2001064159A JP23902699A JP23902699A JP2001064159A JP 2001064159 A JP2001064159 A JP 2001064159A JP 23902699 A JP23902699 A JP 23902699A JP 23902699 A JP23902699 A JP 23902699A JP 2001064159 A JP2001064159 A JP 2001064159A
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granules
granule
mannitol
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xylitol
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JP23902699A
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English (en)
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Shuichi Hatsushiro
秀一 初代
Noboru Nagafuji
昇 長藤
Tomoatsu Toyoda
智淳 豊田
Hirotaka Okada
裕香 岡田
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Shionogi and Co Ltd
Original Assignee
Shionogi and Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経時的な外観の着色変化が抑制された、口腔
内速溶性の複合顆粒剤を提供すること。 【解決手段】 第1の顆粒と第2の顆粒とを含有する複
合顆粒剤であって、該第1の顆粒が塩酸フェニルプロパ
ノールアミンを含有し、該第2の顆粒がd−マレイン酸
クロルフェニラミンを含有する、複合顆粒剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合顆粒剤に関す
る。より詳細には、塩酸フェニルプロパノールアミンと
d−マレイン酸クロルフェニラミンとを別々の顆粒中に
含有する、口腔内速溶性の複合顆粒剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、交感神経興奮薬である塩酸フェニ
ルプロパノールアミンと、抗ヒスタミン薬であるd−マ
レイン酸クロルフェニラミンとを配合した鼻炎薬が開発
されている。しかし、これら2成分を混合して、例え
ば、同一顆粒中に配合した場合、経時的に外観の着色変
化が生じる傾向がある。また、塩酸フェニルプロパノー
ルアミンは強い苦味を呈するため、特に水なしで服用す
るタイプの製剤に利用する場合は、その苦味を軽減する
ことが所望される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とすると
ころは、経時的な外観の着色変化が抑制された、口腔内
速溶性の製剤として好適な、複合顆粒剤を提供すること
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点について鋭意検討した結果、塩酸フェニルプロパノー
ルアミンを含有する顆粒とd−マレイン酸クロルフェニ
ラミンを含有する顆粒とを別々に調製し、これを混合し
た複合顆粒剤とすることにより、経時的な外観の着色変
化が抑制され得ることを見出し、本発明を完成した。
【0005】本発明は、塩酸フェニルプロパノールアミ
ンを含有する第1の顆粒とd−マレイン酸クロルフェニ
ラミンを含有する第2の顆粒とを含有する複合顆粒剤を
提供する。
【0006】上記第1の顆粒と上記第2の顆粒との重量
比は9:1〜1:9であり得、第1の顆粒中の塩酸フェ
ニルプロパノールアミンの含有量は1重量%〜80重量
%であり得、そして第2の顆粒中のd−マレイン酸クロ
ルフェニラミンの含有量は0.1重量%〜20重量%で
あり得る。
【0007】上記第1の顆粒はさらに、D−マンニトー
ルおよびD−マンニトールとキシリトールとの組み合わ
せからなる群より選択される糖アルコールを含有し得、
上記第2の顆粒はさらに、D−マンニトール、キシリト
ール、エリスリトール、キシリトールおよび/またはエ
リスリトールとD−マンニトールとの組み合わせからな
る群より選択される糖アルコールを含有し得る。好まし
くは、第1の顆粒はD−マンニトールとキシリトールと
の組み合わせを含有し、第2の顆粒はキシリトールまた
はエリスリトールを含有する。
【0008】上記第1の顆粒中の糖アルコールの含有量
は20重量%〜99重量%であり得、そして上記第2の
顆粒中の糖アルコールの含有量は80重量%〜99.9
重量%であり得る。
【0009】上記第2の顆粒はさらに有機酸またはその
塩を含有し得る。この有機酸は、クエン酸、リンゴ酸お
よび酒石酸からなる群より選択され得る。
【0010】上記複合顆粒剤は、アスコルビン酸をさら
に含有し得る。アスコルビン酸は、第3の顆粒として含
有され得る。
【0011】上記複合顆粒剤は、香料をさらに含有し得
る。この香料は、ペパーミントオイル、ハーブミントエ
ッセンス、l−メントール、レモンオイルおよびレモン
ライムエッセンスからなる群より選択され得る。
【0012】上記第2の顆粒は、カフェイン、ベラドン
ナ総アルカロイドならびにグリチルリチン酸およびその
塩からなる群より選択される1種以上のさらなる活性成
分を含有し得る。
【0013】本発明により提供される複合顆粒剤は、口
腔内速溶性であり得る。
【0014】本発明の複合顆粒剤は、第1の顆粒と前第
2の顆粒とを別々に調製する工程;および第1の顆粒と
第2の顆粒とを混合する工程を包含する方法により製造
され得る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。
【0016】本発明の複合顆粒剤は、有効成分として、
異なる顆粒中に、塩酸フェニルプロパノールアミンとd
−マレイン酸クロルフェニラミンとを含有する。塩酸フ
ェニルプロパノールアミンは、鼻粘膜の血管の拡張をお
さえ、粘膜の浮腫・うっ血を改善し、鼻づまりをすっき
りさせる作用を有する。また、d−マレイン酸クロルフ
ェニラミンは、アレルギー反応を抑制するとともに、毛
細血管の拡張および透過性を抑制し、くしゃみ・鼻みず
・鼻づまりを改善する作用を有する。
【0017】本発明の複合顆粒剤中の第1の顆粒と第2
の顆粒との重量比は、好ましくは9:1〜1:9、より
好ましくは7:3〜3:7、最も好ましくは6:4〜
4:6である。
【0018】上記第1の顆粒中の塩酸フェニルプロパノ
ールアミンの含有量は、好ましくは1重量%〜80重量
%、より好ましくは2重量%〜65重量%、さらに好ま
しくは2重量%〜20重量%、最も好ましくは3重量%
〜10重量%である。また、上記第2の顆粒中のd−マ
レイン酸クロルフェニラミンの含有量は、好ましくは
0.1重量%〜20重量%、より好ましくは0.15重
量%〜5重量%、最も好ましくは0.2重量%〜4重量
%である。
【0019】本発明の複合顆粒剤に使用される第1の顆
粒および第2の顆粒は、それぞれさらに糖アルコールを
含有し得る。
【0020】上記第1の顆粒に含有され得る糖アルコー
ルは、D−マンニトールおよびD−マンニトールとキシ
リトールとの組み合わせからなる群より選択され、好ま
しくはD−マンニトールとキシリトールとの組み合わせ
である。また、上記第2の顆粒に含有され得る糖アルコ
ールは、D−マンニトール、キシリトール、エリスリト
ール、キシリトールおよび/またはエリスリトールとD
−マンニトールとの組み合わせからなる群より選択さ
れ、好ましくはキシリトールまたはエリスリトールであ
る。これら特定の糖アルコールを各々の顆粒に添加する
ことにより、それぞれの顆粒中の有効成分を安定化させ
るとともに、塩酸フェニルプロパノールアミンの苦味を
効果的に軽減することができる。
【0021】上記第1の顆粒中の糖アルコールの含有量
は、好ましくは20重量%〜99重量%、より好ましく
は35重量%〜98重量%、さらに好ましくは80重量
%〜98重量%、最も好ましくは90重量%〜97重量
%である。また、上記第2の顆粒中の糖アルコールの含
有量は、好ましくは80重量%〜99.9重量%、より
好ましくは88重量%〜98重量%、最も好ましくは8
9重量%〜96重量%である。
【0022】上記第2の顆粒は、さらに、有機酸または
その塩を含有し得る。
【0023】上記有機酸は、クエン酸、リンゴ酸および
酒石酸から選択され得、好ましくはクエン酸である。有
機酸の塩の例としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類
金属塩、その他の無機塩および有機塩が挙げられ、好ま
しくは、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、ア
ミン塩、またはアンモニウム塩であり、より好ましく
は、ナトリウム塩である。これらの有機酸を添加するこ
とにより、塩酸フェニルプロパノールアミンの苦味をよ
り効果的に軽減することができる。
【0024】本発明の複合顆粒剤は、さらにアスコルビ
ン酸を含有し得る。アスコルビン酸の添加の形態は特に
限定されず、第3の顆粒として添加され得るか、または
顆粒外添加され得る。第3の顆粒は、アスコルビン酸を
造粒するために好適な他の成分、例えば、上記の糖アル
コールのいずれかまたはその組み合わせを適量で含有し
得る。アスコルビン酸を添加することにより、塩酸フェ
ニルプロパノールアミンの苦味をさらに効果的に軽減す
ることができる。
【0025】上記第2の顆粒は、必要に応じて、d−マ
レイン酸クロルフェニラミンと適合性の、さらなる活性
成分を含有し得る。さらなる活性成分の例としては、カ
フェイン、ベラドンナ総アルカロイドならびにグリチル
リチン酸およびその塩、ならびに、これらの混合物が挙
げられる。カフェインは眠気防止作用を有し、ベラドン
ナ総アルカロイドは過剰の鼻みずおよび涙の抑制作用を
有し、そしてグリチルリチン酸は消炎効果を促進する作
用を有する。グリチルリチン酸の塩としては、ジカリウ
ム塩、ジナトリウム塩およびジアンモニウム塩が挙げら
れ、ジカリウム塩が好ましい。
【0026】本発明の複合顆粒剤は、さらに、必要に応
じて、各々の顆粒中または顆粒外に、種々の添加剤を含
有し得る。添加剤の例としては、崩壊剤、結合剤、発泡
剤、甘味剤、香料、吸着剤、帯電防止剤などが挙げられ
る。
【0027】崩壊剤としては、コーンスターチ、カルメ
ロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリ
ウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビド
ン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキ
シメチルスターチナトリウム、部分アルファー化デンプ
ンなどが挙げられる。
【0028】結合剤としては、ヒドロキシプロピルセル
ロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビ
ニルピロリドン、ゼラチン、デンプン、デキストリン、
メチルセルロース、アラビアゴム、デキストリンなどが
挙げられる。
【0029】発泡剤としては、重曹、炭酸カルシウムな
どが挙げられる。
【0030】甘味剤としては、サッカリンナトリウム、
アスパルテーム、ステビア、ソーマチン、カンゾウなど
が挙げられる。
【0031】香料としては、レモンオイル、レモンライ
ムエッセンス(商品名、塩野香料(株))、オレンジオ
イル、l−メントール、ハッカオイル、ペパーミントオ
イル(商品名、塩野香料(株))、ハーブミントエッセ
ンス(商品名、塩野香料(株))などが挙げられる。
【0032】吸着剤としては、軽質無水ケイ酸、含水二
酸化ケイ素、デキストリンなどが挙げられる。
【0033】帯電防止剤としては、軽質無水ケイ酸、含
水二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウムなどが挙げ
られる。
【0034】本発明の複合顆粒剤は、代表的には、糖ア
ルコールを添加することにより、口腔内速溶性であるよ
うに処方され得る。本明細書において「口腔内速溶性」
とは、複合顆粒剤単位用量を水なしで服用した際、好ま
しくは30秒以内、より好ましくは20秒以内、最も好
ましくは10秒以内に、口腔内で実質的に全量が溶解す
ることを意味する。
【0035】本発明の複合顆粒剤の製造は、代表的に
は、第1の顆粒と第2の顆粒とを別々に調製する工程
と、調製された第1の顆粒と第2の顆粒とを混合する工
程とを包含する。具体的には、例えば、以下の手順に従
って製造され得る。
【0036】(1)塩酸フェニルプロパノールアミンお
よび糖アルコールを、篩過、混合、練合、造粒、乾燥、
調粒および分級操作に供し、第1の顆粒を調製する。各
々の操作は、いずれも慣用的な条件に従って行うことが
できる。例えば、一般に利用される湿式造粒法または乾
式造粒法のいずれを利用して造粒してもよい。同様にし
て、d−マレイン酸クロルフェニラミンおよび糖アルコ
ールを含有する第2の顆粒を調製する。
【0037】(2)(1)で調製された第1の顆粒と第
2の顆粒とを混合し、複合顆粒剤を得る。得られた複合
顆粒剤は、そのまま服用に供され得るが、必要に応じて
カプセルに充填したカプセル剤などの他の適切な形態に
調製されてもよい。
【0038】本発明により、経時的な外観の着色変化が
顕著に抑制され、かつ塩酸フェニルプロパノールアミン
の苦味が効果的に軽減された、複合顆粒剤が提供され
る。この複合顆粒剤は、特に口腔内速溶性の水なしでも
容易に服用できる製剤として好適である。アレルギー性
鼻炎の処置のための複合顆粒剤の用量は、当業者により
容易に決定され得る。例えば、口腔内速溶性の製剤の場
合、代表的には、塩酸フェニルプロパノールアミンとd
−マレイン酸クロルフェニラミンとの合計量が21〜3
5mg/回となるような量である。
【0039】
【実施例】以下に実施例により、本発明の内容を具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0040】(経時安定性試験)製造例および実施例に
おいて得られた顆粒の経時安定性は、試験開始時と60
℃で2週間保存した後との間の、被験試料の色の差をカ
ラーアナライザー(TC−1800MKII;東京電
色)を用いて測定し、色差(ΔE)として表した。ここ
で、色差の値が小さいほど、経時的な外観の着色変化が
抑制されたことを示す。
【0041】(味覚試験)実施例において得られた複合
顆粒剤の味覚は、5人のボランティアにより、苦味の有
無、口溶け感、および全体の服用感(服用後の総合的な
印象)について、表1に示す判定基準に従って評価し
た。なお、結果はすべて5人の平均値として示す。
【0042】
【表1】
【0043】判定手順は次の通りである: (1)1日目、まず、第1番目の複合顆粒剤を水なしで
服用し、上記判定基準に従って評価する; (2)第1番目の複合顆粒剤の服用4時間後、同様にし
て第2番目の複合顆粒剤を服用し、評価する; (3)さらに第2番目の複合顆粒剤の服用4時間後、同
様にして第3番目の複合顆粒剤を服用し、評価する; (4)15種類の複合顆粒剤を服用するまで、2日目、
3日目、4日目および5日目に同様にして複合顆粒を服
用し、評価する。
【0044】(製造例1:PPA顆粒の調製)まず、塩
酸フェニルプロパノールアミンを含有する第1の顆粒
(以下、PPA顆粒と略す)を以下のようにして調製し
た。塩酸フェニルプロパノールアミン150gおよびD
−マンニトール100gを、金網(60mesh、#3
5)を用いて篩過した後、混合した。次いで、この混合
物に練合液として精製水7.5g(この混合物に対して
3%)を加え、小型練合機(畑製作所製)にて練合し
た。得られた練合物をドームグラン(不二パウダル製)
を用いて造粒し、次いで通気乾燥機(山田鉄工所製)に
て50℃で、30分間乾燥した。次いで、パワーミル
((株)昭和化学機械工作所製)を用いて調粒し、分級
してPPA顆粒(1)を得た。同様にして、250g/
バッチ(Batch)の仕込量により、D−マンニトー
ルの代わりにエリスリトール、キシリトール、およびD
−マンニトールとキシリトールとの組み合わせを用い
て、それぞれPPA顆粒(2)、PPA顆粒(3)およ
びPPA顆粒(4)を調製した。得られたPPA顆粒の
経時安定性を試験した。その結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】表2から、PPA顆粒に、D−マンニトー
ルまたはD−マンニトールとキシリトールとの組み合わ
せを含有させることにより、経時的な外観の着色変化が
抑制されたことが分かる。
【0047】(製造例2:CPM顆粒の調製)d−マレ
イン酸クロルフェニラミンを含有する第2の顆粒(以
下、CPM顆粒と略す)を以下のようにして調製した。
表3の処方を基に、上記製造例1に記載の手順に従い、
250g/Batchの仕込量により、d−マレイン酸
クロルフェニラミンおよび糖アルコールを用いて、CP
M顆粒(1)〜(5)を調製した。得られたCPM顆粒
の経時安定性を試験した。その結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】表3から、CPM顆粒に、D−マンニトー
ル、エリスリトールもしくはキシリトール、またはD−
マンニトールとエリスリトールもしくはキシリトールと
の組み合わせを含有させることにより、経時的な外観の
着色変化が抑制されたことが分かる。
【0050】(実施例1〜10)上記で得られたPPA
顆粒(1)とCPM顆粒(1)〜(5)のいずれか1種
とを、およびPPA顆粒(4)とCPM顆粒(1)〜
(5)のいずれか1種とを、重量比1:1で混合するこ
とにより、それぞれPPA・CPM複合顆粒剤を調製し
た。得られたPPA・CPM複合顆粒剤の経時安定性試
験および味覚試験を行った。その結果を表4に示す。
【0051】
【表4】
【0052】さらに、上記味覚試験の結果(苦味の有無
および全体の服用感)を記号化し、表5に示す。表5で
は、評価した段階の平均値に従って次のように表記し
た:×:1〜1.9;△:2〜2.9;○:3〜3.
9;◎:4〜5。
【0053】
【表5】
【0054】表4(口溶け感および色差)から、いずれ
の複合顆粒剤も、口腔内で30秒以内に容易に溶解し、
そして経時的な外観の着色変化が抑制されたことが分か
る。さらに表5から、D−マンニトールまたはD−マン
ニトールとキシリトールとの組み合わせを含有するPP
A顆粒と、エリスリトールもしくはキシリトール、また
はD−マンニトールとエリスリトールもしくはキシリト
ールとの組み合わせを含有するCPM顆粒とを用いて調
製した複合顆粒剤では、塩酸フェニルプロパノールアミ
ンの苦味が特に軽減され、かつ全体の服用感も良好であ
ったことが分かる。
【0055】(比較例1)塩酸フェニルプロパノールア
ミン75g、d−マレイン酸クロルフェニラミン5gお
よびD−マンニトール170gを用いて、上記製造例1
に記載の手順に従って、両方の成分を単一の顆粒中に含
有するPPA・CPM顆粒剤を調製した。得られたPP
A・CPM顆粒剤の経時安定性試験を行ったところ、色
差(ΔE)は3.6であった。
【0056】(実施例11〜14)以下の実施例におい
ては、いずれも上記製造例1に記載の手順に従って顆粒
を調製した。まず、塩酸フェニルプロパノールアミン1
2.5g、D−マンニトール118.75gおよびキシ
リトール118.75gを用いて、PPA顆粒(5)を
調製した。
【0057】次いで、d−マレイン酸クロルフェニラミ
ン0.6g、ベラドンナ総アルカロイド0.05g、グ
リチルリチン酸ジカリウム3.65g、無水カフェイン
10g、D−マンニトール117.85gおよびキシリ
トール117.85gを用いて、CPM顆粒(6)を調
製した。さらに表6に示すクエン酸およびクエン酸ナト
リウムを用いて、同様にして250g/Batchの仕
込量により、CPM顆粒(7)〜(9)を調製した。P
PA顆粒(5)およびCPM顆粒(6)〜(9)の処方
を表6に示す。
【0058】
【表6】
【0059】上記で得られたPPA顆粒(5)とCPM
顆粒(6)〜(9)のいずれか1種とを、重量比1:1
で混合することにより、それぞれPPA・CPM複合顆
粒剤を調製した。得られたPPA・CPM複合顆粒剤の
味覚試験を行った。その結果を表7に示す。
【0060】
【表7】
【0061】表7から、いずれの複合顆粒剤も、口腔内
で30秒以内に容易に溶解したことが分かる。また、ク
エン酸およびクエン酸ナトリウムを添加することによ
り、塩酸フェニルプロパノールアミンの苦味をさらに軽
減することができた。この苦味の軽減は、クエン酸の添
加量が増加するにつれて顕著になり、これに伴って全体
の服用感も向上した。
【0062】(実施例15)含水二酸化ケイ素(カープ
レックス67;シオノギ)に香料(ペパーミントオイ
ル;塩野香料(株))を1:1の割合で吸着させたもの
を、実施例14のPPA・CPM複合顆粒剤に0.2重
量%添加し、味覚試験を行った。その結果を表8に示
す。
【0063】
【表8】
【0064】表8から、香料(ペパーミントオイル)を
添加することにより、実施例14に比べ、さらに塩酸フ
ェニルプロパノールアミンの苦味が軽減された。これに
伴って、全体の服用感もさらに向上した。
【0065】(実施例16)まず、塩酸フェニルプロパ
ノールアミン20g、D−マンニトール110gおよび
キシリトール110gを用いて、PPA顆粒(6)を調
製した。
【0066】次いで、d−マレイン酸クロルフェニラミ
ン0.72g、ベラドンナ総アルカロイド0.06g、
グリチルリチン酸ジカリウム4.38g、無水カフェイ
ン12g、D−マンニトール111.42gおよびキシ
リトール111.42gを用いて、CPM顆粒(10)
を調製した。
【0067】さらに、アスコルビン酸32g、D−マン
ニトール104gおよびキシリトール104gを用い
て、アスコルビン酸顆粒(1)(以下、VC顆粒(1)
と略す)を調製した。
【0068】上記で得られたPPA顆粒(6)、CPM
顆粒(10)およびVC顆粒(1)を、重量比3:4:
3で混合することにより、PPA・CPM・VC複合顆
粒剤を調製した。得られたPPA・CPM・VC複合顆
粒剤の味覚試験を行った。その組成を表9に、試験結果
を表10に示す。
【0069】
【表9】
【0070】
【表10】
【0071】表10から、実施例16で得られた複合顆
粒剤は、口腔内で30秒以内に容易に溶解したことが分
かる。また、塩酸フェニルプロパノールアミンの苦味
は、クエン酸およびクエン酸ナトリウムを添加した複合
顆粒剤(実施例12〜14)と比較して、同程度以上に
軽減された。この苦味の軽減に伴って全体の服用感もさ
らに向上した。
【0072】(実施例17)実施例15と同様に、含水
二酸化ケイ素(カープレックス67;シオノギ)に香料
(レモンライムエッセンス;塩野香料(株))を1:1
の割合で吸着させたものを、実施例16のPPA・CP
M・VC複合顆粒剤に0.2重量%添加し、味覚試験を
行った。その結果を表11に示す。
【0073】
【表11】
【0074】表11から、香料(レモンライムエッセン
ス)を添加することにより、実施例16に比べ、さらに
塩酸フェニルプロパノールアミンの苦味が軽減された。
これに伴って、全体の服用感もさらに向上し、実施例1
5と同程度であった。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、塩酸フェニルプロパノ
ールアミンを含有する第1の顆粒とd−マレイン酸クロ
ルフェニラミンを含有する第2の顆粒とを混合すること
により、経時的な外観の着色変化が顕著に抑制された、
複合顆粒剤が得られる。この複合顆粒剤に、さらに特定
の糖アルコールを添加することにより、塩酸フェニルプ
ロパノールアミンの苦味が軽減され、口腔内速溶性の製
剤として、水なしでも容易に服用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/704 A61K 31/704 47/10 47/10 47/12 47/12 47/44 47/44 A61P 27/16 A61P 27/16 37/08 37/08 (72)発明者 岡田 裕香 大阪府高槻市下田部町1丁目23−11 303 号 Fターム(参考) 4C076 AA31 BB01 CC01 CC03 CC24 DD38 DD43 DD59 EE53 FF33 FF46 FF52 GG12 4C086 AA01 AA02 BA18 BC17 CB07 DA11 MA02 MA03 MA04 MA05 MA41 MA52 NA03 NA09 NA20 ZA08 ZA11 ZA25 ZA34 ZB13 ZC28 4C206 AA01 AA02 FA10 MA02 MA03 MA04 MA05 MA61 MA72 NA03 NA09 NA20 ZA25

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の顆粒と第2の顆粒とを含有する複
    合顆粒剤であって、該第1の顆粒が塩酸フェニルプロパ
    ノールアミンを含有し、該第2の顆粒がd−マレイン酸
    クロルフェニラミンを含有する、複合顆粒剤。
  2. 【請求項2】 前記第1の顆粒がさらに、D−マンニト
    ールおよびD−マンニトールとキシリトールとの組み合
    わせからなる群より選択される糖アルコールを含有し、
    前記第2の顆粒がさらに、D−マンニトール、キシリト
    ール、エリスリトール、キシリトールおよび/またはエ
    リスリトールとD−マンニトールとの組み合わせからな
    る群より選択される糖アルコールを含有する、請求項1
    に記載の複合顆粒剤。
  3. 【請求項3】 前記第1の顆粒がD−マンニトールとキ
    シリトールとの組み合わせを含有し、前記第2の顆粒が
    キシリトールまたはエリスリトールを含有する、請求項
    2に記載の複合顆粒剤。
  4. 【請求項4】 前記第2の顆粒がさらに有機酸またはそ
    の塩を含有する、請求項2に記載の複合顆粒剤。
  5. 【請求項5】 前記有機酸が、クエン酸、リンゴ酸およ
    び酒石酸からなる群より選択される、請求項4に記載の
    複合顆粒剤。
  6. 【請求項6】 アスコルビン酸をさらに含有する、請求
    項2に記載の複合顆粒剤。
  7. 【請求項7】 前記アスコルビン酸を第3の顆粒として
    含有する、請求項6に記載の複合顆粒剤。
  8. 【請求項8】 香料をさらに含有する、請求項2に記載
    の複合顆粒剤。
  9. 【請求項9】 前記香料が、ペパーミントオイル、ハー
    ブミントエッセンス、l−メントール、レモンオイルお
    よびレモンライムエッセンスからなる群より選択され
    る、請求項8に記載の複合顆粒剤。
  10. 【請求項10】 前記第2の顆粒が、カフェイン、ベラ
    ドンナ総アルカロイドならびにグリチルリチン酸および
    その塩からなる群より選択される1種以上のさらなる活
    性成分を含有する、請求項1または2に記載の複合顆粒
    剤。
  11. 【請求項11】 前記第1の顆粒と前記第2の顆粒との
    重量比が9:1〜1:9であり、該第1の顆粒中の塩酸
    フェニルプロパノールアミンの含有量が1重量%〜80
    重量%であり、該第2の顆粒中のd−マレイン酸クロル
    フェニラミンの含有量が0.1重量%〜20重量%であ
    る、請求項1に記載の複合顆粒剤。
  12. 【請求項12】 前記第1の顆粒がさらに、D−マンニ
    トールおよびD−マンニトールとキシリトールとの組み
    合わせからなる群より選択される糖アルコールを含有
    し、前記第2の顆粒がさらに、D−マンニトール、キシ
    リトール、エリスリトール、キシリトールおよび/また
    はエリスリトールとD−マンニトールとの組み合わせか
    らなる群より選択される糖アルコールを含有し、ここで
    該第1の顆粒中の糖アルコールの含有量が20重量%〜
    99重量%であり、該第2の顆粒中の糖アルコールの含
    有量が80重量%〜99.9重量%である、請求項11
    に記載の複合顆粒剤。
  13. 【請求項13】 口腔内速溶性である、請求項1〜12
    のいずれかに記載の複合顆粒剤。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかに記載の複
    合顆粒剤の製造方法であって:前記第1の顆粒と前記第
    2の顆粒とを別々に調製する工程;および該第1の顆粒
    と該第2の顆粒とを混合する工程を包含する、方法。
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