JP2001059829A - 光熱レンズ型試料分析装置 - Google Patents

光熱レンズ型試料分析装置

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JP2001059829A JP11238664A JP23866499A JP2001059829A JP 2001059829 A JP2001059829 A JP 2001059829A JP 11238664 A JP11238664 A JP 11238664A JP 23866499 A JP23866499 A JP 23866499A JP 2001059829 A JP2001059829 A JP 2001059829A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定検出感度が大きく、局所加熱光源の加熱
光とレーザ探査光の位置合わせが不要で、装置の移動に
よっても、加熱光と探査光の一致条件に狂いが生じず、
しかも装置自体を小型化することができる構造の光熱レ
ンズ型試料分析装置を提供すること。 【解決手段】 局所加熱用レーザ光源22および探査用
光源24から試料21に至るそれぞれの光路23、24
を全て、光路途上で1本に統合された光ファイバによっ
て形成し、試料から上記光検出器に至る光路27も光フ
ァイバによって形成し、かつ、試料に対向する両光ファ
イバの試料部位の先端部30をレンズ加工すると共に、
試料部位におけるレンズ加工された該両光ファイバの先
端部30が、互いに光軸を一致させ、かつ互いに所望の
距離を隔てて突き合わすという構造を採用した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液体または気体
の試料を加熱する局所加熱用レーザ光源と、レーザ探査
光を上記試料に発射するレーザ探査光源と、前記レーザ
探査光の強さを検出する光検出器を備え、この光検出器
の検出結果に基づき試料評価を行う、光熱レンズ型試料
分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の光熱レンズ型試料分析装置は、
例えば気体、もしくは液体における極微量不純物濃度の
検出、もしくは未知ガス試料の種類同定、もしくはそれ
ら試料の材料定数の同定などを非破壊で、かつ高分解能
で行うことができる。
【0003】ところで、従来のこの種の光熱レンズ型試
料分析装置は、空間ビーム型光熱レンズ型試料分析装置
と呼ばれ、例えば、図4に示すように、液体または気体
の試料1の分析点2を輻射加熱するための加熱光ビーム
3を発射するランプ光源もしくはレーザ光源4と、レー
ザ探査光ビーム5を発射するレーザ光源6と、同レーザ
探査光の一部を通過させるためのピンホール7と、同通
過探査光量を測定する半導体光検出器8と、加熱光ビー
ム3とレーザ探査光ビーム5を分離し、レーザ探査光ビ
ーム5の光のみを選択的に通過させる波長フィルタ9、
を主要部品として構成される、光熱レンズ型試料分析装
置が知られている。
【0004】同図において残る補助的部品として、上記
加熱光ビーム3とレーザ探査光ビーム5を重ね合わせる
ための偏向ビームスプリッタ10、レンズ11、12等
を備えている。
【0005】上記の光熱レンズ型試料分析装置による試
料分析は、局所加熱光源4で液体または気体の試料1の
分析点2を間欠的に照射して加熱し、この加熱した分析
点2に、レーザ光源6からレーザ探査光5を照射し、そ
の探査光のうち、ピンホール7を通過した光量を、半導
体検出器8により測定することによって行われる。その
測定原理は、液体または気体の試料1の分析点2付近に
極微量不純物が存在する場合、加熱光ビーム3による照
射により、分析点2における不純物濃度に応じてその部
位の温度が上昇し、それに伴って分析点2における屈折
率が変化(通常は低下)する。通常このように昇温によ
って形成された屈折率変化部分は、レンズ作用を果たす
ので熱レンズと呼ばれる。そして、その不純物濃度に対
応した昇温の度合い、即ち、屈折率変化の度合い、即
ち、熱レンズにおける焦点距離の変化の度合に対応して
レーザ探査光5の広がりの度合いが変化するため、それ
に伴いピンホール7を通過する5の光量が同濃度によっ
て変化することになり、その光量を半導体検出器8で測
定することにより、同濃度同定が可能になる。
【0006】上記の測定原理は、いわゆる光熱効果と呼
ばれるものの一種であり、多種ある光熱効果のうち、こ
の光熱レンズを原理とする試料分析装置は、他の光熱効
果型非破壊試料分析装置よりも検出感度が高いという特
徴を有している。
【0007】ここで、ピンホール7の役割は、次の通り
である。即ち、ピンホール7を使用しないで、全検出光
量を半導体光検出器8で検知すると、同光量の総量(分
母)が大きいため、濃度の変化に対する相対的な検出光
量の変化(分子)の割合が極めて小さくなってしまう
が、ピンホール7を使用すると、レーザ探査光5のう
ち、光量変化の最も大きいその中心部付近における光量
のみを検知するため、濃度の変化に対する検出光量の変
化の割合が相対的に大きくなり、測定感度を大きくする
ことができるという点にある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来型
の装置の場合、ピンホール7により、検出光量の極く一
部を利用しているにすぎないこと、即ち、極微小光量を
検知していることになり、従って、さらに高検出感度を
実現しようとする場合、半導体光検出器8の最低検出感
度が装置の検出感度の上限を規定するという欠点があっ
た。さらに、従来型の装置の場合、両レーザ光の位置合
わせを行うためには、各光源、レンズ等、加熱光路、探
査光路に介在する全ての部品を、堅固な定盤上に極めて
精密に組み立てなければならないと共に、装置自体も大
型化し、また可搬性を有しない、という問題がある。
【0009】しかしながら、装置を組み立てても、温度
の周囲環境条件の時間的変化により、両レーザ光の位置
合わせが狂いやすく、両レーザ光の位置合わせの修正や
調整に著しく手間がかかるという問題がある。このた
め、従来のかかる試料分析装置は、基本的に移動が不可
能であった。
【0010】そこで、この発明は、測定検出感度が大き
く、局所加熱光源の加熱光とレーザ探査光の位置合わせ
が不要で、装置の移動によっても、加熱光と探査光の一
致条件に狂いが生じず、しかも装置自体を小型化するこ
とができる構造の、光熱レンズ型試料分析装置を提供し
ようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するために、液体または気体の試料を加熱する局
所加熱用レーザ光源と、レーザ探査光を上記試料に発射
するレーザ光源と、受光した前記レーザ探査光の強さを
検出する光検知器を備え、前記局所加熱手段によって加
熱された試料の分析点へレーザ探査光を入射し、その加
熱部位の加熱による試料局所点の屈折率変化に伴って変
化する、前記探査光の光量変化を光検出器で測定するこ
とにより、試料評価を行う光熱レンズ型試料分析装置に
おいて、上記局所加熱用レーザ光源および探査用光源か
ら試料に至るそれぞれの光路を全て、光路途上で1本に
統合された光ファイバによって形成し、試料から上記光
検出器に至る光路も光ファイバによって形成し、かつ、
試料に対向する両光ファイバの試料部位の先端部をレン
ズ加工すると共に、試料部位におけるレンズ加工された
該両光ファイバの先端部が、互いに光軸を一致させ、か
つ互いに所望の距離を隔てて突き合わすという構造を採
用したのである。
【0012】
【作用】上記構成によれば、探査光線光量の殆ど全てを
半導体光検出器によって検出し、かつ、試料の濃度変化
に対する探査光線光量変化を極めて敏感に検知し得る構
造となるため、測定感度が従来より飛躍的に高い。
【0013】さらに、局所加熱光源の加熱光と、レーザ
探査光が試料部位において1本のファイバから発射され
るので、両光線は試料部位において自動的に空間的に一
致し、一致誤差が生じない。
【0014】このため、従来のように、各種光部品を空
間的に精密に配置して、両光線を空間的に一致させると
いう困難な作業が不要となる。
【0015】また、両光線の一致条件も変動しないの
で、従来のように、位置合わせのための修正、調整とい
った面倒な作業も不要となる。
【0016】さらに全光ビーム経路を光ファイバによっ
て構成することにより、各種光部品も光ファイバ対応型
の小型部品で構成することが可能となり、装置の小型化
と共に、装置の可搬性も容易に得られる。
【0017】
【実施の形態】以下、図1〜図3に基づいて、この発明
に係る光熱レンズ型試料分析装置の実施形態を説明す
る。
【0018】この発明に係る光熱レンズ型試料分析装置
は、図1に示すように、局所加熱光源22から上記試料
21に至る加熱光路23と、レーザ探査光源24から試
料21に至る探査光路25と、上記試料21から光検出
器26に至る光路27の全てを光ファイバによって形成
している。そして、これら加熱光路23と探査光路25
の両光ファイバは、その光路途上でファイバカプラ28
を介して1本の光ファイバに統合して形成している。ま
た、29は、波長フィルタであり、上記探査光と加熱光
を分離し、探査光のみを選択的に光検出器26に通過さ
せる役割を果たしている。
【0019】上記試料までの光ファイバの試料部位にお
ける先端部は、図2の一部拡大図に符号30で示す如
く、レンズ加工が施された、いわゆる先球加工ファイバ
構造であり、別途レンズを用いることなく、光を極めて
狭小なスポットに絞る役割を果たしている。同様に、試
料から光検出器に至る光ファイバも、その試料部位にお
ける先端部は先球加工ファイバ構造であり、別途レンズ
を用いることなく、光を極めて効率的に光ファイバ内に
吸収する役割を果たしている。
【0020】さらに、両先球加工ファイバは、試料部位
において、互いの光軸が一致し、かつ所望のスペースを
隔てて互いに突き合わせる構造を、割スリーブ31を用
いて実現している。ここで気体、液体などの被測定試料
21は、普通この割スリーブ31の割部から割スリーブ
31の内部に浸透する。もし、その浸透が不十分な場合
は、該割スリーブ31にさらに適度に穴をあけておけば
その目的を容易に達することが出来る。ここで被測定試
料21は、適当な試料容器32に充填すればよく、少な
くとも試料容器32内の割スリーブ31内に充填されて
おれば、所望の測定が可能であることは勿論である。
【0021】上記試料21は、次のようにして分析が行
われる。今、試料を溶液とし、その液体には母体となる
溶媒と、検出すべき微量溶質が含まれているものとす
る。この場合、局所加熱光源22の光波長は、同溶媒に
対しては透明で、同溶質に対しては不透明な値のものを
使用する。
【0022】局所加熱光源22から発せられた加熱光線
(波長aμm)、および探査光線(波長bμm)はファ
イバカプラ28で合波され、符号30の先球加工ファイ
バ部により、同先球加工ファイバ部から焦点距離離れた
所で最小スポット径に絞られて、試料21部の同一点に
一致して照射される。そして、両光線はそのスポット部
から再び広がり、受光側の先球加工ファイバ部からファ
イバ27内に伝達される。なお、加熱側と受光側の先球
加工ファイバ間距離は、試料部を通過した探査光線が、
受光側の先球加工ファイバ部に全て吸収される距離にあ
らかじめ設定しておく。即ち、同距離は受光側先球加工
ファイバ部における探査光線ビーム広がり形状が、受光
側先球加工ファイバ部の開口数(NA)に等しくなるよ
うに、あらかじめ設定しておく。
【0023】しかる後、加熱光線を間欠的に照射する
と、試料溶液21における微量溶質により加熱光線が吸
収され、加熱光線が照射された付近は、同微量溶質の含
有量に従って昇温し、その結果、その付近の屈折率が間
欠的に変化する(通常、昇温の場合、屈折率は低下す
る)。即ち、その部分に間欠的に等価的な凹レンズ(一
般にそれを熱レンズと言う)が形成されることになる。
従って、探査光線ビーム広がり形状が、その凹レンズに
よって間欠的に変化するため、その一部が受光側先球加
工ファイバ部をはみ出すことになり、従って、受光側先
球加工ファイバ部への入射光量も、間欠的に変化するこ
とになる。ここで、形成される等価的凹レンズの焦点距
離は、上記微量物の量に関係していることは容易に理解
できる。従って、光検出器26においてその光量の間欠
的変化量を測定すれば、上記含有微量物(溶質)の量を
検知出来ることになる。
【0024】ここで明らかなように、この発明の構成に
おいては、試料部を除く全ての光路は光ファイバによっ
て形成されているため、従来のような加熱光線と探査光
線の両光の一致作業は必要ではない。
【0025】次に、上記のように構成される光学系統の
ブロック図に示された装置全体のシステム構成を図3に
基づいて説明する。図3におけるA、Bは、図1に示す
光学系統ブロック図のA、Bにそれぞれ対応している。
【0026】このシステムは、ロックインアンプ33、
ファンクションジェネレータ34、パーソナルコンピュ
ータ35、加熱レーザ光源用ドライバ36、同光源から
出射される光ビームを変調するための変調装置37によ
って構成され、ファンクションジェネレータ34からの
変調信号と加熱レーザ光源用ドライバ36からの直流信
号が変調装置37で足しあわされ、図1中の局所加熱光
源22に変調信号として送られる。ここで、加熱光源変
調周波数は、ファンクションジェネレータ34の変調周
波数に依存する。
【0027】図1中の検出器26から得られた検出信号
は、ロックインアンプ33によってファンクションジェ
ネレータ34からの参照信号と同期をとることにより、
熱波情報をもつ信号が検出される。このロックインアン
プ33で得られた振幅信号と位相信号が最終的にパーソ
ナルコンピュータ35に取り込まれる。ロックインアン
プ33、ファンクションジェネレータ34、パーソナル
コンピュータ35はそれぞれGPIBによって接続され
ており、すべてファンクションジェネレータ34から制
御を行うことができる。
【0028】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、検出
信号の源として、探査光量の総量のエネルギーを利用し
ており、かつ、微量物検出の際における探査光量の変化
量は先球加工ファイバを利用することにより従来方式よ
りも遙かに大きく、従って、検出感度が従来の空間ビー
ム型光熱レンズ型熱波検出装置と比較して飛躍的に大き
いという利点を有する。
【0029】さらに、この発明によれば、加熱光と探査
光の一致が不要で、装置の移動によっても、加熱光と探
査光の一致条件に狂いが生じず、しかも装置自体も小型
化することのできる構造の光熱レンズ型試料分析装置を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る光熱レンズ型試料分析装置の実
施形態の全体構成図
【図2】先球加工ファイバ部の拡大図
【図3】同上の実施形態の光学系統ブロック図
【図4】従来の光熱レンズ型試料分析装置の全体構成図
【符号の説明】
21 試料 22 局所加熱光源 23 加熱光路 24 レーザ探査光源 25 探査光路 26 光検出器 27 光路 28 ファイバカプラ 29 波長フィルタ 30 先球加工ファイバ 31 割スリーブ 32 試料容器 33 ロックインアンプ 34 ファンクションジェネレータ 35 パーソナルコンピュータ 36 加熱レーザ光源用ドライバ 37 同光源から出射される光ビームを変調するための
変調装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G040 AA03 AB07 BA23 BA24 CA02 CA12 CA23 EA06 EB02 EC04 ZA05 2G059 AA01 BB01 BB04 EE01 EE04 FF04 GG01 GG06 JJ03 JJ11 JJ17 JJ30 KK01 LL01 MM12

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体または気体の試料を加熱する局所加
    熱用レーザ光源と、レーザ探査光を上記試料に発射する
    レーザ光源と、受光した前記レーザ探査光の強さを検出
    する光検知器を備え、前記局所加熱手段によって加熱さ
    れた試料の分析点へレーザ探査光を入射し、その加熱部
    位の加熱による試料局所点の屈折率変化に伴って変化す
    る、前記探査光の光量変化を光検出器で測定することに
    より、試料評価を行う光熱レンズ型試料分析装置におい
    て、 上記局所加熱用レーザ光源および探査用光源から試料に
    至るそれぞれの光路を全て、光路途上で1本に統合され
    た光ファイバによって形成し、試料から上記光検出器に
    至る光路も光ファイバによって形成し、かつ、試料に対
    向する両光ファイバの試料部位の先端部をレンズ加工す
    ると共に、試料部位におけるレンズ加工された該両光フ
    ァイバの先端部が、互いに光軸を一致させ、かつ互いに
    所望の距離を隔てて突き合わされて構成されていること
    を特徴とする光熱レンズ型試料分析装置。
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