JP7392877B2 - 分離膜エレメントの状態診断方法 - Google Patents

分離膜エレメントの状態診断方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7392877B2
JP7392877B2 JP2022576214A JP2022576214A JP7392877B2 JP 7392877 B2 JP7392877 B2 JP 7392877B2 JP 2022576214 A JP2022576214 A JP 2022576214A JP 2022576214 A JP2022576214 A JP 2022576214A JP 7392877 B2 JP7392877 B2 JP 7392877B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
membrane element
separation membrane
condition
separation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022576214A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2023100958A5 (ja
JPWO2023100958A1 (ja
Inventor
義之 川島
一憲 富岡
宏治 中辻
清一 天宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Publication of JPWO2023100958A1 publication Critical patent/JPWO2023100958A1/ja
Publication of JPWO2023100958A5 publication Critical patent/JPWO2023100958A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7392877B2 publication Critical patent/JP7392877B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D61/00Processes of separation using semi-permeable membranes, e.g. dialysis, osmosis or ultrafiltration; Apparatus, accessories or auxiliary operations specially adapted therefor
    • B01D61/02Reverse osmosis; Hyperfiltration ; Nanofiltration
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D65/00Accessories or auxiliary operations, in general, for separation processes or apparatus using semi-permeable membranes
    • B01D65/10Testing of membranes or membrane apparatus; Detecting or repairing leaks
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A20/00Water conservation; Efficient water supply; Efficient water use
    • Y02A20/124Water desalination
    • Y02A20/131Reverse-osmosis

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Water Supply & Treatment (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

本発明は、分離膜エレメントの状態診断方法に関する。
近年、逆浸透膜、ナノ濾過膜、限外濾過膜または精密濾過膜等、様々な分離膜を用いた液体分離技術が開発されており、海水、かん水、廃水等の水処理プロセスに用いられている。
このような水処理プロセスにおいては、分離膜の劣化により、溶媒透過性の減少と、溶質透過性の増加のいずれか一方、もしくは両方が生じて、分離膜エレメントの性能が低下する。
分離膜の劣化は、化学的劣化と物理的劣化の2つに分類できる。
化学的劣化としては、被処理水中の難溶性塩類の分離膜表面への析出や、被処理水中の微生物による分離膜表面へのバイオフィルムの形成など、の膜の汚染(ファウリング)と、ファウリングを除去するために実施する薬品洗浄で用いる次亜塩素酸や水酸化ナトリウムや塩酸等の薬品との化学反応による分離膜の分解とがあげられる。
物理的劣化としては、分離膜にかかる圧力によって分離膜が圧し潰される圧密化があげられる。
また、被処理水に含まれる固体の夾雑物と分離膜の接触や、水処理プロセスの発停に伴う圧力変化等により、分離膜に損傷が生じると被処理水が透過水側へ漏れ出し、被処理水混入率が増加する。
分離膜に劣化または損傷の異常が発生すると分離対象の溶質の透過水中の濃度が、上昇し、透過水の水質が悪化するため、異常の発生した分離膜エレメントを特定して、正常な分離膜エレメントと交換する必要がある。
そこで、特許文献1には、圧力容器内に収容した複数の分離膜エレメントについて、圧力容器内の各分離膜エレメントの集水管内に、流量および電気伝導度の一体化センサを挿入し、性能が低下した分離膜エレメントを検出する装置が提案されている。
また、特許文献2には、圧力容器内に収容した複数の分離膜エレメントについて、複数の透過水出口を設け、これら複数の透過水出口から流出する透過水の水質プロファイルを作成することで、異常の発生した分離膜エレメントを検出し、異常の位置と程度を判定する検査方法が提案されている。
日本国特許第5656718号公報 日本国特許第6825724号公報
しかしながら、特許文献1と特許文献2に記載の検査方法では、異常により性能が低下した分離膜エレメントを検出することは可能であるが、特許文献1では、分離膜エレメント内部で異常が発生した位置を特定することができなかった。
加えて、特許文献1と特許文献2に記載の検査方法では、異常の原因が、分離膜の損傷であるか、劣化であるかを特定することができないため、異常に対する的確な対策を取ることが困難であった。
そこで本発明は、極めて簡便に、かつ迅速に、分離膜エレメントに発生した異常の原因と、発生位置と、程度を特定することが可能な、分離膜エレメントの状態診断方法、当該診断方法を搭載したプログラム、当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、次の特徴を有するものである。
(1)被処理水から透過水を得るための分離膜エレメントの状態診断方法であって、被処理水の圧力、流量、溶質濃度の少なくともいずれかと、透過水の圧力、流量、溶質濃度の少なくともいずれかに基づいて、膜分離性能の初期値を計算し、分離膜エレメントの透過水路の少なくとも2箇所で透過水質を測定し、前記膜分離性能の初期値を用いて測定箇所毎に、膜分離性能の計算を行うとともに、前記膜分離性能から算出した透過水計算水質と透過水測定水質との差分が所定の範囲内になるように評価膜分離性能を決定し、決定した評価膜分離性能と、基準となる基準膜性能とを比較し、予め定めた分離膜エレメントの状態診断基準に基づいて、分離膜エレメントの状態を判定することを特徴とする分離膜エレメントの状態診断方法。
(2)前記膜分離性能が、除去率、透過率、溶媒透過係数、溶質透過係数、被処理水混入率の少なくともいずれかであることを特徴とする(1)に記載の分離膜エレメントの状態診断方法。
(3)前記膜分離性能が、膜透過計算から算出される溶媒透過係数、溶質透過係数および被処理水混入率であって、前記評価膜分離性能と前記基準膜分離性能が、前記測定箇所に共通の溶媒透過係数と溶質透過係数、および前記測定箇所毎に個別の被処理水混入率であることを特徴とする(1)または(2)に記載の分離膜エレメントの状態診断方法。
(4)前記膜透過計算が、溶質透過の物質収支を表す濃度分極モデルから導出される濃度分極式に基づくことを特徴とする(1)から(3)いずれかに記載の分離膜エレメントの状態診断方法。
(5)前記透過水質測定が、透過水路を軸方向に分割した測定箇所毎に測定するものであって、2番目以降の測定箇所の被処理水圧力を、前方の測定箇所に供給される被処理水供給圧力と流量から流体力学に基づく圧力損失計算により算出することを特徴とする(1)から(4)に記載の分離膜エレメントの状態診断方法。
(6)前記透過水測定水質と前記透過水計算水質が、電気伝導度、TOC、屈折率、濁度、吸光度、発光光度、色度、IR、質量分析、イオンクロマト、ICP、pH、放射線の少なくともいずれかであることを特徴とする(1)から(5)いずれかに記載の分離膜エレメントの状態診断方法。
(7)前記少なくとも2箇所から透過水質を測定する方法が、前記分離膜エレメントへ細いチューブを通して、前記分離膜エレメントの異なる位置の透過水を採水して水質を測定する方法であることを特徴とする(1)から(6)いずれかに記載の分離膜エレメントの状態診断方法。
(8)前記分離膜エレメントがスパイラル型逆浸透膜エレメントであって、チューブを透過水集水用中心パイプの中に挿入、移動させる距離毎に採水し、その採水ごとに前記測定箇所を規定することを特徴とする(1)から(7)いずれかに記載の分離膜エレメントの状態診断方法。
(9)前記分離膜エレメントが透過水を少なくとも2箇所から取水できるような構造を有し、透過水の流量比率を変化させることを特徴とする(1)から(8)いずれかに記載の分離膜エレメントの状態診断方法。
(10)前記状態診断基準で判定する分離膜エレメントの状態が劣化と損傷であって、劣化および損傷の有無、損傷の位置、劣化および損傷の程度の少なくともいずれかであることを特徴とする(1)から(9)いずれかに記載の分離膜エレメントの状態診断方法。
(11)前記状態診断基準が、評価溶媒透過係数が基準溶媒透過係数より減少、または評価溶質透過係数が基準溶質透過係数より増加の少なくともいずれかが発生した場合に劣化と判定し、また前記評価溶媒透過係数が前記基準溶媒透過係数より減少する程度、または前記評価溶質透過係数が前記基準溶質透過係数より増加する程度の少なくともいずれかから劣化の程度を判定することを特徴とする(3)から(10)いずれかに記載の分離膜エレメントの状態診断方法。
(12)前記状態診断基準が、前記測定箇所で評価被処理水混入率が基準被処理水混入率より増加する場合に損傷発生を判定するとともに前記測定箇所で損傷位置を判定し、または前記測定箇所で前記評価被処理水混入率が前記基準被処理水混入率より増加する程度から前記損傷の程度を判定することを特徴とする(3)から(10)いずれかに記載の分離膜エレメントの状態診断方法。
(13)被処理水から透過水を得るための分離膜エレメントの状態診断をするためにコンピュータを、分離膜エレメントの被処理水の圧力、流量、溶質濃度の少なくともいずれかと、透過水の圧力、流量、溶質濃度の少なくともいずれか、および透過水路の少なくとも2箇所で測定した透過水質のデータを入力するデータ入力手段、膜分離性能の初期値を計算する膜分離性能初期値計算手段、前記膜分離性能の初期値を用いて、前記測定箇所毎に、膜分離性能の計算を行うとともに、前記膜分離性能から算出した透過水計算水質と透過水測定水質との差分が所定の範囲内になるように、評価膜分離性能を決定する評価膜分離性能決定手段、決定した前記膜分離性能と、基準膜分離性能とを比較する膜分離性能比較手段、前記膜分離性能比較の結果から、予め定めた分離膜エレメントの状態診断基準に基づいて、分離膜エレメントの状態を診断する分離膜エレメント状態診断手段、として機能させることを特徴とする分離膜エレメントの状態診断プログラム。
(14)被処理水から透過水を得るための分離膜エレメントの状態診断をするためにコンピュータを、前記膜分離性能の計算を、除去率、透過率、溶媒透過係数、溶質透過係数、被処理水混入率のすくなくともいずれかを計算することを選択させる膜分離性能計算選択手段として機能させるための(13)に記載の分離膜エレメントの状態診断プログラム。
(15)被処理水から透過水を得るための分離膜エレメントの状態診断をするためにコンピュータを、膜分離性能計算手段で前記膜分離性能を、膜透過計算から算出される溶媒透過係数、溶質透過係数および被処理水混入率とし、前記評価膜分離性能と前記基準膜分離性能を前記測定箇所に共通の溶媒透過係数と溶質透過係数、および前記測定箇所毎に個別の被処理水混入率として計算する性能解析限定手段として機能させるための(13)または(14)に記載の分離膜エレメントの状態診断プログラム。
(16)被処理水から透過水を得るための分離膜エレメントの状態診断をするためにコンピュータを、膜透過計算を溶質透過の物質収支を表す濃度分極モデルから導出される濃度分極式に基づいて計算する濃度分極式計算手段として機能させるための(13)から(15)いずれかに記載の分離膜エレメントの状態診断プログラム。
(17)被処理水から透過水を得るための分離膜エレメントの状態診断をするためにコンピュータを、前記測定箇所において、2番目以降の測定箇所の被処理水圧力を、前方の測定箇所に供給される被処理水供給圧力と流量から流体力学に基づく圧力損失計算により算出する圧力損失計算手段として機能させる(13)から(16)に記載の分離膜エレメントの状態診断プログラム。
(18)被処理水から透過水を得るための分離膜エレメントの状態診断をするためにコンピュータを、前記透過水測定水質と前記透過水計算水質が、電気伝導度、TOC、屈折率、濁度、吸光度、発光光度、色度、IR、質量分析、イオンクロマト、ICP、pH、放射線の少なくともいずれかから透過水質を決定する透過水質決定手段として機能させる(13)から(17)いずれかに記載の分離膜エレメントの状態診断プログラム。
(19)被処理水から透過水を得るための分離膜エレメントの状態診断をするためにコンピュータを、前記状態診断基準で判定する分離膜エレメントの状態が劣化と損傷であって、劣化および損傷の有無、損傷の位置、劣化および損傷の程度の少なくともいずれかであることを決定する分離膜エレメントの状態決定手段として機能させる(13)から(18)いずれかに記載の分離膜エレメントの状態診断プログラム。
(20)被処理水から透過水を得るための分離膜エレメントの状態診断をするためにコンピュータを、前記状態診断基準が、前記評価溶媒透過係数が前記基準溶媒透過係数より減少、または前記評価溶質透過係数が前記基準溶質透過係数より増加の少なくともいずれかが発生した場合に劣化と判定し、また前記評価溶媒透過係数が前記基準溶媒透過係数より減少する程度、または前記評価溶質透過係数が前記基準溶質透過係数より増加する程度の少なくともいずれかから劣化の程度を判定する分離膜エレメントの劣化判定手段として機能させる(15)から(19)いずれかに記載の分離膜エレメントの状態診断プログラム。
(21)被処理水から透過水を得るための分離膜エレメントの状態診断をするためにコンピュータを、前記状態診断基準が、前記測定箇所で前記評価被処理水混入率が前記基準被処理水混入率より増加する場合に損傷が発生していると判定するとともに前記測定箇所で損傷位置を判定し、または前記測定箇所で前記評価被処理水混入率が前記基準被処理水混入率より増加する程度から前記損傷の程度を判定する分離膜エレメントの損傷判定手段として機能させる(15)から(19)いずれかに記載の分離膜エレメントの状態診断プログラム。
(22)(13)から(21)のいずれかに記載の分離膜エレメントの状態診断プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
本発明によれば、極めて簡便に、分離膜エレメントにおける異常発生の原因と程度を検出することが可能となり、的確な異常対策を講じることが可能となるため、水処理装置を安定的に運転することが可能となる。
本発明に係る分離膜エレメントの概略図である。 図1における分離膜エレメントの端部を封止手段により封止したときの概略図である。 図2に示す分離膜エレメントのn個(n≧2)の測定箇所を示す概略図である。 評価溶媒透過係数、評価溶質透過係数、評価被処理水混入率の計算フローの一例である。 劣化と損傷の有無が、透過水の電気伝導度のプロファイルに及ぼす影響の一例である。 分離膜エレメント長手方向の被処理水混入率の分布の一例である。 分離膜エレメントの状態診断フローの一例である。 本発明の分離膜エレメントの状態診断方法をコンピュータで実行するための分離膜エレメントの状態診断プログラムの一例である。 運転中の分離膜エレメントの測定電気伝導度と運転中の分離膜エレメントの測定電気伝導度と一致するように決定した評価溶媒透過係数と評価溶質透過係数と被処理水混入率を用いて計算した透過水計算電気伝導度(劣化あり・損傷あり)と分離膜エレメントの基準溶媒透過係数と基準溶質透過係数から計算した計算電気伝導度(劣化なし・損傷なし)のプロファイルである。 分離膜エレメントの基準溶媒透過係数と評価溶媒透過係数の比較である。 基準溶質透過係数と評価溶質透過係数の比較である。 分離膜エレメントの測定電気伝導度から決定した被処理水混入率である。 分離膜エレメントの測定電気伝導度と被処理水混入率をゼロとして損傷を考慮せずに、溶媒透過係数と溶質透過係数を用いて計算した計算電気伝導度(劣化あり・損傷なし)と、運転開始時の溶媒透過係数と溶質透過係数から計算した計算電気伝導度(劣化なし・損傷なし)のプロファイルである。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。なお、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
本発明は、被処理水を濃縮水と透過水とに分離する分離膜エレメントの状態診断方法であって、1本または複数の直列に接続された運転中の分離膜エレメントのうち状態を診断したい状態診断分離膜エレメントについて、被処理水の圧力、流量、溶質濃度、透過水の圧力、流量、溶質濃度の少なくともいずれかに基づいて、膜分離性能の初期値を計算するステップ1と透過水が集水される透過水路(集水管)の透過水の測定水質をいずれか2点以上で測定するステップ2と、
前記膜分離性能の初期値を用いて前記測定箇所毎に、膜分離性能の計算を行うとともに、前記膜分離性能から算出した透過水計算水質と前記透過水測定水質との差分が所定の範囲内になるように評価膜分離性能を決定するステップ3と、
決定した評価膜分離性能と、比較の対象となる基準に予め取得しておいた基準膜分離性能とを比較して、予め定められた状態診断対象分離膜エレメントの状態診断基準に基づいて、状態診断状態診断分離膜エレメントの状態を判定するステップ4とを備えることを特徴とする。
膜分離性能とは、除去率(=1-透過水濃度/被処理水濃度)、透過率(=透過水濃度/被処理水濃度)、溶媒透過係数、溶質透過係数、被処理水混入率などが一般的である。特に、溶媒透過係数、溶質透過係数および被処理水混入率を使用するとより正確に膜分離性能を解析でき好適である。よって、本願では一例として、溶媒透過係数、溶質透過係数および被処理水混入率について記載する。
ここで分離膜エレメントに供給される被処理水としては、例えば、海水、河川水、地下水、又は下排水処理水等があげられる。また実機から抜き出した分離膜エレメントを評価する場合は、NaClやMgSOなどを溶解したものを使用すると好適である。また、評価中の被処理水の濃度は、測定しやすい条件に設定するのが好ましいが、特に制約されるものではない。一般には、NaClの濃度は、好ましくは50~70000mg/Lであり、より好ましくは500~35000mg/L、MgSOの濃度は、好ましくは50~10000mg/L、であり、より好ましくは500~4000mg/Lである。
また、使用に供している(運転中の)分離膜エレメントを診断したい場合、被処理水の供給を止めてNaClやMgSOなどに切り替えるか、分離膜エレメントを設備から外して診断するための装置に装填する必要がある。実際のプラントの運転中に本診断を実施したい場合は、運転中の状態で、すなわち、原水をそのまま被処理水として使用することも可能である。ただし、比較評価の対象となる溶質以外の溶質が含まれている場合が多いので、分析精度に影響を及ぼすことに注意が必要である。
分離膜エレメントが備える分離膜とは、膜両面の圧力差を利用して被処理水を膜ろ過し、被処理水中に含まれる一定粒子径を超える物質を捕捉する膜であり、逆浸透膜、ナノ濾過膜、限外濾過膜、精密濾過膜、イオン交換膜、ガス分離膜、ろ布など、様々な分離膜で用いることが出来るが、とくに、海水や河川水などを処理して、飲料水や各種用水を製造する水処理用精密濾過膜、限外濾過膜、ナノ濾過膜、逆浸透膜へ適用すると、水処理コスト削減に貢献でき、非常に好ましい。また、エレメント形状としても、スパイラル型、中空糸型、平膜平行平板(プレートアンドフレーム)型など、特に限定されるものではない。
本発明で用いる逆浸透膜やナノ濾過膜の素材としては、例えば、酢酸セルロース系ポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ビニルポリマーなどの高分子素材を使用することができる。また、その膜構造は、膜の少なくとも片面に緻密層を持ち、緻密層から膜内部またはもう片方の面に向けて徐々に大きな孔径の微細孔を有する非対称膜や、非対称膜の緻密層の上に別の素材で形成された非常に薄い機能層を有する複合膜のどちらでもよい。
また、限外濾過膜や精密濾過膜としては、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等の多孔質膜を挙げることができる。
さらに、これら多孔質膜に機能層としては架橋型シリコーン、ポリブタジエン、ポリアクリロニトリルブタジエン、エチレンプロピレンラバー、ネオプレンゴム等のゴム状高分子を複合化することで透過性が高い複合分離膜として本発明を適用することが出来る。
分離膜エレメントの構造は、膜の用途によって様々であるが、逆浸透膜やナノ濾過膜の場合は、スパイラル型が一般的である。最も代表的なスパイラル型逆浸透膜エレメントにとして使用するエレメントの概略図を図1に示す。
分離膜エレメント11は、被処理水12を濃縮水13と透過水14に分離する分離膜15と、透過水14を集水する複数の孔の空いた集水管16とを備えており、集水管16の端部17と端部18は開口しており、透過水14を取り出すことができる。
また、端部17と端部18のうちいずれか一方を封止手段により封止することにより、端部17と端部18のうち封止されていない側から透過水14を取り出すことができる。例えば、図2では、被処理水入口側の端部17を封止手段21により封止し、端部18から透過水14を取り出している。
ここで水質とは、電気伝導度、TOC、屈折率、濁度、吸光度、発光光度、色度、IR、質量分析、イオンクロマト、ICP、pH、放射線の少なくともいずれかであり、特に測定が容易な電気伝導度が好適である。
各透過水の電気伝導度から溶質濃度を求めるには、従来公知の方法で事前に溶質の濃度と電気伝導度の関係を求めておけばよい。事前に各イオン性物質の濃度と電気伝導度の関係式を作成しておくと、容易に電気伝導度を濃度に換算できるので好適である。
ここで、測定水質の測定位置は、集水管を軸方向に分割して規定すると好ましい。具体的には、測定水質の測定位置が集水管の孔の位置と一致し、測定点数が集水管の孔の個数と一致していると、集水管16内部の透過水14の測定水質の分布を細かく得ることができ好適である。
ステップ1は、運転条件に基づいて、状態診断対象分離膜エレメントの溶媒と溶質の膜透過計算を行う。これが初期値となるが、被処理水混入率の初期値については、ゼロと規定するのが好ましい。
ここで運転条件とは、状態診断対象分離膜エレメントの端部17における被処理水圧力P(0)、被処理水流量Q(0)、被処理水溶質濃度C(0)およびエレメント端部18における透過水の透過水圧力P(0)、透過水流量QP(0)、透過水濃度CP(0)である。まずは、以下の濃度分極式から膜表面の溶質濃度C(0)を計算する。
Figure 0007392877000001
なお、数1は数2に示す基本的な濃度分極式から算出したものである。濃度分極とは、膜ろ過において溶質が膜表面上に堆積し、膜表面近くの溶質濃度が被処理水に比べ高くなる現象である。この現象を膜透過計算に組み込むことで、計算精度を向上できる。
Figure 0007392877000002
次にC(0)を用いて、以下の式により溶媒透過係数の初期値L(0)と溶質透過係数の初期値P(0)を求める。なお、被処理水混入率の初期値α(0)については、既定値としても良いが、この段階では解析するのが困難であるためゼロと規定するのが好ましい。
Figure 0007392877000003
図2において、分離膜エレメント11の集水管16の内部に、集水管16の内径より外径の小さいホース又はチューブを端部18から集水管の軸方向に挿入すると、挿入したホース又はチューブの先端の位置の透過水を取り出すことができる。
ステップ2は、このようにして集水管16内部の透過水14を2点以上測定する。
ステップ3では、これらの膜分離性能の初期値を用いて測定箇所毎に、膜分離性能の計算を行うとともに、膜分離性能から算出した透過水計算水質と前記透過水測定水質との差分が所定の範囲内になるようにして評価膜分離性能を決定する。
具体的には、状態診断対象分離膜エレメントが、複数の直列に接続された分離膜エレメントの状態診断対象の測定水質の測定箇所が被処理水の供給側から見て先頭の測定箇所よりも後方に位置する場合には、先頭の測定箇所に供給される被処理水の被処理水供給圧力と、流体力学に基づく圧力損失計算により状態診断対象分離膜エレメントの端部被処理水圧力P(1)を算出し、状態診断対象分離膜エレメントの端部被処理水溶質濃度C(1)を、先頭分離膜エレメントに供給される被処理水の被処理水供給溶質濃度と、集水管の被処理水の供給側の端部の集水管内部の透過水の測定水質から算出した端部透過水溶質濃度とから算出する。
なお、分離膜エレメントが、直列に複数設置され、状態診断を分離膜エレメント毎に実施する場合でも上記手法により同様にして端部被処理水圧力P(1)と端部被処理水溶質濃度C(1)を算出することが可能である。
図3は、状態診断対象分離膜エレメントをn箇所(n≧2)で状態診断を実施する場合の概略図である。
i番目の透過水14の溶質の濃度は、膜透過計算を行うことで求めることができる。具体的な、分離膜エレメントのn箇所での膜透過計算の方法を以下に示す。
(1)1番目の測定箇所について(2)から(6)の計算を実行して、i番目の透過水の流量Q(i)と溶質濃度C(i)を計算する。
(2)i番目(1≦i≦n)の測定箇所について、Q(i)とC(i)の初期値として、被処理水の流量Q(i)と溶質濃度C(i)より小さい値を与える。
これは、Q(i)≧Q(i)とすると濃縮水の流量がゼロまたはマイナスとなり、溶媒の物質収支が破綻するためである。また、分離膜エレメントの溶質の除去率はゼロより大きいので、C(i)≧C(i)とはならないためである。
(3)Q(i)とC(i)の初期値を用いて、以下の濃度分極式から膜表面の溶質濃度C(i)を計算する。
Figure 0007392877000004
(4)C(i)を用いて、以下の式によりQ(i)とC(i)の計算値を求める。
ここで、浸透圧の計算にはvan′t Hoff式やPitzer式等の理論式によって計算するのが一般的である。
またここの最初の計算段階では、溶媒透過係数Lと溶質透過係数PS、および被処理水混入率αは、ステップ1で算出した溶媒透過係数の初期値L(0)と溶質透過係数の初期値P(0)、および被処理水混入率の初期値α(0)を用いると好適である。
Figure 0007392877000005
(5)Q(i)とC(i)の初期値と計算値のズレが許容誤差に収まらなければ、Newton法や勾配法などの求解アルゴリズムによりQ(i)とC(i)の初期値を変更するとなお好適である。
(6)(1)から(4)の計算を繰り返し、Q(i)とC(i)の初期値と計算値のズレが許容誤差に収まればQ(i)とC(i)の計算値が解となる。
(7)2≦i≦nのとき、i-1番目の測定箇所の被処理水の流量Q(i-1)と濃度C(i-1)と、i-1番目の測定箇所の透過水の流量Q(i-1)と濃度C(i-1)とを用いて、以下の溶媒と溶質の物質収支式からi番目の測定箇所の被処理水の流量Q(i)と溶質濃度C(i)を計算する。
ここで、i番目の測定箇所の被処理水の圧力P(i)は、i-1番目の測定箇所の被処理水の圧力P(i-1)と流量Q(i-1)から被処理水の圧力損失を用いて計算する。圧力損失は、流体力学の理論式などによって計算する。
Figure 0007392877000006
(8)i=nになるまで(1)から(7)の計算を実行することで、全ての測定箇所について透過水の流量と溶質濃度を計算できる。
次に、図4のフローに従って、膜透過計算によって得られる透過水14の溶質の濃度から算出した透過水計算水質と、透過水測定水質との差分が所定の範囲内に含まれるように、評価溶媒透過係数と評価溶質透過係数と評価被処理水混入率を決定する。
ここで図4は、膜透過計算によって得られる透過水14の溶質の濃度から算出した透過水計算水質と、透過水測定水質との差分が、所定の範囲内δに含まれるように、全ての測定箇所に共通の評価溶媒透過係数と評価溶質透過係数、および各測定箇所毎に個別の評価被処理水混入率αを決定するためのフローである。
運転条件と、溶媒透過係数と溶質透過係数の初期値と、各測定箇所毎の透過水測定水質σを入力し、状態診断対象分離膜エレメントの、例えば封止手段によって封止された端部からもう一方の端部に向かって、各測定箇所毎の透過水計算水質σと、各測定箇所毎の透過水測定水質σが一致するように、被処理水混入率αを決定する。
i番目の測定箇所の透過水の計算水質σ(i)が測定水質σ(i)よりも大きい値をとる場合は、溶媒透過係数と溶質透過係数を再入力して被処理水混入率α(i)を再計算する。
全ての測定箇所に対して、透過水計算水質σと透過水測定水質σの差分が所定の範囲内δに含まれるようになるまで、被処理水混入率αの計算を繰り返すことで、最終的な評価溶媒透過係数と評価溶質透過係数と評価被処理水混入率αを決定することができる。
ここで、透過水の計算水質が電気伝導度である場合は、Debye-Huckel式やOnsager式等の理論式によって計算するのが好ましい。
図5は、劣化と損傷の有無が、透過水の電気伝導度のプロファイルに及ぼす影響の一例である。
ここで状態診断対象分離膜エレメントの長手方向の位置は、封止手段により封止された端部をゼロとしたときの位置である。状態診断対象分離膜エレメントに劣化と損傷がない場合、透過水の電気伝導度は、封止手段により封止された端部からもう一方の端部に向かって、単調増加する。
状態診断対象分離膜エレメントに劣化があり損傷がない場合は、劣化と損傷がない場合に比べて、透過水の電気伝導度は全体的に上昇し、封止手段により封止された端部からもう一方の端部に向かって、単調増加する。
状態診断対象分離膜エレメントに損傷がある場合は、図6の損傷のある位置で被処理水が混入するため、電気伝導度は単調増加とならない。
ステップ4では、決定した評価溶媒透過係数、評価溶質透過係数、および評価被処理水混入率の少なくともいずれかと比較対象となる基準に予め取得しておいた基準溶媒透過係数、基準溶質透過係数、および基準被処理水混入率を比較して、図7の分離膜エレメントの状態診断基準に基づいて、状態診断対象分離膜エレメントの劣化または損傷の有無、劣化または損傷の程度、損傷の発生した位置の少なくともいずれかを判定する。
ここで、基準とは、例えば、状態診断対象分離膜エレメント生産時や運転開始時または薬品洗浄後の運転再開時に設定すると運転前後での状態診断対象分離膜エレメントを比較することができ好適である。
なお、状態診断対象分離膜エレメントの診断方法の例を以下にあげるが、以下に限定されるものではない。
状態診断対象分離膜エレメントの劣化の有無の判定は、例えば、基準溶媒透過係数に比べて評価溶媒透過係数が減少するか、または基準溶質透過係数に比べて評価溶質透過係数が増加するかの少なくともいずれかであり、かつ基準溶媒透過係数と比較した評価溶媒透過係数の増加量と、基準溶質透過係数と比較した評価溶媒透過係数の減少量の少なくともいずれかが、予め決定した閾値よりも大きい値をとる場合に、状態診断対象分離膜エレメントに劣化が発生していると判定することができる。
状態診断対象分離膜エレメントの劣化の程度の判定は、状態診断対象分離膜エレメントに劣化が発生している場合に、例えば、運転開始時に予め取得しておいた基準溶媒透過係数と比較した評価溶媒透過係数の増加量と、運転開始時に予め取得しておいた基準溶質透過係数と比較した評価溶質透過係数の減少量によって劣化の程度を定量的に判定することができ好適である。
状態診断対象分離膜エレメントの損傷の有無および位置の判定は、状態診断対象分離膜エレメントの測定箇所のうち、評価被処理水混入率が基準被処理水混入率より増加し、かつその増加量が予め決定した閾値より大きい値をとる位置で損傷が発生していると判定することができる。
状態診断対象分離膜エレメントの損傷の程度は、状態診断対象分離膜エレメントに損傷が発生している場合に、例えば、運転開始時に予め取得しておいた基準被処理水混入率と比較した評価被処理水混入率の増加量によって、損傷の程度を定量的に判定するとなお良い。
また、運転条件と基準溶媒透過係数と基準溶質透過係数と基準被処理水混入率を用いて膜透過計算を行い計算した計算透過水流量と計算透過水濃度を評価透過水流量と評価透過水濃度を比較することによっても状態診断対象分離膜エレメントの劣化と損傷の有無を判定できる。
具体的には、計算透過水流量と比較した評価透過水流量の増加量が予め決定した閾値より大きい値をとる場合に、状態診断対象分離膜エレメントの損傷が発生していると判定し、計算透過水流量と比較した評価透過水流量の減少量が予め決定した閾値より小さい値をとる場合に、状態診断対象分離膜エレメントの劣化が発生していると判定できる。
さらに、計算透過水濃度と比較した評価透過水濃度の増加量が予め決定した閾値より大きい値をとる場合に、状態診断対象分離膜エレメントの劣化あるいは損傷の少なくともいずれかが発生していると判定できる。
閾値は、運転条件や要求水質などに応じて任意に決定すれば良いが、例えば、基準溶媒透過係数と比較した評価溶媒透過係数の減少量と、基準溶質透過係数と比較した評価溶質透過係数の増加量と、基準被処理水混入率と比較した評価被処理水混入率の増加量をそれぞれ、0.1~5.0%、5.1~10.0%、10.1~15.0%、15.1~20.0%などのように範囲で設定すると劣化の程度をさらに定量化できるので好適である。
このとき、運転条件や測定水質の測定誤差により変動する変動幅を考慮して閾値を決定するとより好ましい。
また、本発明により、水処理プロセスの運転期間中に、本発明の分離膜エレメントの状態診断方法を定期的に実施することで、分離膜エレメントの劣化と損傷の発生および程度を監視することもでき、このとき、予め設定した閾値に達したとき警報を出すことで、運転条件の変更や装置洗浄などの対応を速やかに取ることができるし、閾値を複数設定しておけば、劣化や損傷の段階に応じた、より的確な警報とすることも可能である。
劣化や損傷が更に進行し、運転条件変更や洗浄では分離膜エレメントの性能を回復できないレベルに達したときは、当該分離膜エレメントを優先的に交換するといった対策も取ることができる。
さらに、劣化や損傷の程度と運転時間の関係から、劣化や損傷の進行を予測することができ、予測結果と閾値に基づいて、装置洗浄の時期や分離膜エレメントの交換時期を予測するとなお好適である。
かくして上述の分離膜エレメントの状態診断方法によれば、分離膜エレメントにおける異常発生の原因と程度を、精度よく検出することによって、的確な異常対策を講じることが可能となるため、水処理装置を安定的に運転することが可能となる。
なお以上は、集水管の一方の端部が封止手段によって封止されたものとして説明してきたが、水処理プロセスにおいては、両端ともに解放して透過水を取り出す場合がある。このような場合においても上記の手法を適用することができる。また、その場合は、両端から各々排出される透過水の流量比率を変化させながら取水し、その測定透過水質から分離膜エレメントの状態診断を実施することで、分離膜エレメントの劣化または損傷の有無、程度および位置を特定することができ好適である。
具体的には、分離膜エレメントの脱塩率は一定値であるので、被処理水の濃度が高ければ、透過水濃度も高くなる。その結果、被処理水供給側から排出される透過水に比べて、他端側から排出される透過水濃度は高くなる。このため、被処理水供給側透過水の比率を増加させると、透過水の濃度が緩やかに上昇する。一方で、他端透過水中には上流の透過水がより含まれなくなるため、こちらの透過水濃度も緩やかに上昇する。しかし、劣化や損傷がある場合は、各々緩やかに上昇せず変曲点が生じるこの変曲点の生じる透過水量比率からの劣化または損傷の有無、程度および位置を特定することができる。
また、上記の分離膜エレメントの状態診断方法は、1本の分離膜エレメントを複数の箇所毎に区分けして計算しても良いが、通常の水処理プラントであれば、複数の分離膜エレメントを直列に多い場合は7~8本接続して使用するのが一般的である。その場合は、分離膜エレメント単位で状態診断を実施しても良い。
なお、図8は、本発明の分離膜エレメントの状態診断方法をコンピュータで実行するための、分離膜エレメントの状態診断プログラムである。状態診断プログラムについては、下記のステップを有することを特徴とする。
分離膜エレメントの被処理水の圧力、流量、溶質濃度の少なくともいずれかと、透過水の圧力、流量、溶質濃度の少なくともいずれか、および透過水路の少なくとも2箇所で測定した透過水質のデータを入力するデータ入力手段41と、膜分離性能の初期値を計算する膜分離性能初期値計算手段42と、前記膜分離性能の初期値を用いて、前記測定箇所毎に、膜分離性能の計算を行うとともに、前記膜分離性能から算出した透過水計算水質と前記透過水測定水質との差分が所定の範囲内になるように、評価膜分離性能を決定する評価膜分離性能決定手段43と、決定した前記膜分離性能と、基準膜分離性能とを比較する膜分離性能比較手段44と、前記膜分離性能比較の結果から、予め定めた分離膜エレメントの状態診断基準に基づいて、分離膜エレメントの状態を診断する分離膜エレメント状態診断手段45として機能させることを特徴とする分離膜エレメントの状態診断プログラムである。
また、膜分離性能の計算を、除去率、透過率、溶媒透過係数、溶質透過係数、被処理水混入率のすくなくともいずれかを計算することを選択させる膜分離性能計算選択手段46を具備すると選択を変更することで、様々な観点から膜分離性能を解析でき好適である。
さらに、膜分離性能の計算を、膜透過計算から算出される溶媒透過係数、溶質透過係数および被処理水混入率とし、前記評価膜分離性能と前記基準膜分離性能を前記測定箇所に共通の溶媒透過係数と溶質透過係数、および前記測定箇所毎に個別の被処理水混入率として計算する膜分離性能解析限定手段47を具備すると膜分離性能をより詳細に解析でき、なお好適である。
膜透過計算においては、膜透過計算を溶質透過の物質収支を表す濃度分極モデルから導出される濃度分極式に基づいて計算する濃度分極式計算手段48と前記測定箇所において、2番目以降の測定箇所の被処理水圧力を、前方の測定箇所に供給される被処理水供給圧力と流量から流体力学に基づく圧力損失計算により算出する圧力損失計算手段49を具備しこれらを用いて透過計算を実施すると計算精度が高くできるので好適である。
また、データ入力手段41には、入力される透過水測定水質と透過水計算水質を電気伝導度、TOC、屈折率、濁度、吸光度、発光光度、色度、IR、質量分析、イオンクロマト、ICP、pH、放射線の少なくともいずれかから透過水質を決定する透過水質決定手段50を備えている。
また、分離膜エレメント状態診断手段45においては、状態診断基準で判定する分離膜エレメントの状態が劣化と損傷であって、劣化および損傷の有無、損傷の位置、劣化および程度の少なくともいずれかであることを決定する分離膜エレメントの状態決定手段51が組み込まれ、分離膜エレメントの状態決定手段51の中では、評価溶媒透過係数が基準溶媒透過係数より減少、または評価溶質透過係数が基準溶質透過係数より増加の少なくともいずれかが発生した場合に劣化と判定し、また前記評価溶媒透過係数が前記基準溶媒透過係数より減少する程度、または前記評価溶質透過係数が前記基準溶質透過係数より増加する程度の少なくともいずれかから劣化の程度を判定する分離膜エレメントの劣化判定手段52と測定箇所で評価被処理水混入率が基準被処理水混入率より増加する場合に損傷が発生していると判定するとともに前記測定箇所で損傷位置を判定し、または測定箇所で評価被処理水混入率が前記基準被処理水混入率より増加する程度から損傷の程度を判定する分離膜エレメントの損傷判定手段53を具備することで、分離膜エレメントの状態診断を定量的に実施することもできる。
加えてこれらのプログラムをコンピュータで読み取れるプログラムとして、当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に保存しても良い。また、記録媒体を保存するシステムは、通常のコンピュータでも良いがオンプレミスサーバーやクラウドサーバーでも差し支えない。このように、サーバーに計算プログラムを保存した場合、そのプログラムにコンピュータ上のブラウザを介してアクセスし、計算プログラムを実行して計算するシステムにするとなお好適である。
<実施例>
標準条件(圧力56kg/cm、32000mg/L NaCl水溶液、温度25℃、収率8%)で造水量37.5m/日、脱塩率99.8%の性能を有するポリアミド系逆浸透膜を使用した分離膜エレメント1本の、状態診断試験を行った。
試験条件は、被処理水流量97L/分、透過水流量17L/分、被処理水は32000mg/LのNaCl水溶液、水温30℃、pH6.5とし、分離膜エレメントの集水管軸方向の42点で測定電気伝導度を測定した。
図9は、分離膜エレメントの計算電気伝導度と、運転中の分離膜エレメントの測定電気伝導度と一致するように決定した評価溶媒透過係数と評価溶質透過係数と被処理水混入率を用いて計算した計算電気伝導度(劣化あり・損傷あり)と、分離膜エレメントの運転開始時の基準溶媒透過係数と基準溶質透過係数から計算した計算電気伝導度(劣化なし・損傷なし)のプロファイルである。
図10は、分離膜エレメントの基準溶媒透過係数を100%としたときの、評価溶媒透過係数である。
図11は、分離膜エレメントの基準溶質透過係数を100%としたときの、評価溶質透過係数である。
評価溶媒透過係数は、基準溶媒透過係数に対して32.5%減少した。また、評価溶質透過係数は、基準溶質透過係数に対して30.7%増加した。
図12は、運転中の分離膜エレメントの測定電気伝導度から決定した、被処理水混入率である。
基準溶媒透過係数と比較して評価溶媒透過係数が減少し、基準溶質透過係数と比較して評価溶質透過係数が増加したことから、分離膜エレメントに劣化が生じており、また被処理水混入率がゼロでない位置があることから、分離膜エレメントに損傷も生じていることを定量的に判定できる。
<比較例>
図13は、損傷のある運転中の分離膜エレメントの測定電気伝導度と、被処理水混入率をゼロとして損傷を考慮せずに、溶媒透過係数と溶質透過係数を用いて計算した計算電気伝導度(劣化あり・損傷なし)と、運転開始時の溶媒透過係数と溶質透過係数から計算した計算電気伝導度(劣化なし・損傷なし)のプロファイルである。
本発明で定義した損傷を考慮せず、被処理水混入率をゼロとしたとき、運転中の分離膜エレメントの測定電気伝導度と計算電気伝導度を一致させるような評価溶媒透過係数と評価溶質透過係数を決定することができず、分離膜エレメントの状態を、正しく判定することができない。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
なお、本出願は、2021年11月30日出願の日本特許出願(特願2021-193800)に基づくものであり、その内容は本出願の中に参照として援用される。
11 分離膜エレメント
12 被処理水
13 濃縮水
14 透過水
15 分離膜
16 集水管
17 端部
18 端部
21 封止手段
31 1番目の測定箇所
32 2番目の測定箇所
33 i番目の測定箇所
34 n-1番目の測定箇所
35 n番目の測定箇所
41 データ入力手段
42 膜分離性能初期値計算手段
43 評価膜分離性能決定手段
44 膜分離性能比較手段
45 分離膜エレメント状態診断手段
46 膜分離性能計算選択手段
47 膜分離性能解析限定手段
48 濃度分極式計算手段
49 圧力損失計算手段
50 透過水質決定手段
51 分離膜エレメントの状態決定手段
52 劣化判定手段
53 損傷判定手段
61 記録媒体
71 コンピュータ

Claims (20)

  1. 被処理水から透過水を得るための分離膜エレメントの状態診断方法であって、
    被処理水の圧力、流量、溶質濃度の少なくともいずれかと、透過水の圧力、流量、溶質濃度の少なくともいずれかに基づいて、膜分離性能の初期値を計算し、
    分離膜エレメントの透過水路へ前記透過水路の内径より外径の小さいチューブを通して、前記分離膜エレメントの異なる位置の透過水を少なくとも2箇所の測定箇所で採水して透過水質を測定する透過水質測定によって透過水測定水質を取得し、
    前記膜分離性能の初期値を用いて測定箇所毎に、膜分離性能の計算を行うとともに、前記膜分離性能から算出した透過水計算水質と透過水測定水質との差分が所定の範囲内になるように評価膜分離性能を決定し、
    決定した評価膜分離性能と、基準となる基準膜分離性能とを比較し、
    予め定めた分離膜エレメントの状態診断基準に基づいて、分離膜エレメントの状態を判定することを特徴とする分離膜エレメントの状態診断方法。
  2. 前記分離膜エレメントがスパイラル型逆浸透膜エレメントであって、チューブを透過水集水用中心パイプの中に挿入、移動させる距離毎に採水し、その採水ごとに前記測定箇所を規定することを特徴とする
    請求項1に記載の分離膜エレメントの状態診断方法。
  3. 前記膜分離性能が、除去率、透過率、溶媒透過係数、溶質透過係数、被処理水混入率の少なくともいずれかであることを特徴とする
    請求項1に記載の分離膜エレメントの状態診断方法。
  4. 前記膜分離性能が、膜透過計算から算出される溶媒透過係数、溶質透過係数および被処理水混入率であって、
    前記評価膜分離性能と前記基準膜分離性能が、前記測定箇所に共通の溶媒透過係数と溶質透過係数、および前記測定箇所毎に個別の被処理水混入率であることを特徴とする
    請求項1に記載の分離膜エレメントの状態診断方法。
  5. 前記膜透過計算が、
    溶質透過の物質収支を表す濃度分極モデルから導出される濃度分極式に基づくことを特徴とする
    請求項4に記載の分離膜エレメントの状態診断方法。
  6. 前記透過水質測定が、前記透過水路を軸方向に分割した測定箇所毎に測定するものであって、2番目以降の測定箇所の被処理水圧力を、前方の測定箇所に供給される被処理水供給圧力と流量から流体力学に基づく圧力損失計算により算出することを特徴とする
    請求項1に記載の分離膜エレメントの状態診断方法。
  7. 前記透過水測定水質と前記透過水計算水質が、電気伝導度、TOC、屈折率、濁度、吸光度、発光光度、色度、IR、質量分析、イオンクロマト、ICP、pH、放射線の少なくともいずれかであることを特徴とする
    請求項1に記載の分離膜エレメントの状態診断方法。
  8. 前記状態診断基準で判定する分離膜エレメントの状態が劣化と損傷であって、
    劣化および損傷の有無、損傷の位置、劣化および損傷の程度の少なくともいずれかであることを特徴とする
    請求項1に記載の分離膜エレメントの状態診断方法。
  9. 前記状態診断基準が、
    評価溶媒透過係数が基準溶媒透過係数より減少、または評価溶質透過係数が基準溶質透過係数より増加の少なくともいずれかが発生した場合に劣化と判定し、
    また前記評価溶媒透過係数が前記基準溶媒透過係数より減少する程度、または前記評価溶質透過係数が前記基準溶質透過係数より増加する程度の少なくともいずれかから劣化の程度を判定することを特徴とする
    請求項8に記載の分離膜エレメントの状態診断方法。
  10. 前記状態診断基準が、
    前記測定箇所で評価被処理水混入率が基準被処理水混入率より増加する場合に損傷発生を判定するとともに前記測定箇所で損傷位置を判定し、または前記測定箇所で前記評価被処理水混入率が前記基準被処理水混入率より増加する程度から前記損傷の程度を判定することを特徴とする
    請求項8に記載の分離膜エレメントの状態診断方法。
  11. 被処理水から透過水を得るための分離膜エレメントの状態診断をするためにコンピュータを、
    分離膜エレメントの被処理水の圧力、流量、溶質濃度の少なくともいずれかと、透過水の圧力、流量、溶質濃度の少なくともいずれか、および透過水路へ前記透過水路の内径より外径の小さいチューブを通して、前記分離膜エレメントの異なる位置の透過水少なくとも2箇所の測定箇所で採水して透過水質を測定する透過水質測定によって取得した透過水測定水質のデータを入力するデータ入力手段、
    膜分離性能の初期値を計算する膜分離性能初期値計算手段、
    前記膜分離性能の初期値を用いて、前記測定箇所毎に、膜分離性能の計算を行うとともに、前記膜分離性能から算出した透過水計算水質と前記透過水測定水質との差分が所定の範囲内になるように、評価膜分離性能を決定する評価膜分離性能決定手段、
    決定した前記評価膜分離性能と、基準膜分離性能とを比較する膜分離性能比較手段、
    前記膜分離性能比較手段により得られた膜分離性能比較の結果から、予め定めた分離膜エレメントの状態診断基準に基づいて、分離膜エレメントの状態を診断する分離膜エレメント状態診断手段、
    として機能させることを特徴とする分離膜エレメントの状態診断プログラム。
  12. 被処理水から透過水を得るための分離膜エレメントの状態診断をするためにコンピュータを、
    前記膜分離性能の計算を、除去率、透過率、溶媒透過係数、溶質透過係数、被処理水混入率のすくなくともいずれかを計算することを選択させる膜分離性能計算選択手段として機能させるための請求項11に記載の分離膜エレメントの状態診断プログラム。
  13. 被処理水から透過水を得るための分離膜エレメントの状態診断をするためにコンピュータを、
    膜分離性能計算手段で前記膜分離性能を、膜透過計算から算出される溶媒透過係数、溶質透過係数および被処理水混入率とし、
    前記評価膜分離性能と前記基準膜分離性能を前記測定箇所に共通の溶媒透過係数と溶質透過係数、および前記測定箇所毎に個別の被処理水混入率として計算する性能解析限定手段として機能させるための請求項11に記載の分離膜エレメントの状態診断プログラム。
  14. 被処理水から透過水を得るための分離膜エレメントの状態診断をするためにコンピュータを、
    膜透過計算を溶質透過の物質収支を表す濃度分極モデルから導出される濃度分極式に基づいて計算する濃度分極式計算手段として機能させるための請求項11に記載の分離膜エレメントの状態診断プログラム。
  15. 被処理水から透過水を得るための分離膜エレメントの状態診断をするためにコンピュータを、
    前記測定箇所において、
    2番目以降の測定箇所の被処理水圧力を、前方の測定箇所に供給される被処理水供給圧力と流量から流体力学に基づく圧力損失計算により算出する圧力損失計算手段として機能させる請求項11に記載の分離膜エレメントの状態診断プログラム。
  16. 被処理水から透過水を得るための分離膜エレメントの状態診断をするためにコンピュータを、
    前記透過水測定水質と前記透過水計算水質が、電気伝導度、TOC、屈折率、濁度、吸光度、発光光度、色度、IR、質量分析、イオンクロマト、ICP、pH、放射線の少なくともいずれかから透過水質を決定する透過水質決定手段として機能させる
    請求項11に記載の分離膜エレメントの状態診断プログラム。
  17. 被処理水から透過水を得るための分離膜エレメントの状態診断をするためにコンピュータを、
    前記状態診断基準で判定する分離膜エレメントの状態が劣化と損傷であって、
    劣化および損傷の有無、損傷の位置、劣化および損傷の程度の少なくともいずれかであることを決定する分離膜エレメントの状態決定手段として機能させる
    請求項11に記載の分離膜エレメントの状態診断プログラム。
  18. 被処理水から透過水を得るための分離膜エレメントの状態診断をするためにコンピュータを、
    前記状態診断基準が、
    評価溶媒透過係数が基準溶媒透過係数より減少、または評価溶質透過係数が基準溶質透過係数より増加の少なくともいずれかが発生した場合に劣化と判定し、
    また前記評価溶媒透過係数が前記基準溶媒透過係数より減少する程度、または前記評価溶質透過係数が前記基準溶質透過係数より増加する程度の少なくともいずれかから劣化の程度を判定する分離膜エレメントの劣化判定手段として機能させる
    請求項13に記載の分離膜エレメントの状態診断プログラム。
  19. 被処理水から透過水を得るための分離膜エレメントの状態診断をするためにコンピュータを、
    前記状態診断基準が、
    前記測定箇所で評価被処理水混入率が基準被処理水混入率より増加する場合に損傷が発生していると判定するとともに前記測定箇所で損傷位置を判定し、
    または前記測定箇所で前記評価被処理水混入率が前記基準被処理水混入率より増加する程度から前記損傷の程度を判定する分離膜エレメントの損傷判定手段として機能させる
    請求項17に記載の分離膜エレメントの状態診断プログラム。
  20. 請求項11から19のいずれかに記載の分離膜エレメントの状態診断プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
JP2022576214A 2021-11-30 2022-11-30 分離膜エレメントの状態診断方法 Active JP7392877B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021193800 2021-11-30
JP2021193800 2021-11-30
PCT/JP2022/044296 WO2023100958A1 (ja) 2021-11-30 2022-11-30 分離膜エレメントの状態診断方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JPWO2023100958A1 JPWO2023100958A1 (ja) 2023-06-08
JPWO2023100958A5 JPWO2023100958A5 (ja) 2023-11-02
JP7392877B2 true JP7392877B2 (ja) 2023-12-06

Family

ID=86612266

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022576214A Active JP7392877B2 (ja) 2021-11-30 2022-11-30 分離膜エレメントの状態診断方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7392877B2 (ja)
WO (1) WO2023100958A1 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001062255A (ja) 1999-08-27 2001-03-13 Toray Ind Inc 逆浸透膜プラントおよびその製造、運転方法ならびにそのための記憶媒体
WO2013093537A1 (en) 2011-12-23 2013-06-27 Abb Technology Ltd A method and a system for monitoring and control of fouling and and optimization thereof of two side membrane fouling process
JP2015042385A (ja) 2013-08-26 2015-03-05 株式会社日立製作所 淡水化システム
WO2020071507A1 (ja) 2018-10-03 2020-04-09 東レ株式会社 水質プロファイルの作成方法、分離膜モジュールの検査方法及び水処理装置
JP2020163252A (ja) 2019-03-28 2020-10-08 栗田工業株式会社 逆浸透膜装置の運転方法及び逆浸透膜装置
WO2021162093A1 (ja) 2020-02-14 2021-08-19 東レ株式会社 ろ過特性予測による造水装置の制御方法、造水装置のトラブル判定方法、造水装置、造水装置の運転プログラム、造水装置のトラブル判定プログラム、および記録媒体

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001062255A (ja) 1999-08-27 2001-03-13 Toray Ind Inc 逆浸透膜プラントおよびその製造、運転方法ならびにそのための記憶媒体
WO2013093537A1 (en) 2011-12-23 2013-06-27 Abb Technology Ltd A method and a system for monitoring and control of fouling and and optimization thereof of two side membrane fouling process
JP2015042385A (ja) 2013-08-26 2015-03-05 株式会社日立製作所 淡水化システム
WO2020071507A1 (ja) 2018-10-03 2020-04-09 東レ株式会社 水質プロファイルの作成方法、分離膜モジュールの検査方法及び水処理装置
JP2020163252A (ja) 2019-03-28 2020-10-08 栗田工業株式会社 逆浸透膜装置の運転方法及び逆浸透膜装置
WO2021162093A1 (ja) 2020-02-14 2021-08-19 東レ株式会社 ろ過特性予測による造水装置の制御方法、造水装置のトラブル判定方法、造水装置、造水装置の運転プログラム、造水装置のトラブル判定プログラム、および記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
WO2023100958A1 (ja) 2023-06-08
JPWO2023100958A1 (ja) 2023-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11401172B2 (en) Intelligent fluid filtration management system
KR101815932B1 (ko) 고압 정유량 실린지펌프와 여과막을 이용한 다채널 막오염지수 측정 시스템 및 그 방법
KR101462565B1 (ko) 해수담수화 장치의 역삼투막에 대한 실시간 막오염 포텐셜 감시방법 및 실시간 막오염 포텐셜 감시기능을 가지는 해수담수화장치
KR101706452B1 (ko) 분리막 이상상태 실시간 감지방법
KR101609795B1 (ko) 다채널 압력지연삼투 평가장치를 이용하여 분리막과 유도용매 펌프를 제어하는 해수담수화-발전 시스템 및 그 방법
EP2145673A1 (en) Method of membrane separation and membrane separation apparatus
US11484843B2 (en) Method of predicting membrane fouling in reverse osmosis process
JP2016107235A (ja) 分離膜の汚染状態分析方法、その方法を用いるろ過対象水の水質評価方法、及び分離膜の汚染状態分析方法を行うためのろ過システム
KR20100057262A (ko) 막오염 지수 측정장치
KR101533554B1 (ko) 역삼투막 베셀 내 실시간 막오염 감시 장치 및 방법
EP2933011B1 (en) Filtration membrane fouling index measuring methods
JP7306826B2 (ja) 造水システムの物理洗浄工程トラブル判定プログラム及び物理洗浄工程トラブル判定装置、並びに記録媒体
JP4591703B2 (ja) 液処理方法及び装置
Cleveland et al. Standardized membrane pore size characterization by polyethylene glycol rejection
JP2006322777A (ja) 流体測定装置
JP7392877B2 (ja) 分離膜エレメントの状態診断方法
WO2015198898A1 (ja) プラント異常予知装置、異常予知装置、表示装置及び表示方法
CN112752604B (zh) 分离膜模块的检查方法
KR102218025B1 (ko) 수처리용 고분자 분리막의 노후화 진단 방법 및 그 장치
JP2018008192A (ja) ファウラントの定量方法
JP2001269552A (ja) 膜分離方法および装置
WO2023127810A1 (ja) 分離膜モジュールの診断方法、分離膜モジュールの劣化診断装置
Camilleri-Rumbau et al. Forward Osmosis
KR101735948B1 (ko) 여과막 오염 모니터링 장치 및 이를 포함하는 수처리 장치
JP2007190467A (ja) 破断検出装置を有する膜ろ過装置及び膜破断検出方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230517

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230517

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20230517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230725

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230913

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231024

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231106

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7392877

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151