JP2001062255A - 逆浸透膜プラントおよびその製造、運転方法ならびにそのための記憶媒体 - Google Patents

逆浸透膜プラントおよびその製造、運転方法ならびにそのための記憶媒体

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JP2001062255A
JP2001062255A JP24159299A JP24159299A JP2001062255A JP 2001062255 A JP2001062255 A JP 2001062255A JP 24159299 A JP24159299 A JP 24159299A JP 24159299 A JP24159299 A JP 24159299A JP 2001062255 A JP2001062255 A JP 2001062255A
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osmosis membrane
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雅英 谷口
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貴之 中西
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正浩 木原
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    • Y02A20/124Water desalination
    • Y02A20/131Reverse-osmosis

Abstract

(57)【要約】 【課題】 濃度分極現象を考慮して逆浸透膜の輸送パラ
メータや逆浸透膜プラントの運転状態を正確に予測す
る。 【解決手段】 溶質透過の物質収支を表す濃度分極モデ
ルから導出される膜面における濃度分極式((Cm−C
p)/(Cf−Cp)=exp(Jv/k))に基づい
て、逆浸透膜プラントの運転状態を表す運転パラメータ
の実測値(Qp、Cp)から逆浸透膜の膜性能を表す膜
輸送パラメータ(Lp、P)を予測し、或いは既知の膜
輸送パラメータ(Lp、P)から逆浸透膜プラントの運
転状態(Qp、Cp)を予測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、逆浸透膜プラント
およびその製造、運転方法ならびにそのための記憶媒体
に関する。
【0002】
【関連する背景技術】海水の淡水化、超純水の製造、か
ん水からの脱塩などに逆浸透(RO)法を適用すること
が知られている。例えば、RO法による海水淡水化プラ
ントでは、濾過処理された海水を昇圧してRO膜モジュ
ールユニットに供給し、このRO膜モジュールユニット
により海水を濃縮水と淡水の透過水とに分離するように
している。
【0003】この様なRO膜プラントの安定操業を実現
するには、RO膜性能やこれを正確に表す膜輸送パラメ
ータを求めることが望ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、RO膜
の膜輸送パラメータを求めることは一般に困難であり、
従来は透過流束と脱塩率とからRO膜性能を予測してい
た。この場合、見かけの膜性能を把握できるに過ぎず、
RO膜プラントを最適に操業することは困難である。
【0005】また、RO膜は水の透過を許容する一方で
塩の透過を阻止するので、膜面に塩が蓄積して膜面塩濃
度Cmが原水濃度Cfよりも高くなるという濃度分極現
象が生じる(図1参照)。従来は、原水濃度Cfを濃度
および流速のそれぞれの実測値で補正する等して膜輸送
パラメータを予測していたが、濃度分極現象は、原水濃
度、温度、運転条件などにより大きく変動するため、実
際のプラントでは正確な輸送パラメータの把握が困難に
なる。そして、濃度分極現象が進行するにつれて、造水
量や脱塩率が従来の予測以上に低下し、更には、膜面塩
濃度が溶解度を超えると膜面にスケールが析出するとい
う不具合を招来する。
【0006】そこで、本発明は、濃度分極現象を考慮し
て逆浸透膜の輸送パラメータや逆浸透膜プラントの運転
状態を正確に予測するパラメータ予測方法及びその装置
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】逆浸透膜(RO)プラン
トにおいて、透過物質は溶媒および溶質からなり、溶媒
は圧力差によってRO膜を透過し、溶質は濃度差によっ
てRO膜を透過する。図2及び図3ならびに次式に示す
ように、溶媒透過流束Jvは、RO膜に固有な溶媒透過
係数Lpと有効圧力差ΔPeとの積で表され、また、溶
質透過流束Jsは、RO膜に固有な溶質透過係数Pと膜
間濃度差(Cm−Cp)との積で表される。
【0008】Jv=LpΔPe=Lp[ΔP−{π(C
m)−π(Cp)}] Js=P(Cm−Cp) ここで、π(Cm)、π(Cp)はそれぞれ原水側膜面
および透過側膜面における浸透圧である。RO膜の性能
すなわち溶質除去機能は、溶媒透過係数Lpが大きく溶
質透過係数Pが小さいほど良好になる。すなわち、これ
らの係数Lp、Pは膜性能を表すものであり、係数L
p、Pを膜輸送パラメータとして把握することは逆浸透
膜プラントを操業する上で極めて有用である。
【0009】上記のようにRO膜における溶媒透過の駆
動力となる有効圧力差ΔPeは、膜間圧力差ΔPから浸
透圧差を減じたものに等しい。この浸透圧差π(Cm)
−π(Cp)は膜面濃度Cmによって変化し、従って、
溶媒透過流束Jvも膜面濃度Cmに応じて変化すること
になる。また、溶質透過流束Jsを決める濃度差(Cm
−Cp)も膜面濃度Cmに応じて変化する。このため、
RO膜における溶媒透過流束Jvおよび溶質透過流束J
sを把握する上で膜面濃度Cmの把握が重要になる。
【0010】また、膜面濃度Cmを把握する上で、濃度
分極現象(膜面への溶質の蓄積によって膜面濃度が原水
濃度よりも高くなる現象)を考慮することが望ましい。
この濃度分極現象は、例えば、透過流束に伴う溶質移動
Jv・Cと、膜面に蓄積した溶質の拡散D・dC/dx
と、膜を透過した溶質量Jv・Cpという3つの物質収
支を示す次式によって表すことができる(図1参照)。
【0011】Jv・C−D・dC/dx=Jv・Cp ここで、Dは溶質の拡散係数である。物質収支を表す上
記の式を積分して、下記の膜面における濃度分極式を得
る。 (Cm−Cp)/(Cf−Cp)=exp(Jv/k) ここで、k=D/δであり、kは物質移動係数を表し、
δは物質移動が行われる層の厚みを表す。
【0012】請求項1および2のそれぞれに記載の発明
による逆浸透膜プラントの製造方法および運転方法は、
溶質透過の物質収支を表す濃度分極モデルから導出され
る濃度分極式に基づいて、逆浸透膜プラントの運転状態
を表す運転パラメータの実測値から逆浸透膜の膜性能を
表す膜輸送パラメータを予測するか、または、逆浸透膜
の膜性能を表す既知の膜輸送パラメータから逆浸透膜プ
ラントの運転パラメータを予測し、この予測値に基づい
て逆浸透膜プラントの運転条件を定めることを特徴とす
る。
【0013】請求項1、2の発明によれば、逆浸透膜プ
ラントの運転パラメータの実測値から濃度分極式に基づ
いて膜輸送パラメータを予測できる。この膜輸送パラメ
ータの予測において濃度分極現象が考慮されるので、膜
性能を正確に把握できる。そして、この様な膜輸送パラ
メータの予測値に基づいて逆浸透膜プラントの運転条件
が定められ、これにより逆浸透膜プラントの製造や運転
が最適に実施される。また、請求項1、2の発明によれ
ば、逆浸透膜プラントの運転パラメータが既知の膜輸送
パラメータから予測される。この予測値は濃度分極現象
を良好に反映したものであり、この予測値に基づいて逆
浸透膜プラントの運転条件を定めることにより、逆浸透
膜プラントの製造や運転が最適に実施される。
【0014】請求項1または2に記載の発明において、
請求項3では、原水の供給圧力、原水流量、濃縮水流
量、透過水の回収率、透過水流量および透過水中の溶質
濃度からなる群から選ばれる少なくともひとつが運転条
件として定められ、請求項4では透過水流量および/ま
たは透過水中の溶質濃度が運転パラメータとして用いら
れ、また、請求項5では溶媒透過係数および/または溶
質透過係数が膜輸送パラメータとして用いられる。
【0015】請求項3、4および5の発明によれば、逆
浸透膜プラントの製造または運転での主要因子が運転条
件、運転パラメータまたは膜輸送パラメータとして選択
され、プラントの製造または運転が最適化される。請求
項6に記載の発明に係る逆浸透膜プラントは、請求項
1、3、4または5に記載の製造方法により製造される
ものであり、その製造に際して濃度分極現象が良好に反
映されることから所要のプラント性能を備えた逆浸透膜
プラントが最適に製造される。
【0016】請求項7に記載の発明に係る記憶媒体は、
請求項1ないし6のいずれかに記載の逆浸透膜プラント
またはその製造方法あるいは運転方法に係る手順をコン
ピュータに実施させるためのソフトウエアをコンピュー
タ読取可能に記憶したものであり、コンピュータによる
逆浸透膜プラントの製造および運転に便宜である。好ま
しくは、本発明による逆浸透膜プラントの製造または運
転方法では、逆浸透膜プラントの装置データ、運転条件
と物質移動係数と逆浸透膜プラントでの透過水流量およ
び透過水濃度の実測値とから、溶媒透過流束式、溶質透
過流束式および濃度分極式に従って、膜輸送パラメータ
としての溶媒透過係数および溶質透過係数が予測され
る。また、この製造または運転方法では、逆浸透膜プラ
ントの装置データ、運転条件と物質移動係数と逆浸透膜
プラントでの溶媒透過係数および溶質透過係数とから、
溶媒透過流束式、溶質透過流束式および濃度分極式に従
って、逆浸透膜プラントでの透過水流量および透過水濃
度が逆浸透膜プラントの運転パラメータとして予測され
る。
【0017】上記好適態様による製造または運転方法の
実施に際して、例えば下記のシミュレーションユニット
が使用される。このシミュレーションユニットは、逆浸
透膜プラントの装置データと物質移動係数と逆浸透膜プ
ラントでの透過水流量および透過水濃度の実測値の入力
に応じて、溶媒透過流束式、溶質透過流束式および濃度
分極式に従って、溶媒透過係数および溶質透過係数を予
測する膜輸送パラメータ予測部を有する。また、シミュ
レーションユニットは、逆浸透膜プラントの装置データ
と物質移動係数と逆浸透膜プラントでの溶媒透過係数お
よび溶質透過係数の実測値の入力に応じて、溶媒透過流
束式、溶質透過流束式および濃度分極式に従って、逆浸
透膜プラントでの透過水流量および透過水濃度を予測す
るプラント運転パラメータ予測部を有する(図6参
照)。
【0018】あるいは、本発明のパラメータ予測方法
は、逆浸透膜プラントにおける原水濃度Cf、透過水濃
度Cpおよび溶媒透過流束Jvを実測する工程と、濃度
分極式に対して物質移動係数kを原水濃度Cf、透過水
濃度Cpおよび溶媒透過流束Jvのそれぞれの実測値と
共に代入することにより膜性能を表す膜面濃度Cmを求
める工程とを備えるのが好ましい。
【0019】より好ましくは、逆浸透膜プラントの製造
または運転方法は、物質移動相関式に従って原水濃度C
f、透過水濃度Cpおよび溶媒透過流束Jvのそれぞれ
の実測値から物質移動係数kを求める工程を含む。好ま
しくは、逆浸透膜を用いた実験において原水流速uを変
化させることにより、物質移動相関式における未知の係
数を求め、この物質移動相関式から求まるシャーウッド
数Shから物質移動係数kを求める。
【0020】上記好適態様による製造または運転方法
は、物質移動係数の算出値ならびに原水濃度、透過水濃
度および溶媒透過流速のそれぞれの実測値と物質移動係
数とから濃度分極式に従って膜面濃度を求める膜面濃度
算出部を備えた装置により実施できる。より好ましく
は、この装置は、原水濃度、温度、粘度、流束、溶質拡
散係数、流路厚みから物質移動相関式に従って物質移動
係数を求める物質移動係数算出部を含む。
【0021】本発明の別の好適態様による逆浸透膜プラ
ントの製造または運転方法は、溶媒透過流束Jvを溶媒
透過係数Lpと有効膜間圧力差ΔPeとの積で表す溶媒
透過式に対して溶媒透過係数の暫定値、膜間濃度Cmの
暫定値、膜間圧力差ΔPおよび透過水濃度Cpを代入し
て、逆浸透膜の微小区間dLにおける溶媒透過流束Jv
の第1算出値を算出する第1工程と、膜間濃度差、原水
濃度、透過水濃度、溶媒透過流束Jvおよび物質移動係
数kの関係を表す濃度分極式に対して膜間濃度Cmの暫
定値、物質移動係数kの算出値、透過水濃度Cpの実測
値を代入して、逆浸透膜の微小区間dLにおける溶媒透
過流束Jvの第2算出値を算出する第2工程と、溶媒透
過流束Jvの第1及び第2算出値が実質的に合致するま
で膜間濃度Cmの暫定値を更新しつつ第1及び第2工程
を繰り返す第3工程と、第3工程で求めた溶媒透過流束
Jvの算出値に基づいて逆浸透膜全体についての透過水
流量を算出し、この透過水流量の算出値が透過水流量の
実測値に合致しなければ第1工程に戻る第4工程と、溶
質透過流束Jsを溶質透過係数Pと膜間濃度差(Cm−
Cp)との積で表す溶質透過式に対して溶質透過係数P
の暫定値、膜間濃度Cmの暫定値および透過水濃度Cp
の実測値を代入して、逆浸透膜の微小区間dLにおける
溶質透過流束Jsを算出する第5工程と、透過水濃度C
pを溶質透過流束Jsおよび溶媒透過流束Jvの関数で
表す透過水濃度式に対して第5工程で求めた溶質透過流
束Jsの算出値および第4工程において透過水流量の算
出値と実測値とを合致させるような溶媒透過流束Jvの
算出値を代入して逆浸透膜の微小区間dLにおける透過
水濃度Cpを求める第6工程と、第6工程で求めた透過
水濃度Cpの算出値に基づいて逆浸透膜全体についての
透過水濃度Cpを算出し、この透過水濃度の算出値が透
過水濃度の実測値に合致しなければ第1工程に戻る第7
工程とを備え、透過水流量の算出値と実測値とを合致さ
せると共に透過水濃度の算出値と実測値とを合致させる
ような溶媒透過係数Lpおよび溶質透過係数Pを求める
ことを特徴とする。
【0022】上記好適態様による製造または運転方法
は、例えば下記のシミュレーションユニットを備えた装
置により実施される。このシミュレーションユニット
は、プラントの装置データおよび運転データの設定や係
数Lp、P及び膜間濃度Cmのそれぞれの暫定値ならび
に合致判定に係る上限許容値の設定を行うための設定部
と、溶媒透過式に従って純水透過流束の第1算出値Jv
を算出するための第1の溶媒透過流束算出部と、濃度分
極式に従って純水透過流束の第2算出値Jv’を算出す
るための第2の溶媒透過流束算出部と、第1及び第2算
出値Jv、Jv’が合致するか否かを判定する第1判定
部と、透過水流量式に従って透過水流量の予測値Qpo’
を算出する透過水流量算出部と、透過水流量の算出値Q
po’と実測値Qpoとが合致するか否かを判定する第2判
定部と、透過水質式に従って透過水質の予測値Cpo’を
算出する透過側溶質濃度算出部と、透過水質の算出値C
po’と実測値Cpoとが合致するか否かを判定する第3判
定部と、合致判定時に第3判定部を介して設定部から送
出される係数Lp、Pを出力する膜輸送パラメータ出力
部とを有する。好ましくは、シミュレーションユニット
は、合致判定時に第3判定部を介して設定部から送出さ
れる係数Lp、Pに温度補正、圧力補正、濃度補正の少
なくとも一つを施す補正部を含み、輸送パラメータ出力
部は、補正済みの係数を出力する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態によ
る逆浸透膜プラントの製造、運転方法における膜輸送パ
ラメータの予測方法を説明する。本実施形態の膜輸送パ
ラメータ予測方法は、物質移動相関式(Sh=a・Re
b・Scc)に従って物質移動係数kを求め、次に、溶
質透過の物質収支に基づいて構築した濃度分極モデルか
ら導出される膜面における濃度分極式に対して、この物
質移動係数kを代入することにより、膜性能を表す膜面
濃度Cmを求めるものである。
【0024】物質移動相関式(Sh=a・Reb・Sc
c)は、膜エレメントの流動特性を示す式であり、シャ
ーウッド数(ヌッセルト数)Shとレイノルズ数Reと
シュミット数Scとの関係を表す。以下に示すように、
シャーウッド数Shは、物質移動係数kと物質移動が行
われる層の流路厚みdとの積を溶質拡散係数Dで除した
無次元量であり、溶質の移動の容易さを表す。レイノル
ズ数Reは、原水の流速uと密度ρと長さdとの積を粘
性係数ηで除したものであり、原水流速の影響を表す。
また、シュミット数Scは、粘性係数ηを密度ρと溶質
拡散係数Dとの積で除したものであり、原水物性の影響
を表す。
【0025】Sh=k・d/D Re=ρ・u・d/η Sc=η/ρ・D 本実施形態では、物質移動相関式におけるレイノルズ数
Reおよびシュミット数Scのそれぞれのべき指数b、
cは、所定の固定値に設定される。例えば、配管などの
物質移動相関式として知られているダイスラー式(Deis
sler式)に従って、べき指数bおよびcは、たとえば
0.875および0.25にそれぞれ設定される。
【0026】この場合、物質移動相関式は以下の示すも
のになる。 Sh=a・Re0.875・Sc0.25 上式を変形して次式を得る。 loge (Sh/Sc0.25)=0.875loge R
e+a そして、物質移動相関式における未知の係数aは、逆浸
透膜モジュールたとえばスパイラル形RO膜や中空形の
エレメントを用いた実験において原水流速uを変化させ
ることにより求めることができる。
【0027】本実施形態の膜輸送パラメータ予測方法が
適用される逆浸透膜プラントとしての海水淡水化システ
ムは、例えば、1段目の逆浸透膜エレメントからの濃縮
水を昇圧して2段目の逆浸透膜エレメントに供給するよ
うに構成可能である。この種の海水淡水化システムの1
段目および2段目の逆浸透膜エレメントについて、上記
の未知係数aを決定するための実験を行った。1段目エ
レメントについての実験結果を図4に示す。
【0028】図4において、シャーウッド数Shをシュ
ミット数Scの0.25乗で除した値が縦軸方向に対数
プロットされ、また、レイノルズ数Reが横軸方向に対
数プロットされており、y切片が未知の係数aを与え
る。1段目及び2段目の逆浸透膜エレメントにおける係
数aはそれぞれ0.080及び0.087と求まる。す
なわち、1段目および2段目の逆浸透膜エレメントに対
する物質移動相関式は以下のように求まる。
【0029】 Sh=0.080・ Re0.875・Sc0.25 Sh=0.087・ Re0.875・Sc0.25 そして、上記の物質移動相関式から求まるシャーウッド
数Shから物質移動係数kを求めることができる。或い
は、物質移動相関式は以下のようにして求めることがで
きる。
【0030】先ず、未知の係数aと未知のべき指数bと
を含む下記の質量移動相関式を想定する。 Sh=a・Reb・Sc0.25 次に、レイノルズ数Reが一定になるような条件下での
逆浸透膜プラントの運転中に溶媒透過流束Jvと透過水
濃度Cpとを実測し、これらの実測データから物質移動
係数kが得られる。上記式中の係数aおよびべき指数b
は、レイノルズ数Reを異にする運転条件下でそれぞれ
求めた2つの物質移動係数kから求めることができる。
そして、物質移動係数kとレイノルズ数Reとの組合せ
を異にする複数組のデータから、係数aとべき指数bと
の複数個の組合せを得た(図5参照)。すなわち、質量
移動相関式における係数aとべき指数bとの関係は次式
で表すことができる。
【0031】 a=−0.219・ln(b)+0.323 上式においてaを0.875に設定して、次式を得る。 Sh=0.080・Re0.875・Sc0.25 上式は、図4に係る実験によって求めた物質移動相関式
に良く合致する。本実施形態による膜輸送パラメータの
予測は、膜面における濃度分極式に基づいて構築された
シミュレーションユニットにより実施される。
【0032】既に説明したように、この濃度分極式は、
溶質透過の物質収支を表す濃度分極モデルから導出され
るものであり、以下に再掲した式で示すように、原水側
膜面濃度Cm、透過水濃度Cp、原水濃度Cp、溶媒透
過流束Jvおよび物質移動係数kの関係を表す(図1参
照)。 (Cm−Cp)/(Cf−Cp)=exp(Jv/k) 膜輸送パラメータの予測に際して、逆浸透膜プラントた
とえば上記の海水淡水化システムにおける透過水出口濃
度Cpo、原水入口濃度Cf、および透過水流量Qpoが実
測され、これらの実測値が上記のようにして算出される
物質移動係数kの算出値と共にシミュレーションユニッ
トに入力される。
【0033】シミュレーションユニットは、上記の濃度
分極式に従いCp、Cf、Jvおよび算出値kに基づい
て膜面濃度Cmを算出する。膜面濃度Cmは、逆浸透膜
の膜性能を表す輸送パラメータの一つであり、上記の算
出値は膜面濃度Cmの予測値を与え、逆浸透膜プラント
の操業に有用である。以下、本発明の第2実施形態によ
るパラメータ予測方法を説明する。
【0034】本実施形態のパラメータ予測方法は、逆浸
透膜プラントとしての海水淡水化システムにおける運転
パラメータの実測値から溶媒透過係数(純水透過係数)
Lpおよび溶質透過係数(塩透過係数)Pの予測値を求
める膜性能解析を実施し、また、係数LpおよびPが既
知である場合には、既知の係数LpおよびPから、既設
の、または設計中の海水淡水化システムの性能を予測す
るプラント性能シミュレーションを実施するものであ
る。本予測方法を実施するためのシミュレーションユニ
ットの膜性能解析機能およびプラント性能シミュレーシ
ョン機能を図6に一括して示す。
【0035】海水淡水化システムにおける逆浸透膜(R
O膜)での物質透過は、水および塩の透過からなり、水
の透過は圧力差ΔPによる一方、塩の透過は濃度差(C
m−Cp)によるものであり(図2及び図3参照)、反
射係数をσで表すと共に平均濃度をCsで表すと、容量
流束Jvおよび塩流束Jsは次式によって与えられる。
【0036】 Jv=Lp[ΔP−σ・{π(Cm−Cp)}] [1] Js=P(Cm−Cp)+(1−σ)Cs・Jv [2] また、Spiegler-Kedemの解析から式[2]は次のように
おきかえられる。 R≡(CM−Cp)/CM=σ(1−F)/(1−σF) [3] ここでFは F=exp[−Jv(1−σ)/P] [4] である。
【0037】ここでは、脱塩率の高い膜を海水淡水化に
用いることを想定しているので、反射率σは1に極めて
近く、容量流束Jvおよび塩流束Jsは次式で与えられ
る。 Jv=Lp[ΔP−{π(Cm)−π(Cp)}] [5] Js=P(Cm−Cp) [6] また、透過水濃度Cpは次式で与えられる。
【0038】 Cp=Js/Jv [7] そして、膜表面における塩濃度Cmは、物質移動係数を
kで表すと、濃度分極モデルに基づく次式により与えら
れる。 (Cm−Cp)/(Cf−Cp)=exp[Jv/k] [8] 海水淡水化システムについての上記の検討に基づき、膜
性能解析およびプラント性能シミュレーションを実施す
るシミュレーションユニットは、溶媒透過流束Jvを溶
媒透過係数Lpと有効膜間圧力差ΔPeとの積で表す溶
媒透過式(Jv=LpΔPe=Lp[ΔP−π(Cm)
−π(Cp)])と、溶質透過流束Jsを溶質透過係数
Pと膜間濃度差(Cm−Cp)との積で表す溶質透過式
(Js=P(Cm−Cp))と、膜間濃度差、原水濃度
と透過水濃度、溶媒透過流束Jvおよび物質移動係数k
の関係を表す濃度分極式((Cm−Cp)/(Cf−C
p)=exp(Jv/k))とに基づいて構築されてい
る。
【0039】本実施形態による膜性能解析では、逆浸透
膜要素をその長さ方向にN個に分割し、各膜要素区間i
における透過水流量ΔQpiおよび濃度Cpiを算出し、更
に、これらの算出値を膜要素全体について加算すること
により膜全体における透過水流量(造水量)Qpoおよび
透過水濃度(透過水質)Cpoを求めるようにしている。
【0040】各区間iの長さをΔL(=L/N)で表す
と、各区間iにおける物質平衡式は以下のように与えら
れる。 ΔQpi=Jvi・ΔL・Wi [9] Cpi=Jsi/Jvi [10] また、膜全体についての透過水流量(造水量)Qpoおよ
び透過水濃度(透過水質)Cpoは次式で表される。
【0041】 Qpo=ΣΔQpi=ΣJvi・ΔL・Wi [11] Cpo=ΣCpi・ΔQpi/Qpo [12] 膜性能解析に関して、シミュレーションユニットは、図
7に例示する制御フローに従って膜輸送パラメータとし
ての溶媒透過係数(純水透過係数)Lpおよび溶質透過
係数(塩透過係数)Pの予測値を求めるようになってい
る。
【0042】図7の制御フローにおいて、プラントデー
タならびに運転データが設定される(ステップS1)。
プラントデータは、例えば、海水淡水化システムの逆浸
透膜モジュールが有するエレメント数、エレメント長さ
などを含む。また、運転データは、以下の説明から明ら
かなように、逆浸透膜モジュールに対する海水の供給圧
力ΔP、原水濃度Cf、透過水濃度(透過水質)Cpo、
透過水流量(造水量)Qpoなどを含む。
【0043】次に、純水透過係数Lpおよび塩透過係数
Pのそれぞれの暫定値を設定し(ステップS2)、物質
移動係数kや純水透過流束Jvの算出に要する各種パラ
メータたとえば密度ρ、粘性η、拡散率Dなどを設定す
る(ステップS3)。物質移動係数kは、上記の第1実
施形態で説明したように物質移動相関式から求めたもの
を使用できるが、以下のようにして予め求めたものを用
いても良い。すなわち、純水流速を用いて溶媒透過係数
Lpを実測し、次に溶媒透過流束Jvを実測し、これら
の実測値に基づいて上記の容量流速式(Jv=Lp[Δ
P−{π(Cm−πCp)}])から膜面濃度Cmを算
出する。そして、この膜面濃度Cmの算出値に基づき上
記の濃度分極式((Cm−Cp)/(Cf−Cp)=e
xp[Jv/k])から物質移動係数kを求める。
【0044】図7の制御フローを再び参照すると、ステ
ップS3でのパラメータ設定に続き、膜間濃度Cmの暫
定値が設定される(ステップS4)。そして、溶媒透過
式(Jv=LpΔPe=Lp[ΔP−π(Cm−C
p)])に従って純水透過流束の第1算出値Jvが算出
され、また、濃度分極式((Cm−Cp)/(Cf−C
p)=exp(Jv/k))に従って純水透過流束の第
2算出値Jv’が算出される(ステップS5)。
【0045】詳しくは、第1算出値Jvの算出では、溶
媒透過式に対して純水透過係数Lpの暫定値、膜間濃度
Cmの暫定値、膜間圧力差ΔPのそれぞれの実測値およ
び透過水濃度Cpの実測値を代入することにより純水透
過流束Jvが求められる。また、第2算出値Jv’の算
出では、濃度分極式に対して膜間濃度Cmの暫定値、物
質移動係数kの算出値、透過水濃度Cpの実測値を代入
することにより純水透過流束Jv’が求められる。
【0046】次に、純水透過流束の第2算出値Jv’か
ら第1算出値Jvを減算して得た値の絶対値│Jv’−
Jv│を第1算出値Jvで除した値が上限許容値(例え
ば10-5)よりも小さいか否かを判別することにより、
第1及び第2算出値が互いに合致するか否かを判別する
(ステップS6)。この判別結果が否定(No)すなわ
ち両算出値が不一致であれば、ステップS4に戻って膜
間濃度Cmの暫定値を更新した後で、純水透過流束の第
1及び第2算出値をステップS5で再び算出する。
【0047】ステップS4ないしS6の手順が繰り返さ
れて両算出値が互いに合致すると、このときの第1算出
値Jvが記憶され、次いで、透過水流量式(Qpo=ΣΔ
Qpi=ΣJv・ΔL・Wi([11]式))に従って、
透過水流量の予測値Qpo’が算出される(ステップS
7)。そして、この算出値Qpo’から透過水流量の実測
値Qpoを減算して得た値の絶対値│Qpo’−Qpo│を実
測値Qpoで除した値が上限許容値(例えば10-5)より
も小さいか否かを判別することにより、算出値と実測値
とが合致するか否かを判別する(ステップS8)。算出
値と実測値とが不一致であれば、ステップS2に戻って
純水透過係数Lpおよび塩透過係数Pの暫定値を更新し
た後で、ステップS3以降の処理を再度実行する。
【0048】そして、透過水流量の算出値Qpo’と実測
値Qpoとが合致すると、透過水質式(Cpo=ΣCpi・Δ
Qpi/Qpo([12]式))に従って、膜全体にわたる
透過水質の予測値Cpo’が算出される(ステップS
9)。この算出は、塩流速式(Js=P(Cm−Cp)
([6]式))および透過水濃度式(Cp=Js/Jv
([6]式))に従って行われる。
【0049】次に、透過水質の算出値Cpo’から透過水
質の実測値Cpoを減算して得た値の絶対値│Cpo’−C
po│を実測値Cpoで除した値が上限許容値(例えば10
-5)よりも小さいか否かを判別することにより、算出値
と実測値とが合致するか否かを判別する(ステップS1
0)。算出値と実測値とが不一致であれば、ステップS
2に戻って純水透過係数Lpおよび塩透過係数Pの暫定
値を更新した後で、ステップS3以降の処理を再度実行
する。
【0050】ステップS10において透過水質の予測値
Cpo’と実測値Cpoとが合致すると判定されると、この
様な判定結果をもたらす純水透過係数(溶媒透過係数)
Lpおよび塩透過係数(溶質透過係数)Pは、透過水流
量Qpoの算出値と実測値とを合致させると共に透過水質
(透過水濃度)Cpoの算出値と実測値とを合致させるよ
うなものとなる。そして、この様にして求めた純水透過
係数Lp及び塩透過係数Pのそれぞれに温度補正や圧力
補正、濃度補正を施し(ステップS11)、両係数L
p、Pの予測処理を終了する。
【0051】上記の膜輸送パラメータ予測処理を行うシ
ミュレーションユニット10は、図8に示す各種機能部
を有している。すなわち、シミュレーションユニット
は、プラントデータおよび運転データの設定や係数L
p、P及び膜間濃度Cmのそれぞれの暫定値ならびに合
致判定に係る上限許容値の設定を行うための設定部11
と、溶媒透過式に従って純水透過流束の第1算出値Jv
を算出するための第1の溶媒透過流束算出部12と、濃
度分極式に従って純水透過流束の第2算出値Jv’を算
出するための第2の溶媒透過流束算出部13と、第1及
び第2算出値Jv、Jv’が合致するか否かを判定する
第1判定部14と、透過水流量式に従って透過水流量の
予測値Qpo’を算出する透過水流量算出部15と、透過
水流量の算出値Qpo’と実測値Qpoとが合致するか否か
を判定する第2判定部16と、透過水質式に従って透過
水質の予測値Cpo’を算出する透過側溶質濃度算出部1
7と、透過水質の算出値Cpo’と実測値Cpoとが合致す
るか否かを判定する第3判定部18と、合致判定時に第
3判定部18を介して設定部11から読み出される係数
Lp、Pに温度補正や圧力補正、濃度補正を施す補正部
19と、補正済みの係数Lp、Pを出力する膜輸送パラ
メータ出力部20とを有している。シミュレーションユ
ニットは、例えば、RO膜プラントとの間で情報を授受
するための入出力回路や演算処理などのためのマイクロ
プロセッサや記憶装置などを含むコントローラから構成
され、設定部11と出力部20は、キーボードや液晶パ
ネルなどから構成可能である。
【0052】上述のように、物質移動係数kが既知であ
るか或いは算出可能であれば、上記の膜性能解析を実施
することにより、すなわち、溶媒透過係数(純水透過係
数)Lp及び溶質透過係数(塩透過係数)Pの暫定値を
更新しつつ、透過水流量(造水量)Qp及び透過水濃度
(透過水質)Cpの算出を、算出値が実測値(運転中の
ROユニットから得た流速及び脱塩データ)に合致する
まで繰り返すことにより、膜性能を表す膜輸送パラメー
タとしての係数Lp、Pを求めることができる。
【0053】一方、係数Lp及びPが既知である場合に
は、シミュレーションユニットは、プラント性能シミュ
レーションを実施可能である。すなわち、既知の係数L
pおよびPの入力に応じて、シミュレーションユニット
は、装置、エレメント、運転条件から、膜の温度補正お
よび圧力補正を施した上で、透過基礎式と濃度分極式と
から微小区間dLにおける水と塩の透過流束を求め、更
に、エレメント長さ方向に積分してプラント全体の造水
量と透過水質を求める。この様にして、逆浸透膜プラン
トたとえば海水淡水化システムの性能を予測することが
できる。
【0054】なお、上記のプラント性能シミュレーショ
ンを実施するための制御フローの説明は省略するが、物
質移動係数kに代えて溶媒透過係数Lpが既知であれ
ば、図7に示した手順に類似の手順により物質移動係数
kおよび溶質透過係数Pを算出可能である。なお、本発
明に適用される逆浸透膜については、特に限定されるも
のではないが、海水から淡水を得る場合、さらに、回収
率が高く原水が高度に濃縮される場合に本発明を適用す
ることにより、濃度分極の影響を正確に把握することが
できるので好ましい。
【0055】また、膜エレメントについても限定される
ものではないが、流路構造が明確で均一な流路形状を維
持できる平膜形、特に、スパイラル形状のエレメントに
本発明を適用することにより非常に正確なパラメータ予
測が可能となる。以下、本実施形態によるパラメータ予
測方法の妥当性を確認するために実施した検証実験につ
いて説明する。
【0056】図9は、この検証実験に用いた実験設備の
概要を示す。本実験プラントは、2段のRO膜エレメン
トを有している。本プラントは、凝集砂濾過装置および
ポリッシング濾過装置において前処理した海水を保安フ
ィルタを介して1段目のポンプに供給し、このポンプに
おいて昇圧した海水を1段目エレメントにおいて濃縮水
と透過水とに分離し、この濃縮水を2段目の無動力昇圧
機にて更に昇圧したものを2段目エレメントにおいて分
離するものである。両エレメントの逆浸透膜は略同一で
あり、架橋芳香族ポリアミドからなる機能膜素材と、ポ
リスルホンからなる支持膜素材と、ポリエステルタフタ
やポリエステル不織布からなる基材とで構成した。
【0057】図10は、上記で用いたスパイラル形エレ
メントの一部切欠斜視図であり、図11は図10のXI
−XI線に沿う断面図である。エレメントは、その中心
部に配された中空管1を備え、中空管1の表面には複数
の透孔1aが形成されている。そして、複数の逆浸透膜
2が、これらの逆浸透膜2の間に配された供給液流路材
4と共に中空管1の回りに渦巻き状に巻回され、スパイ
ラル構造を構成している。このスパイラル構造体の両端
には、通液構造の枠体5が装着されている。
【0058】逆浸透膜2は袋状に形成され、中空管1側
に開口2aを有している。逆浸透膜2の中空管側は、そ
の開口2aが中空管1の透孔1aを包囲するように中空
管1の外周面に配され、従って、中空管1の透孔1a
は、逆浸透膜2の内部に配された透過液流路材3に連通
している。上記構成のエレメントは圧力容器の中に収容
され、エレメントの上流側の一端から所定圧力の供給液
6が供給されるようになっている。供給液6は、供給液
流路材4を流れていき、その過程で逆浸透膜2による透
過液と溶質との逆浸透分離が進み、逆浸透膜2を透過し
て溶質濃度が低下した透過液は透孔1aを通って中空管
1の中に集液されることになる。この透過液6aはエレ
メントの下流から取り出される。一方、逆浸透分離しな
い供給液は、そのまま供給液流路材4を下流側に流れて
いき、その過程で分離して膜面に存在している溶質を取
込むことにより溶質濃度の高い濃縮液6bになる。
【0059】1段目のエレメントは、原水濃度が3.5
wt%、濃縮水濃度が5.8wt%及び原水圧力が5.
5〜7.0MPaという条件で運転され、一方、2段目
のエレメントでの原水濃度、濃縮水濃度および原水圧力
は5.8wt%、8.8wt%および8.5〜10.0
MPaとした。この様に、2段目のエレメントでは1段
目のエレメントに比べて原水濃度および原水圧力が高い
ので、その基材および透過水流路材には耐圧性の高いも
のを用いた。
【0060】検証実験の手順は以下のとおりである。ま
ず、1段目および2段目のエレメントの運転条件(原水
圧力および原水流量)を変更しながら、プラント性能
(造水量、透過水濃度)を測定した。次に、膜エレメン
トをプラントから取り出し、その単体性能を測定後、解
析プログラム(図7の制御フローに対応)を用いて膜の
溶媒透過係数Lp及び溶質透過係数Pを算出した。そし
て、これらの算出値Lp、Pに基づき、シミュレーショ
ンプログラムにより、上記のプラント性能測定における
プラント運転条件と同一の運転条件下でのプラント性能
を算出した。
【0061】1段目および2段目のエレメントのそれぞ
れに関してプラント性能の実測値と算出値との合致度合
を図12ないし図15に示す。図中、●マークおよび○
マークは、夏期(25°C)および冬期(10°C)の
それぞれにおける本発明での合致度合を表し、また、▲
マークおよび△マークは、夏期および冬期のそれぞれに
おける従来法での合致度合を表す。
【0062】図12及び図13を参照すると、1段目の
エレメントの造水量および透過水濃度に関し、従来法に
比べて本発明方法は、夏期および冬期の双方において予
測精度が高いことが分かる。図14及び図15を参照す
ると、2段目のエレメントについても本発明方法の予測
精度が高いことが実証された。以下、図9に示した実験
プラントの長期間運転中に得たデータの解析結果を説明
する。
【0063】実験プラントを回収率40%の条件で約1
年間にわたって操業した。先に説明したコンピュータプ
ログラムを用いて、データを解析して膜輸送パラメータ
Lp及びPを得た。この解析に供された運転データ(総
透過水流量、印加圧力、透過水濃度および透過水温度)
の時間変化を図16ないし図19に示す。上述した透過
係数LpおよびPの計算において、透過水濃度が変化し
た。この様な温度変化の影響を除去するべく、拡散係
数、水の粘性および膜透過性の温度効果を25°Cでの
ものに補正することを試みた。データ解析により算出し
た溶媒透過係数Lpおよび溶質透過係数Pを25°Cで
の値に正規化した結果を図20及び図21に示す。
【0064】下式に示すように、溶媒透過係数Lpは、
25°Cでの値Lp25と25°Cでの粘性係数η25と透
過性補正係数αとの積を粘性係数ηで除したものに等し
い。また、溶質透過係数Pは、25°Cでの値P25と2
5°Cでの粘性係数η25と絶対温度(273.15+
T)と透過性補正係数βとの積を粘性係数ηと絶対零度
との積で除したものに等しい。
【0065】Lp=Lp25・η25・α/η P=P25・η25・(273.15+T)・β/η・27
3.15 ここで、透過性補正係数αおよびβは、膜片を用いて得
た研究室での実験データから予測可能であり、例えば、
実験プラントで用いたRO膜については、次式で表され
る。
【0066】 α=exp[0.0114(T−25)] β=exp[0.0299(T−25)] 図20及び図21において、時間経過につれて溶媒透過
係数Lpが減少する一方、溶質透過係数Pが増大するこ
とが分かる。これらの結果は、膜の性質が変化すること
を示し、膜の機能層の酸化すなわち膜の劣化や膜の汚れ
が生起した可能性を示す。
【0067】この様に、本予測方法によれば、実験プラ
ントデータから膜輸送パラメータを求めることができ、
また、種々の運転条件下での時間経過に伴う膜輸送パラ
メータの変化を追跡可能である。そして、適切な移動相
関式を得ることができた。また、温度補正を適用するべ
きことが明らかになり、研究室でのテスト片実験から関
係を見出した。その結果、温度相関を考慮しつつ、水透
過性および塩透過性の双方の時間的変化を導出できた。
【0068】次に、膜のLp、Pに基づくプラント性能
予測計算例について説明する。図22および図23は、
1段法によるRO膜プラントの設計例での所要エレメン
ト数、透過水塩濃度およびホウ素濃度を本予測方法を利
用して算出した結果を示す。この設計例では10,00
0m3/day規模でかつエレメント直列数が6のプラント
を想定し、供給圧力を6.4MPaとし、原水塩濃度を
35,000ppmとした。
【0069】図22は、原水回収率40%および50%
のそれぞれにおける海水温度と所要エレメント本数との
関係を示し、図23は、海水温度と透過水塩濃度との関
係を示す。図22および図23中、10〜30°Cの使
用温度領域外を斜線で示す。図22および図23から分
かるように、1段法によるプラントにおいて原水回収率
40%から50%へ上げると、所要エレメント本数が増
大すると共に透過水の濃度が上昇することが明らかにな
った。
【0070】図24および図25は、2段法によるプラ
ントの設計例についての計算結果を示す。この設計例に
係るプラントの規模、エレメント直列数および原水塩濃
度は1段法プラントの場合と同様であるが、1段目およ
び2段目エレメントに対する供給圧力を6.4MPaお
よび8.8MPaとした。図24および図25は、原水
回収率60%での1段目エレメントおよび2段目エレメ
ント(TOTAL)における海水温度と所要エレメント数、
透過水塩濃度との関係を示す。このグラフから、2段法
プラントは原水回収率50%とした1段法よりも水質が
高いことが分かる。
【0071】図26は、造水量が50,000m3/day
でかつ原水回収率が60%である2段法プラントについ
て海水温度10°C、20°C及び30°Cのそれぞれ
における濃度分極(膜面濃度/原水濃度)とスケール析
出限界回収率との関係を示す。図25から分かるよう
に、濃度分極を1.1以下に抑制すれば、プラントを原
水回収率60%で運転した場合にもスケール析出は生じ
ないと考えられるが、先に設計計算を行ったプラントで
は、10〜30°Cの濃度分極が最大1.07であり、
スケール析出限界以下であることが計算された。
【0072】上記第1及び第2実施形態では、本発明を
海水淡水化プラントにおける純水透過係数Lpや塩透過
係数Pなどの予測に適用した場合について主に説明した
が、本発明は、逆浸透膜プラントにおける種々の膜輸送
パラメータやプラント運転状態の予測に適用可能であ
り、既設プラントの運転管理やプラント設計に適用可能
である。
【0073】
【発明の効果】本発明による逆浸透膜プラントの製造方
法および運転方法は、溶質透過の物質収支を表す濃度分
極モデルから導出される濃度分極式に基づいて、逆浸透
膜プラントの運転状態を表す運転パラメータの実測値か
ら逆浸透膜の膜性能を表す膜輸送パラメータを予測する
か、または、逆浸透膜の膜性能を表す既知の膜輸送パラ
メータから逆浸透膜プラントの運転パラメータを予測す
るので、濃度分極現象を考慮して逆浸透膜の輸送パラメ
ータや逆浸透膜プラントの運転パラメータを正確に予測
でき、既設プラントや設計中のプラントにおける逆浸透
膜の膜性能やプラント運転状態を正確に把握できる。ま
た、本発明では、この様な膜輸送パラメータやプラント
運転パラメータの予測値に基づいて逆浸透膜プラントの
運転条件を定めるので、逆浸透膜プラントの製造や運転
を最適に実施できる。特に、本発明は、濃度分極の影響
が大きな海水淡水化、なかでも高濃度の運転を行う2段
法などの高回収率条件のときに効果的である。すなわ
ち、本発明が適用される既設プラントでは、プラント運
転中に膜性能の劣化や膜の汚れなどによる性能低下が生
じたとき又は膜面濃度の増大やこれに伴ってスケール析
出限界回収率に達したとき或いはそのおそれがあるとき
に薬液洗浄や原水回収率低減などの対策を講じることが
できる。なお、本発明において用いたスパイラル型逆浸
透膜エレメントにおいては、流路形状が均一であり、本
発明によって非常に正確なパラメータ予測が可能であ
る。また、本発明が適用されるプラント設計では、造水
量や透過水質などの種々のプラント性能要件を満たすた
めの、エレメント数などの装置構成を好適に決定でき
る。この様に、本発明の運転方法や製造方法は、既設プ
ラントの運転管理やプラント設計に有用である。
【0074】また、本発明の製造方法により製造される
本発明の逆浸透膜プラントは、その製造に際して濃度分
極現象が良好に反映されることから所要のプラント性能
を備えたものになる。また、本発明に係る記憶媒体は、
本発明の逆浸透膜プラントまたはその製造方法あるいは
運転方法に係る手順をコンピュータに実施させるための
ソフトウエアをコンピュータ読取可能に記憶したもので
あり、コンピュータによる逆浸透膜プラントの製造およ
び運転に便宜である。
【図面の簡単な説明】
【図1】濃度分極現象を示す図である。
【図2】溶媒透過流束Jvに関して、膜間圧力差ΔP、
有効圧力差ΔPeおよび浸透圧差π(Cm)−π(C
p)を示す図である。
【図3】溶質透過流束Jsに関して、膜間濃度差(Cm
−Cp)を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態による逆浸透膜プラント
の製造、運転方法が適用される海水淡水化システムの1
段目エレメントに係る物質移動相関式における未知係数
aを求めるための実験結果を表すグラフである。
【図5】物質移動相関式を求めるための別の実験結果を
表すグラフである。
【図6】本発明の第2実施形態による逆浸透膜プラント
の製造、運転方法を実施するために用いられるシミュレ
ーションユニットの膜性能解析機能およびプラント設計
・シミュレーション機能を示す図である。
【図7】図6に係るシミュレーションユニットにより実
行される膜性能解析プログラムを示すフローチャートで
ある。
【図8】図6に係るシミュレーションユニットの各種機
能部を示す概略ブロック図である。
【図9】本発明の第2実施形態による逆浸透膜プラント
の製造、運転方法を評価するための検証実験に用いた実
験プラントの概略図である。
【図10】図9の実験プラントのエレメントの一部切欠
斜視図である。
【図11】図10のXI−XI線に沿う断面図である。
【図12】図9に示した実験プラントの1段目エレメン
トの造水量の実測値と算出値との合致度合を従来の解析
法による合致度合と比較して示すグラフである。
【図13】1段目エレメントの透過水濃度の実測値と算
出値との合致度合を従来法による合致度合と比較して示
すグラフである。
【図14】2段目エレメントの造水量の実測値と算出値
との合致度合を従来の解析法による合致度合と比較して
示すグラフである。
【図15】2段目エレメントの透過水濃度の実測値と算
出値との合致度合を従来法による合致度合と比較して示
すグラフである。
【図16】図9に示した実験プラントの長期間運転にお
ける透過水流量の時間変化を示すグラフである。
【図17】長期間運転における印加圧力の時間変化を示
すグラフである。
【図18】長期間運転における透過水濃度の時間変化を
示すグラフである。
【図19】長期間運転における透過水温度の時間変化を
示すグラフである。
【図20】長期間運転データの解析によって求めた溶媒
透過係数Lpの時間変化を示すグラフである。
【図21】長期間運転データの解析によって求めた溶質
透過係数Pの時間変化を示すグラフである。
【図22】1段法プラントに関して原水回収率40%お
よび50%における海水温度と所要エレメント数との関
係の予測結果を示すグラフである。
【図23】同プラントにおける海水温度と透過水塩濃度
との関係の予測結果を示すグラフである。
【図24】2段法プラントの1段目および2段目エレメ
ントにおける海水温度と所要エレメントとの関係につい
ての予測結果を示すグラフである。
【図25】2段法プラントにおける海水温度と原水塩濃
度との関係についての予測結果を示すグラフである。
【図26】別の2段法プラントにおける濃度分極とスケ
ール析出限界回収率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 シミュレーションユニット 11 設定部 12、13 溶媒透過流束算出部 14、16、18 判定部 15 透過水流量算出部 17 透過側溶質濃度算出部 19 温度補正部 20 輸送パラメータ出力部 Cf 原水濃度 Cm 膜面濃度 Cp 透過水濃度(透過水質) D 溶質拡散係数 Jv 溶媒透過流束 Js 溶質透過流束 k 物質移動係数 Lp 溶媒透過係数 ΔP 圧力差 ΔPe 有効圧力差 Q 透過水流量 Sh シャーウッド係数 u 原水流速 π 浸透圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木原 正浩 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 4D006 GA03 HA61 JA51A JB20 KA14 KA52 KA53 KA54 KA56 KA61 KA63 KA67 KA90 KE02P KE03P KE04P KE07P KE12P KE13P KE14P KE16P KE30P KE30Q MA03 MA06 MC48X MC56X MC62X PA01 PB03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶質透過の物質収支を表す濃度分極モデ
    ルから導出される濃度分極式に基づいて、逆浸透膜プラ
    ントの運転状態を表す運転パラメータの実測値から逆浸
    透膜の膜性能を表す膜輸送パラメータを予測するか、ま
    たは、逆浸透膜の膜性能を表す既知の膜輸送パラメータ
    から逆浸透膜プラントの運転パラメータを予測し、この
    予測値に基づいて逆浸透膜プラントの運転条件を定める
    ことを特徴とする逆浸透膜プラントの製造方法。
  2. 【請求項2】 溶質透過の物質収支を表す濃度分極モデ
    ルから導出される濃度分極式に基づいて、逆浸透膜プラ
    ントの運転状態を表す運転パラメータの実測値から逆浸
    透膜の膜性能を表す膜輸送パラメータを予測するか、ま
    たは、逆浸透膜の膜性能を表す既知の膜輸送パラメータ
    から逆浸透膜プラントの運転パラメータを予測し、この
    予測値に基づいて逆浸透膜プラントの運転条件を定める
    ことを特徴とする逆浸透膜プラントの運転方法。
  3. 【請求項3】 前記運転条件として、原水の供給圧力、
    原水流量、濃縮水流量、透過水の回収率、透過水流量お
    よび透過水中の溶質濃度からなる群から選ばれる少なく
    ともひとつを定めることを特徴とする、請求項1または
    2に記載の逆浸透膜プラントの製造方法または運転方
    法。
  4. 【請求項4】 前記運転パラメータが、透過水流量およ
    び/または透過水中の溶質濃度であることを特徴とす
    る、請求項1または2に記載の逆浸透膜プラントの製造
    方法または運転方法。
  5. 【請求項5】 前記膜輸送パラメータが、溶媒透過係数
    および/または溶質透過係数であることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の逆浸透膜プラントの製造方法
    または運転方法。
  6. 【請求項6】 請求項1、3、4及び5のいずれかに記
    載の製造方法により製造された逆浸透膜プラント。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の逆
    浸透膜プラントまたはその製造方法あるいは運転方法に
    係る手順をコンピュータに実施させるためのソフトウエ
    アを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
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