JP2001058253A - 銅をクラッドしたアルミニウム成形品の製造方法 - Google Patents
銅をクラッドしたアルミニウム成形品の製造方法Info
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Abstract
−アルミニウム界面に金属間化合物の生成量を少なくし
た、生産性の高い銅クラッドアルミニウム成形品の製造
方法及びその製造方法によ半導体用ヒートシンクの提
供。 【解決手段】 金型2に銅板5をセットし、液相率10
〜80%の半溶融状態(固液共存状態)のアルミニウム
材6を圧入することによりアルミニウム成形品の成形と
同時に該成形品に銅をクラッドする銅クラッドアルミニ
ウム成形品の製造方法、及び該製造方法により基板に銅
をクラッドしたアルミニウムヒートシンク。
Description
品に銅をクラッドする際に、熱伝導率、導電率を低下さ
せるアルミニウムと銅との金属間化合物の生成量を少な
くする、銅をクラッドしたアルミニウム製品の製造方
法、及び特に該方法により製造された、各種電子機器、
電池、その他発熱体で排熱を必要とする装置、器具など
のための小型ヒートシンクに関する。
電子機器は、小型化、高密度化、高性能化により狭い空
間に多数の発熱素子などが組み込まれるため、これらが
発生する熱を発熱素子から強制的に排熱することが必要
となってきている。このためこれら電子機器にはヒート
シンクが組み込まれることが常態となっており、したが
って電子機器の小型化の障害とならない、小型で高性能
の強制空冷式ヒートシンクなどが必要となってきてい
る。これのヒートシンクはそのほとんどが熱伝導率が比
較的高く、価格が安く、加工性に優れ、軽量であるアル
ミニウム材を使用しているのが普通である。しかし、こ
れら半導体は高性能化のためクロック周波数の増加を必
要とし、これにより更なる半導体発熱量が増加すること
が予想されるので、アルミニウム単体製ヒートシンクよ
りも放熱効率(基板の熱伝導性)の良いヒートシンクが
必要となる。アルミニウム単体ヒートシンクでは、熱伝
導率が高いといっても不十分のために半導体が発生した
熱がヒートシンク基板全体に拡散せず、発熱部に近い放
熱フィンあるいは放熱ピン(以下これらを「放熱部」と
いう。)から局部的に放熱が行われる傾向にある。これ
では放熱効率が悪いことになり、半導体で発生した発熱
はヒートシンク放熱部全体から放熱するように基板の熱
伝導性を高めるような設計をする必要がある。そこでヒ
ートシンクの基板はアルミニウムよりも熱伝導性に優れ
た銅を用い、放熱部には金属加工がしやすいアルミニウ
ムとしたヒートシンクが好適と考えられる。
の加工方法による熱間鍛造では、放熱部の加工は可能で
あるが、銅とアルミニウムとの接合が殆ど不可能であ
る。またダイキャスト法による時は放熱部の成形と銅と
アルミニウムとの接合が同時にできると考えられるが、
アルミニウムが高温の溶湯なので、銅−アルミニウムの
界面に金属間化合物が多量に生成することが避けられな
かった。この金属間化合物は金属単体に比して熱伝導率
が低く、固くてもろいので、接合不良の原因となるだけ
でなく熱拡散の大きな障害となる。またダイキャスト用
合金は、添加元素の中でも熱伝導率を大きく低下させる
元素の一つであるけい素の含有量が多いので、この影響
によりヒートシンクの放熱性を低下させることになる。
以上はヒートシンクにおけるアルミニウムと銅との接合
の問題を説明したが、このヒートシンク以外にも熱伝導
率を高く維持したい銅を接合したアルミニウム成形品は
多数存在するが、これまで金属間化合物の生成量を極め
て低く抑えながら、効率的な接合方法(クラッド方法)
が見いだされていなかった。
ム成形品に銅をクラッドする場合に、銅−アルミニウム
界面に金属間化合物の生成量を少なくした、生産性の高
い銅をクラッドしたアルミニウム成形品の製造方法、特
にその製造方法により得られる半導体の冷却に好適なヒ
ートシンクに関する。
に、クラッドするための銅板をセットし、半溶融状態
(固液共存状態)のアルミニウム材を圧入することによ
りアルミニウム成形品の成形と同時に該成形品に銅をク
ラッドすることを特徴とする銅をクラッドしたアルミニ
ウム成形品の製造方法、[2] 半溶融状態(固液共存
状態)のアルミニウム材が、液相率10〜80%である
前記[1]に記載の銅をクラッドしたアルミニウム成形
品の製造方法、[3] ダイキャスト装置の金型に、ク
ラッドするための銅板をセットし、半溶融状態(固液共
存状態)のアルミニウムビレットを圧入することにより
アルミニウム成形品の成形と同時に該成形品に銅をクラ
ッドすることを特徴とする銅をクラッドしたアルミニウ
ム成形品の製造方法、
かに記載の銅をクラッドしたアルミニウム成形品の製造
方法により製造された、基板に銅をクラッドしたアルミ
ニウムヒートシンク、及び[5] アルミニウムが60
00番系または1000番系のアルミニウム合金材であ
る前記[4]に記載のアルミニウムヒートシンク、を開
発することにより、前記の課題を解決した。
イントは、あらかじめクラッドする銅の薄板を金型にイ
ンサートしておき、これに半溶融状態(固液共存状態)
のアルミニウム材を金型に圧入して成形するところにあ
り、アルミニウムの成形と同時に銅をクラッドすると共
に、その際に生成の避けられない金属間化合物の生成を
極めて小さく抑えることが可能となった点にある。通常
のダイキャスト法ではアルミニウムの溶湯を使うところ
を固液共存状態のアルミニウム材(ビレットの形状が有
利)を用いる点にある。以下説明の都合上、銅をクラッ
ドしたアルミニウム製半導体ヒートシンクについて説明
を行うが、半溶融状態(固液共存状態)のアルミニウム
材を使用して製造される銅をクラッドしたヒートシンク
以外のアルミニウム成形品への適用も当然本発明の範囲
に含まれるものである。
る金属板としては特に限定する必要はないが、ヒートシ
ンクにおいては銅、銀などアルミニウムに比して熱伝導
率の優れた金属を使用することが好ましい。なお導電性
を目的とする場合においてもアルミニウムに比して導電
性の優れた銅、銀をヒートシンクすることになろう。導
電性の場合においても金属間化合物は導電性及び物理的
強度に悪影響を与えることは明らかで、この生成量を極
力小さくすることが好ましいことは言うまでもない。本
発明の実施をするための装置としては、金型に銅板をセ
ットし、アルミニウム材を半溶融状態(固液共存状態)
で圧入できる装置であれば特に制限はないが、従来のダ
イキャスト装置装置をわずかの改造をすることによりそ
のまま使用可能である。
ニウム材としては、熱伝導率を低下させるチタンやけい
素などの少ないアルミニウム合金が好ましい。ダイキャ
スト用アルミニウム合金は熱伝導率を低下させるけい素
含有量が多いので使用は避けることが好ましい。熱伝導
率のよいアルミニウム成形品を目的とする時には、固液
共存領域が広い、6000系、1000系のアルミニウ
ム合金が好ましい。特に6063合金、1050純アル
ミニウムなどが、加工性、熱伝導率の面で優れた合金で
ある。本発明の実施において、アルミニウム材の半溶融
状態(固液共存状態)とは、液相率が10〜80%、好
ましくは20〜60%程度に加熱したアルミニウム材を
使用する。これはビレット状のアルミニウム材を使用す
れば操業が容易である。なおこの場合、アルミニウム材
の酸化を防止するため還元性雰囲気下、または現実的に
は窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うこと
が好ましい。
キャスト装置を用い、原料としてアルミニウムビレット
を使用したアルミニウムヒートシンクの作成について図
面に従い説明する。図1ないし4は本発明方法による銅
をクラッドしたアルミニウム成形品の製造方法の摸式図
である。ダイキャスト装置は、固定金型1及び移動金型
2からなる金型とプランジャー3を備えた湯口スリーブ
4からなっている。固定金型1には銅板5をセットする
ための凹部が加工されており、移動金型2にはヒートシ
ンクのピンあるいはフィン部が彫り込まれている。銅板
5として無酸素銅板を用いた。アルミニウム材としては
ダイキャスト装置用合金に比べて熱伝導率の良いA60
61合金を用いた。(A6061合金に限定する必要は
なく熱伝導率の良い合金であれば合金の種類は問わな
い。)加工時のプランジャー3の速度は1.0m/se
cとした。金型はすべてアルミニウム材の流れをよくす
るためにあらかじめ300℃に加熱しておいた。
型の凹部に加熱していない銅板をセットする。 (2)次に金型を閉じ、湯口スリーブ4にあらかじめ半
溶融温度(645℃)に加熱したアルミニウムビレット
6を挿入する。このビレット6の液相率は約40%とし
た。ただしアルミニウムビレット6の液相率は合金種に
よりその温度を異にするのでこの温度は事前にテストピ
ースを用いた実験により把握しておいた。 (3)ビレット6の圧入温度が低下するのを極力防止す
るために、ビレット6の投入と同時にプランジャー3を
湯口スリーブ4へ押し込んだ。 (4)加工終了後は移動金型2を移動させて銅をクラッ
ドしたアルミニウムヒートシンクを取り出す。の手順に
て容易に、生産性よく熱伝導率の良いアルミニウムヒー
トシンク成形品を加工できる。
ダイキャスト法による製造と異なり、銅板に接するアル
ミニウム材は半溶融状態(固液共存状態)であって、接
合は完全に行われるにもかかわらず、接触温度が低いた
め銅−アルミニウムの金属間化合物の生成量を大幅に抑
制することができる。また、半溶融状態にて成形するた
めダイキャストと異なり空気の巻き込みや凝固収縮によ
る空隙(ポア)が生ぜず、熱伝導率が低下しない。この
ため、本発明方法による銅クラッドアルミニウム成形品
は熱伝導率、導電率を低下させるアルミニウムと銅との
金属間化合物の生成量が少なく、各種電子機器、電池、
その他発熱体で排熱を必要とする装置、器具などのため
の熱拡散の良い小型ヒートシンクである。
形品を製造するため、金型に銅板をセットした状態。
ットを挿入した状態。
圧入した状態。
Claims (5)
- 【請求項1】 金型に、クラッドするための銅板をセッ
トし、半溶融状態(固液共存状態)のアルミニウム材を
圧入することによりアルミニウム成形品の成形と同時に
該成形品に銅をクラッドすることを特徴とする銅をクラ
ッドしたアルミニウム成形品の製造方法。 - 【請求項2】 半溶融状態(固液共存状態)のアルミニ
ウム材が、液相率10〜80%である請求項1に記載の
銅をクラッドしたアルミニウム成形品の製造方法。 - 【請求項3】 ダイキャスト装置の金型に、クラッドす
るための銅板をセットし、半溶融状態(固液共存状態)
のアルミニウムビレットを圧入することによりアルミニ
ウム成形品の成形と同時に該成形品に銅をクラッドする
ことを特徴とする銅をクラッドしたアルミニウム成形品
の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
の銅をクラッドしたアルミニウム成形品の製造方法によ
り製造された、基板に銅をクラッドしたアルミニウムヒ
ートシンク。 - 【請求項5】 アルミニウムが6000番系または10
00番系のアルミニウム合金材である請求項4に記載の
アルミニウムヒートシンク。
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JP11234149A JP2001058253A (ja) | 1999-08-20 | 1999-08-20 | 銅をクラッドしたアルミニウム成形品の製造方法 |
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JP (1) | JP2001058253A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004017480A (ja) * | 2002-06-17 | 2004-01-22 | Toyo Kohan Co Ltd | メタル接合体およびメタル接合体を用いた部品 |
JP2005150422A (ja) * | 2003-11-17 | 2005-06-09 | Sony Corp | 熱伝導体、冷却装置及び熱伝導体の製造方法 |
KR100879395B1 (ko) | 2007-08-01 | 2009-01-20 | 한국생산기술연구원 | 히트 싱크 발포 성형장치 |
JP2015126168A (ja) * | 2013-12-27 | 2015-07-06 | 三菱電機株式会社 | パワーモジュール |
JP2015212408A (ja) * | 2014-05-02 | 2015-11-26 | 株式会社浅沼技研 | アルミニウム合金から成る放熱フィン及びその製造方法 |
-
1999
- 1999-08-20 JP JP11234149A patent/JP2001058253A/ja active Pending
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