JP2001056043A - 歯付ベルト - Google Patents
歯付ベルトInfo
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- JP2001056043A JP2001056043A JP11183066A JP18306699A JP2001056043A JP 2001056043 A JP2001056043 A JP 2001056043A JP 11183066 A JP11183066 A JP 11183066A JP 18306699 A JP18306699 A JP 18306699A JP 2001056043 A JP2001056043 A JP 2001056043A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 歯布に含浸被覆されるゴム組成物に、フッ素
樹脂を摩擦係数低減作用が発揮されやすい形態にして大
量に含有させ、さらに前記ゴム組成物と歯布との接着成
分に減摩材を含ませ耐摩耗性および耐歯欠け性を改善し
た歯布被覆の歯付ベルトを提供する。 【解決手段】 歯布4の表裏面及び内部に、フッ素樹脂
6を含浸被覆されるゴム組成物5のゴム100重量部に
対して50〜400重量部添加して分散付着させ、フッ
素樹脂6を前記第1ゴム組成物と結合させず、前記第1
ゴム組成物と前記歯部及び前記背部を構成する第2ゴム
組成物とを直接結合させる。さらに前記歯布を構成する
糸にグラファイト或いは二硫化モリブデンのうちから選
ばれた少なくとも1種の減摩材12を含んだ前記第1ゴ
ム組成物との接着成分を付与することにより、歯布4の
表面、裏面及び内部の繊維フィラメント表面に極近い位
置に減摩材12が存在しそして大量のフッ素樹脂6がゴ
ム組成物中に分散付着することでベルト走行中の摩擦係
数が走行中継続して低減する。
樹脂を摩擦係数低減作用が発揮されやすい形態にして大
量に含有させ、さらに前記ゴム組成物と歯布との接着成
分に減摩材を含ませ耐摩耗性および耐歯欠け性を改善し
た歯布被覆の歯付ベルトを提供する。 【解決手段】 歯布4の表裏面及び内部に、フッ素樹脂
6を含浸被覆されるゴム組成物5のゴム100重量部に
対して50〜400重量部添加して分散付着させ、フッ
素樹脂6を前記第1ゴム組成物と結合させず、前記第1
ゴム組成物と前記歯部及び前記背部を構成する第2ゴム
組成物とを直接結合させる。さらに前記歯布を構成する
糸にグラファイト或いは二硫化モリブデンのうちから選
ばれた少なくとも1種の減摩材12を含んだ前記第1ゴ
ム組成物との接着成分を付与することにより、歯布4の
表面、裏面及び内部の繊維フィラメント表面に極近い位
置に減摩材12が存在しそして大量のフッ素樹脂6がゴ
ム組成物中に分散付着することでベルト走行中の摩擦係
数が走行中継続して低減する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用エ
ンジンのカム軸及びインジェクションポンプの駆動用、
一般産業用機械の同期伝導用、小型機械に用いられる正
確な位置決め精度を要求される搬送用などに使用される
歯布被覆の歯付ベルトに関し、特に耐摩耗性および耐歯
欠け性を改善したものに関する。
ンジンのカム軸及びインジェクションポンプの駆動用、
一般産業用機械の同期伝導用、小型機械に用いられる正
確な位置決め精度を要求される搬送用などに使用される
歯布被覆の歯付ベルトに関し、特に耐摩耗性および耐歯
欠け性を改善したものに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用エンジンのカム軸、インジェク
ションポンプ、オイルポンプ、水ポンプを同時に駆動し
ている歯付ベルトは、エンジンの高出力化やエンジンル
ールのコンパクト化に伴い使用条件が従来より一層厳し
くなり、更なる耐久性の向上が要求されてきている。ま
た、一般産業用に使用される同期伝導用の歯付ベルトや
小型機械に用いられる正確な位置決め精度を要求される
搬送用の歯付ベルトも、同様でベルトの取り替え周期の
延長を要求されている。
ションポンプ、オイルポンプ、水ポンプを同時に駆動し
ている歯付ベルトは、エンジンの高出力化やエンジンル
ールのコンパクト化に伴い使用条件が従来より一層厳し
くなり、更なる耐久性の向上が要求されてきている。ま
た、一般産業用に使用される同期伝導用の歯付ベルトや
小型機械に用いられる正確な位置決め精度を要求される
搬送用の歯付ベルトも、同様でベルトの取り替え周期の
延長を要求されている。
【0003】歯付ベルトの故障形態は、心線の疲労によ
るベルトの切断と過負荷や歯布摩耗による歯欠けに大別
される。心線の疲労による切断に対しては、アラミド心
線や高強度ガラスの細径心線の使用、耐熱性に優れる水
素化ニトリルゴム(H−NBR)組成物の使用、エンジ
ン側の改良としてベルト張力を始動時及び走行時共に一
定に保つオートテンショナーの使用などにより改良さ
れ、切断故障の発生は減少している。
るベルトの切断と過負荷や歯布摩耗による歯欠けに大別
される。心線の疲労による切断に対しては、アラミド心
線や高強度ガラスの細径心線の使用、耐熱性に優れる水
素化ニトリルゴム(H−NBR)組成物の使用、エンジ
ン側の改良としてベルト張力を始動時及び走行時共に一
定に保つオートテンショナーの使用などにより改良さ
れ、切断故障の発生は減少している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、歯欠けの発生
については、高強力タイプのナイロン6−6、アラミド
繊維を使用した歯布の使用などの対策が施されているも
のの、未だ十分ではない。そこで、歯布を被覆した歯付
ベルトの耐歯欠け性を更に向上させるために、歯布表面
の低摩擦係数化を図ることが有力視されている。EP0
662571B1には、歯布の織物層の外側にフッ素樹
脂を含むポリマーマトリックス層を吹き付け又は塗布に
よりコーティングする歯付ベルトが提案されている。こ
のフッ素樹脂は、特殊なポリマーマトリックス内に境界
層無しに結合されている。そして、このポリマーマトリ
ックスを歯布に結合させる。しかしながら、フッ素樹脂
がポリマーマトリックスに強固に結合されているため、
フッ素樹脂がマトリックスに囲われたままになって、フ
ッ素樹脂による摩擦係数低減作用が十分発揮できなくな
るという問題点があった。また、ポリマーマトリックス
の材質的制限から、含有できるフッ素樹脂量が少なく、
ポリマーマトリックス層の厚みも薄くなり、フッ素樹脂
による耐歯欠け性の向上が十分ではないという問題点が
あった。
については、高強力タイプのナイロン6−6、アラミド
繊維を使用した歯布の使用などの対策が施されているも
のの、未だ十分ではない。そこで、歯布を被覆した歯付
ベルトの耐歯欠け性を更に向上させるために、歯布表面
の低摩擦係数化を図ることが有力視されている。EP0
662571B1には、歯布の織物層の外側にフッ素樹
脂を含むポリマーマトリックス層を吹き付け又は塗布に
よりコーティングする歯付ベルトが提案されている。こ
のフッ素樹脂は、特殊なポリマーマトリックス内に境界
層無しに結合されている。そして、このポリマーマトリ
ックスを歯布に結合させる。しかしながら、フッ素樹脂
がポリマーマトリックスに強固に結合されているため、
フッ素樹脂がマトリックスに囲われたままになって、フ
ッ素樹脂による摩擦係数低減作用が十分発揮できなくな
るという問題点があった。また、ポリマーマトリックス
の材質的制限から、含有できるフッ素樹脂量が少なく、
ポリマーマトリックス層の厚みも薄くなり、フッ素樹脂
による耐歯欠け性の向上が十分ではないという問題点が
あった。
【0005】また、特開平7−151190には、歯布
の表面及び内部に繊維化したフッ素樹脂を含むゴム組成
物を含浸させ、歯布の裏面を接着層を介してベルト本体
のゴム層に結合する歯付ベルトが提案されている。ゴム
組成物中のフッ素樹脂を混練工程等により繊維化するの
は、ゴム組成物中のフッ素樹脂が異物化してゴム組成物
の強度を低下させないためである。しかし、ゴム組成物
中で繊維化したフッ素樹脂は、摩擦面に露出する機会が
少なく、フッ素樹脂による摩擦係数低減作用が十分では
なくなるという問題点があった。また、フッ素樹脂を繊
維化して異物化させずに強度を維持するために、歯布に
含浸させるゴム100重量部に対して1〜30重重量部
程度のフッ素樹脂しか含有させることができず、耐歯欠
け性の向上が十分ではないという問題点があった。
の表面及び内部に繊維化したフッ素樹脂を含むゴム組成
物を含浸させ、歯布の裏面を接着層を介してベルト本体
のゴム層に結合する歯付ベルトが提案されている。ゴム
組成物中のフッ素樹脂を混練工程等により繊維化するの
は、ゴム組成物中のフッ素樹脂が異物化してゴム組成物
の強度を低下させないためである。しかし、ゴム組成物
中で繊維化したフッ素樹脂は、摩擦面に露出する機会が
少なく、フッ素樹脂による摩擦係数低減作用が十分では
なくなるという問題点があった。また、フッ素樹脂を繊
維化して異物化させずに強度を維持するために、歯布に
含浸させるゴム100重量部に対して1〜30重重量部
程度のフッ素樹脂しか含有させることができず、耐歯欠
け性の向上が十分ではないという問題点があった。
【0006】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
であって、歯布に含浸被覆されるゴム組成物に、フッ素
樹脂を摩擦係数低減作用が発揮されやすい形態にして大
量に含有させ、耐摩耗性および耐歯欠け性を改善した歯
布被覆の歯付ベルトを提供することを目的とする。
であって、歯布に含浸被覆されるゴム組成物に、フッ素
樹脂を摩擦係数低減作用が発揮されやすい形態にして大
量に含有させ、耐摩耗性および耐歯欠け性を改善した歯
布被覆の歯付ベルトを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、歯布に含浸被
覆されるゴム組成物と結合しないフッ素樹脂を、歯布の
表裏面及び内部であって歯布を構成する経糸や緯糸の繊
維フィラメントに近い部分まで分散配置させると、多量
のフッ素樹脂を含有させることができるとともに、フッ
素樹脂が摩擦面に対して露出する機会が増大し、フッ素
樹脂による摩擦係数低減作用を確実に発揮できる、とい
う知見を得て完成されたものである。
覆されるゴム組成物と結合しないフッ素樹脂を、歯布の
表裏面及び内部であって歯布を構成する経糸や緯糸の繊
維フィラメントに近い部分まで分散配置させると、多量
のフッ素樹脂を含有させることができるとともに、フッ
素樹脂が摩擦面に対して露出する機会が増大し、フッ素
樹脂による摩擦係数低減作用を確実に発揮できる、とい
う知見を得て完成されたものである。
【0008】すなわち、第1発明は、長手方向に沿って
所定間隔で配置した複数の歯部と、心線を埋設した背部
を有し、上記歯部の表面に歯布を被覆した歯付ベルトに
おいて、前記歯布の表裏面及び内部が互いに連通状態に
なるように第1ゴム組成物を含浸被覆し、この第1ゴム
組成物内にフッ素樹脂が前記第1ゴム組成物と結合され
ることなく分散されており、さらに前記歯布を構成する
糸にグラファイト或いは二硫化モリブデンのうちから選
ばれた少なくとも1種の減摩材を含んだ前記第1ゴム成
分との接着成分が付与され、前記第1ゴム組成物と前記
歯部及び前記背部を構成する第2ゴム組成物とを加硫加
圧により一体化したことを特徴とする。歯布の表裏面及
び内部が互いに連通状態になるように含浸被覆された第
1ゴム組成物にすると、第1ゴム組成物と結合しない状
態のフッ素樹脂を歯布を構成するフィラメントに絡ませ
ることができ、更に大量のフッ素樹脂を含有させること
ができる。歯布に二硫化モリブデンを含んだ第1ゴム組
成物との接着成分を含ませると、フッ素樹脂を保持する
第1ゴム組成物が歯布を構成する繊維周辺まで浸透し、
結果的に大量のフッ素樹脂を歯布に絡ませることができ
る。さらに上記第1接着成分中にグラファイト或いは二
硫化モリブデンのうちから選ばれた少なくとも1種の減
摩材を含ませることによってグラファイト或いは二硫化
モリブデンを繊維織物及びそれを構成する各繊維の表裏
面に集束させることができ、結果的に大量のフッ素樹脂
とグラファイト或いは二硫化モリブデンとを歯布に絡ま
せることができる。
所定間隔で配置した複数の歯部と、心線を埋設した背部
を有し、上記歯部の表面に歯布を被覆した歯付ベルトに
おいて、前記歯布の表裏面及び内部が互いに連通状態に
なるように第1ゴム組成物を含浸被覆し、この第1ゴム
組成物内にフッ素樹脂が前記第1ゴム組成物と結合され
ることなく分散されており、さらに前記歯布を構成する
糸にグラファイト或いは二硫化モリブデンのうちから選
ばれた少なくとも1種の減摩材を含んだ前記第1ゴム成
分との接着成分が付与され、前記第1ゴム組成物と前記
歯部及び前記背部を構成する第2ゴム組成物とを加硫加
圧により一体化したことを特徴とする。歯布の表裏面及
び内部が互いに連通状態になるように含浸被覆された第
1ゴム組成物にすると、第1ゴム組成物と結合しない状
態のフッ素樹脂を歯布を構成するフィラメントに絡ませ
ることができ、更に大量のフッ素樹脂を含有させること
ができる。歯布に二硫化モリブデンを含んだ第1ゴム組
成物との接着成分を含ませると、フッ素樹脂を保持する
第1ゴム組成物が歯布を構成する繊維周辺まで浸透し、
結果的に大量のフッ素樹脂を歯布に絡ませることができ
る。さらに上記第1接着成分中にグラファイト或いは二
硫化モリブデンのうちから選ばれた少なくとも1種の減
摩材を含ませることによってグラファイト或いは二硫化
モリブデンを繊維織物及びそれを構成する各繊維の表裏
面に集束させることができ、結果的に大量のフッ素樹脂
とグラファイト或いは二硫化モリブデンとを歯布に絡ま
せることができる。
【0009】また、第2発明は、長手方向に沿って所定
間隔で配置した複数の歯部と、心線を埋設した背部を有
し、上記歯部の表面に歯布を被覆した歯付ベルトにおい
て、前記歯布の表裏面及び内部に、フッ素樹脂を第1ゴ
ム組成物中のゴム100重量部に対して50〜400重
量部添加して分散させた配合物又は、粉末状のフッ素樹
脂を第1ゴム組成物中のゴム100重量部に対して10
0〜250重量部添加して分散させた配合物を付着さ
せ、さらに前記歯布を構成する糸にグラファイト或いは
二硫化モリブデンのうちから選ばれた少なくとも1種の
減摩材を含んだ前記第1ゴム成分との第1接着成分を付
与し、前記フッ素樹脂は前記第1ゴム組成物と結合させ
ず、前記第1ゴム組成物と前記歯部及び前記背部を構成
する第2ゴム組成物とを直接結合させたことを特徴とす
る。そして、好ましくは、前記配合物を付着処理前の歯
布重量に対して7〜40重量%付着させ、さらに好まし
くは前記第1ゴム組成物と前記第1接着成分の間、或い
は第1ゴム組成物と第1接着成分とを跨って、第2接着
成分としてイソシアネート化合物を含んだゴム配合物を
介在させ歯布用接着層を設け、また更に好ましくは、前
記フッ素樹脂を粉末状にして粉末平均径を0.1〜50
0μmとしたものである。第1ゴム組成物と結合しない
フッ素樹脂を、第1ゴム組成物100重量部に対して5
0〜400重量部又は100〜250重量部になる程度
に大量に含ませると、フッ素樹脂の摩擦面での露出の程
度が大きくなって摩擦係数低減作用を発揮する。
間隔で配置した複数の歯部と、心線を埋設した背部を有
し、上記歯部の表面に歯布を被覆した歯付ベルトにおい
て、前記歯布の表裏面及び内部に、フッ素樹脂を第1ゴ
ム組成物中のゴム100重量部に対して50〜400重
量部添加して分散させた配合物又は、粉末状のフッ素樹
脂を第1ゴム組成物中のゴム100重量部に対して10
0〜250重量部添加して分散させた配合物を付着さ
せ、さらに前記歯布を構成する糸にグラファイト或いは
二硫化モリブデンのうちから選ばれた少なくとも1種の
減摩材を含んだ前記第1ゴム成分との第1接着成分を付
与し、前記フッ素樹脂は前記第1ゴム組成物と結合させ
ず、前記第1ゴム組成物と前記歯部及び前記背部を構成
する第2ゴム組成物とを直接結合させたことを特徴とす
る。そして、好ましくは、前記配合物を付着処理前の歯
布重量に対して7〜40重量%付着させ、さらに好まし
くは前記第1ゴム組成物と前記第1接着成分の間、或い
は第1ゴム組成物と第1接着成分とを跨って、第2接着
成分としてイソシアネート化合物を含んだゴム配合物を
介在させ歯布用接着層を設け、また更に好ましくは、前
記フッ素樹脂を粉末状にして粉末平均径を0.1〜50
0μmとしたものである。第1ゴム組成物と結合しない
フッ素樹脂を、第1ゴム組成物100重量部に対して5
0〜400重量部又は100〜250重量部になる程度
に大量に含ませると、フッ素樹脂の摩擦面での露出の程
度が大きくなって摩擦係数低減作用を発揮する。
【0010】また、前記第1発明及び第2発明におい
て、前記歯布の第1ゴム組成物に前記フッ素樹脂以外の
減摩材が添加されているか、又は、前記歯布の第1ゴム
組成物と前記歯部及び前記背部の第2ゴム組成物とが同
種であるものが好ましい。あるいは前記第1接着成分に
含まれているグラファイト或いは二硫化モリブデンが粉
末状であり、粉末の粒度が0.1〜500μmであるこ
とが好ましい。前記第1ゴム組成物にフッ素樹脂以外の
摩擦係数低減剤を添加すると、フッ素樹脂と摩擦係数低
減剤の両方による摩擦係数低減効果が発揮される。歯布
の第1ゴム組成物とベルト本体の第2ゴム組成物を同質
にすると、歯布の第1ゴム組成物に大量の未結合状態の
フッ素樹脂を含ませても、第1ゴム組成物と第2ゴム組
成物の結合を確保できる。
て、前記歯布の第1ゴム組成物に前記フッ素樹脂以外の
減摩材が添加されているか、又は、前記歯布の第1ゴム
組成物と前記歯部及び前記背部の第2ゴム組成物とが同
種であるものが好ましい。あるいは前記第1接着成分に
含まれているグラファイト或いは二硫化モリブデンが粉
末状であり、粉末の粒度が0.1〜500μmであるこ
とが好ましい。前記第1ゴム組成物にフッ素樹脂以外の
摩擦係数低減剤を添加すると、フッ素樹脂と摩擦係数低
減剤の両方による摩擦係数低減効果が発揮される。歯布
の第1ゴム組成物とベルト本体の第2ゴム組成物を同質
にすると、歯布の第1ゴム組成物に大量の未結合状態の
フッ素樹脂を含ませても、第1ゴム組成物と第2ゴム組
成物の結合を確保できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は、歯布の拡大断面図であり、
図2は、歯付ベルトの構造を示す斜視図である。図2に
おいて、歯付ベルトAは、長手方向に沿って所定間隔で
配置した複数の歯部3と、歯部3と連続する背部2と、
背部2に埋設された心線1と、歯部2の表面に被覆され
た歯布4とを有する構造である。歯布4は、ベルトの長
手方向に延在する緯糸7と、ベルトの幅方向に延在する
経糸8とを織成して成る。
基づいて説明する。図1は、歯布の拡大断面図であり、
図2は、歯付ベルトの構造を示す斜視図である。図2に
おいて、歯付ベルトAは、長手方向に沿って所定間隔で
配置した複数の歯部3と、歯部3と連続する背部2と、
背部2に埋設された心線1と、歯部2の表面に被覆され
た歯布4とを有する構造である。歯布4は、ベルトの長
手方向に延在する緯糸7と、ベルトの幅方向に延在する
経糸8とを織成して成る。
【0012】図1に示されるように、緯糸7と経糸8と
を織成してなる歯布4の表面と裏面と内部に、ゴムを主
体とする第1ゴム組成物5が含浸被覆されている。この
ゴム組成物5の内部に、粉末状のフッ素樹脂6が分散し
て配設されている。そして、フッ素樹脂6とゴム組成物
5とは、結合されておらず、周囲の全部又は一部分に隙
間10が形成されている。また、歯布4が被覆される歯
部3や背部2はゴムを主体とする第2ゴム組成物9で形
成されている。
を織成してなる歯布4の表面と裏面と内部に、ゴムを主
体とする第1ゴム組成物5が含浸被覆されている。この
ゴム組成物5の内部に、粉末状のフッ素樹脂6が分散し
て配設されている。そして、フッ素樹脂6とゴム組成物
5とは、結合されておらず、周囲の全部又は一部分に隙
間10が形成されている。また、歯布4が被覆される歯
部3や背部2はゴムを主体とする第2ゴム組成物9で形
成されている。
【0013】フッ素樹脂6と第1ゴム組成物5とは、フ
ッ素樹脂6が粉末状のままであって化学的に結合されて
いない。そのため、歯布4が摩擦作用を受けた場合、第
1ゴム組成物5に含まれるフッ素樹脂6が摩擦面に対し
て大きく露出し、摩擦係数低減作用を効果的に発揮す
る。また、フッ素樹脂6を粉末状にすると、歯布4を構
成する緯糸7と経糸8に絡むように大量に配合し、フッ
素樹脂6を歯布4の摩擦面に対して大量に供給できる。
さらに、歯布4の第1ゴム組成物5がベルト本体(歯部
3及び背部2)の第2ゴム組成物9と、加熱加硫等で化
学的に結合しており、第1ゴム組成物5に大量の粉末状
フッ素樹脂6を配合しても、歯布4とベルト本体の境界
面11は強固に接合されている。
ッ素樹脂6が粉末状のままであって化学的に結合されて
いない。そのため、歯布4が摩擦作用を受けた場合、第
1ゴム組成物5に含まれるフッ素樹脂6が摩擦面に対し
て大きく露出し、摩擦係数低減作用を効果的に発揮す
る。また、フッ素樹脂6を粉末状にすると、歯布4を構
成する緯糸7と経糸8に絡むように大量に配合し、フッ
素樹脂6を歯布4の摩擦面に対して大量に供給できる。
さらに、歯布4の第1ゴム組成物5がベルト本体(歯部
3及び背部2)の第2ゴム組成物9と、加熱加硫等で化
学的に結合しており、第1ゴム組成物5に大量の粉末状
フッ素樹脂6を配合しても、歯布4とベルト本体の境界
面11は強固に接合されている。
【0014】さらに歯布4と第1ゴム成分を接着する接
着成分13中にグラファイト12が大量に含まれてお
り、歯布4を形成する緯糸7と、経糸8とに絡んで存在
している。これらの第1ゴム成分中に存在するフッ素樹
脂と前記接着成分中に存在するグラファイトの作用とし
ては、まず、プーリとの接触面14を有する第1ゴム成
分がプーリとの摩擦によって摩耗が発生するが、上記フ
ッ素樹脂が第1ゴム成分中に分散して存在している為に
フッ素樹脂が存在しない場合と比べると摩擦係数が小さ
いことにより耐摩耗性に優れ第1ゴム組成物の摩滅が遅
い。さらに万一第1ゴム組成物が摩滅し消滅した場合で
も歯布4の周囲にはグラファイト12を含んだ接着成分
13が存在し、プーリ表面との摺動面に現れることにな
るので、歯布4周囲の耐摩耗性も優れ、従来のベルトと
比較して歯布4の摩耗を極端に遅くすることができ、ひ
いては歯付ベルトの寿命を極端に延ばすことができる作
用がある。ここで、グラファイト12の代わりに二硫化
モリブデンを用いても同様の効果が有る。
着成分13中にグラファイト12が大量に含まれてお
り、歯布4を形成する緯糸7と、経糸8とに絡んで存在
している。これらの第1ゴム成分中に存在するフッ素樹
脂と前記接着成分中に存在するグラファイトの作用とし
ては、まず、プーリとの接触面14を有する第1ゴム成
分がプーリとの摩擦によって摩耗が発生するが、上記フ
ッ素樹脂が第1ゴム成分中に分散して存在している為に
フッ素樹脂が存在しない場合と比べると摩擦係数が小さ
いことにより耐摩耗性に優れ第1ゴム組成物の摩滅が遅
い。さらに万一第1ゴム組成物が摩滅し消滅した場合で
も歯布4の周囲にはグラファイト12を含んだ接着成分
13が存在し、プーリ表面との摺動面に現れることにな
るので、歯布4周囲の耐摩耗性も優れ、従来のベルトと
比較して歯布4の摩耗を極端に遅くすることができ、ひ
いては歯付ベルトの寿命を極端に延ばすことができる作
用がある。ここで、グラファイト12の代わりに二硫化
モリブデンを用いても同様の効果が有る。
【0015】歯布4を構成する緯糸7、経糸8の材質と
しては、それぞれナイロン、アラミド、ポリエステル、
ポリベンゾオキサゾール繊維の何れか又は組み合わせが
採用できる。繊維の形態は、フィラメント糸及び紡績糸
の何れでも良く、単独組成の撚糸又は混撚糸、混紡糸の
何れであっても良い。第1ゴム組成物5を繊維内部にま
で含浸できる程度に紡績糸又はフィラメントが集まった
糸が好ましい。また、アラミド繊維又はポリベンゾオキ
サゾール繊維は、それ自体が低摩擦係数の繊維であるた
め、少なくともベルト長手方向の緯糸7に含ませること
により、耐歯欠け性を向上させる。
しては、それぞれナイロン、アラミド、ポリエステル、
ポリベンゾオキサゾール繊維の何れか又は組み合わせが
採用できる。繊維の形態は、フィラメント糸及び紡績糸
の何れでも良く、単独組成の撚糸又は混撚糸、混紡糸の
何れであっても良い。第1ゴム組成物5を繊維内部にま
で含浸できる程度に紡績糸又はフィラメントが集まった
糸が好ましい。また、アラミド繊維又はポリベンゾオキ
サゾール繊維は、それ自体が低摩擦係数の繊維であるた
め、少なくともベルト長手方向の緯糸7に含ませること
により、耐歯欠け性を向上させる。
【0016】また、歯布の織成構成は綾織り、繻子織
り、平織り等何れでもフッ素樹脂6及びグラファイト1
2を大量に含ませることができる。フッ素樹脂6が分散
した第1ゴム組成物5が歯布4に効果的に含浸被覆する
ためには、第1ゴム組成物5が歯布4の表裏面及び内部
で互いに連通状態になる程度に、繊維の太さや密度を選
択する。
り、平織り等何れでもフッ素樹脂6及びグラファイト1
2を大量に含ませることができる。フッ素樹脂6が分散
した第1ゴム組成物5が歯布4に効果的に含浸被覆する
ためには、第1ゴム組成物5が歯布4の表裏面及び内部
で互いに連通状態になる程度に、繊維の太さや密度を選
択する。
【0017】歯布4に含浸被覆される第1ゴム組成物5
のゴムは、歯部及び背部のベルト本体を構成する第2ゴ
ム組成物9のゴムと、同種のものが選定される。自動車
エンジン及び各種エンジン用歯付きベルトにはその使用
環境により、第1ゴム組成物及び第2ゴム組成物のゴム
として、耐熱性と耐油性を兼ね備えた水素化ニトリルゴ
ム(H−NBR)、クロロプレン(CR)、クロロスル
ホン化ポリエチレン(CSM)等が用いられる。何れの
ゴムを使用した第2ゴム組成物を背部及び歯部に用い、
且つ、同種のゴムを用いた第1ゴム組成物をゴム糊にし
てフッ素樹脂を添加して処理液として処理した歯布を使
用した歯付きベルトはいずれのゴム組成物の場合もフッ
素樹脂添加の効果が大きい。ただし、その他一般産業用
機械に用いる歯付きベルトに使用される上記以外のゴ
ム、例えば、アクリロニトリルブタジエン共重合体(N
BR)、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPD
M)、エチレンプロピレン共重合体(EPR)、スチレ
ンブタジエン共重合体(SBR)、イソプレンゴム(I
R)、天然ゴム(NR)、アクリルゴム、フッ素ゴム、
シリコンゴム等何れの場合も同様にフッ素樹脂を歯布の
処理に使用することにより歯欠け寿命向上の効果があ
る。特に、前記水素化ニトリルゴムは、耐熱性及び耐オ
ゾン性の特性を発揮するために、水素添加率が80%以
上、更に水素添加率が90%以上であるのが良い。水素
添加率80%未満の水素化ニトリルゴムは、耐熱性及び
耐オゾン性が極度に低下する。
のゴムは、歯部及び背部のベルト本体を構成する第2ゴ
ム組成物9のゴムと、同種のものが選定される。自動車
エンジン及び各種エンジン用歯付きベルトにはその使用
環境により、第1ゴム組成物及び第2ゴム組成物のゴム
として、耐熱性と耐油性を兼ね備えた水素化ニトリルゴ
ム(H−NBR)、クロロプレン(CR)、クロロスル
ホン化ポリエチレン(CSM)等が用いられる。何れの
ゴムを使用した第2ゴム組成物を背部及び歯部に用い、
且つ、同種のゴムを用いた第1ゴム組成物をゴム糊にし
てフッ素樹脂を添加して処理液として処理した歯布を使
用した歯付きベルトはいずれのゴム組成物の場合もフッ
素樹脂添加の効果が大きい。ただし、その他一般産業用
機械に用いる歯付きベルトに使用される上記以外のゴ
ム、例えば、アクリロニトリルブタジエン共重合体(N
BR)、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPD
M)、エチレンプロピレン共重合体(EPR)、スチレ
ンブタジエン共重合体(SBR)、イソプレンゴム(I
R)、天然ゴム(NR)、アクリルゴム、フッ素ゴム、
シリコンゴム等何れの場合も同様にフッ素樹脂を歯布の
処理に使用することにより歯欠け寿命向上の効果があ
る。特に、前記水素化ニトリルゴムは、耐熱性及び耐オ
ゾン性の特性を発揮するために、水素添加率が80%以
上、更に水素添加率が90%以上であるのが良い。水素
添加率80%未満の水素化ニトリルゴムは、耐熱性及び
耐オゾン性が極度に低下する。
【0018】前記第1ゴム組成物は、前記ゴムに、配合
剤としてカーボンブラック、亜鉛華、ステアリン酸、可
塑剤、老化防止剤等が添加され、また加硫剤として硫
黄、有機過酸化物が添加されてなる。これらの配合剤や
加硫剤などの含有量は常法によればよく、特に制限され
ない。
剤としてカーボンブラック、亜鉛華、ステアリン酸、可
塑剤、老化防止剤等が添加され、また加硫剤として硫
黄、有機過酸化物が添加されてなる。これらの配合剤や
加硫剤などの含有量は常法によればよく、特に制限され
ない。
【0019】歯布4に含浸被覆される第1ゴム組成物の
ゴムと結合しないフッ素樹脂6は、ポリテトラフルオロ
エチレン、ポリトリフルオロエチレン、テトラフルオロ
エチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラ
フルオロエチレン−パ−フルオロアルコキシエチレン共
重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体の
一種以上である。これらフッ素樹脂6は造粒又は破砕に
より粉末状とされ、その平均粒直径が500μm以下で
ある。歯布4の緯糸及び経糸を構成する繊維フィラメン
ト表面に近い位置に、フッ素樹脂6を付着させ歯付きベ
ルトとプーリとの噛み合い時の摩擦係数を低減させベル
ト寿命を延長させる作用は、フッ素樹脂6中のフッ素原
子数の割合が多い程その効果は大きい。そのため、同量
の歯布への付着量を前提とした場合、上記フッ素樹脂6
の中ではポリテトラフルオロエチレンが最も摩擦係数低
減の効果が大きく歯欠け寿命が長い。しかし、他のフッ
素樹脂も分子内のフッ素原子数の割合にほぼ比例してそ
の効果がある。そのフッ素樹脂の粉末状の形態について
は特に制限されないが、平均直径が500μm以下に粉
砕又は造粒された粉体の状態でゴム組成物中に分散させ
る。直径が500μmを越えるとベルト内におけるフッ
素樹脂6の表面積が減少して効果が少なくなる。直径が
0.1μmになると、粉末が分散しすぎて、摩擦面に露
出する機会が少なくなる。特に、乳化重合や懸濁重合等
で得られる粒子直径の小さい3〜30μmのフッ素樹脂
が摩擦係数低減効果が大きい。
ゴムと結合しないフッ素樹脂6は、ポリテトラフルオロ
エチレン、ポリトリフルオロエチレン、テトラフルオロ
エチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラ
フルオロエチレン−パ−フルオロアルコキシエチレン共
重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体の
一種以上である。これらフッ素樹脂6は造粒又は破砕に
より粉末状とされ、その平均粒直径が500μm以下で
ある。歯布4の緯糸及び経糸を構成する繊維フィラメン
ト表面に近い位置に、フッ素樹脂6を付着させ歯付きベ
ルトとプーリとの噛み合い時の摩擦係数を低減させベル
ト寿命を延長させる作用は、フッ素樹脂6中のフッ素原
子数の割合が多い程その効果は大きい。そのため、同量
の歯布への付着量を前提とした場合、上記フッ素樹脂6
の中ではポリテトラフルオロエチレンが最も摩擦係数低
減の効果が大きく歯欠け寿命が長い。しかし、他のフッ
素樹脂も分子内のフッ素原子数の割合にほぼ比例してそ
の効果がある。そのフッ素樹脂の粉末状の形態について
は特に制限されないが、平均直径が500μm以下に粉
砕又は造粒された粉体の状態でゴム組成物中に分散させ
る。直径が500μmを越えるとベルト内におけるフッ
素樹脂6の表面積が減少して効果が少なくなる。直径が
0.1μmになると、粉末が分散しすぎて、摩擦面に露
出する機会が少なくなる。特に、乳化重合や懸濁重合等
で得られる粒子直径の小さい3〜30μmのフッ素樹脂
が摩擦係数低減効果が大きい。
【0020】フッ素樹脂6を歯布4に付着させる具体的
方法として下記のものが例示できる。第1ゴム組成物を
混練り後、第1ゴム組成物をメチルエチルケトン(ME
K)、トルエン等の溶剤に溶解させ、フッ素樹脂6を第
1ゴム組成物中のゴム100重量部に対し50〜400
重量部添加し、均一に分散させて処理液とする。処理液
に歯布4を浸漬し乾燥させ、浸漬処理前の歯布4の重量
に対しフッ素樹脂6とゴム組成物の配合物の付着量を7
〜40重量%としてベルト作製に使用する。また、フッ
素樹脂6を水に分散させたものを、レゾルシンホルマリ
ンゴムラテックス混合物中に混合して、歯布用織物を浸
漬、乾燥、熱処理して歯布表面、裏面、歯布内部の繊維
フィラメント表面に固着する方法を用いることもでき
る。
方法として下記のものが例示できる。第1ゴム組成物を
混練り後、第1ゴム組成物をメチルエチルケトン(ME
K)、トルエン等の溶剤に溶解させ、フッ素樹脂6を第
1ゴム組成物中のゴム100重量部に対し50〜400
重量部添加し、均一に分散させて処理液とする。処理液
に歯布4を浸漬し乾燥させ、浸漬処理前の歯布4の重量
に対しフッ素樹脂6とゴム組成物の配合物の付着量を7
〜40重量%としてベルト作製に使用する。また、フッ
素樹脂6を水に分散させたものを、レゾルシンホルマリ
ンゴムラテックス混合物中に混合して、歯布用織物を浸
漬、乾燥、熱処理して歯布表面、裏面、歯布内部の繊維
フィラメント表面に固着する方法を用いることもでき
る。
【0021】フッ素の添加量として、歯付きベルトの高
負荷条件での走行に対して性能向上の効果が認められる
ためには、ゴム組成物中のゴム100重量部に対しフッ
素樹脂6が50重量部添加しないと効果が少ない。一
方、添加するフッ素樹脂量がゴム組成物のゴム100重
量部に対し400重量部を越えると歯布の接着性が低下
し、ベルト性能が低下する。好ましい添加量は、ゴム1
00重量部に対して、100重量部を越え、250重量
部以内である。
負荷条件での走行に対して性能向上の効果が認められる
ためには、ゴム組成物中のゴム100重量部に対しフッ
素樹脂6が50重量部添加しないと効果が少ない。一
方、添加するフッ素樹脂量がゴム組成物のゴム100重
量部に対し400重量部を越えると歯布の接着性が低下
し、ベルト性能が低下する。好ましい添加量は、ゴム1
00重量部に対して、100重量部を越え、250重量
部以内である。
【0022】前記フッ素樹脂の粉末とゴム組成物とから
なる配合物の歯布への付着量を測定する方法としては、
前処理済みの歯布用織物の質量を秤量し質量(W1)を
計る。次に上記配合物を溶解させた処理液に、前処理済
の歯布用織物を浸漬した後歯布用織物をオーブンに入れ
質量が一定になる迄乾燥を続け、最終質量(W2)を計
り、式((W2−W1)/W1)×100(%)で算出
する。
なる配合物の歯布への付着量を測定する方法としては、
前処理済みの歯布用織物の質量を秤量し質量(W1)を
計る。次に上記配合物を溶解させた処理液に、前処理済
の歯布用織物を浸漬した後歯布用織物をオーブンに入れ
質量が一定になる迄乾燥を続け、最終質量(W2)を計
り、式((W2−W1)/W1)×100(%)で算出
する。
【0023】また、フッ素樹脂とゴム組成物との配合物
の付着量が少なくとも含浸処理前の歯布重量に対して7
重量%以上でないと接着力も低くフッ素樹脂6の付着量
の総量が少ないためベルト性能向上の効果が少なく、4
0重量%を越えると歯布剛性が上昇し、歯形を加硫中に
成型しにくくなる。好ましい付着量は、含浸処理前の歯
布重量に対して15〜25重量%である。
の付着量が少なくとも含浸処理前の歯布重量に対して7
重量%以上でないと接着力も低くフッ素樹脂6の付着量
の総量が少ないためベルト性能向上の効果が少なく、4
0重量%を越えると歯布剛性が上昇し、歯形を加硫中に
成型しにくくなる。好ましい付着量は、含浸処理前の歯
布重量に対して15〜25重量%である。
【0024】また、フッ素樹脂6と共に、二硫化モリブ
デン、層状構造のグラファイト、ガラスビーズ、セラミ
ック粉末、球状フェノール樹脂粉末及びアラミド、ポリ
アミド、ポリエステル、ポリベンゾオキサゾール、繊維
のカット糸又は粉末の一種以上を、溶剤に溶かしたゴム
組成物のゴム糊中に添加して混合分散させ、歯布を浸漬
して乾燥後ベルト作製時に加硫により歯布と接着しベル
ト本体と一体化させることが好ましい。これらの摩擦係
数低減剤の更なる添加により、摩擦係数低減作用がフッ
素樹脂6を単独で用いるより増強され、ベルトの耐久性
が更に向上する。特に、二硫化モリブデンと層状構造を
もつグラファイトは従来より摺動剤として使用されてお
り、フッ素樹脂6と併用すると、更にプーリとベルトの
噛み合い時の摩擦によるベルト歯底部に掛かる応力が軽
減される。
デン、層状構造のグラファイト、ガラスビーズ、セラミ
ック粉末、球状フェノール樹脂粉末及びアラミド、ポリ
アミド、ポリエステル、ポリベンゾオキサゾール、繊維
のカット糸又は粉末の一種以上を、溶剤に溶かしたゴム
組成物のゴム糊中に添加して混合分散させ、歯布を浸漬
して乾燥後ベルト作製時に加硫により歯布と接着しベル
ト本体と一体化させることが好ましい。これらの摩擦係
数低減剤の更なる添加により、摩擦係数低減作用がフッ
素樹脂6を単独で用いるより増強され、ベルトの耐久性
が更に向上する。特に、二硫化モリブデンと層状構造を
もつグラファイトは従来より摺動剤として使用されてお
り、フッ素樹脂6と併用すると、更にプーリとベルトの
噛み合い時の摩擦によるベルト歯底部に掛かる応力が軽
減される。
【0025】また、歯布4に含浸被覆されるゴム組成物
の密着性を向上させ、歯布4の緯経糸の表面に近い部分
にフッ素樹脂を付着させ、同時にベルト本体と歯布4の
優れた結合性を得るために、歯布4に使用される繊維に
接着成分付与のための処理を施すことが好ましい。この
接着成分付与の方法として下記のものが好ましい。
の密着性を向上させ、歯布4の緯経糸の表面に近い部分
にフッ素樹脂を付着させ、同時にベルト本体と歯布4の
優れた結合性を得るために、歯布4に使用される繊維に
接着成分付与のための処理を施すことが好ましい。この
接着成分付与の方法として下記のものが好ましい。
【0026】未処理歯布をイソシアネート化合物、エポ
キシ化合物、又はRFL液を含む室温に設定した前処理
液に0.5〜30秒間浸漬した後、150〜190℃に
調節したオーブンに2〜5分間通して乾燥させる。上記
前処理液中にはグラファイト或いは二硫化モリブデンの
うちから選ばれた少なくとも1種の減摩材を前もって混
合分散させておく。このとき使用するグラファイト又は
二硫化モリブデンは粒度が0.1〜500μmのものを
使用し、さらに0.1〜10μmの微小のものを使用す
るとより好ましい。上記前処理液は未処理歯布に付着し
て乾燥後は接着成分として機能し、歯布と第1ゴム組成
物とを接着する機能がある。そして、少なくともグラフ
ァイト或いは二硫化モリブデンのうちから選ばれた少な
くとも1種の減摩材を上記前処理液に混合分散させるこ
とにより、上記前処理液が歯布に付着、乾燥した後歯布
を構成する繊維の周囲にグラファイト或いは二硫化モリ
ブデンが存在し繊維の摩滅を防ぐ作用が有る。さらにグ
ラファイト或いは二硫化モリブデンが層状構造をしてい
るものを使用すると、歯付ベルト表面の摩耗が進行して
も連続的に上記減摩材がプーリとの摺動面に現れること
となり、常にプーリとの摺動面の摩擦係数が低く耐摩耗
性が良く、歯布の摩滅を十分抑止することができる。
キシ化合物、又はRFL液を含む室温に設定した前処理
液に0.5〜30秒間浸漬した後、150〜190℃に
調節したオーブンに2〜5分間通して乾燥させる。上記
前処理液中にはグラファイト或いは二硫化モリブデンの
うちから選ばれた少なくとも1種の減摩材を前もって混
合分散させておく。このとき使用するグラファイト又は
二硫化モリブデンは粒度が0.1〜500μmのものを
使用し、さらに0.1〜10μmの微小のものを使用す
るとより好ましい。上記前処理液は未処理歯布に付着し
て乾燥後は接着成分として機能し、歯布と第1ゴム組成
物とを接着する機能がある。そして、少なくともグラフ
ァイト或いは二硫化モリブデンのうちから選ばれた少な
くとも1種の減摩材を上記前処理液に混合分散させるこ
とにより、上記前処理液が歯布に付着、乾燥した後歯布
を構成する繊維の周囲にグラファイト或いは二硫化モリ
ブデンが存在し繊維の摩滅を防ぐ作用が有る。さらにグ
ラファイト或いは二硫化モリブデンが層状構造をしてい
るものを使用すると、歯付ベルト表面の摩耗が進行して
も連続的に上記減摩材がプーリとの摺動面に現れること
となり、常にプーリとの摺動面の摩擦係数が低く耐摩耗
性が良く、歯布の摩滅を十分抑止することができる。
【0027】上記前処理液で使用するイソシアネート化
合物としては、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、トリレン2,4−ジイソシアネート、ポ
リメチレンポリフェニルジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、ポリアリールポリイソシアネー
ト(例えば商品名としてPAPIがある)等がある。こ
のイソシアネート化合物もトルエン、メチルエチルケト
ン等の有機溶剤に混合して使用される。また、上記イソ
シアネート化合物にフェノール類、第3級アルコール
類、第2級アルコール類等のブロック化剤を反応させて
ポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック化し
たブロック化ポリイソシアネートも使用可能である。
合物としては、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、トリレン2,4−ジイソシアネート、ポ
リメチレンポリフェニルジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、ポリアリールポリイソシアネー
ト(例えば商品名としてPAPIがある)等がある。こ
のイソシアネート化合物もトルエン、メチルエチルケト
ン等の有機溶剤に混合して使用される。また、上記イソ
シアネート化合物にフェノール類、第3級アルコール
類、第2級アルコール類等のブロック化剤を反応させて
ポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック化し
たブロック化ポリイソシアネートも使用可能である。
【0028】また、前処理液で使用するエポキシ化合物
としては、例えばエチレングリコール、グリセリン、ペ
ンタエリスリトール等の多価アルコールや、ポリエチレ
ングリコール等のポリアルキレングリコールとエピクロ
ルヒドリンのようなハロゲン含有エポキシ化合物との反
応生成物や、レゾルシン、ピス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ジメチルメタン、フェノール、ホルムアルデヒド樹
脂、レゾルシン、ホルムアルデヒド樹脂等の多価フェノ
ール類やハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物な
どである。上記エポキシ化合物はトルエン、メチルエチ
ルケトン等の有機溶剤に混合して使用される。
としては、例えばエチレングリコール、グリセリン、ペ
ンタエリスリトール等の多価アルコールや、ポリエチレ
ングリコール等のポリアルキレングリコールとエピクロ
ルヒドリンのようなハロゲン含有エポキシ化合物との反
応生成物や、レゾルシン、ピス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ジメチルメタン、フェノール、ホルムアルデヒド樹
脂、レゾルシン、ホルムアルデヒド樹脂等の多価フェノ
ール類やハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物な
どである。上記エポキシ化合物はトルエン、メチルエチ
ルケトン等の有機溶剤に混合して使用される。
【0029】さらに、前処理液で使用されるRFL液
は、レゾルシンとホルマリンの初期縮合物とニトリルゴ
ムラテックスそして水素化ニトリルゴムラテックスから
選ばれた少なくとも一種のゴムラテックスとを混合した
ものであり、この場合レゾルシンとホルマリンのモル比
は3/1〜1/3にすることが接着力を高めるうえで好
適である。また、レゾルシンとホルマリンの初期縮合物
は、これをゴムラテックスのゴム分100重量部に対し
てその樹脂分が5〜100重量部になるようにゴムラテ
ックスと混合したうえ、全固形濃度を5〜40%濃度に
調節される。
は、レゾルシンとホルマリンの初期縮合物とニトリルゴ
ムラテックスそして水素化ニトリルゴムラテックスから
選ばれた少なくとも一種のゴムラテックスとを混合した
ものであり、この場合レゾルシンとホルマリンのモル比
は3/1〜1/3にすることが接着力を高めるうえで好
適である。また、レゾルシンとホルマリンの初期縮合物
は、これをゴムラテックスのゴム分100重量部に対し
てその樹脂分が5〜100重量部になるようにゴムラテ
ックスと混合したうえ、全固形濃度を5〜40%濃度に
調節される。
【0030】本発明のフッ素樹脂6は、ゴム組成物中に
分散された状態であり、未処理の歯布用織物の繊維と直
接結合して接着しない。そのため、前記繊維を上述した
方法により予め、RFL、エポキシ樹脂、イソシアネー
トの何れかの接着成分で処理した後に、フッ素樹脂が分
散されたゴム組成物を積層してベルト本体のゴムと加圧
加硫して繊維とベルト本体を強固に接着する。又は、フ
ッ素樹脂とゴム組成物等との配合物を溶剤に溶かした処
理液中にエポキシ樹脂又はイソシアネート等の接着成分
を添加して直接未処理の歯布用織物と接着させることも
できる。フッ素樹脂を含むゴム組成物が歯布用織物の繊
維表面とエポキシ樹脂又はイソシアネートの接着成分層
を介して接着することになるからである。フッ素樹脂は
ゴム組成物及び繊維表面とは直接接着しないが、ゴム組
成物中に分散されている状態で繊維の極近い表面に存在
することにより、ベルト走行時の摩擦による歯底部に掛
かる応力を歯布が低減させる際に、フッ素樹脂が有効に
作用し、ベルトの耐久性の向上に寄与する。
分散された状態であり、未処理の歯布用織物の繊維と直
接結合して接着しない。そのため、前記繊維を上述した
方法により予め、RFL、エポキシ樹脂、イソシアネー
トの何れかの接着成分で処理した後に、フッ素樹脂が分
散されたゴム組成物を積層してベルト本体のゴムと加圧
加硫して繊維とベルト本体を強固に接着する。又は、フ
ッ素樹脂とゴム組成物等との配合物を溶剤に溶かした処
理液中にエポキシ樹脂又はイソシアネート等の接着成分
を添加して直接未処理の歯布用織物と接着させることも
できる。フッ素樹脂を含むゴム組成物が歯布用織物の繊
維表面とエポキシ樹脂又はイソシアネートの接着成分層
を介して接着することになるからである。フッ素樹脂は
ゴム組成物及び繊維表面とは直接接着しないが、ゴム組
成物中に分散されている状態で繊維の極近い表面に存在
することにより、ベルト走行時の摩擦による歯底部に掛
かる応力を歯布が低減させる際に、フッ素樹脂が有効に
作用し、ベルトの耐久性の向上に寄与する。
【0031】さらに第2図に示すように、第1ゴム組成
物5と第1接着成分11の間に第2接着成分としてイソ
シアネート化合物を含んだゴム配合物からなる第3ゴム
組成物を介在し歯布用接着層を設けることによって該第
3ゴム組成物が接着力を高める中間層として機能し、イ
ソシアネート化合物が接着成分として作用する。このゴ
ム組成物は上記ゴム配合物をメチルエチルケトン(ME
K)、トルエン等の溶剤に溶解させ、イソシアネート化
合物を添加して処理液とし、この処理液を塗布した後乾
燥固化することにより形成される。前記処理液で使用す
るイソシアネート化合物としては、例えば4,4´−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、トリレン2,4−ジ
イソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリアリー
ルポリイソシアネート(例えば商品名としてPAPIが
ある)等がある。このイソシアネート化合物もトルエ
ン、メチルエチルケトン等の有機溶剤に混合して使用さ
れる。また、上記イソシアネート化合物にフェノール
類、第3級アルコール類、第2級アルコール類等のブロ
ック化剤を反応させてポリイソシアネートのイソシアネ
ート基をブロック化したブロック化ポリイソシアネート
も使用可能である。
物5と第1接着成分11の間に第2接着成分としてイソ
シアネート化合物を含んだゴム配合物からなる第3ゴム
組成物を介在し歯布用接着層を設けることによって該第
3ゴム組成物が接着力を高める中間層として機能し、イ
ソシアネート化合物が接着成分として作用する。このゴ
ム組成物は上記ゴム配合物をメチルエチルケトン(ME
K)、トルエン等の溶剤に溶解させ、イソシアネート化
合物を添加して処理液とし、この処理液を塗布した後乾
燥固化することにより形成される。前記処理液で使用す
るイソシアネート化合物としては、例えば4,4´−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、トリレン2,4−ジ
イソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリアリー
ルポリイソシアネート(例えば商品名としてPAPIが
ある)等がある。このイソシアネート化合物もトルエ
ン、メチルエチルケトン等の有機溶剤に混合して使用さ
れる。また、上記イソシアネート化合物にフェノール
類、第3級アルコール類、第2級アルコール類等のブロ
ック化剤を反応させてポリイソシアネートのイソシアネ
ート基をブロック化したブロック化ポリイソシアネート
も使用可能である。
【0032】なお、フッ素樹脂6を歯布4に付着させた
ベルトに使用される心線1に制限はなく、一般にはガラ
ス心線及びアラミド心線が使用される。また、ポリベン
ゾオキサゾール、ポリパラフェニレンナフタレート、ポ
リエステル、アクリル、カーボン、スチールを組成とす
る撚コードの何れでも使用できる。ガラス心線の組成は
Eガラス、Sガラス(高強度ガラス)何れでも良く、フ
ィラメントの太さ及びフィラメントの収束本数及びスト
ランド本数に制限されない。また、接着処理剤及び屈曲
時のガラスフィラメントの保護材として使用されるサイ
ジング剤、RFL、オーバーコート剤等にも制限されな
い。一方、アラミド心線においても、材質の分子構造の
違いや心線構成及びフィラメントの大きさや接着処理剤
の違いによっても制限されない。他の組成からなる心線
の撚コードについても同様に特別の制限はない。
ベルトに使用される心線1に制限はなく、一般にはガラ
ス心線及びアラミド心線が使用される。また、ポリベン
ゾオキサゾール、ポリパラフェニレンナフタレート、ポ
リエステル、アクリル、カーボン、スチールを組成とす
る撚コードの何れでも使用できる。ガラス心線の組成は
Eガラス、Sガラス(高強度ガラス)何れでも良く、フ
ィラメントの太さ及びフィラメントの収束本数及びスト
ランド本数に制限されない。また、接着処理剤及び屈曲
時のガラスフィラメントの保護材として使用されるサイ
ジング剤、RFL、オーバーコート剤等にも制限されな
い。一方、アラミド心線においても、材質の分子構造の
違いや心線構成及びフィラメントの大きさや接着処理剤
の違いによっても制限されない。他の組成からなる心線
の撚コードについても同様に特別の制限はない。
【0033】上述した構成を有する歯付ベルトは、第1
ゴム組成物と結合しないフッ素樹脂の粉末を歯付きベル
トの歯布表面、裏面及び内部の繊維フィラメント表面に
極近い位置に大量にゴム組成物中に分散させて付着させ
ることでベルト走行中の摩擦係数を走行中継続して低減
させて耐歯欠け性能を向上させる。フッ素樹脂は粉砕方
法や造粒方法でその形状は異なるが何れの形状でも良く
ゴム中に配合して混練りすることにより繊維化する性質
を有するポリテトラフルオロエチレンである必要もな
い。むしろ繊維化しにくい粒径の小さいフッ素樹脂がそ
の効果がより大きい。ゴム組成物を溶剤に溶解させたゴ
ム糊中に大量に添加することにより、フッ素樹脂はゴム
組成物中に分散した状態で糊ゴム中に大量に存在し、歯
布を浸漬し乾燥して加硫するとベルト本体との接着力は
予め歯布中フィラメント表面に処理したイソシアネート
類、エポキシ樹脂、RFL等の接着成分とフッ素樹脂を
除くゴム組成物とが接着結合し歯布との強力な接着力を
得られる。この場合フッ素樹脂はゴム組成物と直接結合
していないが、歯布を構成する経糸、緯糸の各単糸フィ
ラメント表面の極近い位置に大量に存在することにより
走行中継続してその効果を発揮する。
ゴム組成物と結合しないフッ素樹脂の粉末を歯付きベル
トの歯布表面、裏面及び内部の繊維フィラメント表面に
極近い位置に大量にゴム組成物中に分散させて付着させ
ることでベルト走行中の摩擦係数を走行中継続して低減
させて耐歯欠け性能を向上させる。フッ素樹脂は粉砕方
法や造粒方法でその形状は異なるが何れの形状でも良く
ゴム中に配合して混練りすることにより繊維化する性質
を有するポリテトラフルオロエチレンである必要もな
い。むしろ繊維化しにくい粒径の小さいフッ素樹脂がそ
の効果がより大きい。ゴム組成物を溶剤に溶解させたゴ
ム糊中に大量に添加することにより、フッ素樹脂はゴム
組成物中に分散した状態で糊ゴム中に大量に存在し、歯
布を浸漬し乾燥して加硫するとベルト本体との接着力は
予め歯布中フィラメント表面に処理したイソシアネート
類、エポキシ樹脂、RFL等の接着成分とフッ素樹脂を
除くゴム組成物とが接着結合し歯布との強力な接着力を
得られる。この場合フッ素樹脂はゴム組成物と直接結合
していないが、歯布を構成する経糸、緯糸の各単糸フィ
ラメント表面の極近い位置に大量に存在することにより
走行中継続してその効果を発揮する。
【0034】さらに上記歯布中フィラメント表面に処理
したイソシアネート類、エポキシ樹脂、RFL等の接着
成分中にグラファイト或いは二硫化モリブデンのうちか
ら選ばれた少なくとも1種の減摩材を含有させることに
よって歯布のフィラメント表面のより近い位置に大量に
存在し、フッ素樹脂が摩滅し消耗した後の歯布の耐摩耗
機能を受持ち、より歯付ベルトの寿命が長くなる。
したイソシアネート類、エポキシ樹脂、RFL等の接着
成分中にグラファイト或いは二硫化モリブデンのうちか
ら選ばれた少なくとも1種の減摩材を含有させることに
よって歯布のフィラメント表面のより近い位置に大量に
存在し、フッ素樹脂が摩滅し消耗した後の歯布の耐摩耗
機能を受持ち、より歯付ベルトの寿命が長くなる。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
く、目的を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
く、目的を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0036】実施例A 表1の歯布用織物を、表3及び表4に示すRFL処理液
を調合して前処理液とした。その後歯布用織物を、上記
前処理液に浸漬し、120°Cにて乾燥後180°Cに
て2分間処理した。次に、表2のゴム配合物を、ME
K、トルエンに溶かした後にイソシアネート化合物とし
てポリアリールポリイソシアネート(商品名PAPI)
を添加した処理液に、RFL処理後の繊維織物を浸漬
し、接着層を形成した。さらに、表2のゴム組成物を、
MEK(H−NBRの場合)、トルエン(その他のゴム
成分の場合)に溶かした後に、添加剤としてフッ素樹脂
とその他の二硫化モリブデン、グラファイト、ガラスビ
ース等を添加混合して約10%固形分の一様な処理液と
した。この処理液に、前処理済みの歯布用織物を浸漬
し、乾燥させてベルト作成用の処理歯布材料とした。
を調合して前処理液とした。その後歯布用織物を、上記
前処理液に浸漬し、120°Cにて乾燥後180°Cに
て2分間処理した。次に、表2のゴム配合物を、ME
K、トルエンに溶かした後にイソシアネート化合物とし
てポリアリールポリイソシアネート(商品名PAPI)
を添加した処理液に、RFL処理後の繊維織物を浸漬
し、接着層を形成した。さらに、表2のゴム組成物を、
MEK(H−NBRの場合)、トルエン(その他のゴム
成分の場合)に溶かした後に、添加剤としてフッ素樹脂
とその他の二硫化モリブデン、グラファイト、ガラスビ
ース等を添加混合して約10%固形分の一様な処理液と
した。この処理液に、前処理済みの歯布用織物を浸漬
し、乾燥させてベルト作成用の処理歯布材料とした。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】次に、ベルト作成用金型に上記の歯布を巻
き付け、SZ撚一対のRFL及びイソシアネートにて接
着処理された心線(ガラス繊維、1.2mm直径)を一
定ピッチ(1.4mm)でスパイラルに一定張力で巻き
付け、その上に表2と同じ配合からなる2.5mmのゴ
ムシートを貼り付けた。更に、加硫缶に投入して通常の
圧入方式により歯形を形成させた後160℃にて30分
加圧加硫して、ベルト背面を一定厚さに研磨し一定幅に
カットして走行用歯付きベルトを得た。作製したベルト
の各材料の構成は表5〜15に示す通りである。
き付け、SZ撚一対のRFL及びイソシアネートにて接
着処理された心線(ガラス繊維、1.2mm直径)を一
定ピッチ(1.4mm)でスパイラルに一定張力で巻き
付け、その上に表2と同じ配合からなる2.5mmのゴ
ムシートを貼り付けた。更に、加硫缶に投入して通常の
圧入方式により歯形を形成させた後160℃にて30分
加圧加硫して、ベルト背面を一定厚さに研磨し一定幅に
カットして走行用歯付きベルトを得た。作製したベルト
の各材料の構成は表5〜15に示す通りである。
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】
【表7】
【0045】
【表8】
【0046】
【表9】
【0047】
【表10】
【0048】
【表11】
【0049】
【表12】
【0050】
【表13】
【0051】
【表14】
【0052】
【表15】
【0053】作成したベルトのサイズは、ベルト幅15
mm、ベルト歯形Y(8.0mmピッチ)、歯数105
であり、通常105Y15と表示される。走行試験装置
として、図2に示す駆動プーリ歯数19、従動プーリ歯
数38にて駆動プーリ回転数7200rpm、従動プー
リ負荷7.5kwとし、初張力を350N、雰囲気温度
を130℃に設定した高負荷、高張力、高温条件での耐
久走行試験を実施した。その耐久試験における寿命時間
と故障形態を表4から7に示す。又、同じベルトを使用
して図3に示す多軸屈曲試験機にて雰囲気温度100
℃、駆動プーリ回転数5500rpm、ベルト張力20
0N(軸荷重40kg)として走行させ表4から7の寿
命時間を得た。
mm、ベルト歯形Y(8.0mmピッチ)、歯数105
であり、通常105Y15と表示される。走行試験装置
として、図2に示す駆動プーリ歯数19、従動プーリ歯
数38にて駆動プーリ回転数7200rpm、従動プー
リ負荷7.5kwとし、初張力を350N、雰囲気温度
を130℃に設定した高負荷、高張力、高温条件での耐
久走行試験を実施した。その耐久試験における寿命時間
と故障形態を表4から7に示す。又、同じベルトを使用
して図3に示す多軸屈曲試験機にて雰囲気温度100
℃、駆動プーリ回転数5500rpm、ベルト張力20
0N(軸荷重40kg)として走行させ表4から7の寿
命時間を得た。
【0054】実施例1〜12、30〜41と比較例1〜
3とによりナイロン織物をH−NBRラテックス使用し
グラファイト或いは二硫化モリブデンを添加したRFL
処理液にて処理し、さらにゴム配合物中のゴム100重
量部に対して、PTFEを50〜400重量部含有させ
た配合物を前記RFL液で処理を行なった歯布に含浸被
覆し、同じくゴム成分の歯ゴム及び背ゴムと一体化させ
たものは、耐久性が向上している。実施例8、9、3
7、38と比較例4とにより、PTFE粉末の平均粒子
直径は、小径のものがよく、500μmを越えると、耐
久性向上の効果が少なくなる。実施例18によると、処
理前歯布重量に対して、7重量%以上の配合物を付着さ
せたものは、耐久性向上の効果が認められる。また、実
施例5〜7、34〜からによると、PTFEに二流化モ
リブデン、グラファイト、アラミド繊維パウダーを添加
したものは、耐久性向上に相乗効果が認められる。ま
た、実施例3、11、12において、RFL処理液のゴ
ム成分100重量部に対してグラファイトを30〜20
0重量部添加した場合、効果が顕著である。更に、実施
例32、40、41において、RFL処理液のゴム成分
100重量部に対して二硫化モリブデンを30〜200
重量部添加した場合も、効果が顕著である。
3とによりナイロン織物をH−NBRラテックス使用し
グラファイト或いは二硫化モリブデンを添加したRFL
処理液にて処理し、さらにゴム配合物中のゴム100重
量部に対して、PTFEを50〜400重量部含有させ
た配合物を前記RFL液で処理を行なった歯布に含浸被
覆し、同じくゴム成分の歯ゴム及び背ゴムと一体化させ
たものは、耐久性が向上している。実施例8、9、3
7、38と比較例4とにより、PTFE粉末の平均粒子
直径は、小径のものがよく、500μmを越えると、耐
久性向上の効果が少なくなる。実施例18によると、処
理前歯布重量に対して、7重量%以上の配合物を付着さ
せたものは、耐久性向上の効果が認められる。また、実
施例5〜7、34〜からによると、PTFEに二流化モ
リブデン、グラファイト、アラミド繊維パウダーを添加
したものは、耐久性向上に相乗効果が認められる。ま
た、実施例3、11、12において、RFL処理液のゴ
ム成分100重量部に対してグラファイトを30〜20
0重量部添加した場合、効果が顕著である。更に、実施
例32、40、41において、RFL処理液のゴム成分
100重量部に対して二硫化モリブデンを30〜200
重量部添加した場合も、効果が顕著である。
【0055】実施例B 歯布に含浸被覆されるゴム組成物、歯ゴム及び背ゴムの
ゴム組成物が、H−NBR以外のゴム成分である場合の
実施例22〜29、51〜58と比較例5〜8、9〜1
1について、走行試験を実施して効果を確認した。ただ
し、走行条件は、ゴム組成物の耐熱性を考慮した、雰囲
気温度のみを3軸走行では80℃、多軸走行試験では6
0℃と変更した。走行試験結果は表5に示される。クロ
ロプレン(CR)、クロロスルホン化ポリエチレン(C
SM)、スチレンブタジエン共重合体(SBR)、アク
リロニトリルブタジエン共重合体(NBR)、EDD
M、EPRなどのゴムからなるゴム組成物に変更して
も、実施例1と同様に、寿命向上に効果がある。
ゴム組成物が、H−NBR以外のゴム成分である場合の
実施例22〜29、51〜58と比較例5〜8、9〜1
1について、走行試験を実施して効果を確認した。ただ
し、走行条件は、ゴム組成物の耐熱性を考慮した、雰囲
気温度のみを3軸走行では80℃、多軸走行試験では6
0℃と変更した。走行試験結果は表5に示される。クロ
ロプレン(CR)、クロロスルホン化ポリエチレン(C
SM)、スチレンブタジエン共重合体(SBR)、アク
リロニトリルブタジエン共重合体(NBR)、EDD
M、EPRなどのゴムからなるゴム組成物に変更して
も、実施例1と同様に、寿命向上に効果がある。
【0056】
【発明の効果】上記構成の本件発明によると、歯布の表
裏面及び内部が互いに連通状態になるように第1ゴム組
成物を含浸被覆し、この第1ゴム組成物内にフッ素樹脂
が前記第1ゴム組成物と結合されることなく分散されて
おり、さらに前記歯布を構成する糸にグラファイト或い
は二硫化モリブデンのうちから選ばれた少なくとも1種
の減摩材を含んだ前記第1ゴム成分との接着成分が付与
され、前記第1ゴム組成物と前記歯部及び前記背部を構
成する第2ゴム組成物とを加硫加圧により一体化したこ
とにより、歯布の表面、裏面及び内部の繊維フィラメン
ト表面に極近い位置にグラファイト或いは二硫化モリブ
デンのうちから選ばれた少なくとも1種の減摩材が存在
し、そして大量のフッ素樹脂がゴム組成物中に分散付着
することでベルト走行中の摩擦係数を走行中継続して低
減させて耐歯欠け性能を向上させる効果を奏する。
裏面及び内部が互いに連通状態になるように第1ゴム組
成物を含浸被覆し、この第1ゴム組成物内にフッ素樹脂
が前記第1ゴム組成物と結合されることなく分散されて
おり、さらに前記歯布を構成する糸にグラファイト或い
は二硫化モリブデンのうちから選ばれた少なくとも1種
の減摩材を含んだ前記第1ゴム成分との接着成分が付与
され、前記第1ゴム組成物と前記歯部及び前記背部を構
成する第2ゴム組成物とを加硫加圧により一体化したこ
とにより、歯布の表面、裏面及び内部の繊維フィラメン
ト表面に極近い位置にグラファイト或いは二硫化モリブ
デンのうちから選ばれた少なくとも1種の減摩材が存在
し、そして大量のフッ素樹脂がゴム組成物中に分散付着
することでベルト走行中の摩擦係数を走行中継続して低
減させて耐歯欠け性能を向上させる効果を奏する。
【図1】本発明の歯付ベルトの要部の構造を示す拡大断
面図である。
面図である。
【図2】本発明の他の実施例での歯付ベルトの要部の構
造を示す拡大断面図である。
造を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の歯付ベルトの全体構造を示す斜視図で
ある。
ある。
【図4】歯付ベルトの耐久性能測定装置を示す概略図で
ある。
ある。
【図5】歯付ベルトの耐久性能測定装置を示す概略図で
ある。
ある。
1 心線 2 背部 3 歯部 4 歯布 5 第1ゴム組成物 6 フッ素樹脂 7 緯糸 8 経糸 9 第2ゴム組成物 10 隙間 11 境界面 12 減摩材 13 接着成分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中井 泰典 兵庫県神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ星ベルト株式会社内
Claims (9)
- 【請求項1】 長手方向に沿って所定間隔で配置した複
数の歯部と、心線を埋設した背部を有し、上記歯部の表
面に歯布を被覆した歯付ベルトにおいて、前記歯布の表
裏面及び内部が互いに連通状態になるように第1ゴム組
成物を含浸被覆し、この第1ゴム組成物内にフッ素樹脂
が前記第1ゴム組成物と結合されることなく分散されて
おり、さらに前記歯布を構成する糸にグラファイトある
いは二硫化モリブデンのうちから選ばれた少なくとも1
種の減摩材を含んだ前記第1ゴム組成物との第1接着成分
が付与され、前記第1ゴム組成物と前記歯部及び前記背
部を構成する第2ゴム組成物とを加硫加圧により一体化
したことを特徴とする歯付ベルト。 - 【請求項2】 長手方向に沿って所定間隔で配置した複
数の歯部と、心線を埋設した背部を有し、上記歯部の表
面に歯布を被覆した歯付ベルトにおいて、前記歯布の表
裏面及び内部に、フッ素樹脂を第1ゴム組成物中のゴム
100重量部に対して50〜400重量部添加して分散
させた配合物を付着させ、さらに前記歯布を構成する糸
にグラファイト或いは二硫化モリブデンのうちから選ば
れた少なくとも1種の減摩材を含んだ前記第1ゴム組成
物との第1接着成分を付与し、前記フッ素樹脂は前記第
1ゴム組成物と結合させず、前記第1ゴム組成物と前記
歯部及び前記背部を構成する第2ゴム組成物とを直接結
合させたことを特徴とする歯付ベルト。 - 【請求項3】 長手方向に沿って所定間隔で配置した複
数の歯部と、心線を埋設した背部を有し、上記歯部の表
面に歯布を被覆した歯付ベルトにおいて、前記歯布の表
裏面及び内部に、フッ素樹脂を第1ゴム組成物中のゴム
100重量部に対して100〜250重量部添加して分
散させた配合物を付着させ、さらに前記歯布を構成する
糸にグラファイト或いは二硫化モリブデンのうちから選
ばれた少なくとも1種の減摩材を含んだ前記第1ゴム組
成物との第1接着成分を付与し、前記フッ素樹脂は前記
第1ゴム組成物と結合させず、前記第1ゴム組成物と前
記歯部及び前記背部を構成する第2ゴム組成物とを直接
結合させたことを特徴とする歯付ベルト。 - 【請求項4】 前記配合物を付着処理前の歯布重量に対
して7〜40重量%付着させた請求項2又は3記載の歯
付ベルト。 - 【請求項5】 前記第1ゴム組成物と第1接着成分の間、
或いは第1ゴム組成物と第1接着成分とを跨って、第2接
着成分としてイソシアネート化合物を含んだゴム配合物
を介在させることで歯布用接着層を設けた請求項1から
4のいずれかに記載の歯付ベルト。 - 【請求項6】 前記フッ素樹脂は粉末状であり、前記粉
末の平均直径が0.1〜500μmである請求項5記載
の歯付ベルト。 - 【請求項7】 前記歯布の第1ゴム成分に前記フッ素樹
脂以外の減摩材が添加されている請求項1から6のいず
れかに記載の歯付ベルト。 - 【請求項8】 前記歯布の第1ゴム組成物と、前記歯部
及び前記背部の第2ゴム組成物とが同種である請求項1
から7のいずれかに記載の歯付ベルト。 - 【請求項9】 前記グラファイト及び二硫化モリブデン
は粉末状であり、前記粉末の粒度が共に0.01〜50
0μmである請求項1から8のいずれかに記載の歯付ベ
ルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11183066A JP2001056043A (ja) | 1999-05-31 | 1999-06-29 | 歯付ベルト |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15300299 | 1999-05-31 | ||
JP16499599 | 1999-06-11 | ||
JP11-164995 | 1999-06-11 | ||
JP11-153002 | 1999-06-11 | ||
JP11183066A JP2001056043A (ja) | 1999-05-31 | 1999-06-29 | 歯付ベルト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001056043A true JP2001056043A (ja) | 2001-02-27 |
Family
ID=27320388
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11183066A Pending JP2001056043A (ja) | 1999-05-31 | 1999-06-29 | 歯付ベルト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001056043A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002039276A (ja) * | 2000-05-23 | 2002-02-06 | Dayco Europe Srl | 歯付きベルト |
JP2007152496A (ja) * | 2005-12-05 | 2007-06-21 | Nidec Sankyo Corp | ロボットアーム及びロボット |
US20110048903A1 (en) * | 2005-01-19 | 2011-03-03 | Thermodrive Llc | Low friction, direct drive conveyor belt |
TWI447004B (zh) * | 2005-02-28 | 2014-08-01 | Nidec Sankyo Corp | Machine and robot arm |
-
1999
- 1999-06-29 JP JP11183066A patent/JP2001056043A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002039276A (ja) * | 2000-05-23 | 2002-02-06 | Dayco Europe Srl | 歯付きベルト |
JP4703035B2 (ja) * | 2000-05-23 | 2011-06-15 | ダイコ ユーロペ ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ | 歯付きベルト |
US20110048903A1 (en) * | 2005-01-19 | 2011-03-03 | Thermodrive Llc | Low friction, direct drive conveyor belt |
AU2011202155B2 (en) * | 2005-01-19 | 2012-02-23 | Laitram, L.L.C. | Low friction, direct drive conveyor belt |
US9151357B2 (en) * | 2005-01-19 | 2015-10-06 | Thermodrive, Llc | Low friction, direct drive conveyor belt |
US20150298912A1 (en) * | 2005-01-19 | 2015-10-22 | Thermodrive Llc | Low friction, direct drive conveyor belt |
US10053294B2 (en) * | 2005-01-19 | 2018-08-21 | Thermodrive Llc | Low friction, direct drive conveyer belt |
TWI447004B (zh) * | 2005-02-28 | 2014-08-01 | Nidec Sankyo Corp | Machine and robot arm |
JP2007152496A (ja) * | 2005-12-05 | 2007-06-21 | Nidec Sankyo Corp | ロボットアーム及びロボット |
JP4719562B2 (ja) * | 2005-12-05 | 2011-07-06 | 日本電産サンキョー株式会社 | ロボットアーム及びロボット |
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