JP2001060793A - 電磁波防護性繊維構造物 - Google Patents

電磁波防護性繊維構造物

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JP2001060793A
JP2001060793A JP11232606A JP23260699A JP2001060793A JP 2001060793 A JP2001060793 A JP 2001060793A JP 11232606 A JP11232606 A JP 11232606A JP 23260699 A JP23260699 A JP 23260699A JP 2001060793 A JP2001060793 A JP 2001060793A
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fiber
electromagnetic wave
fiber structure
stainless steel
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Hiroshi Seo
寛 瀬尾
Atsuro Matsumoto
敦郎 松本
Makoto Kawamura
誠 川村
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Fuji Spinning Co Ltd
Original Assignee
Fuji Spinning Co Ltd
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性及び縫製性に優れ、耐久性も高く、且
つ電界波,磁界波のいずれに対しても防護効果の優れた
繊維構造物を提供する。これにより、我々が生活環境の
中で受ける電磁波から身体を守るための衣料品,インテ
リア用品などを中心とした繊維製品の設計を容易にする
ものである。 【解決手段】 ステンレス繊維含有繊維構造体からなる
電磁波防護性繊維構造物であり、さらに該繊維構造体に
フィルムをコーティング又はラミネートして得られる電
磁波防護性繊維構造物で、該繊維構造体に樹脂を含浸又
はスプレーして得られる電磁波防護性繊維構造物であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波電子回路や
モニター,パソコン,ワープロ,テレビ,携帯電話など
から発生する人体に影響を与える周波数の電界波や磁界
波を減衰又は遮蔽することにより、人体への影響を減少
させるための電磁波防護性繊維構造物に関する。より具
体的には、電磁波防護用エプロン,ジャンパー,ユニフ
ォーム,オーバーオールなどのプロテクター類,婦人用
特に妊産婦用衣料品,乳幼児用衣料品,カーテン,カー
ペット,壁材などのインテリア用品などの用途に好適な
電磁波防護性繊維構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータ,携帯電話,電子ゲ
ーム機,電子レンジ,電磁波調理器などの電磁波を発生
する機器が生活環境の中に氾濫しており、これらの機器
から発生する電磁波が人体に及ぼす影響に関しては社会
問題にもなっている。特に、OA機器やME機器を多用
するインテリジェントビルや病院施設などにおいては、
それらの機器から生じる電磁波が他の機器に障害を及ぼ
したり、また、心臓ペースメーカー等の精密装置を装着
した患者に悪影響を与えることから、電磁波遮蔽性の優
れたカーテン,カーペット,壁材や衣料品が強く望まれ
ている。
【0003】これらの電子機器から発生する電磁波の周
波数は、パソコン・ワープロでは1MHz〜1,000
MHz、テレビ受像器では10MHz〜1,000MH
z、電子レンジでは2.5GHz、携帯電話では300
MHz〜300GHzとなっており、このうち人体に吸
収されやすい周波数帯は一般的には、30MHz〜30
0MHzといわれている。
【0004】これらに対応するために従来から様々な電
磁波シールド材が提案され、使用されているが、その多
くは送電線関連のシールド材であり、低周波領域すなわ
ち30KHz以下の周波数帯域でのシールド効果を有す
るものである。その具体的な例としては例えば、透磁率
の高い材料と電気伝導度の高い材料との組み合わせによ
る材料、鉄や銅などの繊維フィラーを混入したガラス及
びプラスチック材料,導電性物質を混入した塗料などが
挙げられる。
【0005】一方、人体に影響を及ぼす周波数帯を中心
とする高周波領域について、電磁波をシールドするため
の繊維材料としては、銀,ニッケル,銅などのメッキし
た加工糸を織り込んだり、織物などの生地に無電解メッ
キ,真空蒸着,コーティングなどの方法によりシールド
効果を付与させた加工布があるが、これらは繊維の表層
のみを金属あるいは金属を含む樹脂で被覆して得られる
ため、繊維材料が本来有する柔軟性を損なう欠点があ
り、洗濯回数が多くなるとメッキ部分が剥がれ、金属の
脱落が生じるため洗濯耐久性に劣るなどの欠点があっ
た。
【0006】日本化学繊維協会では電磁波シールド素材
評価方法打合会において、衣服及び一般消費材を対象と
する電磁波シールド効果の統一試験方法の取り決めを行
った。それによると、試験方法はKEC法とし、消費者
向けの表示としては、「電界波」または「電磁波(電界
波)」とすることとしたが、基準の設定はなされていな
い。また、この方法により、前述のメッキ,コーティン
グ等を施した繊維材料の電磁波シールド効果を評価した
場合、電界波は高度に遮蔽できるが、磁界波に対してほ
とんど効果が認められないのが現状である。
【0007】特開平5−195364号公報には、高周
波電子回路,モニター,コンピューターなどから発生す
る電磁波を減衰,遮蔽する電磁波シールド材として、F
e−Si系合金による金網状のフィラメント織物が0.
1Hz〜1,000Hz間での周波数帯におけるシール
ド効果に優れることが開示されているが、これは低周波
領域でのシールド効果を目的としたものであり、本発明
が目的とする高周波領域でのシールド効果に優れ、且つ
磁界波に対する効果に優れたものは得られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術の欠点を解決し、柔軟性及び縫製性に優れ、耐久
性も高く、且つ電界波,磁界波のいずれに対しても防護
効果の優れた繊維構造物を提供するものである。これに
より、我々が生活環境の中で受ける電磁波から身体を守
るための衣料品,インテリア用品などを中心とした繊維
製品の設計を容易にするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、ステンレス繊維が静
電気除去,帯電防止,電磁波シールドなどの電気特性に
優れていることに着目し、本発明に到達した。すなわ
ち、電磁波防護性繊維構造物をステンレス繊維含有の繊
維構造体からなるものとし、更に、該繊維構造体にフィ
ルムをコーティング又はラミネートし、或は、該繊維構
造体に樹脂を含浸又はスプレーして得られる電磁波防護
性繊維構造物とした。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるステンレス繊
維は、Fe−Cr−Niを主成分とする合金であり、繊
維状であればいかなるものでも使用できるが、本発明の
効果を十分に発揮させるために、材質としては、SUS
304系及びSUS316系を用いることが好ましい。
又、該繊維の径は、100μm以下のものを主として使
用するが、他の繊維との混抄,混綿,混紡を考慮すると
1〜50μmであることが好ましい。
【0011】本発明の電磁波防護性繊維構造物を構成す
る繊維構造体は、紙,紙状物,不織布,編織物などのシ
ート状のものであればよく、その製造方法は制限されな
いが、編物の場合には使用時に伸びによる目開きが発生
するためシールド効果を低下させることがあり、この点
を考慮の上使用することが必要である。また該繊維構造
体は、ステンレス繊維のみで構成されたものでもよく、
他の繊維と混抄,混綿,混紡して構成されたものでも良
く、交編,交織されたものでも良いが、他の繊維を混用
する場合には配合されたステンレス繊維がシート状繊維
構造体中に一様に分布していればよい。本発明の電磁波
防護効果を有効に発現させるためには、ステンレス繊維
の配合割合は20重量%を越えることが好ましく、20
重量%以下では一部の周波数域においてシールド効果が
得られたとしても電磁波防護効果とは言えない。
【0012】本発明で用いるステンレス繊維以外の繊維
としては、綿,麻,羊毛,絹等の天然繊維、レーヨン,
ポリノジック,リオセル,キトサンなどの再生繊維、ア
セテート,プロミックスなどの半合成繊維、ポリアミ
ド,ポリビニルアルコール,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化
ビニリデン,ポリエステル,アクリル,ポリオレフィ
ン,ポリウレタン,フッ素などの合成繊維、ガラス繊
維,炭素繊維,セラミック繊維などの無機繊維が挙げら
れ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いても
よい。
【0013】本発明で得られる電磁波防護性繊維構造物
の電磁波防護効果は、該繊維構造物を構成する繊維構造
体中に含有されるステンレス繊維の含有率により大きく
影響される。すなわち、電磁波のうち電界波のシールド
効果については、ステンレス繊維の含有率が低い場合で
も比較的容易に得られるが、磁界波に対して高いシール
ド効果を得るためにはステンレス繊維の含有率を高くす
ることが必要である。従って、ステンレス繊維の含有率
については、本発明の繊維構造物を使用する用途に応じ
て要求される、電界波,磁界波のシールド効果によって
適宜選定すればよい。なお、本発明における電磁波防護
効果とは、電磁波(電界波及び磁界波)のシールド効果
と減衰効果を含めた効果であり、後述するKEC法にて
測定したシールド効果が20dB以上のものである。
【0014】本発明は、ステンレス繊維を含有する繊維
構造体をそのまま電磁波防護性繊維構造物としている他
に、該繊維構造体にフィルムをコーティング又はラミネ
ートした複合体としている。このフィルムの成分として
は、各種の熱可塑性樹脂、例えばポリエステル,ポリア
ミド,ポリオレフィン,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニ
リデン,ポリウレタンなどの合成高分子、またはアルギ
ン酸,カラギーナン,キトサン,マンナンなどの多糖
類,シルク,コラーゲンなどの蛋白質などが挙げられる
が、目的とする防護効果を達成し、繊維構造体の柔軟性
を著しく損なうことがなければ、特に制限されない。
【0015】また本発明は、ステンレス繊維を含有する
繊維構造体に樹脂を含浸またはスプレーして得られる複
合体を電磁波防護性繊維構造物としている。この樹脂の
成分としては、上述のフィルムの成分として例記した合
成高分子,多糖類,蛋白質を用いることができ、さらに
はエポキシ樹脂,ポリカーボネート樹脂,アクリル樹
脂,メラミン樹脂,フェノール樹脂,ユリア樹脂,SB
R,NBRなどの合成樹脂を用いてもよい。
【0016】本発明により、柔軟性及び縫製性に優れ、
耐久性も高く、且つ電磁波,磁界波のいずれに対しても
防護効果の優れた繊維構造物が得られ、さらには、金属
であるステンレス繊維が電気伝動性を有することから、
静電気除去、帯電防止の特性を発揮する。これにより、
我々が生活環境の中で受ける電磁波から身体を守るため
の衣料品,インテリア用品などを中心とした繊維製品の
設計を容易にすることができる。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述するが、本
発明はこの範囲に限定されるものではない。
【0018】電磁波シールド効果は全てKEC法により
測定した。すなわちスペクトラムアナライザー及びシグ
ナルジェネレーターとの組み合わせにより、試料に照射
する電磁波の入射エネルギー(E)と試料を透過した
電磁波の透過エネルギー(E 2)とから次式によりシー
ルド効果(SE)を求めた。 シールド効果 SE(dB)=−20 log(E
/E2
【0019】シールド効果は、一般的には30〜60d
B以上が望ましいとされているが、本発明においては電
磁波の遮蔽効果と減衰効果を含めた防護効果として評価
し、シールド効果が20dB以上であるものを電磁波防
護効果ありと判定した。
【0020】〔実施例1〕材質がSUS316Lで、直
径12μm、平均繊維長91.5mmのステンレス繊維
を用いて、通常の方法により綿糸相当番手40番手のス
テンレス紡績糸を作製した。このステンレス紡績糸を経
糸及び緯糸に用いて打ち込み本数が90本/インチ×6
0本/インチである綾織物をレピア織機にて製織し、試
料1とした。試料1の厚みは0.41mm、目付は51
5.5g/m2であった。
【0021】また、上述のステンレス繊維とポリエステ
ル繊維(東レ(株)製、商品名 東レテトロン、3d×
77−101mm)とを混紡率50:50(重量%)で
混紡し、綿糸相当番手40番手のステンレス/ポリエス
テル混紡糸を作製した。このステンレス/ポリエステル
混紡糸を経糸及び緯糸に用いて打ち込み本数が110本
/インチ×80本/インチである綾織物をレピア織機に
て製織し、試料2とした。試料2の厚みは0.30m
m、目付は177.3g/m2であった。試料1及び試
料2の周波数100MHz〜1,000MHzにおける
電磁波シールド効果をKEC法にて測定し、結果を表1
に示した。
【0022】
【表1】
【0023】表1から、ステンレス繊維100%からな
る試料1は、測定した100MHz〜1,000MHz
の全周波数域において、電界については56.9〜6
9.4dB、磁界については22.2〜45.8dBの
シールド効果をそれぞれ示しており、ステンレス繊維1
00%からなる綾織物の繊維構造体は電磁波防護効果の
優れていることが明らかである。
【0024】また、ステンレス繊維を50重量%配合し
たステンレス/ポリエステル混紡糸からなる試料2は、
測定した100MHz〜1,000MHzの全周波数域
における電界波については43.1〜45.8dBのシ
ールド効果を示し、磁界波については500MHz以上
の周波数域で20.6〜34.5dBのシールド効果を
示している。従って、混紡糸として用いた場合において
も、ステンレス繊維を50重量%含有する綾織物の繊維
構造体は周波数500MHz以上で電磁波防護効果に優
れていることが明らかである。
【0025】〔比較例〕実施例1で用いたステンレス繊
維とポリエステル繊維とを混紡率20:80(重量%)
で混紡し、綿糸相当番手40番手のステンレス/ポリエ
ステル混紡糸を作製した。このステンレス/ポリエステ
ル混紡糸を経糸及び緯糸に用いて打ち込み本数が110
本/インチ×80本/インチである綾織物をレピア織機
にて製織し、試料3とした。試料3の厚みは0.29m
m、目付は154.7g/m2であった。試料3の電磁
波シールド効果をKEC法により測定した結果、電界波
については300MHz以下の周波数域において20.
3〜41.7dBのシールド効果を示しているが、それ
以上の周波数域ではシールド効果が認められず、さらに
磁界波については測定した全周波数域においてシールド
効果が認められなかった。従って、ステンレス繊維の混
紡率が20重量%では本発明の電磁波防護効果が認めら
れないことが明らかである。
【0026】〔実施例2〕実施例1と同じステンレス繊
維を用い、アクリル繊維(旭化成工業(株)製、商品名
カシミロン、3d×76−129mm)とを混紡率5
0:50(重量%)で混紡し、綿糸相当番手20番手の
ステンレス/アクリル混紡糸を作製した。このステンレ
ス/アクリル混紡糸を経糸及び緯糸に用いて打ち込み本
数が110本/インチ×80本/インチである綾織布帛
を製織し、試料4とした。試料4の厚みは0.36m
m、目付は220.3g/m2であった。試料4の周波
数10MHz〜1,000MHzにおける電磁波シール
ド効果をKEC法にて測定した結果、電界波については
測定した全周波数域において44.5〜70.5dBの
シールド効果が得られ、磁界波については周波数500
MHz以上において21.5〜32.0dBのシールド
効果が得られた。従って、混紡糸の場合、実施例1のポ
リエステル繊維に代えてアクリル繊維を用いても、ステ
ンレス繊維の混紡割合が50重量%である混紡糸を用い
た綾織物の繊維構造体は周波数500MHz以上におい
て優れた電磁波防護効果の得られることが明らかであ
る。
【0027】〔実施例3〕実施例1と同様にして作製し
た綿糸相当番手40番手のステンレス紡績糸と40番手
の綿紡績糸とを交撚し、ステンレス:綿が50:50
(重量%)である綿糸相当番手20番手のステンレス/
綿交撚糸を作製した。このステンレス/綿交撚糸を経糸
及び緯糸に用いて打ち込み本数が110本/インチ×8
0本/インチである綾織布帛を製織し、試料5とした。
試料5の厚みは0.32mm、目付は198.5g/m
2であった。試料5の周波数10MHz〜1,000M
Hzにおける電磁波シールド効果をKEC法にて測定し
た結果、電界波については測定した全周波数域において
41.3〜62.9dBのシールド効果が得られ、磁界
波については周波数500MHz以上において20.2
〜30.4dBのシールド効果が得られた。従って、ス
テンレス紡績糸と綿紡績糸との交撚糸を用いた綾織物の
繊維構造体であっても、ステンレス繊維の配合割合が5
0重量%以上であれば優れた電磁波防護効果の得られる
ことが明らかである。
【0028】実施例1と同様にして得たステンレス/ポ
リエステル混紡糸(50:50)を用いてスムース組織
の編地を作製し、試料6とした。試料6の厚みは1.0
6mm、目付は322.1g/m2であった。試料6の
周波数100MHz〜1,000MHzにおける電磁波
シールド効果をKEC法にて測定し、結果を表2に示し
た。
【0029】
【表2】
【0030】表2から、ステンレス繊維を50重量%配
合したステンレス/ポリエステル混紡糸からなる試料6
は、測定した100MHz〜1,000MHzの全周波
数域における電界波については37.0〜48.6dB
のシールド効果を示し、磁界波については300MHz
以上の周波数域で20.9〜31.1dBのシールド効
果を示している。従って、ステンレス繊維を50重量%
含有する編地の繊維構造体は周波数300MHz以上で
電磁波防護効果に優れていることが明らかである。
【0031】〔実施例5〕材質がSUS316Lで、直
径12μm、平均繊維長91.5mmのステンレス繊維
とポリエチレン/ポリプロピレン複合繊維(チッソ
(株)製、ES−051、2d×51mm)とを50:
50(重量%)となるように混綿し、カード機にてカー
ドウェッブを作製し、該カードウェッブをレイヤー方式
にて積層した後、表面温度135℃のカレンダーロール
を通過させることにより融着してサーマルボンドタイプ
の不織布を得、試料7とした。試料7の厚みは1.88
mm、目付は376.2g/m2であった。試料7の周
波数100MHz〜1,000MHzにおける電磁波シ
ールド効果をKEC法にて測定した結果、電界波につい
ては測定した全周波数域において20.2〜42.6d
Bのシールド効果が得られ、磁界波については周波数3
00MHz以上において21.0〜37.6dBのシー
ルド効果が得られた。従って、ステンレス繊維とポリエ
チレン/ポリプロピレン複合繊維とを混綿して得たステ
ンレス繊維を50重量%含有するサーマルボンドタイプ
の不織布の繊維構造体は、周波数300MHz以上にお
いて電磁波防護効果の得られることが明らかである。
【0032】〔実施例6〕実施例1の試料2と同様にし
て、ステンレス/ポリエステル混紡糸からなる綾織物を
作製した。 ポリウレタン樹脂の商品名:クリスボン7667(大日
本インキ化学工業(株)製)をジメチルホルムアミド
(DMF)で希釈して20%溶液とし、これを濾過、脱
泡してポリウレタンコーティング溶液を得た。該コーテ
ィング溶液を上述の綾織物上に0.8mmの厚みとなる
ように塗布し、そのまま水中に浸漬してポリウレタンを
凝固させ、110℃にて30分間乾燥して、ポリウレタ
ン樹脂をコーティングした綾織物の試料8を得た。試料
8の厚みは0.68mm、目付は294.5g/m2
あった。
【0033】また、合成ゴムエマルジョン(NBR)の
商品名:ラクスター7125A(大日本インキ化学工業
(株)製)を水で希釈して30%溶液とし、NBR含浸
溶液を得た。該溶液に上述の綾織物を含浸した後、ピッ
クアップ率70%で絞り、120℃にて15分間熱風乾
燥して、NBRを含浸した綾織物の試料9を得た。試料
9の厚みは0.36mm、目付は219g/m2であっ
た。
【0034】また、アクリルエマルジョンの商品名:B
−1H(新中村化学(株)製)を20%溶液とし、アク
リルスプレー溶液を得た。スプレーガンを用いて、該ア
クリルスプレー溶液を上述の綾織物の表面に均一にスプ
レーした後、120℃にて15分間熱風乾燥して、アク
リルをスプレーした綾織物の試料10を得た。試料10
の厚みは0.42mm、目付は201.4g/m2、ア
クリル付着率は13.6%owfであった。試料8〜1
0の周波数100MHz〜1,000MHzにおける電
磁波シールド効果をKEC法にて測定し、結果を表3に
示した。
【0035】
【表3】
【0036】表3から、試料8については、電界波に対
し測定した全周波数域において、41.9〜56.2d
B、磁界波に対し周波数300MHz以上で20.2〜
35.8dBのシールド効果を示しており、試料9につ
いては、電界波に対し測定した全周波数域において4
5.6〜58.3dB、磁界波に対し周波数500MH
z以上で23.1〜33.2dBのシールド効果を示し
ており、試料10については、電界波に対し測定した全
周波数域において47.4〜52.9dB、磁界波に対
し周波数500MHz以上で22.2〜33.7dBの
シールド効果を示している。従って、樹脂のコーティン
グ,含浸,スプレーによってステンレス繊維を含有する
繊維構造体の表面を処理しても、電磁波防護効果に優れ
ていることが明らかである。
【0037】
【発明の効果】本発明により得られる電磁波防護性繊維
構造物は、電気伝動性を有するステンレス繊維が含有さ
れているのでその金属特性により静電気除去,帯電防
止,電磁波シールドなどの良好な電気特性を有する。す
なわち本発明の繊維構造物は、従来の繊維構造体による
電磁波シールド材では得られなかった磁界波に対するシ
ールド効果をも発現し、電界波及び磁界波のいずれに対
しても20dB以上のシールド効果を示す電磁波防護性
繊維構造物である。また、ステンレス繊維をカット繊維
のまま、または紡績糸として本発明の繊維構造体を構成
するため柔軟性に優れており、縫製性,耐久性も優れる
ことから、幅広い分野の繊維製品に利用することが可能
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L033 AA09 AB01 AB09 AC06 AC15 CA18 CA50 CA68 4L047 AA02 AB02 BA09 BB02 BD01 CA02 CB10 CC16 4L048 AA04 AA08 AA20 AA52 AB01 AB05 AB16 AC13 BA01 BA02 CA00 CA05 CA15 DA01 DA16 DA19 DA24 DA30 EA00 EB00 5E321 BB34 BB41 BB44 GG01 GG05 GG07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス繊維含有の繊維構造体からな
    ることを特徴とする電磁波防護性繊維構造物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の繊維構造体にフィルム
    をコーティング又はラミネートしてなることを特徴とす
    る電磁波防護性繊維構造物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の繊維構造体に樹脂を含浸
    又はスプレーしてなることを特徴とする電磁波防護性繊
    維構造物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003020538A (ja) * 2001-07-06 2003-01-24 Shigeto Kuroda 導電性編物又は織物及びこれを用いたセンサ
CN102560825A (zh) * 2011-12-20 2012-07-11 中国人民解放军总后勤部建筑工程研究所 电磁屏蔽篷布
CN106567178A (zh) * 2016-11-17 2017-04-19 北京邦维高科特种纺织品有限责任公司 一种多功能电磁屏蔽布及其制造方法
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CN114657667A (zh) * 2022-04-27 2022-06-24 潍坊四棉纺织有限公司 一种特种用途不锈钢纤维混纺纱线及其生产方法

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