JP2001055530A - インクジェット記録用インク - Google Patents

インクジェット記録用インク

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尚之 坂井
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徹 川上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着色剤として無機顔料を用いた、顔料の沈降
がなく、耐光性、耐候性に優れ、さらに色相の鮮明性に
優れたカラー印刷が可能な水系インクジェット記録用イ
ンクを提供すること。 【解決手段】 着色成分として無機複合酸化物顔料を含
有する水系インクジェット記録用インクであって、該顔
料は平均粒子径が100nm以下であることを特徴とす
る水系インクジェット記録用インク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の色素を含有
する水系インクジェット記録用インクに関する。詳細に
は、着色成分として無機複合酸化物顔料を使用した耐光
性、耐候性に優れ、良好な色調を与える水系インクジェ
ット記録用インクに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット印刷において、着
色成分として顔料を使用したインクが実用化され、従来
の染料を用いたインクに比べ耐光性、耐水性が優れる印
刷物を提供できるようになった。このため屋外用途にお
いては顔料インクが使用され、特にサインディスプレイ
用の大判インクジェットプリンタ市場が拡大している。
【0003】着色成分として顔料を使用したインクジェ
ット記録用インクは、耐光性、耐候性等の堅牢性が高い
ことからサインディスプレイ等の屋外用途の印刷物を印
刷する際に使用される。しかし、有彩色のインクでは一
般に有機顔料を使用しており、長期間の耐光性が要求さ
れる場合には、印刷後に紫外線吸収性のラミネートやコ
ーティングにより印刷面を保護するのが一般的である。
【0004】一方、無機顔料は有機顔料に比べ優れた耐
光性、耐候性を有し、着色成分としての堅牢性は強い
が、比重が大きく、また、有機顔料に比較して色相が乏
しい。比重が大きい顔料はインクジェット記録用インク
のような低粘度の液体中では容易に沈降してしまって使
用できない。このため、顔料の粒子径を小さくする必要
がある。例えば、酸化鉄顔料は、優れた堅牢性を持ち、
赤から黄色にかけての色相を有する顔料である。この顔
料の一次粒子の平均粒子径は、一般的な物で数百nmで
あり、インクジェット記録用インクの着色成分として使
用した場合、該顔料を一次粒子径付近まで練磨、分散さ
せても直ちに沈降するため、インクジェット記録用顔料
インクとして使用することはできない。しかし、一次粒
子の平均粒子径が数十nmの微粒子型酸化鉄顔料をイン
クジェット記録用インクの着色成分として使用し、イン
ク中の顔料の平均粒子径が100nm以下になるまで練
磨、分散させたものは、実用上問題となるような沈降も
なく、インクジェット用顔料インクとして使用可能とな
ることを本発明者は見出した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、フルカラー
印刷を可能とする無機顔料としては、黄色から緑色、青
色、黒色までの色相と、優れた着色力を有する複合酸化
物顔料が考えられる。無機の複合酸化物顔料は、その高
い堅牢性から屋外用の高耐久性塗料の着色成分などに従
来から使用されている。しかし、複合酸化物顔料はその
製法上、顔料の焼成工程を必要とし、この工程により顔
料の平均一次粒子径が数百〜数千nmと大きくなってし
まうという性質がある。このため、本顔料をインクジェ
ット記録用の顔料として使用するためには一次粒子径以
下まで微粉砕することが必要となる。これにより沈降の
問題は解決できるが、複合酸化物顔料は微粉砕を行うこ
とにより結晶構造が破壊される。複合酸化物顔料のよう
な無機顔料は結晶構造により発色しているため、微粉砕
により結晶が破壊すると、彩度が低下するという実用上
の問題がある。さらに、一次粒子径以下に分散を行うた
めには強分散を長時間行う必要があり、その経済性も問
題となる。
【0006】従って、本発明の目的は、上記の欠点のな
い無機顔料を用いたカラー印刷が可能な水系インクジェ
ット記録用インク、即ち耐光性、耐候性に優れ、顔料の
沈降がなく、さらに色相の鮮明性に優れた水系インクジ
ェット記録用インクを提供することにある。本発明者は
上記目的を達成すべく、前記の酸化鉄顔料に関して見出
した知見に基づいて鋭意検討した結果、複合酸化物顔料
として一次粒子の平均粒子径が100nm以下で、最大
粒子径が300nm以下のものを使用することで、高い
着色力、鮮明性に優れ、さらに顔料の沈降性も実用上問
題とならない水系インクジェット記録用インクが得られ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、着色成
分として無機複合酸化物顔料を含有する水系インクジェ
ット記録用インクであって、該顔料は平均粒子径が10
0nm以下であることを特徴とする水系インクジェット
記録用インクである。
【0008】
【発明の実施の形態】次に発明の好ましい実施の形態を
挙げて本発明を更に詳細に説明する。本発明において使
用される無機顔料は、2種以上の金属を構成元素とする
複合酸化物顔料である。その好ましい製造方法は、成分
金属の無機塩を出発原料とし、水中にて水酸化物、酸化
物、炭酸塩等の水に不溶な沈殿を生成させ、得られた沈
殿を焼成することにより得られる。合成条件により一次
粒子の大きさをコントロールするが、平均粒子径で概ね
10〜1000nmのコントロールが可能である。本発
明においては一次粒子の平均粒子径が100nm以下、
好ましくは30〜80nmで、最大粒子径が300nm
以下、好ましくは200nm以下にコントロールされた
ものが好ましい。
【0009】本発明で使用する複合酸化物顔料は、一例
として、以下に示す金属の複合酸化物よりなる顔料が挙
げられるが、上記の要件を満たす複合酸化物顔料であれ
ばいずれも使用可能であり、以下の例に限定されるもの
ではない。 黄色:Ti−Ba−Ni;Ti−Sb−Ni;Ti−S
b−Cr 茶色:Fe−Zn;Fe−Zn−Cr 緑色:Ti−Ni−Co−Zn;Co−Al−Cr−T
i 青色:Co−Al;Co−Al−Cr 黒色:Cu−Cr−Mn;Cu−Fe−Cr;Cu−F
e−Mn なお、赤色には微粒子酸化鉄が適当で、これによりフル
カラー印刷が可能である。
【0010】微粒子の複合酸化物顔料を製造する方法
は、従来公知の方法を用いることができ、特に制限され
ない。例えば、Co−Al複合酸化物顔料の場合、尿素
の加水分解を利用する方法(特公平4−96454号公
報、特開平2−283771号公報、特開平9−100
127号公報)、リン化合物の存在下でAlとCoを2
段階に分けて沈殿させる方法(特願平10−17565
6号出願)等がある。
【0011】本発明のインクジェット記録用インクにお
いては、インク滴の吐出性や印刷適性などの諸物性を優
れたものとするために、複合酸化物顔料の表面を珪酸等
で被覆したり、顔料粒子の形状や粒子径を所望の範囲に
整えたりする等の後処理を従来公知の方法に準じて施す
ことができる。
【0012】本発明に使用される複合酸化物顔料は、焼
成工程を経るため、粉体の形態で提供される。このため
顔料は一次粒子の凝集体、すなわち二次粒子となってい
る。そのためインクに使用する際、インク中の該顔料を
適切な分散装置により一次粒子まで練磨、分散させる必
要がある。例えば、サンドミル、ボールミル、ダイノミ
ル等の一般的な分散装置が使用可能である。該顔料は平
均粒子径が100nm以下、好ましくは30〜80nm
で、最大粒子径が300nm以下、好ましくは200n
m以下に練磨、分散させる。本発明においては、該顔料
は一次粒子の粉砕がないので分散後の彩度の低下もな
い。
【0013】本発明の水系インクジェット記録用インク
においては、着色剤としての複合酸化物顔料の分散性、
分散安定性、経時での保存安定性を向上させるために、
顔料分散剤として水系インクジェット記録用インクにお
いて従来から使用されている水溶性樹脂及び/又は界面
活性剤を使用することができる。更に、インクジェット
記録用インクの保存性、吐出安定性等を向上させる目的
で、水系インクジェット記録用インクにおいて従来から
使用されている表面張力調整剤、粘度調整剤、比抵抗調
整剤、消泡剤、防黴剤等を加えることもできる。また、
本発明におけるインクに使用される水は、通常、イオン
交換水またはイオン交換した蒸留水が用いられる。以上
の他、必要に応じ、水系インクジェット記録用インクに
おいて従来から使用されている有機溶剤等の成分を添加
することによって水系インクジェット記録用インクが構
成される。
【0014】水溶性樹脂としては、水系インクジェット
記録用インクにおいて従来から使用されている水溶性樹
脂がいずれも使用でき、特に限定されない。例えば、ス
チレン−アクリル系、ポリエステル系、ポリアミド系、
ポリウレタン系等の樹脂が単独または混合して用いられ
る。水溶性樹脂は、通常、水系インクジェット記録用イ
ンク中の顔料の重量に対し、5〜50重量%の範囲で使
用され、インクの保存性、吐出安定性等の低下を考慮
し、好ましくは15〜35重量%の範囲で用いられる。
また、これらの樹脂に対してpH調整剤として、無機ア
ルカリやアンモニア、有機のアミン類を適宜使用するこ
とができる。
【0015】界面活性剤としては、水系インクジェット
記録用インクにおいて従来から使用されているものがい
ずれも使用でき、特に限定されない。例えば、アニオン
系活性剤(例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキル
アリール硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸
塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテルスルホン酸塩、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリールエーテルスルホン酸塩、ナフタレン
スルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアル
キルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルア
リールリン酸エステル塩等)、非イオン系界面活性剤
(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ソル
ビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルア
ミンエーテル、脂肪酸ジエタノールジアミド、ソルビタ
ン脂肪酸エステル、アセチレンアルコール類、アセチレ
ングリコール類等)、カチオン系界面活性剤(例えば、
アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩等)、あるい
は両性界面活性剤(例えば、アルキルベタイン、アミン
オキサイド等)の少なくとも1種を使用することができ
る。
【0016】本発明におけるインク中には、インクやプ
リントヘッドのノズル部分の乾燥防止や吐出安定性の向
上等を図るために、例えば、アルコール類(例えば、メ
タノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、
多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオー
ル、グリセリン、チオジグリコール等)、多価アルコー
ルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エ
チレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリ
コールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレング
リコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピル
エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリ
エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレン
グリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモ
ノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、エタノールアミ
ン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチ
レンペンタミン、テトラエチレンペンタミン等)、複素
環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロ
リドン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホ
キシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、ア
セトニトリル等の少なくとも1種が用いられる。
【0017】本発明のインクジェット記録用インクを使
用するに際しては、プリンタ等のインク記録方式は特に
限定されず、例えば、電気−熱変換方式や電気−機械変
換方式等が用いられる。記録方式によって相違はある
が、該インクの粘度は、通常、1〜20mPa・s、表
面張力は25〜50mN/m、また、pHは5〜12の
範囲である。また、インク中の顔料分は、印刷システム
によって違いはあるが、通常、0.1〜20重量%、好
ましくは1〜15重量%である。
【0018】
【実施例】次に、顔料製造例及び実施例を挙げて本発明
を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限
定されるものではない。なお、実施例中の部や%とある
のは重量基準である。以下の例において、顔料粉末の一
次粒子の平均粒子径及びインク中に分散された顔料の平
均粒子径は下記の方法にて測定したものである。 (1)顔料自体の平均一次粒子径の測定方法 顔料を透過型電子顕微鏡で倍率60,000倍にて撮影
し、撮影された顔料一次粒子の直径を定規を用いて測定
する。これを一次粒子100個について繰り返し、得ら
れた粒子径の算術平均を求め平均粒子径とした。 (2)インク中の顔料の平均粒径の測定法 インク0.1gを0.2%メタリン酸水溶液により、測
定装置に記載されている濃度まで希釈した後、超音波を
20秒作用させて調整した試験液を遠心沈降式粒度分布
測定装置(島津製作所製SA−CP4)で測定し、平均
粒子径及び最大粒子径を求めた。
【0019】顔料製造例1 塩化アルミニウム6水塩412部を計り、水を加えてこ
れを完全に溶解して1000部とする。次に沈殿剤とし
て無水炭酸ソーダ256部及びリン酸2水素ナトリウム
2水塩5部を計りとり、水を加えて250部とし、約4
0℃に加熱して完全に溶解する。予め用意しておいた沈
殿媒体である水約2000部を加熱して約50℃に調整
し、ここに上記の塩化アルミニウム水溶液とリン酸塩を
含んだ炭酸ソーダ水溶液とを同時に滴下し、約30分か
ら1時間かけて沈殿反応を完了させる。この際のpHは
4.0前後になるように注意し、塩化アルミニウム水溶
液の滴下が終了した後リン酸塩を含む過剰の炭酸ソーダ
水溶液を続けて加え、pHを約6.7とした後、70℃
まで徐々に加熱しながら、60分程度熟成する。
【0020】次に、この媒体スラリー中に、塩化コバル
ト6水塩166部を計り採り、水 を加えて350部と
し、これを完全に溶解した溶液と、塩化コバルト用沈澱
剤として無水炭酸ソーダ98部を計り採り、水を加えて
250部とし、約40℃に加熱して完全に溶解した水溶
液とを同時に滴下し、20〜25分かけて沈殿反応を完
了させる。この際のpHは6.8〜7.0位になるよう
に注意し、炭酸ソーダ水溶液の滴下が終了した後、塩化
コバルトの水溶液を全量加えてpHが6.4〜6.5位
にする。その後90℃まで加熱し、2時間程度熟成す
る。次に沈殿媒体から生成沈殿物を取り出し、デカンテ
ーションにより充分に水洗し、残塩を洗い流し、濾過を
行う。次いで、100〜120℃の温度にて12時間以
上乾燥させる。この乾燥物を1150℃で1時間、酸化
雰囲気にて焼成した後冷却した。このようにして得られ
た顔料は赤味の青色を有し、一次粒子の平均粒子径を前
述の測定方法(1)にて測定したところ、平均粒子径は
40nm以下であった。
【0021】顔料製造例2 塩化ニッケル6水塩83.23部、硝酸コバルト6水塩
50.93部、硫酸亜鉛7水塩50.32部とチタン分
16.7重量%の四塩化チタン水溶液100.45部を
計り、水830部に溶かし、次いで工業用35重量%の
過酸化水素70部をその中に加える。水溶液は若干の発
熱を伴いながら直ちに暗い緑がかった褐色から暗赤色に
変化する。次に、沈殿剤として苛性ソーダ87.5部を
計り取り、水を加えて全体を約1000部とする。
【0022】予め用意した沈殿水2400部をガスバー
ナーや電熱器等で約45℃に加熱保持し、このものに上
記の混合塩水溶液と苛性ソーダ水溶液を同時に滴下し約
30分から1時間かけて沈殿反応を行う。この際にpH
が7になるように注意し、水溶液の温度も45℃を維持
するようにする。滴下が終了したならば、沈殿が完全に
行われるようにするためpHを8程度までに上げ、引き
続き水溶液の温度を45℃に保ちながら熟成を1時間ほ
ど行う。
【0023】次に、沈殿媒体から生成沈殿物を取り出
し、デカンテーションにより充分に水洗し、残塩を洗い
流し、濾過を行う。次で100〜120℃の温度にて1
2時間以上乾燥させる。この乾燥物を800℃で1時
間、酸化雰囲気にて焼成した後冷却した。このようにし
て得られた顔料は深みのある緑色を有し、一次粒子の平
均粒子径を前述の測定方法(1)にて測定したところ、
平均粒子径は30nm以下であった。
【0024】実施例1 顔料製造例1で得られた顔料を400部、水2000
部、分散剤(花王社製デモールEP)8部を計り取り、
ボールミルにて40時間分散させる。得られた分散体
(固形分20%)に50%ジエチレングリコール水溶液
を添加し、全量を4000部とした(固形分10%)。
これを5.0μmメンブランフィルター(ミリポア社製
TMTP)にてろ過し、粗粒子を除いた物をインクとし
た。
【0025】インク中の顔料の粒度を粒子径測定方法
(2)に基づいて測定した結果、平均粒子径は43n
m、最大粒子径は80nmであった。また、粘度は4.
66mPa・S、表面張力は45.7mN/mであっ
た。上記のインクを電気−機械変換方式であるピエゾ型
のインクジェットプリンターを用いて印画したところ鮮
明な青色の印画物が得られ、インクジェット記録用イン
クとして使用できることを確認した。この後一ヶ月静置
した後再度印画を行ったが、ノズルのつまりを生ずるこ
となく正常に吐出した。また、このインク40部を容量
50mlの試験管に取り、一ヶ月静置したが、試験管底
部への顔料の沈降は観察されなかった。
【0026】実施例2 顔料製造例2で得られた顔料500部、分散剤(ジョン
ソンポリマー社製J−62:固形分40%)375部、
ジエタノールアミン20部、および水1105部を量り
取り、ボールミルで30時間分散させる。得られた分散
体にエチレングリコール64.52部、ジエチレングリ
コール277.6部、尿素254.6部、グリセリン1
223.57部、水1641.87部を加えた。これを
5.0μmメンブランフィルター(ミリポア社製TMT
P)にてろ過し、粗粒子を除いた物をインクとした。
【0027】インク中の顔料の粒度を粒子径測定方法
(2)に基づいて測定した結果、平均粒子径は32n
m、最大粒子径は150nmであった。また、粘度は
6.12mPa・S、表面張力は43.3mN/mであ
った。上記のインクを実施例1と同じインクジェットプ
リンターを用いて印画した所鮮明な緑色の印画物が得ら
れ、インクジェット用顔料インクとして使用できること
を確認した。この後一ヶ月静置した後再度印画を行った
が、ノズルのつまりを生ずることなく正常に吐出した。
また、このインク40部を容量50mlの試験管に取
り、一ヶ月静置したが、試験管底部への顔料の沈降は観
察されなかった。
【0028】
【発明の効果】以上の本発明によれば、顔料の沈降もな
く、耐光性及び耐候性に優れ、鮮明な色相のカラー印刷
が可能な水系インクジェット記録用インクが提供され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂井 尚之 東京都中央区日本橋馬喰町1−7−6 大 日精化工業株式会社内 (72)発明者 西尾 章 東京都中央区日本橋馬喰町1−7−6 大 日精化工業株式会社内 (72)発明者 川上 徹 東京都中央区日本橋馬喰町1−7−6 大 日精化工業株式会社内 (72)発明者 細田 徹 東京都中央区日本橋馬喰町1−7−6 大 日精化工業株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA13 FC02 2H086 BA55 BA60 BA62 4J039 BA13 BA30 BA31 BA32 BA35 BA36 BA37 BA38 BA39 BE01 CA06 EA12 EA15 EA16 EA17 EA19 EA20 EA34 EA35 EA42 EA44 GA24

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色成分として無機複合酸化物顔料を含
    有する水系インクジェット記録用インクであって、該顔
    料は平均粒子径が100nm以下であることを特徴とす
    る水系インクジェット記録用インク。
  2. 【請求項2】 該顔料の含有量がインクの全重量に基づ
    き0.1〜20重量%である請求項1に記載の水系イン
    クジェット記録用インク。
  3. 【請求項3】 該顔料は、水中に成分金属の不溶性の沈
    殿を生成させ、この沈殿を焼成することにより顔料化さ
    れたものである請求項1に記載の水系インクジェット記
    録用インク。
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