JP2001059037A - スチレン系樹脂発泡体及びその製造方法 - Google Patents

スチレン系樹脂発泡体及びその製造方法

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JP2001059037A
JP2001059037A JP2000124341A JP2000124341A JP2001059037A JP 2001059037 A JP2001059037 A JP 2001059037A JP 2000124341 A JP2000124341 A JP 2000124341A JP 2000124341 A JP2000124341 A JP 2000124341A JP 2001059037 A JP2001059037 A JP 2001059037A
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foam
resin
styrene
propylene
based resin
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JP2000124341A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Okuyama
満 奥山
Masatake Uchikawa
正剛 内川
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Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Chemical Foam Plastic Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Chemical Foam Plastic Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スチレン系樹脂本来の優れた発泡性,成形
性,剛性に加え,優れた耐熱性及び耐薬品性を有するス
チレン系樹脂発泡体及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 発泡体1内の気泡膜10はスチレン系樹
脂(A)とプロピレン系樹脂(B)とよりなる層状構造
で,気泡膜10を厚み方向の断面で見た時に,気泡膜の
表面から引いた垂線Bがプロピレン系樹脂(B)と交差
する数nが4以上,密度が0.5g/cm3以下,独立
気泡率が20%以上である。また,樹脂組成物を押出発
泡することにより密度が0.01〜0.5g/cm3
あるスチレン系樹脂発泡体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,スチレン系樹脂とプロピレン系
樹脂とを含むスチレン系樹脂発泡体とその製造方法に関
する。
【0002】
【従来技術】熱可塑性樹脂からなる発泡体は,一般的に
軽量で断熱性や保温性,外部からの応力の緩衝性が良好
であることから,断熱材,緩衝材,芯材,食品容器など
に幅広く使用されている。なかでもスチレン系樹脂から
なる発泡体は,安価で発泡性が良く,さらに成形性,剛
性に優れることから,断熱材,緩衝材,食品容器として
好適に使用されている。
【0003】近年,発泡体を使用する分野で耐熱性及び
耐薬品性を必要とする用途が増えている。例えば,電子
レンジでの加熱に耐えうる耐熱性兼耐油性食品容器や建
材などの用途が挙げられる。
【0004】
【解決しようとする課題】スチレン系樹脂からなる発泡
体は耐熱性及び耐薬品性が劣るという欠点を有している
ため,これらの耐熱性,耐薬品性を要する用途には,例
えばプロピレン系樹脂が使用されている。しかしなが
ら,プロピレン系樹脂を使用した発泡体は,剛性,成形
性に乏しく,また,結晶性樹脂であるがために発泡が容
易でないという欠点を有している。
【0005】スチレンの特性を失わずに耐熱性を改良し
たものとして,例えば特開昭62−94539に開示さ
れているようにスチレン−(メタ)アクリル酸系共重合
体よりなる発泡シートから成形される食品容器が挙げら
れる。しかしながら,スチレン−(メタ)アクリル酸系
共重合体の発泡体は,耐熱性は優れるものの,耐薬品性
が劣る欠点を有する。
【0006】スチレン系樹脂の発泡性,成形性,剛性と
プロピレン系樹脂の耐熱性,耐薬品性の両者を満足させ
るため,プロピレン系樹脂にスチレンをグラフトさせる
方法(特開平10−158424),プロピレン系樹脂
にスチレンをブレンドする方法(特公昭43−1337
5)が開示されているが,これらはポリスチレンの配合
量が少なく,したがって耐熱性,耐薬品性は優れるもの
の,架橋などの工程を必要とし,得られた発泡体の剛性
が劣るなどの欠点を有している。
【0007】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,スチレン系樹脂本来の優れた発泡性,成
形性,剛性に加え,優れた耐熱性及び耐薬品性を有する
スチレン系樹脂発泡体及びその製造方法を提供しようと
するものである。
【0008】
【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,スチレン
系樹脂(A)とプロピレン系樹脂(B)とを含む樹脂組
成物を発泡してなる発泡体において,該発泡体内の気泡
膜は上記スチレン系樹脂(A)とプロピレン系樹脂
(B)とよりなる層状構造に形成されており,また,上
記気泡膜を厚み方向の断面で見た時に,気泡膜の表面か
ら引いた垂線がプロピレン系樹脂(B)と交差する数n
が4以上であり,かつ発泡体の密度が0.5g/cm3
以下であり,かつ独立気泡率が20%以上であることを
特徴とするスチレン系樹脂発泡体にある。
【0009】本発明に用いられるスチレン系樹脂(A)
は特に制限がなく,例えば汎用ポリスチレン(GPP
S),ゴム強化ポリスチレン(HIPS)の他,スチレ
ン−(メタ)アクリル酸系共重合体,スチレン−(メ
タ)アクリルエステル系共重合体,あるいはα−メチル
スチレン,p−メチルスチレン,m−メチルスチレン,
核ハロゲン化スチレンなどのいわゆるスチレン系単量体
の(共)重合体などが用いられる。価格,後述する押出
発泡シートとなした場合の剛性の点から,汎用ポリスチ
レン(GPPS)が好ましく用いられる。これらスチレ
ン系樹脂(A)は一種でも,二種以上の混合物でもよ
い。
【0010】本発明に用いられるプロピレン系樹脂
(B)は特に制限がなく,例えばプロピレンの単独重合
体,プロピレンと他の単量体とのランダム重合体または
ブロック共重合体,エチレン・プロピレンゴム変性ポリ
プロピレンあるいはスチレン系単量体でグラフト変性し
たプロピレン系樹脂などが用いられる。共重合する他の
単量体の例としては,エチレン,α−オレフィンまたは
ジエン系単量体などが挙げられる。これらプロピレン系
樹脂(B)は一種でも,二種以上の混合物でもよい。
【0011】本発明においては,後述する図1(a)に
示すごとく,上記気泡膜10を厚み方向の断面で見た時
に,後述する図1(b)に示すごとく,気泡膜10の表
面から引いた垂線Bがプロピレン系樹脂(B)と交差す
る数nが4以上である。つまり,発泡体1内の気泡11
と気泡11との間を区切る気泡膜10は後述する図1
(b)に示すごとく,スチレン系樹脂(A)の層102
(気泡11と11との間の白色部分)とプロピレン系樹
脂(B)の層101(黒い線状の部分)とが厚み方向に
対して複数層存在する。このため,垂線Bはプロピレン
系樹脂(B)の層101と交差するのである。
【0012】上記nが4未満である場合には,耐薬品性
と共に耐熱性が低下し,本発明にかかる効果が得難くな
るおそれがある。また,上記nは10以上であること
が,より好ましい。これにより,独立気泡率が向上し,
高倍率の発泡体を得ることができる。更に,上記nは1
5以上であることが一層好ましい。なお,上記nの測定
方法の具体例は後述する実施形態例に記載した。
【0013】上記気泡膜の構造は,例えば使用するスチ
レン系樹脂(A),プロピレン系樹脂(B)の粘度,後
述する相溶化剤の種類と量,また混練する際の剪断力を
調整することにより達成される。
【0014】また,本発明の発泡体の密度は0.5g/
cm3以下である。密度が0.5g/cm3以上である場
合には,優れた保温性能や断熱性能を得ることが困難と
なるおそれがある。なお,発泡体の密度の好ましい下限
は0.01g/cm3である。この値未満である場合に
は,気泡膜の破泡により発泡体の強度が保持できなくな
るおそれがある。
【0015】また,本発明の発泡体の独立気泡率は20
%以上である。独立気泡率が20%未満である場合に
は,発泡体が脆くなるため安定して2次成形することが
困難となり,たとえ2次成形品が得られたとしても優れ
た保温性能や断熱性能を得ることが困難となるおそれが
ある。更に,発泡ガスの保持性が低下するため,本発明
にかかる発泡体を例えば真空成形等の方法により熱成形
した場合,2次発泡が充分に起こらず,充分な厚みの成
形品を得ることができなくなるおそれがある。なお,発
泡体の脆性,成形安定性,2次発泡性,保温性の点か
ら,より好ましい独立気泡率は40%以上である。ま
た,独立気泡率の好ましい上限は,2次発泡性維持の点
より,100%である。なお,独立気泡率の具体的な測
定方法は後述する実施形態例に記載した。
【0016】次に,本発明の作用効果について説明す
る。本発明者らは,前記の課題を解決するために種々研
究を重ねた結果,スチレン系樹脂(A)とプロピレン系
樹脂(B)を含む樹脂組成物を用いた発泡体中に,特定
の構造を形成させることにより,上記の課題を達成する
ことができることを見出した。
【0017】つまり,本発明にかかる発泡体は,気泡膜
がスチレン系樹脂(A)とプロピレン系樹脂(B)とよ
りなる層状構造から形成され,厚み方向に引いた垂線が
プロピレン系樹脂(B)と交差する数nが4以上で,密
度が0.5g/cm3以下で,独立気泡率が20%以上
である。
【0018】このような物性,即ちポリプロピレン系樹
脂とポリスチレン系樹脂が多層構造を有しているため,
本発明はポリプロピレン系樹脂の特徴である耐熱性に優
れ,耐薬品性に優れていると共に,スチレン系樹脂の本
来有する優れた発泡性,成形性,剛性を発揮する。
【0019】以上,本発明によれば,スチレン系樹脂本
来の優れた発泡性,成形性,剛性に加え,優れた耐熱性
及び耐薬品性を有するスチレン系樹脂発泡体を提供する
ことができる。
【0020】次に,請求項2の記載によれば,JIS
K 7210に準拠し,かつ測定温度200℃,荷重5
kgの条件で測定した,上記スチレン系樹脂(A)とプ
ロピレン系樹脂(B)とのメルトフローインデックスの
比「MIpp/MIps」(ここにMIpsはスチレン
系樹脂(A)のメルトフローインデックス,MIppは
プロピレン系樹脂(B)のメルトフローインデックスで
ある。)が0.01〜20の範囲であり,かつ上記樹脂
組成物は,上記スチレン系樹脂(A)50〜90重量部
と,プロピレン系樹脂(B)10〜50重量部の合計1
00重量部に対し,相溶化剤(C)が1〜30重量部を
添加してなることが好ましい。
【0021】これにより,ポリプロピレン系樹脂とポリ
スチレン系樹脂との多層構造化を可能とすると共に,相
互の樹脂の良好な分散を可能とすることができる。
【0022】本請求項において,MIpp/MIpsは
0.01〜20の範囲内にある。MIpp/MIpsが
0.01未満とするには,スチレン系樹脂(A)のメル
トフローインデックスを増加させる必要があり,この増
加のためにスチレン系樹脂(A)の内部潤滑剤等を多く
するか,または極端に分子量を下げる必要がある。ま
た,プロピレン系樹脂(B)においては極端に分子量を
上げる必要があり,かかる基材樹脂の生産性を低下さ
せ,かつ製造コストが高くなり,経済的に得策ではな
い。
【0023】また,MIpp/MIpsが20より大で
ある場合には,前述したnが4以上になり難くなるおそ
れがある。また,MIpp/MIpsは15以下とする
ことが更に好ましい。また,MIpp/MIpsは5以
下とすることが一層好ましい。
【0024】本請求項において,上記樹脂組成物は,上
記スチレン系樹脂(A)50〜90重量部と,プロピレ
ン系樹脂(B)10〜50重量部の合計100重量部に
対し,相溶化剤(C)を1〜30重量部を添加してな
る。得られた発泡体の表面硬度,剛性はスチレン系樹脂
(A)の量の増大と共に高くなるため,これらの樹脂の
割合は発泡体の使用目的等に合わせて適宜定めることが
好ましい。
【0025】そして,スチレン系樹脂(A)が50重量
部未満である場合には,充分に発泡しないため,優れた
発泡体を得ることができず,また得られた発泡体の剛性
が不足するおそれがある。また,スチレン系樹脂(B)
が90重量部より多い場合には得られた発泡体の耐熱
性,耐薬品性が不足し,本発明の効果が得難くなるおそ
れがある。
【0026】上記相溶化剤について説明すると,種類に
ついては特に制限がなく,例として,スチレン−イソプ
レンジブロック共重合体,スチレン−イソプレン−スチ
レントリブロック共重合体,スチレン−ブタジエンジブ
ロック共重合体,スチレン−エチレン−ブタジエン−ス
チレンブロック共重合体やこれらの水添加物などが用い
られる。これら相溶化剤は一種でも,二種以上の混合物
でもよい。
【0027】相溶化剤の使用量は,使用するスチレン系
樹脂(A)及びプロピレン系樹脂(B)の種類と量によ
り決定することができ,樹脂組成物100部に対し,1
〜30重量部である。相溶化剤の使用量が1重量部未満
である場合には,相溶化剤の効果が発揮され難くなり,
例えば後述する発泡体の製造時の押出発泡の際等に未分
散樹脂が析出し,それが押出口となるダイス先端部等を
閉塞させるめ,発泡体の製造が困難となるおそれがあ
る。また,30重量部を越えた場合には,充分な耐熱
性,耐薬品性が得られず,また,発泡体の剛性も低下す
るおそれがある。
【0028】また,上記樹脂組成物には相溶化剤の他
に,必要に応じて,酸化防止剤,熱安定剤,紫外線吸収
剤,帯電防止剤,着色剤などを適宜使用することができ
る。また,本発明の発泡体には,本発明の目的を著しく
損なわない範囲で,他の付加的成分,例えば無機充填
剤,有機充填剤などを添加することができる。
【0029】なお,本発明のスチレン系樹脂発泡体は,
下記のようなあらゆる産業分野で利用することができ
る。 (1)包装材として耐熱・耐薬品性が要求される食品包
装用カップ,トレー,容器。 (2)断熱材として,建築分野,自動車,電車,船舶な
どの内装材,冷凍食品容器,各種パイプカバーなど。 (3)構造材として,建築物の壁,間仕切り,サンダ
ル,靴底など。 (4)その他として,浮揚材,布紙代用材,各種容器の
パッキング材,ケ−ブルなどの被服材,各種スポ−ツ
品,玩具などの雑貨物など。
【0030】次に,請求項3記載の発明によれば,スチ
レン系樹脂(A)50〜90重量部と,プロピレン系樹
脂(B)10〜50重量部の合計100重量部に対し,
相溶化剤(C)が1〜30重量部を添加してなる樹脂組
成物に発泡剤を添加混合し,該樹脂組成物を押出発泡す
ることにより密度が0.01〜0.5g/cm3である
スチレン系樹脂発泡体を製造する方法であって,JIS
K 7210に準拠し,かつ測定温度200℃,荷重
5kgの条件で測定した,上記スチレン系樹脂(A)と
プロピレン系樹脂(B)とのメルトフローインデックス
の比「MIpp/MIps」が0.01〜20の範囲で
あることを特徴とするスチレン系樹脂発泡体の製造方法
にある。
【0031】本発明の作用効果について説明する。これ
により,気泡膜断面のポリプロピレン系樹脂とポリスチ
レン系樹脂が互いに多層構造をなす。よって,ポリプロ
ピレン系樹脂の特徴である,耐熱性,耐薬品性を有する
と共にポリスチレン系樹脂の特徴である発泡性,成形
性,剛性を有する発泡体を得ることができる。よって,
本発明によれば,スチレン系樹脂本来の優れた発泡性,
成形性,剛性に加え,優れた耐熱性及び耐薬品性を有す
るスチレン系樹脂発泡体の製造方法を得ることができ
る。
【0032】なお,本発明の製造方法によれば,所望の
形状を有する押出成形品を製造することができる。ま
た,後述の実施形態例のような押出発泡シートを製造す
ることもできる。この押出発泡シートは真空成形などの
熱成形によって,更に発泡し,トレイ等の容器に成形さ
れ,利用される。この場合,押出発泡シートの密度より
もこれより作製された成形品の密度のほうがやや低くな
る。
【0033】また,本発明の製造方法では,スチレン系
樹脂(A)50〜90重量部と,プロピレン系樹脂
(B)10〜50重量部の合計100重量部に対し,相
溶化剤(C)が1〜30重量部を添加してなる樹脂組成
物を発泡させている。スチレン系樹脂(A),プロピレ
ン系樹脂(B),相溶化剤(C)の詳細については上述
の請求項1や請求項2の記載と同様である。また,メル
トフローインデックスの比「MIpp/MIps」が
0.01〜20であることについても,上述の請求項1
や請求項2の記載と同様である。
【0034】また,本発明の製造方法によれば,密度が
0.01〜0.5g/cm3であるスチレン系樹脂発泡
体が得られる。密度が0.01g/cm3未満である場
合は発泡倍率が高すぎるため,この発泡体を再度発泡さ
せて成形品を作製した場合,該成形品の強度が不充分と
なるおそれがある。密度が0.5g/cm3を越えた場
合には上記と同様に再発泡させて成形品を作製した場
合,該成形品の断熱性能等が低下し,また低倍率である
がゆえにコスト上の不利を招くおそれがある。
【0035】本発明の製造方法に使用する発泡剤は,特
に制限はないが,窒素,炭酸ガス,水蒸気等の無機系ガ
ス,樹脂の軟化点より低い沸点を有する脂肪族炭化水
素,塩素化炭化水素,フッ素化塩素化炭化水素,脂肪族
アルコ−ル,エ−テル,エステル,またはこれらの混合
物などを使用することができる。
【0036】例えばブタン,ヘプタン,塩化メチル,塩
化メチレン,ジクロロテトラフルオロエタン,トリクロ
ロフルオロメタン,ジクロロジフルオロメタン,クロロ
ジフルオロメタン,ジクロロフルオロメタン,クロロジ
フルオロエタンまたはこれらの混合物などが好ましく用
いられる。
【0037】また,N,N’−ジニトロソペンタメチレ
ンテトラミン,N,N’−ジメチル−N,N’−ジニト
ロソテレフタルアミド等のニトロソ系熱分解型発泡剤;
アゾジカルボンアミド,アゾジカルボン酸バリウムなど
のアゾ系熱分解型発泡剤;P,P’−オキシビスベンゼ
ンスルホニルヒドラジド,P−トルエンスルホニルセミ
カルバジドなどのスルホヒドラジド系熱分解型発泡剤等
の分解型発泡剤を1種又は2種以上を併用してもよい。
【0038】また,上記発泡剤は,スチレン系樹脂
(A)とプロピレン系樹脂(B)の合計100重量部あ
たり0.5〜60重量部の範囲で,目標の発泡体密度に
対し自由に選択することができる。0.5重量部未満で
ある場合には,低倍率の発泡体しか得られず,断熱性能
が低く,またコスト上も不利となるおそれがある。60
重量部より多い場合には,発泡倍率が高すぎて得られる
発泡体の強度が不充分となるおそれがある。
【0039】また,本発明の製造方法において,スチレ
ン系樹脂発泡体の気泡径を調整するために,気泡核剤を
使用することができる。上記気泡核剤として,例えば無
機系気泡核剤を用いることができる。例えば,タルク,
パーライト,珪酸カルシウム,バーミキュライト等が用
いられる。また,上記気泡核剤として,分解型核剤,有
機系核剤を用いることができる。例えば,アゾジカルボ
ンアミド,ベンゼンスルホニルセミカルバジド及びクエ
ン酸をはじめとする有機酸等が用いられる。また,これ
らの物質の1種又は2種以上を併用してもよい。
【0040】また,その気泡核剤には分散助剤として,
炭素数12〜22の高級脂肪酸,例えばラウリン酸,ス
テアリン酸,パルチミン酸等の金属(Ca,Na,Z
n,Al,Mg)塩を併用することができる。
【0041】本発明のスチレン系樹脂発泡体の具体的な
製造方法としては,例えば次のような方法で行なうこと
ができる。スチレン系樹脂(A),プロピレン系樹脂
(B)(使用する際には相溶化剤(C))を押出機中で
溶融混練する。次に,融解した樹脂に揮発性発泡剤を圧
入し,これを高圧に保持しつつ混練する。その後,押出
機のダイス先端部より吐出させて押出発泡させる。これ
により押出品となす。
【0042】また,上記押出成形から押出発泡シートを
作製することもできる。更に,この押出発泡シートを加
熱炉に入れて,軟化,二次発泡させる。その後,加熱炉
から出して,直ちに金型でプレス成形して,発泡成形品
を得ることもできる。
【0043】また,本発明の発泡体には,必要に応じて
フィルムをラミネートすることができる。ラミネートす
るフィルムは特に制限が無く,例えば,OPS(2軸延
伸ポリスチレンシート),耐熱OPS,HIPSシート
などのスチレン系樹脂フィルム,CPP(無延伸ポリプ
ロピレンフィルム),OPP(2軸延伸ポリプロピレン
フィルム)等のプロピレン系樹脂のフィルムあるいはエ
チレン系樹脂フィルム,ポリエステル系樹脂フィルムな
どが用いられる。ラミネートするフィルムの厚さに制限
はないが,通常は15μm〜150μmのフィルムが用
いられる。これらのフィルムには必要に応じて印刷が施
される。また,これに限られるものではないが,必要に
応じてホットメルト系の接着剤を用いて積層することも
できる。また,押出機によってフィルムを発泡体の表面
に直接押出して積層する,押出ラミネート法を採用する
こともできる。
【0044】上記スチレン系樹脂(A)とプロピレン系
樹脂(B)の混合方法は,特に制限されないが,メカニ
カルブレンドでもよいし,プロピレン系樹脂(B)の存
在下でスチレン系樹脂(A)用のモノマーを重合し,ス
チレン系樹脂(A)を生成する方法,あるいはその逆の
方法でもよい。また,相溶化剤(C)を使用する場合,
相溶化剤(C)の添加方法は特に限定されないが,スチ
レン系樹脂(A)およびプロピレン系樹脂(B)と同時
に混合してもよいし,片方の樹脂とのマスターバッチの
形で混合してもよい。あるいは,重合系に添加してもよ
い。
【0045】
【発明の実施の形態】実施形態例 本発明にかかる実施例1〜9を作製し,その性能を後述
する比較例と共に評価した。本発明にかかるスチレン系
樹脂発泡体1は,図1に示すごとく,内部に多くの気泡
11が形成された発泡体である。気泡11と気泡11と
の間は気泡膜10により区切られている。図1(a)に
かかる気泡膜10のA部を拡大したものが図1(b)で
ある。同図の通り,気泡膜10はスチレン系樹脂(A)
よりなる層102とプロピレン系樹脂(B)よりなる層
101とが多数積層された層状構造より形成されてい
る。
【0046】以下,本発明を各実施例に基づき詳細に説
明するが,本発明はかかる実施例に制限されるものでは
ない。 (実施例1)プロピレン系樹脂(B)として,日本ポリ
ケム(株)製EX8(MIpp=1.4 at 200
℃,5kg),スチレン系樹脂(A)として三菱化学
(株)製HH−102 305(MIps=3.2 a
t 200℃,5kg),相溶化剤(C)としてクラレ
(株)製セプトン2104を使用した。
【0047】スチレン系樹脂(A)67重量部,プロピ
レン系樹脂(B)33重量部の合計100重量部に対
し,SEPS(スチレン−イソプレン−スチレントリブ
ロック共重合体の水添加物,セプトン2104) 5重
量部を添加し,さらにこの樹脂混合物100重量部に対
し,気泡核剤としてタルク0.5重量部,分散助剤とし
てステアリン酸亜鉛0.3重量部を加えてミキサーでよ
く攪拌混合した後,口径φ65mm,L/D(一軸押出
機におけるスクリュー長さLとスクリュー口径Dとの
比)が33の一軸押出機のホッパーに供給した。
【0048】その後,押出機スクリューの前段で235
℃で溶融混練し,その溶融混練物に押出機の中段に設け
られた発泡剤注入孔より全押出量の2.5重量%になる
ようにn−ブタン65%とi−ブタン35%の混合ブタ
ンを注入した。
【0049】次いで,押出機スクリューの後段で160
℃に冷却し,リングダイより管状に押出発泡させ,得ら
れた管状発泡シートを,マンドレルで冷却後,カッター
により1面を切り開いて密度0.099g/cm3の押
出発泡シートを得た。得られた押出発泡シートを室温で
1週間養生させた後,真空成形機で加熱し成形すること
によって,図2に示すごとき,トレイ形状の発泡成形品
2を得た。得られた発泡成形品は,発泡体密度0.06
6g/cm3でn=15であり,独立気泡率は85%で
あった。
【0050】(実施例2)スチレン系樹脂(A)59重
量部,プロピレン系樹脂(B)41重量部の合計100
重量部に対し,SEPS 12重量部とした以外は実施
例1と同じ方法で押出発泡を行なった。これにより,密
度0.108g/cm3の押出発泡シートを得た。この
押出発泡シートを実施例1と同じ方法で真空成形して得
られた発泡成形品は,発泡体密度0.077g/cm3
で,n=20であり,独立気泡率は79%であった。
【0051】(実施例3)スチレン系樹脂(A)83重
量部,プロピレン系樹脂(B)17重量部の合計100
重量部に対し,相溶化剤3重量部とした以外は実施例1
と同じ方法で押出発泡を行ない,密度0.080g/c
3の押出発泡シートを得た。この押出発泡シートを真
空成形して得られた発泡成形品は発泡体密度0.050
g/cm3でn=10であり,独立気泡率は94%であ
った。
【0052】(実施例4)プロピレン系樹脂(B)を日
本ポリケム(株)製EA9(MIpp=1.8at 2
00℃,5kg)とした以外は実施例1と同じ方法で押
出発泡を行ない,密度0.099g/cm3の押出発泡
シートを得た。この押出発泡シートを真空成形して得ら
れた発泡成形品は,発泡体密度0.066g/cm3
n=16であり,独立気泡率は81%であった。
【0053】(実施例5)プロピレン系樹脂(B)を日
本ポリケム(株)製EC7(MIpp=6.7at 2
00℃,5kg)とした以外は実施例1と同じ方法で押
出発泡を行ない密度0.102g/cm3の押出発泡シ
ートを得た。この押出発泡シートを真空成形して得られ
た発泡成形品は,発泡体密度0.073g/cm3でn
=14であり,独立気泡率は74%であった。
【0054】(実施例6)プロピレン系樹脂(B)を日
本ポリケム(株)製4400(MI=15 at200
℃,5kg)とした以外は実施例1と同じ方法で押出発
泡を行ない,密度0.108g/cm3の押出発泡シー
トを得た。この押出発泡シートを真空成形して得られた
発泡成形品は,発泡体密度は0.090g/cm3でn
=15であり,独立気泡率は60%であった。
【0055】(実施例7)ダイスを矩形ダイとし,発泡
剤添加量を全押出量の5重量%とした以外は実施例1と
同様の組成の樹脂混合物を用いて,矩形ダイより押出発
泡させた。この矩形ダイに連結された冷却サイジング装
置によって冷却し,厚み20mm,巾150mmの板状
発泡体を得た。得られた板状発泡体の発泡体密度は0.
038g/cm3で,n=13であり,独立気泡率は6
2%であった。
【0056】(実施例8)スチレン系樹脂(A)として
エー・アンド・エムスチレン(株)製G8102(MI
ps=0.9 at 200℃,5kg),プロピレン
系樹脂(B)として日本ポリケム(株)製4400(M
Ipp=15 at 200℃,5kg),相溶化剤と
して旭化成工業(株)製タフテックH1043(スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水添物)
を使用した。スチレン系樹脂(A)67重量部,プロピ
レン系樹脂(B)33重量部の合計100重量部に対
し,相溶化剤(スチレン−ブタジエン−スチレンブロッ
ク共重合体の水添物,タフテックH1043)10重量
部を添加し,この樹脂混合物をミキサーでよく撹拌混合
した後,二軸押出機で混練し,樹脂混練物を得た。
【0057】この樹脂混練物を使用した以外は実施例1
と同じ方法で押出発泡を行い,密度0.112g/cm
3の発泡シートを得た。この発泡シートを真空成形して
得られた発泡成形品は,発泡体密度は0.095g/c
3で気泡膜の垂線上のプロピレン系樹脂相の数n=1
0であり,独立気泡率は30%であった。
【0058】(実施例9)スチレン系樹脂(A)として
エー・アンド・エムスチレン(株)製G9401(MI
ps=2.2 at 200℃,5kg),プロピレン
系樹脂(B)として日本ポリケム(株)製EG8(MI
pp=1.3 at 200℃,5kg)を使用した以
外は実施例8と同じ方法で押出発泡を行い,密度0.0
83g/cm3の発泡シートを得た。得られた発泡シー
トに厚さ40μmのCPPフイルムを,テフロン(登録
商標)コートされた約180℃の加熱ロールに接触させ
ながら押圧して,発泡シートに積層し,この積層シート
を成形品としての容器の内面にCPPフィルムが来るよ
うに真空成形した。得られた成形品の発泡体部分は,密
度が0.058g/cm3で,n=25であり,独立気
泡率は70%であった。
【0059】(比較例1)スチレン系樹脂100重量部
のみを実施例1と同じ方法で押出発泡を行ない,密度
0.085g/cm3の押出発泡シートを得た。この押
出発泡シートを真空成形して得られた発泡成形品は,発
泡体密度0.05g/cm3で独立気泡率は99%であ
った。
【0060】(比較例2)プロピレン系樹脂60重量
部,スチレン系樹脂40重量部からなる混合樹脂組成と
した以外,実施例1と同じ方法で押出発泡を行なった。
しかし,密度0.66g/cm3の押出発泡シートしか
得られなかった。この押出発泡シートを真空成形して得
られた発泡成形品は,発泡体密度0.60g/cm
3で,n=2であり,独立気泡率は20%であった。
【0061】(比較例3)プロピレン系樹脂を日本ポリ
ケム(株)製MA03(MIpp=45 at200
℃,5kg),スチレン系樹脂を三菱化学(株)製HH
−105(MIps=1.5 at 200℃,5k
g)とした以外は実施例1と同じ方法で押出発泡を行な
い,密度0.275g/cm3の押出発泡シートを得
た。この押出発泡シートを真空成形して得られた発泡成
形品は,発泡体密度0.250で,n=3であり,独立
気泡率は10%であった。
【0062】次に,実施例,比較例の押出発泡シート
(ただし実施例7は板状発泡体である。)や該押出発泡
シートから作製された発泡成形品の特性や性能の測定方
法について,説明する。
【0063】まず,図1(b)に示すごとき,気泡膜1
0の垂線B上のプロピレン系樹脂の層101の数nは次
のようにして測定する。押出発泡シートを押出の際の流
れに垂直な方向にスライスし,試料片を作製する。この
試料片をエッチング処理し,光硬化性エポキシ樹脂で包
埋した後,クライオミクロトームで超薄切片を作成し,
四酸化ルテニウムRuO4で蒸気染色(5分,常温)
し,この切片を透過型電子顕微鏡で観察した。気泡膜の
垂線上のプロピレン系樹脂よりなる層の数nは,押出発
泡シートの表層5点,内部5点の平均値とした。
【0064】なお,図3は実施例1にかかる切片の透過
型電子顕微鏡による観察結果を示す図面代用写真で64
000倍である。同図より知れるごとく,実施例1の切
片における気泡膜は細かい白いスジ状の層と黒いスジ状
の層とが交互に積層された状態にある。黒いスジ状の層
がポリスチレン系樹脂で,白いスジ状の層がポリプロピ
レン系樹脂である。なお,ポリスチレン系樹脂が黒いの
は,上述の蒸気染色の結果である。
【0065】押出発泡シート(実施例7は板状発泡体)
の密度や発泡成形品の発泡体密度はJIS K 722
2に準じて重量と体積を測定し,これらの値から算出し
た。また,独立気泡率(S%)は,各発泡体成形品の約
25cm3の真の容積を東芝・ベックマン社製の空気比
較式比重計930型を用いて測定し,先に測定した重量
及び発泡体密度から,次式により算出した。 S={Vx−W/ρ}÷{Va−W/ρ}×100(%) ここにVx:真の容積(cm3),Va:容積(c
3),W:重量(g),ρ:発泡体密度(cm3)であ
る。
【0066】耐熱性の評価は次のようにして行なった。
押出発泡シート(板状発泡体)の押出の際の流れ方向及
び巾方向それぞれ長さ100mmの評価用サンプルを切
り出した。このサンプルを100℃〜140℃の温度範
囲で,一定の温度に設定したオーブン中で1時間加熱
し,寸法の変化が観察されない最高の温度を記録した。
これを表1及び表2に記載した。
【0067】耐薬品性の評価は次のようにして行なっ
た。押出発泡シート(板状発泡体)から長さ20mmの
サンプルを切り出し,薬品中に完全に浸漬し,溶解状態
を観察した。使用した薬品は2−ブタノン(関東化学製
鹿1級)とトルエン(関東化学製鹿1級)である。判定
の基準は,○;形状に変化なし,△;形状が崩れる,
×;完全に溶解するであり,これを表1及び表2に記載
した。
【0068】表1,表2によれば,実施例1〜9におけ
る押出発泡シートや発泡成形品は,気泡膜中の構造が特
定の構造を有し,発泡体密度が低く,独立気泡率が高
く,ポリスチレン単独(比較例1)の発泡体に比し,耐
熱性,耐薬品性に優れることが分かる。
【0069】これに対し,比較例2の発泡体は本発明に
かかる構造を有していないうえ,発泡体密度が高く,耐
熱性や耐薬品性に劣っている。また,比較例3は本発明
と同様の発泡体密度を有しているが,本発明にかかる構
造を有しておらず,また耐熱性,耐薬品性に劣ってい
る。
【0070】以上の記載より,実施例1〜9の押出発泡
シートや発泡成形品は,気泡膜がスチレン系樹脂(A)
とプロピレン系樹脂(B)とよりなる層状構造に形成さ
れており,nが4以上である。また,各押出発泡シート
は密度が0.03〜0.3g/cm3,各発泡成形品は
密度が0.5g/cm3以下,独立気泡率が30〜94
%であった。
【0071】このような物性,即ちポリプロピレン系樹
脂とポリスチレン系樹脂が多層構造を有しているため,
本例にかかる押出発泡シートや発泡成形品はポリプロピ
レン系樹脂の特徴である耐熱性に優れ,耐薬品性に優れ
ていると共に,スチレン系樹脂の本来有する優れた発泡
性,成形性,剛性を発揮することができる。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【発明の効果】本発明によれば,スチレン系樹脂本来の
優れた発泡性,成形性,剛性に加え,優れた耐熱性及び
耐薬品性を有するスチレン系樹脂発泡体及びその製造方
法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例における,(a)スチレン系樹脂発
泡体の断面説明図,(b)気泡膜の構造を示す部分説明
図。
【図2】実施形態例における,スチレン系樹脂発泡体よ
りなる発泡成形品の斜視図。
【図3】実施形態例における,実施例1にかかる押出発
泡シート中の気泡膜の構造を示す図面代用写真。
【符号の説明】
1...スチレン系樹脂発泡体, 10...気泡膜, 11...気泡,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 51/06 C08L 51/06 53/00 53/00 53/02 53/02 (72)発明者 内川 正剛 神奈川県川崎市川崎区夜光1−3−1 エ ー・アンド・エム スチレン株式会社内 Fターム(参考) 4F074 AA13B AA24A AA32A AB05 BA01 BA31 CA22 DA02 DA12 DA14 DA34 4J002 BB122 BB142 BC031 BC041 BC071 BC081 BC111 BN032 BP013 BP022 BP032 DE016 DE026 EA016 EB026 EB066 EQ016 ES006 EV286 FD326 GG01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系樹脂(A)とプロピレン系樹
    脂(B)とを含む樹脂組成物を発泡してなる発泡体にお
    いて,該発泡体内の気泡膜は上記スチレン系樹脂(A)
    とプロピレン系樹脂(B)とよりなる層状構造に形成さ
    れており,また,上記気泡膜を厚み方向の断面で見た時
    に,気泡膜の表面から引いた垂線がプロピレン系樹脂
    (B)と交差する数nが4以上であり,かつ発泡体の密
    度が0.5g/cm3以下であり,かつ独立気泡率が2
    0%以上であることを特徴とするスチレン系樹脂発泡
    体。
  2. 【請求項2】 請求項1において,JIS K 721
    0に準拠し,かつ測定温度200℃,荷重5kgの条件
    で測定した,上記スチレン系樹脂(A)とプロピレン系
    樹脂(B)とのメルトフローインデックスの比「MIp
    p/MIps」(ここにMIpsはスチレン系樹脂
    (A)のメルトフローインデックス,MIppはプロピ
    レン系樹脂(B)のメルトフローインデックスであ
    る。)が0.01〜20の範囲であり,かつ上記樹脂組
    成物は,上記スチレン系樹脂(A)50〜90重量部
    と,プロピレン系樹脂(B)10〜50重量部の合計1
    00重量部に対し,相溶化剤(C)1〜30重量部を添
    加してなることを特徴とするスチレン系樹脂発泡体。
  3. 【請求項3】 スチレン系樹脂(A)50〜90重量部
    と,プロピレン系樹脂(B)10〜50重量部の合計1
    00重量部に対し,相溶化剤(C)1〜30重量部を添
    加してなる樹脂組成物に発泡剤を添加混合し,該樹脂組
    成物を押出発泡することにより密度が0.01〜0.5
    g/cm3であるスチレン系樹脂発泡体を製造する方法
    であって,JIS K 7210に準拠し,かつ測定温
    度200℃,荷重5kgの条件で測定した,上記スチレ
    ン系樹脂(A)とプロピレン系樹脂(B)とのメルトフ
    ローインデックスの比「MIpp/MIps」が0.0
    1〜20の範囲であることを特徴とするスチレン系樹脂
    発泡体の製造方法。
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