JP2001059101A - 積層セラミックコンデンサー用ニッケル粉末の焼結性制御方法 - Google Patents

積層セラミックコンデンサー用ニッケル粉末の焼結性制御方法

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JP2001059101A
JP2001059101A JP11231233A JP23123399A JP2001059101A JP 2001059101 A JP2001059101 A JP 2001059101A JP 11231233 A JP11231233 A JP 11231233A JP 23123399 A JP23123399 A JP 23123399A JP 2001059101 A JP2001059101 A JP 2001059101A
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nickel powder
titanium
ceramic capacitor
shrinkage
nickel
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JP11231233A
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English (en)
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Hirotaka Takahashi
洋孝 高橋
Shingo Murakami
慎悟 村上
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層セラミックコンデンサーの製造工程にお
いて、ニッケル電極膜の途切れや、構造欠陥を抑制する
ため、ニッケル粉末の焼結性を制御する方法を提供す
る。 【解決手段】 積層セラミックコンデンサー用ニッケル
粉末の粒子表面をチタンを含む有機化合物で被覆し、高
温領域での急激な収縮を抑制してニッケル粉末の焼結性
を制御する方法であり、表面を被覆した前記チタン化合
物中のチタン含有量が、ニッケル粉末に対し、200〜
2000ppmであることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層セラミックコ
ンデンサーの内部電極材料として好適なニッケル粉末に
関し、特に前記ニッケル粉末の焼結性制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、電子機器の小型化にともない電子
部品の小型化が急速に進行している。このような状況に
おいて積層セラミックコンデンサーが小型・高容量のコ
ンデンサーとして大量に使用されている。従来、積層セ
ラミックコンデンサーの内部電極材料にはパラジウム、
白金などの貴金属粉末が主として使用されていた。
【0003】しかし、コンデンサーの高容量化のために
積層数が増加し、前述のような貴金属粉末を使用したの
ではコストが高くなるという問題があり、最近ではコス
ト低減のために内部電極材料としてニッケル粉末が多用
されている。
【0004】内部電極材料として使用されるニッケル粉
末は、バインダー中に分散させてペーストとする。この
ペーストを基板上に印刷塗布し、多層積み重ねて圧着
し、還元雰囲気中で約1300℃で焼成して電極を形成
させ、コンデンサーとしての特性を発揮させる。電極の
厚みとしては通常、焼成後で2〜3μmであるが近年、
コンデンサーの高容量化・小型化の進展にともない、よ
り薄い電極を形成する必要が生じてきた。
【0005】しかしながらニッケル塗膜中のニッケル粉
末の充填密度は粉末冶金における成形体のそれに比べて
はるかに低く、しかも基板となるセラミックスグリーン
シートの焼結にともなう収縮量がニッケル電極膜の収縮
に比べて小さいために、焼結の進行にともなってニッケ
ル電極膜が島状に途切れるという問題が発生する。
【0006】また、焼結による収縮特性が電極と誘電体
では大きく異なるため、収縮特性の差によって、クラッ
クやデラミネーションといった構造欠陥が発生する。積
層数が高くなるほど、層間厚みが薄くなるほど、電極厚
みと誘電体厚みの差が少なくなるため、これら不具合の
発生は顕著となり、電極が途切れたり、構造欠陥が発生
する可能性が大きくなる。このような場合は、コンデン
サーとして機能しなくなるため、コンデンサーの小型・
大容量化のためには、誘電体に近い焼結―収縮特性を有
するニッケル粉末、具体的には従来のニッケル粉末より
収縮開始温度が高温側へシフトしたニッケル粉末が望ま
れている。
【0007】収縮を小さくする方法としては粒子の活性
を抑えたり、粒子の密度を高めるために結晶子サイズを
大きくしたり、塗膜内での充填密度を高めるために球
状、単分散形状にするなどの手法がとられているが、通
常の印刷法で成しうる充填密度には限界があるうえに、
また、結晶子サイズを大きくしても1300℃という高
温で焼結―収縮を抑制することには限界があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、積層セラミ
ックコンデンサーの製造工程において、ニッケル電極膜
の厚みを薄くしたときに生じる電極途切れや、クラック
等の構造欠陥を抑制するため、ニッケル粉末の焼結性を
制御する方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、積層セラミッ
クコンデンサー用ニッケル粉末の粒子表面をチタンを含
む有機化合物で被覆し、その結果高温領域での急激な収
縮を抑制しようとするものである。
【0010】すなわち、積層セラミックコンデンサー用
ニッケル粉末の粒子表面をチタンを含む有機化合物で被
覆することで、ニッケル粉末の焼結性を制御する方法で
あり、表面を被覆した前記チタン化合物中のチタン含有
量が、チタン換算でニッケル粉末に対し、200〜20
00ppmであることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者らは積層セラミックコン
デンサー製造プロセスにおいて誘電体シートの収縮は1
000℃以上の高温から開始するのに対し、ニッケル電
極膜の収縮は、600〜700℃といった比較的低い温
度から始まる。よって、電極と誘電体層の収縮のミスマ
ッチを生み、それが電極途切れやクラックなどの原因と
なっていることを見出した。
【0012】この問題に対し、ニッケル粉末の焼結によ
る収縮の開始温度を高温側にシフトさせること、すなわ
ちニッケル粉末の焼結性を制御することによって、それ
ら不具合が解消できること、収縮開始温度を高温側にシ
フトさせるためにニッケル粉末表面にチタンを含有する
有機化合物で被覆することが有効であることを見出し、
本発明を完成させた。
【0013】本発明はニッケル粉末表面をチタンを含む
有機化合物で被覆することを特徴とするものであるが、
チタンを含む有機化合物としてはチタネート系カップリ
ング剤が適用可能であり好ましい。
【0014】表面に被覆するチタン化合物量は、チタン
換算でニッケル粉末に対し、200ppm以上、200
0ppm以下の範囲であることが望ましい。200pp
m未満であると焼結遅延効果が不十分であり、また20
00ppmを超えると焼結遅延効果は高まるものの、誘
電体との相互作用により、得られるコンデンサーの信頼
性を低下させるなどの不都合が生じるため好ましくな
い。
【0015】また、ニッケル粉末を上記チタン含有有機
化合物で被覆する方法としては、特に規定されないが、
該有機化合物を適当な溶剤に溶かした後、ニッケル粉末
のスラリーに加え、ニッケル粉末表面に吸着させるなど
の方法を用いることができる。
【0016】本発明においては、有機化合物を使用する
ため、ニッケル粉末表面にチタンと同様に炭素が含有さ
れることとなる。この炭素含有量が高ければ、これもニ
ッケル粒子の焼結を阻害するため収縮開始温度を高温側
にシフトさせる効果があると考えられる。
【0017】しかし、炭素等の有機物が残留すると、電
極としての抵抗値が上昇するなどの不具合が発生するこ
とがあるが、本発明のようにチタネートカップリング剤
などの形でニッケル粉末表面に炭素が存在する場合、こ
れら有機物も焼結性の改善に寄与すると同時に、これら
の有機物は上記のような不具合を起こすことはない。
【0018】
【実施例】(実施例1)チタネートカップリング剤(味
の素株式会社製:商品名KR−ET)0.8gを水10
00mlに分散させ、25℃に保持した。これにニッケ
ル粉末(住友金属鉱山株式会社製 商品名:SNP−5
51)100gを投入し、60分間攪拌保持した後、濾
過・乾燥し、有機チタネート被覆ニッケル粉末を得た。
これにバインダーとしてポリビニルアルコール1gを加
え、TMA測定装置を用いて水素/窒素=2/98(体
積比)からなる雰囲気下で加熱時の収縮開始温度とチタ
ンと炭素の含有量(重量ppm)を調査した。結果を表
1に示す。 (実施例2)チタネートカップリング剤の添加量を半分
にした以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示
す。 (実施例3)チタネートカップリング剤を味の素株式会
社製:商品名KR−44に変更した以外は実施例1と同
様に行った。結果を表1に示す。 (実施例4)チタネートカップリング剤(味の素株式会
社製:商品名KR=TTS)0.7gをトルエン100
0mlに分散させ、25℃に保持した以外は、実施例1
と同様に行った。結果を表1に示す。 (比較例1)実施例に用いたニッケル粉末(SNP−5
51)を未処理の状態でバインダーとしてポリビニルア
ルコール1gを加え、実施例1と同様に加熱時の収縮開
始温度とチタン、炭素含有量を調べた。結果を表1に示
す。 (比較例2)チタネートカップリング剤の添加量を1/
5にした以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に
示す。
【0019】
【発明の効果】上記のように、本発明によればニッケル
粉末の焼結特性、とりわけ還元性雰囲気下での焼結―収
縮開始温度を高温側へシフトさせることができる。した
がって、誘電体の収縮挙動とのミスマッチを緩和し、積
層セラミックコンデンサーの電極途切れやクラックなど
を効果的に抑制できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケル粉末表面をチタンを含む有機化
    合物で被覆することを特徴とする、積層セラミックコン
    デンサー用ニッケル粉末の焼結性制御方法。
  2. 【請求項2】 ニッケル粉末のチタン含有量が、200
    〜2000ppmであることを特徴とする請求項1記載
    の積層セラミックコンデンサー用ニッケル粉末の焼結性
    制御方法。
JP11231233A 1999-08-18 1999-08-18 積層セラミックコンデンサー用ニッケル粉末の焼結性制御方法 Pending JP2001059101A (ja)

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