JP2001058897A - 単結晶製造装置 - Google Patents
単結晶製造装置Info
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- JP2001058897A JP2001058897A JP11235737A JP23573799A JP2001058897A JP 2001058897 A JP2001058897 A JP 2001058897A JP 11235737 A JP11235737 A JP 11235737A JP 23573799 A JP23573799 A JP 23573799A JP 2001058897 A JP2001058897 A JP 2001058897A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 CZ法によって育成される単結晶を上端部で
機械的に保持して引上げる際のワイヤの振れを防止す
る。 【解決手段】 育成結晶40を、複数本の保持ワイヤ
8,8に吊られた保持器7で上端部を把持してプルチャ
ンバ2内に引上げる。プルチャンバ2内の周方向複数位
置に、リング状に組み合わされる弧状の振れ止め片11
を設ける。複数の振れ止め片11,11・・は半径方向
に駆動され、内側へ進出した状態で、保持ワイヤ8,8
が内接する円形のガイド面13を形成し、保持ワイヤ
8,8の振れの発生を阻止する。内側を育成結晶40が
通過するときは、その通過を阻害しない位置まで外側に
退避する。
機械的に保持して引上げる際のワイヤの振れを防止す
る。 【解決手段】 育成結晶40を、複数本の保持ワイヤ
8,8に吊られた保持器7で上端部を把持してプルチャ
ンバ2内に引上げる。プルチャンバ2内の周方向複数位
置に、リング状に組み合わされる弧状の振れ止め片11
を設ける。複数の振れ止め片11,11・・は半径方向
に駆動され、内側へ進出した状態で、保持ワイヤ8,8
が内接する円形のガイド面13を形成し、保持ワイヤ
8,8の振れの発生を阻止する。内側を育成結晶40が
通過するときは、その通過を阻害しない位置まで外側に
退避する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CZ法を用いた単
結晶製造装置に関し、更に詳しくは、育成結晶をその上
端部で機械的に保持して引上げる単結晶製造装置に関す
る。
結晶製造装置に関し、更に詳しくは、育成結晶をその上
端部で機械的に保持して引上げる単結晶製造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの製造に使用されるシリ
コンウエーハの素材としては、CZ法により製造された
シリコン単結晶が多用されている。CZ法によるシリコ
ン単結晶の製造では、周知の通り、引上げ軸の下端に保
持された種結晶を、坩堝内に形成されたシリコン融液に
漬け、この状態から引上げ軸を回転させながら上昇させ
ることにより、種結晶の下方にシリコンの単結晶を育成
する。
コンウエーハの素材としては、CZ法により製造された
シリコン単結晶が多用されている。CZ法によるシリコ
ン単結晶の製造では、周知の通り、引上げ軸の下端に保
持された種結晶を、坩堝内に形成されたシリコン融液に
漬け、この状態から引上げ軸を回転させながら上昇させ
ることにより、種結晶の下方にシリコンの単結晶を育成
する。
【0003】ここで種結晶は、シリコン単結晶からなる
直径が10数mm程度の細い棒体であり、上部が種ホル
ダーに連結され、下部がシリコン融液に浸漬される。こ
のような種結晶を高温のシリコン融液に浸漬すると、熱
衝撃により転位が導入されるため、種結晶をシリコン融
液に浸漬した後に種結晶の直径を絞り、しばらくの間こ
の状態を維持して結晶の無転位化を図る、いわゆる種絞
りが実施される。種絞り部の直径は無転位化の点から5
mm以下が必要とされ、3mm以下が望ましいとされて
いる。
直径が10数mm程度の細い棒体であり、上部が種ホル
ダーに連結され、下部がシリコン融液に浸漬される。こ
のような種結晶を高温のシリコン融液に浸漬すると、熱
衝撃により転位が導入されるため、種結晶をシリコン融
液に浸漬した後に種結晶の直径を絞り、しばらくの間こ
の状態を維持して結晶の無転位化を図る、いわゆる種絞
りが実施される。種絞り部の直径は無転位化の点から5
mm以下が必要とされ、3mm以下が望ましいとされて
いる。
【0004】一方、CZ法によって製造されるシリコン
単結晶は、これまでは直径が8インチで重量が100k
g前後のものが主流であった。しかし、最近になって単
結晶の更なる大径化が進み、直径が12インチのシリコ
ン単結晶の試験製造も始まっている。
単結晶は、これまでは直径が8インチで重量が100k
g前後のものが主流であった。しかし、最近になって単
結晶の更なる大径化が進み、直径が12インチのシリコ
ン単結晶の試験製造も始まっている。
【0005】単結晶の直径が大きくなると、その重量は
飛躍的に増え、直径が12インチの場合で重量は200
〜300kgに達する。この重量は、単結晶の上端部に
位置し且つ最小径部である種絞り部に最も集中すること
になるが、シリコンの破壊強度は20kg/mm2 程度
であるため、200kgのシリコン単結晶でさえこれを
確実に保持するためには少なく見積もっても5mmを超
える直径が種絞り部に必要になる。従って、結晶保持の
点からは、12インチ単結晶の安定な引上げは不可能と
いうことなる。
飛躍的に増え、直径が12インチの場合で重量は200
〜300kgに達する。この重量は、単結晶の上端部に
位置し且つ最小径部である種絞り部に最も集中すること
になるが、シリコンの破壊強度は20kg/mm2 程度
であるため、200kgのシリコン単結晶でさえこれを
確実に保持するためには少なく見積もっても5mmを超
える直径が種絞り部に必要になる。従って、結晶保持の
点からは、12インチ単結晶の安定な引上げは不可能と
いうことなる。
【0006】この矛盾を解消するとりわけ有効な技術の
一つとして、種絞り部に依存しない結晶保持引上げがあ
る。特公平5−65477号公報等に記載されているこ
の技術では、図7に示すように、シードチャック6に装
着された種結晶を原料融液50に浸漬して種絞りを行っ
た後、単結晶40の種絞り部41の下に、種絞り部41
より大径で且つ機械的な保持が可能な被係止部42を形
成し、その下に従来どおりの本体部43を形成する。被
係止部42が形成されると、この被係止部42を保持器
7で把持し、この状態で保持器7を引上げ軸5と同期し
て回転させながら上昇させることにより、単結晶40を
機械的に保持しつつ引上げる。保持器7は、回転引上げ
のために、引上げ軸5の周囲に対称的に配置された複数
本の保持ワイヤ8,8に吊り下げられている。
一つとして、種絞り部に依存しない結晶保持引上げがあ
る。特公平5−65477号公報等に記載されているこ
の技術では、図7に示すように、シードチャック6に装
着された種結晶を原料融液50に浸漬して種絞りを行っ
た後、単結晶40の種絞り部41の下に、種絞り部41
より大径で且つ機械的な保持が可能な被係止部42を形
成し、その下に従来どおりの本体部43を形成する。被
係止部42が形成されると、この被係止部42を保持器
7で把持し、この状態で保持器7を引上げ軸5と同期し
て回転させながら上昇させることにより、単結晶40を
機械的に保持しつつ引上げる。保持器7は、回転引上げ
のために、引上げ軸5の周囲に対称的に配置された複数
本の保持ワイヤ8,8に吊り下げられている。
【0007】被係止部42は、チャック機構による機械
的な保持のために、通常は上部が太く、下部が細い形状
とされ、下の細い部分でも、その外径は種絞り径より十
分に大きく設定される。上の太い部分は、ノブ形状に類
似し、その下の部分はくびれていることから、この被係
止部42はノブ部或いはくびれ部と呼ばれている。以下
の説明では、この被係止部をくびれ部と称する。
的な保持のために、通常は上部が太く、下部が細い形状
とされ、下の細い部分でも、その外径は種絞り径より十
分に大きく設定される。上の太い部分は、ノブ形状に類
似し、その下の部分はくびれていることから、この被係
止部42はノブ部或いはくびれ部と呼ばれている。以下
の説明では、この被係止部をくびれ部と称する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、CZ法によ
るシリコン単結晶の製造では、単結晶の育成途中に引上
げ軸である引上げワイヤが振れる危険性がある。これは
ワイヤが回転していることに起因する現象であり、ワイ
ヤ長l(m)が数式1の共振回転数R(rpm)を満足
する時点で振れの可能性が大となる。
るシリコン単結晶の製造では、単結晶の育成途中に引上
げ軸である引上げワイヤが振れる危険性がある。これは
ワイヤが回転していることに起因する現象であり、ワイ
ヤ長l(m)が数式1の共振回転数R(rpm)を満足
する時点で振れの可能性が大となる。
【0009】
【数1】R=29.9/l1/2
【0010】即ち、単結晶の育成時、引上げワイヤは所
定の回転数で回転しているが、ワイヤ長は育成の進行に
伴って短くなる。このため、育成途中で数式1が満足さ
れることになり、このとき引上げワイヤが大きく振れる
のである。この振れは必ず発生するわけではないが、数
式1が満足されるときに振動等の外乱が加わると振れが
始まり、育成途中の単結晶に有転位化を発生させる大き
な原因となる。
定の回転数で回転しているが、ワイヤ長は育成の進行に
伴って短くなる。このため、育成途中で数式1が満足さ
れることになり、このとき引上げワイヤが大きく振れる
のである。この振れは必ず発生するわけではないが、数
式1が満足されるときに振動等の外乱が加わると振れが
始まり、育成途中の単結晶に有転位化を発生させる大き
な原因となる。
【0011】種絞り部に依存しない結晶保持引上げの場
合、保持器が複数本の保持ワイヤに吊り下げられている
ため、通常の育成の場合と同様にこのワイヤの振れが大
きな問題となる。通常育成での引上げ軸の振れに対して
は、特開昭63−170297号公報に記載されている
ように、アーム状の振れ止め治具を引上げ軸に接触させ
るのが有効である。しかし、種絞り部に依存しない結晶
保持引上げでのワイヤの振れに対しては、有効な対策が
存在しないのが実情である。
合、保持器が複数本の保持ワイヤに吊り下げられている
ため、通常の育成の場合と同様にこのワイヤの振れが大
きな問題となる。通常育成での引上げ軸の振れに対して
は、特開昭63−170297号公報に記載されている
ように、アーム状の振れ止め治具を引上げ軸に接触させ
るのが有効である。しかし、種絞り部に依存しない結晶
保持引上げでのワイヤの振れに対しては、有効な対策が
存在しないのが実情である。
【0012】即ち、通常の育成では引上げ軸が定位置で
回転しつつ上昇するが、保持器を吊り下げる複数本の保
持ワイヤは、引上げ軸の周囲に対称的に配置され、引上
げ軸の周囲を引上げ軸と同期して旋回しながら上昇す
る。この保持ワイヤの旋回による位置変化のため、特開
昭63−170297号公報に記載されているようなア
ーム状の振れ止め治具は、保持器を吊り下げる複数本の
保持ワイヤはもとより、その内側に位置する引上げ軸に
対しても、保持ワイヤが障害物となることから、適用が
不可能である。
回転しつつ上昇するが、保持器を吊り下げる複数本の保
持ワイヤは、引上げ軸の周囲に対称的に配置され、引上
げ軸の周囲を引上げ軸と同期して旋回しながら上昇す
る。この保持ワイヤの旋回による位置変化のため、特開
昭63−170297号公報に記載されているようなア
ーム状の振れ止め治具は、保持器を吊り下げる複数本の
保持ワイヤはもとより、その内側に位置する引上げ軸に
対しても、保持ワイヤが障害物となることから、適用が
不可能である。
【0013】このため、種絞り部に依存しない結晶保持
引上げでは、ワイヤの振れによる引上げ歩留りの低下が
大きな問題となる。
引上げでは、ワイヤの振れによる引上げ歩留りの低下が
大きな問題となる。
【0014】本発明の目的は、種絞り部に依存しない結
晶保持引上げにおいてワイヤの振れを効果的に制止でき
る生産性に優れた単結晶製造装置を提供することにあ
る。
晶保持引上げにおいてワイヤの振れを効果的に制止でき
る生産性に優れた単結晶製造装置を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の単結晶製造装置は、引上げ軸の下端に連結
された種結晶の下方に単結晶を育成するCZ法による結
晶育成手段と、引上げ軸の周囲に配置された複数本の保
持ワイヤに懸吊された保持器により、育成結晶をその上
端部で機械的に保持して引上げる結晶保持手段と、複数
本の保持ワイヤの振れを機械的に制止する振れ止め手段
とを備えており、振れ止め手段は次の3種類である。
に、本発明の単結晶製造装置は、引上げ軸の下端に連結
された種結晶の下方に単結晶を育成するCZ法による結
晶育成手段と、引上げ軸の周囲に配置された複数本の保
持ワイヤに懸吊された保持器により、育成結晶をその上
端部で機械的に保持して引上げる結晶保持手段と、複数
本の保持ワイヤの振れを機械的に制止する振れ止め手段
とを備えており、振れ止め手段は次の3種類である。
【0016】第1の振れ止め手段は、引上げ結晶を収容
するチャンバ内の周方向複数箇所に径方向に移動可能に
設けられ、内側を引上げ結晶が通過するように外側へ退
避すると共に、内側へ進出した状態で複数本の保持ワイ
ヤが内接する円形のガイド面を形成するよう組み合わさ
れる複数の振れ止め片からなる。
するチャンバ内の周方向複数箇所に径方向に移動可能に
設けられ、内側を引上げ結晶が通過するように外側へ退
避すると共に、内側へ進出した状態で複数本の保持ワイ
ヤが内接する円形のガイド面を形成するよう組み合わさ
れる複数の振れ止め片からなる。
【0017】第2の振れ止め手段は、引上げ結晶を収容
するチャンバ内に昇降可能に配置され、内側を複数本の
保持ワイヤが挿通し、内周面を複数本の保持ワイヤが内
接する円形のガイド面とすると共に、下方からシードチ
ャック及び/又は保持器が当接した後はシードチャック
及び/又は保持器の上昇に伴って上昇する環状の振れ止
め部材からなる。
するチャンバ内に昇降可能に配置され、内側を複数本の
保持ワイヤが挿通し、内周面を複数本の保持ワイヤが内
接する円形のガイド面とすると共に、下方からシードチ
ャック及び/又は保持器が当接した後はシードチャック
及び/又は保持器の上昇に伴って上昇する環状の振れ止
め部材からなる。
【0018】第3の振れ止め手段は、引上げ結晶を収容
するチャンバ内に昇降可能かつ回転可能に配置され、複
数本の保持ワイヤを昇降可能に貫通させてこれらを径方
向で位置決めすると共に、複数本の保持ワイヤの旋回に
伴って回転し、下方からシードチャック及び/又は保持
器が当接した後はシードチャック及び/又は保持器と共
に回転及び上昇を行う回転式の振れ止め部材からなる。
するチャンバ内に昇降可能かつ回転可能に配置され、複
数本の保持ワイヤを昇降可能に貫通させてこれらを径方
向で位置決めすると共に、複数本の保持ワイヤの旋回に
伴って回転し、下方からシードチャック及び/又は保持
器が当接した後はシードチャック及び/又は保持器と共
に回転及び上昇を行う回転式の振れ止め部材からなる。
【0019】いずれの振れ止め手段も、引上げ軸の周囲
を旋回しながら育成結晶を引上げる複数本の保持ワイヤ
の旋回を阻害せず、また保持ワイヤによる育成結晶の引
上げを阻害することなく、保持ワイヤの振れを問題のな
い範囲内に制止することができる。
を旋回しながら育成結晶を引上げる複数本の保持ワイヤ
の旋回を阻害せず、また保持ワイヤによる育成結晶の引
上げを阻害することなく、保持ワイヤの振れを問題のな
い範囲内に制止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明の第1実施形態を示す
単結晶製造装置の概略構成図、図2は同単結晶製造装置
に使用されている振れ止め手段の平面図である。
基づいて説明する。図1は本発明の第1実施形態を示す
単結晶製造装置の概略構成図、図2は同単結晶製造装置
に使用されている振れ止め手段の平面図である。
【0021】第1実施形態の単結晶製造装置は、第1の
振れ止め手段を備えた単結晶製造装置の一例であり、シ
リコンの単結晶40を育成する。この単結晶製造装置
は、図1に示すように、単結晶40を育成するためのホ
ットゾーンを収容するメインチャンバ1と、育成される
単結晶40を収容するためにその上に連結されたプルチ
ャンバ2と、プルチャンバ2の中間部に設けられた第1
の振れ止め手段10とを備えている。
振れ止め手段を備えた単結晶製造装置の一例であり、シ
リコンの単結晶40を育成する。この単結晶製造装置
は、図1に示すように、単結晶40を育成するためのホ
ットゾーンを収容するメインチャンバ1と、育成される
単結晶40を収容するためにその上に連結されたプルチ
ャンバ2と、プルチャンバ2の中間部に設けられた第1
の振れ止め手段10とを備えている。
【0022】メインチャンバ1内の中心部には、原料融
液50を保持する坩堝3が配置されている。坩堝3は、
内側の石英坩堝を外側の黒鉛坩堝で保持する2重構造で
ある。この坩堝3は、ペディスタルと呼ばれる支持軸の
上に支持されている。支持軸は、坩堝3の回転及び昇降
のために軸方向及び周方向に駆動される。坩堝3の外側
には、環状のヒータなどが配置されている。
液50を保持する坩堝3が配置されている。坩堝3は、
内側の石英坩堝を外側の黒鉛坩堝で保持する2重構造で
ある。この坩堝3は、ペディスタルと呼ばれる支持軸の
上に支持されている。支持軸は、坩堝3の回転及び昇降
のために軸方向及び周方向に駆動される。坩堝3の外側
には、環状のヒータなどが配置されている。
【0023】一方、プルチャンバ2の上方には、引上げ
軸5及び保持器7の回転及び引上げを行う回転引上げ機
構4が設けられている。引上げ軸5は、回転引上げ機構
4からプルチャンバ2内に垂下されたワイヤである。こ
のワイヤは保持器7内を挿通し、下端にシードチャック
6を支持する。保持器7は、単結晶40の上端部に形成
されたくびれ部42を把持するチャック機構を内蔵し、
回転引上げ機構4からプルチャンバ2内に垂下された2
本の保持ワイヤ8,8に吊り下げられている。保持ワイ
ヤ8,8は、引上げ軸5を挟んで対称的に配置されてい
る。
軸5及び保持器7の回転及び引上げを行う回転引上げ機
構4が設けられている。引上げ軸5は、回転引上げ機構
4からプルチャンバ2内に垂下されたワイヤである。こ
のワイヤは保持器7内を挿通し、下端にシードチャック
6を支持する。保持器7は、単結晶40の上端部に形成
されたくびれ部42を把持するチャック機構を内蔵し、
回転引上げ機構4からプルチャンバ2内に垂下された2
本の保持ワイヤ8,8に吊り下げられている。保持ワイ
ヤ8,8は、引上げ軸5を挟んで対称的に配置されてい
る。
【0024】プルチャンバ2の中間部に設けられた第1
の振れ止め手段10は、図2に示すように、プルチャン
バ2内の周方向複数箇所(図では4箇所)に配置された
複数個の振れ止め片11,11・・により構成されてい
る。複数個の振れ止め片11,11・・は、略円形に組
み合わされる弧状部材であり、プルチャンバ2の外側に
設けられた駆動機構12,12・・により半径方向に同
期駆動され、内側に駆動された状態では、保持ワイヤ
8,8の旋回円に沿ったガイドリングを形成し、外側に
駆動された状態では、単結晶40の引上げを阻害しない
位置まで退避する。
の振れ止め手段10は、図2に示すように、プルチャン
バ2内の周方向複数箇所(図では4箇所)に配置された
複数個の振れ止め片11,11・・により構成されてい
る。複数個の振れ止め片11,11・・は、略円形に組
み合わされる弧状部材であり、プルチャンバ2の外側に
設けられた駆動機構12,12・・により半径方向に同
期駆動され、内側に駆動された状態では、保持ワイヤ
8,8の旋回円に沿ったガイドリングを形成し、外側に
駆動された状態では、単結晶40の引上げを阻害しない
位置まで退避する。
【0025】振れ止め片11,11・・が合体して形成
されるガイドリングの内面は、保持ワイヤ8,8が内接
する円形のガイド面13である。ガイド面13の直径
は、保持ワイヤ8,8の旋回円の直径とほぼ同じに設定
され、具体的には保持ワイヤ8,8の旋回円の直径をD
としてD±1mmが好ましい。
されるガイドリングの内面は、保持ワイヤ8,8が内接
する円形のガイド面13である。ガイド面13の直径
は、保持ワイヤ8,8の旋回円の直径とほぼ同じに設定
され、具体的には保持ワイヤ8,8の旋回円の直径をD
としてD±1mmが好ましい。
【0026】振れ止め片11,11・・の設置位置は、
前述の共振回転数を満足するワイヤ長のときに、そのワ
イヤ長のほぼ1/2のレベルに振れ止め片11,11・
・が位置するように設定されている。
前述の共振回転数を満足するワイヤ長のときに、そのワ
イヤ長のほぼ1/2のレベルに振れ止め片11,11・
・が位置するように設定されている。
【0027】各振れ止め片11の両端部は、保持ワイヤ
8,8が引っ掛からないように、外側へ丸く曲げられて
いる。
8,8が引っ掛からないように、外側へ丸く曲げられて
いる。
【0028】次に、第1実施形態の単結晶製造装置を使
用してシリコンの単結晶40を育成する方法について説
明する。
用してシリコンの単結晶40を育成する方法について説
明する。
【0029】メインチャンバ1内及びプルチャンバ2内
を所定の雰囲気に保持した状態で、坩堝3内にシリコン
の原料融液50を形成する。次いで、シードチャック6
に装着された種結晶を原料融液50に漬け、この状態か
ら引上げ軸5を上昇させつつ回転させることにより種結
晶の下方にシリコンの単結晶40を育成する。単結晶4
0の育成中は、坩堝3を引上げ軸5と逆方向に回転させ
る。また、原料融液50の液面レベルを一定に維持する
ために、坩堝3を徐々に上昇させる。
を所定の雰囲気に保持した状態で、坩堝3内にシリコン
の原料融液50を形成する。次いで、シードチャック6
に装着された種結晶を原料融液50に漬け、この状態か
ら引上げ軸5を上昇させつつ回転させることにより種結
晶の下方にシリコンの単結晶40を育成する。単結晶4
0の育成中は、坩堝3を引上げ軸5と逆方向に回転させ
る。また、原料融液50の液面レベルを一定に維持する
ために、坩堝3を徐々に上昇させる。
【0030】単結晶40の育成では、先ず、種絞りを行
うべく、引上げ軸5の上昇速度等を制御する。種絞りが
終わると、その種絞り部41の下にくびれ部42を形成
する。くびれ部42の形成が終わると、引上げ速度を十
分に遅くし、くびれ部42の下に本体部43を形成す
る。このとき、保持器7はプルチャンバ2内に待機して
いる。
うべく、引上げ軸5の上昇速度等を制御する。種絞りが
終わると、その種絞り部41の下にくびれ部42を形成
する。くびれ部42の形成が終わると、引上げ速度を十
分に遅くし、くびれ部42の下に本体部43を形成す
る。このとき、保持器7はプルチャンバ2内に待機して
いる。
【0031】本体部13の形成がある程度進行すると、
保持器7を降下させる。この降下に伴って、保持器7内
に単結晶40のくびれ部42が下方から挿入される。く
びれ部42が保持器7内のチャック機構により把持され
と、保持器7の回転及び引上げを開始する。保持器7の
回転及び引上げは、引上げ軸5の回転及び引上げと同期
して行われる。これにより、単結晶40は保持器7によ
りくさび部42で機械的に保持されつつ引上げられる。
また、保持ワイヤ8,8は引上げ軸5と等速度で引上げ
軸5の周囲を旋回しながら上昇する。
保持器7を降下させる。この降下に伴って、保持器7内
に単結晶40のくびれ部42が下方から挿入される。く
びれ部42が保持器7内のチャック機構により把持され
と、保持器7の回転及び引上げを開始する。保持器7の
回転及び引上げは、引上げ軸5の回転及び引上げと同期
して行われる。これにより、単結晶40は保持器7によ
りくさび部42で機械的に保持されつつ引上げられる。
また、保持ワイヤ8,8は引上げ軸5と等速度で引上げ
軸5の周囲を旋回しながら上昇する。
【0032】保持器7の回転及び引上げが開始される
と、第1の振れ止め手段としての振れ止め片11,11
・・を後側の退避位置から内側の振れ止め位置へ移動さ
せ、ガイドリングを形成する。これにより、保持ワイヤ
8,8は、ガイドリングのガイド面13に案内されなが
ら、引上げ軸5の周囲を旋回する。振れ止め片11,1
1・・は、保持器7の動作開始前から内側の振れ止め位
置へ移動させておいてもよい。
と、第1の振れ止め手段としての振れ止め片11,11
・・を後側の退避位置から内側の振れ止め位置へ移動さ
せ、ガイドリングを形成する。これにより、保持ワイヤ
8,8は、ガイドリングのガイド面13に案内されなが
ら、引上げ軸5の周囲を旋回する。振れ止め片11,1
1・・は、保持器7の動作開始前から内側の振れ止め位
置へ移動させておいてもよい。
【0033】単結晶40の保持引上げが進行する過程
で、ワイヤ長が数式1の共振回転数を満足し、保持ワイ
ヤ8,8が振れ易い状態となるが、保持ワイヤ8,8は
ガイドリングのガイド面13で外側から拘束されている
ので、振れを生じず、仮に振れが発生しても大きな振れ
には至らない。従って、振れによる有転位化が防止され
る。特に、本実施形態では、ガイドリングは、共振回転
数を満足するワイヤ長のときに、そのワイヤ長のほぼ1
/2のレベルにあるので、この振れの発生を効果的に防
止できる。また、ガイドリングのガイド面13は、保持
ワイヤ8,8の旋回動作を何ら阻害しない。
で、ワイヤ長が数式1の共振回転数を満足し、保持ワイ
ヤ8,8が振れ易い状態となるが、保持ワイヤ8,8は
ガイドリングのガイド面13で外側から拘束されている
ので、振れを生じず、仮に振れが発生しても大きな振れ
には至らない。従って、振れによる有転位化が防止され
る。特に、本実施形態では、ガイドリングは、共振回転
数を満足するワイヤ長のときに、そのワイヤ長のほぼ1
/2のレベルにあるので、この振れの発生を効果的に防
止できる。また、ガイドリングのガイド面13は、保持
ワイヤ8,8の旋回動作を何ら阻害しない。
【0034】単結晶40の保持引上げが更に進み、単結
晶40が振れ止め片11,11・・に接近すると、振れ
止め片11,11・・を外側の退避位置へ移動させる。
これにより、振れ止め片11,11・・の内側を単結晶
40が通過する。従って、単結晶40の引上げが阻害さ
れない。
晶40が振れ止め片11,11・・に接近すると、振れ
止め片11,11・・を外側の退避位置へ移動させる。
これにより、振れ止め片11,11・・の内側を単結晶
40が通過する。従って、単結晶40の引上げが阻害さ
れない。
【0035】かくして、12インチの単結晶40につい
ても、ワイヤの振れによる有転位化を生じることなく高
歩留りで製造される。
ても、ワイヤの振れによる有転位化を生じることなく高
歩留りで製造される。
【0036】上記の育成方法では、振れの有無に関係な
く、ワイヤ長が共振回転数を満足する時期を含む所定期
間、振れ止め片11,11・・をガイドリングに組み合
わせたが、保持ワイヤ8,8の振れが発生した場合にの
み、その振れを検知してから振れ止め片11,11・・
をガイドリングに組み合わせて、その振れを制止するこ
とも可能である。
く、ワイヤ長が共振回転数を満足する時期を含む所定期
間、振れ止め片11,11・・をガイドリングに組み合
わせたが、保持ワイヤ8,8の振れが発生した場合にの
み、その振れを検知してから振れ止め片11,11・・
をガイドリングに組み合わせて、その振れを制止するこ
とも可能である。
【0037】一旦発生した振れを制止する場合は、振れ
の発生を阻止する場合よりも、大きな拘束力が必要とな
る。このため、ガイドリングのガイド面13の直径を保
持ワイヤ8,8の旋回円の直径より小さく設定して、振
れ止め片11,11・・で保持ワイヤ8,8を内側へ押
し込むのが良い。保持ワイヤ8,8は、振れ止め片1
1,11・・で内側へ押し込まれても、円形のガイド面
13による案内でスムーズに旋回を続ける。
の発生を阻止する場合よりも、大きな拘束力が必要とな
る。このため、ガイドリングのガイド面13の直径を保
持ワイヤ8,8の旋回円の直径より小さく設定して、振
れ止め片11,11・・で保持ワイヤ8,8を内側へ押
し込むのが良い。保持ワイヤ8,8は、振れ止め片1
1,11・・で内側へ押し込まれても、円形のガイド面
13による案内でスムーズに旋回を続ける。
【0038】図3は、振れ止め片11,11・・で保持
ワイヤ8,8を内側へ押し込んだ状態を模式的に示す。
この押し込みでは、押し込み時に保持ワイヤ8,8が内
側へ引かれるため、保持ワイヤ8,8による引上げ速度
が増大し、引上げ軸5による引上げ速度との間に差が生
じる。この引上げ速度差を回避するため、押し込み時に
は、保持ワイヤ8,8の巻き上げ速度vP を、引上げ軸
5の巻き上げ速度VPよりΔvP だけ低下させる必要が
ある。この速度補正量ΔvP は、数式2で表される。ま
た、この速度補正に関連して、保持ワイヤ8,8の巻き
上げ速度vP と引上げ軸5の巻き上げ速度VP を独立し
て制御できることが、回転引上げ機構4では必要とな
る。
ワイヤ8,8を内側へ押し込んだ状態を模式的に示す。
この押し込みでは、押し込み時に保持ワイヤ8,8が内
側へ引かれるため、保持ワイヤ8,8による引上げ速度
が増大し、引上げ軸5による引上げ速度との間に差が生
じる。この引上げ速度差を回避するため、押し込み時に
は、保持ワイヤ8,8の巻き上げ速度vP を、引上げ軸
5の巻き上げ速度VPよりΔvP だけ低下させる必要が
ある。この速度補正量ΔvP は、数式2で表される。ま
た、この速度補正に関連して、保持ワイヤ8,8の巻き
上げ速度vP と引上げ軸5の巻き上げ速度VP を独立し
て制御できることが、回転引上げ機構4では必要とな
る。
【0039】
【数2】
【0040】また、押し込み量ΔRは、保持ワイヤ8,
8の旋回円の直径をDとして(1/3〜2/3)Dが好
ましい。押し込み量ΔRが小さすぎると振れ止め効果が
少ない。押し込み量ΔRが大きすぎると、ワイヤ8,8
との接触抵抗か増大し、ワイヤ8,8の旋回を阻害する
おそれがある。
8の旋回円の直径をDとして(1/3〜2/3)Dが好
ましい。押し込み量ΔRが小さすぎると振れ止め効果が
少ない。押し込み量ΔRが大きすぎると、ワイヤ8,8
との接触抵抗か増大し、ワイヤ8,8の旋回を阻害する
おそれがある。
【0041】図4は本発明の第2実施形態を示す単結晶
製造装置の概略構成図、図5は同単結晶製造装置に使用
されている振れ止め手段の平面図である。
製造装置の概略構成図、図5は同単結晶製造装置に使用
されている振れ止め手段の平面図である。
【0042】第2実施形態の単結晶製造装置は、第2の
振れ止め手段を備えた単結晶製造装置の一例であり、第
1実施形態の単結晶製造装置とは、この振れ止め手段の
みが相違する。以下、振れ止め手段について説明し、他
の部分については、同一部分に同一番号を付して説明を
省略する。
振れ止め手段を備えた単結晶製造装置の一例であり、第
1実施形態の単結晶製造装置とは、この振れ止め手段の
みが相違する。以下、振れ止め手段について説明し、他
の部分については、同一部分に同一番号を付して説明を
省略する。
【0043】第2の振れ止め手段20は、プルチャンバ
2の中間部内に同心円状に配置された環状の振れ止め部
材により構成されている。環状の振れ止め部材20は、
プルチャンバ2内に昇降可能に挿入されている。この振
れ止め部材20は、プルチャンバ2内のガス流通を阻害
しないために、円形の内環21とその外側に同心円状に
配置された円形の外環22とを、放射状に配置された複
数本のスポーク23,23・・によって連結した構造に
なっている。
2の中間部内に同心円状に配置された環状の振れ止め部
材により構成されている。環状の振れ止め部材20は、
プルチャンバ2内に昇降可能に挿入されている。この振
れ止め部材20は、プルチャンバ2内のガス流通を阻害
しないために、円形の内環21とその外側に同心円状に
配置された円形の外環22とを、放射状に配置された複
数本のスポーク23,23・・によって連結した構造に
なっている。
【0044】内環21は、第1の振れ止め手段10であ
る振れ止め片11,11・・が形成するガイドリングに
対応するガイドリングであり、その内面を保持ワイヤ
8,8が内接する円形のガイド面24としている。ガイ
ド面24の直径は、保持ワイヤ8,8の旋回円の直径と
ほぼ同じに設定され、具体的には保持ワイヤ8,8の旋
回円の直径をDとしてD±1mmが好ましい。外環22
は、プルチャンバ2の内面をガイドとしてチャンバ内を
自由に昇降できるように設計され、複数本のスポーク2
3,23・・と共に内環21の支持部材を構成してい
る。
る振れ止め片11,11・・が形成するガイドリングに
対応するガイドリングであり、その内面を保持ワイヤ
8,8が内接する円形のガイド面24としている。ガイ
ド面24の直径は、保持ワイヤ8,8の旋回円の直径と
ほぼ同じに設定され、具体的には保持ワイヤ8,8の旋
回円の直径をDとしてD±1mmが好ましい。外環22
は、プルチャンバ2の内面をガイドとしてチャンバ内を
自由に昇降できるように設計され、複数本のスポーク2
3,23・・と共に内環21の支持部材を構成してい
る。
【0045】そして、この振れ止め部材20は、プルチ
ャンバ2の内面に取付けられた環状のストッパ25上に
載置されることにより、保持器7が下方から当接するま
ではプルチャンバ2内の定位置に保持され、当接後は保
持器7によって上方へ押し上げられるようになってい
る。
ャンバ2の内面に取付けられた環状のストッパ25上に
載置されることにより、保持器7が下方から当接するま
ではプルチャンバ2内の定位置に保持され、当接後は保
持器7によって上方へ押し上げられるようになってい
る。
【0046】振れ止め部材20の保持位置は、第1の振
れ止め手段10である振れ止め片11,11・・の設置
位置と同様、前述の共振回転数を満足するワイヤ長のと
きに、そのワイヤ長のほぼ1/2のレベルに振れ止め部
材20が位置するように設定されている。
れ止め手段10である振れ止め片11,11・・の設置
位置と同様、前述の共振回転数を満足するワイヤ長のと
きに、そのワイヤ長のほぼ1/2のレベルに振れ止め部
材20が位置するように設定されている。
【0047】なお、振れ止め部材20の周方向の回転運
動については、この運動を意図的に行わしめるものでは
ないが、保持ワイヤ8,8の旋回に追従して回転した
り、保持器7の当接後に保持器7の回転に追従して回転
したりすることを阻止する必要もない。
動については、この運動を意図的に行わしめるものでは
ないが、保持ワイヤ8,8の旋回に追従して回転した
り、保持器7の当接後に保持器7の回転に追従して回転
したりすることを阻止する必要もない。
【0048】環状の振れ止め部材20を使用する場合
も、振れ止め片11,11・・を使用する場合と同様、
単結晶40は育成途中から、保持器7によりくさび部4
2で機械的に保持されつつ引上げられる。保持器7を吊
り下げる保持ワイヤ8,8は、振れ止め部材20のガイ
ド面24に案内されながら、引上げ軸5の周囲を旋回す
る。
も、振れ止め片11,11・・を使用する場合と同様、
単結晶40は育成途中から、保持器7によりくさび部4
2で機械的に保持されつつ引上げられる。保持器7を吊
り下げる保持ワイヤ8,8は、振れ止め部材20のガイ
ド面24に案内されながら、引上げ軸5の周囲を旋回す
る。
【0049】単結晶40の保持引上げが進行する過程
で、ワイヤ長が数式1の共振回転数を満足し、保持ワイ
ヤ8,8が振れ易い状態となるが、保持ワイヤ8,8は
振れ止め部材20のガイド面24で外側から拘束されて
いるので、振れを生じず、仮に振れが発生しても大きな
振れには至らない。従って、振れによる有転位化が防止
される。特に、本実施形態では、振れ止め部材20は、
共振回転数を満足するワイヤ長のときに、そのワイヤ長
のほぼ1/2のレベルに保持されているので、この振れ
の発生を効果的に防止できる。また、振れ止め部材20
のガイド面24は、保持ワイヤ8,8の旋回動作を何ら
阻害しない。
で、ワイヤ長が数式1の共振回転数を満足し、保持ワイ
ヤ8,8が振れ易い状態となるが、保持ワイヤ8,8は
振れ止め部材20のガイド面24で外側から拘束されて
いるので、振れを生じず、仮に振れが発生しても大きな
振れには至らない。従って、振れによる有転位化が防止
される。特に、本実施形態では、振れ止め部材20は、
共振回転数を満足するワイヤ長のときに、そのワイヤ長
のほぼ1/2のレベルに保持されているので、この振れ
の発生を効果的に防止できる。また、振れ止め部材20
のガイド面24は、保持ワイヤ8,8の旋回動作を何ら
阻害しない。
【0050】単結晶40の保持引上げが更に進み、保持
器7が下方から振れ止め部材20に当接した後は、保持
器7によって振れ止め部材20が上方へ押し上げられ
る。このため、振れ止め部材20が単結晶40の引上げ
を阻害することはない。
器7が下方から振れ止め部材20に当接した後は、保持
器7によって振れ止め部材20が上方へ押し上げられ
る。このため、振れ止め部材20が単結晶40の引上げ
を阻害することはない。
【0051】かくして、本実施形態でも、12インチの
単結晶40がワイヤの振れによる有転位化を生じること
なく高歩留りで製造される。
単結晶40がワイヤの振れによる有転位化を生じること
なく高歩留りで製造される。
【0052】図6は本発明の第3実施形態の単結晶製造
装置に使用されている振れ止め手段の平面図である。
装置に使用されている振れ止め手段の平面図である。
【0053】第3実施形態の単結晶製造装置は、第3の
振れ止め手段を備えた単結晶製造装置の一例であり、第
2実施形態の単結晶製造装置とは、この振れ止め手段の
みが相違する。以下、振れ止め手段について説明し、他
の部分については、同一部分に同一番号を付して説明を
省略する。
振れ止め手段を備えた単結晶製造装置の一例であり、第
2実施形態の単結晶製造装置とは、この振れ止め手段の
みが相違する。以下、振れ止め手段について説明し、他
の部分については、同一部分に同一番号を付して説明を
省略する。
【0054】第3の振れ止め手段30は、プルチャンバ
2の中間部内に同心円状に配置された回転式の振れ止め
部材により構成されている。回転式の振れ止め部材30
は、プルチャンバ2内に昇降可能に且つ回転可能に挿入
された円板からなる。
2の中間部内に同心円状に配置された回転式の振れ止め
部材により構成されている。回転式の振れ止め部材30
は、プルチャンバ2内に昇降可能に且つ回転可能に挿入
された円板からなる。
【0055】振れ止め部材30の中心部には、引上げ軸
5が挿通される第1の小孔31が設けられており、第1
の小孔31を挟む対称位置には、保持ワイヤ8,8が挿
通される第2の小孔32,32が設けられている。ま
た、プルチャンバ2内のガス流通を阻害しないために、
振れ止め部材30には十分な広さの開口部33,33・
・が設けられている。第2の小孔32,32の直径は、
保持ワイヤ8,8の直径の+(0.2〜1mm)が好ま
しい。また、小孔32,32の中心間距離は、保持ワイ
ヤ8,8の中心間距離の±1mmが好ましい。
5が挿通される第1の小孔31が設けられており、第1
の小孔31を挟む対称位置には、保持ワイヤ8,8が挿
通される第2の小孔32,32が設けられている。ま
た、プルチャンバ2内のガス流通を阻害しないために、
振れ止め部材30には十分な広さの開口部33,33・
・が設けられている。第2の小孔32,32の直径は、
保持ワイヤ8,8の直径の+(0.2〜1mm)が好ま
しい。また、小孔32,32の中心間距離は、保持ワイ
ヤ8,8の中心間距離の±1mmが好ましい。
【0056】回転式の振れ止め部材30は、第2の振れ
止め手段である環状の振れ止め部材20と同様、プルチ
ャンバ2の内面に取付けられた環状のストッパ25(図
4参照)上に載置される。これにより、振れ止め部材3
0は、保持器7が下方から当接するまではプルチャンバ
2内の定位置に保持される。また、当接後は保持器7に
よって上方へ押し上げられつつ保持器7と同期して回転
する。
止め手段である環状の振れ止め部材20と同様、プルチ
ャンバ2の内面に取付けられた環状のストッパ25(図
4参照)上に載置される。これにより、振れ止め部材3
0は、保持器7が下方から当接するまではプルチャンバ
2内の定位置に保持される。また、当接後は保持器7に
よって上方へ押し上げられつつ保持器7と同期して回転
する。
【0057】振れ止め部材30の保持位置は、第2の振
れ止め手段である環状の振れ止め部材20と同様、前述
の共振回転数を満足するワイヤ長のときに、そのワイヤ
長のほぼ1/2のレベルに振れ止め部材20が位置する
ように設定されている。
れ止め手段である環状の振れ止め部材20と同様、前述
の共振回転数を満足するワイヤ長のときに、そのワイヤ
長のほぼ1/2のレベルに振れ止め部材20が位置する
ように設定されている。
【0058】回転式の振れ止め部材30を使用する場合
も、環状の振れ止め部材20を使用する場合と同様、単
結晶40は育成途中から、保持器7によりくさび部42
で機械的に保持されつつ引上げられる。このとき、振れ
止め部材30は、保持ワイヤ8,8の旋回に追従して同
期回転する。このため、振れ止め部材30は、保持ワイ
ヤ8,8の旋回動作を何ら阻害しない。
も、環状の振れ止め部材20を使用する場合と同様、単
結晶40は育成途中から、保持器7によりくさび部42
で機械的に保持されつつ引上げられる。このとき、振れ
止め部材30は、保持ワイヤ8,8の旋回に追従して同
期回転する。このため、振れ止め部材30は、保持ワイ
ヤ8,8の旋回動作を何ら阻害しない。
【0059】単結晶40の保持引上げが進行する過程
で、ワイヤ長が数式1の共振回転数を満足し、保持ワイ
ヤ8,8が振れ易い状態となるが、保持ワイヤ8,8は
振れ止め部材30の第2の小孔32,32内で拘束され
ているので、振れを生じず、仮に振れが発生しても大き
な振れには至らない。従って、振れによる有転位化が防
止される。特に、本実施形態では、振れ止め部材30
は、共振回転数を満足するワイヤ長のときに、そのワイ
ヤ長のほぼ1/2のレベルに保持されているので、この
振れの発生を効果的に防止できる。
で、ワイヤ長が数式1の共振回転数を満足し、保持ワイ
ヤ8,8が振れ易い状態となるが、保持ワイヤ8,8は
振れ止め部材30の第2の小孔32,32内で拘束され
ているので、振れを生じず、仮に振れが発生しても大き
な振れには至らない。従って、振れによる有転位化が防
止される。特に、本実施形態では、振れ止め部材30
は、共振回転数を満足するワイヤ長のときに、そのワイ
ヤ長のほぼ1/2のレベルに保持されているので、この
振れの発生を効果的に防止できる。
【0060】単結晶40の保持引上げが更に進み、保持
器7が下方から振れ止め部材30に当接した後は、保持
器7によって振れ止め部材30が上方へ押し上げられ、
且つ保持器7に追従して回転する。このため、振れ止め
部材30が単結晶40の引上げを阻害することはない。
器7が下方から振れ止め部材30に当接した後は、保持
器7によって振れ止め部材30が上方へ押し上げられ、
且つ保持器7に追従して回転する。このため、振れ止め
部材30が単結晶40の引上げを阻害することはない。
【0061】かくして、本実施形態でも、12インチの
単結晶40がワイヤの振れによる有転位化を生じること
なく高歩留りで製造される。
単結晶40がワイヤの振れによる有転位化を生じること
なく高歩留りで製造される。
【0062】これらの実施形態で各5本の12インチの
シリコン単結晶を育成したが、いずれの育成でも全長無
転位の引上げができ、いずれの振れ止め手段も有転位化
の防止に有効なことが確認された。ちなみに、振れ止め
手段を使用せずに5本の同じ育成を行った場合は、全長
無転位の引上げは5本中2本に過ぎなかった。
シリコン単結晶を育成したが、いずれの育成でも全長無
転位の引上げができ、いずれの振れ止め手段も有転位化
の防止に有効なことが確認された。ちなみに、振れ止め
手段を使用せずに5本の同じ育成を行った場合は、全長
無転位の引上げは5本中2本に過ぎなかった。
【0063】なお、第2実施形態及び第3実施形態で
は、それぞれの振れ止め部材の保持位置からの上昇(第
3実施形態では上昇及び回転)を保持器で行う構成とし
たが、シードチャックで行ってもよく、シードチャック
及び保持器の両方で行ってもよい。
は、それぞれの振れ止め部材の保持位置からの上昇(第
3実施形態では上昇及び回転)を保持器で行う構成とし
たが、シードチャックで行ってもよく、シードチャック
及び保持器の両方で行ってもよい。
【0064】
【発明の効果】以上に説明した通り、本発明の単結晶製
造装置は、種絞り部に依存しない結晶保持引上げにおい
て懸案の課題とされていたワイヤの振れを、保持ワイヤ
の旋回や保持ワイヤによる結晶引上げを阻害することな
く効果的に制止でき、これにより生産性を著しく高める
ことができる。
造装置は、種絞り部に依存しない結晶保持引上げにおい
て懸案の課題とされていたワイヤの振れを、保持ワイヤ
の旋回や保持ワイヤによる結晶引上げを阻害することな
く効果的に制止でき、これにより生産性を著しく高める
ことができる。
【図1】本発明の第1実施形態を示す単結晶製造装置の
概略構成図である。
概略構成図である。
【図2】同単結晶製造装置に装備されている第1の振れ
止め手段の平面図である。
止め手段の平面図である。
【図3】第1の振れ止め手段による保持ワイヤの押し込
みを示す模式図である。
みを示す模式図である。
【図4】本発明の第2実施形態を示す単結晶製造装置の
概略構成図である。
概略構成図である。
【図5】同単結晶製造装置に装備されている第2の振れ
止め手段の平面図である。
止め手段の平面図である。
【図6】本発明の第3実施形態の単結晶製造装置に装備
されている第3の振れ止め手段の平面図である。
されている第3の振れ止め手段の平面図である。
【図7】結晶保持引上げの説明図である。
3 坩堝 4 回転引上げ機構 5 引上げ軸 7 保持器 8 保持ワイヤ 9 チャック機構 10 第1の振れ止め手段 11 振れ止め片 20 第2の振れ止め手段(環状の振れ止め部材) 30 第3の振れ止め手段(回転式の振れ止め部材) 40 単結晶 42 くびれ部(被係止部) 50 原料融液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑原 眞則 佐賀県杵島郡江北町大字上小田2201番地 住友金属工業株式会社シチックス事業本部 内 Fターム(参考) 4G077 AA02 BA04 CF10 EG12 PG01
Claims (3)
- 【請求項1】 引上げ軸の下端に連結された種結晶の下
方に単結晶を育成するCZ法による結晶育成手段と、引
上げ軸の周囲に配置された複数本の保持ワイヤに懸吊さ
れた保持器により、育成結晶をその上端部で機械的に保
持して引上げる結晶保持手段と、複数本の保持ワイヤの
振れを機械的に制止する振れ止め手段とを備えており、 前記振れ止め手段は、引上げ結晶を収容するチャンバ内
の周方向複数箇所に径方向に移動可能に設けられ、内側
を引上げ結晶が通過するように外側へ退避すると共に、
内側へ進出した状態で複数本の保持ワイヤが内接する円
形のガイド面を形成するよう組み合わされる複数の振れ
止め片からなることを特徴とする単結晶製造装置。 - 【請求項2】 引上げ軸の下端に連結された種結晶の下
方に単結晶を育成するCZ法による結晶育成手段と、引
上げ軸の周囲に配置された複数本の保持ワイヤに懸吊さ
れた保持器により、育成結晶をその上端部で機械的に保
持して引上げる結晶保持手段と、複数本の保持ワイヤの
振れを機械的に制止する振れ止め手段とを備えており、 前記振れ止め手段は、引上げ結晶を収容するチャンバ内
に昇降可能に配置され、内側を複数本の保持ワイヤが挿
通し、内周面を複数本の保持ワイヤが内接する円形のガ
イド面とすると共に、下方からシードチャック及び/又
は保持器が当接した後はシードチャック及び/又は保持
器の上昇に伴って上昇する環状の振れ止め部材からなる
ことを特徴とする単結晶製造装置。 - 【請求項3】 引上げ軸の下端に連結された種結晶の下
方に単結晶を育成するCZ法による結晶育成手段と、引
上げ軸の周囲に配置された複数本の保持ワイヤに懸吊さ
れた保持器により、育成結晶をその上端部で機械的に保
持して引上げる結晶保持手段と、複数本の保持ワイヤの
振れを機械的に制止する振れ止め手段とを備えており、 前記振れ止め手段は、引上げ結晶を収容するチャンバ内
に昇降可能かつ回転可能に配置され、複数本の保持ワイ
ヤを昇降可能に貫通させてこれらを径方向で位置決めす
ると共に、複数本の保持ワイヤの旋回に伴って回転し、
下方からシードチャック及び/又は保持器が当接した後
はシードチャック及び/又は保持器と共に上昇及び回転
を行う回転式の振れ止め部材からなることを特徴とする
単結晶製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11235737A JP2001058897A (ja) | 1999-08-23 | 1999-08-23 | 単結晶製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11235737A JP2001058897A (ja) | 1999-08-23 | 1999-08-23 | 単結晶製造装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2001058897A true JP2001058897A (ja) | 2001-03-06 |
Family
ID=16990485
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP11235737A Pending JP2001058897A (ja) | 1999-08-23 | 1999-08-23 | 単結晶製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2001058897A (ja) |
-
1999
- 1999-08-23 JP JP11235737A patent/JP2001058897A/ja active Pending
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