JP2001062864A - 断熱性を有する樹脂パネル及びその製造法 - Google Patents
断熱性を有する樹脂パネル及びその製造法Info
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Abstract
る樹脂パネルを提供する。 【解決手段】 発泡剤を含む熱可塑性合成樹脂を射出成
形法で板状に成形し、外面部1を無発泡に近い硬質に、
内部2を高発泡の多孔質に形成してなる。
Description
脂パネルに関し、更に詳しくはユニットバスルームやシ
ャワールーム等の壁材や天井材等の建築材料その他の内
装材に好適なよう形成した断熱性を有する樹脂パネル及
びその製造法に関するものである。
ばガラス繊維と熱硬化性樹脂を予め混ぜ合わせた原料、
例えばシートモールディングコンパウンド(Sheet Mold
ing Compound、以下、SMCという)を板状に成形し、
これにウレタン発泡剤や発泡スチロールの板等を裏打ち
して二層構造に形成したり、発泡樹脂シートを、塩化ビ
ニル樹脂の板とステンレス板等で挟み、三層構造に形成
したもの等がある。
C等の基板にウレタン発泡剤を吹き付けたり、発泡スチ
ロールの板や発泡樹脂シートを接着剤で貼り付ける方法
で製造されるのが通例であった。
るこの種パネルは、ユニットバスルーム等の壁材として
好適であるが、この種の浴室の場合、壁材は主要部品で
あり、その建築費、施工費に占める割合も高いものであ
る。従ってこの種のパネルは、できるだけ簡単に製造で
き、低廉化できるよう形成されているのが望ましい。
接着剤等を別途揃え、断熱材が後加工で吹き付けられた
り、貼り付けられてなるものであったから、従来品によ
ると製造に手間暇がかかり、その結果価格が高くなるの
を避けられなかった。
上、温度変化や湿度変化が激しい場所である。従ってこ
の種のパネルは、保温性、断熱性を有するだけではな
く、断熱材が基板から剥がれることなく、耐久性や強度
に優れ、更には施工が容易になるよう、軽く形成されて
いるのが望ましい。
接着剤等で貼り付けられてなるものであったから、従来
品によると、接着剤が変質、劣化し、露出している断熱
材が剥がれたり、脱落する惧れがあり、又重量も増加し
易いものであった。
通り、SMC等の基板を別途形成し、この基板にウレタ
ン発泡剤を後から吹き付けたり、発泡スチロールの板等
を接着剤で貼り付けて製造するものであった。従って従
来法によると、製造工程が多く、その分、製造に手間暇
がかかり、製品コストが高く付くことになる、という問
題点があった。
み、提案されたものである。従って本発明の技術的課題
は、安価で耐久性が高く、又軽量な樹脂パネル、及びこ
の樹脂パネルを少ない工程で簡単に製造できる製造法を
提供することにある。
解決するために、次のような技術的手段を採る。
ように、発泡剤を含む熱可塑性合成樹脂を射出成形法で
板状に成形し、外面部1が無発泡に近い硬質に形成され
ると共に、内部2が高発泡の多孔質に形成されてなるこ
とを特徴とする(請求項1)。
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビニル
樹脂等がある。又発泡剤としては、プロパン、ブタン、
ペンタン、ヘキサン等の揮発性液体がある。発泡の度合
は、合成樹脂と発泡剤の種類、両者の混合割合等によっ
て異なる。本発明の場合、外面部1の厚みは、キャビテ
ィ3c(図7等参照)に樹脂を充填後、可動型3aの移
動開始までの加圧時間と、成形型3の温度によって決ま
る。
合、射出圧は、100〜1000(Kg/cm2)、型
締め力は30〜100(Kg/cm2)の範囲、必要成
形機能力は、約1600トン(投影面積が1.6
(m2)、型締め力が100(Kg/cm2)として)
位に選定されるのが好ましい。
に、裏面の端部に、隣接するパネル同士を連結する際に
連結具4を嵌着させるための突条部5が、外面部1から
連ねられて無発泡に近い硬質に一体成形されてなるのが
好ましい(請求項2)。
合は、図11に示されるように、側端部に枠材a等をネ
ジや接着剤で取り付け、この枠材aに連結用のビスbを
取り付け、このビスbに連結金具cのダルマ孔dを嵌合
させた後、連結金具cを引き降ろし、隣接するパネル同
士を固定するのが通例であった。従って従来は、パネル
の連結のために、枠材aやビスb及び連結金具c等が必
用になったから、手間暇とコストがかかるのを避けられ
なかった。
クリップ状の連結具4を嵌着させるための突条部5が外
面部1と一体成形されているから、これによれば連結用
部品の取り付け等にかかる手間暇を軽減できると共に、
コストを低廉化できる。なおこの種パネルの製造法は、
図8に示す工程による。この場合、同図に示されるよう
に、固定型3bは、型面の端部に、突条部5を成形する
ための溝状の段差部3b1を備えてなる。
に、パネルの反りを防止するための補強用のリブ6が、
外面部1から連ねられて無発泡に近い硬質に一体成形さ
れてなるのが好ましい(請求項3)。
属製リブをパネルの裏側に取り付けて反りを防止するの
が通例であった。これに対し、この本発明の場合は、外
面部1の成形と同時に補強用のリブ6が形成されてなる
ものである。従ってこれによれば、リブの取付作業を省
略でき、この種作業にかかる手間暇を一掃できる。又こ
の場合は、リブ6が外面部1と同一材質であるから、見
た目が良いだけではなく、パネルの重量を重くすること
もない。なおこの種パネルを製造する場合、固定型3b
は、図5に示されるように、型面に、補強用のリブ6を
賦形するための溝3b2を備えてなる。
ては、図6、図7に示されるように、可動型3aと固定
型3bとでなる成形型3のキャビティ3cに、発泡剤を
含む熱可塑性合成樹脂を射出し、キャビティ3cに上記
の合成樹脂を充填後、所定時間加圧してキャビティ3c
の内周面に接触する外面部1の硬化を促進させ、上記合
成樹脂の発泡開始と同時に可動型3aを発泡度合に合わ
せて所定距離だけ移動させ、外面部1を無発泡に近い硬
質に成形すると共に、内部2を高発泡の多孔質に成形す
ることを特徴とするものがある(請求項4)。
溶剤を含侵吸収させるか、重合過程で含侵させることで
ペレット状に形成されている。本発明の場合、キャビテ
ィ3cに射出充填された樹脂は、所定時間高圧下におか
れる。従って樹脂は、発泡できず、先ずキャビティ3c
の内周面に接する外面部1が硬化する。そして例えば一
定時間経過し、発泡が開始すると、可動型3aを発泡倍
率、発泡状況に合わせて所定距離だけ移動させ、その位
置で所定時間停止させる。これにより外面部1が硬質
で、内部2が発泡した成形品を得るものである。なおこ
こで、熱可塑性合成樹脂としては、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂等
がある。又発泡剤には、例えばプロパン、ブタン、ペン
タン、ヘキサン等がある。
硬質に、内部2が高発泡層に成形され、図1に示される
ような樹脂パネルが得られる。この場合、発泡の度合、
発泡倍率は、合成樹脂と発泡剤の種類、混合割合等によ
って変化させることができ、発泡倍率を変化させること
により、断熱性能を違えたパネルを製造できる。
cに樹脂を充填後、可動型3aの移動開始までの加圧時
間と、成形型3の温度等によって決まる。又高発泡の断
熱層の厚みは、可動型3aの移動距離によって決定され
る。
図9Aに示されるように、加飾フィルム7をキャビティ
3cにセットすることにより、岩肌模様、大理石模様、
木目模様等の模様付けを成形と同時にできる。ここで加
飾フィルム7とは、成形品に模様や着色等を付けるた
め、装飾模様等が印刷等の手段で表面に付された薄膜状
の樹脂製品を意味する。この加飾フィルム7は、熱可塑
性合成樹脂との密着性が良くなるよう、熱可塑性合成樹
脂が例えばポリプロピレンの場合は、同様にポリプロピ
レン製のものを選定するのが好ましい。
粧面をキャビティ3cに臨ませ、固定型3bの型面にセ
ットする。本発明の場合、樹脂が射出されると、加飾フ
ィルム7は、可動型3aに押し付けられる。キャビティ
3cに充填された樹脂は、加圧下におかれるため、先ず
キャビティ3cの内周面に接する部分が硬化する。この
時点で加飾フィルム7は、外面部1と融着する。その
後、可動型3aが所定距離だけ例えば上昇し、未硬化の
樹脂が発泡を開始する。そして可動型3aが、設定位置
で一定時間停止し、その後冷却され、発泡層の硬化が完
了する。これにより表面が例えば岩肌模様等の樹脂パネ
ルが製造される。
00(Kg/cm2)、型締め力は30〜100(Kg
/cm2)の範囲、又必要成形機能力は、約1600ト
ン(投影面積が1.6(m2)、型締め力が100(K
g/cm2)として)位に選定されるのが好ましい。
を添付図面に従って説明する。
定の配合率で、熱可塑性合成樹脂としての例えばポリス
チレンに含ませて成形材料を作る。次にこれを射出装置
のホッパーに投入し、加熱溶融させ、可動型3aと固定
型3bとでなる成形型3のキャビティ3cに射出する。
射出圧は、100〜1000(Kg/cm2)の範囲に
選定されるのが好ましい。本発明の成形モードを、成形
型3を備えたプレス装置と射出装置について、図10に
示す。
5mmに選定し、発泡剤を含む熱可塑性合成樹脂を、こ
のキャビティ3cに一定時間充填する。この場合、成形
型3の温度は一定に維持し、樹脂を充填完了後、可動型
3aを所定時間加圧し、5mmの高さに維持する。この
場合、型締め力は、60〜75(Kg/cm2)、加圧
時間は約1〜5秒が好ましい。
合わせて例えば上昇させ、一定時間その位置で保持させ
る。樹脂は、成形型3内で冷却水によって熱を奪われ、
キャビティ3cの内周面に接する外面部1が最初に硬化
し、発泡、膨張後に内部2が次第に硬化する。そして樹
脂が完全に硬化後、可動型3aを更に上昇させて型開き
し、成形品としてのパネルを取り出す。これにより外面
部1が無発泡に近い硬質で、内部2が高発泡の、浴室等
の壁材や天井材に適した樹脂パネルが製造される。
ン、熱可塑性合成樹脂をポリスチレン、発泡剤の配合率
を約4%、発泡倍率を4倍に選定し、キャビティ3cに
約12000(cc)の溶融樹脂を、約9秒間射出し充
填した。この場合、当初のキャビティ3cの高さは、5
mm、成形型3の温度は可動型3aと固定型3bとも5
0℃に設定した。
で約2秒間、型締めした。そして発泡開始と同時に可動
型3aを17mm上昇させ、その位置で可動型3aを約
12秒、保持した。この結果、外面部1の厚さt(図1
参照)が約1mm、内部2の断熱層の厚さが約20m
m、全体の厚さTが約22mmの樹脂パネルを得た。
含む熱可塑性合成樹脂を射出成形法で板状に成形し、外
面部が無発泡に近い硬質に形成されると共に、内部が高
発泡の多孔質に形成されてなるものである。
ネルの成形と同時にでき上がるから、断熱層を別途加工
する必要がなく、その分、安価に提供できる。又本発明
パネルは、全体が同一材質であり、断熱層が外面部で覆
われているから、施工時、使用時における断熱材の剥が
れ、脱落を防止でき、しかも軽く、更には耐衝撃性、耐
久性が良い、という利点がある。
熱可塑性合成樹脂を充填後、所定時間加圧してキャビテ
ィの内周面に接触する外面部の硬化を促進させ、上記合
成樹脂の発泡開始と同時に可動型を発泡度合に合わせて
所定距離だけ移動させるものである。
に断熱層を同時に成形できるから、この種パネルの製造
工程を削減でき、安価にパネルを製造できる。又本発明
によれば、可動型の移動距離を変更することで、断熱層
の厚みを違えたパネルを簡単に製造できる。又本発明法
の場合、外面部は成形型に忠実に賦形するため、木目
調、岩肌調等の意匠性を持たせたパネルを容易に製造で
きる。
切欠した要部斜視図である。
ある。
断面図である。
切欠した要部斜視図である。
る。
とも各工程時の断面図である。
A〜Dとも各工程時の断面図である。
〜Dとも各工程時の断面図である。
る。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 発泡剤を含む熱可塑性合成樹脂を射出成
形法で板状に成形し、外面部が無発泡に近い硬質に形成
されると共に、内部が高発泡の多孔質に形成されてなる
ことを特徴とする断熱性を有する樹脂パネル。 - 【請求項2】 請求項1記載の断熱性を有する樹脂パネ
ルであって、裏面の端部に、隣接するパネル同士を連結
する際に連結具を嵌着させるための突条部が、外面部か
ら連ねられて無発泡に近い硬質に一体成形されてなるこ
とを特徴とする断熱性を有する樹脂パネル。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の断熱性を有する樹
脂パネルであって、裏面に、パネルの反りを防止するた
めの補強用のリブが、外面部から連ねられて無発泡に近
い硬質に一体成形されてなることを特徴とする断熱性を
有する樹脂パネル。 - 【請求項4】 可動型と固定型とでなる成形型のキャビ
ティに、発泡剤を含む熱可塑性合成樹脂を射出し、キャ
ビティに上記の合成樹脂を充填後、所定時間加圧してキ
ャビティの内周面に接触する外面部の硬化を促進させ、
上記合成樹脂の発泡開始と同時に可動型を発泡度合に合
わせて所定距離だけ移動させ、外面部を無発泡に近い硬
質に成形すると共に、内部を高発泡の多孔質に成形する
ことを特徴とする断熱性を有する樹脂パネルの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24569899A JP2001062864A (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | 断熱性を有する樹脂パネル及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24569899A JP2001062864A (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | 断熱性を有する樹脂パネル及びその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001062864A true JP2001062864A (ja) | 2001-03-13 |
Family
ID=17137487
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24569899A Pending JP2001062864A (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | 断熱性を有する樹脂パネル及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001062864A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001088235A (ja) * | 1999-09-20 | 2001-04-03 | Sekisui Chem Co Ltd | 熱可塑性樹脂多孔体 |
JP2002127177A (ja) * | 2000-10-19 | 2002-05-08 | Moriroku Co Ltd | 複合成形品 |
JP2010024689A (ja) * | 2008-07-17 | 2010-02-04 | Panasonic Electric Works Co Ltd | フロアパネル |
JP2014070367A (ja) * | 2012-09-28 | 2014-04-21 | Sekisui Chem Co Ltd | ユニット床材、その製造方法及び該ユニット床材の使用方法 |
JP2015511134A (ja) * | 2012-01-23 | 2015-04-16 | プロトマックス プラスチックス リミテッド | 大判ポリスチレンパネル |
-
1999
- 1999-08-31 JP JP24569899A patent/JP2001062864A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001088235A (ja) * | 1999-09-20 | 2001-04-03 | Sekisui Chem Co Ltd | 熱可塑性樹脂多孔体 |
JP2002127177A (ja) * | 2000-10-19 | 2002-05-08 | Moriroku Co Ltd | 複合成形品 |
JP2010024689A (ja) * | 2008-07-17 | 2010-02-04 | Panasonic Electric Works Co Ltd | フロアパネル |
JP2015511134A (ja) * | 2012-01-23 | 2015-04-16 | プロトマックス プラスチックス リミテッド | 大判ポリスチレンパネル |
JP2014070367A (ja) * | 2012-09-28 | 2014-04-21 | Sekisui Chem Co Ltd | ユニット床材、その製造方法及び該ユニット床材の使用方法 |
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