JP2001056499A - ファインダ装置 - Google Patents

ファインダ装置

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JP2001056499A
JP2001056499A JP11232707A JP23270799A JP2001056499A JP 2001056499 A JP2001056499 A JP 2001056499A JP 11232707 A JP11232707 A JP 11232707A JP 23270799 A JP23270799 A JP 23270799A JP 2001056499 A JP2001056499 A JP 2001056499A
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JP11232707A
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Masatoshi Inoue
将利 井上
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ファインダ内の結像面付近にある光学系に付
着した塵や埃を運用時に除去することのできるファイン
ダ装置を提供すること。 【解決手段】 撮影光学系(4)と、この撮影光学系を保
持すると共に光軸方向に移動可能な鏡枠3と、上記撮影
光学系と異なる光軸を有するファインダ光学系(8〜1
3)と、上記撮影光学系の移動により上記鏡枠内の体積
変化によって生じる鏡枠内の空気の圧力の変化に応じた
通気を可能とする開口部部材(粘着性エアーフィルタ1
7,18)とを有し、この開口部部材を介してそのファイ
ンダ光学系内に空気を注入又は吸引するように構成され
たファインダ装置1を提案する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンパクトカメラの
ファインダに係わり、特にレンズシャッタ式カメラ等に
おける塵埃除去機能を有するファインダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラなどのファインダ装置に関
する技術として「実像式」ファインダ光学系は、銀塩カ
メラ、デジタルカメラ、ビデオカメラ等でよく使われて
いる。特にコンパクトカメラにおいては、小型化が可能
であるために良く使われる。ただし、実像式ファインダ
は一度結像された像を接眼レンズで拡大して観察する方
式のため、結像面付近の光学部材に塵や埃が存在すると
それが視覚的に目立って観察されてしまう不具合があ
る。
【0003】この不具合に対処する具体的な技術として
例えば、特開平9−090473号公報には、ファイン
ダ光学系を収納するケース内にエア吹込み孔と抜け孔を
設け、外部から入れたノズルを通じて空気などの気体を
採り入れてそのファインダ内の露出する部分近傍のゴミ
を落とし、その落ちたゴミをケースの底面に配置された
粘着テープで固定するものである。
【0004】この技術によると、カメラボディの製造組
立時において、エア吹込み孔から空気を吹き込んで光学
部品に付着した塵、埃を飛散させることができる。特に
それらの孔が結像面付近に形成されているので、そのフ
ァインダ光学系を構成する光学部品のうち特に被写体像
の結像面となる部分に付着していた塵埃を除去できると
共に、吹き飛ばされた塵埃をその粘着テープに付着させ
て再びその結像面に付着するのを防いでいる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
9−90473号公報に開示された如き構成のファイン
ダでは、塵埃の除去作業が製造組立工程内又はサービス
センター等に限られ、塵埃を吹き飛ばす為の専用ノズル
が必要であると共にその作業中にはクリーン化設備等に
よりゴミや塵に注意を払わなければならない故、製造コ
ストの増加を招いていた。
【0006】また例え製造組立工程内や、サービスセン
ター等で塵埃を排除したとしても、運用中に塵埃が再付
着する虞があった。特に近年提案されている画角や、視
野角等を変更可能なカメラにおいては、その切換装置等
の摺動により生じる削りカス等がファインダ内のゴミと
して生じていた。しかしながら上述のような従来技術に
おいては、ファインダ内の塵埃を除去するためには特別
な設備が必要であり、ユーザがファインダ内の塵埃を除
去することは殆ど不可能であった。そこで本発明の目的
は、ファインダ内の結像面付近にある光学系に付着した
塵や埃を運用時に除去することができるファインダ装置
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決し目的を達成するため、撮影光学系の移動によって
生じる体積変化を利用し、ファインダとカメラ本体間及
びカメラ本体とカメラ外装間に通気性を持たせるための
通気ダクトと、ゴミや塵などを粘着又は吸着できる粘着
エアーフィルタを設けることにより、上記課題を解決す
る。例えば、第1の発明によれば、撮影光学系と、この
撮影光学系を保持すると共に光軸方向に移動可能な鏡枠
と、上記撮影光学系と異なる光軸を有するファインダ光
学系と、上記撮影光学系の移動により上記鏡枠内の体積
変化によって生じる鏡枠内の空気の圧力の変化に応じた
通気を可能とする開口部と、を有し、この開口部を通じ
てそのファインダ光学系内に空気を注入または吸引する
ように構成されたファインダ装置を提案する。
【0008】第2の発明によれば、撮影光学系と、この
撮影光学系を保持すると共に収納位置と、撮影位置とに
移動可能な鏡枠と、上記撮影光学系と異なる光軸を有す
るファインダ光学系と、上記鏡枠の収納位置と撮影位置
との間の移動による鏡枠内の体積変化によって生じる鏡
枠内の空気の圧力の変化に応じた通気を可能とする開口
部と、を有し、この開口部を通じてファインダ光学系内
に空気を注入もしくは吸引するように構成されたファイ
ンダ装置を提案する。
【0009】また第3の発明によれば、カメラ本体を略
気密状態に保つ筐体と、撮影光学系と、この撮影光学系
を保持する移動可能な鏡枠と、上記撮影光学系と異なる
光軸を有するファインダ光学系と、上記鏡枠の移動によ
りカメラ内部の体積変化によって生じる鏡枠内の空気の
圧力の変化による通気を上記ファインダ光学系中に注入
もしくは吸引することにより行う第1の開口部と、この
第1の開口部より上記ファインダ光学系に注入もしくは
吸引された空気をカメラ外部に通気するための第2の開
口部と、を有するファインダ装置を提案する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に複数の実施形態例を挙げて
本発明の要旨について詳しく説明する。尚ここでは、レ
ンズシャッタ式カメラ等におけるファインダ光学系の塵
埃除去機能を有するファインダ装置をそれぞれ例示す
る。 (第1実施形態例)図1には、本発明の第1実施形態例
に係わるファインダ装置1がカメラ本体2に組み込まれ
ている内部構造を断面図で示しており、光軸に沿って鉛
直に切った場合のその一つの光学系の構造を例示してい
る。
【0011】カメラ本体2をほぼ気密状態に保つ筐体で
あるカメラ外装27内に、このカメラ本体2と撮影光学
系とは異なる光軸を有するファインダ光学系を有するフ
ァインダ装置1とが組み合わされ一つのカメラが構成さ
れている。このカメラ内には、破線で示すレンズの格納
位置から所定の撮影位置との間で移動可能な鏡枠3が内
蔵され、撮影光学系を保持する収納可能なカメラ本体2
内に嵌まっている。鏡枠3には撮影光学系である撮影レ
ンズ4が嵌まっている。この撮影光学系の光軸上にある
圧板5は、カメラ外装の裏蓋6に固定されたばね7a,
7bによって弾力をもって固定され、カメラ本体3の後
部で接して押圧している。
【0012】一方、ファインダ装置1では、光軸上に被
写体側より対物側窓8、対物レンズ9、対物側正立系プ
リズム10、接眼側プリズム11、接眼レンズ12およ
び接眼窓13で一つのファインダ光学系が構成されてい
る。この接眼側プリズム11の入射面11a付近には被
写体像が結ぶ結像面15があり、この像がユーザの観察
眼(EP:アイポジション)14で観察されるようになっ
ている。
【0013】また、カメラ本体2内には光軸から離間し
た方向に通気を可能とするエアーダクト16が、隣接す
るファインダ装置1の結像面15の下の直前まで続き形
成され結合部を成している。このカメラ本体2とファイ
ンダ装置1との結合部は、空気の膨張・収縮に伴なう通
気を可能とする開口部であり、ここにはゴミ、塵、埃等
を吸着又は粘着できる粘着性エアーフィルタ17が嵌め
入れられている。尚この粘着性エアーフィルタ17は光
を遮光する効果もある材料が採用されている。
【0014】本発明に使われる粘着性エアーフィルタ
は、開口部に簡単に嵌め込まれて確実に固定できる形状
であると共に、その材質は不織布や紙製フィルタに所定
の粘性の粘着材を塗布又は浸透させたもので、目詰りや
粘着材の劣化が起こり難いものが望ましい。
【0015】上記粘着性エアーフィルタ17が設けられ
た処と反対側のファインダ装置1の結像面15の上に
は、もう一つ、ファインダ装置1内のゴミ、塵、埃等を
吸着又は粘着できる粘着性エアーフィルタ18が設けら
れている。さらに、カメラ外装27とファインダ装置1
との間にはカメラ外装空間29が形成され、このカメラ
外装空間29の上部を覆うカメラ外装27には、外気と
の通気のためのフィルタ28が設けられている。
【0016】つまり、図1に示す如く、カメラ本体2と
ファインダ装置1とをつなぐエアーダクト16の結合部
に粘性着エアーフィルタ17を設ける構造によって、カ
メラの鏡枠3内におけるズーム駆動時などに起こる体積
変化を利用して、鏡枠3内からファインダ装置1内に空
気を送るような構造である。そして、望遠(TELE)から広
角(WIDE)へ変更する動作(T→W動作)に伴なう鏡枠3
内の体積変化によって空気がエアーダクト16を通って
粘着性エアーフィルタを通り、その結像面15付近にあ
る光学部材(対物側側正立系プリズム10と接眼側正立
系プリズム11)の間にエアーを吹きかけ、特に入射面
11a上のゴミを効果的に吹き飛ばすように構成されて
いる。逆に、広角(WIDE)から望遠(TELE))へ変更する動
作(W→T動作)の場合は、今度はファインダ装置1内
の空気を鏡枠3内に送り込み、ファインダ装置1内のゴ
ミを粘着性エアーフィルタ17に吸い付けゴミをファイ
ンダ装置1内に入らないような構造を特徴としている。
【0017】ここで、ファインダ装置1内の塵、埃など
を除去する一連の動作を説明する。上述の「実像式」フ
ァインダ装置は結像面15付近の光学部材は、図1に示
す接眼側正立系プリズム11の入射面11aにゴミ、
塵、埃等がつくとEP14で目立って観察されてしま
う。そこで、鏡枠3の焦点距離変化によって、鏡枠3、
カメラ本体2内の空間体積が変化することを利用して、
ゴミ、塵、埃等を除去する。
【0018】まず、破線矢印Mが示す如く鏡枠3がW(W
IDE)端→T(TELE)端に変化する場合、これはカメラ本体
2内の体積は増える方向なので、粘着性エアーフィルタ
17を通して、ファインダ装置1内からカメラ本体2に
空気が入り、ファインダ装置1内の特に接眼側プリズム
11の入射面11a付近のゴミ、塵、埃等を吸い込み、
それらはエアーフィルタ17に吸着される。一方、エア
ーフィルタ18はカメラ外装空間29と通気している。
また、エアーフィルタ28は通気は行うがゴミ等の吸収
はしない。外気中のゴミ、塵、埃等は粘着エアーフィル
タ28で吸着または粘着させる。
【0019】逆に、鏡枠3がT(TELE)端→W(WIDE)端に
変化する場合、カメラ本体2内の体積は減る方向なの
で、粘着性エアーフィルタ17を通してカメラ本体2か
らファインダ装置1内に空気が入り、接眼側プリズム1
1の入射面11a付近のゴミ、塵、埃等を風(気流)で
吹き飛ばす。この動作により接眼側プリズム11の入射
面11aのゴミ、塵、埃等を除去することができる。ま
だファインダ装置1内にゴミ、塵、埃等が観察されるよ
うな場合には、何度でも同様な上記動作を繰り返せばよ
く、程なく確実に除去されていく。
【0020】カメラを使用しない状態、即ち撮影レンズ
が沈胴した状態(4”)から、図示しないパワースイッ
チが押されて撮影できる位置(例えば広角撮影位置
(4))に移動する際にも、鏡筒内に体積変化が起こるの
で、このようなパワースイッチが押された直後にもファ
インダ光学系の塵埃除去機能を発揮することができるよ
うになっている。
【0021】尚、圧板5を支えているばね7a,7b
は、カメラ本体2内に生じる体積変化によって生じる圧
板5の揺動に伴ないその長さがほとんど変化することの
ない程度の力量を発揮するばね要素であることが望まし
い。
【0022】このように、第1実施形態例のファインダ
装置によれば、レンズシャッタ式カメラ等におけるファ
インダ光学系の塵埃除去機能は、鏡枠3内からファイン
ダ装置1内に通じたエアーダクト16と、ゴミやケバを
粘着又は吸着できる粘着性エアーフィルタ17,18を
設けることによって発揮される。
【0023】ユーザは、撮影レンズ4の焦点距離を可変
させる操作だけで、カメラ本体2内の体積変化を利用し
その変化による空気の通気を生じさせる。これによっ
て、ファインダ装置1内のゴミ等がエアーフィルタ17
に自動的に粘着または吸着される。ユーザの焦点距離の
可変操作、つまり図示しない焦点距離可変ボタン(ズー
ムボタン)をT(TELE)側、又はW(WIDE)側に操作するだ
けで、観察されていたファインダ装置1内の結像面付近
にある光学系に付着していたゴミ、塵、埃等が運用時に
容易に除去することができる。
【0024】また、ファインダ光学系の塵埃除去機能の
ための特別な操作レバー等も必要なくなるので構造が簡
単でしかも操作性が向上する。そして、カメラの組立作
業の工程上でもゴミ、塵、埃等に気を使わずに行えるた
め、その組立作業上も効率化が図ることができる。
【0025】(第2実施形態例)次に、本発明の第2実
施形態例に係わるファインダ装置について、図2及び図
3を参照しながら説明する。尚この第2実施形態例の要
旨は、前述の第1実施形態例1と基本的にほぼ同じであ
るので、異なる構成要素と構造だけを中心として詳しく
説明する。図2には、第2実施形態例のファインダ装置
1を含むカメラを光軸方向に沿って鉛直に切った断面図
を示している。また図3には、図2中のファインダ装置
1の要部を太矢印の方向(下方向)から見て拡大して示
している。
【0026】ここに例示したファインダ装置1のエアー
ダクト19には、遮光ハネ21とこのハネ21を動かす
為のモータ22とモータシャフト23を新たに備えてい
る。そして図示の如く、エアーダクト19は遮光ハネ2
1の時計廻りの回動によって通気の切り替えを可能とす
る構造である。遮光ハネ21はモータ22のモータシャ
フト23に回動自在に固定されている。またこの遮光ハ
ネ21は、図3に示すようにフォトインタラプタ(以下
PIと記す)等で成る位置検出素子20によってその遮
光ハネ21の位置状態の検出が行えるように構成されて
いる。そしてモータ22は、位置検出素子20からの信
号に基づく制御によって駆動されるように接続されてい
る。尚、エアーフィルタ24は光を遮光できない材料で
構成されている。また、遮光ハネ21のハネ部の材質
は、金属等の圧延金属材料又はポリエステルシートで形
成されている。
【0027】次にこの第2実施形態例に係わるファイン
ダ装置1の動作について説明する。ここで例示する粘着
性エアーフィルタ24は遮光できない材料から形成され
ているので、フィルム26が装着された場合は必ずこの
遮光ハネ21はエアーダクト19を遮光するように制御
される。つまり、近年のカメラではごく一般的な図示し
ないフィルム検出手段によってフィルム26がカメラ内
に在る事を検出されると、必ず遮光ハネ21は遮光する
位置に回動される。
【0028】詳しくは、フィルム26が装着された瞬間
にその遮光ハネの位置検出素子20で、その遮光ハネ2
1が遮光ON又は遮光OFFかどうかを確認し、もし図
3に示す如く遮光OFFの場合はモータ22に駆動電流
が流れて遮光ハネ21を矢印方向の時計廻りに駆動さ
せ、遮光ハネ21を遮光ON状態にさせる。そして遮光
ハネの位置検出素子20はこの状態を検知する。これに
より、フィルム装填中は遮光ハネ21がエアーダクト1
9を閉じた状態で遮光された状態にする。なお、フィル
ム装填途中にはファインダ装置1内の塵や埃などの除去
作業はできない。
【0029】圧板5を押圧させている一対のばね7a,
7bは、フィルム26の位置を保持させるには充分な力
量で押圧するようなものが用いられる。一方、撮影レン
ズ4の焦点距離変化に伴う鏡枠3内の体積変化では、こ
れらのばね7a,7bが負けて僅かな隙間を生じさせ
て、図示しない通気穴からの通気を行い、その焦点距離
変化に伴う体積変化に伴なう空気の流通を可能とさせて
いる。
【0030】このように、第2実施形態例のファインダ
装置1によれば、例えば遮光できない粘着性エアーフィ
ルタ24を用いても、これに代る遮光ハネ21を回動制
御可能に設けることにより、既に装填されたフィルム2
6を露光させることがない。またそのフィルム26の装
填前にも撮影レンズ4の焦点距離をズーミング動作によ
って変えることにより、ファインダ装置1内で観察され
ていたゴミなどをカメラの運用中に容易に除去すること
ができる。
【0031】(第3実施形態例)続いて、本発明の第3
実施形態例について図4及び図5を参照しながら説明す
る。図4は、この第3実施形態例のファインダ装置1を
含むカメラを光軸に沿って鉛直に切って示した断面図で
ある。また図5には、図4中の線分A−A’(水平方
向)に沿って切った断面図である。この第3実施形態例
の構造は、カメラ外装27とカメラ本体2をほぼ気密状
態に保つように構成されたカメラを想定している。
【0032】図4より明らかなように、本実施形態例に
よればカメラ本体2とファインダ装置1とをエアーダク
トを介して空気が流通可能なように接続されていない点
に特徴がある。カメラ外装27とカメラ本体2との間に
形成されるカメラ外装空間31は空気の流通が遮断され
ることなく通気が行われる構造に形成されている。一
方、ファインダ装置1に隣接するカメラ外装空間29及
びカメラ内装空間30はファインダ装置1に設けられた
エアーフィルタ24,25を介して通気が行われるよう
に構成されている。尚、これらのエアーフィルタ24,
25は粘着性はあるが、遮光性の無いもので構成しても
かまわない。
【0033】また図5に示す如く、カメラ本体2内とカ
メラ内装空間30及びカメラ外装空間31は、フィルム
圧着用の圧板5と鏡枠3を支持するカメラ本体2端部と
の僅かな隙間を通した空間トンネル間隔35a,35b
で空間的につながっているので、このトンネル間隔を通
じて矢印の如くに通気が可能なように構成されている。
また、この圧板5は通常、図示しないフィルムが走行で
きるトンネル間隔をもばね7a,7bの弾性で形成でき
るようになっている。
【0034】なお、エアーフィルタ28は気体の通気は
行うが、水や湿気等は通過させない性質を有した所定の
フィルム材で構成されている。光軸を境にしたカメラ本
体内の左右には、圧板5と裏蓋6との隙間を走行できる
ようにフィルム26が収納されるパトローネ室33およ
びスプール室34が設けられている。
【0035】次にこの第3実施形態例に係わるファイン
ダ装置1の動作について説明する。鏡枠3が「W→T動
作」に焦点距離が可変すると、空間トンネル間隔35
a,35bを通して、鏡枠内空間32が拡大される。つ
まり、エアーフィルタ28からカメラ外装空間29へ空
気が流入し、その他のエアーフィルタ24,25にも空
気が流入して、ファインダ装置1内に通気が行われる。
そこで、ファインダ装置1内で生じた風が接眼側プリズ
ム11に当たると、このプリズム面に付着していたゴミ
等は吹き飛ばされ、粘着性フィルタ24に付着される。
【0036】一方、鏡枠3が「T→W動作」に焦点距離
が可変すると、空間トンネル間隔35a,35bを通し
て、鏡枠内空間32が縮小されるので、鏡枠内空間32
はトンネル間隔35a,35bを通して、カメラ内装空
間30及びカメラ外装空間31へ通気が行われる。ここ
で、鏡枠空間32が縮小されるので、通気はカメラ内装
空間30から、エアーフィルタ24、ファインダ装置
1、エアーフィルタ25を通して、カメラ外装空間2
9、そしてエアーフィルタ28を通して、外気に送られ
る。この時の、風に流入を利用して、エアーフィルタ2
4からフィルタ25へ流れる空気が風となり、接眼側プ
リズム11面上にあるゴミを吹き飛ばす。
【0037】このように、第3実施形態例のファインダ
装置によれば、図示の如くカメラ本体とファインダ装置
とをエアーダクトを介して接続する必要がなく、簡単な
構成が可能であり装置の小型化、コストダウンを計るこ
とが出来る。また本実施形態例においても、ユーザーが
鏡枠を光軸方向に移動させるという、通常の撮影動作中
に行う動作をするだけでファインダ装置内のゴミやケバ
を除去することが可能である。
【0038】また、説明を簡単にする為に、カメラ内装
空間30、カメラ外装空間31等と符号をつけて説明し
たが、鏡筒の進退に応じたカメラ全体の体積変化を吸収
する為にカメラ内部とカメラ外部との間での空気の流入
がファインダ装置内を介して行われるようになってさえ
いれば、空気の流れによりファインダ装置内のゴミ、ケ
バを除去することが出来る。
【0039】上述の第1〜第3実施形態例は次のように
変形実施してもよい。例えば、第1、第2実施形態例で
は少なくとも鏡筒内の鏡枠をほぼ気密に保つ構造であれ
ばよいとした構造を例示したが、エアーフィルタ以外の
接合部位からのエアー漏れが生じないように接合面の噛
み合わせやパッキング、シール材などを用いる等の工夫
によって気密性を向上させてもよく、好ましくはカメラ
外装とカメラ本体とが可能な限り気密にできれば、プリ
ズム面に付着していたゴミ等を強力に吹き飛ばす風力が
得られるなど、さらに良好な結果が期待できる。
【0040】また、第3実施形態例ではカメラ外装とカ
メラ本体とが気密構造として例示したが、構造上複雑で
あれば少なくとも鏡筒(即ちカメラ本体内部の筒体)内
を気密に保つ構造であればよく、その分、ズーミング動
作を早く行うように改良することができれば、エアーフ
ィルタを通る流速が増加するので、その第3実施形態例
と同等の効果も得られる。
【0041】エアーフィルタの形状や材質は例示したも
のに限らず、特に、プリズム面に向かって風を吹きつけ
る為のエアーフィルタの噴出口をそのプリズム面に近く
偏向させたり、ノズル状に変形して風速を高めてもよ
い。このほかにも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々の変形実施が可能である。
【0042】以上、複数実施形態例に基づき説明した
が、本明細書中には次の発明が含まれる。例えば、 (1) 変倍可能な撮影光学系と、上記変倍可能な撮影
光学系を保持し、撮影光学系の変倍状態に応じて該撮影
光学系の光軸方向に移動可能な鏡枠と、上記変倍可能な
撮影光学系と異なる光軸を有する変倍可能なファインダ
光学系と、上記鏡枠の光軸方向の移動による鏡枠内の体
積変化によって生じる鏡枠内の空気の膨張又は収縮に応
じた通気を可能とする開口部と、を有し上記開口部を通
じて上記ファインダ光学系内に空気を注入もしくは吸引
することを特徴としたファインダ装置を提供できる。
【0043】(2) 撮影光学系と、上記撮影光学系を
保持する移動可能な鏡枠と、上記撮影光学系と異なる光
軸を有する実像式ファインダ光学系と、上記撮影光学系
の移動による上記鏡枠内の体積変化によって生じる鏡枠
内の空気の膨張又は収縮に応じた通気を可能とする開口
部と、を有し上記開口部を通じて上記実像式ファインダ
光学系内に空気を注入もしくは吸引することを特徴とし
たファインダ装置を提供できる。 (3) 上記開口部は上記実像式ファインダ光学系が有
する、対物レンズ群の結像位置近傍に設けられたことを
特徴とする(2)記載のファインダ装置である。
【0044】(4) 上記開口部には塵、埃を粘着する
エアーフィルタが設けられていることを特徴とする
(1)〜(3)記載のファインダ装置である。 (5) 上記エアーフィルタは遮光性があることを特徴
とする(4)記載のファインダ装置である。
【0045】(6) 対物光学系と接眼光学系とを有す
るファインダ光学系において、カメラ撮影光学系の焦点
距離変化で、カメラズーム鏡筒内の体積変化によって生
じるズーム鏡筒内の空気膨張又は収縮による通気を可能
とするエアーダクト部と、上記カメラズーム鏡筒内の体
積変化によって生じるズーム鏡筒内の空気膨張又は収縮
で生じる空気の通気に応じて、前記ファインダ光学系内
又は撮影光学系内のゴミを吸着又は粘着できるエアーフ
ィルタ部と、を有することを特徴としたファインダを提
供できる。 (7) 前記エアーフィルタ部は光の透過させない材料
で構成したことを特徴とする(6)記載のファインダで
ある。
【0046】(8) 対物光学系と接眼光学系とを有す
るファインダ光学系において、カメラ撮影光学系の焦点
距離変化で、カメラズーム鏡筒内体積変化によって生じ
るカメラズーム鏡筒内の空気膨張又は収縮による通気を
可能とするエアーダクト部と、前記カメラズーム鏡筒内
の体積変化によって生じるズーム鏡筒内の空気膨張又は
収縮で生じる空気の通気に応じて、前記ファインダ光学
系内又は撮影光学系内のゴミを吸着又は粘着できるエア
ーフィルタ部と、フィルム装填時には前記カメラ撮影光
学系内又はエアーダクト部内を遮光でき、フィルム未装
填時には前記カメラ撮影光学系内又はエアーダクト部内
の通気を可能とするために開けることができるハネ部
と、を有することを特徴とするファインダを提供でき
る。
【0047】(9) 前記ハネ部の材質は金属等の圧延
金属材料又はポリエステルシートで構成されたことを特
徴とする(8)記載のファインダである。 (10) 前記ハネ部は、上記フィルムの有無に基づい
て上記エアーダクト部を遮光または通気するためモータ
による回動駆動が制御されていることを特徴とする
(8)記載のファインダである。
【0048】また更に、本明細書中には次の発明も含ま
れている。 (a) カメラの撮影光学系と、ファインダ光学系とが
隣接し、かつ開口部に接続された開口部材(粘着性エア
ーフィルタ)を具備することを特徴とするファインダ装
置を提供できる。 (b) 上記開口部は、エアーダクト部を構成して粘着
性エアーフィルタによって通気可能に塞がれていること
を特徴とする(a)に記載のファインダ装置である。 (c) 上記開口部は、撮影光学系の沈胴状態からセッ
トアップ動作あるいはズーミング動作に伴なって空気の
流通が行われることを特徴とする(a)又は(b)の何
れかに記載のファインダ装置である。
【0049】(d) レンズシャッタ式カメラにおける
ファインダ光学系の塵埃除去機構は、鏡枠内からファイ
ンダ内に通じたダクトと、このダクト内にゴミやケバを
粘着又は吸着できるエアーフィルタを設けた構造である
ことを特徴とするファインダ装置を提供できる。 (e) 上記エアーフィルタは、少なくとも上記鏡枠と
隣接する部分には遮光性部材が用いられることを特徴と
する(d)に記載のファインダ装置である。
【0050】
【発明の効果】以上、本発明によれば、ファインダ内の
結像面付近にある光学系に付着した塵や埃を運用時に容
易に除去することができるファインダ装置を提供するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態例のファインダ
装置を含むカメラの構造を示す鉛直断面図。
【図2】図2は、本発明の第2実施形態例のファインダ
装置を含むカメラの構造を示す鉛直断面図。
【図3】図3は、図2のファインダ装置の要部を拡大し
て示す部分拡大図。
【図4】図4は、本発明の第3実施形態例のファインダ
装置を含むカメラの構造を示す鉛直断面図。
【図5】図5は、図4中の線分A−A’に沿ったファイ
ンダ装置を含むカメラの構造を示す水平断面図。
【符号の説明】
1…ファインダ装置(ファインダ光学系)、 2…カメラ本体、 3…鏡枠、 4,4',4"…撮影レンズ、 5…圧板、 6…裏蓋、 7a,7b…ばね、 8…対物側窓、 9…対物レンズ、 10…対物側正立系プリズム、 11…接眼側プリズム、 11a…入射面、 12…接眼レンズ、 13…接眼窓、 14…観察眼(EP)、 15…結像面、 16,19…エアーダクト(鏡枠内の体積変化によって
生じる鏡枠内の空気の圧力変化に応じて空気の流通を行
う為の開口部)、 17…粘着性エアーフィルタ(遮光性)、 18…粘着性エアーフィルタ、 20…位置検出素子(PI)、 21…遮光ハネ、 22…モータ、 23…モータシャフト、 24…粘着性エアーフィルタ(非遮光性)、 25…粘着性エアーフィルタ、 26…フィルム、 27…カメラ外装、 28…エアーフィルタ、 29,31…カメラ外装空間、 30…カメラ内装空間、 32…鏡枠内空間、 33…パトローネ室、 34…スプール室、 35a,35b…空間トンネル間隔。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影光学系と、 上記撮影光学系を保持すると共に、光軸方向に移動可能
    な鏡枠と、 上記撮影光学系と異なる光軸を有するファインダ光学系
    と、 上記撮影光学系の移動により上記鏡枠内の体積変化によ
    って生じる鏡枠内の空気の圧力の変化に応じた通気を可
    能とする開口部と、を有し上記開口部を通じて上記ファ
    インダ光学系内に空気を注入もしくは吸引することを特
    徴としたファインダ装置。
  2. 【請求項2】 撮影光学系と、 上記撮影光学系を保持すると共に収納位置と、撮影位置
    とに移動可能な鏡枠と、 上記撮影光学系と異なる光軸を有するファインダ光学系
    と、 上記鏡枠の収納位置と撮影位置との間の移動による鏡枠
    内の体積変化によって生じる鏡枠内の空気の圧力の変化
    に応じた通気を可能とする開口部と、を有し、 上記開口部を通じて上記ファインダ光学系内に空気を注
    入もしくは吸引することを特徴としたファインダ装置。
  3. 【請求項3】 カメラ本体を略気密状態に保つ筐体と、 撮影光学系と、 上記撮影光学系を保持する移動可能な鏡枠と、 上記撮影光学系と異なる光軸を有するファインダ光学系
    と、 上記鏡枠の移動によりカメラ内部の体積変化によって生
    じる鏡枠内の空気の圧力の変化による通気を上記ファイ
    ンダ光学系中に注入もしくは吸引することにより行う第
    1の開口部と、 上記第1の開口部より上記ファインダ光学系に注入もし
    くは吸引された空気をカメラ外部に通気するための第2
    の開口部と、を有することを特徴とするファインダ装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005284243A (ja) * 2003-09-09 2005-10-13 Fuji Photo Film Co Ltd 撮影装置およびレンズ鏡胴
JP2008257064A (ja) * 2007-04-06 2008-10-23 Canon Inc 撮像装置

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