JP2001059000A - 結晶形オリゴサッカライド誘導体 - Google Patents

結晶形オリゴサッカライド誘導体

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JP2001059000A
JP2001059000A JP23423299A JP23423299A JP2001059000A JP 2001059000 A JP2001059000 A JP 2001059000A JP 23423299 A JP23423299 A JP 23423299A JP 23423299 A JP23423299 A JP 23423299A JP 2001059000 A JP2001059000 A JP 2001059000A
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JP
Japan
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glucopyranosyl
bg5p
crystalline form
crystal form
aqueous solution
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Withdrawn
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JP23423299A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Matsuo
哲也 松尾
Yuji Fujita
勇二 藤田
Sanae Asakawa
早苗 浅川
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Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
Original Assignee
Wako Pure Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 α−アミラーゼ活性測定用の優れ
た基質であるBG5Pの純品を結晶形態として提供するこ
と。 【解決手段】 結晶形p-ニトロフェニル O-(6-O-
ベンジル)-α-D-グルコピラノシル-(1→4)-O-α-D-グル
コピラノシル-(1→4)-O-α-D-グルコピラノシル-(1→4)
-O-α-D-グルコピラノシル-(1→4)-α-D-グルコピラノ
シド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、α−アミラーゼ活性測
定用基質として有用な、結晶形非還元末端修飾オリゴサ
ッカライド誘導体に関する。
【0002】
【発明の背景】ヒト生体内の唾液、膵液、血液、尿等の
試料中のα−アミラーゼ活性の測定は、医学上の診断に
おいて重要である。例えば、膵炎、膵臓癌、耳下腺炎に
おいては、血液や尿中のα−アミラーゼ活性は通常の値
に比べて著しい上昇を示す。そのため、これら試料中の
α−アミラーゼ活性の測定は、このような疾患の診断、
予後判定等に極めて有用である。
【0003】α−アミラーゼ活性の測定方法について
は、これまで種々の方法が発表されているが、大別する
と、でんぷん、アミロース、アミロペクチン等の長鎖の
天然物及びその修飾物を使用する方法と、グルコース残
基数が3〜7個のオリゴサッカライド及びその誘導体を
使用する方法の2種に分けられる。これらの方法のう
ち、最近では、均一で構造の明確な基質、すなわち、還
元末端に発色基を有し、非還元末端グルコースの6位ま
たは4,6位を修飾したマルトオリゴサッカライド誘導
体を基質として用いる共役酵素法が汎用されている。こ
れらの基質は、α-グルコシダーゼ、β-グルコシダー
ゼ、グルコアミラーゼ等の共役酵素の基質とならず、し
かも、その検出は遊離してくる発色物質の量を測定する
ことにより行うことができるので、α−アミラーゼ活性
測定用基質としての有意性が特に高い。特に特開昭63-1
70393号公報,特開昭61-83195号公報等に記載された非
還元末端グルコースの6位のみを修飾したマルトオリゴ
サッカライド誘導体、中でもp-ニトロフェニル O-(6-O-
ベンジル)-α-D-グルコピラノシル-(1→4)-O-α-D-グル
コピラノシル-(1→4)-O-α-D-グルコピラノシル-(1→4)
-O-α-D-グルコピラノシル-(1→4)-α-D-グルコピラノ
シド(以下、BG5Pと略記する。)はα−アミラーゼの基
質としての反応性が高く、しかも保存安定性が優れてい
る等、きわめて完成度の高いα−アミラーゼ活性測定用
基質であるが、これまで結晶形態で得られたことがなか
った。そのため、製造品は凍結乾燥品であり、飛散しや
すく、取り扱いが難しかった。更に、その凍結乾燥品は
吸湿性が高いため、シロップ状に変化する場合があり、
その保存方法も問題となっていた。また、製造後の精製
は疎水又はゲルろ過クロマトグラフィー法等により行わ
れているが、不純物の除去を完全に行うことが困難であ
り再度精製せざるを得ない場合も多々あった。また、そ
の精製後の純度は、約99%であり、残り1%程度の不純
物を取り除くことは実際上不可能に近く、純品は得られ
ていない。
【0004】
【発明の解決すべき課題】本発明の解決すべき課題は、
上記した如き状況に鑑みなされたもので、α−アミラー
ゼ活性測定用の優れた基質であるBG5Pの純品を結晶形態
として提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、「下記式
[1]
【0006】で示される、結晶形BG5P」の発明である。
即ち、本発明者等は、BG5Pを結晶化するために鋭意研究
の結果、BG5P溶液を特定の条件下に保持することにより
結晶形BG5Pを容易に得ることができることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0007】本発明の結晶形BG5Pは、例えば、以下のよ
うにして製造される。即ち、60%以上、好ましくは、90
%以上の純度を有するBG5P、例えば、特開昭63-170393
号公報、特開平7-107987号公報等に記載の方法に従い得
られたものを、通常20〜40%、好ましくは20〜30%濃度
の水溶液とした後、通常-20〜-40℃、好ましくは-20〜-
30℃で完全に凍結させる。その後、当該凍結品を通常5
〜30℃、好ましくは10〜20℃で徐々に融解させ結晶を析
出させる。析出した結晶を濾取し乾燥させることによ
り、本発明の結晶形BG5Pが得られる。
【0008】本発明の結晶形BG5Pを製造する方法として
は上記したものが最も好ましいが、上記方法以外に、下
記方法によっても製造することが出来る。即ち、BG5Pを
飽和水溶液又は過飽和水溶液として、温度を下げ、結
晶を析出させる水溶液を乾固し、結晶を析出させる
水溶性溶媒を添加し、結晶を析出させる等の方法によっ
ても、本発明の結晶形BG5Pを得ることができる。具体的
には以下のようにして精製される。
【0009】60%以上、好ましくは、90%以上の純度
を有するBG5Pを、通常40〜100℃、好ましくは50〜70℃
で飽和水溶液又は過飽和水溶液とし、通常、10〜30℃で
好ましくは10〜20℃で徐々に温度を下げ、結晶を析出さ
せる。析出した結晶を濾取し乾燥させることにより、本
発明のBG5Pの結晶形態が得られる。
【0010】60%以上、好ましくは、90%以上の純度
を有するBG5Pを、通常20〜40℃、好ましくは20〜30℃で
飽和水溶液又は過飽和水溶液とし、例えば、減圧乾固等
の方法により、溶媒を気化し、結晶を析出させる。析出
した結晶を濾取し乾燥させることにより、本発明のBG5P
の結晶形態が得られる。
【0011】60%以上、好ましくは、90%以上の純度
を有するBG5Pを飽和水溶液又は過飽和水溶液とし、メタ
ノール、エタノール、アセトン等の水溶性溶媒を当該水
溶液に適宜添加し、結晶を析出させる。析出した結晶を
濾取し乾燥させることにより、本発明のBG5Pの結晶形態
が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
【実施例】実施例1.結晶形BG5Pの採取 特開昭63-170393号公報に記載された方法に従って得ら
れた精製BG5P(純度90%)を25%(W/W)水溶液となる
ように水に溶解し、当該水溶液を-20℃で完全に凍結さ
せた。その後、この凍結液を室温で徐々に融解し、放置
することにより、結晶形BG5Pを析出させた。更に、析出
した結晶をガラスフィルターで濾過、回収し、室温で真
空乾燥した。その結果、50gの精製BG5Pから、35gの結晶
形BG5P(純度99.9%以上)を取得する事が出来た。
【0013】参考例1.結晶形BG5PのX線回折 結晶形BG5Pを、以下の装置及び条件を用いて粉末X線回
折を行った。その結果を図1に示す。また、図1のピー
クの回折角度(2θ)、格子面間隔(d値)及び相対強
度の回折結果を表1に示す。 装置:RINT2500V縦型X線回折計(理学電機社製) 条件:線源;Cu Kα/40kV,50mA、走査速度;6゜/mi
n、走査範囲;3〜40゜、ステップ幅;0.02゜
【0014】
【表1】 この結果から、結晶形BG5Pは特徴的なピークパターンを
示し、多数の回折線が認められ、結晶性の粉末であるこ
とが確認された。
【0015】参考例2.結晶形BG5Pの融点の測定 結晶形BG5Pの示差熱熱重量同時測定 結晶形BG5Pの融点を測定するに際し、まず、結晶形BG5P
の未粉砕品について示差熱(以下、DTAと略記する)及
び熱重量(以下、TGと略記する)を、下記の条件で測定
した。 装置:TG/DTA220示差熱熱重量同時測定装置(セイコー
電子社製) 条件:試料量;約7mg、使用容器;カバーなしアルミ容
器、測定温度範囲;26〜350℃、昇温速度;10℃/min、
雰囲気ドライ窒素ガス流量;100ml/min TG/DTAの測定結果を図2に示す。図2の結果から約237
℃付近に融解によると思われる吸熱ピークが確認され、
また、融解後分解に伴うTGの減量も認められた。
【0016】結晶形BG5Pの示差走査熱量計による融解
温度の測定 次に、結晶形BG5Pの未粉砕品について、下記の条件で示
差走査熱(以下、DSCと略記する)の測定を行った。 装置:DSC220C示差走査熱量計(セイコー電子社製) 条件:試料量;約7mg、使用容器;針穴あきカバーアル
ミ容器、測定温度範囲;23〜270℃、昇温速度;5℃/mi
n、雰囲気ドライ窒素ガス流量;50ml/min その結果を、図3に示す。図3の結果から融解開始温度
は約216℃、融解終了温度は約242℃と推定された。
【0017】結晶形BG5Pの融点の測定 の結果から、融点の測定における温度範囲を210℃
から240℃とし、昇温速度を局方収載の1℃/minに合わ
せて、結晶形BG5Pの粉砕品について、下記の装置で本品
の融点測定を行った。尚、局方の試験に準じて本品を粉
砕して融点を測定したが、デシケーターによる24時間乾
燥は毛細管に詰める間に再び吸湿する事が考えられるた
め省略した。 装置:FP-81HT型自動融点測定装置(メトラー社製) 条件:測定温度範囲;210〜240℃、昇温速度1℃/min 測定結果を表2に示す。
【0018】
【表2】
【0019】表2より、結晶形BG5Pの粉砕品の融点は、
223.7℃であることが判った。
【0020】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明は、純品であ
る結晶形BG5Pを提供するものであり、これを用いること
により、従来からの問題点であった、凍結乾燥品が吸湿
性が高いため、これを粉末のままで扱うのが難しく、且
つ、保存が難しい、という問題を解決し得ると共に、こ
れを種結晶として用いてBG5Pの精製を行えば、従来の精
製工程に於ける製造コストアップの主要因となってい
た、ゲル濾過クロマトグラフィーによる精製工程を省略
できるので、安価で且つ高品質のBG5Pを容易に製造し得
るようになるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】結晶形BG5Pを粉末X線回折したときの、ピーク
回折角度に於ける強度を表した図である。
【図2】26〜350℃に於ける結晶形BG5Pの未粉砕品の示
差熱及び熱重量を表した図である。
【図3】23〜270℃に於ける結晶形BG5Pの粉砕品の示差
走査熱を表した図である。
【符号の説明】
図2に於いて、−●−は結晶形BG5Pの未粉砕品の熱重量
を、−×−結晶形BG5Pの未粉砕品の示差熱を夫々示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶形p-ニトロフェニル O-(6-O-ベンジ
    ル)-α-D-グルコピラノシル-(1→4)-O-α-D-グルコピラ
    ノシル-(1→4)-O-α-D-グルコピラノシル-(1→4)-O-α-
    D-グルコピラノシル-(1→4)-α-D-グルコピラノシド。
  2. 【請求項2】粉末X線回折法において、面間隔 16.35、
    10.62、6.83、6.13、5.31、4.91、4.63、4.52、4.29、
    4.19、4.03、及び3.80オングストロームに主ピークを示
    す回析パターンを有する、請求項1記載の結晶形p-ニト
    ロフェニル O-(6-O-ベンジル)-α-D-グルコピラノシル-
    (1→4)-O-α-D-グルコピラノシル-(1→4)-O-α-D-グル
    コピラノシル-(1→4)-O-α-D-グルコピラノシル-(1→4)
    -α-D-グルコピラノシド。
  3. 【請求項3】融点が223.7℃である、請求項1又は2に
    記載の結晶形p-ニトロフェニル O-(6-O-ベンジル)-α-D
    -グルコピラノシル-(1→4)-O-α-D-グルコピラノシル-
    (1→4)-O-α-D-グルコピラノシル-(1→4)-O-α-D-グル
    コピラノシル-(1→4)-α-D-グルコピラノシド。
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