JP2003344323A - 光熱変換分光分析方法およびその方法を実行する光熱変換分光分析装置 - Google Patents

光熱変換分光分析方法およびその方法を実行する光熱変換分光分析装置

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JP2003344323A
JP2003344323A JP2002157796A JP2002157796A JP2003344323A JP 2003344323 A JP2003344323 A JP 2003344323A JP 2002157796 A JP2002157796 A JP 2002157796A JP 2002157796 A JP2002157796 A JP 2002157796A JP 2003344323 A JP2003344323 A JP 2003344323A
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Japan
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photothermal conversion
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detection light
wavelength
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Atsushi Yamaguchi
山口  淳
Akihiko Hattori
明彦 服部
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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    • G01N21/171Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated with calorimetric detection, e.g. with thermal lens detection

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  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度な測定ができる光熱変換分光分析方法
を提供することにあり、また、その光熱変換分光分析方
法を実施する小型な装置を提供する。 【解決手段】光熱変換分光分析装置は、励起光及び検出
光を誘導する光ファイバー101、流路付き板状部材の
流路204内の試料に励起光及び検出光を集光照射する
ための屈折率分布型ロッドレンズ102、流路204の
下方の検出位置で検出光を検出するための光電変換機4
01とを備え、励起光の波長及び検出光の波長は、励起
光の波長に対する試料のモル吸光係数が検出光の波長に
対する試料のモル吸光係数の5倍以上となるように選択
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集光レンズによっ
て励起光と検出光とを試料に集光照射し、励起光の集光
照射によって生成された熱レンズを透過することによっ
て偏向した検出光の強度変化を測定する光熱変換分光分
析方法および装置に関し、特に微小空間において精度の
高い超微量分析が可能である光熱変換分光分析方法およ
び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体や生体試料、あるいは各種
の液体試料等の分析や測定を行う方法として分光分析方
法が広く利用されてきている。しかし、従来の分光分析
方法では、微小空間での微量な物質あるいは微小な物質
を分析する場合には、測定条件として真空環境が必要で
ある場合が多く、このような環境を実現するために装置
が大型化したり、コストがかかったりし、また、使用す
る電子ビームやイオンビームによって試料が破壊された
り損傷したりする等の問題があった。また、溶液あるい
は生体組織中等の超微量の試料を扱う場合には、高精度
で高い空間分解能での分析が可能な光学領域の顕微鏡の
使用が必須となる。このような光学領域の顕微鏡として
実際に使用されているものはレーザー蛍光顕微鏡に限ら
れているので、分析の対象も自ずとレーザー蛍光顕微鏡
蛍光分子に限られており不便である。
【0003】このため、分析対象が蛍光分子に限定され
ることなく、真空環境が不要であり、非接触、非損傷で
分析が可能であり、高精度で高い空間分解能でもって分
析が可能な分析方法が求められてきた。
【0004】これらの要求を満たす分析方法として、光
熱変換現象による熱レンズ効果を利用した光熱変換分光
分析法が注目されている。
【0005】この光熱変換分光分析法は、集光照射され
た光を試料中の溶質が吸収して熱エネルギーを放出し、
この熱エネルギーによって溶媒の温度が局所的に上昇し
て溶媒の屈折率が変化し、その結果、溶媒中に熱レンズ
が形成されるという光熱変換効果を利用するものであ
る。
【0006】図4は、熱レンズの原理の説明図である。
【0007】図4において、対物レンズを介して励起光
を極微小試料に集光照射すると光熱変換効果が誘起され
る。多くの物質では温度上昇に伴い屈折率が小さくなる
ので、励起光が集光照射された試料は、集光中心付近の
温度上昇によって屈折率が低下するが、熱拡散があるの
で集光中心から離れるにつれて温度の上昇度が少なく屈
折率の低下が少ない。光学的にはこの屈折率分布は正に
凹レンズと同じ効果を発揮するので、この効果を熱レン
ズ効果と呼ぶ。この効果の大きさ、即ち凹レンズの度数
に相当するものは試料の光吸収度に比例する。また、屈
折率が温度に比例して大きくなる場合は、凸レンズと同
じ効果を発揮する。
【0008】このように、上記光熱変換分光分析法は、
熱の拡散、即ち屈折率の変化を測定するものであるから
極微小試料の濃度を検出するのに適している。
【0009】上記光熱変換分光分析法を実行する光熱変
換分光分析装置として提案されているものには、例えば
特開平10−232210号公報に記載されたものがあ
る。
【0010】このような光熱変換分光分析装置において
は、試料は顕微鏡の対物レンズの下方に配置され、励起
光用光源から出力された所定波長の励起光が顕微鏡に入
射して対物レンズによって試料中の極微量領域に集光照
射される。この集光中心をレンズの中心にして熱レンズ
が形成される。
【0011】一方、検出光用光源から出力される検出光
は、励起光とは波長が異なり、顕微鏡を通過して熱レン
ズに集光照射されると、試料を透過して発散するか又は
集光する。この試料から発散して又は集光して出射され
た光は、信号光として集光レンズ及びフィルタ又はフィ
ルタのみを透過した後に検出器によって検出される。検
出された信号光の強度は、試料において形成された熱レ
ンズに応じたものである。
【0012】上記検出光は励起光と同じ波長のものであ
ってもよく、また励起光が検出光を兼ねることもでき
る。しかしながら、一般的には励起光と検出光の波長を
異なるものとした場合の方がより良い感度が得られる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、励起光
および検出光をどのように選択すれば高感度な測定が可
能かについては検討されていなかった。
【0014】また、上記従来の光熱変換分光分析装置
は、光源や、測定部や検出部(光電変換部)の光学系等
が複雑にシステムアップされているので、大型であり可
搬性が悪い。そのため、光熱変換分光分析装置を利用し
た分析を行ったり、化学反応を行う際には、その場所や
操作が限定されるという問題がある。
【0015】また、上述のような光熱変換分光分析装置
は励起光及び検出光を空間光として試料まで導いている
ので、光源、ミラー、レンズ等の光学系の各部品が測定
中に動くことを防止するためにそれらを堅固な定盤の上
に固定する必要がある。さらに、温度等の環境の変化に
よって励起光及び検出光の光軸がずれた場合に、そのず
れを調整するための治具が必要である。これらも、光熱
変換分光分析装置が大型化して、可搬性を悪くしている
原因になっている。
【0016】熱レンズを用いた光熱変換分析法を用いる
多くの場合に、励起光の焦点位置と検出光の焦点位置と
が異なることが必要である。図5は、励起光によって形
成される熱レンズの形成位置と検出光の焦点位置との説
明図であり、(a)は対物レンズが色収差をもつ場合を
示し、(b)は対物レンズが色収差を持たない場合を示
す。
【0017】対物レンズ130が色収差を持つ場合は、
図5(a)に示すように、熱レンズ131は励起光の焦
点位置132に形成されると共に、検出光の焦点位置1
33はΔLだけ励起光の焦点位置132からずれるの
で、この検出光により熱レンズ131の屈折率の変化を
検出光の焦点距離の変化として検出することができる。
一方、対物レンズ130が色収差を持たない場合は、図
5(b)に示すように、検出光の焦点位置133は、励
起光の焦点位置132に形成される熱レンズ131の位
置とほぼ一致する。このため、検出光は、熱レンズ13
1によって偏向することがなく、熱レンズ131の屈折
率の変化は検出できない。
【0018】ところが顕微鏡の対物レンズは、通常、色
収差を持たないように製造されているので、上記の理由
により、検出光の焦点位置133は励起光の焦点位置1
32、即ち、熱レンズ131の中心位置にほぼ一致する
(図5(b))。従って、熱レンズ131の屈折率の変
化は検出できない。このため、測定の度に、熱レンズが
形成される位置を、図6の(a)及び(b)に示すよう
に、検出光の焦点位置133からずらしたり、図7に示
すように、検出光を不図示のレンズを用いて若干に発散
または集光させて対物レンズに入射させることにより、
検出光の焦点位置132を熱レンズ131からずらした
りしなければならず、手間がかかるという問題もある。
【0019】本発明の目的は、高感度な測定ができる光
熱変換分光分析方法を提供することにあり、また、その
光熱変換分光分析方法を実施する小型な装置を提供する
ことにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の光熱変換分光分析方法は、集光レン
ズによって励起光と検出光とを試料に集光照射する集光
照射工程と、前記励起光の集光照射によって生成された
熱レンズを透過することによって偏向した検出光の強度
の変化を測定する測定工程とを有する光熱変換分光分析
方法において、前記励起光と前記検出光とでは波長が異
なり、前記励起光の波長に対する試料のモル吸光係数の
値が検出光の波長に対する試料のモル吸光係数の値より
も大きいことを特徴とする。
【0021】請求項1記載の光熱変換分光分析方法によ
れば、試料のモル吸光係数において、励起光の波長に対
するモル吸光係数の値が検出光の波長に対するモル吸光
係数の値よりも大きいので、試料を溶解させている溶媒
の熱レンズ信号強度に対する試料の熱レンズ信号強度の
比(S/B)及び、ノイズに対する試料の熱レンズ信号
強度の比(S/N)が大きく、感度の高い光熱変換分光
分析が可能となる。
【0022】請求項2記載の光熱変換分光分析方法は、
請求項1記載の光熱変換分光分析方法において、前記励
起光の波長に対する試料のモル吸光係数の値は、検出光
の波長に対する試料のモル吸光係数の値の5倍以上であ
ることを特徴とする。
【0023】請求項2記載の光熱変換分光分析方法によ
れば、励起光の波長に対する試料のモル吸光係数の値が
検出光の波長に対する試料のモル吸光係数の値の5倍以
上であるので、S/B及びS/Nが充分に大きく、高感
度の測定が可能となる。
【0024】請求項3記載の光熱変換分光分析方法は、
請求項1記載の光熱変換分光分析方法において、前記励
起光の波長に対する試料のモル吸光係数の値が検出光の
波長に対する試料のモル吸光係数の値の10倍以上であ
ることを特徴とする。
【0025】請求項3記載の光熱変換分光分析方法によ
れば、励起光の波長に対する試料のモル吸光係数の値が
検出光の波長に対する試料のモル吸光係数の値の10倍
以上であるので、S/B及びS/Nがさらに大きく、一
層に高感度の測定が可能となる。
【0026】上記目的を達成するため、請求項4記載の
光熱変換分光分析装置は、励起光用光源からの励起光を
集光用レンズによって試料に照射して熱レンズを生成
し、検出光用光源からの検出光を前記集光用レンズによ
って前記熱レンズを透過するように集光させて、透過す
ることによって偏向した検出光の強度変化の測定値を処
理する光熱変換分光分析装置において、前記励起光の波
長に対する試料のモル吸光係数の値が検出光の波長に対
する試料のモル吸光係数の値よりも大きいことを特徴と
する。
【0027】請求項4記載の光熱変換分光分析装置によ
れば、試料のモル吸光係数において、励起光の波長に対
するモル吸光係数の値が検出光の波長に対するモル吸光
係数の値よりも大きいので、試料を溶解させている溶媒
の熱レンズ信号強度に対する試料の熱レンズ信号強度の
比(S/B)及び、ノイズに対する試料の熱レンズ信号
強度の比(S/N)が大きく、感度の高い光熱変換分光
分析が可能となる。
【0028】請求項5記載の光熱変換分光分析装置は、
請求項4記載の光熱変換分光分析装置において、前記励
起光の波長に対する試料のモル吸光係数の値が検出光の
波長に対する試料のモル吸光係数の値の5倍以上である
ことを特徴とする。
【0029】請求項5記載の光熱変換分光分析装置によ
れば、励起光の波長に対する試料のモル吸光係数の値が
検出光の波長に対する試料のモル吸光係数の値の5倍以
上であるので、S/B及びS/Nが充分に大きく、高感
度の測定が可能となる。
【0030】請求項6記載の光熱変換分光分析装置は、
請求項4記載の光熱変換分光分析装置において、前記励
起光の波長に対する試料のモル吸光係数の値が検出光の
波長に対するモル吸光係数の値の10倍以上であること
を特徴とする。
【0031】請求項6記載の光熱変換分光分析装置によ
れば、励起光の波長に対する試料のモル吸光係数の値が
検出光の波長に対する試料のモル吸光係数の値の10倍
以上であるので、S/B及びS/Nがさらに大きく、一
層に高感度の測定が可能となる。
【0032】請求項7記載の光熱変換分光分析装置は、
請求項4乃至6いずれか1項に記載の光熱変換分光分析
装置において、前記集光レンズは屈折率分布型レンズで
あることを特徴とする。
【0033】請求項7記載の光熱変換分光分析装置によ
れは、集光レンズが屈折率分布型レンズであるので、集
光レンズは小さいもので足り、装置を小型化できる。
【0034】請求項8記載の光熱変換分光分析装置は、
請求項7記載の光熱変換分光分析装置において、前記屈
折率分布型レンズがロッドレンズであることを特徴とす
る。
【0035】請求項8記載の光熱変換分光分析装置によ
れば、集光レンズが屈折率分布型ロッドレンズであるの
で、集光レンズをより小さくできるので装置もより小型
化できるとともに光軸合わせが容易になる。
【0036】請求項9記載の光熱変換分光分析装置は、
請求項4乃至8のいずれか1項に記載の光熱変換分光分
析装置において、前記励起光用光源から集光レンズまで
前記励起光を導き、前記検出光用光源から集光レンズま
で前記検出光を導く誘導光学系の光路が光ファイバーか
ら成ることを特徴とする。
【0037】請求項9記載の光熱変換分光分析装置によ
れば、誘導光学系の光路が光ファイバーから成るので、
励起光と検出光の光軸同士が常に同軸となる。このた
め、励起光と検出光の光軸同士を調整する必要がなくな
り、ユーザの作業効率を向上できるとともに、光軸を調
整する治具が不用となるので装置を小型化できる。
【0038】請求項10記載の光熱変換分光分析装置
は、請求項9記載の光熱変換分光分析装置において、前
記集光レンズは前記光ファイバーの端部であって、前記
励起光及び前記検出光が進行する方向の先端部に固定さ
れたことを特徴とする。
【0039】請求項10記載の光熱変換分光分析装置に
よれば、集光レンズが光ファイバーの端部であって、励
起光及び検出光の進行方向の先端部に固定されているの
で、励起光、検出光及び集光レンズの光軸が常に同軸と
なる。このため、励起光、検出光及び集光レンズの光軸
を調整する必要が確実になくなり、ユーザの作業効率を
確実に向上できる。
【0040】請求項11記載の光熱変換分光分析装置
は、請求項9または10記載の光熱変換分光分析装置に
おいて、前記光ファイバーは、前記励起光と前記検出光
をシングルモードで伝搬する特性を有することを特徴と
する。
【0041】請求項11記載の光熱変換分光分析装置に
よれば、光ファイバーが励起光と検出光をシングルモー
ドで伝搬するので、励起光によって生成する熱レンズが
収差の小さなレンズになり、もって、一層に高く正確な
感度で測定ができる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
光熱変換分光分析方法及びその方法を実行する光熱変換
分光分析装置を図面を参照しながら詳細に説明する。た
だし、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0043】図1は、本発明の実施の形態に係る光熱変
換分光分析装置の概略構成を示す模式図である。
【0044】図1において、光熱変換分光分析装置は屈
折率分布型のレンズを内蔵する光ファイバー10(以下
レンズ付き光ファイバー10)を備えている。レンズ付
き光ファイバー10は励起光および検出光の入射側(図
面上では上側)に、それらの光をシングルモードで伝搬
する光ファイバー101が挿入されている。この光ファ
イバー101の挿入端は、レンズ付き光ファイバー10
に内蔵された屈折率分布型ロッドレンズ102(集光レ
ンズ)の一端に接続されている。光ファイバー101の
外径を屈折率分布型ロッドレンズ102の外径と略同一
に拡張するために、屈折率分布型ロッドレンズ102の
外径と同一の外径を有するフェルール103が光ファイ
バー101を囲むように設けられている。光ファイバー
101はフェルール103によって固定されており、屈
折率分布型ロッドレンズ102とフェルール103とは
チューブ104内に固定されている。ここで、光ファイ
バー101と屈折率分布型ロンドレンズ102とは密着
させていてもよいし、それらの間に隙間を設けても良
い。このように構成されたレンズ付き光ファイバー10
は、出射光が後述の流路付き板状部材20に入射できる
位置に治具30によって固定されている。
【0045】屈折率分布型ロンドレンズ102は、中心
から周辺に向かって屈折率が連続的に変化するレンズで
あり、例えばガラス又はプラスチック製の円柱状透明体
から成る(例えば、特公昭63−63502号公報)。
このレンズは、中心軸から半径方向に距離rの位置にお
ける屈折率n(r)が、軸上屈折率をn0、2乗分布定
数をgとして、近似的にrに関する2次方程式 n(r)=n0{1−(g2/2)・r2} で表される集束性光伝送体として知られている。
【0046】屈折率分布型ロッドレンズ102の長さz
0を0<z0<π/2gの範囲内で選ぶとき、屈折率分布
型ロッドレンズ102は平坦な両端面であるにも拘らず
通常の凸レンズと同じ結像性を発揮し、平行入射光線は
出射端から s0=cot(gz0)/n0g の位置に焦点をつくる。
【0047】このような屈折率分布型ロッドレンズ10
2は、例えば以下のような方法で製造される。
【0048】即ち、モル百分率でSiO2:57〜63
%、B23:17〜23%、Na2O:5〜17%、T
2O:3〜15%を主成分とするガラスでロッドを形
成した後、このガラスロッドを硝酸カリウム塩等のイオ
ン交換媒体中で処理し、ガラス中のタリウムイオン及び
ナトリウムイオンと媒体中のカリウムイオンとをイオン
交換して、ガラスロッド内に中心から周辺に向けて連続
的に低減する屈折率分布を生じさせる。
【0049】屈折率分布型ロッドレンズ102の底面が
平面であるので、光ファイバー端面に容易に取り付ける
ことができるとともに、屈折率分布型ロッドレンズ10
2の光軸と光ファイバー101の光軸とを容易に一致さ
せることができる。また、屈折率分布型ロッドレンズ1
02は円柱状であるのでレンズ付き光ファイバー10も
容易に円柱状にできる。これによって治具30によるレ
ンズ付き光ファイバー10の保持が極めて容易である。
さらに、この屈折率分布型ロッドレンズ102は、顕微
鏡用対物レンズと比較するとかなり小さいので、装置全
体を小型化できる。
【0050】光ファイバー101をシングルモードとし
たのは、光熱変換分光分析方法を利用して試料中の微量
な溶質を検出する場合には、励起光をできるだけ小さく
絞り、光熱変換に利用されるエネルギーを高くするとと
もに、励起光によって生成される熱レンズの収差を少な
くすることが望ましいからである。
【0051】熱レンズを生成させるために用いる励起光
はガウス分布を有していることが望ましい。シングルモ
ードの光ファイバー101から出射される光は常にガウ
ス分布になるので、励起光の焦点を小さくできる。ま
た、励起光によって生成された熱レンズが小さい場合、
この熱レンズを透過する検出光の光量をできる限り多く
するためには、検出光もできる限り小さく絞ることが望
ましい。この点からも、光ファイバーは励起光および検
出光をシングルモードで伝搬するものであることが望ま
しい。
【0052】なお、光ファイバー101は励起光及び検
出光を透過させるものであればどのようなものでも使用
できるが、マルチモード光ファイバーを使用した場合
は、出射光がガウス分布にならない上に、光ファイバー
101の曲がり具合等の種々の条件によって出射パター
ンが変化するので、必ずしも安定な出射光が得られな
い。このため、上述のように光ファイバー101はシン
グルモードのものが好ましい。
【0053】光ファイバー101の挿入端とは反対側の
端部近傍には、試料を励起するための励起光を出射する
励起光用光源105、試料を検出するための検出光を出
射する検出光用光源106、励起光を変調するための変
調器107、光ファイバー101aに入射した励起光と
光ファイバー101bに入射した検出光とを合波するた
めの2波長合波素子108が配設されている。励起光と
検出光とは、2波長合波素子108を用いずにダイクロ
イックミラー等を用いて同軸にしてから光ファイバー1
01に入射させても良い。
【0054】2波長合波器108にて合波された励起光
および検出光は、光ファイバー101を伝搬してレンズ
付き光ファイバー10に入射し、屈折率分布型ロッドレ
ンズ102から出射し、流路付き板状部材20に入射す
る。流路付き板状部材20は、3層に重ねて接着された
ガラス基板201、202、203から成る。ガラス基
板202には混合、投拌、合成、分離、抽出、検出等に
用いる流路204が形成されている。
【0055】この流路付き板状部材20の材料は耐久
性、耐薬品性の面からガラスが望ましく、さらに、細胞
等の生体試料、例えばDNA解析用としての用途を考慮
すると、耐酸性、耐アルカリ性の高いガラス、具体的に
は、硼瑳酸ガラス、ソーダライムガラス、アルミノ硼珪
酸ガラス、石英ガラス等が望ましい。しかし、用途を限
定することによってプラスチック等の有機物を用いるこ
とができる。
【0056】ガラス基板201、202、203同士を
接着させる接着剤には、例えば、紫外線硬化型、熱硬化
型、2液硬化型のアクリル系、エポキシ系の有機接着
剤、及び無機接着剤等がある。また、熱融着によってガ
ラス基板201〜203同士を融着してもよい。
【0057】板状部材20を間にしてレンズ付き光ファ
イバー10に対向する位置には、流路204に面して検
出光を検出するための光電変換器401、及び励起光と
検出光とを分離して検出光のみを選択的に透過させる波
長フィルタ402が配設されている。検出光の一部のみ
を選択的に透過させるために、ピンホールを有する部材
を検出光の光路上で且つ光電変換器401よりも上流の
位置に配置してもよい。光電変換器401から得られた
信号は、励起光を変調するために用いられた変調器10
7と同期させるためにロックインアンプ403に送ら
れ、その後コンピュータ404で解析される。
【0058】本発明の実施の形態に係る光熱変換分光分
析装置によれば、励起光及び検出光を伝搬する光ファイ
バー101の先端に屈折率分布型ロッドレンズ102が
取り付けられているので、測定毎に励起光と検出光との
光軸及び屈折率分布型ロッドレンズ102の光軸を調整
する必要がない上に、光軸を合わせるための治具及び堅
固な定盤が不用であり、もって、ユーザの作業効率が向
上すると共に光熱変換分光分析装置を小型化できる。
【0059】屈折率分布型ロッドレンズ102の励起光
の焦点位置は、流路付き板状部材20の流路204の中
に位置する必要がある。屈折率分布型ロッドレンズ10
2は流路付き板状部材20に接触している必要はない
が、接触させる場合は流路付き板状部材20の上部ガラ
ス板201の厚みで屈折率分布型ロッドレンズ102の
焦点距離を調整できる。上部ガラス板201の厚みが足
りない場合は、屈折率分布型ロッドレンズ102と上部
ガラス板201との間に焦点距離を調整するためのスペ
ーサーを入れても良い。このように励起光の焦点位置を
流路付き板状部材20の流路204の中に固定しておく
場合は、焦点距離の調整も不用になるので、光熱変換分
光分析装置をさらに小型化できる。
【0060】ロッドレンズ102は、励起光の焦点位置
に対して検出光の焦点位置がわずかにΔLだけずれるよ
うに設定される(図5(a))。
【0061】Icは、共焦点長(nm)として、Ic=
π・(d/2)2/λlで計算される。ここで、dはd=
1.22×λl/NAで計算されるエアリーディスクで
あり、λlは励起光の波長(nm)、NAはロッドレン
ズ102の開口数である。光ファイバーを用いる場合
は、光ファイバーの出射光の開口数が小さいため、大き
な開口数を有するロッドレンズを用いたときは光ファイ
バーの開口数を用いて計算する必要がある。
【0062】上記ΔLの値は測定する試料の厚みによっ
て変化する。共焦点長より薄い試料を測定する場合に
は、ΔLの値はΔL=√3・Icであることが最も好ま
しい。
【0063】このΔLの値は、検出光の焦点位置と励起
光の焦点位置との差を表しているので、検出光の焦点距
離が励起光の焦点距離よりも長い場合であっても、短い
場合であっても同じ結果になる。
【0064】光ファイバーの先端を球形等に加工してレ
ンズとすれば、光ファイバーの先端にレンズを取り付け
なくても励起光及び検出光を絞ることが可能であるが、
この場合、色収差がほとんどないために励起光と検出光
の焦点位置がほぼ一致する。このため、熱レンズの信号
がほとんど検出されないという問題がある。また、光フ
ァイバー先端の加工によるレンズは収差が大きいので、
励起光ならびに検出光の焦点の大きさが大き過ぎるとい
う問題もある。したがって、本実施の形態では光ファイ
バー101の先端にレンズ102が取りつけられてい
る。
【0065】本実施の形態においては、レンズ102は
屈折率分布型のロッドレンズであるが、レンズ102は
所定の色収差を有しているものならば、屈折率分布型の
ロッドレンズに限られるものではない。
【0066】現在、化学反応を微小空間で行うための集
積化技術が、化学反応の高速性や微少量での反応、オン
サイト分析等の観点から注目されており、世界的に精力
的に研究が進められている。
【0067】化学反応の集積化技術の1つとして、小さ
なガラス基板等に形成した微細な流路の中で液中試料の
混合、反応、分離、抽出、検出の全てを行うことを目指
したものがある。これらは、分離だけを目的としたよう
な単一の機能のみで用いられても良く、また複合的に用
いられても良い。
【0068】上記の機能のうち、分離のみを目的とした
ものとして、極微量のタンパク質や核酸等を分析する電
気泳動装置が提案されている。これは互いに接合された
2枚のガラス基板からなる流路付き板状部材を備えてい
る(例えば、特開平8−178897号公報)。
【0069】これらに用いられる板状部材に形成された
流路は、溶液をその液体の特性を維持しながら流す必要
があることから、深さは通常50〜100μm程度であ
る。この流路を試料の溶液が流れている状態で光熱変換
分光分析を実施することは、試料の量が非常に少なく、
非常に高感度の測定をしなければならないことを意味す
る。
【0070】光熱変換分光分析測定においては、励起光
が検出光を兼ねることも可能ではあるが、波長の異なる
光を用いることにより感度はより良くなる。よって、上
記のような小さな流路での測定に関しては、励起光と検
出光は互いに異なった波長の光であることが望ましい。
【0071】以下に励起光と検出光とをどのように選択
すれば高感度な光熱変換分光分析が可能になるかを説明
する。物質が吸収する励起光の吸収量が多いほど熱エネ
ルギーへの変換量が多くなるので、励起光の吸収量が多
くなるほど熱レンズ効果が大きくなり、従って光熱変換
分光分析の感度が高くなる。よって、励起光は試料によ
って吸収可能な波長の光から選定することになる。一
方、検出光は励起光によって形成された熱レンズの度数
を測定するために用いられるので、熱レンズを形成しな
いことが望まれる。よって、検出光は試料による吸収が
少ない波長の光から選定することが望ましい。
【0072】しかしながら、物質によっては吸収する光
の波長帯域が広いものがある。このような物質の場合に
は、溶媒による光の吸収も考慮すると、試料によって吸
収されない光を検出光として選定することは困難である
場合がある。また、一つの装置で単一の物質のみの検出
をするならば、上記の条件を満たすことは比較的容易で
ある。しかし、励起光及び検出光の波長を変更できない
装置を用いて吸収波長位置の異なる多種類の物質の検出
を実施する場合は、全ての試料に対して上記の条件が満
たされるようにすることは実質的に困難である。
【0073】本発明者は、試料のモル吸光係数に関し
て、励起光の波長に対する試料のモル吸光係数が検出光
の波長に対する試料モル吸光係数の5倍以上になるよう
に励起光と検出光との波長の関係を選定することによ
り、熱レンズ効果を利用した光熱変換分光分析が高感度
に実施できることを見出した。また、励起光の波長に対
する試料のモル吸光係数が検出光の波長に対する試料の
モル吸光係数の10倍以上になるように励起光と検出光
との波長を選定した場合には、測定の感度がより向上す
ることを見出した。この関係を維持することにより、励
起光及び検出光の波長が変更できない単一の装置を利用
して、多くの物質を高感度に測定できる。
【0074】図2は、試料のモル吸光係数比と感度との
関係を示す図である。図3は、試料の吸収スペクトルを
示す図である。
【0075】図2においては、励起光の波長に対するモ
ル吸光係数と検出光の波長に対するモル吸光係数との比
を変化させた場合に、熱レンズを利用した光熱変換分光
分析測定の感度がどのように変化するかの一例を示して
いる。この例は下記の条件で測定したものである。
【0076】試料として、最大の吸収波長が602n
m、この波長の光に対するモル吸光係数が約17,00
0であるACID BLUE29(CAS No.58
50−35−1)を用いる。
【0077】図3における試料はACID BLUE2
9であり、これを種々の濃度に溶解した水溶液を作製
し、この水溶液で所定の波長の検出光を用いて熱レンズ
信号強度を測定し、この測定結果をブランクである水を
測定した場合の信号強度及びノイズと比較したときに明
確に分離し得る信号強度が得られる濃度を所定の波長の
検出光における検出下限濃度として求める。この作業を
波長を変えて繰り返し、波長毎に検出下限濃度を求め
る。
【0078】対物レンズには日本板硝子株式会社のSE
LFOCレンズカタログに記載されているSLHレンズ
を用いる。このレンズに波長が500nm以上の光をシ
ングルモードで伝送できる光ファイバーを固定し、この
光ファイバーに波長が635nmの励起光と種々の波長
の検出光とをダイクロイックミラーを用いて同軸にして
入射させる。種々の濃度のACID BLUE29水溶
液を板状部材20の深さ0.1mmの流路204(溝)
に入れてセルとして用いる。検出光の強度は、検出光の
光路にNDフィルターを挿入することで全ての波長で同
じ強度になるように調整する。測定の際の励起光及び検
出光の強度は、SELFOCレンズの出射位置で、励起
光が3.5mW、検出光が0.25mWである。
【0079】図2において、測定下限濃度が2.5×1
-6mol/L以下となる場合は、励起光の波長に対す
るACID BLUE29のモル吸光係数が検出光の波
長に対するモル吸光係数の5倍以上のときであり、5×
10-7mol/L以下となるのは10倍以上のときであ
る。従って、励起光に対するモル吸光係数が検出光の波
長に対するモル吸光係数の5倍以上のとき溶媒の熱レン
ズ信号強度に対する試料の熱レンズ信号強度の比(S/
B)及びノイズに対する試料の熱レンズ信号強度の比
(S/N)が大きくなるので感度の高い光熱変換分光分
析が可能になる。さらに、励起光に対するモル吸光係数
が検出光の波長に対するモル吸光係数の10倍以上のと
きは、一層に感度の高い光熱変換分光分析が可能にな
る。
【0080】本発明の実施の形態によれば、励起光及び
検出光は適切な関係で選定されているため、高感度の測
定ができる。また、対物レンズとして屈折率分布型ロッ
ドレンズを使用し、光源から屈折率分布型ロッドレンズ
まで励起光及び検出光を導く光学系に光ファイバーを用
いていおり、光軸がずれることがないので、測定毎に励
起光、検出光及び屈折率分布型ロッドレンズの光軸を調
整する必要がなく、もってユーザの作業効率を向上でき
る。また、光軸調整用の治具を設置する必要がないので
装置を小型化できる。
【0081】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1記
載の光熱変換分光分析方法によれば、試料のモル吸光係
数において、励起光の波長に対するモル吸光係数の値が
検出光の波長に対するモル吸光係数の値よりも大きいの
で、試料を溶解させている溶媒の熱レンズ信号強度に対
する試料の熱レンズ信号強度の比(S/B)及び、ノイ
ズに対する試料の熱レンズ信号強度の比(S/N)が大
きく、感度の高い光熱変換分光分析が可能となる。
【0082】請求項2記載の光熱変換分光分析方法によ
れば、励起光の波長に対する試料のモル吸光係数の値が
検出光の波長に対する試料のモル吸光係数の値の5倍以
上であるので、S/B及びS/Nが充分に大きく、高感
度の測定が可能となる。
【0083】請求項3記載の光熱変換分光分析方法によ
れば、励起光の波長に対する試料のモル吸光係数の値が
検出光の波長に対する試料のモル吸光係数の値の10倍
以上であるので、S/B及びS/Nがさらに大きく、一
層に高感度の測定が可能となる。
【0084】請求項4記載の光熱変換分光分析装置によ
れば、試料のモル吸光係数において、励起光の波長に対
するモル吸光係数の値が検出光の波長に対するモル吸光
係数の値よりも大きいので、試料中の溶媒の熱レンズ信
号強度に対する試料の熱レンズ信号強度の比(S/B)
及び、ノイズに対する試料の熱レンズ信号強度の比(S
/N)が大きく、感度の高い光熱変換分光分析が可能と
なる。
【0085】請求項5記載の光熱変換分光分析装置によ
れば、励起光の波長に対する試料のモル吸光係数の値が
検出光の波長に対する試料のモル吸光係数の値の5倍以
上であるので、S/B及びS/Nが充分に大きく、高感
度の測定が可能となる。
【0086】請求項6記載の光熱変換分光分析装置によ
れば、励起光の波長に対する試料のモル吸光係数の値が
検出光の波長に対する試料のモル吸光係数の値の10倍
以上であるので、S/B及びS/Nがさらに大きく、一
層に高感度の測定が可能となる。
【0087】請求項7記載の光熱変換分光分析装置によ
れは、集光レンズが屈折率分布型レンズであるので、集
光レンズは小さいもので足り、装置を小型化できる。
【0088】請求項8記載の光熱変換分光分析装置によ
れば、集光レンズが屈折率分布型ロッドレンズであるの
で、集光レンズをより小さくできるので装置もより小型
化できるとともに光軸合わせが容易になる。
【0089】請求項9記載の光熱変換分光分析装置によ
れば、誘導光学系の光路が光ファイバーから成るので、
励起光と検出光の光軸同士が常に同軸となる。このた
め、励起光と検出光の光軸同士を調整する必要がなくな
り、ユーザの作業効率を向上できるとともに、光軸を調
整する治具が不用となるので装置を小型化できる。
【0090】請求項10記載の光熱変換分光分析装置に
よれば、集光レンズが光ファイバーの端部であって、励
起光及び検出光の進行方向の先端部に固定されているの
で、励起光、検出光及び集光レンズの光軸が常に同軸と
なる。このため、励起光、検出光及び集光レンズの光軸
を調整する必要が確実になくなり、ユーザの作業効率を
確実に向上できる。
【0091】請求項11記載の光熱変換分光分析装置に
よれば、光ファイバーが励起光と検出光をシングルモー
ドで伝搬するので、励起光によって生成する熱レンズが
収差の小さなレンズになり、もって、一層に高く正確な
感度で測定ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る光熱変換分光分析装
置の概略構成を示す図である。
【図2】試料の励起光の波長でのモル吸光係数と検出光
の波長でのモル吸光係数の比に対する、検出下限値の関
係を示す図である。
【図3】試料の吸収スペクトルを示す図である。
【図4】熱レンズの原理の説明図である。
【図5】励起光によって形成される熱レンズの形成位置
と検出光の焦点位置との説明図であり、(a)は対物レ
ンズが色収差をもつ場合を示し、(b)は対物レンズが
色収差をもたない場合を示す。
【図6】励起光によって形成される熱レンズの形成位置
と検出光の焦点位置との説明図であり、(a)は熱レン
ズが検出光の焦点位置よりも対物レンズ側に形成される
場合、(b)は熱レンズが検出光の焦点位置よりも遠方
側に形成される場合を示す。
【図7】従来の光熱変換分析装置における熱レンズの屈
折率の変化を検出する方法の説明図であり、検出光を光
路の途中に凹レンズを入れて発散光とし、励起光の焦点
距離位置よりも遠方に焦点位置がくるようにした場合を
示す。
【符号の説明】
10 レンズ付き光ファイバー 20 流路付き板状部材 30 治具 101、101a、101b 光ファイバー 102 屈折率分布型ロッドレンズ 103 フェルール 104 チューブ 105 励起光用光源 106 検出光用光源 107 変調器 108 2波長合波素子 201、202、203 ガラス基板 204 混合、授拌、合成、分離、抽出、検出用溝 401 光電変換器 402 フィルター 403 ロックインアンプ 404 コンピューター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G040 AA03 AB07 BA24 CA12 CA23 CB03 EA06 EB02 EC04 ZA05 2G059 AA01 BB04 CC16 CC20 DD13 EE04 EE11 FF03 GG01 GG06 JJ02 JJ11 JJ17 JJ30 KK01 MM01 MM09 MM10

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 集光レンズによって励起光と検出光とを
    試料に集光照射する集光照射工程と、前記励起光の集光
    照射によって生成された熱レンズを透過することによっ
    て偏向した検出光の強度の変化を測定する測定工程とを
    有する光熱変換分光分析方法において、 前記励起光の波長に対する試料のモル吸光係数の値が検
    出光の波長に対する試料のモル吸光係数の値よりも大き
    いことを特徴とする光熱変換分光分析方法。
  2. 【請求項2】 前記励起光の波長に対する試料のモル吸
    光係数の値は、検出光の波長に対する試料のモル吸光係
    数の値の5倍以上であることを特徴とする請求項1記載
    の光熱変換分光分析方法。
  3. 【請求項3】 前記励起光の波長に対する試料のモル吸
    光係数の値は、検出光の波長に対する試料のモル吸光係
    数の値の10倍以上であることを特徴とする請求項1記
    載の光熱変換分光分析方法。
  4. 【請求項4】 励起光用光源からの励起光を集光用レン
    ズによって試料に照射して熱レンズを生成し、検出光用
    光源からの検出光を前記集光用レンズによって前記熱レ
    ンズを透過するように集光させて、透過することによっ
    て偏向した検出光の強度変化の測定値を処理する光熱変
    換分光分析装置において、前記励起光の波長に対する試
    料のモル吸光係数の値が検出光の波長に対する試料のモ
    ル吸光係数の値よりも大きいことを特徴とする光熱変換
    分光分析装置。
  5. 【請求項5】 前記励起光の波長に対する試料のモル吸
    光係数の値は、検出光の波長に対する試料のモル吸光係
    数の値の5倍以上であることを特徴とする請求項4記載
    の光熱変換分光分析装置。
  6. 【請求項6】 前記励起光の波長に対する試料のモル吸
    光係数の値は、検出光の波長に対する試料のモル吸光係
    数の値の10倍以上であることを特徴とする請求項4記
    載の光熱変換分光分析装置。
  7. 【請求項7】 前記集光レンズは屈折率分布型レンズで
    あることを特徴とする請求項4乃至6いずれか1項に記
    載の光熱変換分光分析装置。
  8. 【請求項8】 前記屈折率分布型レンズはロッドレンズ
    であることを特徴とする請求項7記載の光熱変換分光分
    析装置。
  9. 【請求項9】 前記励起光用光源から集光レンズまで前
    記励起光を導き、前記検出光用光源から集光レンズまで
    前記検出光を導く誘導光学系の光路が光ファイバーから
    成ることを特徴とする請求項4乃至8のいずれか1項に
    記載の光熱変換分光分析装置。
  10. 【請求項10】 前記集光レンズは、前記光ファイバー
    の端部であって、前記励起光及び前記検出光が進行する
    方向の先端部に固定されたことを特徴とする請求項9記
    載の光熱変換分光分析装置。
  11. 【請求項11】 前記光ファイバーは、前記励起光と前
    記検出光をシングルモードで伝搬する特性を有すること
    を特徴とする請求項9または10記載の光熱変換分光分
    析装置。
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