JP2001053453A - 多層基板、高周波モジュール及びその製造方法 - Google Patents

多層基板、高周波モジュール及びその製造方法

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JP2001053453A
JP2001053453A JP11224136A JP22413699A JP2001053453A JP 2001053453 A JP2001053453 A JP 2001053453A JP 11224136 A JP11224136 A JP 11224136A JP 22413699 A JP22413699 A JP 22413699A JP 2001053453 A JP2001053453 A JP 2001053453A
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electrode
substrate
dielectric layer
dielectric
hole
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Katsuhiko Hayashi
克彦 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】誘電体基板内の導体配線と、誘電体基板の表面
に形成される電極パターンとを、確実に位置合わせでき
る量産性に優れた多層基板を提供する。 【解決手段】誘電体基板100は誘電体層110〜14
0を積層して構成されている。導体配線122、13
4、136は誘電体基板100の内部に備えられてい
る。スルーホール電極111〜116、121〜12
6、141〜150は導体配線122、134、136
に電気的に導通している。島状電極J、Kは誘電体層の
間に備えられ、スルーホール電極に接続されている。電
極パターン300は、最外側誘電体層140の表面に設
けられ、スルーホール電極141〜150に接続されて
いる。第2の島状電極Kの面積B、第1の島状電極Jの
面積AがB>Aを満たす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体基板内部及
び表面に配線層、及び、回路素子を構成する電極パター
ンを形成した多層基板、高周波モジュール及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多層配線された誘電体多層基板を使用
し、その表面にエッチング等により電極パターンを形成
した多層基板の従来例としては、例えば特開平10−9
8158号公報に開示されたICチップや、特開平10
−289822号公報に開示された電子部品(高周波チ
ップコイル)が知られている。これらの従来技術は、基
本的には、スクリーン印刷またはフォトリソグラフィ技
術の適用によって、誘電体多層基板の内部または表面に
コイルまたはコンデンサ等の受動回路素子を形成する技
術を開示している。
【0003】更に進んだ形態として、多層基板と能動回
路部品とを組み合わせた高周波モジュールが提案されて
いる。このような高周波モジュールは、例えば、携帯電
話、自動車電話等の無線機器、或いはその他各種通信機
器等の分野において、MMIC(Microwave Monolithic
Integrated Circuit)として、既に知られている。例え
ば「MastersIice 3-D MMIC Techno1ogy for Lower Cost
MMIC'S and Quick Response to Market」(MWE'96 Microw
ave Workshop Digest)は、コストの安価なMMlC(マ
スタスライス型MMlC)の可能性を論じている。
【0004】特開平10−98158号公報や、特開平
10−289822号公報等に開示された技術は、上述
したMMIC型高周波モジュールのように、多層基板と
能動回路部品とを組み合わせた高周波モジュールにおい
て、多層基板の部分を構成するための手段としても極め
て有効である。しかしながら、その適用に当たって、次
のような問題を解決しなければならない。
【0005】(1)多層基板として用いられる多層基板
を得るに当たっては、一枚の大きな誘電体多層基板(元
基板と称する)に、多数個の受動回路素子を形成した
後、元基板に切断加工を施して、受動回路素子のそれぞ
れを取り出す。
【0006】元基板は、一般には、セラミック誘電体材
料を用い、焼結工程を通して得られるので、焼成時に、
焼成収縮が生じる。そのため、元基板の内部に存在する
電極も焼成収縮を受ける。この焼成縮率の影響を回避す
るため、元基板を設計する際は、その焼成収縮を予め考
慮してパターン設計を行うが、上記した焼成収縮は、一
定の割合ではなく、焼成条件の微妙な違いやセラミック
材料、または元基板のロットの違い等により、僅かに変
動する。
【0007】この変動が基板上に露出する電極にも反映
される。そのため、元基板上に整列された個々の受動回
路素子の表面に、フォトリソグラフィ技術を応用して、
電極パターンを形成する際、元基板の表面中央に位置す
る受動回路素子では、電極パターンの位置合わせができ
ても、元基板の周辺に位置する受動回路素子(多層基板
要素)では、電極パターンの位置合わせできない場合が
生じる。
【0008】(2)焼成時の収縮を無くす焼成方法(無
収縮基板)として、例えば、特開昭62−260777
号公報に開示されているような方法が知られている。こ
の技術によれば、元基板の厚み方向のみが収縮し、元基
板の平面方向では収縮しないため、基板の焼成収縮を考
慮せずに基板の設計及び製造ができる。しかしながら、
実際は必ずしも完全な無収縮ではなく、収縮の絶対量は
小さいものの、僅かな焼成収縮は存在する。更に、上記
したように基板材料の焼成条件の変動や材料ロットの変
動により前記焼成収縮の程度にも変動が起こる。
【0009】(3)仮に50mm×50mmの略正方形
状の元基板を用い、無収縮化処理を行った場合におい
て、元基板に0.4%の収縮を生じたとする。この場
合、パターンを形成するガラスマスクを、元基板上の中
央にある受動回路素子の表面に露出した電極に位置合わ
せしたとすると、元基板の周辺では100μmのずれが
生じることになる。電極パターンが、そのズレを十分吸
収できるほどのデザインルールに従ったパターンであれ
ば問題ないが、例えば、ラインとラインとの間のスペー
スの設計が、それぞれ100μm以下のルールに従って
パターンを設計する場合は、前記のようなズレが発生し
てしまうと元基板の内部の導体と、元基板の表面の導体
の位置あわせが困難となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、誘電体基板
内の導体と誘電体基板の表面に形成される電極パターン
とを、確実に位置合わせできる量産性に優れた多層基
板、高周波モジュール及びその製造方法を提供すること
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を達成する
ため、本発明に係る多層基板は、誘電体基板と、少なく
とも1つの導体配線と、複数のスルーホール電極と、複
数のランド電極と、電極パターンとを含む。前記誘電体
基板は、複数の誘電体層を順次に積層して構成されてい
る。前記導体配線は、前記誘電体基板の内部に備えられ
ている。
【0012】前記スルーホール電極は、前記誘電体層を
層厚方向に貫通し、前記導体配線に電気的に導通してい
る。前記ランド電極は、隣接する誘電体層の間に備えら
れ、前記スルーホール電極に接続されている。前記電極
パターンは、少なくとも1つの最外側誘電体層の表面に
設けられ、前記最外側誘電体層に設けられた前記スルー
ホール電極に接続されている。
【0013】前記複数のランド電極のうち、前記最外側
誘電体層と、前記最外側誘電体層に隣接する誘電体層と
の間に設けられた第2のランド電極の面積をBとし、他
の誘電体層間に設けられた第1のランド電極の面積をA
としたとき、B>Aを満たす。本発明において、ランド
電極とは、他の電極パターンから独立する島状パターン
のみならず、他の電極パターンに連続することのあるパ
ターン(陸状パターン)を有し、スルーホール電極を形
成するために用いられる電極をいう。
【0014】本発明に係る多層基板において、スルーホ
ール電極は、複数備えられる誘電体層を層厚方向に貫通
し、誘電体基板の内部に備えられた導体配線に電気的に
導通している。更に、最外側誘電体層に設けられたスル
ーホール電極が、最外側誘電体層に設けられた電極パタ
ーンに接続されている。従って、最外側誘電体層の表面
に形成された電極パターンは、スルーホール電極、及
び、そのランド電極を介して、誘電体基板の内部に備え
られた導体配線に電気的に導通することになる。
【0015】隣接する誘電体層の間には、スルーホール
電極に接続されるランド電極が備えられているから、例
えば、スクリーン印刷等によって導体ペーストを塗布し
て、ランド電極を形成すると同時に、導体ペーストをス
ルーホール内に充填することにより、スルーホール電極
を形成することができる。
【0016】ここで、最外側誘電体層の表面に備えられ
た電極パターンは、焼成工程の終了後に形成されるもの
であり、焼成縮率の影響を受けないのに対し、誘電体
層、導体配線、スルーホール電極、ランド電極等は、焼
成縮率の影響を受ける。このため、最外側誘電体層に形
成された電極パターンと、最外側誘電体層の表面に露出
するスルーホール電極の端面との間に位置ずれを生じ、
スルーホール電極を電極パターンに電気的、機械的に接
続できない場合が生じる。最外側誘電体層に形成される
電極パターンを、高精度パターンとして形成する必要の
ある場合には、特に、この問題が生じ易い。
【0017】そこで、本発明では、最外側誘電体層と、
隣接する誘電体層との間に形成される第2のランド電極
の面積をBとし、他の誘電体層間に形成される第1のラ
ンド電極の面積をAとしたとき、B>Aを満たすように
する。
【0018】上記構成によれば、誘電体基板の収縮率を
測定しておき、焼成前の最外側誘電体層にスルーホール
を設ける際、ドリルする位置データに誘電体基板の収縮
率を考慮した補正を行い、この補正位置データに基づい
て、スルーホール電極のためのスルーホールを形成する
だけで、焼成した場合に、多層基板のスルーホール電極
及びランド電極と、最外側誘電体層に形成されたスルー
ホール電極及び電極パターンとを合わせ込むことが可能
となる。
【0019】最外側誘電体層と、隣接する誘電体層との
間に形成される第2のランド電極は、最外側誘電体層に
形成されるスルーホール電極を形成する際に用いられる
ものであるが、スルーホール電極と異なって、収縮率補
正は行わない。また、他の誘電体層についても、スルー
ホール電極及びランド電極は、焼成収縮を考慮せずに形
成する。従って、最外側誘電体層を除く他の誘電体層で
は、スルーホール電極及びランド電極に焼成による位置
ずれを生じることはない。また、最外側誘電体層と、隣
接する誘電体層との間に位置する第2のランド電極も、
隣接する誘電体層に設けられたスルーホール電極に対し
て焼成位置ずれを生じることはない。
【0020】更に、最外側誘電体層上に形成された第2
のランド電極は誘電体基板の内部に形成されているた
め、誘電体基板上には全くその影響は現れない。その
上、焼成収縮の変動が大きくなってもスクリーンの製版
をやり直す必要もなく、また最外側誘電体層へのドリル
を変更するだけで、その他の誘電体層に関してはドリル
をやり直す必要がないので、量産時の生産効率が向上す
る。
【0021】誘電体基板の内部に備えられる導体配線
は、好ましくは、前記誘電体層の周縁から間隔Wを隔て
て備えられる。このような間隔Wを有することにより、
元基板から切断加工によって、当該多層基板を取り出す
とき、受動回路素子となる導体配線の損傷を回避するこ
とができる。
【0022】第2のランド電極は、略正方形または円形
状に形成することが好ましい。このような形状である
と、何れの方向の焼成縮率をも吸収できる。第2のラン
ド電極が正方形状である場合、その一辺の長さをB1と
したとき、W<B1≦3Wを満たすようにする。特に好
ましくは、一辺の長さB1を、間隔Wの2倍程度に選定
する。
【0023】第2のランド電極が円形状である場合、そ
の直径をD1としたとき、W<D1≦3Wを満たすよう
にする。特に好ましくは、直径D1を、間隔Wの2倍程
度に選定する。
【0024】更に、本発明は、上述した多層基板を用い
た高周波モジュール、及び、多層基板の製造方法を開示
する。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る多層基板を用
いた高周波モジュールを示す電気回路図、図2は図1に
示した高周波モジュールの外観を示す斜視図である。図
1において、参照符号C1〜C7及びC11、C12は
コンデンサ、L1〜L5はコイル、R1、R2は抵抗、
TR1、TR2は能動回路素子としてのトランジスタで
ある。図2を参照すると、誘電体基板100には、トラ
ンジスタTR1、TR2を内蔵するトランジスタパッケ
ージM及びチップ抵抗R1、R2等のチップ部品が搭載
されている。
【0026】図1に図示された受動回路素子のうち、コ
ンデンサC11、C12は、高周波短絡用のコンデンサ
であって、回路的にはコイルL2、L4の高周波接地を
行うとともに、高周波信号が、トランジスタTR1、T
R2に動作電圧を供給する電源供給端子Vcc1、Vc
c2の端子側へ漏洩するのを低減するために設けられ
る。これらのコンデンサC11、C12は、使用周波数
帯において、十分に低いインピーダンスとなる必要があ
るため、容量値(回路定数値)にある程度の変動幅があ
ってよい。これらのコンデンサC11、C12は、誘電
体基板100の内部に形成される。
【0027】一方、コンデンサC1〜C7及びコイルL
1〜L5は、トランジスタTR1、TR2の入出力及び
高周波モジュールの入出力(IN/OUT)間のインピ
ーダンス整合を行うために必要な受動回路素子であり、
コンデンサC11、C12よりも高い回路定数精度が要
求される。即ち、コンデンサC1〜C7及びコイルL1
〜L5は、回路定数値の許容変動幅が小さい受動回路素
子である。チップ抵抗R1、R2は、トランジスタTR
1、TR2へのバイアスを与えるための抵抗である。
【0028】図3は図1、2に図示された高周波モジュ
ールに含まれる多層基板の部分を拡大して示す断面図、
図4は同じくその分解斜視図である。誘電体基板100
は、本発明に係る多層基板を構成するものであって、誘
電体層110〜140の4層のセラミック誘電体層の積
層焼結体からなっている。実際には、誘電体層110〜
140は一体に焼結されており、図4に図示するような
分離された形態にはなっていないが、説明の明確化のた
めに、分離した形態で示してある。
【0029】誘電体層110〜140のそれぞれは、配
線層間を接続するためのスルーホールを有する。スルー
ホールは、その内部に、スクリーン印刷法等を用いて導
体ペーストを塗布して電極パターンを形成する際、導体
ペーストを同時に充填することによって形成されたスル
ーホール電極を有する。誘電体基板100は、トランジ
スタTR1、TR2を内蔵するトランジスタパッケージ
Mおよびチップ抵抗R1、R2等のチップ部品の搭載さ
れる側を底面側(下側)とし、外部接続端子部201〜
206の搭載される側を上側として用いられる。
【0030】このように誘電体基板100の底面側を上
にして誘電体層110〜140に導体を形成し、誘電体
層110〜140を積層した場合、最下面が回路素子及
び部品を搭載する面となるが、その最下面に露出させる
電極径を小さくすることができる。通常、スルーホール
電極を形成する際、誘電体層110〜140に形成され
たスルーホール内に良好に導体ペーストを充填するため
に、印刷パターンとしては導体充填用のランド電極を設
ける。このランド電極はスルーホールより大きな径の電
極パターンである。そのため微細なパターンが形成され
る面に前記ランド電極があると、パターン設計の障害と
なる場合がある。そこで、回路素子の形成される面に、
より小径の電極が露出するようにするため、本実施例で
は上記積層方法を用いている。
【0031】次に、誘電体層110〜140に形成され
た電極パターンについて、図5〜12を参照して説明す
る。まず、誘電体層110上には、図5、6に図示する
ように、外部接続端子201〜206に接続するための
スルーホール電極111〜116が形成されている。ス
ルーホール電極111〜116は、誘電体層110の表
面に、スクリーン印刷等の手段によって、導体ペースト
を塗布して、第1のランド電極Jを形成する際、導体ペ
ーストをスルーホール内に充填することによって形成す
る。
【0032】外部接続端子201〜206を誘電体層1
10上に直接形成することも可能であるが、誘電体基板
100の焼成後、誘電体基板100の全体に焼成反りが
発生しやすい。この焼成反りが、誘電体基板100の表
面にフォトリソグラフィー技術を用いた電極パターンを
形成する上でガラスマスク等の密着を阻害する。そこ
で、誘電体基板100の表面を研磨(ラッピング)処理
をした後、外部接続端子201〜206を形成する構成
としてある。
【0033】図1の回路図との関係では、外部接続端子
201〜206のうち、外部接続端子201が出力端子
OUTに対応し、外部接続端子203が入力端子INに
対応し、外部接続端子204が電源供給端子Vcc1に
対応し、外部接続端子206が電源供給端子Vcc2に
対応し、外部接続端子202、205が接地端子GND
に対応する。
【0034】次に、誘電体層120上には、図7、8に
図示するように、導体配線となる電極122が形成され
ている。電極122は、誘電体層110に設けられたス
ルーホール電極112、115に接続しており、GND
電極となる。更に、誘電体層120の4隅部にスルーホ
ール電極121、123、124、126が設けられて
いる。スルーホール電極121〜126は、誘電体層1
20の表面に、スクリーン印刷等の手段によって、導体
ペーストを塗布して、第1のランド電極Jを形成する
際、導体ペーストをスルーホール内に充填することによ
って形成する。スルーホール電極121〜126は、誘
電体層110に設けられたスルーホール電極111〜1
16にそれぞれ接続される。
【0035】次に、誘電体層130上には、図9、10
に示すように、導体配線となる電極134、136が設
けられている。電極134、136は、それぞれ、誘電
体層120のスルーホール電極124、126に接続し
てある。これらの電極134、136は、誘電体層12
0に設けられたGND電極122に対して、誘電体層1
20を誘電層として対向し、コンデンサC11、C12
(図1参照)を形成する。また、誘電体層130上に
は、スルーホール電極131、132、133、135
が設けられている。スルーホール電極131〜135
は、誘電体層130の表面に、スクリーン印刷等の手段
によって、導体ペーストを塗布して、第1のランド電極
Jを形成する際、導体ペーストをスルーホール内に充填
することによって形成する。スルーホール電極131、
133は、誘電体層120のスルーホール電極121、
123に接続し、スルーホール電極132、135は、
GND電極122のパターン内に同時に形成されるスル
ーホール電極に接続してある。
【0036】上述した誘電体層120、130におい
て、電極122、134、135の周縁と、誘電体層1
20、130の周縁との間には余白領域となる間隔Wが
設けられている。間隔Wは、ダイング時に誘電体基板1
00のの側面から基板内部の電極122、134、13
6が露出することがないような寸法に設定されている。
【0037】また、誘電体層120、130の上に形成
されたスルーホール電極121〜126、131〜13
3、135は、それぞれ、誘電体層120、130の表
面から、その裏側に貫通し、誘電体層120、130の
裏側の導体に導通する配線導体となるもので、表面側に
第1のランド電極Jを有する。第1のランド電極Jは、
スルーホールへ導体ペーストが十分充填されると共に、
誘電体層110〜130の積層ずれによるスルーホール
の断線を回避できる形状、大きさとなっている。これら
の第1のランド電極Jはスルーホール径が100μm程
度であれば200μm程度の径に設定される。誘電体層
110〜130に形成される電極パターンは、例えば、
導体幅/スペース≒100μm/150μmのルールで
設計される。
【0038】次に、最外側誘電体層140上には、図1
1、12に図示するように、スルーホール電極141、
143、146、148、149、150が設けられて
いる。最外側誘電体層140上に形成されているスルー
ホール電極141〜150は、最外側誘電体層140を
通して、誘電体基板100の表面に露出する。電極14
2、145はスルーホール電極132、135を受ける
ための電極である。スルーホール電極141〜150
は、隣接する誘電体層130と接する一面に第2のラン
ド電極Kを有する。スルーホール電極141、143
は、誘電体層130に設けられたスルーホール電極13
1、133に接続してある。また、スルーホール電極1
44、146は、誘電体層130の電極134、136
のパターン内に同時に形成されるスルーホール電極に接
続してある。スルーホル電極132、135は電極14
2、145に接続してある。スルーホール電極145、
148は、誘電体層140の面上で互いに接続されてお
り、スルーホール電極149、150は、電極142に
誘電体層140の面上で接続されている。
【0039】上述した誘電体層110〜140を積層
し、熱プレスした後、焼成することによって、誘電体基
板100が得られる。電極パターン300は、誘電体基
板100の焼成後にフォトリソグラフィ技術の適用によ
って、高精度のパターンとなるように形成される。電極
パターン300(図4参照)は、図1に図示されたコン
デンサC1〜C7及びコイルL1〜L5を構成するため
に供される。
【0040】基板焼成にあっては、熱プレス後の積層体
をそのまま焼成させる方法もよいが、本実施例の高周波
モジュールの製造に当たっては、誘電体層面方向に焼成
収縮を発生させない無収縮技術を適用することが好まし
い。このような無収縮技術は、例えば、特開昭62−2
60777号公報に開示されている。基本的には誘電体
層の積層工程において、誘電体層を構成するセラミック
材料の焼結温度域で焼結しない(収縮しない)材料の誘
電体層(強制層と呼ぶ)を積層体の上下最外層に積層し
て、熱プレスし、その後に焼成する。この処理により、
積層体の焼成温度域では、積層体は、前記強制層により
平面方向の収縮が止められ、厚み方法にのみ収縮して焼
成される。焼成後、積層体より前記強制層をはぎ取るこ
とにより、誘電体基板100を得ることができる。強制
層は未焼結の状態であるので、積層体から容易にはぎ取
ることが可能である。
【0041】上記無収縮技術を用いて基板を焼成して
も、基板平面方向の焼成収縮を、完全に無くすことはで
きない。絶対量は小さいが、僅かな収縮をおこす。本発
明では、最外側誘電体層140の表面に備えられた電極
パターン300は、誘電体基板100の焼成工程の終了
後に形成されるものであり、焼成縮率の影響を受けない
のに対し、誘電体層110〜140、導体配線122、
134、136、スルーホール電極111〜116、1
21〜126、131〜133、135、141〜15
0、ランド電極J、K等は、焼成縮率の影響を受ける。
このため、最外側誘電体層140に形成された電極パタ
ーン300と、最外側誘電体層140の表面に露出する
スルーホール電極141〜150の端面との間に位置ず
れを生じ、スルーホール電極141〜150を電極パタ
ーン300に電気的、機械的に接続できない場合が生じ
る。最外側誘電体層140に形成される電極パターン3
00を、高精度パターンとして形成する必要のある場合
には、特に、この問題が生じ易い。
【0042】そこで、本発明では、最外側誘電体層14
0と、隣接する誘電体層130との間に形成される第2
のランド電極Kの面積をBとし、他の誘電体層110ー
120、120ー130の間に形成される第1のランド
電極Jの面積をAとしたとき、B>Aを満たすようにす
る。次に具体的に説明する。
【0043】図13は本発明に係る多層基板を製造する
際に用いられる元基板10の平面図である。元基板10
は、多数の多層基板要素Qを、例えば格子状に配列した
構造となっている。多層基板要素Qのそれぞれは、図3
〜図12に示したような積層構造を有する。この元基板
10は、誘電体層の積層、焼成、電極形成を行った後、
ダイサー等により個々の多層基板要素Qに分割される。
【0044】元基板10は、その中心をPとすると、焼
成時に、端部から中心Pに向かって収縮する。これに対
し、誘電体基板100の表面に形成する電極パターン3
00は、元基板10の焼成後に、個々の誘電体基板10
0を構成する最外側誘電体層140の表面に露出するス
ルーホール電極141〜150に位置合わせを行うこと
になる。そのため、当然のことながら、元基板10の周
辺では、誘電体基板100の表面に形成される電極パタ
ーン300を、誘電体基板100上に露出するスルーホ
ール電極141〜150と置合わせすることが困難とな
る場合がでてくる。
【0045】その対策として、考えられる一つの手段
は、焼成の収縮率を予め測定しておき、その値に基づ
き、誘電体基板100を構成する誘電体層110〜14
0上に形成する電極パターンの位置データ、及び、スル
ーホールを形成するためのドリル(孔あけ)の位置デー
タに対して、収縮率を補正する値を乗じて、電極パター
ンを形成するためのスクリーンを製版したり、誘電体層
のドリルを行なうことである。
【0046】しかし、誘電体基板100の焼成収縮は必
ずしも常に一定ではないため、焼成収縮の変動が大きい
場合は、スクリーン製版をやり直す必要が生じてくるこ
とがある。また、誘電体層110〜140のドリリング
(スルーホール形成)についても、誘電体層110〜1
40の全層に対してやり直す必要が出てくることもあ
る。
【0047】そこで、本発明では、最外側誘電体層14
0と、隣接する誘電体層130との間に形成される第2
のランド電極Kの面積をBとし、他の誘電体層130ー
120、120ー110間に形成される第1のランド電
極Jの面積をAとしたとき、B>Aを満たすようにす
る。
【0048】前記構成によれば、誘電体基板100の収
縮率を測定しておき、焼成前の最外側誘電体層140に
スルーホールを設ける際、ドリルする位置データに誘電
体基板100の収縮率を考慮した補正を行い、この補正
位置データに基づいて、スルーホール電極141〜15
0のためのスルーホールを形成するだけで、焼成した場
合においても、誘電体層110〜130のスルーホール
電極及びランド電極と、最外側誘電体層140に形成さ
れたスルーホール電極141〜150及び電極パターン
300とを合わせ込むことが可能となる。
【0049】例えば、図13において、元基板10の中
心Pの付近に位置する多層基板要素Qは、中心Pに対し
て電極パターン300を形成するマスクの位置合わせを
行うので、多層基板要素Qに対する位置合わせのための
誤差量は小さい。そのため、例えば、図14、15に示
すように、スルーホール電極141〜150は、誘電体
層110のスルーホール電極111〜116、誘電体層
120のスルーホール電極121、123、124、1
26及び誘電体層130のスルーホール電極131〜1
33、135とほぼ同じ位置に形成することができる。
【0050】これに対して、元基板10の周辺部に位置
する多層基板要素Qは、中心Pに対して電極パターン3
00を形成するマスクの位置あわせを行うため、位置あ
わせのための誤差量が、中心Pよりも大きくなる。そこ
で、例えば、図13の元基板10において、左隅上に位
置する多層基板要素Qについては、図16、17に示す
ように、スルーホール電極141〜150を、第2のラ
ンド電極Kの左隅上に偏位した位置に形成するのであ
る。他の位置にある多層基板要素Qについても、誤差量
に応じたスルーホール位置の補正を行う。
【0051】最外側誘電体層140と、隣接する誘電体
層130との間に形成される第2のランド電極Kは、最
外側誘電体層140の形成されるスルーホール電極14
1〜150を形成する際に用いられるものであるが、第
2のランド電極141〜150を形成するためのスクリ
ーン全体については、収縮率補正は行わない。また、第
1のランド電極Jを形成するために用いられるスクリー
ン全体についても、収縮率は行わない。従って、最外側
誘電体層140を除く他の誘電体層110〜130で
は、スルーホール電極111〜116、121、12
3、124、126、131〜133、135及び第1
のランド電極Jの相互間に焼成位置ずれを生じることは
ない。また、最外側誘電体層140と、隣接する誘電体
層130との間に位置する第2のランド電極Kも、隣接
する誘電体層130に設けられたスルーホール電極13
1〜133、135に対して焼成位置ずれを生じること
はない。
【0052】更に、第2のランド電極Kは、誘電体基板
100の内部に形成されているため、誘電体基板100
上には全くその影響は現れない。その上、焼成収縮率の
変動が大きくなってもスクリーンの製版をやり直す必要
もなく、また最外側誘電体層140へのドリルを変更す
るだけで、その他の誘電体層に関してはドリルをやり直
す必要がないので、量産時の生産効率が向上する。
【0053】次に、第2のランド電極Kの大きさについ
て説明する。焼成収縮率に起因する位置ずれの解消に
は、第2のランド電極Kは大きい程に有効であることは
自明である。しかし、大きすぎると、それ以外のパター
ンの設計にとって障害となることを考慮しなければなら
ない。そこで、例えば、誘電体層120、130におい
て、誘電体層120、130の端縁とパターン設計が許
される領域との間に、余白領域となる間隔Wが設けられ
ていることに着目する。
【0054】第2のランド電極Kは、略正方形の形状を
有する場合、一辺の長さをB1とし、間隔Wを用いて、
W<B1≦3Wを満たすようにすることが好ましい。特
に、一辺の長さB1を間隔Wの2倍程度に選定すること
が好ましい。これは、図13に示した元基板10の中心
Pにおいて、スルーホールが第2のランド電極Kのほぼ
中心になるように設定し、周辺部では第2のランド電極
Kの縁側にスルーホールがくるように設定するためであ
る。
【0055】第2のランド電極Kは円形状であってもよ
い。この場合、直径をD1としたとき、W<D1≦3W
を満たすようにする。特に好ましくは、直径D1を、間
隔Wの2倍程度に選定することが好ましい。
【0056】電極パターン300のパターン形成におい
ては、フォトリソグラフィー技術を用いることが好まし
い。フォトリソグラフィー技術を用いることにより電極
パターンを細かく形成でき、かつ、電極パターン間の間
隔(スペース)についても細かく形成できるため、回路
の構成素子を小さく構成することができ、更に構成する
各受動回路素子を小スペースに詰め込むことが可能とな
る。その上、形成されるパターンの精度がよいことか
ら、受動回路素子の定数精度が向上する。特にコイル素
子に関しては小型化しやすい。
【0057】電極パターン300のパターン形成におい
ては、まず、焼成後の誘電体基板100上にベタ電極膜
(図示しない)を形成する。この際、ベタ電極膜の形成
方法については限定されるものではなく、スクリーン印
刷法を用いる厚膜法やスパッタ、蒸着等の薄膜法、ある
いは湿式メッキを用いる方法、更にはそれらの組み合わ
せであってもよい。
【0058】ベタ電極膜上にフォトレジスト膜をスピン
コート等により塗布し、写真技術を用いて、前記フォト
レジスト膜に目的パターンを形成するためのフォトマス
クを密着させて露光、現像を行い、目的のパターンで形
成されたエッチングレジスト膜を得る。そして前記エッ
チングレジスト膜より露出している部分の電極パターン
をエッチング液でエッチングし、最後に前記エッチング
レジスト膜を除去することにより、目的の電極パターン
を得ることができる。
【0059】上述した実施例では、受動回路素子(C1
〜C7、C11、C12、L1〜L5)のうち、回路定
数値の許容変動幅の大きなコンデンサC11、C12
は、誘電体基板100の内部に形成される。従って、焼
成工程を経る必要のある誘電体基板100において、焼
成縮率の変動により、コンデンサC11、C12に回路
定数の変動があっても、回路機能には影響の少ない高周
波モジュールが得られる。
【0060】図1において、コンデンサC11、C12
は高周波接地用として用いられるもので、その容量値
(回数定路)の変動幅が、10%程度であっても、回路
機能上、問題はない。よって、量産時に誘電体基板10
0の焼成収縮が変動しても、回路の動作にとっては殆ど
影響がでない。更にコンデンサC11、C12は、回路
定数がインピーダンス整合をとる受動回路素子の定数よ
りも一般に大きな値となるため、パターン面積が大きく
なりやすい。このような大きな定数値を持つ素子程、誘
電体基板100の内部に内蔵した方が、高周波モジュー
ルを小型化しやすい。
【0061】図示はされていないけれども、高周波接地
及び高周波抑制するための受動回路素子として、コイル
が使用されることもある。このようなコイルも、インダ
クタンス値(回路定数)の変動幅が10%程度であって
も、回路機能上、問題はない。よって、量産時に誘電体
基板100の焼成収縮が変動しても、回路の動作にとっ
ては殆ど影響がでない。
【0062】次に、受動回路素子(C1〜C7、C1
1、C12、L1〜L5)のうち、回路定数値の許容変
動幅の小さいコンデンサC1〜C7、コイルL1〜L5
は、誘電体基板100の表面に形成される。従って、高
精度の要求されるコンデンサC1〜C7、コイルL1〜
L5を、誘電体基板100の焼成縮率を受けずに、誘電
体基板100の表面に、フォトリソグラフィー技術の適
用によって、高精度パターンで形成することができる。
このため、安定した特性の高周波モジュールを量産する
こと可能である。また、パターンを小型化できるので、
高周波モジュールの小型化も可能となる。具体的には、
回路定数値の許容変動幅の小さい受動回路素子(C1〜
C7、L1〜L5)は、導電膜を含み、導電膜はフォト
リソグラフィー技術の適用によって形成される。これに
より、安定した特性の高周波モジュールを量産すること
が可能である。また、パターンを小型に設計できるの
で、高周波モジュールの小型化も可能となる。
【0063】次に、図15、17に図示するように、最
外側誘電体層140に設けられるスルーホール電極14
1〜150は、孔径が、スルーホール電極111〜11
6、121〜126、131〜135の孔径よりも小さ
いことが望ましい。
【0064】最外側誘電体層140の表面に、微細な電
極パターン300を形成する際には、当然、その電極間
のスペースも微細となる。誘電体基板100の表面に露
出しているスルーホール電極141〜150の径が小さ
ければ、電極パターン300において、スルーホール電
極141〜150を受ける部分の面積を小さくすること
が可能となる。従って、上述したように、電極パターン
300と導体配線とを接続するスルーホール電極141
〜150の孔径を、誘電体層110〜130の内部に形
成されたスルーホール電極111〜116、121〜1
26、131〜135の孔径よりも小さくすると、基板
表面に微細な電極パターン300を形成することが可能
となる。
【0065】また、誘電体基板100の焼成縮率が変動
した場合でも、電極パターン300と、誘電体基板10
0上のスルーホール電極141〜150とを合せるため
のスペースに余裕が生まれる、このため、微細な電極パ
ターン300と、誘電体基板100の内部の電極と接続
するスルーホール電極141〜150との接続を容易に
行うことができる。
【0066】あるいは逆に、誘電体基板100上のスル
ーホール電極141〜150とを合せるために要求され
るスペースを、従来よりも小さく設定できる。このよう
にして生じたスペース的余裕を、電極パターン300を
形成するために活かすことができる。従って、高精密な
電極パターン300を形成することが可能になる。
【0067】高精密な電極パターン300を形成する最
外側誘電体層140は、図15、17に例示するよう
に、他の誘電体層110〜130よりも薄くすることが
好ましい。最外側誘電体層140を、他の誘電体層11
0〜130よりも薄くすると、最外側誘電体層140に
おいて、他の誘電体層110〜130よりも径の小さな
スルーホール電極141〜150を形成できると共に、
導体ペーストの充填も良好に行うことができる。
【0068】多層基板を設計する際には、必要とする抗
折強度を得るために、誘電体基板100の厚みを設計す
る必要がある。これは、通常、多層基板の各層11〜1
4を構成するシートの厚みと積層数により決定される。
当然のことながら、厚いシートを使った方が積層数が減
るため、製造コストを低減できる。しかし、厚いシート
には小さなスルーホールを形成することが難しい。
【0069】また、多層基板では、小さいスルーホール
を形成するに当たり、レーザー光を利用してたスルーホ
ール形成が行われている。しかし、厚いシートに過剰に
小さなスルーホールを形成する場合シートの裏側まで貫
通させることが困難となりやすい。更に、小さなスルー
ホールには、導体ペーストが入りづらくなり、その上シ
ートが厚くなると、シートの裏側まで導体ペーストを入
れ込むことは困難となる。
【0070】これに対して、最外側誘電体層140を薄
くした場合、レーザー光等により小さなスルーホール電
極141〜150の形成が可能となり、かつ、導体ペー
ストの充填においても、誘電体層が薄い分、誘電体層の
裏面側まで導体ペーストを行き渡らすことが可能であ
る。
【0071】図18は多層基板を構成する誘電体基板1
00の表面に他の回路素子を搭載した高周波モジュール
の分解斜視図である。図示するように、誘電体基板10
0の表面には、スルーホール電極141〜150が露出
している。図1に示した回路図との関係では、スルーホ
ール電極143が入力端子INに、スルーホール電極1
41が出力端子OUTに、スルーホール電極144が電
源供給端子Vcc1に、スルーホール電極146が電源
供給端子Vcc2に、スルーホール電極148、149
及び150が接地端子GNDに、それぞれ接続してあ
る。また、誘電体基板100上には電極パターン300
が形成され、その上に層間絶縁膜400が形成され、そ
の上に電極パターン500が形成され、更にその上に保
護膜600が形成されている。電極パターン500は、
電極パターン00と同様に、フォトリソグラフィー技術
の適用によって形成することができる。また、層間絶縁
膜400及び保護膜600は、樹脂等を用いて構成する
ことが可能である。樹脂におけるビアの形成について
は、電極パターンと同様に、上記フォトリソグラフィー
技術を用いることができる。
【0072】スルーホール電極143(IN)は、電極
パターン343に接続し、層間絶縁膜400のビア
(孔)を通して電極パターン543に接続する。スルー
ホール電極141(OUT)は、電極パターン341に
接続する。スルーホール電極144(Vcc1)は、電
極パターン344に接続する。スルーホール電極146
(Vcc2)は、電極パターン346に接続する。
【0073】次に、各コンデンサC1〜C7は、電極パ
ターン301〜307と電極パターン501〜507と
が対向し、層間絶縁膜400を誘電層として構成され
る。
【0074】スルーホール電極148、149、150
(それぞれGND)は、電極パターン304、307、
302及び306にそれぞれ接続しており、それぞれの
電極が構成するコンデンサC4、C7、C2を接地して
ある。
【0075】また、各コイルL1〜L5は、電極パター
ン311〜315と、層関絶縁膜400のビアを通して
接地する電極パターン511〜515とにより構成され
る。コイルL2、L4(下部電極パターン312、31
4)の一方の電極は、電極344、346のそれぞれ接
続し、電源供給端子Vcc1、Vcc2(図1参照)に
接続すると共に、誘電体基板100の内部に形成された
コンデンサC11、C12にもそれぞれ接続してある。
【0076】トランジスタTR1、TR2を内蔵したト
ランジスタパッケージM、及びチップ抵抗R1、R2は
保護膜600のビアから露出した上部電極パターンに半
田付け等により接続されるが、それらの電極は下部電極
パターンに層間絶縁膜のビアを通して接続されている。
【0077】以上、上記各電極及び受動回路素子(C1
〜C7、C11、C12、L1〜L5)は、図1に示す
回路構成となるように、それぞれ電極パターンにより接
続されて、高周波モジュールを形成している。
【0078】上記実施例では、セラミック基板を使用し
た場合を例にしたが、樹脂系の基板であっても、基板製
造時に基板の収縮等の変形が起きる多層基板にとっては
本発明の多層基板の製造方法は有功である。
【0079】また、実施例では無収縮にセラミック基板
を焼成する1つの方法を簡単に示したが、他の無収縮の
方法を用いても本発明の多層基板の構成は有効である。
また、焼成収縮する多層基板であっても上記した余白領
域の巾Wを十分な巾に設定されていれば、本発明に係る
多層基板の製造方法は有効である。
【0080】更に、実施例では表面導体の形成にフォト
リソグラフィ技術を適用して導体形成を行ったが、アプ
リケーションによってはフォトリソグラフィ技術を用い
ることなく、印刷法を用いて表面電極を形成する場合で
あっても、本発明は有効である。
【0081】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、誘
電体基板内の導体と誘電体基板の表面に形成される電極
パターンとを、確実に位置合わせできる量産性に優れた
多層基板、高周波モジュール及びその製造方法を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多層基板を用いた高周波モジュー
ルを示す回路図である。
【図2】図1に示した高周波モジュールの外観を示す斜
視図である。
【図3】図1、2に図示された高周波モジュールに含ま
れる誘電体基板の部分を拡大して示す断面図である。
【図4】図1、2に図示された高周波モジュールに含ま
れる多層基板要素の分解斜視図である。
【図5】本発明に係る多層基板を構成する誘電体層の平
面図である。
【図6】図5の6−6線に沿った断面図である。
【図7】本発明に係る多層基板を構成するもう一つの誘
電体層の平面図である。
【図8】図7の8−8線に沿った断面図である。
【図9】本発明に係る多層基板を構成する更にもう一つ
の誘電体層の平面図である。
【図10】図9の10−10線に沿った断面図である。
【図11】本発明に係る多層基板を構成する更にもう一
つの誘電体層の平面図である。
【図12】図11の12−12線に沿った断面図であ
る。
【図13】本発明に係る多層基板を製造するために用い
られる元基板の平面図である。
【図14】本発明に係る多層基板において、第2のラン
ド電極とスルーホール電極との関係を説明する図であ
る。
【図15】図14の15−15線に沿った断面図であ
る。
【図16】本発明に係る多層基板において、第2のラン
ド電極とスルーホール電極との別の関係を説明する図で
ある。
【図17】図16の17−17線に沿った断面図であ
る。
【図18】本発明に係る多層基板の表面に他の回路素子
を搭載した高周波モジュールの分解斜視図である。
【符号の説明】 110 誘電体層 120 誘電体層 130 誘電体層 140 誘電体層 111〜116 スルーホール電極 121〜126 スルーホール電極 131〜135 スルーホール電極 141〜150 スルーホール電極 300 電極パターン J 第1のランド電極 K 第2のランド電極

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体基板と、少なくとも1つの導体配
    線と、複数のスルーホール電極と、複数のランド電極
    と、電極パターンとを含む多層基板であって、 前記誘電体基板は、複数の誘電体層を順次に積層して構
    成されており、 前記導体配線は、前記誘電体基板の内部に備えられてお
    り、 前記スルーホール電極は、前記誘電体層を層厚方向に貫
    通し、前記導体配線に電気的に導通しており、 前記ランド電極は、隣接する誘電体層の間に備えられ、
    前記スルーホール電極に接続されており、 前記電極パターンは、少なくとも1つの最外側誘電体層
    の表面に設けられ、前記最外側誘電体層に設けられた前
    記スルーホール電極に接続されており、 前記複数のランド電極のうち、前記最外側誘電体層と、
    前記最外側誘電体層に隣接する誘電体層との間に設けら
    れた第2のランド電極の面積をBとし、他の誘電体層間
    に設けられた第1のランド電極の面積をAとしたとき、
    B>Aを満たす多層基板。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された多層基板であっ
    て、 前記導体配線は、前記誘電体層の周縁から間隔Wを隔て
    て備えられており、 前記第2のランド電極は、略正方形であり、その一辺の
    長さをB1としたとき、 W<B1≦3Wを満たす多層基板。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された多層基板であっ
    て、 前記導体配線は、前記誘電体層の周縁から間隔Wを隔て
    て備えられており、 前記第2のランド電極は、略円形であり、その直径をD
    1としたとき、 W<D1≦3Wを満たす多層基板。
  4. 【請求項4】 多層基板と、少なくとも1つの能動回路
    素子とを含む高周波モジュールであって、 前記多層基板は、請求項1乃至3の何れかに記載された
    ものでなり、 前記能動回路素子は、前記多層基板によって支持されて
    いる高周波モジュール。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れかに記載された多
    層基板を製造する方法であって、 前記最外側誘電体層に備えられる前記スルーホール電極
    を形成すべき位置データに、前記多層基板の焼成縮率に
    よって定まる補正値を乗じて、スルーホール加工の補正
    位置データとし、 前記補正位置データに基づき、スルーホールを形成し、 前記スルーホールの内部に前記スルーホール電極を形成
    する工程を含む多層基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載された製造方法であっ
    て、 前記複数の誘電体層は、セラミック材料からなり、層の
    表面と平行な方向の焼成収縮を抑制する無収縮化処理を
    行って焼成される多層基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5または6の何れかに記載された
    製造方法であって、 前記最外側誘電体層の表面に備えられる前記電極パター
    ンは、フォトリソグラフィー技術を用いて形成される製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6980066B2 (en) 2001-03-29 2005-12-27 Tdk Corporation High-frequency module
KR101288163B1 (ko) 2011-10-25 2013-07-18 삼성전기주식회사 무수축 세라믹 기판 및 이의 제조 방법

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