JP2001063593A - 抜け止め構造 - Google Patents

抜け止め構造

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JP2001063593A
JP2001063593A JP24000599A JP24000599A JP2001063593A JP 2001063593 A JP2001063593 A JP 2001063593A JP 24000599 A JP24000599 A JP 24000599A JP 24000599 A JP24000599 A JP 24000599A JP 2001063593 A JP2001063593 A JP 2001063593A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】筒状部材に貫通孔や段差を形成することなく、
組み付け性を低下させることなく、筒状部材に対する挿
入部材の軸方向変位を低減し又はなくせる抜け止め構造
を提供する。 【解決手段】筒状部材の内周の第1の環状溝25と、筒状
部材6に挿入される挿入部材22の外周の第2の環状溝26
との間の環状領域に、径方向に弾性変形可能な一対の端
部を有する止め輪23が配置される。その環状領域に配置
された止め輪23が両環状溝25、26の内面に接すること
で、挿入部材22の筒状部材6に対する軸方向変位が規制
される。その止め輪23の径方向における弾性変形によ
り、挿入部材22の筒状部材6に対する抜き差しが許容さ
れる。両環状溝25、26の中の一方は筒状部材6の軸心と
同心の円周に沿って形成され、他方は筒状部材6の軸心
まわりの螺旋に沿って形成される。両環状溝25、26の中
の他方の軸方向における幅は、その止め輪23の軸方向に
おける幅を超えるものとされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筒状部材に挿入さ
れる部材の抜け止め構造に関し、例えばラックピニオン
式油圧パワーステアリング装置に適用できる。
【0002】
【従来の技術】ラックピニオン式油圧パワーステアリン
グ装置においては、操舵により回転するピニオンに噛み
合うラックを覆うシリンダチューブの内部に油室が形成
される。その油室の一端は、そのシリンダチューブの内
周とラックの外周との間に位置するラックブッシュによ
り閉鎖される。そのラックブッシュのシリンダチューブ
からの抜けと、そのラックの端部に連結されるボールョ
イント等の部材のシリンダチューブ内への移動を阻止す
るため、そのシリンダチューブにラックブッシュよりも
外方側に位置するストッパーが挿入される。
【0003】そのストッパーの抜け止めのため、そのシ
リンダチューブの内周に形成される第1の環状溝と、そ
のストッパーの外周に形成される第2の環状溝の間の環
状領域に、鋼線材を湾曲させることで構成されるサーク
リップを配置することが行われている。そのサークリッ
プが両環状溝の内面に接することで、そのシリンダチュ
ーブに対するストッパーの軸方向変位が規制される。そ
のサークリップを構成するため、両環状溝の間の環状領
域に通じる貫通孔をシリンダチューブに形成し、その貫
通孔に鋼線材の先端を挿入し、しかる後にストッパーを
回転させることで鋼線材を環状領域内で湾曲させてい
た。しかし、その貫通孔からシリンダチューブ内に泥水
や塵埃等が侵入するのを防止するため、そのシリンダチ
ューブの端部開口を覆うカバーや、そのシリンダチュー
ブを車体に固定するマウンティングラバー等により、そ
の貫通孔を閉鎖しなければならない。そのため、伸縮カ
バーが必要以上に大きくなったり、マウンティングラバ
ーの配置が制限され、設計の自由度が制限されるという
問題がある。
【0004】また、そのストッパーのシリンダチューブ
に対する軸方向変位を規制するため、シリンダチューブ
の内周に形成された環状溝に嵌め合わされる径方向に弾
性変形可能な止め輪と、シリンダチューブの内周に形成
される段差との間にストッパーを配置することが行われ
ている。しかし、シリンダチューブの内周に段差を形成
する場合、シリンダチューブの拡管加工や内周加工が必
要で、工数、コストが増大する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、シリンダチュ
ーブの内周に形成される第1の環状溝と、そのストッパ
ーの外周に形成される第2の環状溝の間の環状領域に、
径方向に弾性変形可能な止め輪を配置し、その止め輪を
両環状溝の内面に当接させることで、そのストッパーの
シリンダチューブに対する軸方向変位を規制し、その止
め輪の弾性変形により止め輪の外径をシリンダチューブ
の内径よりも小さくすることで、ストッパーのシリンダ
チューブに対する抜き差しを可能にすることが考えられ
る。
【0006】しかし、環状溝内で止め輪を径方向に弾性
変形させる際、その環状溝の軸方向における幅と、その
止め輪の軸方向における幅との差がないと、その止め輪
の弾性変形を円滑に行うのが困難で組み付け性が低下す
る。一方、その環状溝の軸方向における幅と、その止め
輪の軸方向における幅との差を大きくすると、組み付け
後において、シリンダチューブに対するストッパーの軸
方向におけるガタつきが大きくなってしまう。
【0007】本発明は、上記問題を解決することのでき
る抜け止め構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本件第1発明の抜け止め
構造は、筒状部材と、その筒状部材に挿入される挿入部
材と、その筒状部材の内周に形成される第1の環状溝
と、その挿入部材の外周に形成される第2の環状溝と、
両環状溝の間の環状領域に配置され、且つ、その径方向
に弾性変形可能な一対の端部を有する止め輪とを備え
る。その環状領域に配置された止め輪が両環状溝の内面
に接することで、その挿入部材の筒状部材に対する軸方
向変位が規制される。その止め輪の径方向における弾性
変形により、その挿入部材の筒状部材に対する抜き差し
が許容される。その第1の環状溝と第2の環状溝の中の
一方は筒状部材の軸心と同心の円周に沿って形成され、
他方は筒状部材の軸心まわりの螺旋に沿って形成され
る。両環状溝の中の他方の軸方向における幅は、その止
め輪の軸方向における幅を超えるものとされている。
【0009】この構成によれば、筒状部材に挿入部材を
組み付けるに際しては、まず、第1の環状溝と第2の環
状溝の中の他方に止め輪を嵌め合わせ、径方向に弾性変
形させた状態で挿入部材を筒状部材に挿入する。しかる
後に、止め輪を復元変形させることで両環状溝の間の環
状領域に配置させる。これにより、止め輪が両環状溝の
内面に接することで、挿入部材の筒状部材に対する軸方
向変位が規制される。両環状溝の中の他方の軸方向にお
ける幅は、その止め輪の軸方向における幅を超えるの
で、両環状溝の中の他方において止め輪を円滑に弾性変
形させることができ、組み付け性の低下を防止できる。
そして、両環状溝の中の一方は筒状部材の軸心と同心の
円周に沿って形成され、他方は筒状部材の軸心まわりの
螺旋に沿って形成されるので、両環状溝の間の環状領域
に配置された止め輪が両環状溝の中の一方の内面に接す
る状態では、止め輪の径方向は筒状部材の軸心方向と直
角になる。よって、止め輪に対する挿入部材の軸方向相
対変位は、両環状溝の中の他方の軸方向における幅から
止め輪の軸方向における幅を差し引いた寸法よりも、両
環状溝の中の他方の一端と他端との軸方向におけるずれ
寸法だけ低減できる。これにより、止め輪に対する挿入
部材の軸方向相対変位を低減し又はなくすことで、シリ
ンダチューブに対する挿入部材の軸方向相対変位を低減
し又はなくすことができる。
【0010】本件第1発明において、両環状溝の中の他
方の一端と他端との軸方向におけるずれ寸法は、両環状
溝の中の他方の軸方向における幅から止め輪の軸方向に
おける幅を差し引いた寸法以下とされているのが好まし
い。これにより、止め輪を両環状溝の間の環状領域に配
置する際に、止め輪が両環状溝の中の他方の内面に過大
な力で押し付けられることはないので、円滑に組み付け
を行うことができる。
【0011】本件第2発明の抜け止め構造は、筒状部材
と、その筒状部材に挿入される挿入部材と、その筒状部
材の内周に形成される第1の環状溝と、その挿入部材の
外周に形成される第2の環状溝と、両環状溝の間の環状
領域に配置される止め輪とを備える。その止め輪は、一
対の端部を有することで径方向に弾性変形可能な本体を
有する。その挿入部材に、その一対の端部を配置可能な
凹部が、その第2の環状溝に連なると共に挿入部材の一
端面側と外周側とにおいて開口するように形成される。
その第2の環状溝の軸方向における幅は、その止め輪の
軸方向における幅を超えるものとされる。その環状領域
に配置された止め輪が両環状溝の内面に接することで、
その挿入部材の筒状部材に対する軸方向変位が規制され
る。その止め輪の径方向における弾性変形により止め輪
の外径が筒状部材の内径よりも小さくなることで、その
挿入部材の筒状部材に対する抜き差しが許容される。前
記止め輪の本体の少なくとも一方の端部側に、前記第2
の環状溝よりも挿入部材の他端面側に近接配置される押
し付け部が一体化される。その止め輪が第2の環状溝内
で外径が小さくなるように弾性変形する時、その押し付
け部は前記凹部の内面に押し付けられることで本体に対
して筒状部材の軸方向に弾性的に相対変位する。その止
め輪が前記環状領域に配置される時、その止め輪の押し
付け部の本体に対する復元力により、その本体は両環状
溝の内面に押し付けられる。
【0012】この構成によれば、筒状部材に挿入部材を
組み付けるに際しては、まず、止め輪を第2の環状溝に
嵌め合わせ、その第2の環状溝内で外径が小さくなるよ
うに径方向に弾性変形させる。この時、その止め輪の押
し付け部は、挿入部材の凹部の内面に押し付けられるこ
とで、本体に対して筒状部材の軸方向に弾性的に変位す
る。この状態で挿入部材を筒状部材に挿入し、しかる後
に止め輪を復元変形させることで両環状溝の間の環状領
域に配置させる。この時、その止め輪の押し付け部の本
体に対する復元力により、その本体は両環状溝の内面に
押し付けられる。これにより、挿入部材の筒状部材に対
する軸方向相対変位が阻止される。
【0013】本件第2発明において、その挿入部材の凹
部の内面は、その挿入部材の外周に向かうに従い他端面
側に向かうように、その挿入部材の径方向に対して傾斜
するのが好ましい。これにより、止め輪の押し付け部を
凹部の内面に押し付ける力は、その止め輪の外径を大き
くする方向に作用する。よって、その外径が筒状部材の
内径よりも小さくなるように止め輪が変形するのが阻止
され、挿入部材の筒状部材からの抜けを確実に防止でき
る。
【0014】本件発明において、前記筒状部材により、
ラックピニオン式ステアリング装置において操舵により
回転するように設けられるピニオンに噛み合うラックを
覆うシリンダチューブが構成され、前記挿入部材に、そ
のラックの挿通用通孔が形成され、その挿入部材は、そ
の筒状部材の内部に形成される油室の一端を閉鎖するラ
ックブッシュよりも外方側に位置するように、その筒状
部材に挿入され、その挿入部材により、そのラックブッ
シュの筒状部材外方への移動と、そのラックに一体化さ
れる部材の筒状部材内方への移動とが阻止可能であるの
が好ましい。この構成によれば、その筒状部材の外周に
貫通孔を形成することなく止め輪により挿入部材の筒状
部材からの抜けを阻止し、また、ラックブッシュの筒状
部材外方への移動と、そのラックに一体化されるボール
ジョイント等の部材の筒状部材内方への移動を阻止でき
る。よって、その筒状部材の端部開口を覆う伸縮カバー
や、その筒状部材を車体に固定するマウンティングラバ
ー等の寸法や配置の制限を緩和できる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1〜図6を参照して本発明の第
1実施形態を説明する。図1、図2に示すラックピニオ
ン式油圧パワーステアリング装置1は、ステアリングホ
イール(図示省略)に連結される入力シャフト2と、こ
の入力シャフト2の回転により回転するピニオン3と、
このピニオン3に噛み合うラック4と、そのピニオン3
とラック4のかみ合い部を覆うハウジング5と、そのハ
ウジング5から突出するラック4の一端側を覆うシリン
ダチューブ(筒状部材)6とを備えている。そのシリン
ダチューブ6の一端開口から突出するラック4の一端
と、そのハウジング5に形成された開口5bから突出す
るラック4の他端は、それぞれボールジョイント7a、
7bを介してタイロッド8a、8bに連結され、そのタ
イロッド8a、8bを介して車輪に連結される。これに
より、操舵によりピニオン3が回転してラック4が車両
幅方向に移動することで車両の転舵がなされる。
【0016】そのシリンダチューブ6の内周とラック4
の外周との間をシールする一対のシール部材10、11
が設けられ、このシール部材10、11の間においてラ
ック4にピストン12が取り付けられている。これによ
り、両シール部材10、11の間にピストン12によっ
て仕切られる一対の油室13、14が形成されている。
そのシリンダチューブ6の内部に形成される一方の油室
13の一端を閉鎖するシール部材10は、ラック4を支
持する環状のラックブッシュ30と、このラックブッシ
ュ30の外周に形成された環状溝に嵌合されるOリング
31と、そのラックブッシュ30の外端内周に形成され
た環状凹部に嵌合されるオイルシール32とで構成され
ている。
【0017】その入力シャフト2の外周にコントロール
バルブ15が設けられている。このバルブ15は圧油供
給用ポンプに接続されると共に、各油室13、14に配
管16、17を介して接続され、操舵方向と操舵抵抗に
応じて油室13、14の一方に圧油を供給し、他方から
油をタンクに還流する。これにより、そのピストン12
に作用する油圧により操舵補助力を付与する。そのコン
トロールバルブ15は公知のものを用いることができ
る。
【0018】そのシリンダチューブ6に、そのラック4
の挿通用通孔22aを有する筒状ストッパー(挿入部
材)22が、上記ラックブッシュ30よりも外方側に位
置するように挿入されている。そのラック4の軸心と、
そのシリンダチューブ6の内周が沿う円筒面の軸心と、
そのストッパー22の外周が沿う円筒面の軸心とは略一
致される。そのストッパー22により、そのラックブッ
シュ30のシリンダチューブ6外方への移動と、そのラ
ック4に一体化されるボールジョイントのシリンダチュ
ーブ6内方への移動とが阻止される。
【0019】図3、図4に示すように、そのシリンダチ
ューブ6の内周に第1の環状溝25が形成され、そのス
トッパー22の外周に第2の環状溝26が形成されてい
る。両環状溝25、26の間の環状領域に止め輪23が
配置される。その止め輪23は、周方向の間隔をおいて
互いに対向する一対の端部を有することで径方向に弾性
変形可能な環状の本体23Aと、各端部から径方向内方
に向かい延びる摘み部23a、23bとを有する。この
止め輪23は、自然状態での外径がシリンダチューブ6
の内径よりも大きく、且つ、両摘み部23a、23bの
間隔を狭めることで、その外径がシリンダチューブ6の
内径よりも小さくなるように弾性変形し、この止め輪2
3の弾性変形を許容するように第2の環状溝26の深さ
が設定されている。本実施形態では、止め輪23の断面
は円形とされているが、特に限定されず、例えば正4角
形でもよい。そのストッパー22に、その止め輪23の
両端部と両摘み部23a、23bとを配置可能な凹部2
2bが、上記第2の環状溝26に連なると共にストッパ
ー22の一端面22p側と内外周側とにおいて開口する
ように形成されている。その凹部22bの内面22b′
はストッパー22の径方向に沿う。
【0020】その止め輪23をストッパー22の第2の
環状溝26に嵌め合わせ、凹部22b内に配置された一
対の摘み部23a、23bの間隔を狭め、その第2の環
状溝26内で外径がシリンダチューブ6の内径よりも小
さくなるように径方向に弾性変形させることで、ストッ
パー22を止め輪23と共にシリンダチューブ6内に挿
入できる。しかる後に、一対の摘み部23a、23bの
間隔を狭める力を解除し、止め輪23を復元変形させる
ことで、両環状溝25、26の間の環状領域に配置でき
る。その環状領域に配置された止め輪23が両環状溝2
5、26の内面に接することで、ストッパー22のシリ
ンダチューブ6に対する軸方向変位が規制される。その
止め輪23の径方向における弾性変形により止め輪23
の外径がシリンダチューブ6の内径よりも小さくなるこ
とで、そのストッパー22のシリンダチューブ6に対す
る抜き差しが許容される。
【0021】図5の(1)に示すように、その第1の環
状溝25はシリンダチューブ6の軸心と同心の円周に沿
って形成される。図5の(2)に示すように、その第2
の環状溝26はストッパー22の外周にシリンダチュー
ブ6の軸心まわりの螺旋に沿って形成される。その第2
の環状溝26の一端26aは、上記凹部22bを介して
対向する他端26bよりも、ストッパー22の他端面2
2q側に配置される。すなわち、その第2の環状溝26
の一端26aと他端26bとは、シリンダチューブ6の
軸方向において互いに対して寸法Dだけずれる。図6に
示すように、その第2の環状溝26の軸方向における幅
Aは、その止め輪23の軸方向における幅Cを超えるも
のとされている。その第2の環状溝26の一端26aと
他端26bとのシリンダチューブ6の軸方向におけるず
れ寸法Dは、その第2の環状溝26の軸方向における幅
Aから止め輪23の軸方向における幅Cを差し引いた差
分寸法(A−C)以下とされる。そのずれ寸法Dと差分
寸法(A−C)との差は小さい程好ましく、D=A−C
であるのが最も好ましい。例えば、その第2の環状溝2
6の軸方向における幅Aは2.4mmで公差が±0.0
5mmとされ、その止め輪23の軸方向における幅Cは
2.2mmで公差が±0.04mmとされ、その第2の
環状溝26の一端と他端とのシリンダチューブ6の軸方
向におけるずれ寸法Dは0.11mmで公差が+0.0
4mm、−0mmとされる。これにより、その差分寸法
(A−C)は0.11mm〜0.29mmとされる。な
お、第1の環状溝25の軸方向における幅Bと止め輪2
3の軸方向における幅Cとの差は小さい程好ましく、零
であるのが最も好ましい。例えば、その第1の環状溝2
5の軸方向における幅Bは2.32mmで公差が±0.
08mmとされる。
【0022】上記構成によれば、シリンダチューブ6に
ストッパー22を組み付けるに際しては、まず、第2の
環状溝26に止め輪23を嵌め合わせ、径方向に弾性変
形させた状態でストッパー22をシリンダチューブ6に
挿入する。しかる後に止め輪23を復元変形させること
で止め輪23を両環状溝25、26の間の環状領域に配
置する。これにより、ストッパー22のシリンダチュー
ブ6に対する軸方向変位が規制される。その第2の環状
溝26の軸方向における幅Aは、その止め輪23の軸方
向における幅Cを超えるものとされるので、第2の環状
溝26内において止め輪23を円滑に弾性変形させるこ
とができ、組み付け性の低下を防止できる。そして、第
1の環状溝25はシリンダチューブ6の軸心と同心の円
周に沿って形成され、第2の環状溝26はシリンダチュ
ーブ6の軸心まわりの螺旋に沿って形成されるので、両
環状溝25、26の間の環状領域に配置された止め輪2
3が第1の環状溝25の内面に接する状態で、止め輪2
3の径方向はシリンダチューブ6の軸心方向と直角にな
る。よって、止め輪23に対するストッパー22の軸方
向相対変位は、第2の環状溝26の軸方向における幅A
から止め輪23の軸方向における幅Cを差し引いた差分
寸法(A−C)よりも、第2の環状溝26の一端26a
と他端26bとのシリンダチューブ6の軸方向における
ずれ寸法Dだけ低減できる。これにより、止め輪23に
対するストッパー22の軸方向相対変位を低減し又はな
くすことで、シリンダチューブ6に対するストッパー2
2の軸方向相対変位を低減し又はなくすことができる。
さらに、ずれ寸法Dは差分寸法(A−C)以下とされて
いるので、止め輪23を両環状溝25、26の間の環状
領域に配置する際に、止め輪23が第2の環状溝26の
内面に過大な力で押し付けられることはなく、円滑に組
み付けを行うことができる。さらに、シリンダチューブ
6の外周に貫通孔を形成することなく止め輪23により
ストッパー22のシリンダチューブ6からの抜けを阻止
し、また、ラックブッシュのシリンダチューブ6外方へ
の移動と、そのラックに一体化されるボールジョイント
等の部材のシリンダチューブ6内方への移動を阻止でき
る。よって、そのシリンダチューブ6の端部開口を覆う
伸縮カバー9や、そのシリンダチューブ6を車体に固定
するマウンティングラバー等の寸法や配置の制限を緩和
できる。
【0023】図7〜図9を参照して本発明の第2実施形
態を説明する。なお、第1実施形態と同様部分は同一符
号で示し、相違点を説明する。まず、止め輪23の各摘
み部23a、23bは、本体23Aの各端部から径方向
内方に向かうに従い止め輪23の他端面22q側に向か
い延びる第1部分23a′、23b′と、各第1部分2
3a′、23b′の先端から径方向内方に向かうに従い
止め輪23の他端面22q側に向かい延びる第2部分2
3a″、23b″とを有する。各摘み部23a、23b
の第2部分23a″、23b″の一部は、止め輪23が
第2の環状溝26内で外径が小さくなるように弾性変形
する時、ストッパー22の凹部22bの内面22b′に
押し付けられる押し付け部23pとされている。これに
より、その凹部22b内に配置される止め輪23の両端
部側に、第2の環状溝26よりもストッパー22の他端
面22q側に近接配置される押し付け部23pが一体化
されている。そのストッパー22の凹部22bの内面2
2b′は、そのストッパー22の外周に向かうに従い他
端面側に向かうように、そのストッパー22の径方向に
対して傾斜する。その止め輪23が第2の環状溝26内
で外径が小さくなるように弾性変形する時、その押し付
け部23pは凹部22bの内面22b′に押し付けられ
ることで、本体23Aに対してシリンダチューブ6の軸
方向に弾性的に相対変位する。その止め輪23が両環状
溝25、26の間の環状領域に配置される時、その押し
付け部23pの本体23Aに対する復元力により、その
本体23Aは両環状溝25、26の内面に押し付けられ
る。他は第1実施形態と同様の構成とされている。
【0024】第2実施形態によれば、シリンダチューブ
6にストッパー22を組み付けるに際しては、まず、止
め輪23を第2の環状溝26に嵌め合わせ、その第2の
環状溝26内で外径が小さくなるように径方向に弾性変
形させる。この時、その止め輪23の押し付け部23p
は、ストッパー22の凹部22bの内面22b′に押し
付けられることで、本体23Aに対して軸方向に弾性的
に相対変位する。この状態でストッパー22をシリンダ
チューブ6に挿入し、しかる後に止め輪23を復元変形
させることで、止め輪23は両環状溝25、26の間の
環状領域に配置する。この時、その止め輪23の押し付
け部23pの本体23Aに対する復元力により、その本
体23Aは両環状溝25、26の内面に押し付けられ
る。これにより、ストッパー22のシリンダチューブ6
に対する軸方向変位が阻止される。さらに、そのストッ
パー22の凹部22bの内面22b′は、そのストッパ
ー22の外周に向かうに従い他端面22q側に向かうよ
うにストッパー22の径方向に対して傾斜するので、そ
の押し付け部23pを凹部22bの内面22b′に押し
付ける力は、その止め輪23の外径を大きくする方向に
作用する。よって、その外径がシリンダチューブ6の内
径よりも小さくなるように止め輪23が変形するのが阻
止され、ストッパー22のシリンダチューブ6からの抜
けを確実に防止できる。
【0025】本発明は上記実施形態に限定されない。例
えば第1実施形態において、第2の環状溝を筒状部材の
軸心と同心の円周に沿って形成し、第1の環状溝を筒状
部材の軸心まわりの螺旋に沿って形成し、第1の環状溝
の軸方向における幅が止め輪の軸方向における幅を超え
るものとしてもよい。この場合は、両環状溝の間の環状
領域内で、止め輪の径方向における弾性変形により止め
輪の内径が筒状部材の内径よりも大きくなることで、そ
の挿入部材の筒状部材に対する抜き差しが許容されるよ
うにする。また、第2実施形態において、止め輪の一対
の端部の中の一方側にのみ一体化されるように押し付け
部を設けてもよい。また、ラックピニオン式油圧パワー
ステアリング装置以外における筒状部材からの挿入部材
の抜け止め構造にも本発明を適用できる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、筒状部材に貫通孔や段
差を形成することなく、組み付け性を低下させることな
く、筒状部材に対する挿入部材の軸方向変位を低減し又
はなくせる抜け止め構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のステアリング装置の部
分断面図
【図2】本発明の第1実施形態のステアリング装置の要
部の断面図
【図3】本発明の第1実施形態のステアリング装置の要
部の拡大断面図
【図4】図2のIV‐IV線断面図
【図5】本発明の第1実施形態のステアリング装置の
(1)はシリンダチューブの部分断面図、(2)はスト
ッパーの部分側面図
【図6】本発明の第1実施形態のステアリング装置のシ
リンダチューブとストッパーとの組み付け状態を示す部
分破断平面図
【図7】本発明の第2実施形態のステアリング装置のシ
リンダチューブとストッパーとの組み付け状態を示す
(1)は部分破断平面図、(2)は部分側断面図
【図8】本発明の第2実施形態のステアリング装置の部
分横断面図
【図9】本発明の第2実施形態のステアリング装置のス
トッパーの(1)は正面図、(2)は側面図
【符号の説明】
3 ピニオン 4 ラック 6 シリンダチューブ(筒状部材) 22 ストッパー(挿入部材) 22b 凹部 22b′ 内面 23 止め輪 23A 本体 23c、23d 摘み部 23p 押し付け部 25 第1の環状溝 26 第2の環状溝 30 ラックブッシュ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状部材と、その筒状部材に挿入される
    挿入部材と、その筒状部材の内周に形成される第1の環
    状溝と、その挿入部材の外周に形成される第2の環状溝
    と、両環状溝の間の環状領域に配置され、且つ、その径
    方向に弾性変形可能な一対の端部を有する止め輪とを備
    え、その環状領域に配置された止め輪が両環状溝の内面
    に接することで、その挿入部材の筒状部材に対する軸方
    向変位が規制され、その止め輪の径方向における弾性変
    形により、その挿入部材の筒状部材に対する抜き差しが
    許容される抜け止め構造であって、その第1の環状溝と
    第2の環状溝の中の一方は筒状部材の軸心と同心の円周
    に沿って形成され、他方は筒状部材の軸心まわりの螺旋
    に沿って形成され、両環状溝の中の他方の軸方向におけ
    る幅は、その止め輪の軸方向における幅を超えるものと
    されていることを特徴とする抜け止め構造。
  2. 【請求項2】 両環状溝の中の他方の一端と他端との軸
    方向におけるずれ寸法は、両環状溝の中の他方の軸方向
    における幅から止め輪の軸方向における幅を差し引いた
    寸法以下とされている請求項1に記載の抜け止め構造。
  3. 【請求項3】 筒状部材と、その筒状部材に挿入される
    挿入部材と、その筒状部材の内周に形成される第1の環
    状溝と、その挿入部材の外周に形成される第2の環状溝
    と、両環状溝の間の環状領域に配置される止め輪とを備
    え、その止め輪は、一対の端部を有することで径方向に
    弾性変形可能な本体を有し、その挿入部材に、その一対
    の端部を配置可能な凹部が、その第2の環状溝に連なる
    と共に挿入部材の一端面側と外周側とにおいて開口する
    ように形成され、その第2の環状溝の軸方向における幅
    は、その止め輪の軸方向における幅を超えるものとさ
    れ、その環状領域に配置された止め輪が両環状溝の内面
    に接することで、その挿入部材の筒状部材に対する軸方
    向変位が規制され、その止め輪の径方向における弾性変
    形により止め輪の外径が筒状部材の内径よりも小さくな
    ることで、その挿入部材の筒状部材に対する抜き差しが
    許容される抜け止め構造であって、前記止め輪の本体の
    少なくとも一方の端部側に、前記第2の環状溝よりも挿
    入部材の他端面側に近接配置される押し付け部が一体化
    され、その止め輪が第2の環状溝内で外径が小さくなる
    ように弾性変形する時、その押し付け部は前記凹部の内
    面に押し付けられることで本体に対して筒状部材の軸方
    向に弾性的に相対変位し、その止め輪が前記環状領域に
    配置される時、その止め輪の押し付け部の本体に対する
    復元力により、その本体は両環状溝の内面に押し付けら
    れることを特徴とする抜け止め構造。
  4. 【請求項4】 その挿入部材の凹部の内面は、その挿入
    部材の外周に向かうに従い他端面側に向かうように、そ
    の挿入部材の径方向に対して傾斜する請求項3に記載の
    抜け止め構造。
  5. 【請求項5】 前記筒状部材により、ラックピニオン式
    ステアリング装置において操舵により回転するように設
    けられるピニオンに噛み合うラックを覆うシリンダチュ
    ーブが構成され、前記挿入部材に、そのラックの挿通用
    通孔が形成され、その挿入部材は、その筒状部材の内部
    に形成される油室の一端を閉鎖するラックブッシュより
    も外方側に位置するように、その筒状部材に挿入され、
    その挿入部材により、そのラックブッシュの筒状部材外
    方への移動と、そのラックに一体化される部材の筒状部
    材内方への移動とが阻止可能である請求項1〜4の中の
    何れかに記載の抜け止め構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007302232A (ja) * 2006-05-11 2007-11-22 Mando Corp 油圧式動力補助操向装置のシーリング部構造
CN103112489A (zh) * 2011-11-16 2013-05-22 株式会社捷太格特 车辆用转向装置

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JP2013103680A (ja) * 2011-11-16 2013-05-30 Jtekt Corp 車両用操舵装置

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