JP2001060824A - アンテナ装置 - Google Patents

アンテナ装置

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JP2001060824A
JP2001060824A JP2000228415A JP2000228415A JP2001060824A JP 2001060824 A JP2001060824 A JP 2001060824A JP 2000228415 A JP2000228415 A JP 2000228415A JP 2000228415 A JP2000228415 A JP 2000228415A JP 2001060824 A JP2001060824 A JP 2001060824A
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Shintaro Nakahara
新太郎 中原
Makoto Matsunaga
誠 松永
Yoshihiko Konishi
善彦 小西
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アンテナ装置周囲の影響による不要な散乱波
による悪影響を低減できるアンテナ装置を得る。 【構成】 信号を伝送する給電回路、複数の結合孔が設
けられた接地導体、上記複数の結合孔を介して電磁的に
結合され、上記給電回路を通って伝送された信号により
それぞれ励振される複数の放射素子、及び、上記複数の
放射素子の端部を上記接地導体にそれぞれ接地する複数
の接地手段からなるアンテナ部と、上記アンテナ部の接
地導体と上記筐体との間の段差を軽減するように設けら
れ、上記アンテナ部を収納する筐体と、上記筐体の外側
の段差を緩和して散乱波を低減するテーパ状導体とを備
える。 【効果】 アンテナ装置周囲で発生する散乱波を軽減さ
せ、アンテナ装置の放射特性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、単数または複数の放
射素子を有するアンテナ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図34は、特開平5−145327号公
報に示された従来のアンテナ装置の構成図である。この
種のアンテナ装置は、例えば人工衛星を利用する自動車
電話等に用いられる。このアンテナ装置は2枚の誘電体
基板から構成される。同図において、中段の図はこれら
の誘電体基板のうちの上側の1枚を、下段の図は下側の
1枚をそれぞれ示す。これらの誘電体基板が重ねられて
上段のアンテナ装置が構成される。
【0003】同図において、1は薄板状の第1の誘電体
基板、2は同様の第2の誘電体基板である。3は誘電体
基板1の表面に形成された放射素子、4は誘電体基板2
の裏面に形成されたマイクロストリップライン、5は誘
電体基板2の表面全体に形成された接地導体板である。
6は誘電体基板2の表面に形成された接地導体板5に設
けられ、その長さが伝送波長より短いパッチである。パ
ッチ6と接地導体板5とは、無導体部7により区切られ
ている。8はパッチ6とマイクロストリップライン4を
接続する給電ピンである。
【0004】同図の上段に示されたアンテナ装置におい
て、接地導体板5及びパッチ6は第1の誘電体基板1と
第2の誘電体基板2とによりはさまれて表面に現れな
い。これに対して、放射素子3はアンテナの表面に現
れ、マイクロストリップライン4はアンテナの裏面に現
れる。
【0005】次に動作について説明する。図34におい
て、マイクロストリップライン4を通ってきた信号は、
給電ピン8を通じてパッチ6を励振する。パッチ6と放
射素子3とは電磁的に結合されるので、パッチ6が励振
されることによりさらに放射素子3が励振される。この
ことにより、電波が空間に放射される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図34に示された従来
のアンテナ装置において、パッチ6と放射素子3との接
続は電磁的結合により実現されている。このことによ
り、放射素子3とマイクロストリップライン4とを接続
する給電ピンが不要となり、給電構造の簡易化が可能に
なっている。
【0007】しかし、一方で放射素子3の大きさが約λ
g/2(λg:誘電体基板内波長)と大きいという問題
がある。このことは、この種のアンテナ装置を複数の放
射素子から構成されるアレ−アンテナに適用する際に不
利になることがある。また、この種のアンテナ装置に
は、効率を向上させるために高周波において損失の少な
い誘電体基板が用いられる。しかし、この種の基板は一
般に高価であり、製作費用が高くなるという問題点があ
った。さらに、誘電体基板を用いるため、誘電体損失を
免れ得ないという問題点があった。
【0008】この発明は上記のような問題点を解消する
ために成されたもので、従来のアンテナ装置と比較し
て、小さな放射素子を有するアンテナ装置を得ることを
目的とする。また、より安価に製造できるアンテナ装置
を得ることを目的とする。また、より損失の少ないアン
テナ装置を得ることを目的とする。さらに、構造的に安
定なアンテナ装置を得ることを目的とする。さらに、広
い帯域の周波数において電送線路と放射素子とを容易に
整合させることができるアンテナ装置を得ることを目的
とする。さらに、アンテナ装置周囲の影響による不要な
散乱波による悪影響を低減できるアンテナ装置を得るこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係るアンテナ
装置は、信号を伝送する給電回路、複数の結合孔が設け
られた接地導体、上記複数の結合孔を介して電磁的に結
合され、上記給電回路を通って伝送された信号によりそ
れぞれ励振される複数の放射素子、及び、上記複数の放
射素子の端部を上記接地導体にそれぞれ接地する複数の
接地手段からなるアンテナ部と、上記アンテナ部の接地
導体と上記筐体との間の段差を軽減するように設けら
れ、上記アンテナ部を収納する筐体と、上記筐体の外側
の段差を緩和して散乱波を低減するテーパ状導体とを備
えたものである。
【0010】請求項2に係るアンテナ装置は、信号を伝
送する給電回路、複数の結合孔が設けられた接地導体、
上記複数の結合孔を介して電磁的に結合され、上記給電
回路を通って伝送された信号によりそれぞれ励振される
複数の放射素子、及び、上記複数の放射素子の端部を上
記接地導体にそれぞれ接地する複数の接地手段からなる
アンテナ部と、上記アンテナ部を収納する筐体と、上記
アンテナ部の接地導体と上記筐体との間を短絡して散乱
波を低減する短絡手段とを備えたものである。
【0011】請求項3に係るアンテナ装置は、信号を伝
送する給電回路、複数の結合孔が設けられた接地導体、
上記複数の結合孔を介して電磁的に結合され、上記給電
回路を通って伝送された信号によりそれぞれ励振される
複数の放射素子、及び、上記複数の放射素子の端部を上
記接地導体にそれぞれ接地する複数の接地手段からなる
アンテナ部と、上記アンテナ部を収納する筐体と、上記
アンテナ部の接地導体と上記筐体との間に設けられ散乱
波を防止する電波吸収体とを備えたものである。
【0012】請求項4に係るアンテナ装置は、信号を伝
送する給電回路、複数の結合孔が設けられた接地導体、
上記複数の結合孔を介して電磁的に結合され、上記給電
回路を通って伝送された信号によりそれぞれ励振される
複数の放射素子、及び、上記複数の放射素子の端部を上
記接地導体にそれぞれ接地する複数の接地手段からなる
アンテナ部と、上記アンテナ部を収納する筐体と、上記
アンテナ部の周囲に設けられ、上記複数の放射素子から
伝搬する電波の位相を遅延させて、上記アンテナの周囲
で発生する散乱波により生じる上記アンテナ部の放射パ
ターンの変化の位置を制御する伝搬遅延手段とを備えた
ものである。
【0013】
【作用】請求項1の発明においては、アンテナ部が電波
を放射し、上記アンテナ部の接地導体との段差が軽減さ
れるように設けられた筐体が上記アンテナ部を収納し、
テーパ状導体が上記筐体の外側の段差を緩和して散乱波
を低減する。
【0014】請求項2の発明においては、アンテナ部が
電波を放射し、筐体が上記アンテナ部を収納し、短絡手
段が上記アンテナ部の接地導体と上記筐体との間を短絡
して散乱波を低減する。
【0015】請求項3の発明においては、アンテナ部が
電波を放射し、筐体が上記アンテナ部を収納し、上記ア
ンテナ部の接地導体と上記筐体との間に設けられた電波
吸収体が散乱波を防止する。
【0016】請求項4の発明においては、アンテナ部が
電波を放射し、筐体が上記アンテナ部を収納し、上記ア
ンテナ部の周囲に設けられた伝搬遅延手段が、上記複数
の放射素子から伝搬する電波の位相を遅延させて、上記
アンテナの周囲で発生する散乱波により生じる上記アン
テナ部の放射パターンの変化の位置を制御する。
【0017】
【実施例】実施例1.以下、この発明の一実施例につい
て説明する。図1は、この実施例1のアンテナ装置の構
成図である。この種のアンテナ装置は、例えば人工衛星
を利用する自動車電話等に用いられる。このアンテナ装
置は3枚の誘電体基板から構成される。同図において、
上から2段目の図はこれらの誘電体基板のうちの上側の
1枚を、上から3段目の図は中間の1枚を、上から4段
目の図は下側の1枚をそれぞれ示す。これらの誘電体基
板が重ねられて最上段のアンテナ装置が構成される。
【0018】同図において、1は薄板状の第1の誘電体
基板、2は同様の第2の誘電体基板、9は同様の第3の
誘電体基板、3はである。3は誘電体基板1の表面に形
成された放射素子、10は誘電体基板2の表面全体に形
成された第1の接地導体板、11は誘電体基板の裏面全
体に形成された接地導体板である。12は誘電体基板9
の表面に形成されたトリプレ−トライン、13は第1の
誘電体基板1の表面に設けられた放射素子、14は誘電
体基板1にスル−ホ−ルメッキで形成され、放射素子1
3の端と接地導体板10とを電気的に接続するショ−ト
部である。ショート部14は放射素子13の一端に一列
に配置された複数の(図では4つの)スルーホールから
なる。15は誘電体基板2、9を貫ぬくスル−ホ−ルメ
ッキで形成され、第1の接地導体板10と第2の接地導
体板11とを電気的に接続する接地導体板接続機構であ
る。接地導体板接続機構15は結合孔14の周囲に配置
された複数の(図では結合孔4の四隅に設けられた4つ
の)スルーホールからなる。16は接地導体板10に設
けられ、トリプレートライン11と放射素子13とを電
磁的に結合するための結合孔である。
【0019】同図の上段に示されたアンテナ装置におい
て、第1の接地導体板10、トリプレートライン12及
び結合孔16は、第1の誘電体基板1と第2の誘電体基
板2とによりはさまれるので、あるいは第2の誘電体基
板2と第3の誘電体基板9とによりはさまれるので、表
面に現れない。これに対して、放射素子13はアンテナ
の表面に現れ、第2の接地導体11はアンテナの裏面に
現れる。
【0020】次に動作について説明する。図1におい
て、トリプレートライン12を通ってきた信号は、結合
孔16を介して放射素子13を励振する。励振された放
射素子13は信号を空間に放射する。この際、結合孔1
6の近傍において、接地導体板10と11の間を伝搬す
る電波であるパラレルプレ−トモ−ドが発生する。
【0021】このとき、接地導体板接続機構15によっ
て接地導体板10と11の間の電位は、結合孔16の周
囲において強制的に0となるので、パラレルプレ−トモ
−ドの信号が接地導体板接続機構15の外側へ伝搬する
ことは妨げられる。このように、接地導体板接続機構1
5により、パラレルプレ−トモ−ドが生じることによる
損失及び他の給電線路への不要な結合が防止できる。
【0022】励振される放射素子13はいわゆるショ−
トパッチアンテナを構成する。放射素子13の一端はシ
ョート部14により接地導体板10と接続されている。
一方、反対の端は開放端となっている。このため、短絡
端と開放端の距離が約λg/4(λg:誘電体内波長)
のときに共振し、最大の放射効率を得る。これに対し従
来例においてショートパッチアンテナが用いられておら
ず、両端が開放端である放射素子が用いられていた。し
たがって、共振させるために放射素子の両端の距離は約
λg/2でなければならない。このことからわかるよう
に、この実施例1のアンテナ装置の放射素子13の大き
さは、従来のアンテナ装置の放射素子の大きさの約半分
である。したがって、アンテナ装置全体の大きさを小さ
くすることができる。
【0023】以上のように、この実施例1のアンテナ装
置によれば、電磁結合による簡易な給電構造を備えるア
ンテナ装置において、放射素子をショートパッチアンテ
ナで構成したので、アンテナ装置の大きさを小さくでき
る。
【0024】なお、この実施例1において誘電体基板1
と2とを同じ材質、同じ厚さにする必要はない。他方、
トリプレ−トライン12の動作を平衡に保つために、誘
電体基板2と9とを同じ特性のにするほうが良い。
【0025】実施例2.上記実施例1のアンテナ装置は
トリプレート線路を備えていたが、マイクロストリップ
線路を備えるようにしてもよい。図2は、この実施例2
のアンテナ装置の構成図である。このアンテナ装置は2
枚の誘電体基板から構成される。同図において、中段の
図はこれらの誘電体基板のうちの上側の1枚を、下段の
図は下側の1枚をそれぞれ示す。これらの誘電体基板が
重ねられて上段のアンテナ装置が構成される。
【0026】同図において、4は信号を伝送するために
第2の誘電体基板2の裏面に設けられたマイクロストリ
ップラインである。第1の誘電体基板1、第2の誘電体
基板2、第1の接地導体板10、放射素子13、ショー
ト部14及び結合孔16は、実施例1の図1に示された
ものと同じもの、あるいは相当部分である。
【0027】同図の上段に示されたアンテナ装置におい
て、第1の接地導体板10及び結合孔16は、第1の誘
電体基板1と第2の誘電体基板2とによりはさまれるの
で、あるいは第2の誘電体基板2と第3の誘電体基板9
とによりはさまれるので、表面に現れない。これに対し
て、放射素子13はアンテナの表面に現れ、マイクロス
トリップライン4はアンテナの裏面に現れる。
【0028】次に動作について説明する。マイクロスト
リップライン4を伝搬する信号は、結合孔16を介し
て、電磁結合により放射素子13を励振する。励振され
た放射素子13は信号を空間に放射する。放射素子13
の両端の距離は約λg/4である。この点は実施例1の
場合と同様である。
【0029】以上のように、この実施例2のアンテナ装
置によれば、電磁結合による簡易な給電構造を備えるア
ンテナ装置において、放射素子をショートパッチアンテ
ナで構成したので、アンテナ装置の大きさを小さくでき
る。
【0030】なお、この実施例2において誘電体基板1
と2を同じ材質、同じ厚さにする必要はない。
【0031】実施例3.この発明の他の実施例を図3〜
5を用いて説明する。図3は、この実施例3のアンテナ
装置の射視図、図4は、図3におけるA−A線断面図、
図5は、図4のアンテナ装置の上面図である。
【0032】図3〜5において、17は板金を折り曲げ
て形成されたショ−トパッチアンテナである。ショート
パッチアンテナ17は、信号を放射する部分(図1の放
射部13に相当する)、この信号を放射する部分に対し
ほぼ直角に折り曲げられたショ−ト部18及びショート
部18に対しほぼ直角に折り曲げられた取り付け部分の
3つの部分から構成されている。
【0033】19は第1の接地導体板である。ショート
部18は、ショートパッチアンテナ17の一端を第1の
接地導体板19に接続するとともに、ショートパッチア
ンテナ17と第1の接地導体板19との間隔を一定に保
持する。20は第1の接地導体板19に平行に設けられ
た第2の接地導体板、21は表面にトリプレ−トライン
23が形成されたフィルム基板、22は、第1の接地導
体板19と第2の接地導体板20との間に、これらに平
行に設けられたフィルム基板21を支える発泡誘電体、
24は接地導体板19に設けられた結合孔である。
【0034】図4の断面図からわかるように、ショート
パッチアンテナ17とトリプレートライン23とは結合
孔24を介して電磁的に結合される。発泡誘電体22
は、フィルム基板21を、その両側からサンドイッチ状
にはさむ。すなわち、発泡誘電体22は2層ある。これ
ら発泡誘電体22の両側に、第1の接地導体板19及び
第2の接地導体板20がそれぞれ設けられる。また、第
2の接地導体20は、第2の接地導体板20の一部が絞
られて形成され、それぞれねじ穴が設けられた4か所の
凸部を有する(図4にはそれらのうちの2つの凸部が示
されている)。これら凸部は、接地導体板19、20を
電気的に接続するとともに、両者の間隔を維持する接地
導体板接続機構25である。これら接地導体板接続機構
25に対応してフィルム基板21及び発泡誘電体22に
は、柱状の開口部を形成するための穴がそれぞれ設けら
れている。これら接地導体板接続機構25は、フィルム
基板21及び発泡誘電体22に設けられた柱状の開口部
を通って第1の接地導体板19に接触する。そして、4
本のねじ26により、第1の接地導体板19と第2の接
地導体板20とは電気的かつ機械的に接続される。ま
た、ねじ26のうちの2本はショートパッチアンテナ1
7の取り付け部に取りつけられ、ショートパッチアンテ
ナ17を第1の接地導体板19に取りつける。
【0035】次に動作について説明する。図3〜5に示
されるアンテナ装置は、実施例1の図1に示されるアン
テナ装置と類似するが、第1の誘電体基板を備えない
点、発泡誘電体22を備える点、接地導体板接続機構が
第2の接地導体板基板20を絞って形成されている点等
で異なる。しかしアンテナ装置としての動作は、実施例
1の場合と同様である。
【0036】トリプレ−トライン23を伝搬する信号
は、結合孔24を介して、電磁的結合によりショ−トパ
ッチアンテナ17を励振する。励振されたショ−トパッ
チアンテナ17は信号を空間に放射する。これらの動作
は従来例の場合と同様である。
【0037】しかし、図3〜5のアンテナ装置は第1の
誘電体基板を備えず、ショ−トパッチアンテナ17の内
部は空気である。したがって、ショートパッチアンテナ
17を励振する波長λは自由空間波長λ0 である。ショ
ートパッチアンテナ17の短絡端と開放端の距離は約λ
0 /4となるから、ショートパッチアンテナ17は実施
例1の放射素子よりも小さくなる。また、ショ−トパッ
チアンテナ17の内部は空気であって誘電体が存在しな
いから、誘電体損がない。
【0038】また、この実施例3のアンテナ装置におい
て、トリプレ−トライン23の周囲の誘電体は発泡誘電
体22である。発泡誘電体の誘電率はほとんど空気に近
く、誘電正接も誘電体基板に比べて低い。このため、ト
リプレートライン23の誘電体損は、誘電体基板上に形
成された線路の誘電体損に比べて極めて小さい。また、
接地導体板接続機構25は、絞り込みにより第2の接地
導体板20と一体で形成されるから、製造が容易であ
る。
【0039】この実施例3のアンテナ装置の構成部品
は、板金、発泡誘電体、フィルム基板である。これらは
誘電体基板に比べてはるかに安価である。したがって、
アンテナ装置の構成部品の価格が低下する。
【0040】以上のように、この実施例3によれば、シ
ョートパッチアンテナの内部が空気で満たされるととも
に、構成部品が、板金、発泡誘電体、フィルム基板であ
るので、従来例のアンテナ装置よりも、さらに、放射素
子が小さくなり、損失が少なくなり、部品の費用が安価
になるという効果を奏する。
【0041】なお、この実施例3において、ショ−トパ
ッチアンテナ17、第1の接地導体板19、接地導体板
接続機構25の接続及び固定にねじ26を用いたが、リ
ベット等、他の接続部品を使っても良い。
【0042】実施例4.上記実施例3において、第1の
接地導体板19と第2の接地導体板20とを接続する接
地導体板接続機構25は、第2の接地導体板20が絞ら
れて形成された凸部であった。しかし、これに限らず接
地導体板接続機構25はリングスペーサ、かしめナット
等であってもよい。
【0043】図6〜8は、この実施例4のアンテナ装置
の接地導体板接続機構付近の断面図である。図6におい
て、接地導体板接続機構として、導体であるリングスペ
−サ27が用いられている。第1の接地導体板19と第
2の接地導体板20とを接続・固定するねじ26は、リ
ングスペーサ27を貫通する。リングスペーサ27は、
これら導体板19、20とを電気的に接続するととも
に、機械的に固定する。
【0044】図7において、接地導体板接続機構とし
て、貫通穴にねじが切られたかしめナット28が用いら
れている。かしめナット28は、リングスペーサ27と
同様の機能を有する。図8において、リングスペーサ2
7は、ネジ26の代わりのリベット29により接続・固
定される。図8において、リングスペーサ27は、図6
の場合と同様に機能する。図6〜8に示されたアンテナ
装置の作用及び効果は、実施例3のアンテナ装置の作用
及び効果と同様である。
【0045】実施例5.上記実施例3において、ショー
トパッチアンテナ17及び第1の接地導体板19は異な
る導体板により形成されたが、これらを一体成形するよ
うにしてもよい。図9は、この実施例5のアンテナ装置
の射視図であり、図10は、図9におけるB−B線断面
図である。図9及び図10において、ショートパッチア
ンテナ17〜ネジ26は実施例3の図3〜5に示された
ものと同じものあるいは相当部分である。
【0046】この実施例5のアンテナ装置の動作と実施
例3のアンテナ装置の動作とは同じである。相違点は、
ショ−トパッチアンテナ17b、ショート部18b、接
地導体板19b、接地導体板接続機構25bが、表面が
導体でメッキされた樹脂で一体化形成されたことであ
る。
【0047】このような構成にすることで、部品点数及
び組立工数が減り、アンテナ装置がより安価になる。
【0048】この実施例5では、ショ−トパッチアンテ
ナ17b、ショート部18b、接地導体板19b及び接
地導体板接続機構25bが一体化形成された。ショ−ト
パッチアンテナ17、ショート部18及び接地導体板1
9のみが一体化形成され、接地導体板接続機構25と接
地導体板20とが一体化形成されるようにしても良い。
【0049】実施例6.この発明にかかるアンテナ装置
の他の実施例について図11を用いながら説明する。図
11は、この実施例6のアンテナ装置の分解図である。
このアンテナ装置は3つの部分から構成される。同図に
おいて、上段の図はアンテナの放射素子及び第1の接地
導体板を示し、下段の図は第2の接地導体板及び第1の
接地導体板と第2の接地導体板とを接続する導体を示
し、中段の図は、上段の構成要素と下段の構成要素とに
はさまれる給電線路等を示している。この給電回路はト
リプレート線路である。
【0050】図11の上段において、ショートパッチア
ンテナ17、ショート部18、第1の接地導体板19、
結合穴4、ねじ26は、図3〜5に示されたものと同じ
あるいは相当部分である。
【0051】図11の中段において、トリプレートライ
ン23が設けられたフィルム基板21、発泡誘電体22
は、図3〜5に示されたものと同様に機能するが、これ
らは形状の点で異なる。すなわち、発泡誘電体22は、
信号を給電するためのトリプレートライン23の部分、
及び給電線路と放射素子とを電磁的に結合させるための
結合孔24の部分にのみ設けられている。トリプレート
ライン23と結合孔24とはほぼ直交しているため、発
泡誘電体22は十字架の形状をしている。これは、結合
孔24及びトリプレ−トライン23の周囲が導体30に
よって完全にシ−ルドされるように、給電回路及び結合
部が導体30に埋め込まれるようにするためである。実
施例3のアンテナ装置において、発泡誘電体22は板状
であり、広い面積を有していた。
【0052】図11の下段において、第2の接地導体板
20は図3〜5に示されたものと同じものである。導体
30は第1の接地導体板19と第2の接地導体板20と
の間に設けられ、これら接地導体板19と20とを電気
的に接続する。導体30は、フィルム基板21と発泡誘
電体22からなる給電回路及び結合部を収納するため
に、対応する形状の開口部を有している。また、導体3
0は、第1の接地導体板19を固定するためのねじ穴3
1を有している。
【0053】4本のねじ26はねじ穴31と勘合して、
第1の接地導体板19を導体30に取りつけるととも
に、誘電体22、トリプレートライン23からなる給電
回路を第1の接地導体板19と第2の接地導体板20と
の間に固定する。図には示されていないが、第2の接地
導体板20と導体壁30もねじ等で接続・固定されてい
る。
【0054】この実施例6のアンテナ装置の基本的な動
作は、実施例3のアンテナ装置の動作と同じである。し
かし、結合孔24やトリプレ−トライン23の周囲が導
体壁30によって完全にシ−ルドされているので、実施
例1で述べられたパラレルプレ−トモ−ドがより完全に
遮断されている。このため、このアンテナ装置の損失は
さらに低くくなるとともに、他の線路への結合もさらに
少なくなる。
【0055】以上のように、この実施例6によれば、給
電回路及び結合部を導体で完全にシールドしたので、ア
ンテナ装置の損失がさらに低下する。また、この実施例
6のアンテナ装置は、実施例3のアンテナ装置と同様
に、放射素子の小型化、製造コストの低下等の効果も奏
する。
【0056】なお、この実施例6のアンテナ装置に、実
施例5で述べられた樹脂による一体化成形を適用するこ
とが可能である。例えば、導体壁30と第2の接地導体
板20、もしくは導体壁30、第1の接地導体板19及
びショ−トパッチアンテナ17を樹脂で一体化形成し、
この表面を導体でメッキすれば良い。
【0057】実施例7.実施例3のアンテナ装置の放射
素子の非接地端にスペーサを設け、構造的に安定するよ
うに構成してもよい。図12は、この実施例6のアンテ
ナ装置の射視図である。図13は、図12におけるC−
C線断面図である。図12及び図13において、32は
ショ−トパッチアンテナ17の開放端、すなわちショー
ト部18により接地されている端と反対側の端部、と接
地導体板19との間隔を維持するための誘電体のスペ−
サである。ショートパッチアンテナ17〜ねじ26は実
施例3の図3に示されるものと同じものあるいは相当部
分である。
【0058】この実施例7の電気的な動作は、実施例3
のアンテナ装置と同じである。ショ−トパッチアンテナ
17の開放端は電界がもっとも強い場所である。このた
め、ショ−トパッチアンテナ17の開放端と接地導体板
19の間隔が変化すると、ショ−トパッチアンテナ17
の動作特性、特に共振周波数特性、共振帯域特性は大き
な影響を受ける。したがって、上記間隔を最適な長さに
維持する構造が必要である。この実施例7は、この最適
な長さをもつ誘電体のスペ−サをショ−トパッチアンテ
ナ17の開放端と接地導体板19との間に設置すること
により、上記間隔を最適な長さに維持するものである。
【0059】誘電体のスペ−サ32の形状としては様々
なものが考えられるが可能な限り小さいものが望まし
い。誘電体のスペ−サ32が大きくなると、ショ−トパ
ッチアンテナ17内部における誘電体損が増加するため
である。
【0060】この実施例7によれば、スペーサがショー
トパッチアンテナの間隔を一定に維持するので、構造上
の精度が高いアンテナ装置を得ることができるととも
に、振動などの物理的衝撃に対しても性能を維持できる
安定なアンテナ装置を得ることができる。放射素子が小
さくなること、より安価な構成となること、より低損失
となることは実施例3の場合と同じである。なお、この
実施例7のスペーサが、実施例3〜6のアンテナ装置に
適用できることはいうまでもない。
【0061】実施例8.また、実施例3のアンテナ装置
の放射素子の位置を調整可能にしてもよい。図14は、
この実施例8のアンテナ装置の射視図である。図15
は、この実施例8のアンテナ装置の上面図である。図1
4及び図15において、33はショ−トパッチアンテナ
17を第1の接地導体板19に取りつけるために、その
一部が折り曲げられた折り曲げ部である。ショートパッ
チアンテナ17は、放射素子として機能する部分、これ
に直交するショートパッチ部18及び放射素子と平行な
折り曲げ部33とからなる。34はショートパッチアン
テナ17の位置が移動可能になるように、折り曲げ部3
3に設けられた長穴である。長穴34にねじ26が挿入
されて、ショートパッチアンテナ17と第1の接地導体
板19とが電気的に接続されるとともに、機械的に固定
される。ショートパッチアンテナ17〜ねじ26は実施
例3の図3に示されるものと同じものあるいは相当部分
である。
【0062】この実施例8のアンテナ装置の基本的な電
気的動作は、実施例3のアンテナ装置の動作と同じであ
る。しかし、この実施例8のアンテナ装置において、折
り曲げ部33に長穴34が設けられたことにより、ショ
−トパッチアンテナ17は矢印Dの方向に移動可能であ
る。これによりショ−トパッチアンテナ17と結合孔2
4との位置関係が任意に変えられるようになる。
【0063】一般には結合孔24がショ−トパッチアン
テナ17のショ−ト部18に近い位置にあるほど、ショ
−トパッチアンテナ17とトリプレ−トライン23はよ
り広帯域で電磁結合するようになり、より広帯域での整
合が可能になる。ただし電磁結合が極めて広帯域になる
と帯域内におけるショ−トパッチアンテナ17の入力イ
ンピ−ダンスの変化が大きくなり、逆に整合が取りにく
くなる。したがって、この実施例8のアンテナ装置にお
いて、最も広い帯域で整合がとれるようにショ−トパッ
チアンテナ17の位置が調整される。
【0064】例えば、次のように調整する。ショート部
18と結合孔4とが近いと広い帯域において結合でき
る。このとき、同時に整合がとれるようにするために
は、スミスチャートにおける特性が、スミスチャートの
中心部で所定のVSWR(例えば、VSWR=1.5)
の円内に入っていればよい。そこで、この円内に納まる
範囲において、できるだけショート部18と結合孔4と
を近づける。
【0065】この実施例8によれば、ショートパッチア
ンテナを第1の接地導体板に取り付けるため穴を長穴に
することにより、ショートパッチアンテナと結合孔との
位置関係が調整可能である。これにより、放射素子と給
電回路との電磁結合が調整できて、最適な状態を設定で
きる。したがって、より広帯域において容易に放射素子
と給電線路との整合がとれるアンテナ装置が得られる。
放射素子が小さくなること、より安価な構成となるこ
と、より低損失となることは実施例3の場合と同じであ
る。なお、この実施例8の構成が、実施例3〜7のアン
テナ装置に適用できることはいうまでもない。
【0066】なお、この実施例8のアンテナ装置の給電
回路はトリプレ−トラインであったが、給電回路がマイ
クロストリップラインの場合も同様の効果が得られる。
【0067】実施例9.この発明の他の実施例について
図16に基づき説明する。図16は、この実施例9のア
ンテナ装置の上面図である。同図において、36は結合
孔24の近傍でトリプレ−トライン23の幅が広げられ
た部分である。線路の幅が広くなると線路の特性インピ
−ダンスは低くなるので、36を低インピ−ダンス部と
呼ぶことにする。低インピーダンス部36は、結合孔2
4に対してトリプレートライン23寄りに設けられてい
る。これは低インピーダンス部36は変成器としても機
能するからである。そして、低インピーダンス部36の
端部は、ちょうど結合孔24の部分に配置されている。
これは、端部にもっとも大きな電流が流れるため、端部
を結合孔24の部分に配置することにより結合が大きく
なるためである。ショートパッチアンテナ17〜ねじ2
6は実施例3の図3に示されるものと同じものあるいは
相当部分である。
【0068】この実施例9のアンテナ装置の基本的な電
気的動作は、実施例3のアンテナ装置の動作と同じであ
る。この実施例9において、結合孔24の近傍でトリプ
レ−トライン23の幅が広げられることにより低インピ
−ダンス部36が設けられている。特性インピ−ダンス
が低くなると線路を流れる電流が大きくなり、そのため
線路周囲の磁界が強くなる。この結果、結合孔24はよ
り強く励振され、ショ−トパッチアンテナ17とトリプ
レ−トライン23はより広帯域で電磁結合するようにな
る。
【0069】実施例8で述べたように、広帯域で電磁結
合した場合、より広帯域での整合が可能になる。一方、
電磁結合が極めて広帯域になると逆に整合が取りにくく
なる。したがって最も適当な結合量を得るよう低インピ
−ダンス部36の幅を調整すれば良い。具体的には、実
施例8の場合と同様に、広帯域の結合と所望の整合とを
同時に実現するために、スミスチャートの特性がその中
心部で所定のVSWR(例えば、VSWR=1.5)の
円内に入る範囲において、できるだけ低インピーダンス
部36の幅を広げる。
【0070】なお、トリプレ−トライン23の幅を全て
低インピ−ダンス部36の幅と同じにすると、線路幅が
太くなる。このことは、アレ−アンテナのように給電線
路が複雑に配置されるような場合、配置上の不利とな
る。したがって低インピ−ダンス部36は結合孔24の
近傍にのみ設けるほうがよい。
【0071】また、低インピ−ダンス部36の長さa1
をλp/4(λp:線路内波長)とし、低インピ−ダン
ス部36の線路幅を適当に選べば、低インピーダンス部
36はインピ−ダンス変成器となり、容易にトリプレ−
トライン23との整合がとれる。
【0072】この実施例9によれば、広帯域で電磁結合
するように、結合孔の近傍の給電線路の一部に低インピ
ーダンス部を設けたので、より広帯域において容易に放
射素子と給電線路との整合がとれるアンテナ装置が得ら
れる。放射素子が小さくなること、より安価な構成とな
ること、より低損失となることは実施例3の場合と同じ
である。なお、この実施例8の構成が、実施例3〜7の
アンテナ装置に適用できることはいうまでもない。
【0073】なお、この実施例8のアンテナ装置の給電
回路はトリプレ−トラインであったが、給電回路がマイ
クロストリップラインの場合も同様の効果が得られる。
【0074】実施例10.上記実施例9のアンテナ装置
において、線路に設けられた低インピーダンス部により
広帯域における整合が可能になった。同様の効果は、線
路に設けられたオープンスタブによっても可能である。
図17は、この実施例10のアンテナ装置の上面図であ
る。同図において、37はトリプレ−トライン23を結
合孔24の中心からa2(約λp/4、λp:線路内波
長)だけ延長して構成したオ−プンスタブである。他の
構成は上記実施例9のアンテナ装置の構成と同じであ
る。
【0075】この実施例10のアンテナ装置の基本的な
電気的動作は、実施例3のアンテナ装置の動作と同じで
ある。この実施例10の構成ではオ−プンスタブ37に
より結合孔24付近のインピ−ダンスは0に近くなる。
このため、結合孔24付近の線路を流れる電流が大きく
なり、その線路周囲の磁界も強くなる。この結果、結合
孔24はより強く励振され、ショ−トパッチアンテナ1
7とトリプレ−トライン23はより広帯域で電磁結合す
るようになる。実施例9の場合と同様に、広帯域な電磁
結合により、より広帯域での整合が可能になる。一方、
電磁結合が極めて広帯域になると逆に整合が取りにくく
なる。極めて広帯域な結合になった場合はオ−プンスタ
ブ37の長さをa2=λp/4を中心に増減することに
より、結合孔24付近の電流量を調整すればよい。a2
=λp/4のときに結合は最大になる。これより短いと
きリアクタンス成分が容量性に、これより長いときリア
クタンス成分が誘導性になる。最適な整合を得るため
に、長さを調整するようにしてもよい。このときの調整
方法は、実施例8あるいは9の場合と同様である。
【0076】この実施例10によれば、給電線路にオー
プンスタブを設けたので、より広帯域で容易に放射素子
と給電線路との整合がとれるようになる。放射素子がよ
り小さくなること、より安価な構成となること、より低
損失となることは実施例3のアンテナ装置と同じであ
る。
【0077】なお、この実施例10と実施例9とを併用
しても良い。また、この実施例10ではトリプレ−トラ
インを例にとったが、マイクロストリップラインに適用
しても同じ効果を得る。
【0078】実施例11.上記実施例3〜10におい
て、放射素子であるショートパッチアンテナと接地導体
板との間隔は一定であったが、ショートパッチアンテナ
の接地端における間隔と開放端の間隔とが異なってもよ
い。図18は、この実施例11のアンテナ装置の断面図
である。図18は、図4と同様の断面図であるが、図1
8と図4とは、ショートパッチアンテナ17と第1の接
地導体板19との間隔が一定でない点で相違する。すな
わち、図18において、ショートパッチアンテナ17の
接地端における間隔をx1、接地端と反対側の開放端に
おける間隔をx2とすれば、x1<x2である。
【0079】この実施例11のアンテナ装置の基本的な
電気的動作は、実施例3のアンテナ装置の動作と同じで
ある。ショ−トパッチアンテナ17、は前述のように開
放端において電界が最大になる。さらに、一般に、ショ
−トパッチアンテナ17と第1の接地導体板19との間
の空間の体積が大きくなるほど、ショートパッチアンテ
ナ17は広帯域で共振する。したがって、この実施例1
1のアンテナ装置において電界最大部の体積が大きくな
るため、実施例3のアンテナ装置のようにショ−トパッ
チアンテナ17が接地導体板19と平行なものに比べ
て、同じ体積でもより広帯域で共振するようになる。広
帯域での共振は、広帯域での電磁結合を起こすので、実
施例9、10のアンテナ装置と同じく、より広帯域での
整合が可能になる。一方、電磁結合が極めて広帯域にな
り逆に整合が取りにくくなる場合は、開放端と接地導体
板19との間隔x2を縮めて調整すればよい。このとき
の調整の方法は、上記実施例8〜9と同様である。
【0080】この実施例11によれば、広帯域で共振す
るように放射素子と接地導体との間隔を変化させたの
で、より広帯域で容易にショ−トパッチアンテナ38と
給電線路の整合がとれるようになる。アンテナ装置の放
射素子が小さくなること、より安価な構成となること、
より低損失となることは実施例3と同じである。
【0081】この実施例11ではトリプレ−トラインを
例にとったが、マイクロストリップラインに適用しても
同じ効果を得る。
【0082】この実施例11のショ−トパッチアンテナ
17に実施例7のような誘電体のスペーサを設けること
により、ショ−トパッチアンテナ17の開放端と接地導
体板19の間隔x2を維持することはもちろん可能であ
る。
【0083】実施例12.上記実施例11のアンテナ装
置の他の実施例を図19に基づき説明する。図19は、
この実施例12のアンテナ装置の断面図である。同図に
おいて、ショートパッチアンテナ17の接地端における
間隔は0であり、他方、接地端と反対側の開放端におけ
る間隔はx3である。ここで、0<x3である。
【0084】この実施例12のアンテナ装置の動作及び
効果は、実施例11のアンテナ装置の動作及び効果と同
じである。
【0085】実施例13.この発明のアンテナ装置の他
の実施例について図20及び図21に基づき説明する。
図20は、この実施例13のアンテナ装置の射視図であ
る。図21は、図20におけるE−E線断面図である。
図20及び図21において、42はショートパッチアン
テナ17の上側に重ねて設けられた上側ショ−トパッチ
アンテナ、43は上側ショ−トパッチアンテナ42のシ
ョ−ト部である。ショ−ト部41、43は互いに接し
て、もしくは平行に所定の間隔を持って配置されてい
る。他の構成要素は前述した実施例のアンテナ装置の構
成要素と同じである。
【0086】この実施例12のアンテナ装置は、2つの
ショ−トパッチアンテナ17及び42を備えるため、2
つの共振器が組み合わせられてQが下がるのと同じ原理
により共振帯域が広がる。ショートパッチアンテナ17
は、図21の矢印Pに示されるように、結合孔24を介
して給電線路と結合し、上側ショートパッチアンテナ4
2は、さらに図21の矢印Qに示されるように、ショー
トパッチアンテナ17及び42の開口部を介して給電線
路と結合する。ショーパッチアンテナ17及び42はそ
れぞれひとつの共振器に相当する。
【0087】このように、共振帯域が広がるから、実施
例11の場合と同じようにして広帯域での整合が可能に
なる。2つのショートパッチアンテナ17と42との間
の結合は、これらの開放端の距離a3を小さくすること
により、大きくなる。電磁結合が極めて広帯域になり逆
に整合が取りにくくなる場合は、ショ−トパッチアンテ
ナ17と42の開放端の距離a3 を大きくして共振帯域
をせばめて調整すればよい。具体的な調整方法は実施例
11の場合と同じである。
【0088】この実施例12によれば、ショートパッチ
アンテナを二重にしたので、アンテナ装置のショートパ
ッチアンテナは、より広帯域で容易に給電線路と整合が
とれるようになる。アンテナ装置の放射素子がより小さ
くなり、より安価な構成となること、より低損失となる
ことは実施例3と同じである。
【0089】この実施例12ではトリプレ−トラインを
例にとったが、マイクロストリップラインに適用しても
同じ効果を得る。
【0090】この実施例12のショ−トパッチアンテナ
17、42対して、実施例7のように、ショ−トパッチ
アンテナの開放端と接地導体板19の間隔を維持するた
めの誘電体のスペ−サを適用することはもちろん可能で
ある。
【0091】実施例14.図22は、この実施例14の
アンテナ装置の斜視図である。図23は、図22のG−
G線断面図である。
【0092】図22において、45は表面に単数もしく
は複数のショ−トパッチアンテナ44が配置されるとと
もに、内部にショ−トパッチアンテナ44それぞれに信
号を給電するための給電回路が内臓された接地導体板で
ある。ショートパッチアンテナ44及び接地導体板45
は、実施例1〜13のショートパッチアンテナ17及び
第1の接地導体板10あるいは19に相当する。また、
接地導体板45は、図の矢印Fに示される方向に回転す
る。46は接地導体板45や後述のモ−タ−、ロ−タリ
−ジョイント等を収納する筐体である。筐体46は、そ
の端部の高さは接地導体板45の高さとほぼ同じであ
る。47は筐体46の周囲に設けられたテ−パ部、48
は筐体46及びテーパ部47が設置された導体板であ
る。
【0093】図23において、49はショートパッチア
ンテナ44に信号を給電するために接地導体板45の回
転中心に設けられたロ−タリ−ジョイント、50は、接
地導体板45を回転させるために、回転力をモ−タ−5
0からロ−タリ−ジョイント49に伝達するベルト、5
2は送信機、受信機、及びその他このアンテナ装置の運
用に応じて必要な装置が組み込まれた通信ユニットであ
る。
【0094】この実施例14は、アンテナを水平方向に
回転させてビ−ムを任意の方向に指向させるアンテナ装
置である。このアンテナ装置の用途は、例えば移動体衛
星通信の移動体端末に用いられるアンテナである。とこ
ろで、地球の高緯度地方で静止衛星を用いて衛星通信を
行う場合、衛星が低仰角に位置するため、アンテナのビ
−ムを低仰角に向ける必要がある。この場合、低仰角方
向に放射パタ−ンを持つ素子アンテナが必要になるが、
ショ−トパッチアンテナ44はその代表的な例である。
【0095】ショートパッチアンテナの円偏波の放射パ
ターンを図24及び図25に基づき説明する。図24は
ショートパッチアンテナ17の上面図である。図25は
ショートパッチアンテナ17の全面図である。ショート
パッチアンテナ17において、その3辺の開放端が放射
源になっている。この放射源は、図24に示すように、
その辺に置かれた磁流と等価である。したがって、図2
5に示されるように、ショートパッチアンテナ14は、
左方向の低い仰角のパターン101a及び右方向の低い
仰角のパターン101bをもつ。パターン101aは右
旋円偏波であり、パターン101bは左旋円偏波であ
る。なお、2点給電の円形パッチアンテナのパターン1
02は、低い仰角における利得は低い。
【0096】また、移動体衛星通信に用いられる場合、
この実施例14の導体板48は自動車の屋根や船舶の甲
板に相当する。なお、このようなアンテナ装置ではレド
−ムを持つのが普通であるが、この実施例14では特に
重要な要素ではないので割愛してある。
【0097】このようなアンテナ装置の基本的な動作に
ついて説明する。図23において、ショ−トパッチアン
テナ44と接地導体板45より構成されるアンテナは、
特定の方向にビ−ム57を形成している。このアンテナ
をモ−タ−51がベルト50を通じて回転させ、所望の
方向にビ−ム57を向けさせる。この状態でアンテナは
送受信を行う。送受信の信号はロ−タリ−ジョイント4
9を通じて通信ユニット52に入出力されて、通信が行
われる。
【0098】アンテナの送信特性と受信特性は同じであ
るので、以下、送信の場合を例にとり説明する。ショ−
トパッチアンテナ44から放射された電波のうち、水平
方向に伝搬したものは筐体の端部54で散乱される。特
に、筐体外壁が導体板48に対してほぼ垂直あって、筐
体端部54が直角に近いような場合(図23の点線5
3)に、散乱波55、56は非常に大きくなる。散乱波
には、アンテナのビ−ム方向に散乱されたもの55や、
散乱波が導体板48で反射されてアンテナのビ−ム方向
に伝搬するもの56は、アンテナ本来のビ−ム57に多
大な影響を与える。この影響により、アンテナ本来の放
射特性は形状が歪み、所望の特性を得られなくなること
もある。アンテナを導体板48に完全に埋め込むことに
より、このような悪影響は防止されるが、導体板48は
自動車等の屋根板であるからこのような構成をとるのは
困難である。
【0099】そこで、図22及び図23に示されるテー
パ部47を設けれることにより、散乱波による悪影響を
防止できる。筐体46の端部54に設けられた導体のテ
−パ部47は、筐体端部54の角度を大きな鈍角にして
いる。つまり、筐体46の端部56は滑らかに導体板4
8に接する。このことにより、筐体端部54における散
乱波のレベルは小さくなるので、アンテナのビ−ム57
に影響を与える散乱波55も小さくなる。また、テ−パ
状の導体47により、散乱波56は導体板48上の反射
点を失って消滅する。このように、散乱波55及び56
は減少するので、アンテナの放射特性の劣化は軽減され
る。
【0100】以上のように、この実施例14によれば、
導体のテーパ部47を備え、筐体46が滑らかに導体板
48に接するので、筐体46の端部における散乱波を軽
減することができる。このことにより、アンテナ本来の
放射特性の劣化が軽減される。
【0101】テ−パ部47のテ−パは緩やかなほど、こ
の効果は大きい。なお、筐体端部54に、波長よりかな
り小さい丸みや、テ−パをつけても散乱波はあまり軽減
されない。
【0102】実施例15.テーパ部により筐体の端部を
滑らかにすることに代えて、電波吸収体により散乱波を
低減するようにしてもよい。図26は、この実施例15
のアンテナ装置の斜視図である。図25はその断面図で
ある。図24及び図25において、58は筐体の端54
に設けられた電波吸収体である。ショートパッチアンテ
ナ44〜通信ユニット52は、実施例14に示されたも
のと同じものである。
【0103】この実施例15のアンテナ装置において
は、ショ−トパッチアンテナ44から放射された電波の
うち水平方向に伝搬したものは、ほとんどが、筐体の端
部54に設置された電波吸収体58により吸収される。
このため、筐体の端部54における散乱波は極めて小さ
くなる。このため、アンテナのビ−ム57への散乱波に
よる悪影響は軽減される。
【0104】本実施例のような構成にすることで、アン
テナ装置周囲の不要な散乱波による悪影響は軽減され
る。
【0105】実施例16.実施例14及び15のアンテ
ナ装置は、散乱波の発生を防止使用とするものであっ
た。この実施例16のアンテナ装置は、発生した散乱波
の位相を変化させて散乱波による放射パターンの影響を
運用上問題のない領域に限定させるものである。
【0106】図28は、この実施例16のアンテナ装置
の斜視図である。図27はその断面図である。図24及
び25において、59は接地導体板45の端部が上に折
り曲げられた折り曲げ部である。折り曲げ部59は、シ
ョートパッチアンテナ44が放射した電波のうちで水平
方向に伝搬するものにとって伝送路の一部となり、この
水平方向の電波の伝搬経路を長くする働きをする。ショ
ートパッチアンテナ44〜通信ユニット52は、実施例
14に示されたものと同じものである。
【0107】この実施例16のアンテナ装置の基本的な
動作は、折り曲げ部59の部分がある点を除き、実施例
14のアンテナ装置と同じである。次に、この実施例1
6のアンテナ装置の折り曲げ部59の動作について述べ
る。ショ−トパッチアンテナ44から放射された電波の
うち水平方向に伝搬するものは、筐体の端部54で散乱
される。水平方向に伝搬する電波は、折り曲げ部59の
ためにその伝搬経路が長くなる。したがって、折り曲げ
部59の長さa4を変えることにより、散乱波が強くな
る方向を調整することができる。
【0108】このことを、図30を用いて説明する。筐
体の端部54において散乱が発生しないときには、放射
パターンは同図の104のようになる。ところが、散乱
が発生するときは、放射パターンは同図の103のよう
になる。つまり、散乱波の影響を受けて主ビームの一部
で利得が低下する(同図の角度θ1)。この角度θ1方
向において、アンテナ装置の特性が劣化することにな
る。一方、折り曲げ部59を備えたアンテナ装置の特性
は、伝搬経路が長くなり、散乱波の位相が変化すること
により、同図の105のようになる。すなわち、利得低
下部の位置がθ1からθ2に変化する(θ1<θ2)。
この変化量(θ2−θ1)は、位相の遅延量が大きいほ
ど、大きくなる。したがって、折り曲げ部59の高さを
高くすればするほど、利得低下部の位置は下がる(天頂
角θは大きくなる)。
【0109】以上のように、折り曲げ部59の長さa4
を適当に選ぶことによって、所望のビ−ム方向への散乱
波を減らすことができる。
【0110】この実施例16のアンテナ装置によれば、
散乱波の位相を遅延させる折り曲げ部を備えたので、ア
ンテナ装置の周囲で発生する不要な散乱波による悪影響
を、所望のビ−ム方向において軽減することができる。
【0111】実施例17.図31は、この実施例17の
アンテナ装置の断面図である。同図において、60はア
ンテナ装置の表面を覆うレド−ム、61はレド−ム60
の裏側の筐体端部54と接する部分にメッキで設けられ
た導体壁、62はレド−ム60と筐体46とを接続・固
定するねじである。ショートパッチアンテナ44〜通信
ユニット52は、実施例14に示されたものと同じもの
である。
【0112】この実施例例17のアンテナ装置の基本的
な動作は、上記実施例16のアンテナ装置と同じであ
る。導体壁61は、実施例16の図28及び図29の折
り曲げ部と同様の機能を有する。
【0113】すなわち、ショ−トパッチアンテナ44か
ら放射された電波のうち水平方向に伝搬するものは、導
体壁61で散乱される。導体壁61の長さa5を変える
と散乱波が強くなる方向を変えることができる。したが
って、導体壁61の長さa5を適当に選ぶことによっ
て、所望のビ−ム方向への散乱波を減らすことができ
る。
【0114】この実施例17のアンテナ装置によれば、
散乱波の位相を遅延させる導体壁を備えたので、アンテ
ナ装置の周囲で発生する不要な散乱波による悪影響を、
所望のビ−ム方向において軽減することができる。
【0115】なお、実施例14〜17は、接地導体板4
5と筐体46とが接続されて、アンテナ自体が回転しな
いようなアンテナ装置(例えばフェ−ズドアレ−アンテ
ナ)にも応用可能である。
【0116】実施例18.この発明の他の実施例に係る
アンテナ装置を、図32及び図33に基づき説明する。
図32は、この実施例18のアンテナ装置の断面図であ
る。また、図33は、図32のH−H線の矢視断面図で
ある。図32及び図33において、63は、筐体46の
内部で接地導体板45の下側に設けられた導体の中空円
板、64は中空円板の中心部に設けられた穴、65は接
地導体板45と筐体46の間の隙間、66は中空円板6
3の穴64の端部である。他の構成要素は、上記実施例
の構成要素と同じものである。
【0117】この実施例18のアンテナ装置の用途は実
施例14のアンテナ装置と同じである。
【0118】次に、この実施例18のアンテナ装置の動
作を述べる。ショ−トパッチアンテナ44から電波が放
射されることによって、接地導体板45の表面には電流
が流れる。しかし、接地導体板45は筐体46と電気的
に接続されていないので、両者の隙間65は電流の不連
続部となる。この電流の不連続になったところからは電
波の放射が発生する。この放射はアンテナのビ−ム57
に悪影響を及ぼす。
【0119】そこで、この実施例16のアンテナ装置に
おいて、この隙間65が電流の不連続部とならないよう
に構成されている。電気的に筐体46の内部において、
接地導体板45の下側に導体の中空円板63が設けられ
ている。この中空円板63の外半径b2と穴半径b1の
差a6はおおよそλ0 /4(λ0 :自由空間波長)の長
さになっている。また、この中空円板63はその外周で
筐体46と接続されている。接地導体板45の裏面と中
空円板63の表面は導波路を構成しており、中空円板6
3の内側の端66はこの導波路の開放端となっている。
隙間65からこの導波路を見ると、長さがλ0 /4の先
端開放スタブとなるため、隙間65におけるインピ−ダ
ンスはほとんど0となる。すなわち、隙間65は電気的
にほとんど短絡されているように見える。このため、隙
間65における電流の不連続は軽減され、隙間65から
の電波の放射も軽減される。これにより、隙間65から
の放射による、アンテナのビ−ム57に対する影響は軽
減される。
【0120】この実施例18のアンテナ装置は隙間を短
絡する短絡手段を備えたので、アンテナ装置周囲の隙間
で不要な散乱波の発生が減り、散乱波による悪影響が軽
減される。したがって、所望のビ−ム方向の放射特性が
改善される。
【0121】なお、筐体端部54と中空円板63の距離
a7が大きい場合には、a6+a7が約λ0 /4になる
ように中空円板63の大きさを調整すれば良い。
【0122】この実施例18の構造は実施例14〜17
にも応用可能である。
【0123】また、以下のように実施してもよい。接地
導体、線路及び上記接地導体と上記線路との間に設けら
れた誘電体からなる給電回路と、上記給電回路を通って
伝送された信号により励振される放射素子と、上記接地
導体に設けられ、上記給電回路と上記放射素子とを電磁
的に結合させる結合孔と、上記放射素子の端部を上記接
地導体に接続する接地手段とを備える。これにより、接
地導体、線路及び上記接地導体と上記線路との間に設け
られた誘電体からなる給電回路を通って伝送された信号
により、放射素子が励振され、上記接地導体に設けられ
た結合孔が上記給電回路と上記放射素子とを電磁的に結
合させ、接地手段が上記放射素子の端部を上記接地導体
に接続する。よって、上記放射素子が小型になり、アン
テナ装置の大きさを小さくできる。
【0124】また、上記放射素子を、上記接地導体に対
し予め定められた間隔を離隔して設け、上記放射素子と
上記接地導体との間に空間部を備える。これにより、上
記接地導体との間に空間部を備える上記放射素子が、低
い損失で励振される。よって、誘電損失が低下し、アン
テナ装置の効率が向上する。
【0125】また、上記誘電体を、発泡誘電体により構
成する。これにより、発泡誘電体を備える給電回路の損
失が少なくなる。よって、誘電損失が低下し、アンテナ
装置の効率が向上する
【0126】また、上記接地導体を、上記誘電体にメッ
キすることにより形成する。つまり、上記誘電体にメッ
キすることにより形成された上記接地導体が上記給電回
路を構成する。これにより、部品点数及び組立工数が減
り、アンテナ装置を安価に製造することができる。
【0127】また、上記放射素子と上記接地導体との間
隔を保持する保持部材を備える。これにより、保持部材
が上記放射素子と上記接地導体との間隔を保持する。よ
って、アンテナ装置の構造が安定し、物理的衝撃が加え
られたときでも性能が安定する。
【0128】また、上記放射素子を、上記結合孔との位
置関係が調整可能であるように構成する。これにより、
上記結合孔との位置関係が調整可能であるように構成さ
れた上記放射素子が、上記給電回路と電磁的に結合され
る。よって、上記放射素子と上記給電回路との結合状態
を容易に調整できてアンテナ装置を所望の性能に設定で
きる。
【0129】また、上記給電回路の線路に設けられ、電
磁的結合が強くなるように上記結合孔近傍に流れる電流
を増やす低インピーダンス部を備える。これにより、上
記給電回路の線路に設けられた低インピーダンス部が、
電磁的結合が強くなるように上記結合孔近傍に流れる電
流を増やす。よって、より広帯域において容易に上記放
射素子と上記給電回路との整合をとることができる。
【0130】また、上記給電回路の線路に設けられ、電
磁的結合が強くなるように上記結合孔近傍に流れる電流
を増やすスタブを備える。これにより、上記給電回路の
線路に設けられたスタブが、電磁的結合が強くなるよう
に上記結合孔近傍に流れる電流を増やす。よって、より
広帯域において容易に上記放射素子と上記給電回路との
整合をとることができる。
【0131】また、上記放射素子と上記接地導体との間
隔を、上記放射素子の接地端と開放端とで異ならせる。
これにより、上記放射素子と上記接地導体との間隔が接
地端と開放端とで異なる上記放射素子が、広帯域で電磁
結合する。よって、より広帯域において容易に上記放射
素子と上記給電回路との整合をとることができる。
【0132】また、上記放射素子を、予め定められた間
隔を離隔して設けられるとともに、互いに重ねられた複
数の放射素子から構成する。これにより、予め定められ
た間隔を離隔して設けられるとともに、互いに重ねられ
た複数の放射素子は、それぞれ共振器として作用する。
よって、より広帯域において容易に上記放射素子と上記
給電回路との整合をとることができる。
【0133】また、上記接地導体を、第1の接地導体と
第2の接地導体とから構成し、上記第1の接地導体に上
記結合孔を設けるとともに、上記線路を、上記第1の接
地導体と上記第2の接地導体との間に配置し、かつ、上
記結合孔の近傍で上記第1の接地導体を上記第2の接地
導体に接続する接続機構を備える。これにより、第1の
接地導体及び第2の接地導体と、上記第1の接地導体と
上記第2の接地導体との間に配置された線路と、それら
の間の誘電体はトリプレート線路として作用するととも
に、上記結合孔の近傍で上記第1の接地導体と上記第2
の接地導体とを接続する接続機構がパラレルプレートモ
ードの不要な結合を防止する。よって、他の線路への結
合を少なくできる。
【0134】また、上記接続機構を、上記第1の接地導
体と上記第2の接地導体との間に設けられ、上記給電回
路を電気的にシールドする導体ブロックとする。これに
より上記第1の接地導体と上記第2の接地導体との間に
設けられた導体ブロックが、上記給電回路を電気的にシ
ールドする。よって、アンテナ装置の損失をさらに低く
できる。
【0135】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、信号を伝送す
る給電回路、複数の結合孔が設けられた接地導体、上記
複数の結合孔を介して電磁的に結合され、上記給電回路
を通って伝送された信号によりそれぞれ励振される複数
の放射素子、及び、上記複数の放射素子の端部を上記接
地導体にそれぞれ接地する複数の接地手段からなるアン
テナ部と、上記アンテナ部の接地導体と上記筐体との間
の段差を軽減するように設けられ、上記アンテナ部を収
納する筐体と、上記筐体の外側の段差を緩和して散乱波
を低減するテーパ状導体とを備えたので、アンテナ装置
周囲で発生する散乱波を軽減することができて、アンテ
ナ装置の放射特性が向上する。
【0136】また、請求項2の発明によれば、信号を伝
送する給電回路、複数の結合孔が設けられた接地導体、
上記複数の結合孔を介して電磁的に結合され、上記給電
回路を通って伝送された信号によりそれぞれ励振される
複数の放射素子、及び、上記複数の放射素子の端部を上
記接地導体にそれぞれ接地する複数の接地手段からなる
アンテナ部と、上記アンテナ部を収納する筐体と、上記
アンテナ部の接地導体と上記筐体との間を短絡して散乱
波を低減する短絡手段とを備えたので、アンテナ装置周
囲で発生する散乱波を軽減することができて、アンテナ
装置の放射特性が向上する。
【0137】また、請求項3の発明によれば、信号を伝
送する給電回路、複数の結合孔が設けられた接地導体、
上記複数の結合孔を介して電磁的に結合され、上記給電
回路を通って伝送された信号によりそれぞれ励振される
複数の放射素子、及び、上記複数の放射素子の端部を上
記接地導体にそれぞれ接地する複数の接地手段からなる
アンテナ部と、上記アンテナ部を収納する筐体と、上記
アンテナ部の接地導体と上記筐体との間に設けられ散乱
波を防止する電波吸収体とを備えたので、アンテナ装置
周囲で発生する散乱波を軽減することができて、アンテ
ナ装置の放射特性が向上する。
【0138】また、請求項4の発明によれば、信号を伝
送する給電回路、複数の結合孔が設けられた接地導体、
上記複数の結合孔を介して電磁的に結合され、上記給電
回路を通って伝送された信号によりそれぞれ励振される
複数の放射素子、及び、上記複数の放射素子の端部を上
記接地導体にそれぞれ接地する複数の接地手段からなる
アンテナ部と、上記アンテナ部を収納する筐体と、上記
アンテナ部の周囲に設けられ、上記複数の放射素子から
伝搬する電波の位相を遅延させて、上記アンテナの周囲
で発生する散乱波により生じる上記アンテナ部の放射パ
ターンの変化の位置を制御する伝搬遅延手段とを備えた
ので、散乱波による影響を所望の方向に限定することが
できて、散乱波が生じたときでもその影響を低減でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1のアンテナ装置の構成図で
ある。
【図2】 本発明の実施例2のアンテナ装置の構成図で
ある。
【図3】 本発明の実施例3のアンテナ装置の射視図で
ある。
【図4】 本発明の実施例3のアンテナ装置の断面図で
ある。
【図5】 本発明の実施例3のアンテナ装置の平面図で
ある。
【図6】 本発明の実施例4のアンテナ装置の部分断面
図である。
【図7】 本発明の実施例4のアンテナ装置の部分断面
図である。
【図8】 本発明の実施例4のアンテナ装置の部分断面
図である。
【図9】 本発明の実施例5のアンテナ装置の射視図で
ある。
【図10】 本発明の実施例5のアンテナ装置の断面図
である。
【図11】 本発明の実施例6のアンテナ装置の構成図
である。
【図12】 本発明の実施例7のアンテナ装置の射視図
である。
【図13】 本発明の実施例7のアンテナ装置の断面図
である。
【図14】 本発明の実施例8のアンテナ装置の射視図
である。
【図15】 本発明の実施例8のアンテナ装置の平面図
である。
【図16】 本発明の実施例9のアンテナ装置の平面図
である。
【図17】 本発明の実施例10のアンテナ装置の平面
図である。
【図18】 本発明の実施例11のアンテナ装置の断面
図である。
【図19】 本発明の実施例12のアンテナ装置の断面
図である。
【図20】 本発明の実施例13のアンテナ装置の射視
図である。
【図21】 本発明の実施例13のアンテナ装置の断面
図である。
【図22】 本発明の実施例14のアンテナ装置の斜視
図である。
【図23】 本発明の実施例14のアンテナ装置の断面
図である。
【図24】 本発明の実施例14のショートパッチアン
テナの平面図である。
【図25】 本発明の実施例14のショートパッチアン
テナの放射特性を示す図である。
【図26】 本発明の実施例15のアンテナ装置の斜視
図である。
【図27】 本発明の実施例15のアンテナ装置の断面
図である。
【図28】 本発明の実施例16のアンテナ装置の斜視
図である。
【図29】 本発明の実施例16のアンテナ装置の断面
図である。
【図30】 本発明の実施例16のアンテナ装置の放射
特性を示す図である。
【図31】 本発明の実施例17のアンテナ装置の断面
図である。
【図32】 本発明の実施例18のアンテナ装置の断面
図である。
【図33】 本発明の実施例18のアンテナ装置の中空
円板の平面図である。
【図34】 従来のアンテナ装置の構成図である。
【符号の説明】
1 第1の誘電体基板、2 第2の誘電体基板、4 マ
イクロストリップライン、9 第3の誘電体基板、10
第1の接地導体板、11 第2の接地導体板、12
トリプレートライン、13 放射素子、14 ショート
部、15 接地導体板接続機構、17 ショートパッチ
アンテナ、18 ショート部、19 第1の接地導体
板、20 第2の接地導体板、21 フィルム基板、2
2 発泡誘電体、23 トリプレートライン、24 結
合孔、25 接地導体板接続機構、26 ねじ、27
リングスペーサ、28 かしめナット、29 リベッ
ト、30導体、31 ねじ穴、32 スペーサ、33
折り曲げ部、34 長穴、36低インピーダンス部、3
7 オープンスタブ、42 上側ショートパッチアンテ
ナ、43 上側ショート部、44 ショートパッチアン
テナ、45 接地導体板、46 筐体、47 テーパ
部、48 導体板、49 ロータリジョイント、50
ベルト、51 モーター、52 通信ユニット、58
電波吸収体、59折り曲げ部、60 レドーム、61
導体壁、62 ねじ、63 中空円板、64 中空円板
の穴、65 隙間、66 端部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中原 新太郎 鎌倉市大船五丁目1番1号 三菱電機株式 会社電子システム研究所内 (72)発明者 松永 誠 鎌倉市大船五丁目1番1号 三菱電機株式 会社電子システム研究所内 (72)発明者 小西 善彦 鎌倉市大船五丁目1番1号 三菱電機株式 会社電子システム研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号を伝送する給電回路、複数の結合孔
    が設けられた接地導体、上記複数の結合孔を介して電磁
    的に結合され、上記給電回路を通って伝送された信号に
    よりそれぞれ励振される複数の放射素子、及び、上記複
    数の放射素子の端部を上記接地導体にそれぞれ接地する
    複数の接地手段からなるアンテナ部と、上記アンテナ部
    の接地導体と上記筐体との間の段差を軽減するように設
    けられ、上記アンテナ部を収納する筐体と、上記筐体の
    外側の段差を緩和して散乱波を低減するテーパ状導体と
    を備えたアンテナ装置。
  2. 【請求項2】 信号を伝送する給電回路、複数の結合孔
    が設けられた接地導体、上記複数の結合孔を介して電磁
    的に結合され、上記給電回路を通って伝送された信号に
    よりそれぞれ励振される複数の放射素子、及び、上記複
    数の放射素子の端部を上記接地導体にそれぞれ接地する
    複数の接地手段からなるアンテナ部と、上記アンテナ部
    を収納する筐体と、上記アンテナ部の接地導体と上記筐
    体との間を短絡して散乱波を低減する短絡手段とを備え
    たアンテナ装置。
  3. 【請求項3】 信号を伝送する給電回路、複数の結合孔
    が設けられた接地導体、上記複数の結合孔を介して電磁
    的に結合され、上記給電回路を通って伝送された信号に
    よりそれぞれ励振される複数の放射素子、及び、上記複
    数の放射素子の端部を上記接地導体にそれぞれ接地する
    複数の接地手段からなるアンテナ部と、上記アンテナ部
    を収納する筐体と、上記アンテナ部の接地導体と上記筐
    体との間に設けられ散乱波を防止する電波吸収体とを備
    えたアンテナ装置。
  4. 【請求項4】 信号を伝送する給電回路、複数の結合孔
    が設けられた接地導体、上記複数の結合孔を介して電磁
    的に結合され、上記給電回路を通って伝送された信号に
    よりそれぞれ励振される複数の放射素子、及び、上記複
    数の放射素子の端部を上記接地導体にそれぞれ接地する
    複数の接地手段からなるアンテナ部と、上記アンテナ部
    を収納する筐体と、上記アンテナ部の周囲に設けられ、
    上記複数の放射素子から伝搬する電波の位相を遅延させ
    て、上記アンテナの周囲で発生する散乱波により生じる
    上記アンテナ部の放射パターンの変化の位置を制御する
    伝搬遅延手段とを備えたアンテナ装置。
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