JP2001057351A - 化学機械研磨用水系分散体 - Google Patents
化学機械研磨用水系分散体Info
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Abstract
等を生ずることなく、且つ十分な速度で研磨することが
できる化学機械研磨用水系分散体を提供する。 【解決手段】 架橋構造を有し、その分子中に、陽イオ
ンを形成し得る官能基を有する重合体、或いは共重合体
からなる粒子と、水とを含有する水系分散体を得る。陽
イオンを形成し得る官能基を有する重合体は、この特定
の官能基を有するアゾ系の重合開始剤を使用し、メチル
メタクリレート等を重合させることにより生成させるこ
とができる。また、ポリスチレン等の存在下、上記の重
合開始剤を用いて、メチルメタクリレート等を重合させ
ることにより生成させることもできる。更に、陽イオン
を形成し得る官能基を有する共重合体は、3−アミノ−
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等の特定の官能
基を有する単量体を、メチルメタクリレート等と共重合
させることにより生成させることができる。
Description
において有用な化学機械研磨用水系分散体(以下、「水
系分散体」ということもある。)に関する。更に詳しく
は、本発明は、架橋構造を有し、分子中に、被研磨面を
形成する金属と反応し得る官能基、特に、陽イオンを形
成し得る官能基を有する重合体(以下、重合体なる用語
は共重合体を含むものとする。)からなる粒子を水に分
散させてなり、半導体装置の被加工膜などの研磨に好適
な水系分散体に関する。
などにともない、被加工膜等の研磨に化学機械研磨の技
術が導入されている。これはプロセスウェハ上の絶縁膜
に形成された孔、溝などに、タングステン、アルミニウ
ム、銅等の配線材料を埋め込んだ後、研磨により余剰の
配線材料を除去することにより配線を形成するものであ
る。この研磨技術においては、従来より、シリカ、或い
は金属酸化物からなる研磨粒子を含む水系分散体が研磨
剤として用いられている。しかし、これらの研磨粒子は
硬度が高く、被研磨面に、LSIの信頼性を低下させる
スクラッチ及びディッシング等が発生するという問題が
ある。特に、現在、その使用が検討されている硬度の低
い多孔質の絶縁膜においては、スクラッチ等の抑制がよ
り大きな検討課題となる。
磨粒子として重合体粒子を用いることが提案されてい
る。特開平10−270400号公報には、乳化重合に
より得られるビニル化合物重合体粒子を含有する水性エ
マルジョンからなる半導体装置製造用研磨剤が記載され
ている。また、この乳化重合の重合開始剤として2,2
−アゾビス(2−アミノプロパン)塩酸塩が例示されて
いる。しかし、この化合物は単に重合開始剤の一例とし
て記載されているにすぎず、他の何らかの作用を有する
か否か等についてはまったく言及されていない。更に、
特開平10−168431号公報には、高分子電解質を
コーティングした研磨剤粒子を含有する研磨用スラリが
開示されている。しかし、この研磨剤粒子は無機粒子で
ある。しかも、その全面に高分子電解質がコーティング
された場合は、研磨速度が低下することも示唆されてい
る。
有し、特定の官能基を有する重合体からなる粒子を含有
する化学機械研磨用水系分散体を提供することを課題と
する。また、特に、本発明は、銅等の硬度の低い金属面
であっても、被研磨面においてスクラッチ等を生ずるこ
となく、且つ適度なエッチング速度と、十分な研磨速度
とを併せ有し、半導体装置の被加工膜等の研磨において
有用な水系分散体を提供することを課題とする。
構造を有し、分子中に、被研磨面を形成する金属と反応
し得る官能基を有する重合体からなる粒子を含有する化
学機械研磨用水系分散体(以下、第1発明という。)に
より達成される。上記課題は、第2に架橋構造を有し、
分子中に、陽イオンを形成し得る官能基を有する重合体
からなる粒子を含有する化学機械研磨用水系分散体(以
下、第2発明という。)により達成される。また、上記
課題は、第3に更に錯化剤を含有させること(以下、第
3発明という。)により達成される。上記課題は、第4
に更に被研磨面に不動態皮膜が形成される化合物を含有
させること(以下、第4発明という。)により達成され
る。上記課題は、第5に更に酸化剤を含有させること
(以下、第5発明という。)により達成される。上記課
題は、第6に上記官能基を特定すること(以下、第6発
明という。)により達成される。更に、上記課題は、第
7に特定の重合開始剤を用いて合成した架橋構造を有す
る重合体を用いること(以下、第7発明という。)によ
り達成される。上記課題は、第8に特定の単量体を用い
て合成した架橋構造を有する重合体を用いること(以
下、第8発明という。)により達成される。
重合体粒子及び水を含有し、該重合体粒子は架橋構造を
有する重合体により構成され、該重合体は、その分子中
に、被研磨面を形成する金属と反応し得る官能基を有す
ることを特徴とする。ここでいう反応とは、共有結合、
イオン結合、配位結合等の化学結合の形成を意味する。
また、第2発明の化学機械研磨用水系分散体は、重合体
粒子及び水を含有し、該重合体粒子は架橋構造を有する
重合体により構成され、該重合体は、その分子中に、陽
イオンを形成し得る官能基を有することを特徴とする。
単量体とその他の単量体とを共重合させることにより合
成することができる。架橋性単量体としては、ジビニル
ベンゼンに代表されるジビニル芳香族化合物、或いはエ
チレングリコールジアクリレート、エチレングリコール
ジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリ
レート及びトリメチロールプロパントリメタクリレート
に代表される多価アクリレート化合物などの、2以上の
共重合性2重結合を有する化合物を用いることができ
る。
他、以下の各種のものを使用することができる。 ジアクリレート化合物 ポリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチ
レングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサングリ
コールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、
2,2’−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニ
ル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリロキシジエ
トキシフェニル)プロパン、
ールメタントリアクリレート、 テトラアクリレート化合物 テトラメチロールメタンテトラアクリレート、
グリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール
ジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタ
クリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレ
ート、1,6−ヘキサングリコールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレ
ングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコ
ールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−メタクリ
ロキシジエトキシフェニル)プロパン、 トリメタクリレート化合物 トリメチロールエタントリメタクリレート、これらの架
橋性単量体は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を
併用してもよい。
メチルスチレン等のビニル芳香族化合物、アクリル酸、
メタクリル酸等の不飽和カルボン酸化合物、無水マレイ
ン酸等の不飽和ジカルボン酸の無水物等が挙げられる。
更に、メチルアクリレート、エチルアクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート等のアクリル酸エステル、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エ
チルヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸エステル
を挙げることもできる。これらのその他の単量体は、1
種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
は、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等、各種の方法によ
って行うことができ、この共重合により架橋構造を有す
る重合体を得ることができる。重合温度、重合時間、及
びその他の重合条件は、共重合させる単量体の種類、所
望の分子量等の特性に応じて適宜選択することができ
る。また、架橋性単量体は、共重合の開始時から反応系
に一括して配合されていてもよく、重合の進行とともに
重合系に逐次配合し、反応させてもよい。共重合に際し
て用いられる架橋性単量体は、単量体の合計量の5〜8
0重量%(以下、「%」と略記する。)、特に5〜60
%、更には7〜60%とすることが好ましい。
合体、グラフト共重合体及びブロック共重合体のいずれ
の構造を有するものであってもよい。また、非架橋構造
の重合体粒子に架橋性単量体をグラフト重合させ、或い
は架橋性単量体とその他の単量体とを共グラフト重合さ
せ、主にその表面に架橋構造を形成させた重合体粒子と
することもできる。
均粒子径は0.01〜10μmであることが好ましく、
特に0.01〜5μm、更には0.01〜3μmである
ことがより好ましい。重合体粒子の平均粒子径が0.0
1μm未満であると、研磨速度が低下し、この平均粒子
径が10μmを超える場合は、重合体粒子が沈降し易
く、安定な水系分散体とすることが容易ではない。これ
らの平均粒子径は、透過型電子顕微鏡によって観察する
ことにより測定することができる。
更に錯化剤を含有させることができる旨を明らかにした
ものである。錯化剤としては、ベンゾトリアゾール、ト
リルトリアゾール、チオ尿素、ベンズイミダゾール、ベ
ンゾフロキサン、2,1,3−ベンゾチアジアゾール、
2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベン
ゾチアジアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール
及びメラミン等の複素環化合物を使用することができ
る。また、サリチルアルドキシム、o−フェニレンジア
ミン、m−フェニレンジアミン、カテコール及びo−ア
ミノフェノール等を用いることもできる。これらの錯化
剤の含有量は0.001〜2重量部(以下、「部」と略
記する。)とすることができ、0.01〜1部、特に
0.02〜0.5部とすることが好ましい。
形成し得る化合物を含有させることができる旨を明らか
にしたものである。この第4発明における化合物として
は、第3発明における錯化剤と同様のもの等を用いるこ
とができる。
更に酸化剤を含有させることができる旨を明らかにした
ものである。酸化剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸
アンモニウム、過酸化水素、硝酸及び硫酸等を使用する
ことができ、過硫酸カリウムが特に好ましい。これらの
酸化剤の含有量は0.01〜5部とすることができ、
0.1〜4部、特に0.3〜3部とすることが好まし
い。
重合体粒子を構成する重合体の分子が有する官能基、特
に、陽イオンを形成し得る官能基のうち、推奨される官
能基を明らかにしたものである。この官能基としては、
アミノ基、ピリジル基及びアクリルアミド基が挙げられ
る。これらのうちでもアミノ基が特に好ましい。尚、こ
の官能基は、第5発明に例示した以外のカチオン基とす
ることもできる。
特定の重合開始剤を使用することにより、分子中に、特
定の官能基を導入することができる旨を明らかにしたも
のである。
きる重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2−
アミジノプロパン)二塩酸塩(例えば、商品名「V−5
0」)、2,2’−アゾビス−(2−アミノプロパン)
二塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリル(例えば、商品
名「V−60」)、1,1’−アゾビス−(シクロヘキ
サン−1−カルボニトリル)(例えば、商品名「V−4
0」)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−
2,4−ジメチルバレロニトリル)(例えば、商品名
「V−70」)等が挙げられる。以上、商品名を挙げた
重合開始剤はいずれも和光純薬工業株式会社製である。
重合体の合成は、コア粒子として他の重合体粒子が存在
する状態で実施することもできる。この重合体粒子とし
ては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等、上
記各種の単量体を重合、或いは共重合させてなる粒子を
挙げることができる。
体を合成する際に使用する単量体と、場合により用いら
れるコア粒子としての重合体粒子との合計量100部に
対して、0.1〜7部とすることができ、0.5〜4
部、特に0.5〜3部とすることが好ましい。上記特定
の重合開始剤の使用量が0.1部未満であると、研磨速
度が十分に向上せず、一方、この重合開始剤を7部使用
すれば所期の効果が十分に得られ、それ以上に多量に使
用する必要はない。
化重合、懸濁重合等、各種の一般的な方法によって製造
することができる。重合温度、重合時間、その他の重合
条件は、使用する単量体の種類、及び所要の分子量等の
特性に応じて適宜設定することができる。
特定の単量体を重合成分、或いは共重合成分として使用
することにより、重合体の分子中に、特定の官能基を導
入することができる旨を明らかにしたものである。上記
特定の単量体としては、以下の各種のものが挙げられ
る。 (1)3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート等の置換ヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レート類、(2)2−ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、2−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレ
ート、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレー
ト等のアミノアルキル基含有(メタ)アクリレート類、
チル(メタ)アクリレート、2−(ジエチルアミノエト
キシ)エチル(メタ)アクリレート、3−(ジメチルア
ミノエトキシ)プロピル(メタ)アクリレート等のアミ
ノアルコキシアルキル基含有(メタ)アクリレート類、
(4)2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシ
エチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチル−
3’−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾー
ル等の紫外線吸収性官能基含有(メタ)アクリレート
類、(5)1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピ
ペリジル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート等の光
安定化基含有(メタ)アクリレート類、
ド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−
N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)ア
クリルアミド等のN−アルキル基含有(メタ)アクリル
アミド類、(7)N−(2−ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミド、N−(2−ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリルアミド、N−(3−ジメチルア
ミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のN−アミノア
ルキル基含有(メタ)アクリルアミド類
リジン等のビニルピリジン類、(9)(メタ)アクリル
アミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、
N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−
メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチ
レンビス(メタ)アクリルアミド、マレイン酸アミド、
マレイミド等の不飽和カルボン酸のアミド、或いはイミ
ド、(10)(メタ)アクリロニトリル、クロトンニト
リル、ケイ皮酸ニトリル等の不飽和カルボン酸ニトリル
類、(11)N−メチロール(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド等のN−
メチロール化不飽和カルボン酸アミド類。
よいし、2種以上を併用することもできる。また、上記
特定の単量体と、前述した第1乃至2発明における重合
体を合成する際に使用するその他の単量体を併用し、こ
れに更に架橋性単量体を共重合させることもできる。こ
の第8発明において、重合開始剤としては、過硫酸カリ
ウム、過硫酸アンモニウム、2,2’−アゾビスイソブ
チロニトリル及び過酸化水素等を使用することができ
る。更に、第7発明における特定の重合開始剤を使用す
ることもできる。また、重合開始剤の使用量は、重合体
を合成する際に使用する単量体100部に対して、0.
1〜5部とすることができ、0.5〜4部、特に1〜3
部とすることが好ましい。
体の合成は、コア粒子として他の重合体粒子が存在する
状態で実施することもできる。この重合体粒子として
は、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等、第1
乃至第2発明と同様の各種の単量体を重合、或いは共重
合させてなる粒子を挙げることができる。特定の単量体
の使用量は、重合体等を合成する際に使用する単量体
と、場合により用いられるコア粒子としての重合体粒子
との合計量100部に対して、0.1〜5部とすること
ができ、0.5〜4部、特に1〜3部とすることが好ま
しい。特定の単量体の使用量が0.1部未満であると、
研磨速度が十分に向上しない。一方、この単量体を5部
使用すれば所期の効果が十分に得られ、それ以上に多量
に使用する必要はない。
化重合、懸濁重合等、各種の一般的な方法によって製造
することができる。重合温度、重合時間、その他の重合
条件は、使用する単量体の種類、及び所要の分子量等の
特性に応じて適宜設定することができる。
に限定されないが、水系媒体、又は有機溶媒を用いて重
合体を製造した後、得られる重合体を粉砕し、所定の粒
径に整粒する方法が挙げられる。更に、重合体の製造時
に単量体を水系媒体等に微分散させ、所定の粒径を有す
る重合体粒子とする方法などを挙げることもできる。
ては、水系媒体を用いて所定の粒径を有する重合体粒子
を生成させ、この水系分散体をそのまま用いる方法が最
も簡便である。また、生成した重合体粒子を水系媒体か
ら分離した後、再び媒体に分散させることもできる。こ
の方法であれば、重合体粒子の含有量を容易に調整する
ことができる。更に、重合体を有機溶媒を用いて製造し
た場合であっても、得られる重合体が粒子状であれば、
有機溶媒を蒸留等によって除去し、水或いは水系媒体と
置換することにより容易に水系分散体とすることができ
る。水系媒体としては、水及び水とメタノール等との混
合物が挙げられるが、水のみを用いることが好ましい。
合体粒子は、水系分散体を100部とした場合に、0.
1〜20部、特に0.5〜15部、更には1〜10部で
あることが好ましい。また、研磨粒子として機能する重
合体粒子の形状は球状であることが好ましいが、この球
状とは、鋭角部分を有さない略球形のものをも意味し、
必ずしも真球に近いものである必要はない。球状の重合
体粒子を用いることにより、被研磨面におけるスクラッ
チの発生がより確実に抑えられ、且つ十分な速度で研磨
することができる。
粒子の配合は必要ないが、スクラッチ等の発生が十分に
抑えられる範囲で、シリカ、並びにアルミナ、チタニ
ア、ジルコニア、セリア、酸化鉄及び酸化マンガン等の
金属酸化物などからなる無機粒子を含有させることもで
きる。尚、この金属酸化物が酸化鉄、酸化マンガン等の
酸化力を有するものである場合は、酸化剤としても機能
する。そのため、前記の酸化剤の使用量を低減すること
ができ、酸化剤の使用が必要ないこともある。
LSI等の半導体装置の製造過程において、半導体基板
上に設けられる各種の被加工膜、及びタンタル、チタン
等の金属、或いはそれらの酸化物、窒化物などからなる
バリアメタル層の研磨に用いることができる。被加工膜
としては、シリコン酸化膜、アモルファスシリコン膜、
多結晶シリコン膜、単結晶シリコン膜、シリコン窒化
膜、純タングステン膜、純アルミニウム膜、或いは純銅
膜等の他、タングステン、アルミニウム、銅等と他の金
属との合金からなる膜などが挙げられる。また、本発明
の水系分散体は、これらの各種の被加工膜のうちでも、
純銅膜等の硬度の低いものの研磨において特に有用であ
る。
を研磨粒子とする従来の方法において用いられている市
販の化学機械研磨装置(ラップマスターSFT社製、型
式「LGP510、LGP552」等)を用いて行なう
ことができる。尚、研磨後、被研磨面に残留する重合体
粒子は除去することが好ましい。この粒子の除去は通常
の洗浄方法によって行うことができるが、重合体粒子の
場合は、被研磨面を、酸素の存在下、高温にすることに
より粒子を燃焼させて除去することもできる。燃焼の方
法としては、酸素プラズマに晒したり、酸素ラジカルを
ダウンフローで供給すること等のプラズマによる灰化処
理等が挙げられ、これによって残留する重合体粒子を被
研磨面から容易に除去することができる。
他、酸化剤等、必要に応じて各種の添加剤を配合するこ
とができる。それによって分散状態の安定性を更に向上
させたり、研磨速度を高めたり、2種以上の被加工膜
等、硬度の異なる被研磨膜の研磨に用いた場合の研磨速
度の差異を調整したりすることができる。具体的には、
アルカリ金属の水酸化物或いはアンモニア、無機酸若し
くは有機酸を配合し、pHを調整することによって水系
分散体の分散性及び安定性を向上させることができる。
しく説明する。 (1)重合体粒子の合成 合成例1 メチルメタクリレート95部、ジビニルベンゼン5部、
ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド0.1部、
重合開始剤(和光純薬工業株式会社製、商品名「V−5
0」)2部、及びイオン交換水400部を、容量2リッ
トルのフラスコに投入し、窒素ガス雰囲気下、攪拌しな
がら70℃に昇温し、6時間重合させ、分子鎖の末端に
アミノ基が導入された架橋構造を有する重合体からなる
粒子を得た。重合体粒子の平均粒子径は0.22μmで
あった。また、ポリメチルメタクリレートの重合収率は
96%であった。
交換水400部を容量2リットルのフラスコに投入し、
窒素ガス雰囲気下、攪拌しながら70℃に昇温させた。
その後、メチルメタクリレート40部、トリメチロール
プロパントリメタクリレート10部、ラウリルトリメチ
ルアンモニウムクロライド0.1部及び「V−50」
1.5部からなる混合物を、一定の供給速度で4時間か
けて添加した。添加後、更に2時間重合させ、ポリスチ
レン粒子の表面に、分子鎖の末端にアミノ基が導入され
たポリメチルメタクリレートが付着し、複合された架橋
構造を有する重合体からなる粒子を得た。重合体粒子の
平均粒子径は0.20μmであった。また、ポリメチル
メタクリレートの重合収率は95%であった。
え、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドをラウ
リル硫酸アンモニウムに代えた他は、合成例1と同様に
して重合体粒子を得た。重合体粒子の平均粒子径は0.
25μmであった。また、ポリメチルメタクリレートの
重合収率は98%であった。
え、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドをラウ
リル硫酸アンモニウムに代えた他は、合成例2と同様に
して重合体粒子を得た。重合体粒子の平均粒子径は0.
24μmであった。また、ポリメチルメタクリレートの
重合収率は97%であった。
る水系分散体の調製) イオン交換水に、合成例1の重合体粒子を2.0%の濃
度になるように配合し、これに更に過硫酸カリウム及び
サリチルアルドキシムを、それぞれ0.5%及び0.1
%の濃度になるように添加し、水酸化カリウムによって
pHを8.3に調整し、化学機械研磨用水系分散体を調
製した。 比較例1(比較合成例1の重合体粒子を含有する水系分
散体の調製) 比較合成例1の重合体粒子を用い、サリチルアルドキシ
ムを添加しなかった他は、実施例1と同様にして化学機
械研磨用水系分散体を調製した。
る水系分散体の調製) イオン交換水に、合成例2の重合体粒子を2.0%の濃
度になるように配合し、これに更に過硫酸カリウム及び
ベンゾトリアゾールを、それぞれを0.5%及び0.0
2%の濃度になるように添加し、水酸化カリウムによっ
てpHを8.3に調整し、化学機械研磨用水系分散体を
調製した。 比較例2(比較合成例2の重合体粒子を含有する水系分
散体の調製) 比較合成例2の重合体粒子を用い、ベンゾトリアゾール
を添加しなかった他は、実施例2と同様にして化学機械
研磨用水系分散体を調製した。
ェハ(膜厚;15000Å)を研磨し、研磨速度、エッ
チング速度、スクラッチの有無及びディッシングの有無
を評価した。
型式「LM−15」)を用い、下記の条件で研磨し、下
記の式によって研磨速度を算出した。 テーブル回転数及びヘッド回転数;45rpm、研磨圧
力;233g/cm2、オッシレーションストローク;
5回/分、研磨剤供給速度;50cc/分、研磨時間;
3分、研磨パッド;多孔質ポリウレタン製(ロデール・
ニッタ社製、品番「IC1000」/「SUBA40
0」の2層構造) 研磨速度(Å/分)=(研磨前の銅膜の厚さ−研磨後の
銅膜の厚さ)/研磨時間
30分間浸漬し、浸漬前後の銅膜の厚さを測定し、下記
の式によってエッチング速度を算出した。評価結果を表
1に示す。 エッチング速度(Å/分)=(浸漬前の銅膜の厚さ−浸
漬後の銅膜の厚さ)/浸漬時間
スクラッチの有無を確認した。 100μm配線ディッシングの深さ 被研磨面を洗浄し、乾燥した後、ケーエルエー・テンコ
ール株式会社製の段差・表面粗さ計(型式;P−10)
によりディッシングの深さを測定した。
膜の厚さは抵抗率測定機(NPS社製、型式「Σ−
5」)により直流4探針法でシート抵抗を測定し、この
シート抵抗値と銅の抵抗率から下記の式によって算出し
た。 銅膜の厚さ(Å)=[シート抵抗値(Ω/cm2)×銅
の抵抗率(Ω/cm)]×108
度は2300Å/分、エッチング速度は15Å/分であ
り、実施例2では、研磨速度は2550Å/分、エッチ
ング速度は10Å/分であった。このように実施例1及
び実施例2の水系分散体によれば、十分な速度で研磨す
ることができ、エッチング速度も好ましい範囲であっ
た。また、スクラッチは観察されず、ディッシングも問
題なかった。
ッチ、ディッシングは大きな問題はなかったものの、研
磨速度は非常に小さく、比較例1では150Å/分、比
較例2では170Å/分であった。
分散体によれば、特に、銅膜等の半導体装置の被加工膜
などの研磨において、十分な速度で研磨することができ
るとともに、被研磨面にスクラッチを生ずることがな
く、ディッシングも僅かである。
Claims (8)
- 【請求項1】 重合体粒子及び水を含有し、該重合体粒
子は架橋構造を有する重合体により構成され、該重合体
は、その分子中に、被研磨面を形成する金属と反応し得
る官能基を有することを特徴とする化学機械研磨用水系
分散体。 - 【請求項2】 重合体粒子及び水を含有し、該重合体粒
子は架橋構造を有する重合体により構成され、該重合体
は、その分子中に、陽イオンを形成し得る官能基を有す
ることを特徴とする化学機械研磨用水系分散体。 - 【請求項3】 更に錯化剤を含有する請求項1又は2記
載の化学機械研磨用水系分散体。 - 【請求項4】 更に被研磨面に不動態皮膜を形成し得る
化合物を含有する請求項1又は2記載の化学機械研磨用
水系分散体。 - 【請求項5】 更に酸化剤を含有する請求項1乃至4の
うちのいずれか1項に記載の化学機械研磨用水系分散
体。 - 【請求項6】 上記官能基が、アミノ基、ピリジル基及
びアクリルアミド基のうちの少なくとも1種である請求
項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の化学機械研磨
用水系分散体。 - 【請求項7】 上記重合体は、その分子中に上記官能基
を導入し得る重合開始剤を用いて得られる請求項1乃至
6のうちのいずれか1項に記載の化学機械研磨用水系分
散体。 - 【請求項8】 上記重合体は、その分子中に上記官能基
を導入し得る単量体を用いて得られる請求項1乃至7の
うちのいずれか1項に記載の化学機械研磨用水系分散
体。
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-
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