JP2001052898A - シンクロトロン放射光計測装置および方法 - Google Patents

シンクロトロン放射光計測装置および方法

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JP2001052898A JP2000013199A JP2000013199A JP2001052898A JP 2001052898 A JP2001052898 A JP 2001052898A JP 2000013199 A JP2000013199 A JP 2000013199A JP 2000013199 A JP2000013199 A JP 2000013199A JP 2001052898 A JP2001052898 A JP 2001052898A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定時間を短縮し、装置の電力消費を抑え、
装置の寿命を延ばし、そして他の計測装置などに振動等
の悪影響を及ぼすのを防止する。 【解決手段】シンクロトロン放射光源からのビームを複
数の受光手段7,8で直接受光する計測手段と、前記計
測手段により得られた複数のビーム強度の情報に基づい
て該ビームの強度プロファイルを特定するためのパラメ
ータを演算する演算手段とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は荷電粒子蓄積リング
制御系あるいはシンクロトロン放射光を利用した分光
器、リソグラフィ装置、X線顕微鏡などの各種装置に用
いられるシンクロトロン放射光計測装置および方法に関
する。
【0002】
【従来技術】高速に加速した荷電粒子を磁場で曲げた際
に発生するシンクロトロン放射光は荷電粒子の軌道面に
集中したシート状のビームとして得られる。このビーム
は、荷電粒子の軌道面に垂直な方向には、概ねガアウシ
アンに近い強度分布をもっている。このビームの発散す
なわちシート状ビームの厚さは、荷電粒子の加速エネル
ギ、磁場強度、荷電粒子ビームのサイズ、荷電粒子ビー
ムの発散角などに依存している。
【0003】シンクロトロン放射光を利用して測定や加
工などを行なう場合には、通常、ミラーを用いてビーム
を偏向または集光させて試料に照射する。試料の上に照
射されるビームの集光位置や強度は、ミラーに入射する
ビームの位置やその広がりの大きさに依存している。試
料に照射される光強度や位置を決定したり、最適値に調
整したりするためには、ビームの位置やサイズを測定す
ることが必要となる。また、ビームの位置やその広がり
の大きさが所定の値に保たれるようにシンクロトロン光
源を制御する際にも、ビームの位置やその広がりの大き
さを測定する必要がある。
【0004】従来、シンクロトロン放射光ビームの位置
やサイズを測定する方法としては、図17および図18
に示すような装置を用いる方法がある。この装置は、真
空容器1、その中に配置され、ピンホール34が設けら
れたアパーチャ板35を前方に配置したフォトダイオー
ド36によるX線検出器、このX線検出器をY方向に駆
動するステージ機構37、大気中のステージ機構37と
真空中のX線検出器を機械的に結合しかつ真空を保持す
るためのロッド10とベローズ機構11、X線検出器の
出力とステージ37の駆動量を取り込んで記録する演算
装置13などから構成される。ここで、SRビーム15
の進行方向をZ、シート状のSRビーム15の面(電子
ビーム軌道面と同一)内でZに垂直な方向をX、そして
SRビーム15の面に垂直でZに垂直な方向をYと定義
している。
【0005】この構成において、ピンホール34を伴な
うフォトダイオード36によるX線検出器をYステージ
37でスキャン移動させて、ビームプロファイルを求
め、これを適当な関数、例えばガアウシアンでフィッテ
ィングして、ビームの広がり(大きさ)σおよびY方向
位置を算出する。すなわち、図19のように、横軸にX
線検出器の位置Yをとり、縦軸にX線検出器の出力S
(光強度)をとって測定値をプロットする。そして、こ
の実験値とよく一致するように、実線で示すようなガア
ウシアンでフィッティングして、ガアウシアンのσと中
心値を求める。具体的には、例えば仮定したガアウシア
ンと測定値との差の二乗和が最小となるようにガアウシ
アンのσと中心値のパラメータを決定する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来例には以下のような問題がある。すなわち、この従来
例によれば、高い精度でビームの位置やサイズを決定す
るためには、測定時に細かくX線検出器のY位置を設定
して繰り返し測定を行ない、多くのデータを取得する必
要がある。例えば0.1mmピッチでステージを駆動
し、10mmの範囲において101点について計測を行
なう。そしてその際、1回の測定毎にステージを微小量
駆動してはX線検出器の出力を取り込むという動作を何
度も繰り返し行なう必要があるため、計測に長い時間が
かかる。例えば1点の測定に0.1秒要するとしても、
測定には10秒以上の時間が必要である。シンクロトロ
ン放射光ビームの位置やサイズは短い周期で変動する場
合も有り得るが、そのような短い周期の変動は、このよ
うな従来の方法では検出することができない。
【0007】また、ステージをスキャンしてビームプロ
ファイルを計測する間にビームの位置やサイズが変動す
ると、正確にビームプロファイルを計測することができ
ず、ビームの位置やサイズの計測値に誤差が発生する。
【0008】また、計測のたびにステージを駆動する必
要があるため、電力消費が大きく、維持費用が嵩むとい
う問題もある。また、シンクロトロン放射光を利用する
他の計測装置などに振動等の悪影響を及ぼしやすいとい
う問題もある。
【0009】また、ベローズやステージ機構には弾性変
形や摩擦する部材があるため、長期間にわたって繰り返
し駆動を行なうと、これらの部材が摩耗したり、破損し
たりする恐れがある。すなわち、これらの機械的な寿命
によって計測システムの寿命が制限され、長期間使用す
ることが難しいという問題点がある。
【0010】本発明の目的は、このような従来技術の問
題点に鑑み、シンクロトロン放射光計測装置および方法
において、測定時間を短縮し、あるいはこれに加えて装
置の電力消費を抑え、また、装置の寿命を延ばし、さら
には他の計測装置などに振動等の悪影響を及ぼすのを防
止することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】これらの目的を達成する
ため、本発明のシンクロトロン放射光計測装置は、シン
クロトロン放射光源からのビームを複数の受光手段で直
接受光する計測手段と、前記計測手段により得られた複
数のビーム強度の情報に基づいて該ビームの強度プロフ
ァイルを特定するためのパラメータを演算する演算手段
とを具備することを特徴とする。前記パラメータとして
はシート状に放射される前記ビームの厚さ方向に関する
位置と大きさを示す代表値を用いることができる。
【0012】また、本発明のシンクロトロン放射光計測
方法は、シンクロトロン放射光源からのビームを複数の
受光手段で直接受光することにより、該ビームの強度プ
ロファイルを特定するためのパラメータを計測すること
を特徴とする。前記パラメータはシート状に放射される
前記ビームの厚さ方向に関する位置と大きさを示す代表
値であることが好ましい。
【0013】本発明の好ましい第1のシンクロトロン放
射光計測装置は、シンクロトロン放射光源からのビーム
についてその厚さ方向の全範囲にわたって積分した全強
度を計測する全強度計測手段と、前記ビームの強度をそ
の厚さ方向の位置が異なる2点で計測する2点強度計測
手段と、前記全強度および2点の強度に基づいて前記ビ
ームの厚さ方向の大きさを演算する演算手段とを具備す
ることを特徴とする。なお、ビームの厚さ方向の大きさ
は、例えば、ビームの厚さ方向の強度分布をガアウシア
ンでフィッティングした場合の標準偏差σで与えられ
る。
【0014】また、前記2点強度計測手段を前記ビーム
の厚さ方向に移動する手段を有することを特徴とする。
前記全強度計測手段は、前記ビームの厚さ方向の全範囲
にわたって一度で受光できる受光面を有する放射光検出
器を有する。また、前記全強度計測手段は、シンクロト
ロン蓄積電流を検出することにより前記全強度を計測す
るものである。
【0015】さらに、前記全強度計測手段は、前記2点
で強度が計測されるビームが取り出されるビームライン
とは別のビームラインから取り出されるビームについて
全強度を計測するものである。前記2点間の間隔は前記
ビームの厚さ方向の大きさの1.5倍以下または2.5
倍以上であることが好ましい。
【0016】前記演算手段は、前記全強度および2点の
強度に基づいて前記ビームの厚さ方向の位置または大き
さを演算するための校正関数を、予め行なった前記全強
度の計測および前記厚さ方向に移動させながら行なう前
記2点の強度についての計測の結果に基づいて求めるも
のであることが好ましい。前記予め行なった全強度およ
び2点の強度の計測は、シンクロトロン蓄積電流値が異
なる複数の条件下で行なったものであることが好まし
い。
【0017】さらに、本発明の好ましい第2のシンクロ
トロン放射光計測装置は、前記シンクロトロン放射光源
からのビームの強度をその厚さ方向の位置が異なる3点
で計測する3点強度計測手段と、前記3点のビーム強度
に基づいて前記パラメータを演算する演算手段とを具備
することを特徴とする。
【0018】また、前記3点強度計測手段を前記ビーム
の厚さ方向に移動させる手段を有することを特徴とす
る。
【0019】前記演算手段は、3点の強度に基づいて前
記パラメータを演算するための校正関数を、前記厚さ方
向に移動させながら行なう前記3点の強度についての計
測の結果に基づいて求めるものであることが好ましい。
【0020】前記3点の強度の計測は、シンクロトロン
蓄積電流値が異なる複数の条件下で行なったものである
ことが好ましい。また、前記校正関数は多項式であるこ
とが好ましい。
【0021】前記3点強度計測手段を前記ビームの厚さ
方向に移動させる手段を用いることなく、前記校正関数
なしに前記3点のビームの強度に基づいて前記パラメー
タを演算することが好ましい。
【0022】また、本発明の好ましい第1のシンクロト
ロン放射光計測方法は、シンクロトロン放射光のビーム
についてその厚さ方向の全範囲にわたって積分した全強
度を計測する全強度計測工程と、前記ビームの強度をそ
の厚さ方向の位置が異なる2点で計測する2点強度計測
工程と、前記全強度および2点の強度に基づいて前記ビ
ームの厚さ方向の大きさを演算する演算工程とを具備す
ることを特徴とする。また、前記2点の強度測定点を前
記ビームの厚さ方向に移動する工程を有することを特徴
とする。
【0023】前記全強度の計測は、前記ビームの厚さ方
向の全範囲にわたって一度で受光できる受光面を有する
放射光検出器により行なう。また、前記全強度の計測
は、シンクロトロン蓄積電流を検出することにより行な
う。さらに、前記全強度の計測は、前記2点で強度が計
測されるビームが取り出されるビームラインとは別のビ
ームラインから取り出されるビームについて行なう。
【0024】前記2点間の間隔は前記ビームの厚さ方向
の大きさの2.5倍以上であることが好ましい。前記演
算工程では、前記全強度および2点の強度に基づいて、
前記ビームの厚さ方向の位置または大きさを、予め行な
った前記全強度の計測および前記厚さ方向に移動させな
がら行なう前記2点の強度についての計測の結果に基づ
いて求めた校正関数を用いて演算することが好ましい。
【0025】前記予め行なった全強度および2点の強度
の計測は、シンクロトロン蓄積電流値が異なる複数の条
件下で行なったものであることが好ましい。また、前記
校正関数は多項式であることを特徴とする。
【0026】また、本発明の好ましい第2のシンクロト
ロン放射光計測方法は、前記シンクロトロン放射光のビ
ームの強度をその厚さ方向の位置が異なる3点で計測す
る3点強度計測工程と、前記3点のビーム強度に基づい
て前記パラメータを演算する演算工程とを具備すること
を特徴とする。また、前記3点強度計測工程を前記ビー
ムの厚さ方向に移動させる工程を有することを特徴とす
る。
【0027】前記演算工程は、3点の強度に基づいて前
記パラメータを演算するための校正関数を、前記厚さ方
向に移動させながら行なう前記3点の強度についての計
測の結果に基づいて求めるものであることが好ましい。
前記3点の強度の計測は、シンクロトロン蓄積電流値が
異なる複数の条件下で行なったものであることが好まし
い。前記校正関数は多項式であることが好ましい。
【0028】また、前記3点強度計測工程を前記ビーム
の厚さ方向に移動させる工程を用いることなく、前記校
正関数なしに前記3点のビームの強度に基づいて前記パ
ラメータを演算することが好ましい。
【0029】なお、本発明のシンクロトロン放射光計測
装置は、シンクロトロン放射光源からのビームの複数の
ビーム強度の計測情報に基づいて、シンクロトロン照射
光源から直接出射されたビームの強度プロファイルを特
定するためのパラメータを演算する演算手段を有するこ
とを特徴とする。前記パラメータはシート上に放射され
る前記ビームの厚さ方向に関する位置と大きさを示す代
表値を用いることができる。
【0030】また、本発明のシンクロトロン放射光計測
装置は、シンクロトロン放射光源からのビームの複数の
ビーム強度の計測情報に基づいて、シンクロトロン照射
光源から直接出射されたビームの強度プロファイルを特
定するためのパラメータを演算することを特徴とする。
前記パラメータはシート上に放射される前記ビームの厚
さ方向に関する位置と大きさを示す代表値であることが
好ましい。
【0031】これらの構成において、実際のビームの大
きさの測定時には、ビームの全強度および2点、または
3点での強度は、測定位置を移動させることなく一度で
測定される。したがって、測定位置を変えながら繰り返
し測定を行なっていた従来技術に比べ、測定時間が短縮
することになる。また、測定位置を移動させるためのス
テージを駆動する等の必要がないため、装置の電力消費
を減少し、装置の寿命が延び、他の装置に対して振動等
の悪影響を防止することになる。
【0032】本発明において、2点または3点での計測
とは、狭い意味での2点または3点での計測のみなら
ず、2線または3線での計測を含む。また、2面または
3面での計測を含む。
【0033】同様に、本発明において、2点または3点
強度とは、狭い意味での2点または3点強度のみなら
ず、2線または3線強度を含む。また、2面または3面
強度を含む。
【0034】本発明において、光電変換装置としては、
フォトダイオードなどの受光素子の他、金属ワイヤおよ
び金属板等も用いることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい第1の実施形態
においては、前記ビームの強度を測定する2点を前記ビ
ームの厚さ方向に移動する手段または工程を有する。た
だし、実際の測定時に移動することは不要である。ビー
ムの全強度の計測は、ビームの厚さ方向の全範囲にわた
って一度で受光できる受光面を有する放射光検出器によ
り行なう。またはシンクロトロン蓄積電流値を検出する
ことにより行なう。また、全強度の計測は前記2点で強
度が計測されるビームが取り出されるビームラインとは
別のビームラインから取り出されるビームについて行な
うようにしてもよい。前記2点間の間隔は、ビームの厚
さ方向の大きさ、例えば上述のσの1.5倍以下または
2.5倍以上であるのが好ましい。
【0036】予め、蓄積電流値が異なる複数の条件下に
おいて、前記全強度を計測し、また前記厚さ方向に移動
させながら前記2点の強度についての計測を行なって、
これらの計測結果に基づいて校正関数を求めておき、実
際の計測にあたっては、この校正関数を用い、全強度お
よび2点の強度の計測値に基づいてビームの厚さ方向の
位置または大きさを演算することができる。
【0037】さらに、本発明の好ましい第2の実施形態
においては、前記ビームを測定する3点を前記ビームの
厚さ方向に移動する手段または工程を有する。ただし、
実際の測定時に移動することは不要である。蓄積電流値
が異なる複数の条件下において、前記厚さ方向に移動さ
せながら前記3点の強度についての計測を行なって、こ
れらの計測結果に基づいて校正関数を求めておき、実際
の計測にあたっては、この校正関数を用い、3点の強度
の計測値に基づいてビームの厚さ方向の位置または大き
さを演算する。
【0038】さらに、前記ビームを測定する3点を前記
ビームの厚さ方向に移動する手段または工程を用いるこ
となく、前記校正関数なしに前記3点のビームの強度に
基づいて前記ビームの厚さ方向の位置または大きさを演
算することもできる。
【0039】このようにしてビームの大きさや位置を求
めることができるのは、次の原理による。ビームの強度
分布がガアウシアンであると仮定すると、好ましい第1
の形態の場合、ビームの中心位置Y0、ビームの広がり
σ、およびビームの厚さ方向であるY方向に積分した全
強度I0が決まれば、ビームの強度分布は一意に決ま
る。また、ビームのY方向に積分した全強度I0、およ
びビーム内の特定の2点位置での強度がわかれば、ビー
ムの強度分布は一意に決まり、ビームの中心位置Y0
と、ビームの広がりσも決まる。
【0040】好ましい第2の実施形態の場合、ビーム内
の位置が異なる3つの位置での強度がわかれば、ビーム
の強度分布は一意に決まり、ビームの中心位置Y0と、
ビームの広がりσも決まる。従って、予め校正関数を決
定するための計測を行わなくても、ビーム内の位置が異
なる3つの位置での強度からシンクロトロン放射光ビー
ムの位置とサイズを決定することもできる。
【0041】この原理を図20、図21および図22を
用いて説明する。図20は、全強度が一定でビームの位
置(Y0)が変化したときのビームプロファイルと2個
の検出器AおよびBの位置との関係を示す。同図に示す
ように、2個の検出器AおよびBが所定の間隔でビーム
に対して対称に位置YaおよびYbに設置されている場
合において、ビームが検出器Aの側に移動したとすれ
ば、検出器Aの出力が大きくなり、検出器Bの出力が小
さくなる。逆に破線で示されるようにビームが検出器B
の側に移動したとすれば、検出器Aの出力が小さくな
り、検出器Bの出力が大きくなる。この場合には、検出
器Aおよび検出器Bそれぞれの出力の比R1がビームの
位置を表わすパラメータとなる。
【0042】
【数1】 また検出器AおよびB間の間隔が大きいほど、検出器A
およびBそれぞれの出力の比は、ビームの位置変化に対
して急激に変化する。したがって、2個の検出器Aおよ
びB間の間隔が大きい方がビーム位置検出の感度が高く
なる。
【0043】図21は、全強度が一定でビームの広がり
(σ)が変化したときのビームプロファイルの変化を示
す。同図に示すように、2個の検出器AおよびBがビー
ムのσの2倍より大きい間隔でビームに対して対称に設
置されている場合において、破線で示されるようにビー
ムのσが大きくなったとすると、検出器AおよびBの出
力が両方とも大きくなる。逆に、ビームのσが小さくな
ったとすると、検出器AおよびBの出力が両方とも小さ
くなる。一方、検出器A’およびB’がビームのσの2
倍より小さい間隔でビームに対して対称に位置Ya’お
よびYb’に設置されている場合において、ビームのσ
が大きくなったとすると、検出器AおよびBの出力が両
方とも小さくなる。逆にビームのσが小さくなったとす
ると、検出器A’およびB’の出力が両方とも大きくな
る。このように、検出器AおよびBそれぞれの出力の和
が、ビームの広がりを表わすパラメータとなる。
【0044】ただし、ビームのσが一定で、ビーム全体
の強度が変化した場合においても検出器AおよびBの出
力の和が変化する。すなわち、検出器AおよびBの出力
の和が変化しても、これがビーム全体の強度が変化した
ためか、またはビームのσが変化したためかは区別がつ
かない。そこで、別の手段によってビーム全体の強度を
計測し、この値で検出器AおよびBの出力を規格化す
る。このように規格化した検出器AおよびBの出力の和
により、ビームの広がりを知ることができる。ビーム全
体の強度を計測する方法については、実施例において詳
細に述べる。
【0045】また、2個の検出器AおよびBがビームの
σの2倍の間隔でビームに対して対称に設置されている
場合、ビームのσが変化しても、検出器AおよびBの出
力は変化しない。したがって、検出器AおよびB間の間
隔がσの2倍ではビームのσを測定することができな
い。ビームのσを測定するためには、検出器の間隔はビ
ームのσに近い値を避けることが必要であり、ビームの
σを精度よく測定するためには、検出器の間隔はビーム
のσの1.5倍以下あるいは2.5倍以上が望ましい。
【0046】一方、検出器AおよびB間の間隔が大きい
方が、ビーム位置が変動したときの検出器の出力の変化
が大きい。すなわち2個の検出器AおよびB間の間隔が
大きい方がビーム位置検出の感度が高い。したがって、
ビームのσと位置Yを同時に精度よく測定するために
は、2個の検出器の間隔はσの2倍より大きいことが望
ましく、より望ましくは、σの2.5倍以上が適当であ
る。
【0047】さらに、第3の検出器Cがビームの中心付
近に設置されているとする。図22に全強度が一定でビ
ームの広がり(σ)が変化したときのビームプロファイ
ルの比較を示す。同図に示すように、ビームのσが大き
くなったとすると、検出器Cの出力が小さくなる。逆
に、ビームのσが小さくなったとすると、検出器Cの出
力が大きくなる。同図では、ビームの積分速度が一定と
しているが、実際にはビームの積分強度は変動する。そ
こで、検出器Cの出力と、検出器A,Bの和との比R2
をパラメータにとると、このパラメータはビームの広が
りσを反映する。
【0048】
【数2】 すなわち、ビームのσが大きくなった場合には、R2が
小さくなり、逆にビームのσが小さくなったとすると、
R2が大きくなる。本発明のシンクロトロン放射光ビー
ムの位置とサイズを測定する装置は、シンクロトロン放
射光ビームのYが異なる3点でビームの強度を計測する
手段、3個の出力値からビームの位置とサイズを演算す
る手段から構成される。また、この装置を予め校正する
ためのY方向に移動可能なステージ機構を備えている。
【0049】これらの原理に基づき、本発明の好ましい
第1の実施形態では、ビームの大きさや位置を計測する
ための準備として、ビームの大きさが異なった条件(例
えば蓄積電流値が異なった条件)でYスキャンさせなが
らビームの全強度と2点での強度を計測し、これらの計
測値の比をYとσの関数として算出する。具体的な校正
の手段については実施例の中で詳細に説明する。そし
て、校正を終えた後は、ビームが2つの計測点のほぼ中
間に入射するように調整し、全強度I0と2点での強度
IAおよびIBを計測し、これらの比の値を先の校正に
よって決定した校正関数に代入してビームの太さσおよ
び位置Yを算出する。
【0050】また、本発明の好ましい第2の実施形態で
は、校正は、前記したビームの大きさが異なった条件
で、ビームの厚さ方向に移動させながら3個の検出器の
出力値を計測し、3個の検出器の出力の比をYとσの関
数として算出する。具体的な校正の手順については実施
例の中で詳細に説明する。そして、校正を終えた後は、
ビームが3つの計測点のうち、中央の計測点に入射する
ようにY方向に移動可能なステージ機構を固定し、3個
の検出器の出力を測定する。測定されたS1、S2、S
3の値を先の校正によって決定した校正関数に代入し、
ビームの太さσおよび位置Yを算出する。また、ビーム
の厚さ方向に移動させることなく、校正関数も使用せ
ず、ビームのσとYを算出する方法については実施例の
中で詳細に説明する。
【0051】この上述した算出は、計測手段の出力をア
ナログ−デジタル変換器を用いて数値化し、コンピュー
タで処理することによって、きわめて短時間に行なうこ
とができる。
【0052】
【実施例】[実施例1]図2は本発明の第1の実施例に
係るシンクロトロン放射光計測装置の構成を示すブロッ
ク図であり、図1はその要部を示す斜視図である。この
装置は3個のフォトダイオードを用いてシンクロトロン
放射光によるビームの位置やサイズを測定するものであ
る。これらの図に示すように、この装置は、シンクロト
ロン放射光によるビーム15が導入される真空容器1、
この中に配置され、2個のピンホール2と1個のY方向
に長い縦スリット4が設けられたアパーチャ板5、この
背後に配置され、3個のフォトダイオード7および8を
有するX線検出器、このX線検出器をY方向に駆動する
ためのステージ/コントローラ9、大気中のステージ/
コントローラ9と真空容器1による真空中のX線検出器
を機械的に結合し、かつ真空を保持するためのロッド1
0とベローズ機構11、X線検出器の出力とステージ/
コントローラ9のステージ駆動量を取り込んで記録する
ための検出器アンプ/アナログデジタル変換器12およ
び演算装置13などで構成されている。
【0053】X線検出器は金属製のシールドケース14
に納められ、不要な可視光や光電子がフォトダイオード
7や8に照射されるのを防止している。さらにシールド
ケース14は真空容器1に入れられ、真空容器1は排気
ポンプ17によって超高真空に排気される。真空容器1
はシンクロトロンリングとゲートバルブを介して接続さ
れる。アパーチャ板5はシールドケース14の最上流側
に設けてある。また、アパーチャ板5は銅板製であり、
シンクロトロン放射光の熱負荷による温度上昇を抑える
ために水冷されている。アパーチャ板5に設けられたピ
ンホール2の直径は0.5mm、2つのピンホール2間
のY方向間隔は8mmである。縦スリット4は幅が1m
m、Y方向の長さが20mmである。測定対象であるシ
ンクロトロン放射光ビーム15の広がりσは2mm程度
であり、縦スリット4の長さはビームの広がりσに対し
て充分な大きさをもっている。また、ピンホール2のY
方向間隔はσの約4倍に設定されている。なお、ピンホ
ール2の開口の形状は円形でなくても構わない。例えば
長方形等でもよい。また、ピンホール2および縦スリッ
ト4の各開口は1枚の金属板に設けられている必要はな
く、1個の開口があいたアパーチャ板を3枚組み合わせ
たものであってもよい。
【0054】アパーチャ板5の下流側には放射線による
損傷防止と、SR光15に含まれる可視光の遮蔽のため
に金属箔製のフィルタ16、例えば厚さ数百μmのアル
ミニウム箔を設けてある。2個のフォトダイオード7お
よび1個のフォトダイオード8は、フィルタ16の下流
において、アパーチャ板5の2個のピンホール2および
1個の縦スリット4に対応する位置に設けてある。ピン
ホール2の下流に設けられたフォトダイオード7は直径
5mmの円形受光面を有し、縦スリット4の下流に設け
られたフォトダイオード8は幅5mm、長さ25mmの
長方形の受光面をもっていて、ピンホール2および縦ス
リット4の各アパーチャを通過した光はそれぞれ全てフ
ォトダイオード7および8の受光面に入射する。
【0055】フォトダイオードは、シンクロトロン放射
光から出射されたビームをフィルタを通して直接受光す
る。フォトダイオードに入射する光は、シンクロトロン
放射光の中の短波長成分の割合が高まっている。シンク
ロトロン放射光から直接出射されたビームの強度プロフ
ァイルは観測する光の波長に応じて異なるが、プロファ
イルの変化には各波長で相関があるので、フィルタを通
った光を観測しても、シンクロトロン放射光源から直接
出射されたビームの強度プロファイルの変化を正確に知
ることができる。
【0056】なお、本明細書においてシンクロトロン放
射光源からのビームを直接受光するとは、このように経
由前後で強度プロファイルの変化に各波長で相関がある
フィルタのような部材、経由前後で強度プロファイルが
実質的な変化を起こさない部材、を通った後で受光する
場合も含むものである。
【0057】ステージ/コントローラ9は真空容器1の
外に設けられたYステージを有し、このYステージは真
空容器1中のシールドケース14とロッド10でつなが
れている。ベローズ11の一端はロッド10に、他端は
チャンバ1に溶接され、これによりロッド10は真空を
保持しながら、Y方向に駆動することができる。
【0058】次に校正の手順について説明する。校正の
際には、ビームサイズが異なった条件で、Yステージに
よりYスキャンしながら3つの検出器7および8の出力
値を計測することが必要である。予めビームサイズを知
ることはできないが、ビームサイズに影響を及ぼす他の
パラメータを変えて測定を行なえばよい。例えば、ビー
ムサイズは蓄積電流値に依存して変化する。そこで、異
なる電流値において、Yスキャンしながら3つの検出器
の出力値を計測すればよい。
【0059】ある電流値のとき、ピンホール2を伴なっ
たフォトダイオード7の出力をそれぞれS1およびS2
とし、縦スリット4を伴なった全強度を計測するための
フォトダイオード8の出力をS0とする。そして、Yス
キャン時の素子出力比R1およびR2をYの関数として
算出する。ここで、R1およびR2は次式で表される。
【0060】
【数3】 次に2個の検出器の出力S1およびS2をYの関数とし
てガアウシアンでフィッティングし、ビームのY方向の
太さσを求める。以上のデータ処理によって、σとYの
関数としてR1およびR2を求める。
【0061】電流値が異なる条件でYスキャンを繰り返
し、σ、Y、R1、R2のテーブルを蓄積し、校正関数
を決定する。例えば、蓄積ビーム電流値が100mAか
ら100mA毎に1Aまでの10点でスキャンを行な
う。本実施例ではσおよびYを、R1およびR2の多項
式としてフィッティングする。例えば、次式のように置
いて、実測されたσやYとの差の2乗和が最小になるよ
うに、各係数を求める。
【0062】
【数4】 R1としては出力S1とS2との比を反映するパラメー
タであればよいので、例えばS1とS2との比の対数、
R1=log(S1/S2)や、S1とS2の差とS0
との比、R1=(SA−SB)/S0、等を用いて同様
に校正を行なってもよい。
【0063】2個の検出器の感度が異なる場合には、係
数をかけてピーク出力が等しくなるように規格化する。
すなわち、出力S1の最大値がS1max、出力S2の
最大値がS2maxであった場合、S1/S1maxお
よびS2/S2maxをそれぞれ規格化した検出器出力
として、R1およびR2を求めて校正を行なえばよい。
校正を終えた後は、ビームが2個のピンホール2のほぼ
中間に入射するようにYステージを固定し、3個のフォ
トダイオード7および8の出力を測定する。測定された
SA、SBおよびS0の値から、次式によりR1および
R2を算出する。
【0064】
【数5】 そして、これを先の校正によって決定した次の校正関数
に代入して、ビームの太さσおよび位置Yを算出する。
【0065】
【数6】 ただし、R1として、R1=log(S1/S2)やR
1=(SA−SB)/S0等を用いて校正を行なった場
合には、これらのパラメータを校正で得た関数に代入す
る。
【0066】これらの計算は、フォトダイオード7およ
び8の出力をアナログ−デジタル変換器12を用いて数
値化し、コンピュータ13で処理することによって、き
わめて短時間に行なうことができる。
【0067】この計測方法によれば、計測中はステージ
駆動が不要であり、ある時刻のフォトダイオードの出力
を演算することにより、直ちにビームの位置と広がりを
求めることができる。このため、短時間の変動も正確に
測定することができる。また計測時にはYステージを移
動する必要がないため、他の装置に振動等の悪影響を及
ぼすことがない。また、電力の消費が少なく、装置の寿
命も長い。
【0068】[実施例2]図3は本発明の第2の実施例
に係るシンクロトロン放射光計測装置の構成を示すブロ
ック図であり、図4はその要部を示す斜視図である。こ
の装置では、2本のワイヤおよび別のビームラインの全
強度モニタを用いてシンクロトロン放射光によるビーム
の位置やサイズを測定する。これらの図において、18
はシンクロトロン放射光15の検出器を構成する2本の
金属ワイヤ、9は金属ワイヤ18をY方向に駆動するス
テージ/コントローラ、19は他のビームラインに設け
た全強度検出器、13はX線検出器の出力とステージ駆
動量を取り込んで記録する演算装置である。図3および
図4において、図1および2と同一の要素には同一の符
号を付した。
【0069】ワイヤ18は真空容器1に入れられ、真空
容器1は排気ポンプ17によって超高真空に排気され
る。真空容器1はまた、シンクロトロンリングとゲート
バルブを介して接続される。2本のワイヤ18はセラミ
ック等の絶縁物20によってビーム15面と平行に保持
される。絶縁物20は真空容器1の外のステージ/コン
トローラ9のYステージと機械的に結合され、Y方向に
駆動される。ワイヤ18としては、金がメッキされたタ
ングステンワイヤ等が用いられる。太さは例えば0.1
〜1mm程度である。ワイヤ18は真空容器1外のバイ
アス印加回路/電流電圧変換回路21のバイアス印加回
路に導線で接続され、真空容器1に対して数Vから数百
Vの電圧が印加される。このとき、ワイヤ18にシンク
ロトロン放射光15が照射されると、光電子が発生し、
これが印加電圧による電場によって移動するので、ワイ
ヤ18に電流が流れる。この電流を検出するため、ワイ
ヤ18はバイアス印加回路/電流電圧変換回路21の電
流−電圧変換回路にも接続されている。電流−電圧変換
回路の出力は、検出器アンプ/アナログデジタル変換器
12のアナログ−デジタル変換回路を経て演算装置13
に取り込まれる。
【0070】本実施例では、測定を行なうビームライン
15には全強度検出器を設けず、代わりに、他のビーム
ラインに設けた全強度検出器19の出力を用いるが、そ
れ以外については、実施例1の場合と同様にしてビーム
15の位置やサイズを測定することができる。
【0071】一般に、シンクロトロン放射光光源では多
数のビームラインが設置され、多数のビームラインでビ
ーム位置やビームサイズの計測を行なうことがある。こ
のような場合において本実施例の装置を用いる際には、
各ビームラインに2個の検出器を設け、さらに1本のビ
ームラインだけに全強度を測定する検出器を設ける。こ
の方法によれば、検出器の個数を最小限に減らすことが
でき、その分だけ信号処理装置も減らすことができる。
したがって、システム全体の費用を下げることができ
る。
【0072】[実施例3]図5は本発明の第3の実施例
に係るシンクロトロン放射光計測装置の構成を示すブロ
ック図であり、図6はその要部を示す斜視図である。こ
の装置では、シンクロトロン放射光ビームの位置やサイ
ズを測定するために、イオンチャンバおよびシンクロト
ロン蓄積電流値を用いている。この装置は、2個のピン
ホールが設けられたアパーチャ板22、これに対応する
位置に位置された2個のイオンチャンバ23、アパーチ
ャ板22をY方向に駆動するステージ/コントローラ
9、シンクロトロン放射光光源24の蓄積電流値を測定
するための手段、イオンチャンバ23の出力、シンクロ
トロン放射光光源24の蓄積電流値28およびステージ
/コントローラ9のステージ駆動量を取り込んで記録す
る演算装置13等で構成される。
【0073】この計測装置は、大気中でシンクロトロン
放射光の計測を行なう。ベリリウム窓26を通って大気
中に導かれたシンクロトロン放射光15を2個のピンホ
ールが設けられたアパーチャ板22で遮り、ピンホール
を通過したX線を2個のイオンチャンバ23で測定す
る。アパーチャ板22はステージ/コントローラ9のY
ステージに固定されており、Y方向に駆動することがで
きる。イオンチャンバ23はYステージではなく床面に
対して固定されている。イオンチャンバ23の受光面は
20mm程度の大きさがあり、アパーチャ板22がY方
向に移動しても、ピンホールを通ったX線は常にイオン
チャンバ23に入射する。
【0074】シンクロトロン放射光の全強度は、加速エ
ネルギや磁場強度が一定であれば、電子蓄積リングの蓄
積電流値に比例する。本実施例では、全強度検出器によ
る全強度の代わりに電子蓄積リングの蓄積電流値のデー
タ28を用いる。蓄積電流値は通常、電流トランス、D
CCT等によって精度よく計測することができる。一般
に、シンクロトロン放射光光源では多数のビームライン
が設置され、多数のビームラインでビーム位置やビーム
サイズの計測を行なうことがある。このような場合にお
いて本実施例の装置を用い、各ビームラインに2個の検
出器を設け、電流トランスによって測定したビーム電流
の情報を多数の計測装置で共通に用いることにより、検
出器の個数を最小限に減らすことができ、その分だけ信
号処理装置も減らすことができる。したがって、システ
ム全体の費用を下げることができる。また、本実施例で
は計測装置は大気中にあり、真空容器や排気ポンプ等が
不要なので、装置費用を低減することができる。さらに
本実施例では、Yステージが駆動する部材はアパーチャ
板22だけであり、軽量なので、小型のステージを用い
ることができるため、さらに装置費用を低減することが
できる。
【0075】[実施例4]図7は本発明の第4の実施例
に係るシンクロトロン放射光計測装置の構成を示すブロ
ック図であり、図8はその要部を示す斜視図である。こ
の装置では、シンクロトロン放射光ビームの位置やサイ
ズを測定するために、4枚の金属板の光電効果を用いて
いる。この装置は、長方形の穴があいたアパーチャ板3
0、この後方の対応する位置に配置され、アパーチャ板
30を通過したシンクロトロン放射光15のX方向の範
囲を規制する2枚の金属板31、同様にY方向の範囲を
規制する2枚の金属板32、アパーチャ板30と金属板
31および32をY方向に駆動するステージ/コントロ
ーラ9、金属板31および32の光電流値とステージ/
コントローラ9のステージ駆動量を取り込んで記録する
演算装置13などから構成される。
【0076】本実施例では、シンクロトロン放射光15
を複数の金属板31および32に照射し、そこからの光
電子を計測する。計測装置全体は真空容器1に納められ
ている。最上流にアパーチャ板30が設けてあり、これ
によりシンクロトロン放射光ビーム15のX方向の幅を
規制する。アパーチャ板30のアパーチャ33のY方向
の幅はビームの幅より充分大きく、シンクロトロン放射
光ビーム15のY方向の幅は規制されない。アパーチャ
33の後方にX方向を規制する2枚の金属板31、さら
にその下流にY方向を規制する2枚の金属板32が設け
られている。金属板31にはビーム15のY方向全体が
照射されるので、これらからの光電流はビーム15の全
強度に比例する。したがって、金属板31は全強度検出
器として用いることができる。金属板32にはビーム1
5のY方向の一部が照射される。したがって、金属板3
2からの光電流をYが異なる位置に設置された2つの検
出器の出力として用いることができる。
【0077】本実施例によれば、ビーム15の中心部分
は検出器に遮られず、そのまま通過するので、他の測定
や材料加工等に用いることができる。
【0078】[実施例5]図9は本発明の第5の実施例
に係るシンクロトロン放射光計測装置の構成を示すブロ
ック図であり、図10はその要部を示す斜視図である。
この装置は、3個のフォトダイオードを用いてシンクロ
トロン放射光によるビームの位置やサイズを測定するも
のである。これらの図において、この装置は、シンクロ
トロン放射光によるビーム15が導入される真空容器
1、3個のピンホール39が設けられたアパーチャ板3
8、これに対応する位置に位置された3個のフォトダイ
オード40を有するX線検出器、このX線検出器をY方
向に駆動するステージ/コントローラ9、大気中のステ
ージ/コントローラ9と真空容器1による真空中のX線
検出器を機械的に結合し、かつ真空を保持するためのロ
ッド10とベローズ機構11、X線検出器の出力とステ
ージ/コントローラ9のステージ駆動量を取り込んで記
録するための検出器アンプ/アナログデジタル変換器1
2および演算装置13などで構成されている。
【0079】本実施例では、X線検出器は金属製のシー
ルドケース14に納められ、不要な可視光や光電子がフ
ォトダイオード39に照射されることを防止している。
さらにシールドケース14は真空容器1に入れられ、排
気ポンプ17によって超高真空に排気される。真空容器
1はシンクロトロンリングとゲートバルブを介して接続
される。シールドケース14の最上流側にはアパーチャ
板38が設けてあり、アパーチャ板38には図9の様に
3個のピンホール39が等間隔にあけてある。アパ−チ
ャ板38は銅板製であり、シンクロトロン放射光の熱負
荷による温度上昇を抑えるために内部が水冷されてい
る。ピンホール39の直径は0.5mm、Y方向の間隔
は4mmである。本実施例のシンクロトロン放射光ビー
ム15の位置やサイズを測定する装置が測定しようとす
るビームの広がりσは2mm程度であり、ピンホール39
の間隔はY方向にσの約2倍に設定されている。
【0080】アパーチャ板38上のピンホール39の形
状は、円形でなくても構わない。例えば、長方形等でも
よい。また各開口は1枚の金属板に設けられている必要
はなく、1個の開口があいた3枚のアパーチャ板38を
組み合わせてもよい。
【0081】アパーチャ板38の下流側には放射線によ
る損傷防止と、SR光15に含まれる可視光遮蔽のため
に金属箔製のフィルタ16、例えば厚さ数百μmのアル
ミニウムを設けてある。均一な厚さのフィルタ16を用
いた場合、3個あるフォトダイオード40のうち、中央
のフォトダイオード40はビーム15の中心に近いので
他の2個のフォトダイオード40に比較して強いX線が
照射される。このため、放射線による損傷が起りやす
い。そこで、中央のフォトダイオード40のみに更に1
枚フィルタ16を付加し、3個のフォトダイオード40
に入射するX線の強度がほぼ等しくなるようにしてあ
る。こうすることで、センサの寿命を長くすることがで
きる。本実施例では、1枚の均一な厚さのフィルタ16
に加え、中央のフォトダイオードのみに更に1枚フィル
タ16を付加してあるが、このほかに中央部分のみの厚
さが厚くなった1枚のフィルタ16を用いても同様の効
果が得られる。
【0082】フィルタ16の下流にはアパーチャ板38
の3つの開口に対応する位置に検出器を構成する3個の
フォトダイオード40が設けてある。ピンホール39の
下流に設けられたフォトダイオード40は直径5mmの
円形受光面を持っていて、ピンホール39を通過した光
は全てフォトダイオード40の受光面に入射する。
【0083】真空容器1の外にはYステージが設けてあ
り、真空容器1中のシールドケース14とロッド10で
つながれている。ベローズ11の一端にロッド10が、
もう一方の端がチャンバ1に溶接され、真空を保持しな
がら、Y方向に駆動することができる。
【0084】次に校正の手順について説明する。校正の
際には、ビームサイズが異なった条件で、Yスキャンし
ながら3つのフォトダイオード40の出力値を計測する
ことが必要である。予めビームサイズを知ることはでき
ないが、ビームサイズに影響を及ぼす他のパラメータを
変えて測定を行えばよい。例えば、ビームサイズは蓄積
電流値に依存して変化する。そこで、電流値が異なる時
に、Yスキャンしながら3つのフォトダイオード40の
出力値を計測すればよい。
【0085】ある電流値のとき、ピンホール39を伴っ
たフォトダイオード40のY方向に離れたそれぞれの出
力を各々S1、S2、S3とする。そして、Yスキャン
時の素子出力比R1、R2をYの関数として算出する。
ここで、R1およびR2は次式で表される。
【0086】
【数7】 次に3個のフォトダイオード40の出力S1、S2、S
3をそれぞれYの関数としてガアウシアンでフィッティ
ングし、ビームのΥ方向の太さ=σ1、σ2、σ3を求
め、これの平均値をビームの太さσとする。以上のデー
タ処理によって、σとYの関数としてR1、R2を求め
る。
【0087】電流値が異なる条件でYスキャンを繰り返
し、σ、Y、R1、 R2のテーブルを蓄積し、校正関数
を決定する。例えば、蓄積ビーム電流値が100mAか
ら100mA毎に1Aまでの10点でスキャンを行う。
本実施例ではσ、 Yを、R1、R2の多項式としてフィ
ッティングする。例えば、次式のように置いて、実測さ
れたσやYとの差の2乗和が最小になるように、各係数
を求める。
【0088】
【数8】 R1としては、S1とS2との比を反映するパラメータ
ならよいので、例えば、次式のように、S1とS2との
比の対数等を用いて同様に校正を行ってもよい。
【0089】
【数9】 3個のフォトダイオード40の感度が異なる場合には、
係数をかけてピーク出力が等しくなるように規格化す
る。すなわち、S1の出力の最大値がS1max、S2
の出力の最大値がS2max、S3の出力の最大値がS
3max、であった場合、S1/S1max、S2/S
2max、S3/S3max、をそれぞれ規格化した検
出器出力として、R1、 R2、R3を求めて校正を行え
ばよい。校正を終えた後は、ビーム15の中心が3個の
ピンホール39のうち、中央のピンホールに入射するよ
うにYステージを固定し、3個のフォトダイオード40
の出力を測定する。測定されたS1、S2、S3の値か
ら数5によるR1、R2を算出し、これを先の校正によ
って決定した次の校正関数に代入し、ビームの太さσ、
位置Yを算出する。
【0090】
【数10】 ただし、R1として、R1=log(S1/S2)等を
用いて校正を行った場合には、これらのパラメータを校
正で得た関数に代入する。
【0091】これらの計算は、フォトダイオード40の
出力を検出器アンプ/アナログデジタル変換器12のア
ナログ−デジタル変換器を用いて数値化し、コンピュー
タ13で処理することによって、きわめて短時間に行う
ことができる。
【0092】本実施例によれば、計測中はステージ駆動
が不要で、ある時刻のフォトダイオード40の出力を演
算することで、直ちにビーム15の位置と広がりを求め
ることができる。このため、短時間の変動も正確に測定
することができる。また、計測時はYステージを移動す
る必要がないので、他の装置に振動等の悪影響を及ぼす
ことがない。電力の消費が少なく、また装置の寿命が長
い。
【0093】[実施例6]図11は本発明の第6の実施
例に係るシンクロトロン放射光計測装置の構成を示すブ
ロック図であり、 図12はその要部を示す斜視図であ
る。この装置では、3本の金属ワイヤを検出器としてシ
ンクロトロン放射光の位置やサイズを測定する。これら
の図において、この装置は、シンクロトロン放射光によ
るビーム15が導入される真空容器1、シンクロトロン
放射光15の検出器を構成する3本の金属ワイヤ41、
金属ワイヤ41をY方向に駆動するステージコントロー
ラ9、X線検出器の出力とステージ駆動量を取り込んで
記録する演算装置13などから構成される。図11およ
び図12において、図3および図4と同一の要素には同
一の符号を付した。
【0094】本実施例では、シンクロトロン放射光15
の検出器として3本の金属ワイヤ41を用いる。ワイヤ
41は真空容器1に入れられ、排気ポンプ17によって
超高真空に排気される。真空容器1はシンクロトロンリ
ングとゲートバルブを介して接続される。3本のワイヤ
41はセラミック等の絶縁物でビーム15面と平行に保
持される。絶縁物は真空容器1の外のYステージと機械
的に結合され、Y方向に駆動される。第1と第2のワイ
ヤ41の間隔はビーム15のY方向のサイズの約2倍
で、ビーム計測時はビーム15に対しほぼ対称な位置に
ある。第3のワイヤ41は、第1と第2のワイヤの中間
位置からビームのY方向のサイズの約1.5倍に等しい
距離だけY方向に離れている。
【0095】ワイヤ41としては金がメッキされたタン
グステンワイヤ等が用いられる。太さは例えば0.01
〜0.5mm程度である。ワイヤ41は真空容器1外の
バイアス電圧印加回路/電流電圧変換回路42のバイア
ス印加回路に導線で接続され、真空容器1に対して数V
から数百Vの電圧が印加される。このワイヤ41にシン
クロトロン放射光15が照射されると、光電子が発生
し、印加電圧による電場によって移動するので、ワイヤ
41に電流が流れる。この電流を検出するため、ワイヤ
41はバイアス電圧印加回路/電流電圧変換回路42の
電流−電圧変換回路にも接続されている。電流−電圧変
換回路の出力は検出器アンプ/アナログデジタル変換回
路12のアナログ−デジタル変換回路を経て演算装置1
3に取り込まれる。
【0096】予め、第5の実施例と同様な手順で校正関
数の算出を行い、その後は、この校正関数に測定値を代
入してビーム15の位置やサイズを算出する。
【0097】[実施例7]図13は本発明の第7の実施
例に係るシンクロトロン放射光計測装置の構成を示すブ
ロック図であり、 図14はその要部を示す斜視図であ
る。この装置では、3本の金属ワイヤを検出器としてシ
ンクロトロン放射光の位置やサイズを測定する。これら
の図において、この装置は、シンクロトロン放射光によ
るビーム15が導入される真空容器1、シンクロトロン
放射光15の検出器を構成する3本の金属ワイヤ41、
X線検出器の出力とステージ駆動量を取り込んで記録す
る演算装置13などから構成される。図13および図1
4において、図11および図12と同一の要素には同一
の符号を付した。
【0098】本実施例では、シンクロトロン放射光の検
出器として3本の金属ワイヤ41を用いる。ワイヤ41
は真空容器1に入れられ、排気ポンプ17によって超高
真空に排気される。真空容器1はシンクロトロンリング
とゲートバルブを介して接続される。3本のワイヤ41
はセラミック等の絶縁物でビーム15面と平行に保持さ
れる。ワイヤ41としては金がメッキされたタングステ
ンワイヤ等が用いられる。太さは例えば0.01〜0.
5mm程度である。ワイヤ41は真空容器1外のバイア
ス電圧印加回路/電流電圧変換回路42のバイアス電圧
印加回路に導線で接続され、真空容器1に対して数Vか
ら数百Vの電圧が印加される。このワイヤ41にシンク
ロトロン放射光15が照射されると、光電子が発生し、
印加電圧による電場によって移動するので、ワイヤ41
に電流が流れる。この電流を検出するため、ワイヤ41
はバイアス電圧印加回路/電流電圧変換回路42の電流
−電圧変換回路にも接続されている。電流−電圧変換回
路の出力は検出器アンプ/アナログデジタル変換器12
のアナログ−デジタル変換回路を経て演算装置13に取
り込まれる。
【0099】本実施例では、校正関数を用いず、測定値
よりガウス関数を直接算出する。強度分布関数はガウス
分布関数で近似出来る。すなわち、次式のように表現で
きる。
【0100】
【数11】 ここでI0はビームの全強度、Y0はビームの中心位
置、σはビームの広がりである。
【0101】本実施例のビーム計測装置では、3つの異
なるYに対し、ビーム強度観測値が3点ある。すなわち
YとIのデータが3組得られる。I0とY0とσを3つ
の未知数に対して連立方程式を解いてI0とY0とσを
算出する。この方法では予め校正関数を求める必要がな
く、真空中の検出器を移動するための駆動機構やベロー
ズ機構などが不要で、装置構成が単純なため、価格が低
くなり、信頼性も向上する。
【0102】[実施例8]図15は本発明の第8の実施
例に係るシンクロトロン放射光計測装置の構成を示すブ
ロック図であり、 図16はその要部を示す斜視図であ
る。この装置では、シンクロトロン放射光の位置やサイ
ズを測定するために、2枚の金属(電極)板と1本の金
属ワイヤの光電効果を用いている。これらの図におい
て、この装置は、シンクロトロン放射光によるビーム1
5が導入される真空容器1、長方形の穴(矩形開口4
7)があいたアパーチャ板46、この後方の対応する位
置に配置され、アパーチャ板46を通過したシンクロト
ロン放射光15のY方向の範囲を規制する2枚の電極板
44、1本の金属ワイヤ43、アパーチャ板46と電極
板44および金属ワイヤ43をY方向に駆動するステー
ジ/コントローラ9、電極板44とワイヤ43の光電流
値とステージ/コントローラ9のステージ駆動量を取り
込んで記録する演算装置13などから構成される。図1
5および図16において、図9および図10と同一の要
素には同一の符号を付した。
【0103】本実施例ではシンクロトロン放射光を2枚
の電極板44と1本のワイヤ43に照射し、それからの
光電子を計測する。計測装置全体は真空容器1に納めら
れている。最上流に長方形の穴(矩形開口47)があい
たアパーチャ板46が設けてあり、矩形開口47により
シンクロトロン放射光ビーム15のX方向の幅を規制す
る。アパーチャ板46に設けられた矩形開口47のY方
向の幅はビーム15の幅より充分大きく、シンクロトロ
ン放射光ビーム15のY方向の幅は規制されない。アパ
ーチャ板46の後方にY方向を規制する2枚の電極板4
4のC,Dが設けられている。
【0104】電極板44C,D、および金属ワイヤ43
にはビーム15のY方向の一部が照射されるので、これ
からの光電流をYが異なる位置に設置された3個の検出
器の出力として用いることができる。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、シ
ンクロトロン放射光源からのビームを複数の受光手段で
直接受光して得た複数のビーム強度の情報に基づいてビ
ームの強度プロファイルを特定するためのパラメータを
演算する、あるいはシンクロトロン放射光源からのビー
ムの複数のビーム強度の計測情報に基づいてシンクロト
ロン照射光源から直接出射されたビームの強度プロファ
イルを特定するためのパラメータを演算する、ようにし
たことで、きわめて短時間にプロファイル特定のための
パラメータ、例えばビームの太さσ、位置Yを計測する
ことができる。このため、従来の技術では知りえなかっ
た短時間の変動を正確に計測することが可能となる。ま
た本発明によれば、校正の時を除いて、計測中はステー
ジを駆動することが必須でない。このため、電力消費が
小さく、維持費用が低く抑えられる。また、シンクロト
ロン放射光を利用する他の計測装置などに振動等の悪影
響を及ぼすことが少ない。また、ステージを駆動するの
は校正の時等に限られるので、べローズやステージ機構
等の装置の損耗が少なく、装置の寿命を非常に長く延ば
すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図2の装置の要部を示す斜視図である。
【図2】 本発明の第1の実施例に係るシンクロトロン
放射光測定装置の構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の第2の実施例に係るシンクロトロン
放射光測定装置の構成を示すブロック図である。
【図4】 図3の装置の要部を示す斜視図である。
【図5】 本発明の第3の実施例に係るシンクロトロン
放射光測定装置の構成を示すブロック図である。
【図6】 図5の装置の要部を示す斜視図である。
【図7】 本発明の第4の実施例に係るシンクロトロン
放射光測定装置の構成を示すブロック図である。
【図8】 図7の装置の要部を示す斜視図である。
【図9】 本発明の第5の実施例に係るシンクロトロン
放射光測定装置の構成を示すブロック図である。
【図10】 図9の装置の要部を示す斜視図である。
【図11】 本発明の第6の実施例に係るシンクロトロ
ン放射光測定装置の構成を示すブロック図である。
【図12】 図11の装置の要部を示す斜視図である。
【図13】 本発明の第7の実施例に係るシンクロトロ
ン放射光測定装置の構成を示すブロック図である。
【図14】 図13の装置の要部を示す斜視図である。
【図15】 本発明の第8の実施例に係るシンクロトロ
ン放射光測定装置の構成を示すブロック図である。
【図16】 図15の装置の要部を示す斜視図である。
【図17】 従来のシンクロトロン放射光測定装置の構
成を示すブロック図である。
【図18】 図9の装置の要部を示す斜視図である。
【図19】 従来例に係るビームの広がりσおよびY方
向位置を算出する方法を示すグラフである。
【図20】 本発明のシンクロトロン放射光測定装置の
測定原理を示すグラフである。
【図21】 本発明のシンクロトロン放射光測定装置の
測定原理を示す他のグラフである。
【図22】 本発明のシンクロトロン放射光測定装置の
測定原理を示す他のグラフである。
【符号の説明】
1:真空容器、2:ピンホール、4:縦スリット、5:
アパーチャ板、7,8:フォトダイオード、9:ステー
ジ/コントローラ、10:ロッド、11:ベローズ機
構、12:検出器アンプ/アナログデジタル変換器、1
3:演算装置、14:シールドケース、15:ビーム、
16:フィルタ、17:排気ポンプ、18:金属ワイ
ヤ、19:全強度検出器、20:絶縁物、21:バイア
ス印加回路/電流電圧変換回路、22:アパーチャ板、
23:イオンチャンバ、24:シンクロトロン放射光光
源、26:ベリリウム窓、28:蓄積電流値、29,3
0:アパーチャ板、31,32:金属板、33:アパー
チャ、34:ピンホール、35:アパーチャ板、36:
フォトダイオード、37:ステージ機構、38:アパー
チャ板、39:ピンホール、40:フォトダイオード、
41:金属ワイヤ、42:バイアス電圧印加回路/電流
電圧変換回路、43:金属ワイヤ、44C,44D:電
極板、45,46:アパーチャ板、47:アパーチャ
(矩形開口)。

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シンクロトロン放射光源からのビームを
    複数の受光手段で直接受光する計測手段と、前記計測手
    段により得られた複数のビーム強度の情報に基づいて該
    ビームの強度プロファイルを特定するためのパラメータ
    を演算する演算手段とを具備することを特徴とするシン
    クロトロン放射光計測装置。
  2. 【請求項2】 前記パラメータはシート状に放射される
    前記ビームの厚さ方向に関する位置と大きさを示す代表
    値であることを特徴とする請求項1に記載のシンクロト
    ロン放射光計測装置。
  3. 【請求項3】 シンクロトロン放射光源からの前記ビー
    ムについてその厚さ方向の全範囲にわたって積分した全
    強度を計測する全強度計測手段と、前記ビームの強度を
    その厚さ方向の位置が異なる2点で計測する2点強度計
    測手段と、前記全強度および2点の強度に基づいて前記
    ビームの厚さ方向の大きさを演算する演算手段とを具備
    することを特徴とする請求項1または2に記載のシンク
    ロトロン放射光計測装置。
  4. 【請求項4】 前記2点強度計測手段を前記ビームの厚
    さ方向に移動する手段を有することを特徴とする請求項
    3に記載のシンクロトロン放射光計測装置。
  5. 【請求項5】 前記全強度計測手段は、前記ビームの厚
    さ方向の全範囲にわたって一度で受光できる受光面を有
    する放射光検出器を有することを特徴とする請求項3ま
    たは4に記載のシンクロトロン放射光計測装置。
  6. 【請求項6】 前記全強度計測手段は、シンクロトロン
    蓄積電流を検出することにより前記全強度を計測するも
    のであることを特徴とする請求項3または4に記載のシ
    ンクロトロン放射光計測装置。
  7. 【請求項7】 前記全強度計測手段は、前記2点で強度
    が計測されるビームが取り出されるビームラインとは別
    のビームラインから取り出されるビームについて全強度
    を計測するものであることを特徴とする請求項3〜6の
    いずれか1項に記載のシンクロトロン放射光計測装置。
  8. 【請求項8】 前記2点間の間隔は前記ビームの厚さ方
    向の大きさの1.5倍以下または2.5倍以上であるこ
    とを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載のシ
    ンクロトロン放射光計測装置。
  9. 【請求項9】 前記演算手段は、前記全強度および2点
    の強度に基づいて前記ビームの厚さ方向の位置または大
    きさを演算するための校正関数を、予め行なった前記全
    強度の計測および前記厚さ方向に移動させながら行なう
    前記2点の強度についての計測の結果に基づいて求める
    ものであることを特徴とする請求項3〜8のいずれか1
    項に記載のシンクロトロン放射光計測装置。
  10. 【請求項10】 前記予め行なった全強度および2点の
    強度の計測は、シンクロトロン蓄積電流値が異なる複数
    の条件下で行なったものであることを特徴とする請求項
    9に記載のシンクロトロン放射光計測装置。
  11. 【請求項11】 前記シンクロトロン放射光源からの前
    記ビームの強度をその厚さ方向の位置が異なる3点で計
    測する3点強度計測手段と、前記3点のビームの強度に
    基づいて前記パラメータを演算する演算手段とを具備す
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のシンクロ
    トロン放射光計測装置。
  12. 【請求項12】 前記3点強度計測手段を前記ビームの
    厚さ方向に移動させる手段を有することを特徴とする請
    求項11に記載のシンクロトロン放射光計測装置。
  13. 【請求項13】 前記演算手段は、3点の強度に基づい
    て前記パラメータを演算するための校正関数を、前記厚
    さ方向に移動させながら行なう前記3点の強度について
    の計測の結果に基づいて求めるものであることを特徴と
    する請求項11または12に記載のシンクロトロン放射
    光計測装置。
  14. 【請求項14】 前記3点の強度の計測は、シンクロト
    ロン蓄積電流値が異なる複数の条件下で行なったもので
    あることを特徴とする請求項13に記載のシンクロトロ
    ン放射光計測装置。
  15. 【請求項15】 前記校正関数は多項式であることを特
    徴とする請求項9、10、13または14いずれかに記
    載のシンクロトロン放射光計測装置。
  16. 【請求項16】 前記3点強度計測手段を前記ビームの
    厚さ方向に移動させる手段を用いることなく、前記校正
    関数なしに前記3点のビームの強度に基づいて前記パラ
    メータを演算することを特徴とする請求項11に記載の
    シンクロトロン放射光計測装置。
  17. 【請求項17】 シンクロトロン放射光源からの前記ビ
    ームを複数の受光手段で直接受光することにより、該ビ
    ームの強度プロファイルを特定するためのパラメータを
    計測することを特徴とするシンクロトロン放射光計測方
    法。
  18. 【請求項18】 前記パラメータはシート状に放射され
    る前記ビームの厚さ方向に関する位置と大きさを示す代
    表値であることを特徴とする請求項17に記載のシンク
    ロトロン放射光計測方法。
  19. 【請求項19】 シンクロトロン放射光の前記ビームに
    ついてその厚さ方向の全範囲にわたって積分した全強度
    を計測する全強度計測工程と、前記ビームの強度をその
    厚さ方向の位置が異なる2点で計測する2点強度計測工
    程と、前記全強度および2点の強度に基づいて前記ビー
    ムの厚さ方向の大きさを演算する演算工程とを具備する
    ことを特徴とする請求項17または18に記載のシンク
    ロトロン放射光計測方法。
  20. 【請求項20】 前記2点の強度測定点を前記ビームの
    厚さ方向に移動する工程を有することを特徴とする請求
    項19に記載のシンクロトロン放射光計測方法。
  21. 【請求項21】 前記全強度の計測は、前記ビームの厚
    さ方向の全範囲にわたって一度で受光できる受光面を有
    する放射光検出器により行なうことを特徴とする請求項
    19または20に記載のシンクロトロン放射光計測方
    法。
  22. 【請求項22】 前記全強度の計測は、シンクロトロン
    蓄積電流を検出することにより行なうことを特徴とする
    請求項19または20に記載のシンクロトロン放射光計
    測方法。
  23. 【請求項23】 前記全強度の計測は、前記2点で強度
    が計測されるビームが取り出されるビームラインとは別
    のビームラインから取り出されるビームについて行なう
    ことを特徴とする請求項19〜22のいずれか1項に記
    載のシンクロトロン放射光計測方法。
  24. 【請求項24】 前記2点間の間隔は前記ビームの厚さ
    方向の大きさの2.5倍以上であることを特徴とする請
    求項19〜23のいずれか1項に記載のシンクロトロン
    放射光計測方法。
  25. 【請求項25】 前記演算工程では、前記全強度および
    2点の強度に基づいて、前記ビームの厚さ方向の位置ま
    たは大きさを、予め行なった前記全強度の計測および前
    記厚さ方向に移動させながら行なう前記2点の強度につ
    いての計測の結果に基づいて求めた校正関数を用いて演
    算することを特徴とする請求項19〜24のいずれか1
    項に記載のシンクロトロン放射光計測方法。
  26. 【請求項26】 前記予め行なった全強度および2点の
    強度の計測は、シンクロトロン蓄積電流値が異なる複数
    の条件下で行なったものであることを特徴とする請求項
    25に記載のシンクロトロン放射光計測方法。
  27. 【請求項27】 前記シンクロトロン放射光の前記ビー
    ムの強度をその厚さ方向の位置が異なる3点で計測する
    3点強度計測工程と、前記3点のビームの強度に基づい
    て前記パラメータを演算する演算工程とを具備すること
    を特徴とする請求項17または18に記載のシンクロト
    ロン放射光計測方法。
  28. 【請求項28】 前記3点強度計測工程を前記ビームの
    厚さ方向に移動させる工程を有することを特徴とする請
    求項27に記載のシンクロトロン放射光計測方法。
  29. 【請求項29】 前記演算工程は、3点の強度に基づい
    て前記パラメータを演算するための校正関数を、前記厚
    さ方向に移動させながら行なう前記3点の強度について
    の計測の結果に基づいて求めるものであることを特徴と
    する請求項27または28に記載のシンクロトロン放射
    光計測方法。
  30. 【請求項30】 前記3点の強度の計測は、シンクロト
    ロン蓄積電流値が異なる複数の条件下で行なったもので
    あることを特徴とする請求項29に記載のシンクロトロ
    ン放射光計測方法。
  31. 【請求項31】 前記校正関数は多項式であることを特
    徴とする請求項25、26、29または30いずれかに
    記載のシンクロトロン放射光計測方法。
  32. 【請求項32】 前記3点強度計測工程を前記ビームの
    厚さ方向に移動させる工程を用いることなく、前記校正
    関数なしに前記3点のビームの強度に基づいて前記パラ
    メータを演算することを特徴とする請求項27に記載の
    シンクロトロン放射光計測方法。
  33. 【請求項33】 シンクロトロン放射光源からのビーム
    の複数のビーム強度の計測情報に基づいて、シンクロト
    ロン照射光源から直接出射されたビームの強度プロファ
    イルを特定するためのパラメータを演算する演算手段を
    有することを特徴とするシンクロトロン放射光計測装
    置。
  34. 【請求項34】 前記パラメータはシート上に放射され
    る前記ビームの厚さ方向に関する位置と大きさを示す代
    表値であることを特徴とする請求項33に記載のシンク
    ロトロン放射光計測装置。
  35. 【請求項35】 シンクロトロン放射光源からのビーム
    の複数のビーム強度の計測情報に基づいて、シンクロト
    ロン照射光源から直接出射されたビームの強度プロファ
    イルを特定するためのパラメータを演算することを特徴
    とするシンクロトロン放射光計測方法。
  36. 【請求項36】 前記パラメータはシート上に放射され
    る前記ビームの厚さ方向に関する位置と大きさを示す代
    表値であることを特徴とする請求項35に記載のシンク
    ロトロン放射光計測方法。
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